JP2022086765A - 減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 - Google Patents

減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の上面に形成された塗布層を、均一に乾燥させることができる減圧乾燥装置および減圧乾燥方法を提供する。【解決手段】減圧乾燥装置1は、チャンバ10、ステージ20、複数の排気口16a~16d、減圧機構30、および制御部80を備える。減圧機構20は、複数の排気口16a~16dからの排気量を個別に調節する複数の個別バルブVa~Vdを有する。制御部80は、チャンバ10内の減圧時に、複数の個別バルブVa~Vdのうち、一部の個別バルブの開閉状態または開度を変更し、当該一部の個別バルブを順次に変更する。これにより、複数の排気口Va~Vdからの排気量が、順次に切り替わる。そうすると、基板9の上面に沿って形成される気流の向きが変化する。その結果、溶剤の蒸気に起因する乾燥ムラを抑制できる。したがって、基板9の上面の塗布層を、均一に乾燥させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、基板の上面に形成された塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥装置および減圧乾燥方法に関する。
従来、有機ELティスプレイの製造工程では、基板の上面に、正孔注入層、正孔輸送層、または発光層となる塗布層を形成する。塗布層は、インクジェット装置により、基板の上面に、部分的に塗布される。そして、塗布層が形成された基板は、減圧乾燥装置のチャンバ内に搬送されて、減圧乾燥処理を受ける。これにより、塗布層に含まれる溶剤が気化して、塗布層が乾燥する。
減圧乾燥装置は、基板を収容するチャンバと、チャンバから気体を吸引する減圧機構とを備える。従来の減圧乾燥装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2018-49806号公報
従来の減圧乾燥装置は、チャンバ内の気体を排出する排気口が、チャンバの底面に設けられている。これは、チャンバの減圧時に、基板の上面側に、均一な気流を形成するためである。しかしながら、基板の上面のうち、塗布層に覆われた塗布領域では、減圧に伴い塗布層中の溶剤が気化するのに対し、塗布層に覆われていない非塗布領域では、溶剤が気化しない。このため、基板の上面側における気流の向きが終始一定であると、非塗布領域から塗布領域へ向けて気体が流れる部分と、塗布領域から非塗布領域へ向けて気体が流れる部分とで、溶剤の蒸気の影響で、塗布領域の端縁部における乾燥の進行度合いに差が生じる。その結果、塗布層に乾燥ムラが生じる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、基板の上面に形成された塗布層を、均一に乾燥させることができる減圧乾燥装置および減圧乾燥方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、基板の上面に形成された溶剤を含む塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥装置であって、基板を収容するチャンバと、前記チャンバの内部において、基板を下方から支持するステージと、前記チャンバに設けられた複数の排気口と、前記複数の排気口を介して前記チャンバ内の気体を吸引する減圧機構と、前記減圧機構を制御する制御部と、を備え、前記減圧機構は、前記複数の排気口からの排気量を個別に調節する複数の個別バルブを有し、前記制御部は、前記複数の個別バルブのうち、一部の個別バルブの開閉状態または開度を変更し、前記一部の個別バルブを順次に変更する切替処理を実行する。
本願の第2発明は、第1発明の減圧乾燥装置であって、前記複数の排気口は、前記ステージに支持された基板の下方に位置する。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の減圧乾燥装置であって、前記複数の個別バルブは、開閉弁であり、前記制御部は、一部の個別バルブを閉鎖するとともに他の個別バルブを開放し、前記一部の個別バルブを順次に変更する。
本願の第4発明は、第3発明の減圧乾燥装置であって、前記制御部は、1つの個別バルブを閉鎖するとともに他の個別バルブを開放し、前記1つの個別バルブを順次に変更する。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記複数の個別バルブは、開度を調節可能な開度制御弁であり、前記制御部は、一部の個別バルブの開度を他の個別バルブの開度よりも小さくし、前記一部の個別バルブを順次に変更する。
本願の第6発明は、第5発明の減圧乾燥装置であって、前記制御部は、1つの個別バルブの開度を他の個別バルブの開度よりも小さくし、前記1つの個別バルブを順次に変更する。
本願の第7発明は、第1発明から第6発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記減圧機構は、前記複数の排気口に一端が接続された複数の個別配管と、前記複数の個別配管の他端に接続された1つの主配管と、を有し、前記複数の個別配管のそれぞれに、前記個別バルブが設けられ、前記減圧機構は、前記主配管に設けられた開度調節可能な主バルブをさらに有する。
本願の第8発明は、第7発明の減圧乾燥装置であって、前記制御部は、前記複数の個別バルブの開閉状態または開度に応じて、前記主バルブの開度を制御する。
