JP2023036142A - 支持ピン、減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 - Google Patents

支持ピン、減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させる。【解決手段】基板を下方から支持するための支持ピンは、第1磁石を有する本体部と、第2磁石を有し且つ基板の下面に当接させるための当接部と、を備えている。第1磁石と第2磁石とは、第1磁石から第2磁石に向かう第1方向において、離間しているとともに、同一の磁極が対向している状態で位置している。本体部は、第1磁石と第2磁石との間における反発力によって第1方向に向かう力が働いている当接部を係止し且つ第1方向に垂直な方向における当接部の移動を規制する係止部分を含む。当接部は、係止部分によって係止される第1部分と、該第1部分が係止部分によって係止されている状態で本体部よりも第1方向に位置している第1領域を有する第2部分と、を含み、第1方向とは逆の第2方向に移動することで本体部から離間することが可能な空間を本体部との間に介して位置している。【選択図】図9

Description

本発明は、基板の上面に形成された塗膜を減圧によって乾燥させる技術に関する。
例えば、各種の基板に塗布されたフォトレジスト等の塗膜を減圧乾燥する減圧乾燥装置が知られている。各種の基板には、例えば、各種のデバイスを形成するためのガラス基板、セラミック基板、半導体ウエハ、電子デバイス基板または印刷用の印刷版等の種々の基板が適用される。各種のデバイスには、例えば、半導体装置、表示パネル、太陽電池パネル、磁気ディスク、または光ディスク等が適用される。表示パネルには、例えば、液晶表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示パネル、プラズマ表示パネル、または電界放出ディスプレイ等が適用される。
減圧乾燥装置を用いて塗膜を乾燥する際には、例えば、チャンバ内において複数のピンが基板を支持している状態で、チャンバの底部の排気口を介して真空ポンプでチャンバ内から排気を行う。そして、例えば、真空度が所定値に到達するとチャンバ内からの排気を停止し、チャンバ内にガスを供給することでチャンバ内を大気圧に戻す。ガスには、例えば、窒素ガス等の不活性ガスまたは空気等が適用される。
ところで、減圧乾燥装置では、例えば、基板の上面に形成された塗膜において、場所に応じて乾燥速度が違っていれば、その乾燥速度の違いに応じた乾燥のムラ(乾燥ムラともいう)が生じ得る。乾燥ムラは、例えば、乾燥後の塗膜における厚さのばらつき等を生じさせる。
例えば、基板において、複数のピンの接触により、複数のピンによって支持されている部分とその周辺の部分との間に温度差が生じ得る。これにより、例えば、複数のピンに起因する温度差に応じて、塗膜の乾燥速度に違いが生じ得る。その結果、例えば、塗膜において複数のピンの配置に応じた乾燥ムラが生じ得る。ここでは、例えば、塗膜の減圧乾燥時には、塗膜から溶剤等が気化する際に生じる気化熱によって基板の温度が低下するものの、複数のピンの熱容量が大きい場合にも、複数のピンが熱容量の大きなチャンバ等に連結されている場合にも、複数のピンの温度が変化し難い。このため、例えば、基板において複数のピンの配置に応じた温度差が生じ得る。
特許文献1には、基板を支持する複数のピンを、内部空間内の流体が排出されることで冷却される中空ピン、あるいは内部空間内に冷却水等の液体が供給されることで冷却される中空ピンとすることが記載されている。
特許第6579773号公報
しかしながら、特許文献1に係る減圧乾燥装置では、装置構成が複雑になり装置価格が高くなることにつながる。また、例えば、中空ピンに冷却水を供給する構成では、冷却水の漏れによって、チャンバ内の真空状態に悪影響を及ぼす場合も考えられる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成によって基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の態様に係る支持ピンは、基板を下方から支持するための支持ピンであって、第1磁石を有する本体部と、第2磁石を有するとともに前記基板の下面に当接させるための当接部と、を備えている。前記第1磁石と前記第2磁石とは、前記第1磁石から前記第2磁石に向かう第1方向において、離間しているとともに、同一の磁極が対向している状態で位置している。前記本体部は、前記第1磁石と前記第2磁石との間における反発力によって前記第1方向に向かう力が働いている前記当接部を係止するとともに、前記第1方向に垂直な方向における前記当接部の移動を規制する係止部分、を含む。前記当接部は、前記係止部分によって係止される第1部分と、該第1部分が前記係止部分によって係止されている状態で前記本体部よりも前記第1方向に位置している第1領域を有する第2部分と、を含むとともに、前記第1方向とは逆の第2方向に移動することで前記本体部から離間することが可能な空間を前記本体部との間に介して位置している。
第2の態様に係る支持ピンは、第1の態様に係る支持ピンであって、前記当接部は、前記第1磁石と前記第2磁石との間における反発力に抗して前記第2方向に押されることで、前記本体部から離間する。
第3の態様に係る減圧乾燥装置は、基板の上面に形成された塗膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、前記基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内において前記基板を下方から支持する支持部と、前記チャンバ内の雰囲気を排出する排気部と、を備えている。前記支持部は、前記基板を下方からそれぞれ支持する第1支持ピンおよび第2支持ピン、を含む。前記第1支持ピンは、前記基板が水平方向にずれないように前記基板を下方から支持する。前記第2支持ピンは、第1磁石を有する本体部と、第2磁石を有するとともに前記基板の下面に当接する当接部と、を有する。前記第1磁石と前記第2磁石とは、前記第1磁石から前記第2磁石に向かう上方向において、離間しているとともに、同一の磁極が対向している状態で位置している。前記本体部は、前記第1磁石と前記第2磁石との間における反発力によって上方向に向かう力が働いている前記当接部を係止するとともに、上方向に垂直な水平方向における前記当接部の移動を規制する係止部分、を含む。前記当接部は、前記係止部分によって係止される第1部分と、該第1部分が前記係止部分によって係止されている状態で前記本体部よりも上方向に位置する第1領域を有する第2部分と、を含むとともに、下方向に移動することで前記本体部から離間することが可能な空間を前記本体部との間に介して位置している。
第4の態様に係る減圧乾燥装置は、第3の態様に係る減圧乾燥装置であって、前記第1支持ピンは、前記基板のうちの前記上面に前記塗膜が形成されていない非塗布領域を下方から支持する。
第5の態様に係る減圧乾燥装置は、第4の態様に係る減圧乾燥装置であって、前記非塗布領域は、前記基板の外周部に沿って位置している。
第6の態様に係る減圧乾燥装置は、第3から第5の何れか1つの態様に係る減圧乾燥装置であって、前記本体部は、上方向に沿って延びる筒状の筒状部分を含む。前記第1磁石は、前記筒状部分の中空部分および前記筒状部分の下部に沿った部分のうちの少なくとも一方に位置している部分を含む。前記係止部分は、前記筒状部分の上部に沿って位置しているとともに、上方向に貫通している第1貫通孔を有する。前記当接部は、前記中空部分内において、前記筒状部分の内周面から離間している状態で位置している第3部分を含む。前記第3部分は、前記第2磁石を含む。前記第2部分の前記第1領域は、前記第1部分の上部に接続もしくは連結しており、前記第1部分が前記係止部分によって係止されている状態で前記第1貫通孔から上方向に突出している。
第7の態様に係る減圧乾燥装置は、第6の態様に係る減圧乾燥装置であって、前記第2部分は、前記第1部分から上方向に向かうにつれて、前記第2部分の水平方向に沿った仮想断面の中心を通る上下方向に沿った第1仮想中心線に近づくように該第1仮想中心線に対して傾斜している第1傾斜外周面を有する。
第8の態様に係る減圧乾燥装置は、第7の態様に係る減圧乾燥装置であって、前記第1貫通孔は、上方向に向かうにつれて該第1貫通孔の上下方向に沿った第2仮想中心線に近づくように狭くなっている内部空間を有する。
第9の態様に係る減圧乾燥装置は、第3から第5の何れか1つの態様に係る減圧乾燥装置であって、前記本体部は、上方向に沿って延びる棒状部分を含む。前記第1磁石は、前記棒状部分に固定されている。前記係止部分は、前記棒状部分の上部に沿って位置している。前記第1部分は、前記棒状部分が貫通している第2貫通孔を有し且つ前記棒状部分に沿って上下方向に移動可能に位置している環状の部分を含む。
第10の態様に係る減圧乾燥装置は、第9の態様に係る減圧乾燥装置であって、前記係止部分は、下方向に向かうにつれて前記棒状部分の上下方向に沿って延びる第3仮想中心線に近づくように該第3仮想中心線に対して傾斜している第2傾斜外周面を有する。
第11の態様に係る減圧乾燥装置は、第3から第10の何れか1つの態様に係る減圧乾燥装置であって、前記当接部は、前記支持部が前記基板を下方から支持していない状態において上下方向における第1位置に位置し、前記支持部が前記基板を下方から支持している状態において上下方向における前記第1位置よりも下方の第2位置に位置する。
第12の態様に係る減圧乾燥方法は、基板の上面に形成された塗膜を乾燥する減圧乾燥方法であって、載置工程と、排気工程と、を有する。前記載置工程において、チャンバ内に配置された複数の支持ピンに前記基板を載置する。前記排気工程において、前記複数の支持ピンのうちの第1支持ピンによって前記基板が水平方向にずれないように前記基板を下方から支持し、前記複数の支持ピンのうちの第2支持ピンにおける本体部から浮上して離間している当接部によって前記基板を下方から支持している状態で、排気部によって前記チャンバ内の雰囲気を排出して、前記チャンバ内を減圧する。
第1および第2の何れの態様に係る支持ピンによっても、例えば、第1方向を上方向として支持ピンを減圧乾燥装置に適用し、当接部上に基板を載置することで、当接部が下方向に移動することで本体部から離間し得る。このため、例えば、本体部に対して浮上して離間している当接部によって基板を下方から支持させることができる。この場合には、例えば、当接部の熱容量が小さく、当接部には熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板において複数の支持ピンの配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させることができる。
第2の態様に係る支持ピンによれば、例えば、第1方向を上方向として支持ピンを減圧乾燥装置に適用し、当接部上に基板を載置することで、基板の重量によって、第1磁石と第2磁石との間における反発力に抗して当接部を下方に押し下げることができる。これにより、例えば、本体部に対して浮上して離間している当接部によって基板を下方から支持させることができる。これにより、例えば、基板において複数の支持ピンの配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させることができる。
第3から第11の何れの態様に係る減圧乾燥装置によっても、例えば、第1支持ピン上および第2支持ピンの当接部上に基板を載置することで、第1支持ピンによって基板が水平方向にずれないように基板を下方から支持させ、第2支持ピンにおいて本体部に対して浮上して離間している当接部によって基板を下方から支持させることができる。この場合には、例えば、当接部の熱容量が小さく、当接部には熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板において複数の支持ピンの配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させることができる。
第4の態様に係る減圧乾燥装置によれば、例えば、基板のうちの上面に塗膜が形成された塗布領域において、複数の支持ピンの配置に応じた温度差が生じにくい。これにより、例えば、簡単な構成によって基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させることができる。
