JP2022083308A - 投影装置、投影装置の作動方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 投影装置において、液晶パネルから得る個々の画像の位置合わせをより簡易な構成で可能とする。【解決手段】投影装置において、第1のパネルと、第1のパネルと異なる色表示を行うために用いられる第2のパネルと、第1のパネルから出射される第1の画像と第2のパネルから出射される第2の画像とを合成する合成光学系と、合成光学系の光の出射側に配置されて第1の画像の光軸と第2の画像の光軸とをシフト可能なシフトデバイスと、第1のパネルによる第1の画像の出射と第2のパネルによる第2の画像の出射とを異なるタイミングで停止させ、停止状態においてシフトデバイスに第1の画像の光軸と第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる制御部と、を配する。【選択図】 図1
Description
本発明は、画像を投影表示する投影装置、投影装置の作動方法、及びプログラムに関するものである。
従来、画像投影を行う投影装置において、複数の色成分(RGBの3色の成分)に対応した液晶パネルを用い、これらパネルから得た各色の画像を合成することで高解像度且つ高輝度の画像を得ようとしている。その際、各色の液晶パネルの画素を合わせるためには高精度の位置合わせが必要となる。このような要請に対し、きれいに重畳された投影画像を得るために、用いる複数の液晶パネルの画素の位置合わせを行う方法が、特許文献1或いは2に開示されている。
特許文献1に開示される画像投影装置では、複数の液晶パネル各々に対してX-Y方向に微動させる圧電素子及びその駆動手段とそのための構造を設けている。そして、圧電素子に印加する電気信号を制御することにより、液晶パネルを面内で平行及び回転移動させることを可能とする。このように液晶パネルの移動を可能とすること事により、低コストで複数の液晶パネルの画素合わせを容易にしている。
また特許文献2に開示される画像投影装置では、複数の光変調素子から構成されて該光変調素子の位置ずれの検出が可能となっている。そして、投射光を遮ることのない位置に位置ずれ検出のための検出部が配置されており、その検出結果から位置ずれの量を算出し、算出された位置ずれ量を用いて光変調素子の位置ずれを補正している。
特許文献1及び特許文献2に於いては、複数の液晶パネルの画素位置のずれに対して、そのずれたパネルの画素位置を合わせこめるように各々のパネルに対して位置調整のための構成を配している。これら構成には、各パネルを各々X-Y方向及びθ方向に微動させる圧電素子及びその駆動手段、並びにこれらを配するための構成が含まれる。即ち、ずれている画素を位置合わせるために、各液晶パネルに対し、複数の圧電素子等を含む多くの付加的な構成を必要としていた。
本発明はこのような状況に鑑みたものであって、その目的の一つは、液晶パネルから得る個々の画像の位置合わせをより簡易な構成で可能とすることである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る投影装置は、
第1のパネルと、
前記第1のパネルと異なる色表示を行うために用いられる第2のパネルと、
前記第1のパネルから出射される第1の画像と、前記第2のパネルから出射される第2の画像とを合成する合成光学系と、
前記合成光学系の光の出射側に配置されて前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフト可能なシフトデバイスと、
前記第1のパネルによる前記第1の画像の出射と前記第2のパネルによる前記第2の画像の出射とを異なるタイミングで停止させ、停止状態において前記シフトデバイスに前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる制御部と、
を備えることを特徴とする。
第1のパネルと、
前記第1のパネルと異なる色表示を行うために用いられる第2のパネルと、
前記第1のパネルから出射される第1の画像と、前記第2のパネルから出射される第2の画像とを合成する合成光学系と、
前記合成光学系の光の出射側に配置されて前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフト可能なシフトデバイスと、
前記第1のパネルによる前記第1の画像の出射と前記第2のパネルによる前記第2の画像の出射とを異なるタイミングで停止させ、停止状態において前記シフトデバイスに前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる制御部と、
を備えることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、液晶パネルから得る個々の画像の位置合わせをより簡易な構成で可能とすることができる。