本願の第9発明は、第1発明から第8発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記制御部は、少なくとも前記塗布層の沸騰時に、前記切替処理を実行する。
本願の第10発明は、第1発明から第9発明までのいずれか1発明の減圧乾燥装置であって、前記基板の上面は、前記塗布層に覆われた部分と、前記塗布層から露出した部分と、を有する。
本願の第11発明は、基板の上面に形成された溶剤を含む塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥方法であって、a)チャンバ内に基板を収容する工程と、b)チャンバに設けられた複数の排気口を介して、チャンバ内の気体を吸引する工程と、を有し、前記工程b)は、前記複数の個別バルブのうち、一部の個別バルブの開閉状態または開度を変更し、前記一部の個別バルブを順次に変更する切替処理を含む。
本願の第1発明~第11発明によれば、チャンバ内の減圧時に、複数の排気口からの排気量が、順次に切り替わる。これにより、基板の上面に沿って形成される気流の向きが変化する。その結果、塗布層から気化した溶剤の蒸気に起因する乾燥ムラを抑制できる。したがって、基板の上面の塗布層を、均一に乾燥させることができる。
特に、本願の第2発明によれば、チャンバ内の気体が、基板の下方から排気される。これにより、基板の上面側における気体の流れを均一化できる。
特に、本願の第4発明によれば、閉鎖する個別バルブを1つのみとすることで、排気量を確保できる。
特に、本願の第5発明によれば、開閉弁を使用する場合よりも、基板の上面に沿って形成される気流を、緩やかに変化させることができる。
特に、本願の第6発明によれば、開度を絞る個別バルブを1つのみとすることで、排気量を確保できる。
特に、本願の第8発明によれば、減圧機構全体の排気量の変化を抑制できる。
特に、本願の第9発明によれば、塗布層の沸騰により多量に発生する溶剤の蒸気が、一方向に流れることを抑制できる。したがって、溶剤の蒸気に起因する乾燥ムラを抑制できる。
減圧乾燥装置の縦断面図である。 減圧乾燥装置の横断面図である。 基板の斜視図である。 制御部において実現される機能を概念的に示したブロック図である。 減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。 チャンバ内の気圧の変化を示すグラフである。 ステージが上昇位置に配置されたときのチャンバ内の様子を示した図である。 4つの個別バルブの開閉状態の変化を示すタイミングチャートである。 基板の部分縦断面図である。 ステージが下降位置に配置されたときのチャンバ内の様子を示した図である。 変形例に係る4つの個別バルブの開閉状態の変化を示すタイミングチャートである。 変形例に係る減圧乾燥装置の縦断面図である。 変形例に係る減圧乾燥装置の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.減圧乾燥装置の構成について>
図1は、本発明の一実施形態に係る減圧乾燥装置1の縦断面図である。図2は、減圧乾燥装置1の横断面図である。この減圧乾燥装置1は、有機ELディスプレイの製造工程において、基板9に対して、減圧乾燥処理を行う装置である。基板9には、矩形のガラス基板が使用される。基板9の上面には、予め、有機材料および溶剤を含む塗布層90(図9参照)が、部分的に形成されている。塗布層90は、減圧乾燥装置1で乾燥されることにより、有機ELディスプレイの正孔注入層、正孔輸送層、または発光層となる。
図3は、基板9の斜視図である。基板9は、上面視において、縦横の長さが異なる長方形状である。図2に示すように、基板9の上面には、有機ELディスプレイの回路パターンを形成する回路領域A1が、複数配列されている。図2の例では、基板9の上面に、4つの矩形の回路領域A1が、2行2列のマトリクス状に配列されている。ただし、回路領域A1の形状、数、配置は、この例に限定されるものではない。塗布層90は、減圧乾燥工程よりも前の塗布工程において、インクジェット装置により、各回路領域A1内に、回路パターンに従って形成される。したがって、各回路領域A1は、塗布層90に覆われた部分と、塗布層90から露出した部分とを有する。また、隣り合う回路領域A1の間の境界領域A2は、塗布層90から露出した部分となる。
図1および図2に示すように、減圧乾燥装置1は、チャンバ10、ステージ20、減圧機構30、底面整流板40、側面整流板50、給気機構60、圧力計70、および制御部80を備えている。
チャンバ10は、基板9が収容される内部空間を有する耐圧容器である。チャンバ10は、図示を省略した装置フレーム上に固定される。チャンバ10の形状は、扁平な直方体状である。チャンバ10は、略正方形状の底板部11、4つの側壁部12、および略正方形状の天面部13を有する。4つの側壁部12は、底板部11の4つの端辺と、天面部13の4つの端辺とを、上下方向に接続する。
4つの側壁部12のうちの1つには、搬出入口14と、搬入出口14を開閉するシャッタ15とが設けられている。シャッタ15は、エアシリンダ等により構成されるシャッタ駆動機構16と接続されている。シャッタ駆動機構16を動作させると、シャッタ16は、搬入出口14を閉鎖する閉鎖位置と、搬入出口14を開放する開放位置との間で、移動する。シャッタ16が閉鎖位置に配置された状態では、チャンバ10の内部空間が密閉される。シャッタ16が開放位置に配置された状態では、搬入出口14を介して、チャンバ10への基板9の搬入およびチャンバ10からの基板9の搬出を行うことができる。