第5の態様に係る減圧乾燥装置によれば、例えば、第1支持ピンを容易に配置することができる。
第6の態様に係る減圧乾燥装置によれば、例えば、本体部の係止部分に当接部の第1部分が係止される構成が容易に実現され得る。
第7および第8の何れの態様に係る減圧乾燥装置によっても、例えば、当接部の第2部分のうちの第1貫通孔から上方向に突出している第1領域が、水平方向において第1貫通孔の中心に対して容易に位置決めされ得る。
第9の態様に係る減圧乾燥装置によれば、例えば、本体部の係止部分に当接部の第1部分が係止される構成が容易に実現され得る。
第10の態様に係る減圧乾燥装置によれば、例えば、第1部分が、水平方向において棒状部分の中心に対して容易に位置決めされ得る。
第12の態様に係る減圧乾燥方法によれば、例えば、複数の支持ピンによって基板を下方から支持する際に、複数の支持ピンのうちの第2支持ピンの当接部は、熱容量が小さく、熱容量が大きな部分に接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板において複数の支持ピンの配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させることができる。
図1は、一実施形態に係る減圧乾燥装置の縦断面の一例を示す図である。 図2は、一実施形態に係る減圧乾燥装置の横断面の一例を示す図である。 図3は、一実施形態に係る減圧乾燥装置の縦断面の一例を示す図である。 図4は、基板の一例を示す斜視図である。 図5は、基板の一部分の縦断面の一例を示す図である。 図6は、第1支持ピンの外観の一例を示す正面図である。 図7は、第2支持ピンの外観の一例を示す正面図である。 図8は、第2支持ピンの外観の一例を示す平面図である。 図9は、第2支持ピンの縦断面の一例を示す図である。 図10は、第2支持ピンの縦断面の一例を示す図である。 図11は、基板を下方から支持していない状態にある第1支持ピンおよび第2支持ピンの一例を模式的に示す図である。 図12は、基板を下方から支持している状態にある第1支持ピンおよび第2支持ピンの一例を模式的に示す図である。 図13は、基板の塗布領域と第1支持ピンおよび第2支持ピンとの関係の一例を示す図である。 図14は、制御部で実現される機能を概念的に示したブロック図である。 図15は、一実施形態に係る減圧乾燥処理の流れの一例を示す流れ図である。 図16は、第1変形例に係る第2支持ピンの縦断面の一例を示す図である。 図17は、第2変形例に係る第2支持ピンの外観の一例を示す正面図である。 図18は、第2変形例に係る第2支持ピンの外観の一例を示す平面図である。 図19は、第2変形例に係る第2支持ピンの縦断面の一例を示す図である。 図20は、第2変形例に係る第2支持ピンの縦断面の一例を示す図である。 図21は、基板を下方から支持していない状態にある第1支持ピンおよび第2支持ピンの一例を模式的に示す図である。 図22は、基板を下方から支持している状態にある第1支持ピンおよび第2支持ピンの一例を模式的に示す図である。 図23は、基板の塗布領域と第1支持ピンおよび第2支持ピンとの関係の一変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態および各種変形例について、図面を参照しつつ説明する。図面においては同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。図面は模式的に示されたものであり、各図における各種構造のサイズおよび位置関係等は正確に図示されたものではない。また、本明細書において、下方向は、重力方向であり、上方向は、重力方向とは逆の方向である。
<1.減圧乾燥装置の構成>
図1は、一実施形態に係る減圧乾燥装置1の縦断面の一例を模式的に示す図である。図2は、一実施形態に係る減圧乾燥装置1の横断面の一例を模式的に示す図である。図3は、一実施形態に係る減圧乾燥装置1の縦断面の一例を模式的に示す図である。図1の縦断面と図3の縦断面とは、約90度異なる方向から見た関係を有する。図3では、図面の煩雑化を避けるために、後述する排気部30、給気部60、圧力計70および制御部80に関する構成が便宜的に省略されている。減圧乾燥装置1は、基板9の上面に形成された塗膜90(図5参照)を乾燥させる装置である。
基板9には、例えば、ガラス基板、半導体ウエハ、またはセラミック基板等が適用される。基板9は、例えば、第1主面としての第1面F1(図4および図5参照)と、この第1面とは逆の第2主面としての第2面F2(図5参照)と、を有する平板状の基板である。例えば、減圧乾燥装置1では、基板9の第1面F1が基板9の上面とされ、基板9の第2面F2が基板9の下面とされる。ここでは、基板9に矩形のガラス基板が適用された具体例を適宜挙げて説明する。基板9の第1面F1には、例えば、予め有機材料および溶剤を含む処理液が塗布されることで、塗膜90が部分的に形成されている。処理液の塗布は、例えば、スリットコータまたはインクジェット装置等で行われる。処理液には、例えば、ポリイミド前駆体と溶媒とを含む液(PI液ともいう)またはレジスト液等の塗布液が適用される。ポリイミド前駆体には、例えば、ポリアミド酸(ポリアミック酸)等が適用される。溶媒には、例えば、NMP(N-メチル-2-ピロリドン:N-Methyl-2-Pyrrolidone)が適用される。また、例えば、減圧乾燥装置1が有機ELディスプレイの製造工程に適用される場合には、塗膜90が、減圧乾燥装置1で乾燥されることによって有機ELディスプレイパネルの正孔注入層、正孔輸送層、または発光層となる態様が採用されてもよい。
図4は、基板9の一例を示す斜視図である。図5は、基板9の一部分の縦断面の一例を示す図である。図4で示されるように、基板9は、例えば、上面視において、縦横の長さが異なる長方形状の形態を有する。基板9には、デバイス等が形成される領域(被形成領域とも塗布領域ともいう)A1が、複数配列されている。図4の例では、上面視において、基板9には、4つの矩形状の塗布領域A1が、2行2列のマトリックス状に配列されている。ただし、塗布領域A1の形状、数、配置は、この例に限定されるものではない。塗膜90は、減圧乾燥装置1による減圧乾燥工程よりも前の塗布工程において、スリットコータまたはインクジェット装置等によって、各塗布領域A1の上面に、所望のパターンに従って形成される。所望のパターンには、例えば、回路のパターンが適用される。ここでは、例えば、図5で示されるように、各塗布領域A1の上面としての第1面F1は、塗膜90に覆われた領域(被覆領域ともいう)A3と、塗膜90に覆われていない露出した領域(露出領域ともいう)A4と、を有する。また、基板9のうちの塗布領域A1の周囲および隣り合う塗布領域A1の間の領域は、上面としての第1面F1に塗膜90が形成されていない領域(非塗布領域ともいう)A2となっている。非塗布領域A2は、塗膜90に覆われていない露出した領域(露出領域)A4でもある。
図1および図2で示されるように、減圧乾燥装置1は、例えば、チャンバ10と、支持部20と、排気部30と、を備えている。また、減圧乾燥装置1は、例えば、昇降部100と、給気部60と、制御部80と、底面整流板40と、側面整流板50と、圧力計70と、を備えている。
<<チャンバ10>>
チャンバ10は、基板9を収容するための部分である。チャンバ10には、基板9を収容するための内部空間10sを有する耐圧容器が適用される。チャンバ10は、例えば、図示を省略した装置フレーム上に固定されている。チャンバ10の形状は、例えば、扁平な直方体状である。チャンバ10は、例えば、略正方形状の底板部11と、4つの側壁部12と、略正方形状の天板部13と、を有する。4つの側壁部12は、例えば、底板部11の4つの端辺と、天板部13の4つの端辺とを、上下方向に接続している。例えば、4つの側壁部12のうちの1つの側壁部12には、搬入出口14と、この搬入出口14を開閉するゲート部(ゲートバルブともいう)15と、が設けられている。ゲート部15は、例えば、開閉駆動部16に連結もしくは接続されている。図3では、図面の煩雑化を避けるために、開閉駆動部16が概念的に示されている。開閉駆動部16には、例えば、エアシリンダ等の駆動機構が適用される。ここでは、例えば、開閉駆動部16の動作によって、ゲート部15は、搬入出口14を閉鎖している位置(閉鎖位置ともいう)と、搬入出口14を開放している位置(開放位置ともいう)との間で移動することができる。
ここで、例えば、ゲート部15が閉鎖位置に配置された状態では、チャンバ10の内部空間10sが密閉される。例えば、ゲート部15が開放位置に配置された状態では、搬入出口14を介して、チャンバ10の内部空間10sへの基板9の搬入およびチャンバ10の内部空間10sからの基板9の搬出を行うことができる。
<<支持部20>>
支持部20は、チャンバ10内において基板9を下方から支持する部分である。例えば、支持部20は、チャンバ10の内部空間10sに位置しており、チャンバ10の内部空間10sに収容された基板9を下方から支持することができる。支持部20は、例えば、複数の支持プレート21と、複数の支持ピン22と、を有する。複数の支持プレート21は、例えば、水平方向に間隔をあけて配列されている。各支持プレート21の上面には、複数の支持ピン22が立設されている。複数の支持プレート21は、支持部20のベースとなる部分である。基板9は、例えば、複数の支持プレート21の上方に配置され、複数の支持ピン22の上端部が基板9の下面としての第2面F2に接触することで、基板9が水平姿勢で支持される。
複数の支持ピン22は、例えば、第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bを含む。換言すれば、支持部20は、基板9を下方からそれぞれ支持する第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bを含む。図1および図3の例では、複数の支持ピン22は、例えば、複数の第1支持ピン22aと、複数の第2支持ピン22bと、を含む。換言すれば、支持部20は、複数の第1支持ピン22aと、複数の第2支持ピン22bと、を含む。図6は、第1支持ピン22aの外観の一例を示す正面図である。図7は、第2支持ピン22bの外観の一例を示す正面図である。図8は、第2支持ピン22bの外観の一例を示す平面図である。図7および図8には、隠れている部分が破線で描かれている。図9および図10は、それぞれ第2支持ピン22bの縦断面の一例を示す図である。
第1支持ピン22aは、基板9が水平方向にずれないように基板9を下方から支持することができる。図6で示されるように、第1支持ピン22aには、例えば、上下方向に沿って延びる長細い部材が適用される。第1支持ピン22aには、例えば、上下方向に沿って延びる棒状の部材が適用されてもよいし、上端部(第1上端部ともいう)1tが尖るような円錐状または角錐状等の錐状の部材が適用されてもよい。第1支持ピン22aの材料には、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリイミド(PI)等の樹脂材料が適用される。例えば、樹脂材料の摩擦力が適宜調整されることで、第1支持ピン22aは、第1支持ピン22aの第1上端部1tと基板9の下面としての第2面F2との間の摩擦力により、基板9が水平方向にずれないように下方から基板9を支持することができる。
第2支持ピン22bは、本体部2bと、当接部2cと、を有する。本体部2bと、当接部2cとは、互いに接続もしくは連結等されていない別体で構成されている。第2支持ピン22bは、基準となる本体部2bに対して当接部2cを浮上させた状態で、当接部2cの上端部(第2上端部ともいう)2tによって基板9を下方から支持することができる。このため、第2支持ピン22bは、本体部2bから当接部2cが離間しており、当接部2cの熱容量が小さく、当接部2cに熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない状態で、基板9を下方から支持することができる。これにより、例えば、基板9において複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくく、基板9の上面としての第1面F1に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。