ステージ20は、チャンバ10の内部において、基板9を支持する支持部である。ステージ20は、複数の支持プレート21を有する。複数の支持プレート21は、水平方向に間隔をあけて配列されている。各プレート21の上面には、複数の支持ピン22が立設されている。基板9は、複数のプレート21の上部に配置される。そして、複数の支持ピン22の上端部が基板9の下面に接触することにより、基板9が水平姿勢で支持される。
ステージ20の複数の支持プレート21は、昇降機構23に接続されている。図面の煩雑化を避けるため、昇降機構23は、図1において概念的に示されているが、実際には、昇降機構23は、エアシリンダ等のアクチュエータにより構成される。昇降機構23を動作させると、ステージ20は、下降位置H1(図1において実線で示した位置)と、下降位置H1よりも高い上昇位置H2(図1において二点鎖線で示した位置)との間で、上下方向に昇降移動する。このとき、複数のプレート21は、一体として昇降移動する。
減圧機構30は、チャンバ10の内部空間から気体を吸引して、チャンバ10内の圧力を低下させる機構である。図1および図2に示すように、チャンバ10の底板部11には、4つの排気口16a~16dが設けられている。4つの排気口16a~16dは、ステージ20に支持された基板9の下方、かつ、後述する底面整流板40の下方に位置する。減圧機構30は、4つの排気口16a~16dに接続された排気配管31と、4つの個別バルブVa~Vdと、主バルブVeと、真空ポンプ32とを有する。
排気配管31は、4つの個別配管31a~31dと、1つの主配管31eとを有する。4つの個別配管31a~31dの一端は、4つの排気口16a~16dに、それぞれ接続されている。4つの個別配管31aの他端は、1本に合流して、主配管31eの一端に接続されている。主配管31eの他端は、真空ポンプ32に接続されている。4つの個別バルブVa~Vdは、4つの個別配管31aの経路上に、それぞれ設けられている。主バルブVeは、主配管31eの経路上に設けられている。
シャッタ15により搬入出口14を閉鎖した状態で、4つの個別バルブVa~Vdの少なくとも一部と、1つの主バルブVeとを開放し、真空ポンプ32を動作させると、チャンバ10内の気体が、排気配管31を通って、チャンバ10の外部へ排出される。これにより、チャンバ10の内部空間の圧力を低下させることができる。
4つの個別バルブVa~Vdは、4つの排気口16a~16dからの排気量を、個別に調節するためのバルブである。本実施形態の個別バルブVa~Vdは、制御部80からの指令に基づいて、開放状態と閉鎖状態とを切り替える開閉弁である。主バルブVeは、4つの排気口16a~16dからの合計の排気量を調整するためのバルブである。本実施形態の主バルブVeは、制御部80からの指令に基づいて、開度を調節可能な開度制御弁である。
この減圧乾燥装置1では、4つの排気口16a~16dが、ステージ20に支持された基板9の下方に位置する。このため、基板9の上方に排気口がある場合と比べて、基板9の上面側における気体の流れを均一化できる。したがって、基板9の上面に形成された塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
底面整流板40は、チャンバ10内の減圧時における気体の流れを規制するためのプレートである。底面整流板40は、ステージ20に支持される基板9と、チャンバ10の底板部11との間に位置する。より具体的には、底面整流板40は、下降位置H1のステージ20から間隔をあけて下側、かつ、底板部11の上面から間隔をあけて上側に位置する。また、底面整流板40は、底板部11の上面に沿って、水平に拡がる。底面整流板40は、チャンバ10の底板部11に、複数の支柱(図示省略)を介して固定されている。
図2に示すように、底面整流板40の形状は、上面視において正方形である。そして、底面整流板40の上面視における各辺の長さは、長方形状の基板9の長辺および短辺のいずれよりも長い。このため、ステージ20上に配置される基板9の向きに拘わらず、上面視において、底面整流板40は、基板9よりも大きい。
側面整流板50は、底面整流板40とともに、チャンバ10内の減圧時における気体の流れを規制するためのプレートである。側面整流板50は、下降位置H1のステージ20に支持される基板9と、チャンバ10の側壁部12との間に位置する。より具体的には、側面整流板50は、下降位置H1のステージ20に支持される基板9の端部から間隔をあけて外側、かつ、側壁部12の内面から間隔をあけて内側に位置する。本実施形態では、ステージ20に支持される基板9の周囲に、4つの側面整流板50が配置されている。各側面整流板50は、側壁部12の内面に沿って拡がる。したがって、4つの側面整流板50は、全体として、基板9を包囲する四角筒状の整流板を形成している。また、底面整流板40および4つの側面整流板50は、全体として、有底筒状の箱状整流板を形成している。
チャンバ10の内部空間を減圧するときには、チャンバ10内の気体は、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および排気口16a~16dを通って、チャンバ10の外部へ排出される。このように、気体が基板9から離れた空間を流れることで、基板9の近傍に形成される気流を低減できる。特に、基板9の周縁部において気流が集中することを抑制できる。その結果、基板9の上面に形成された塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
図2に示すように、底面整流板40および4つの側面整流板50により形成される箱状整流板は、上面視において正方形である。そして、当該箱状整流板の上面視における各辺の長さは、長方形状の基板9の長辺および短辺のいずれよりも長い。このため、ステージ20上に配置される基板9の向きに拘わらず、減圧時におけるチャンバ10内の気体の流れを、一様とすることができる。すなわち、基板9の向きによって、チャンバ10内の気体の流れが変化することを抑制できる。