ここで、第2支持ピン22bについてさらに説明する。
本体部2bは、第2支持ピン22bが設けられた部材に固定されている部分である。換言すれば、本体部2bは、支持部20のベース部に固定されている部分である。図1および図3の例では、本体部2bは、支持部20のベース部である支持プレート21の上面に固定されている。換言すれば、本体部2bは、熱容量が大きな部分に接続もしくは接触している部分である。また、本体部2bは、第1磁石M1を有する。第1磁石M1には、永久磁石が適用され得る。
当接部2cは、基板9の下面としての第2面F2に当接する部分である。具体的には、チャンバ10の内部空間10sに基板9が収容されていない場合には、当接部2cは、基板9の下面としての第2面F2に当接させるための部分である。チャンバ10の内部空間10sに基板9が収容されている場合には、当接部2cは、基板9の下面としての第2面F2に当接している状態となる。また、当接部2cは、第2磁石M2を有する。第2磁石M2には、永久磁石が適用され得る。第2磁石M2は、第1磁石M1から第1方向としての上方向に離間している状態で位置している。換言すれば、第1磁石M1と第2磁石M2とは、第1磁石M1から第2磁石M2に向かう上方向において離間している。図9および図10の例では、第1磁石M1は、本体部2bの下部に位置しており、第2磁石M2は、当接部2cの下部に位置している。第1磁石M1と第2磁石M2とは、同一の磁極が対向している状態で位置している。図9および図10の例では、第1磁石M1において、第1磁極を有する部分(第1磁極部ともいう)M11が下部に位置し、第2磁極を有する部分(第2磁極部ともいう)M12が上部に位置している。また、第2磁石M2において、第1磁極を有する部分(第1磁極部)M21が上部に位置し、第2磁極を有する部分(第2磁極部)M22が下部に位置している。第1磁極がN極である場合には、第2磁極はS極である。第1磁極がS極である場合には、第2磁極はN極である。第1磁石M1と第2磁石M2とは、同一の磁極が対向している状態で位置していることで、第1磁石M1と第2磁石M2との間に反発力が生じている状態にある。この反発力によって、本体部2bを基準として、当接部2cには上方向に向かう力が働く。これにより、当接部2cは、本体部2bから浮上している状態で、基板9の下方を支持することが可能となる。
本体部2bは、係止部分Fk1を含む。係止部分Fk1は、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力によって上方向に向かう力が働いている当接部2cを係止するとともに、上方向に垂直な方向(水平方向ともいう)における当接部2cの移動を規制する部分である。換言すれば、係止部分Fk1は、当接部2cが本体部2bに対して上方向に移動可能な領域を規定するとともに、当接部2cが本体部2bに対して水平方向に移動可能な領域を規定する部分である。別の観点から言えば、係止部分Fk1は、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力および外力等によって、当接部2cが本体部2bから遠く離れた位置まで移動し過ぎて第2支持ピン22bが分解しないように、本体部2bに対して当接部2cが移動可能な範囲を規制する部分として働く。
当接部2cは、第1部分P1と第2部分P2とを含む。第1部分P1は、本体部2bの係止部分Fk1によって係止される部分である。第2部分P2は、第1部分P1が係止部分Fk1によって係止されている状態で本体部2bよりも上方向に位置する領域(第1領域ともいう)Ar1を有する。第1領域Ar1は、当接部2cの上端部(第2上端部)2tを含む。図9および図10の例では、第1部分P1上に第2部分P2が接続している。第2部分P2は、例えば、第1部分P1上に連結していてもよい。また、当接部2cは、第2方向としての下方向に移動することで、本体部2bから離間することが可能な空間(移動可能空間ともいう)Sp1を本体部2bとの間に介して位置している。図9および図10の例では、移動可能空間Sp1は、第1磁石M1と第2磁石M2との間に位置している。ここでは、図10で示されるように、当接部2cは、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力に抗して下方向に押されることで、本体部2bから離間し得る。これにより、当接部2cは、本体部2bから離間しており、本体部2bに対して浮上している状態となる。図10では、当接部2cを下方向に押す力が太い矢印で模式的に描かれている。
一実施形態では、本体部2bは、上方向に沿って延びる筒状の部分(筒状部分ともいう)Pp1を含む。図7から図10の例では、筒状部分Pp1は、上方向に沿って中空部分Hp1が延びるように位置している円筒状の部分である。筒状部分Pp1は、例えば、上方向に沿って中空部分Hp1が延びるように位置している円筒状もしくは角筒状等の筒状の部分であってもよい。また、第1磁石M1は、筒状部分Pp1の中空部分Hp1に位置している。図7から図10の例では、第1磁石M1は、筒状部分Pp1の中空部分Hp1のうちの下方の開口を塞ぐように位置している。第1磁石M1は、例えば、筒状部分Pp1の下部に沿って位置していてもよい。換言すれば、例えば、第1磁石M1は、筒状部分Pp1の中空部分Hp1および筒状部分Pp1の下部に沿った部分のうちの少なくとも一方に位置している部分を含んでいてもよい。また、係止部分Fk1は、筒状部分Pp1の上部に沿って位置しているとともに、上方向に貫通している貫通孔(第1貫通孔ともいう)Th1を有する。換言すれば、筒状部分Pp1は、第1磁石M1と係止部分Fk1とを連結している部分(連結部分ともいう)としての機能を有する。筒状部分Pp1と係止部分Fk1とは、例えば、一体の部材で構成されていてもよいし、相互に接合もしくは連結等によって固定されていてもよい。第1貫通孔Th1は、筒状部分Pp1の中空部分Hp1と上下方向で接続している。これにより、第1貫通孔Th1と中空部分Hp1とが本体部2bの内部空間を構成している。第1貫通孔Th1の水平方向に沿った断面(水平断面)は、中空部分Hp1の水平方向に沿った断面(水平断面)よりも小さい。図7から図10の例では、本体部2bの係止部分Fk1は、第1貫通孔Th1の最上部を囲む円環状の構成を有する。係止部分Fk1は、例えば、第1貫通孔Th1を囲む他の環状の形態を有する部分であってもよい。第1貫通孔Th1には、例えば、筒状部分Pp1の外周部に開口するスリットもしくは切り欠き等が接続していてもよい。本体部2bのうちの第1磁石M1を除く筒状部分Pp1および係止部分Fk1等の部分の材料には、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリイミド(PI)等の樹脂材料、セラミックスまたは非磁性の金属等の種々の材料が適用され得る。
一実施形態では、当接部2cは、当接部2cのうちの第1部分P1よりも下方に位置している部分が、本体部2bの内部空間を上下に移動することができる。当接部2cは、例えば、中空部分Hp1内において、筒状部分Pp1の内周面(第1内周面ともいう)Iw1から離間している状態で位置している部分(第3部分ともいう)P3を含む。この第3部分P3は、第2磁石M2を含む。当接部2cでは、第2部分P2の第1領域Ar1は、第1部分P1の上部に接続もしくは連結している。そして、第2部分P2の第1領域Ar1は、第1部分P1が本体部2bの係止部分Fk1によって係止されている状態で、第1貫通孔Th1から上方向に突出している状態となる。この場合には、本体部2bの係止部分Fk1に当接部2cの第1部分P1が係止される構成が容易に実現され得る。図9および図10の当接部2cの例では、当接部2cは、基板9の下面としての第2面F2に直接接触するための部分(被接触部ともいう)Cp1と、被接触部Cp1の下面に固定されている第2磁石M2と、を有する。被接触部Cp1は、第1部分P1および第2部分P2を含む。被接触部Cp1の材料には、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリイミド(PI)等の樹脂材料が適用される。
また、一実施形態では、第2部分P2は、傾斜している外周面(第1傾斜外周面ともいう)Ts1を有する。第1傾斜外周面Ts1は、第1部分P1から上方向に向かうにつれて、第2部分P2の水平方向に沿った仮想的な断面(仮想断面ともいう)の中心(重心)を通る上下方向に沿った仮想線(第1仮想中心線ともいう)Lc1に近づくように、第1仮想中心線Lc1に対して傾斜している。この場合には、例えば、第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力によって、本体部2bに対して当接部2cが上方向に移動する際に、第2部分P2の第1傾斜外周面Ts1が係止部分Fk1に対して摺り動いて、第2部分P2の第1仮想中心線Lc1が、第1貫通孔Th1の上下方向に沿った仮想的な中心線(第2仮想中心線ともいう)Lc2に近接もしくは一致し得る。その結果、例えば、第1部分P1が係止部分Fk1で係止される際に、第2部分P2のうちの第1貫通孔Th1から上方向に突出している第1領域Ar1が、水平方向において第1貫通孔Th1の中心に対して容易に位置決めされ得る。第2仮想中心線Lc2には、例えば、第1貫通孔Th1の水平方向に沿った仮想的な断面における中心(重心)を通る上下方向に沿った仮想線が適用される。図9および図10の例では、第2部分P2は、上方向に凸の円錐状の形状を有しており、被接触部Cp1が上方向に凸状の円錐状の形状を有する。第2部分P2および被接触部Cp1は、例えば、円錐状もしくは角錐状等の上方向に凸の錐状の形状を有していてもよい。例えば、第2部分P2が上方向に凸の錐状の形状を有していれば、被接触部Cp1は全体として錐状の形状を有していなくてもよい。また、例えば、第2部分P2の外周面のうちの第1部分P1から第2上端部2tに向かう一部の区間が、第1傾斜外周面Ts1となっていてもよい。
また、一実施形態では、第1貫通孔Th1は、上方向に向かうにつれて第1貫通孔Th1の上下方向に沿った第2仮想中心線Lc2に近づくように狭くなっている内部空間(第1内部空間ともいう)Is1を有する。換言すれば、係止部分Fk1のうちの第1貫通孔Th1の外周を規定する内周面(第2内周面ともいう)Iw2は、上方向に向かうにつれて、第2仮想中心線Lc2に近づくように第2仮想中心線Lc2に対して傾斜している面である。このような構成が採用されれば、例えば、第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力によって、本体部2bに対して当接部2cが上方向に移動する際に、第2部分P2が係止部分Fk1の傾斜している第2内周面Iw2に対して摺り動いて、第2部分P2の第1仮想中心線Lc1が、第1貫通孔Th1の第2仮想中心線Lc2に近接もしくは一致し得る。その結果、例えば、第1部分P1が係止部分Fk1で係止される際に、第2部分P2のうちの第1貫通孔Th1から上方向に突出している第1領域Ar1が、水平方向において第1貫通孔Th1の中心に対して容易に位置決めされ得る。図9および図10の例では、第1貫通孔Th1の第1内部空間Is1は、円錐台状の形状を有する。第1内部空間Is1は、例えば、円錐台状もしくは角錐台状等の上方向に向かうにつれて狭くなっている錐台状の形状を有していてもよい。また、例えば、係止部分Fk1のうちの第1貫通孔Th1の外周を規定する第2内周面Iw2は、第1貫通孔Th1の下端部から上端部に向かう一部の区間において、上方向に向かうにつれて、第2仮想中心線Lc2に近づくように第2仮想中心線Lc2に対して傾斜していてもよい。
ここで、支持部20によって基板9を下方から支持する態様について説明する。図11は、基板9を下方から支持していない状態にある第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bの一例を模式的に示す図である。図12は、基板9を下方から支持している状態にある第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bの一例を模式的に示す図である。図11および図12では、それぞれ、図面の複雑化を防ぐために、2本の第1支持ピン22aおよび1本の第2支持ピン22bが便宜的に描かれている。また、図12では、基板9が当接部2cを下方向に押す力が太い矢印で模式的に描かれている。
図11から図12で示されるように、例えば、第1支持ピン22a上および第2支持ピン22bの当接部2c上に基板9を載置すると、第1支持ピン22aによって基板9が水平方向にずれないように下方から支持されている状態となる。このとき、第2支持ピン22bでは、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力に抗して基板9の重さによって当接部2cが下方向に押されることで、当接部2cが本体部2bから離間している状態となる。これにより、当接部2cが、本体部2bから離間しており、本体部2bに対して浮上している状態となる。このとき、第1磁石M1と第2磁石M2との距離が短くなることで第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力が高まり、第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力と、当接部2cにかかる重力と基板9が当接部2cを下方向に押す力との合力と、がつり合っている状態となる。この場合には、第2支持ピン22bでは、本体部2bから当接部2cが離間しており、当接部2cの熱容量が小さく、当接部2cには熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板9において複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、基板9の上面としての第1面F1に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。
ここで、図11で示されるように、支持部20が基板9を下方から支持していない状態においては、当接部2cは、上下方向における第1位置Vp1に位置している。図12で示されるように、支持部20が基板9を下方から支持している状態において、当接部2cは、上下方向における第1位置Vp1よりも下方の第2位置Vp2に位置している。このため、第2支持ピン22bでは、当接部2cは、支持部20が基板9を下方から支持していない状態において上下方向における第1位置Vp1に位置し、支持部20が基板9を下方から支持している状態において上下方向における第1位置Vp1よりも下方の第2位置Vp2に位置する。
図13は、基板9の塗布領域A1と第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bとの関係の一例を示す図である。図13では、基板9の下面としての第2面F2のうち、第1支持ピン22aによって支持される位置が白丸で示されており、第2支持ピン22bによって支持される位置が黒丸で示されている。また、図13では、基板9のうちの上面としての第1面F1に塗膜90が形成された塗布領域A1の外縁が二点鎖線で描かれている。
図13で示されるように、第1支持ピン22aは、基板9のうちの上面としての第1面F1に塗膜90が形成されていない非塗布領域A2を下方から支持するように配置されている。第2支持ピン22bは、基板9のうちの上面としての第1面F1に塗膜90が形成された塗布領域A1を下方から支持するように配置されている。これにより、例えば、基板9のうちの上面としての第1面F1に塗膜90が形成された塗布領域A1において、複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板9の上面としての第1面F1に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。ここで、複数の第2支持ピン22bのうちの一部の第2支持ピン22bは、例えば、基板9のうちの非塗布領域A2を下方から支持するように配置されてもよい。図13の例では、非塗布領域A2は、基板9の外周部9opに沿って位置している。基板9の外周部9opは、第1面F1が上面とされ、第2面F2が下面とされた状態で、基板9の水平方向の周縁に沿った部分である。また、非塗布領域A2は、基板9のうちの隣り合う塗布領域A1の間にも位置している。この場合に、例えば、基板9の外周部9opに沿った非塗布領域A2を下方から支持するように、複数の第1支持ピン22aを配置する構成が採用されれば、第1支持ピン22aを容易に配置することができる。
<<排気部30>>
排気部30は、チャンバ10内の雰囲気を排出する部分である。排気部30には、例えば、チャンバ10の内部空間10sから気体を吸引して、チャンバ10内の圧力を低下させる機構が適用される。図1および図2で示されるように、チャンバ10の底板部11には、例えば、4つの排気口16a,16b,16c,16dが設けられている。4つの排気口16a,16b,16c,16dは、例えば、支持部20に支持された基板9の下方に位置するように配置されている。また、4つの排気口16a,16b,16c,16dは、例えば、後述する底面整流板40の下方に位置している。排気部30は、例えば、4つの排気口16a,16b,16c,16dに接続された排気配管31と、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdと、主バルブVeと、真空ポンプ32と、を有する。排気配管31は、例えば、4つの個別配管31a,31b,31c,31dと、1つの主配管31eと、を有する。例えば、個別配管31aの一端は、排気口16aに接続しており、個別配管31bの一端は、排気口16bに接続しており、個別配管31cの一端は、排気口16cに接続しており、個別配管31dの一端は、排気口16dに接続している。例えば、4つの個別配管31a,31b,31c,31dのそれぞれの他端は、合流して主配管31eの一端に接続されている。例えば、主配管31eの他端は、真空ポンプ32に接続している。例えば、個別バルブVaは、個別配管31aの経路上に設けられており、個別バルブVbは、個別配管31bの経路上に設けられており、個別バルブVcは、個別配管31cの経路上に設けられており、個別バルブVdは、個別配管31dの経路上に設けられている。例えば、主バルブVeは、主配管31eの経路上に設けられている。
ここで、例えば、ゲート部15によって搬入出口14を閉鎖した状態で、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの少なくとも一部と、1つの主バルブVeとを開放し、真空ポンプ32を動作させると、チャンバ10内の気体が、排気配管31を介してチャンバ10の外部へ排出される。これにより、例えば、チャンバ10の内部空間10sの圧力を低下させることができる。
4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdは、例えば、4つの排気口16a,16b,16c,16dからの排気量を、個別に調節するためのバルブである。4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdのそれぞれには、例えば、制御部80からの指令に基づいて開状態と閉状態との間で切り替えられる弁(開閉弁ともいう)が適用される。主バルブVeは、例えば、4つの排気口16a,16b,16c,16dからの合計の排気量を調整するためのバルブである。主バルブVeには、例えば、制御部80からの指令に基づいて開度が調節され得る弁(開度制御弁ともいう)が適用される。
ここでは、例えば、4つの排気口16a,16b,16c,16dが、支持部20に支持された基板9の下方に位置することで、基板9の上方に排気口がある場合と比べて、基板9の上方における気体の流れの均一化が促進され、基板9の上面に形成された塗膜90における乾燥ムラの発生が低減され得る。
<<昇降部100>>
昇降部100は、チャンバ10内において支持部20を昇降させる部分である。換言すれば、例えば、昇降部100は、チャンバ10の内部空間10sに位置している支持部20を昇降させることができる機構(昇降機構ともいう)を有する。この昇降部100により、例えば、支持部20に支持されている基板9が昇降され得る。図1では、図面の煩雑化を避けるために、昇降部100が概念的に示されている。図3で示されるように、昇降部100には、例えば、直動型モータまたはエアシリンダ等の駆動装置が適用される。昇降部100は、例えば、本体部100aと、移動部100bと、を有する。本体部100aは、例えば、チャンバ10の外部において、図示を省略した装置フレームに固定されている。移動部100bは、例えば、本体部100aに対して、上下方向に移動することができる。移動部100bには、例えば、棒状の部材等が適用される。移動部100bは、例えば、チャンバ10の底板部11の貫通孔11hに挿通された状態で位置している。そして、例えば、移動部100bの上端部に、支持部20が固定されている。ここでは、例えば、底板部11の下面と移動部100bとの間にベローズ等が設けられれば、底板部11と移動部100bとの隙間が密閉され得る。例えば、支持部20が複数の支持プレート21を有する場合には、移動部100bは、支持プレート21ごとに支持プレート21に固定されており且つ底板部11の貫通孔11hに挿通された棒状の部分(棒状部ともいう)と、複数の棒状部を連結している部分(連結部ともいう)と、連結部に接続されており且つ本体部100aに摺動可能に支持された部分(摺動部ともいう)と、を有する。
ここで、例えば、昇降部100を動作させると、支持部20は、下降位置H1(図1および図3で一点鎖線で示した位置)と、下降位置H1よりも高い上昇位置H2(図1および図3で二点鎖線で示した位置)との間で、上下方向に昇降する。このとき、例えば、複数の支持プレート21は、一体的に昇降し得る。
<<底面整流板40>>
底面整流板40は、排気部30によるチャンバ10内の減圧時に、内部空間10sにおける気体の流れを規制するためのプレートである。例えば、底面整流板40は、支持部20に支持される基板9と、チャンバ10の底板部11との間に位置するように配置されている。具体的には、例えば、底面整流板40は、下降位置H1に配置されている支持部20から間隔をあけて位置するように支持部20の下側に配置されており、且つ底板部11の上面から間隔をあけて位置するように底板部11の上側に配置されている。また、底面整流板40は、例えば、底板部11の上面に沿って、水平に拡がるように位置している。底面整流板40は、例えば、チャンバ10の底板部11に、図示を省略した複数の支柱を介して固定されている。図2で示されるように、例えば、底面整流板40は、上面視において正方形状の形状を有する。そして、例えば、底面整流板40の上面視における各辺の長さは、長方形状の基板9の長辺および短辺のいずれよりも長い。このため、例えば、支持部20上に配置される基板9の向きに拘わらず、上面視において、底面整流板40は、基板9よりも大きい。また、底面整流板40は、例えば、昇降部100の移動部100bが挿通された状態にある貫通孔40hを有している。貫通孔40hにおいて、底面整流板40と移動部100bとは、ごく小さな間隔をあけて位置している。
<<側面整流板50>>
側面整流板50は、底面整流板40とともに、排気部30によるチャンバ10内の減圧時に、内部空間10sにおける気体の流れを規制するためのプレートである。例えば、側面整流板50は、下降位置H1に配置されている支持部20によって支持される基板9と、チャンバ10の側壁部12との間に位置するように配置されている。具体的には、例えば、側面整流板50は、下降位置H1に配置されている支持部20に支持される基板9の端部から間隔をあけて基板9の外側に配置されており、且つ側壁部12の内面から間隔をあけて位置するように側壁部12の内側に位置している。ここでは、例えば、支持部20に支持される基板9の周囲を囲むように、4つの側面整流板50が配置されている。各側面整流板50は、例えば、側壁部12の内面に沿って拡がるように位置している。このため、例えば、4つの側面整流板50は、全体として、基板9を包囲する四角筒状の整流板を形成している。また、例えば、底面整流板40および4つの側面整流板50は、全体として、有底筒状の箱状の整流板を形成している。