また、図2に示すように、4つの排気口16a~16dは、いずれも、上面視において、正方形状の底面整流板40の対角線41上に位置する。このようにすれば、各排気口16a~16dにより、底面整流板40の中央(2本の対角線41の交点)に対して対称な気流を形成できる。これにより、チャンバ10の内部に、より均一な気流を形成できる。
3つの側面整流板50は、チャンバ10の側壁部12に固定されている。ただし、残りの1つの側面整流板50は、基板9の搬入および搬出の経路を確保するために、側壁部12および底面整流板40に対して移動可能となっている。当該1つの側面整流板50は、例えば、シャッタ15とともに移動するように構成される。そうすれば、シャッタ15が閉鎖位置から開放位置へ移動すると、当該側面整流板50も移動し、基板9の搬入および搬出の経路を確保することができる。
ただし、移動可能な側面整流板50が、他の側面整流板50または底面整流板50に接触すると、整流板同士の摺接によって、粉塵が発生する可能性がある。このため、移動可能な側面整流板50は、正規の位置(上述した箱状整流板を構成する位置)に配置されたときにも、他の側面整流板50および底面整流板40とは非接触であることが望ましい。ただし、気流を規制する効果をより高めることを重視する場合には、移動可能な側面整流板50と、他の側面整流板50および底面整流板40とを、互いに接触させて、これらの整流板の隙間を閉じてもよい。
給気機構60は、減圧乾燥処理の最後に、チャンバ10内を大気圧に戻すための機構である。図1に示すように、チャンバ10の底板部11には、給気口16fが設けられている。給気口16fは、底面整流板40の下方に位置する。給気機構60は、給気口16eに接続された給気配管61と、給気バルブVfと、給気源62とを有する。給気配管61の一端は、給気口16fに接続されている。給気配管61の他端は、給気源62に接続されている。給気バルブVfは、給気配管61の経路上に設けられている。
給気バルブVfを開放すると、給気源62から給気配管61および給気口16fを通ってチャンバ10の内部空間へ、気体が供給される。これにより、チャンバ10内の気圧を上昇させることができる。なお、給気源62から供給される気体は、窒素ガス等の不活性ガスであってもよく、あるいは、クリーンドライエアであってもよい。
圧力計70は、チャンバ10内の気圧を計測するセンサである。図1に示すように、圧力計70は、チャンバ10の一部分に取り付けられている。圧力計70は、チャンバ10内の気圧を計測し、その計測結果を、制御部70へ出力する。
制御部80は、減圧乾燥装置1の各部を動作制御するためのユニットである。制御部80は、CPU等のプロセッサ801、RAM等のメモリ802、およびハードディスクドライブ等の記憶部803を有するコンピュータにより構成される。記憶部803には、減圧乾燥処理を実行するためのコンピュータプログラムおよび各種データが記憶されている。制御部80は、記憶部803からメモリ802にコンピュータプログラムおよび各種データを読み出し、当該コンピュータプログラムおよびデータに従ってプロセッサ801が演算処理を行うことにより、減圧乾燥装置1内の各部を動作制御する。
図4は、制御部80において実現される機能を概念的に示したブロック図である。図4に示すように、制御部80は、シャッタ駆動機構16、昇降機構23、4つの個別バルブVa~Vd、主バルブVe、真空ポンプ32、給気バルブVf、および圧力計70と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、圧力計70から出力される計測値を参照しつつ、上記各部の動作を制御する。
図4に概念的に示したように、制御部80は、シャッタ制御部81、昇降制御部82、切替制御部83、排気制御部84、ポンプ制御部85、および給気制御部86を有する。シャッタ制御部81は、シャッタ駆動機構16の動作を制御する。昇降制御部82は、昇降機構23の動作を制御する。切替制御部83は、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態を個別に制御する。排気制御部84は、主バルブVeの開閉状態および開度を制御する。ポンプ制御部85は、真空ポンプ32の動作を制御する。給気制御部86は、給気バルブVfの開閉状態を制御する。これらの各部の機能は、上述したコンピュータプログラムおよび各種データに基づいて、プロセッサ801が動作することにより実現される。
<2.減圧乾燥処理について>
続いて、上記の減圧乾燥装置1を用いた基板9の減圧乾燥処理について、説明する。図5は、減圧乾燥処理の流れを示すフローチャートである。図6は、チャンバ10内の気圧の変化を示すグラフである。
減圧乾燥処理を行うときには、まず、基板9をチャンバ10内に搬入する(ステップS1)。基板9の上面には、未乾燥の塗布層90が形成されている。ステップS1では、まず、シャッタ制御部81が、シャッタ駆動機構16を動作させる。これにより、シャッタ15を閉鎖位置から開放位置へ移動させて、搬入出口14を開放する。そして、図示を省略した搬送ロボットが、フォーク状のハンドに基板9を載置しつつ、チャンバ10の搬入出口14を介して、チャンバ10の内部へ、基板9を搬入する。
この時点では、ステージ20は、下降位置H1に配置されている。搬送ロボットは、ステージ20の複数のプレート21の間へフォーク状のハンドを挿入しつつ、ステージ20の上面に基板9を載置する。ステージ20上に基板9が載置されると、搬送ロボットは、チャンバ10の外部へ退避する。そして、シャッタ制御部81が、再びシャッタ駆動機構16を動作させて、シャッタ15を開放位置から閉鎖位置へ移動させることにより、搬入出口14を閉鎖する。これにより、チャンバ10の内部空間に基板9が収容される。