ここで、例えば、排気部30によるチャンバ10内の減圧時には、チャンバ10の内部空間10sの気体は、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および排気口16a,16b,16c,16dをこの記載の順に通って、チャンバ10の外部へ排出される。このように、例えば、気体が基板9から離れた空間を流れることで、基板9の近傍に気流が形成され難くなる。そして、基板9の周縁部において集中的な気流の発生が生じ難くなる。これにより、例えば、基板9の上面に形成された塗膜90の乾燥ムラの発生が低減され得る。
また、ここで、例えば、図2で示されるように、底面整流板40および4つの側面整流板50によって形成される箱状の整流板は、上面視において正方形状の形状を有する。そして、この箱状の整流板の上面視における各辺の長さは、長方形状の基板9の長辺および短辺のいずれよりも長い。このため、例えば、支持部20上に配置される基板9の向きに拘わらず、排気部30によるチャンバ10内の減圧時において、内部空間10sにおける気体の流れが一様となり、基板9の向きによって内部空間10sにおける気体の流れが異なり難くなる。
また、ここで、例えば、図2で示されるように、上面視において、4つの排気口16a,16b,16c,16dが、いずれも正方形状の底面整流板40の対角線41上に位置している構成が採用される。この場合には、例えば、各排気口16a,16b,16c,16dによって、底面整流板40の中央(2本の対角線41の交点)に対して対称な気流が形成され得る。これにより、例えば、チャンバ10の内部空間10sにおいて、より均一な気流が形成され得る。
また、ここで、例えば、4つの側面整流板50のうちの3つの側面整流板50は、チャンバ10の側壁部12に固定されている。ただし、4つの側面整流板50のうちの残りの1つの側面整流板50は、例えば、チャンバ10と外部との間における基板9の搬入および搬出の経路を確保するために、側壁部12および底面整流板40に対して移動可能となっていてもよい。この場合には、この1つの側面整流板50は、例えば、ゲート部15とともに移動するように構成されてもよい。これにより、例えば、ゲート部15が閉鎖位置から開放位置へ移動すると、この1つの側面整流板50も移動し、チャンバ10と外部との間における基板9の搬入および搬出の経路が確保され得る。ここでは、例えば、移動可能な側面整流板50が、正規の位置(上述した箱状の整流板を構成する位置)に配置される際に、他の側面整流板50および底面整流板40とは非接触であれば、移動可能な側面整流板50と、他の側面整流板50および底面整流板40とが摺接しない。これにより、例えば、部材の摺接による粉塵の発生が生じ難い。一方で、例えば、移動可能な側面整流板50と、他の側面整流板50および底面整流板40とを互いに接触させた状態で箱状の整流板が構成されれば、箱状の整流板に隙間が生じ難い。この場合には、例えば、排気部30によるチャンバ10内の減圧時に、内部空間10sにおける気体の流れがより規制され得る。
<<給気部60>>
給気部60は、チャンバ10内に気体を供給する動作(給気ともいう)を行う部分である。給気部60には、例えば、排気部30による排気によって圧力が低下したチャンバ10の内部空間10sに気体を供給して、チャンバ10内の圧力を大気圧に戻すための機構が適用される。図1で示されるように、チャンバ10の底板部11には、例えば、給気口16fが設けられている。給気口16fは、例えば、底面整流板40の下方に位置している。給気部60は、給気口16fに接続された給気配管61と、給気バルブVfと、給気源62と、を有する。例えば、給気配管61の一端は、給気口16fに接続している。例えば、給気配管61の他端は、給気源62に接続している。例えば、給気バルブVfは、給気配管61の経路上に設けられている。
ここで、例えば、給気バルブVfを開放すると、給気源62から給気配管61および給気口16fを介して、チャンバ10の内部空間10sに気体が供給される。これにより、チャンバ10内の気圧を上昇させることができる。給気源62から供給される気体は、例えば、窒素ガス等の不活性ガスであってもよいし、クリーンドライエアであってもよい。クリーンドライエアは、例えば、一般的な環境における空気に対してパーティクルおよび水分を除去する清浄化を施すことで準備され得る。
<<圧力計70>>
圧力計70は、チャンバ10の内部空間10sの気圧を計測するセンサである。図1で示されるように、例えば、圧力計70は、チャンバ10の一部分に取り付けられている。圧力計70は、例えば、チャンバ10の内部空間10sの気圧を計測し、その計測結果を、制御部80へ出力することができる。
<<制御部80>>
制御部80は、減圧乾燥装置1の各部の動作を制御するためのユニットである。例えば、制御部80は、排気部30、給気部60および昇降部100等を制御することができる。制御部80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ801、RAM(Random Access Memory)等のメモリ802、およびハードディスクドライブ等の記憶部803を有するコンピュータによって構成されている。記憶部803には、例えば、減圧乾燥装置1において基板9上の塗膜90を減圧によって乾燥させる処理(減圧乾燥処理ともいう)を実行させるためのコンピュータプログラム(プログラムともいう)803pおよび各種のデータが記憶されている。記憶部803は、例えば、プログラム803pを記憶し、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記憶媒体としての役割を有する。制御部80は、例えば、記憶部803からメモリ802にプログラム803pおよびデータを読み出して、プロセッサ801においてプログラム803pおよびデータに従った演算処理を行うことで、減圧乾燥装置1の各部の動作を制御する。このため、例えば、プログラム803pは、減圧乾燥装置1において制御部80に含まれるプロセッサ801によって実行されることで、減圧乾燥処理を実行させることができる。
また、制御部80には、例えば、入力部804、出力部805、通信部806およびドライブ807が接続されていてもよい。入力部804は、例えば、ユーザの動作等に応答して各種の信号を制御部80に入力する部分である。入力部804には、例えば、ユーザの操作に応じた信号を入力する操作部、ユーザの音声に応じた信号を入力するマイク、およびユーザの動きに応じた信号を入力する各種センサ等が含まれ得る。出力部805は、例えば、各種の情報をユーザが認識可能な態様で出力する部分である。出力部805には、例えば、表示部、プロジェクタ、およびスピーカ等が含まれ得る。表示部は、入力部804と一体化されたタッチパネルであってもよい。通信部806は、例えば、有線もしくは無線の通信手段等によってサーバ等の外部の装置との間で各種の情報の送受信を行う部分である。例えば、通信部806によって外部の装置から受信したプログラム803pが記憶部803に記憶されてもよい。ドライブ807は、例えば、磁気ディスクまたは光ディスク等の可搬性の記憶媒体807mの着脱が可能な部分である。このドライブ807は、例えば、記憶媒体807mが装着されている状態で、この記憶媒体807mと制御部80との間におけるデータの授受を行う。例えば、プログラム803pが記憶された記憶媒体807mがドライブ807に装着されることで、記憶媒体807mから記憶部803内にプログラム803pが読み込まれて記憶されてもよい。ここでは、記憶媒体807mは、例えば、プログラム803pを記憶し、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記憶媒体としての役割を有する。
図14は、制御部80において実現される機能を概念的に示したブロック図である。図14で示されるように、制御部80は、例えば、開閉駆動部16、昇降部100、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vd、主バルブVe、真空ポンプ32、給気バルブVf、および圧力計70と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、例えば、圧力計70から出力される計測値を参照しつつ、上記各部の動作を制御することができる。
図14で概念的に示したように、制御部80は、実現される機能的な構成として、例えば、開閉制御部81、昇降制御部82、切替制御部83、排気制御部84、ポンプ制御部85、および給気制御部86を有する。例えば、開閉制御部81は、開閉駆動部16の動作を制御する。例えば、昇降制御部82は、昇降部100の動作を制御する。例えば、切替制御部83は、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの開閉状態を個別に制御する。例えば、排気制御部84は、主バルブVeの開閉状態および開度を制御する。例えば、ポンプ制御部85は、真空ポンプ32の動作を制御する。例えば、給気制御部86は、給気バルブVfの開閉状態を制御する。制御部80における各部の機能は、例えば、上述したプログラム803p等に従った演算処理をプロセッサ801が行うことで実現される。
<2.減圧乾燥処理>
次に、減圧乾燥装置1を用いた基板9の減圧乾燥処理について説明する。図15は、一実施形態に係る減圧乾燥処理の流れの一例を示す流れ図である。この減圧乾燥処理のフローは、例えば、制御部80に含まれるプロセッサ801においてプログラム803pが実行されることで実現される。ここでは、例えば、図15のステップS1からステップS4の処理がこの記載の順に行われる。
減圧乾燥装置1を用いて減圧乾燥処理を行う際には、例えば、まず、基板9をチャンバ10内に搬入する(ステップS1)。このとき、基板9の上面には、未乾燥の塗膜90が形成されている状態にある。ステップS1では、例えば、まず、開閉制御部81が、開閉駆動部16を動作させて、ゲート部15を閉鎖位置から開放位置へ移動させることで、搬入出口14を開放する。そして、例えば、図示を省略した搬送ロボットが、フォーク状のハンドに基板9を載置しつつ、チャンバ10の搬入出口14を介して、チャンバ10の内部空間10sへ基板9を搬入する。この時点では、支持部20は、例えば、下降位置H1に配置されている。搬送ロボットは、例えば、支持部20の複数の支持プレート21の間へフォーク状のハンドを挿入しつつ、支持部20上に基板9を載置する。換言すれば、ステップS1では、チャンバ10内に配置された複数の支持ピン22に基板9を載置する工程(載置工程ともいう)が行われる。このとき、複数の支持ピン22のうちの複数の第1支持ピン22aによって基板9が水平方向にずれないように基板9を下方から支持し、複数の支持ピン22のうちの複数の第2支持ピン22bのそれぞれにおける本体部2bから浮上して離間している当接部2cによって基板9を下方から支持している状態となる。支持部20上に基板9が載置されると、搬送ロボットは、チャンバ10の外部へ退避する。そして、例えば、開閉制御部81が、再び開閉駆動部16を動作させて、ゲート部15を開放位置から閉鎖位置へ移動させることで、搬入出口14を閉鎖する。これにより、チャンバ10の内部空間10sに基板9が収容される。
次に、例えば、減圧乾燥装置1は、チャンバ10内の雰囲気を排出する排気を行う(ステップS2)。ここでは、例えば、複数の第1支持ピン22aによって基板9が水平方向にずれないように基板9を下方から支持し、複数の第2支持ピン22bのそれぞれにおける本体部2bから浮上して離間している当接部2cによって基板9を下方から支持している状態で、制御部80が、排気部30によってチャンバ10内の雰囲気を排出することでチャンバ10内を減圧する工程(排気工程ともいう)を実行させる。これにより、例えば、複数の支持ピン22によって基板9を下方から支持する際に、複数の支持ピン22のうちの第2支持ピン22bの当接部2cは、熱容量が小さく、熱容量が大きな部分に接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板9において複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板9の上面に形成された塗膜をより均一に乾燥させることができる。
ステップS2では、例えば、制御部80が、支持部20を適宜昇降させてもよいし、複数の個別バルブVa,Vb,Vc,Vdのそれぞれの開閉状態を個別に適宜制御してもよいし、主バルブVeの開度を適宜制御してもよい。ここで、ステップS2における減圧乾燥装置1の動作の一具体例を挙げて説明する。ここでは、例えば、下記の[1]から[7]の処理が順に行われる。
[1]減圧乾燥装置1が、支持部20を上昇させる。具体的には、昇降制御部82が、昇降部100を動作させることで、支持部20を下降位置H1から上昇位置H2へ移動させる。このとき、側面整流板50の上端部は、上昇位置H2の支持部20に支持される基板9の高さよりも低い。このため、支持部20に支持された基板9は、側面整流板50の上端部よりも上方の位置まで上昇する。これにより、基板9の上面は、チャンバ10の天板部13と、僅かな隙間を介して対向する。
[2]チャンバ10内の減圧を開始する。ここでは、ポンプ制御部85が、真空ポンプ32の動作を開始する。また、切替制御部83が、個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの一部を開放し、排気制御部84が、主バルブVeを開放する。これにより、チャンバ10内から排気配管31への気体の排出を開始する。減圧乾燥装置1は、まず、チャンバ10の内部空間10sを緩やかに減圧する、第1処理を行う。この第1処理では、排気制御部84が、主バルブVeの開度を、後述する第2処理から第4処理よりも小さい開度に調整する。これにより、チャンバ10内の気圧が、大気圧から緩やかに低下する。ここでは、上述の通り、支持部20が上昇位置H2に配置されている。このため、チャンバ10内の気体は、基板9の下方の空間から、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および排気口16a,16b,16c,16dを通って、排気配管31へ流れる。これにより、チャンバ10内に形成される気流は、基板9の上面に影響を及ぼしにくい。ただし、ここでも、基板9の上面と天板部13との間の空間において、僅かな気流が生じる。また、減圧により、塗膜90からの溶剤の気化が始まっている。そこで、切替制御部83は、基板9の上面と天板部13との間の気流により、塗膜90の乾燥ムラが生じることを抑制するために、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの開閉状態を、順次に切り替える。例えば、切替制御部83は、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdのうちの1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の個別バルブを開放する。そして、切替制御部83は、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更する。具体的には、1つの個別バルブVaを閉鎖して他の3つの個別バルブVb,Vc,Vdを開放する第1状態と、1つの個別バルブVbを閉鎖して他の3つの個別バルブVa,Vc,Vdを開放する第2状態と、1つの個別バルブVcを閉鎖して他の3つの個別バルブVa,Vb,Vdを開放する第3状態と、1つの個別バルブVdを閉鎖して他の3つの個別バルブVa,Vb,Vcを開放する第4状態と、を順次に切り替える。このようにすれば、第1処理の間に、基板9の上面と天板部13との間の空間に形成される気流の向きが、個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの切り替えに応じて変化する。よって、基板9の上面の塗膜90を、より均一に乾燥させることができる。
[3]減圧乾燥装置1は、支持部20を下降させる。具体的には、昇降制御部82が、昇降部100を動作させることにより、支持部20を、上昇位置H2から下降位置H1へ移動させる。このとき、側面整流板50の上端部は、下降位置H1の支持部20に支持される基板9の高さよりも高い。このため、支持部20に支持された基板9は、側面整流板50の上端部よりも下方の位置まで下降する。
[4]減圧乾燥装置1は、チャンバ10の内部空間10sを急速に減圧する、第2処理を行う。この第2処理では、排気制御部84が、主バルブVeの開度を、第1処理よりも大きい開度に変更する。これにより、チャンバ10内の気圧が、急速に低下する。第2処理では、上述の通り、支持部20が下降位置H1に配置されている。このため、基板9の上面側の空間に存在する気体は、側面整流板50と側壁部12との間の空間、底面整流板40と底板部11との間の空間、および排気口16a,16b,16c,16dを通って、排気配管31へ流れる。これにより、基板9の近傍に強い気流が発生することを抑制できる。特に、基板9の周縁部において気流が集中しにくくなる。よって、気流による塗膜90の乾燥ムラが生じにくくなる。この第2処理では、塗膜90から溶剤が活発に気化する。そこで、切替制御部83は、塗膜90の乾燥ムラを生じにくくするために、上述した第1処理と同様に、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの開閉状態を、順次に切り替える。例えば、切替制御部83は、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdのうちの1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の個別バルブを開放する。そして、切替制御部83は、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更する。これにより、第2処理の間に、基板9の上面に沿って形成される気流の向きが、個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの切り替えに応じて変化する。よって、基板9の上面の塗膜90が、より均一に乾燥し得る。
[5]チャンバ10の内部空間10sの気圧が、所定の圧力まで低下すると、塗膜90が沸騰する。そして、塗膜90の沸騰が始まると、チャンバ10内の気圧が、ほぼ一定となる。このように、減圧乾燥装置1は、塗膜90を沸騰させつつ、チャンバ10内からの排気を継続する、第3処理を行う。この第3処理では、塗膜90からの溶剤の気化が、第2処理よりもさらに活発となる。そこで、切替制御部83は、塗膜90において乾燥ムラが生じにくくなるように、上述した第1処理および第2処理と同様に、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの開閉状態を、順次に切り替える。例えば、切替制御部83は、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdのうちの1つの個別バルブを閉鎖するとともに、他の個別バルブを開放する。そして、切替制御部83は、閉鎖する1つの個別バルブを順次に変更する。このようにすれば、第3処理の間に、基板9の上面に沿って形成される気流の向きが、個別バルブVa,Vb,Vc,Vdの切り替えに応じて変化する。よって、基板9の上面の塗膜90が、より均一に乾燥し得る。
[6]塗膜90の溶媒成分が十分に気化すると、塗膜90の沸騰が終了する。これにより、チャンバ10内の気圧が、再び急速に低下する。このように、減圧乾燥装置1は、塗膜90の沸騰後に、チャンバ10の内部空間10sをさらに減圧する、第4処理を行う。この第4処理では、塗膜90に残存する僅かな溶媒成分が気化するものの、上述した第1処理から第3処理と比べると、溶媒成分の気化は活発ではない。このため、切替制御部83は、4つの個別バルブVa,Vb,Vc,Vdを全て開放する。これにより、チャンバ10からの排気を促進して、チャンバ10の内部空間10sを目標圧力まで急速に減圧する。
[7]チャンバ10内の気圧が目標圧力に到達すると、排気制御部84は、主バルブVeを閉鎖する。これにより、チャンバ10内からの気体の吸引が終了し、塗膜90の乾燥が完了する。
その後、給気制御部86が、給気バルブVfを開放する。これにより、給気源62から給気配管61および給気口16fを通ってチャンバ10の内部空間10sへ気体が供給される(ステップS3)。これにより、チャンバ10内の気圧が、再び大気圧まで上昇する。このとき、チャンバ10の内部空間10sには、比較的強い気流が発生するが、塗膜90は十分に乾燥済みであれば、気流による乾燥ムラが生じにくい。また、給気口16fから供給される気体は、底面整流板40と底板部11との間、および、側面整流板50と側壁部12との間を通って、チャンバ10の内側へ流れる。これにより、基板9の近傍に強い気流が発生しにくい。チャンバ10内の気圧が大気圧に到達すると、給気制御部86は、給気バルブVfを閉鎖する。
そして、例えば、最後に、基板9をチャンバ10内から搬出する(ステップS4)。ステップS4では、例えば、まず、開閉制御部81が、開閉駆動部16を動作させて、ゲート部15を閉鎖位置から開放位置へ移動させることで、搬入出口14を開放する。そして、例えば、図示を省略した搬送ロボットが、支持部20に載置された乾燥済みの基板9を、チャンバ10の搬入出口14を介して、チャンバ10の外部へ搬出する。これにより、1枚の基板9に対する減圧乾燥処理が終了し得る。
このように、減圧乾燥装置1を用いて基板9の上面としての第1面F1に形成された塗膜90を乾燥させる方法(減圧乾燥方法ともいう)は、例えば、載置工程と、排気工程と、を有する。
以上のように、一実施形態に係る減圧乾燥装置1では、例えば、第1支持ピン22a上および第2支持ピン22bの当接部2c上に基板9を載置することで、第1支持ピン22aによって基板9が水平方向にずれないように基板9を下方から支持させ、第2支持ピン22bにおいて本体部2bに対して浮上して離間している当接部2cによって基板9を下方から支持させることができる。この場合には、例えば、当接部2cの熱容量が小さく、当接部2cには熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板9において複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板9の上面としての第1面F1に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。
<3.変形例>
本発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良等が可能である。
上記一実施形態では、例えば、第2支持ピン22bは、基準となる本体部2bに対して当接部2cを浮上させた状態で、当接部2cの第2上端部2tによって基板9を下方から支持することができる構成であれば、種々の構成を有していてもよい。例えば、第2支持ピン22bにおいて、別体で構成されている、第1磁石M1を有する本体部2bと、第2磁石M2を有する当接部2cとが、種々の形態を有していてもよい。ここで、具体例として、第1変形例に係る第2支持ピン22bおよび第2変形例に係る第2支持ピン22bについて説明する。
<<第1変形例に係る第2支持ピン>>
例えば、第1貫通孔Th1の第1内部空間Is1は、該第1内部空間Is1の水平方向に沿った仮想的な断面(仮想水平断面ともいう)が上下方向の位置に拘わらず略一定の大きさである形状を有していてもよい。図16は、第1変形例に係る第2支持ピン22bの縦断面の一例を示す図である。図16の例では、係止部分Fk1のうちの第1貫通孔Th1の外周を規定する第2内周面Iw2は、上下方向に沿って延びる面である。ここでは、第1貫通孔Th1の第1内部空間Is1は、例えば、円柱状もしくは角柱状等の上下方向に沿って延びる柱状の形状を有していてもよい。また、筒状部分Pp1の中空部分Hp1は、例えば、円柱状もしくは角柱状等の上下方向に沿って延びる柱状の形状を有していてもよい。
<<第2変形例に係る第2支持ピン>>
上記一実施形態では、第2支持ピン22bは、当接部2cの上部を除いた部分を本体部2bが囲むように構成されていたが、これに限られない。例えば、当接部2cの一部が、本体部2bの周囲に位置している構成が採用されてもよい。図17は、第2変形例に係る第2支持ピン22bの外観の一例を示す正面図である。図18は、第2変形例に係る第2支持ピン22bの外観の一例を示す平面図である。図17および図18には、隠れている部分が破線で描かれている。図19および図20は、それぞれ第2変形例に係る第2支持ピン22bの縦断面の一例を示す図である。