次に、減圧乾燥装置1は、ステージ20を上昇させる(ステップS2)。具体的には、昇降制御部82が、昇降機構23を動作させることにより、ステージ20を、下降位置H1から上昇位置H2へ移動させる。図7は、ステージ20が上昇位置H2に配置されたときのチャンバ10内の様子を示した図である。図7に示すように、側面整流板50の上端部は、上昇位置H2のステージ20に支持される基板9の高さよりも低い。したがって、ステップS2において、ステージ20に支持された基板9は、側面整流板50の上端部よりも上方の位置まで、上昇する。基板9の上面は、チャンバ10の天面部13と、僅かな隙間を介して対向する。
続いて、チャンバ10内の減圧を開始する。すなわち、ポンプ制御部85が、真空ポンプ32の動作を開始する。また、切替制御部83が、個別バルブVa~Vdの一部を開放し、排気制御部84が、主バルブVeを開放する。これにより、チャンバ10から排気配管16への気体の排出を開始する。減圧乾燥装置1は、まず、チャンバ10の内部空間を緩やかに減圧する、第1処理を行う(ステップS3)。この第1処理では、排気制御部84が、主バルブVeの開度を、後述する第2処理~第4処理よりも小さい開度に調整する。これにより、図6の時刻t1~t2のように、チャンバ10内の気圧が、大気圧P0から緩やかに低下する。
ステップS3では、上述の通り、ステージ20が上昇位置H2に配置されている。このため、チャンバ10内の気体は、図7中の破線矢印のように、基板9の下方の空間から、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および排気口16a~16dを通って、排気配管61へ流れる。このため、チャンバ10内に形成される気流は、基板9の上面に影響を及ぼしにくい。
ただし、このステップS3でも、基板9の上面と天面部13との間の空間において、僅かな気流が生じる。また、減圧により、塗布層90からの溶剤の気化が始まっている。そこで、切替制御部83は、基板9の上面と天面部13との間の気流により、塗布層90の乾燥ムラが生じることを抑制するために、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態を、順次に切り替える。
図8は、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態の変化を示すタイミングチャートである。図8に示すように、切替制御部83は、4つの個別バルブVa~Vdのうちの1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の個別バルブを開放する。そして、切替制御部83は、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更する。具体的には、1つの個別バルブVaを閉鎖して他の3つの個別バルブVb,Vc,Vdを開放する第1状態(時間ta)、1つの個別バルブVbを閉鎖して他の3つの個別バルブVa,Vc,Vdを開放する第2状態(時間tb)、1つの個別バルブVcを閉鎖して他の3つの個別バルブVa,Vb,Vdを開放する第3状態(時間tc)、および1つの個別バルブVdを閉鎖して他の3つの個別バルブVa,Vb,Vcを開放する第4状態(時間td)、を順次に切り替える。
このようにすれば、第1処理の間に、基板9の上面と天面部13との間の空間に形成される気流の向きが、個別バルブVa~Vdの切り替えに応じて変化する。したがって、基板9の上面の塗布層90を、均一に乾燥させることができる。
特に、本実施形態では、図9のように、基板9の上面が、塗布層90に覆われた塗布領域A3と、塗布層90から露出した非塗布領域A4とを有する。塗布領域A3からは溶剤が気化するのに対し、非塗布領域A4からは溶剤が気化しない。このため、仮に、気流の向きが一定であったとすると、塗布領域A3から非塗布領域A4へ向けて気体が流れる部分と、非塗布領域A4から塗布領域A3へ向けて気体が流れる部分とで、溶剤の蒸気の影響で、塗布領域A3の端縁部における乾燥の進行度合いに差が生じる。しかしながら、上述のように、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態を順次に切り替えて、気流の向きを変化させれば、そのような乾燥の進行度合いの差を低減できる。したがって、溶剤の蒸気に起因する塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
次に、減圧乾燥装置1は、ステージ20を下降させる(ステップS4)。具体的には、昇降制御部82が、昇降機構23を動作させることにより、ステージ20を、上昇位置H2から下降位置H1へ移動させる。図10は、ステージ20が下降位置H1に配置されたときのチャンバ10内の様子を示した図である。図10に示すように、側面整流板50の上端部は、下降位置H1のステージ20に支持される基板9の高さよりも高い。したがって、ステップS4において、ステージ20に支持された基板9は、側面整流板50の上端部よりも下方の位置まで、下降する。
続いて、減圧乾燥装置1は、チャンバ10の内部空間を急速に減圧する、第2処理を行う(ステップS5)。この第2処理では、排気制御部84が、主バルブVeの開度を、第1処理よりも大きい開度に変更する。これにより、図6の時刻t2~t3のように、チャンバ10内の気圧が、急速に低下する。