第2変形例に係る第2支持ピン22bでは、本体部2bは、上方向に沿って延びる棒状の部分(棒状部分ともいう)Rp1を含む。棒状部分Rp1には、例えば、上方向に沿って延びるように位置している円柱状もしくは角柱状等の柱状の部分が適用され得る。また、第1磁石M1は、棒状部分Rp1に固定されている。第1磁石M1は、例えば、棒状部分Rp1の外周部もしくは下部に沿った部分に位置している。換言すれば、例えば、第1磁石M1は、棒状部分Rp1の外周部および下部のうちの少なくとも一方に沿って位置している部分を含んでいてもよい。また、係止部分Fk1は、例えば、棒状部分Rp1の上部に沿って位置している。換言すれば、棒状部分Rp1は、第1磁石M1と係止部分Fk1とを連結している部分(連結部分)としての機能を有する。棒状部分Rp1と係止部分Fk1とは、例えば、一体の部材で構成されていてもよいし、相互に接合もしくは連結等によって固定されていてもよい。係止部分Fk1の水平方向に沿った仮想的な断面(仮想水平断面)は、棒状部分Rp1の水平方向に沿った仮想的な断面(仮想水平断面)よりも大きい。例えば、本体部2bの係止部分Fk1は、棒状部分Rp1上において水平方向に突出している。本体部2bの係止部分Fk1は、例えば、棒状部分Rp1上において水平方向に突出している円環状等の各種の環状の構成を有していてもよいし、棒状部分Rp1上において水平方向に放射状に突出している構成を有していてもよい。本体部2bのうちの第1磁石M1を除く棒状部分Rp1および係止部分Fk1等の部分の材料には、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリイミド(PI)等の樹脂材料、セラミックスまたは非磁性の金属等の種々の材料が適用され得る。
また、当接部2cの第1部分P1は、棒状部分Rp1が貫通している貫通孔(第2貫通孔ともいう)Th2を有しているとともに、棒状部分Rp1に沿って上下方向に移動可能に位置している環状の部分(環状部分ともいう)Rp2を含む。この場合には、本体部2bの係止部分Fk1に当接部2cの第1部分P1が係止される構成が容易に実現され得る。環状部分Rp2は、例えば、全部が第2磁石M2によって構成されていてもよいし、一部が第2磁石M2によって構成されていてもよい。第2貫通孔Th2の内部空間は、円柱状もしくは角柱状等の柱状の形状を有する。第2貫通孔Th2の水平方向に沿った仮想的な断面(水平仮想断面)は、例えば、棒状部分Rp1の水平方向に沿った仮想的な断面(水平仮想断面)よりも大きく、係止部分Fk1の水平方向に沿った仮想的な断面(水平仮想断面)よりも小さい。第2貫通孔Th2には、例えば、環状部分Rp2の外周部に開口するようなスリットもしくは切り欠き等が接続していてもよい。
また、当接部2cでは、例えば、第1部分P1上に第2部分P2が連結もしくは接続している。図17から図20の当接部2cの例では、当接部2cは、基板9の下面としての第2面F2に直接接触するための被接触部Cp1と、被接触部Cp1の下面に固定されている第2磁石M2と、を有する。被接触部Cp1は、第2部分P2を含む。第2磁石M2は、第1部分P1を含む。被接触部Cp1は、例えば、下方向に開口している内部空間(第2内部空間ともいう)Is2を有する、上方向に凸の円錐状もしくは角錐状等の上方向に凸の錐状の形状を有する。被接触部Cp1の材料には、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリイミド(PI)等の樹脂材料が適用される。被接触部Cp1の第2内部空間Is2には、本体部2bの係止部分Fk1が位置している。
また、第1磁石M1と第2磁石M2との間に、当接部2cが下方向に移動することで本体部2bから離間することが可能な移動可能空間Sp1が位置している。ここでは、図20で示されるように、当接部2cは、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力に抗して下方向に押されることで、本体部2bから離間し得る。これにより、当接部2cは、本体部2bから離間しており、本体部2bに対して浮上している状態となる。図20では、当接部2cを下方向に押す力が太い矢印で模式的に描かれている。
また、第2変形例に係る第2支持ピン22bでは、例えば、係止部分Fk1は、傾斜している外周面(第2傾斜外周面ともいう)Ts2を有する。第2傾斜外周面Ts2は、下方向に向かうにつれて、棒状部分Rp1の上下方向に沿って延びる仮想的な中心線(第3仮想中心線ともいう)Lc3に近づくように第3仮想中心線Lc3に対して傾斜している。第3仮想中心線Lc3には、例えば、棒状部分Rp1の水平方向に沿った仮想的な断面の中心(重心)を通る、上下方向に沿った仮想線が適用される。この場合には、例えば、第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力によって、本体部2bに対して当接部2cが上方向に移動する際に、第1部分P1が、係止部分Fk1の第2傾斜外周面Ts2に対して摺り動いて、第2貫通孔Th2の上下方向に沿った仮想的な中心線(第4仮想中心線ともいう)Lc4が、棒状部分Rp1の第3仮想中心線Lc3に近接もしくは一致し得る。その結果、例えば、第1部分P1が係止部分Fk1で係止される際に、当接部2cの第1部分P1が、水平方向において棒状部分Rp1の中心に対して容易に位置決めされ得る。第2傾斜外周面Ts2は、例えば、係止部分Fk1のうちの棒状部分Rp1と接続している部分の外周面に適用される。第2傾斜外周面Ts2は、例えば、円錐台の側面(円錐台面)に沿った形状を有する。第2傾斜外周面Ts2は、例えば、円錐台もしくは角錐台等の錐台の側面(錐台面)に沿った形状を有していてもよい。第4仮想中心線Lc4には、例えば、第2貫通孔Th2の水平方向に沿った仮想的な断面の中心(重心)を通る、上下方向に沿った仮想線が適用される。
ここで、支持部20によって基板9を下方から支持する態様について説明する。図21は、基板9を下方から支持していない状態にある第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bの一例を模式的に示す図である。図22は、基板9を下方から支持している状態にある第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bの一例を模式的に示す図である。図21および図22では、図面の複雑化を防ぐために、2本の第1支持ピン22aおよび1本の第2支持ピン22bが便宜的に描かれている。また、図22では、基板9が当接部2cを下方向に押す力が太い矢印で模式的に描かれている。
図21および図22に示すように、例えば、第1支持ピン22a上および第2支持ピン22bの当接部2c上に基板9を載置すると、第1支持ピン22aによって基板9が水平方向にずれないように下方から支持されている状態となる。このとき、第2支持ピン22bでは、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力に抗して基板9の重さによって当接部2cが下方向に押されることで、当接部2cが本体部2bから離間している状態となる。これにより、当接部2cが、本体部2bから離間しており、本体部2bに対して浮上している状態となる。このとき、第1磁石M1と第2磁石M2との距離が短くなることで第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力が高まり、第1磁石M1と第2磁石M2との間の反発力と、当接部2cにかかる重力と基板9が当接部2cを下方向に押す力との合力と、がつり合っている状態となる。この場合には、第2支持ピン22bでは、本体部2bから当接部2cが離間しており、当接部2cの熱容量が小さく、当接部2cには熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない。これにより、例えば、基板9において複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、基板9の上面としての第1面F1に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。
ここでは、図21で示されるように、支持部20が基板9を下方から支持していない状態においては、当接部2cは、上下方向における第1位置Vp1に位置している。図22で示されるように、支持部20が基板9を下方から支持している状態において、当接部2cは、上下方向における第1位置Vp1よりも下方の第2位置Vp2に位置している。このため、第2支持ピン22bでは、当接部2cは、支持部20が基板9を下方から支持していない状態において上下方向における第1位置Vp1に位置し、支持部20が基板9を下方から支持している状態において上下方向における第1位置Vp1よりも下方の第2位置Vp2に位置する。
上記一実施形態では、例えば、複数の第1支持ピン22aは、基板9の外周部9opに沿って位置している非塗布領域A2のみを下方から支持するように配置されていてもよい。図23は、基板9の塗布領域A1と第1支持ピン22aおよび第2支持ピン22bとの関係の一例を示す図である。図23では、図13と同様に、基板9の下面としての第2面F2のうち、第1支持ピン22aによって支持される位置が白丸で示されており、第2支持ピン22bによって支持される位置が黒丸で示されている。また、図23では、図13と同様に、基板9のうちの上面としての第1面F1に塗膜90が形成された塗布領域A1の外縁が二点鎖線で描かれている。図23の例では、基板9のうちの外周部9opに沿った領域を除く全域が塗布領域A1となっている。換言すれば、非塗布領域A2は、基板9の外周部9opに沿って位置している領域である。
上記一実施形態では、例えば、第2支持ピン22bは、基板9を支持するための支持ピン22として減圧乾燥装置1に適用されるための部品として市場において流通し得る。この場合には、例えば、第2支持ピン22bが置かれている姿勢に応じて、第1方向は、上方向以外の任意の方向となり得る。同様に、第2方向は、下方向以外の任意の方向となり得る。ここでは、部品としての第2支持ピン22bは、上述したように、本体部2bと、当接部2cと、を備えている。本体部2bは、第1磁石M1を有する。当接部2cは、第2磁石M2を有するとともに、基板9の下面に当接させるための部分である。第1磁石M1と第2磁石M2とは、第1磁石M1から第2磁石M2に向かう第1方向において、離間しているとともに、同一の磁極が対向している状態で位置している。本体部2bは、係止部分Fk1を含む。係止部分Fk1は、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力によって第1方向に向かう力が働いている当接部2cを係止するとともに、第1方向に垂直な方向における当接部2cの移動を規制する部分である。当接部2cは、第1部分P1と、第2部分P2と、を含む。第1部分P1は、係止部分Fk1によって係止される部分である。第2部分P2は、第1部分P1が係止部分Fk1によって係止されている状態で本体部2bよりも第1方向に位置している第1領域Ar1を有する。また、当接部2cは、第1方向とは逆の第2方向に移動することで本体部2bから離間することが可能な空間(移動可能空間)Sp1を本体部2bとの間に介して位置している。減圧乾燥装置1においては、第1方向は上方向となり、第2方向は第1方向とは逆の下方向となる。
ここで、例えば、第1方向が上方向となるように第2支持ピン22bを減圧乾燥装置1に適用すると、当接部2c上に基板9を載置することで、当接部2cが下方向に移動して本体部2bから離間し得る。このため、例えば、本体部2bに対して浮上して離間している当接部2cによって基板9を下方から支持させることができる。この場合には、例えば、当接部2cは、熱容量が小さく、熱容量が大きな部分が接続も接触もしていない。これにより、減圧乾燥装置1では、基板9において複数の支持ピン22の配置に応じた温度差が生じにくい。その結果、例えば、簡単な構成によって基板9の上面に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。
また、部品としての第2支持ピン22bにおいては、当接部2cは、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力に抗して第2方向に押されることで、本体部2bから離間し得る。このため、例えば、第1方向が上方向となるように第2支持ピン22bを減圧乾燥装置1に適用すると、当接部2c上に基板9を載置することで、基板9の重量によって、第1磁石M1と第2磁石M2との間における反発力に抗して当接部2cを下方に押し下げることができる。これにより、例えば、本体部2bに対して浮上して離間している当接部2cによって基板9を下方から支持させることができる。その結果、例えば、簡単な構成によって基板9の上面に形成された塗膜90をより均一に乾燥させることができる。
上記一実施形態では、第1磁石M1には、例えば、永久磁石および電磁石の何れが適用されてもよい。
上記一実施形態では、第1磁石M1は、例えば、本体部2bの外面に露出していてもよいし、本体部2bの内部に埋め込まれて外面に露出していなくてもよい。第2磁石M2は、例えば、当接部2cの外面に露出していてもよいし、当接部2cの内部に埋め込まれて外面に露出していなくてもよい。
上記一実施形態では、複数の支持ピン22は、例えば、1つ以上の第1支持ピン22aと、2つ以上の第2支持ピン22bと、を有していてもよいし、2つ以上の第1支持ピン22aと、1つ以上の第2支持ピン22bと、を有していてもよい。また、例えば、複数の支持ピン22は、1つ以上の第1支持ピン22aを有していてもよいし、1つ以上の第2支持ピン22bを有していてもよい。このため、上述した排気工程においては、例えば、1つ以上の第1支持ピン22aによって基板9が水平方向にずれないように基板9を下方から支持し、1つ以上の第2支持ピン22bにおける本体部2bから浮上して離間している当接部2cによって基板9を下方から支持している状態で、排気部30によってチャンバ10内の雰囲気を排出することでチャンバ10内を減圧してもよい。
上記一実施形態では、支持部20を昇降させる昇降部100が存在していなくてもよい。この場合には、複数の支持ピン22は、底面整流板40の上面等のチャンバ10内の部分あるいは底板部11の上面等のチャンバ10に対して固定されていてもよい。
上記一実施形態では、例えば、チャンバ10が、4つの排気口16a,16b,16c,16dを有していたが、これに限られない。例えば、チャンバ10が有する排気口の数は、1つから3つおよび5つ以上の何れであってもよい。また、例えば、個別バルブVa,Vb,Vc,Vdは、なくてもよい。
上記一実施形態では、減圧乾燥装置1は、基板9上の塗膜90を、減圧によって乾燥させるものであったが、これに限られない。例えば、減圧乾燥装置1は、減圧および加熱によって、基板9上の塗膜90を乾燥させるものであってもよい。
上記一実施形態では、チャンバ10の側壁部12に、基板9の搬入出口14が設けられていたが、これに限られない。例えば、チャンバ10の4つの側壁部12および天板部13が一体の蓋部を構成しており、この蓋部が底板部11から分離して上方へ退避することができる構造が採用されてもよい。この場合には、例えば、蓋部が開閉駆動部16等によって上下に移動されてもよい。そして、チャンバ10は、蓋部がOリング等のシール材を介して底板部11に接触して内部空間10sを密閉している状態(密閉状態)と、蓋部が底板部11から上方へ分離して内部空間10sを開放している状態(開放状態)と、に選択的に設定され得る。ここで、チャンバ10が開放状態にあれば、チャンバ10の内部空間10sへの基板9の搬入およびチャンバ10の内部空間10sからの基板9の搬出を行うことができる。チャンバ10が閉鎖状態にあれば、内部空間10sからの排気および内部空間10sへの給気によって、基板9上の塗膜90を減圧によって乾燥させることができる。
上記一実施形態では、例えば、支持部20は種々の形態を有していてもよい。例えば、複数の支持プレート21は、一体的な1つの支持プレート21であってもよい。
上記一実施形態では、例えば、底面整流板40がなくてもよいし、側面整流板50がなくてもよい。
上記一実施形態では、例えば、減圧乾燥装置1における各種の動作は、例えば、入力部804に対するユーザの動作もしくは通信部806に対して外部の装置から入力された信号等に応答して、開始あるいは終了されてもよい。
上記一実施形態では、例えば、制御部80において、実現される機能的な構成の少なくとも一部が、専用の電子回路等のハードウェアで構成されていてもよい。
なお、上記一実施形態および各種変形例をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
1 減圧乾燥装置
10 チャンバ
20 支持部
22 支持ピン
22a 第1支持ピン
22b 第2支持ピン
2b 本体部
2c 当接部
30 排気部
9 基板
90 塗膜
9op 外周部
A1 塗布領域
A2 非塗布領域
Ar1 第1領域
Cp1 被接触部
F1 第1面(上面)
F2 第2面(下面)
Fk1 係止部分
Hp1 中空部分
Is1 第1内部空間
Is2 第2内部空間
Iw1 第1内周面
Iw2 第2内周面
Lc1 第1仮想中心線
Lc2 第2仮想中心線
Lc3 第3仮想中心線
Lc4 第4仮想中心線
M1 第1磁石
M2 第2磁石
P1 第1部分
P2 第2部分
P3 第3部分
Pp1 筒状部分
Rp1 棒状部分
Rp2 環状部分
Sp1 移動可能空間
Th1 第1貫通孔
Th2 第2貫通孔
Ts1 第1傾斜外周面
Ts2 第2傾斜外周面
Vp1 第1位置
Vp2 第2位置

Claims (12)

  1. 基板を下方から支持するための支持ピンであって、
    第1磁石を有する本体部と、
    第2磁石を有するとともに前記基板の下面に当接させるための当接部と、を備え、
    前記第1磁石と前記第2磁石とは、前記第1磁石から前記第2磁石に向かう第1方向において、離間しているとともに、同一の磁極が対向している状態で位置し、
    前記本体部は、前記第1磁石と前記第2磁石との間における反発力によって前記第1方向に向かう力が働いている前記当接部を係止するとともに、前記第1方向に垂直な方向における前記当接部の移動を規制する係止部分、を含み、
    前記当接部は、前記係止部分によって係止される第1部分と、該第1部分が前記係止部分によって係止されている状態で前記本体部よりも前記第1方向に位置している第1領域を有する第2部分と、を含むとともに、前記第1方向とは逆の第2方向に移動することで前記本体部から離間することが可能な空間を前記本体部との間に介して位置している、支持ピン。
  2. 請求項1に記載の支持ピンであって、
    前記当接部は、前記第1磁石と前記第2磁石との間における反発力に抗して前記第2方向に押されることで、前記本体部から離間する、支持ピン。
  3. 基板の上面に形成された塗膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、
    前記基板を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内において前記基板を下方から支持する支持部と、
    前記チャンバ内の雰囲気を排出する排気部と、を備え、
    前記支持部は、前記基板を下方からそれぞれ支持する第1支持ピンおよび第2支持ピン、を含み、
    前記第1支持ピンは、前記基板が水平方向にずれないように前記基板を下方から支持し、
    前記第2支持ピンは、第1磁石を有する本体部と、第2磁石を有するとともに前記基板の下面に当接する当接部と、を有し、
    前記第1磁石と前記第2磁石とは、前記第1磁石から前記第2磁石に向かう上方向において、離間しているとともに、同一の磁極が対向している状態で位置し、
    前記本体部は、前記第1磁石と前記第2磁石との間における反発力によって上方向に向かう力が働いている前記当接部を係止するとともに、上方向に垂直な水平方向における前記当接部の移動を規制する係止部分、を含み、
    前記当接部は、前記係止部分によって係止される第1部分と、該第1部分が前記係止部分によって係止されている状態で前記本体部よりも上方向に位置する第1領域を有する第2部分と、を含むとともに、下方向に移動することで前記本体部から離間することが可能な空間を前記本体部との間に介して位置している、減圧乾燥装置。
  4. 請求項3に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記第1支持ピンは、前記基板のうちの前記上面に前記塗膜が形成されていない非塗布領域を下方から支持する、減圧乾燥装置。
  5. 請求項4に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記非塗布領域は、前記基板の外周部に沿って位置している、減圧乾燥装置。
  6. 請求項3から請求項5の何れか1つの請求項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記本体部は、上方向に沿って延びる筒状の筒状部分を含み、
    前記第1磁石は、前記筒状部分の中空部分および前記筒状部分の下部に沿った部分のうちの少なくとも一方に位置している部分を含み、
    前記係止部分は、前記筒状部分の上部に沿って位置しているとともに、上方向に貫通している第1貫通孔を有し、
    前記当接部は、前記中空部分内において、前記筒状部分の内周面から離間している状態で位置している第3部分を含み、
    前記第3部分は、前記第2磁石を含み、
    前記第2部分の前記第1領域は、前記第1部分の上部に接続もしくは連結しており、前記第1部分が前記係止部分によって係止されている状態で前記第1貫通孔から上方向に突出している、減圧乾燥装置。
  7. 請求項6に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記第2部分は、前記第1部分から上方向に向かうにつれて、前記第2部分の水平方向に沿った仮想断面の中心を通る上下方向に沿った第1仮想中心線に近づくように該第1仮想中心線に対して傾斜している第1傾斜外周面を有する、減圧乾燥装置。
  8. 請求項7に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記第1貫通孔は、上方向に向かうにつれて該第1貫通孔の上下方向に沿った第2仮想中心線に近づくように狭くなっている内部空間を有する、減圧乾燥装置。
  9. 請求項3から請求項5の何れか1つの請求項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記本体部は、上方向に沿って延びる棒状部分を含み、
    前記第1磁石は、前記棒状部分に固定されており、
    前記係止部分は、前記棒状部分の上部に沿って位置し、
    前記第1部分は、前記棒状部分が貫通している第2貫通孔を有し且つ前記棒状部分に沿って上下方向に移動可能に位置している環状の部分を含む、減圧乾燥装置。
  10. 請求項9に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記係止部分は、下方向に向かうにつれて前記棒状部分の上下方向に沿って延びる第3仮想中心線に近づくように該第3仮想中心線に対して傾斜している第2傾斜外周面を有する、減圧乾燥装置。
  11. 請求項3から請求項10の何れか1つの請求項に記載の減圧乾燥装置であって、
    前記当接部は、前記支持部が前記基板を下方から支持していない状態において上下方向における第1位置に位置し、前記支持部が前記基板を下方から支持している状態において上下方向における前記第1位置よりも下方の第2位置に位置する、減圧乾燥装置。
  12. 基板の上面に形成された塗膜を乾燥する減圧乾燥方法であって、
    チャンバ内に配置された複数の支持ピンに前記基板を載置する載置工程と、
    前記複数の支持ピンのうちの第1支持ピンによって前記基板が水平方向にずれないように前記基板を下方から支持し、前記複数の支持ピンのうちの第2支持ピンにおける本体部から浮上して離間している当接部によって前記基板を下方から支持している状態で、排気部によって前記チャンバ内の雰囲気を排出して、前記チャンバ内を減圧する排気工程と、を有する減圧乾燥方法。
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