第2処理では、上述の通り、ステージ20が下降位置H1に配置されている。このため、基板9の上面側の空間に存在する気体は、図8中の破線矢印のように、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および排気口16a~16dを通って、排気配管61へ流れる。これにより、基板9の近傍に強い気流が発生することを抑制できる。特に、基板9の周縁部において気流が集中することを抑制できる。したがって、気流による塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
また、この第2処理では、塗布層90から溶剤が活発に気化する。そこで、切替制御部83は、塗布層90の乾燥ムラを抑制するために、上述した第1処理と同様に、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態を、順次に切り替える。すなわち、切替制御部83は、図8のように、4つの個別バルブVa~Vdのうちの1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の個別バルブを開放する。そして、切替制御部83は、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更する。このようにすれば、第2処理の間に、基板9の上面に沿って形成される気流の向きが、個別バルブVa~Vdの切り替えに応じて変化する。したがって、基板9の上面の塗布層90を、均一に乾燥させることができる。
チャンバ10の内部空間の気圧が、所定の圧力P1まで低下すると、塗布層90が沸騰する。そして、沸騰が始まると、図6の時刻t3~t4のように、チャンバ10内の気圧が、ほぼ一定となる。このように、減圧乾燥装置1は、塗布層90を沸騰させつつ、チャンバ10からの排気を継続する、第3処理を行う(ステップS6)。
この第3処理では、塗布層90から溶剤の気化が、第2処理よりもさらに活発となる。そこで、切替制御部83は、塗布層90の乾燥ムラを抑制するために、上述した第1処理および第2処理と同様に、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態を、順次に切り替える。すなわち、切替制御部83は、図8のように、4つの個別バルブVa~Vdのうちの1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の個別バルブを開放する。そして、切替制御部83は、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更する。このようにすれば、第3処理の間に、基板9の上面に沿って形成される気流の向きが、個別バルブVa~Vdの切り替えに応じて変化する。したがって、基板9の上面の塗布層90を、均一に乾燥させることができる。
やがて、塗布層90の溶媒成分が十分に気化すると、塗布層90の沸騰が終了する。そうすると、図6の時刻t4~t5のように、チャンバ10内の気圧が、再び急速に低下する。このように、減圧乾燥装置1は、塗布層90の沸騰後に、チャンバ10の内部空間をさらに減圧する、第4処理を行う(ステップS7)。
この第4処理では、塗布層90に残存する僅かな溶媒成分が気化するものの、上述した第1処理~第3処理と比べると、溶媒成分の気化は活発ではない。このため、切替制御部83は、4つの個別バルブVa~Vdを全て開放する。これにより、チャンバ10からの排気を促進して、チャンバ10の内部空間を目標圧力P2まで急速に減圧する。
チャンバ10内の気圧が目標圧力P2に到達すると、排気制御部84は、主バルブVeを閉鎖する。これにより、チャンバ10からの気体の吸引が終了し、塗布層90の乾燥が完了する。
その後、給気制御部86が、給気バルブVfを開放する。そうすると、給気源62から給気配管61および給気口16fを通ってチャンバ10の内部へ、気体が供給される(ステップS8)。これにより、チャンバ10内の気圧が、再び大気圧P0まで上昇する。このとき、チャンバ10内には、比較的強い気流が発生するが、塗布層90は十分に乾燥済みであるため、気流による乾燥ムラは生じにくい。また、給気口16fから供給される気体は、底面整流板40と底板部11との間、および、側面整流板50と側壁部12との間を通って、チャンバ10の内側へ流れる。これにより、基板9の近傍に強い気流が発生することを抑制できる。
チャンバ10内の気圧が大気圧に到達すると、給気制御部86は、給気バルブVfを閉鎖する。そして、シャッタ制御部81が、シャッタ駆動機構16を動作させる。これにより、シャッタ15を閉鎖位置から開放位置へ移動させて、搬入出口14を開放する。そして、図示を省略した搬送ロボットが、ステージ20に支持された乾燥済みの基板9を、チャンバ10の外部へ搬出する(ステップS9)。以上をもって、1枚の基板9に対する減圧乾燥処理を終了する。
以上のように、この減圧乾燥装置1では、第1処理~第3処理において、4つの個別バルブVa~Vdの開閉状態を順次に切り替える切替処理を行う。このため、第1処理~第3処理の各処理の間に、4つの排気口16a~16dからの排気量が、順次に切り替わる。これにより、基板9の上面に沿って形成される気流の向きが変化する。したがって、基板9の上面の塗布層90を、均一に乾燥させることができる。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記実施形態との差異点を中心として説明する。
<3-1.第1変形例>
上記の実施形態では、第1処理~第3処理の間に、4つの個別バルブVa~Vdを順次に切り替える切替処理を行っていた。しかしながら、第1処理~第3処理のうちの一部の処理時にのみ、切替処理を行ってもよい。例えば、塗布層90が沸騰する第3処理の際には、溶剤成分の気化が最も活発となる。このため、第3処理のときにのみ、切替処理を行ってもよい。
<3-2.第2変形例>
上記の実施形態では、切替処理において、4つの個別バルブVa~Vdのうち、1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の3つの個別バルブを開放し、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更していた。しかしながら、4つの個別バルブVa~Vdのうち、2つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の2つの個別バルブを開放し、閉鎖する2つの個別バルブを順次に変更してもよい。あるいは、4つの個別バルブVa~Vdのうち、3つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の1つの個別バルブを開放し、閉鎖する3つの個別バルブを順次に変更してもよい。すなわち、切替制御部83は、複数の個別バルブのうち、一部の個別バルブの開閉状態を変更し、当該一部の個別バルブを順次に変更すればよい。ただし、上記の実施形態のように、個別バルブVa~Vdを1つずつ閉鎖する方が、排気配管61全体として排気量を確保しやすい。
<3-3.第3変形例>
上記の実施形態では、切替処理を行う間は、常に、4つ個別バルブVa~Vdのうちのいずれか1つを閉鎖していた。しかしながら、切替処理において、4つの個別バルブVa~Vdを全て開放する時間が含まれていてもよい。その場合、排気制御部84は、開放状態の個別バルブの数に応じて、主バルブVeの開度を制御してもよい。例えば、4つの個別バルブVa~Vdを全て開放するときには、1つの個別バルブを閉鎖するときよりも、主バルブVeの開度を小さくしてもよい。このようにすれば、排気配管61全体の排気量の変化を抑制できる。
<3-4.第4変形例>
上記の実施形態では、4つの個別バルブVa~Vdを、順次に同じ時間だけ閉鎖していた。すなわち、図8の時間ta,tb,tc,tdが、全て同じ時間であった。しかしながら、この切替処理の間にも、塗布層90の乾燥は進行する。このため、切替処理の間に、塗布層90から気化する溶剤の量が、徐々に減少する場合がある。この点を考慮して、時間ta,tb,tc,tdに変化をつけてもよい。具体的には、図11のように、時間ta,tb,tc,tdを、徐々に長くしてもよい(ta<tb<tc<td)。このようにすれば、各時間における溶剤の気化量を均一とすることができる。
<3-5.第5変形例>
上記の実施形態では、4つの個別バルブVa~Vdが、開放状態と閉鎖状態との切り替えのみを行う開閉弁であった。しかしながら、4つの個別バルブVa~Vdは、開度を調節可能な開度制御弁であってもよい。そして、切替処理において、一部の個別バルブを完全に閉鎖するのではなく、一部の個別バルブの開度を他の個別バルブの開度よりも小さくしてもよい。すなわち、切替処理は、複数の個別バルブのうち、一部(例えば1つ)の個別バルブの開度を変更するとともに、当該一部の個別バルブを順次に変更する処理であってもよい。このようにすれば、開閉弁を使用する場合よりも、チャンバ10内の気流を、緩やかに変化させることができる。
<3-6.第6変形例>
上記の実施形態の減圧乾燥装置1は、チャンバ10内に、底面整流板40と、4つの側面整流板50とを備えていた。しかしながら、図12のように、減圧乾燥装置1は、側面整流板50を備えていなくてもよい。この場合でも、底面整流板40の上面視における各辺の長さは、長方形状の基板9の長辺および短辺のいずれよりも長い。このため、ステージ20上に配置される基板9の向きに拘わらず、チャンバ10内の減圧時に、図12の破線矢印のように、基板9の上面側の気体を、側面整流板40の側方を通って、底面整流板40の下方へ流すことができる。これにより、基板9の周縁部に気流が集中することを抑制できる。したがって、基板9の上面に形成された塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
<3-7.第7変形例>
上記の実施形態の減圧乾燥装置1は、チャンバ10内に、底面整流板40と、4つの側面整流板50とを備えていた。しかしながら、減圧乾燥装置1は、底面整流板40および4つの側面整流板50に加えて、図13のように、天面整流板51を備えていてもよい。天面整流板51は、ステージ20に支持される基板9の上面と、チャンバ10の天板部13の下面との間に位置する。また、天面整流板51は、チャンバ10の天板部13の下面に沿って、水平に拡がる。天面整流板51は、チャンバ10の天板部13に、複数の支柱(図示省略)を介して固定されている。
天面整流板51は、気体を通す複数の開口52を有する。このようにすれば、チャンバ10内の減圧時に、基板9の上面側の気体は、複数の開口52を通って、天面整流板51の上側へ流入する。そして、図13の破線矢印のように、天面整流板51と天板部13との間の空間、側面整流板50と側壁部12との間の空間、および底面整流板40と底板部11との間の空間を通って、排気口16a~16dへ向かう気流が形成される。このような構成でも、気体が基板9から離れた空間を流れることで、基板9の近傍に形成される気流を低減できる。また、基板9の周縁部において気流が集中することを抑制できる。したがって、基板9の上面に形成された塗布層90の乾燥ムラを抑制できる。
<3-8.他の変形例>
上記の実施形態では、チャンバ10が、4つの排気口16a~16dを有していた。しかしながら、チャンバ10が有する排気口の数は、2つ、3つ、または5つ以上であってもよい。
上記の実施形態の減圧乾燥装置1は、基板9上の塗布層90を、減圧のみにより乾燥させるものであった。しかしながら、減圧乾燥装置1は、減圧および加熱により、基板9上の塗布層90を乾燥させるものであってもよい。
上記の実施形態では、チャンバ10の側壁部12に、基板9の搬入出口14が設けられていた。しかしながら、チャンバ10の4つの側壁部12および天板部13が、一体の蓋部を構成し、当該蓋部を底板部11から分離して上方へ退避できる構造であってもよい。この場合、4つの側面整流板50は、蓋部に固定され、蓋部とともに上方へ移動可能としてもよい。
また、上記の実施形態の減圧乾燥装置1は、有機ELディスプレイ用の基板を処理するものであった。しかしながら、本発明の減圧乾燥装置は、液晶ディスプレイや半導体ウェハなどの他の精密電子部品用の基板を処理するものであってもよい。
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 減圧乾燥装置
9 基板
10 チャンバ
11 底板部
12 側壁部
13 天板部
16a 排気口
16b 排気口
16c 排気口
16d 排気口
16f 給気口
20 ステージ
21 支持プレート
22 支持ピン
23 昇降機構
30 減圧機構
31 排気配管
32 真空ポンプ
40 底面整流板
50 側面整流板
51 天面整流板
60 給気機構
61 給気配管
70 気圧センサ
80 制御部
90 塗布層
Va 個別バルブ
Vb 個別バルブ
Vc 個別バルブ
Vd 個別バルブ
Ve 主バルブ
Vf 給気バルブ


Claims (11)

  1. 基板の上面に形成された溶剤を含む塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥装置であって、
    基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバの内部において、基板を下方から支持するステージと、
    前記チャンバに設けられた複数の排気口と、
    前記複数の排気口を介して前記チャンバ内の気体を吸引する減圧機構と、
    前記減圧機構を制御する制御部と、
    を備え、
    前記減圧機構は、
    前記複数の排気口からの排気量を個別に調節する複数の個別バルブ
    を有し、
    前記制御部は、前記複数の個別バルブのうち、一部の個別バルブの開閉状態または開度を変更し、前記一部の個別バルブを順次に変更する切替処理を実行する、減圧乾燥装置。
  2. 請求項1に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記複数の排気口は、前記ステージに支持された基板の下方に位置する、減圧乾燥装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記複数の個別バルブは、開閉弁であり、
    前記制御部は、一部の個別バルブを閉鎖するとともに他の個別バルブを開放し、前記一部の個別バルブを順次に変更する、減圧乾燥装置。
  4. 請求項3に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記制御部は、1つの個別バルブを閉鎖するとともに他の個別バルブを開放し、前記1つの個別バルブを順次に変更する、減圧乾燥装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記複数の個別バルブは、開度を調節可能な開度制御弁であり、
    前記制御部は、一部の個別バルブの開度を他の個別バルブの開度よりも小さくし、前記一部の個別バルブを順次に変更する、減圧乾燥装置。
  6. 請求項5に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記制御部は、1つの個別バルブの開度を他の個別バルブの開度よりも小さくし、前記1つの個別バルブを順次に変更する、減圧乾燥装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記減圧機構は、
    前記複数の排気口に一端が接続された複数の個別配管と、
    前記複数の個別配管の他端に接続された1つの主配管と、
    を有し、
    前記複数の個別配管のそれぞれに、前記個別バルブが設けられ、
    前記減圧機構は、前記主配管に設けられた開度調節可能な主バルブをさらに有する、減圧乾燥装置。
  8. 請求項7に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記制御部は、前記複数の個別バルブの開閉状態または開度に応じて、前記主バルブの開度を制御する、減圧乾燥装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記制御部は、少なくとも前記塗布層の沸騰時に、前記切替処理を実行する、減圧乾燥装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記基板の上面は、
    前記塗布層に覆われた部分と、
    前記塗布層から露出した部分と、
    を有する、減圧乾燥装置。
  11. 基板の上面に形成された溶剤を含む塗布層を、減圧により乾燥させる減圧乾燥方法であって、
    a)チャンバ内に基板を収容する工程と、
    b)チャンバに設けられた複数の排気口を介して、チャンバ内の気体を吸引する工程と、
    を有し、
    前記工程b)は、前記複数の個別バルブのうち、一部の個別バルブの開閉状態または開度を変更し、前記一部の個別バルブを順次に変更する切替処理を含む、減圧乾燥方法。
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