以下、図面を参照しながら本明細書に開示する投影装置の好ましい実施例について説明する。なお、各図面に示される同一の構成要素、部材、処理には同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。また本発明は図示された構成に限定されるものではない。更に、以下に述べる実施例で示される構成あるいは処理は、適宜組み合わせて用いることも可能である。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る投影装置について、図1-6、8-10、14、及び15を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る投影装置の構成を示すブロック図である。図1に示す投影装置1000は、表示装置を構成するように、入力/画像処理ブロック100、表示データ生成ブロック200、パネルDR(ドライブ)ブロック300、及びパネルブロック400を備える。また、投影装置1000は、表示装置を駆動し、該表示装置を用いて画像を投影する際に用いられる他の構成を備える。これら構成には、例えば、操作部10、制御部11、EPROM12、及び駆動パラメータ生成回路800が含まれる。また、更に、光源駆動回路501、光源502、ホイール駆動回路601、ホイールモータ602、位置検出回路603、シフト駆動回路701、及びシフトデバイス702が含まれる。
本発明の実施例1に係る投影装置について、図1-6、8-10、14、及び15を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る投影装置の構成を示すブロック図である。図1に示す投影装置1000は、表示装置を構成するように、入力/画像処理ブロック100、表示データ生成ブロック200、パネルDR(ドライブ)ブロック300、及びパネルブロック400を備える。また、投影装置1000は、表示装置を駆動し、該表示装置を用いて画像を投影する際に用いられる他の構成を備える。これら構成には、例えば、操作部10、制御部11、EPROM12、及び駆動パラメータ生成回路800が含まれる。また、更に、光源駆動回路501、光源502、ホイール駆動回路601、ホイールモータ602、位置検出回路603、シフト駆動回路701、及びシフトデバイス702が含まれる。
操作部10は、投影装置1000の電源のON/OFF、不図示ピントの調整や、各種投影モードの設定の入力等を行う際に用いられる。また、操作部10は、GUI等の表示デバイスも備えており、該GUIを介してユーザーが後述する表示ずれ補正のための処理の実行を指示し、ユーザー自身が表示ずれの補正を行うことが可能となっている。制御部11は、操作部10が受けた操作に応じて出力した信号を受けて、後述の入力/画像処理ブロック100、或いは表示データ生成ブロック200の制御信号を生成する駆動パラメータ生成回路800への制御指示を行う。EPROM12は、制御部11に接続され操作部10から設定された設定状態、及び後述するずれ量を補正するためのシフト量のパラメータを含む各種パラメータが読み書きされる。
入力/画像処理ブロック100は、入力された画像データの画像に対する各種の補正処理を行うブロックである。入力/画像処理ブロック100は、データ入力回路101と、画像処理回路102とを備える。データ入力回路101は、不図示入力部として設けられるDVI或いはHDMI(登録商標)、更にはディスプレイポート等の入力手段として設けられたIN1及びIN2から入力される画像データを受ける。画像処理回路102は、データ入力回路101が得た画像データに対して、ノイズ除去・輪郭強調・画像のスケーリング及び台形補正等の各種補正処理を行い、補正処理後の画像データを表示データ生成ブロック200に出力する。
表示データ生成ブロック200は、入力/画像処理ブロック100から出力された画像データを用いて、後述するパネルブロック400のR/B(赤/青)及びG(緑)の各パネルに表示させるための表示データを生成する。また、併せて、後述する光源502、ホイールモータ602、及びシフトデバイス702の駆動制御信号も生成し、これらを出力する。表示データ生成ブロック200は、パネル表示データ生成回路201と、データ出力回路202とを備える。
パネル表示データ生成回路201は、後述する表示パネルに画像を表示させる際に用いる、パネルの特性に応じた補正(γ補正/輝度ムラ補正等)を行ったRGB(赤、緑、青、以降RGBとして表記する)各色の表示データを生成する。データ出力回路202は、パネル表示データ生成回路201から入力された表示データが色毎に時系列で表示されるように該表示データに対して時系列処理をする。併せて、処理後のR/B、Gの各々の表示データを対応する各パネルに表示させる際の該パネル用の駆動データを生成し、これを後述するパネルDRブロック300に分割出力する。
パネルDRブロック300は、R及Bの光用のパネルDRブロック301R/Bと、Gの光用のパネルDRブロック301Gと、を備える。各々色光用のパネルDRブロックは、データ出力回路202から入力された駆動データを駆動信号に変換し、該駆動信号を後述するパネルブロック400に設けられた対応するパネルブロックに対して出力する。パネルブロック400は、R/B用のパネル401R/Bと、G用のパネル401Gと、を備える。各パネル401R/B,401Gは、パネルDRブロック300から入力された駆動信号に応じて、各々の光の画像を表示する。
より詳細には、パネルDRブロック301R/Bは、R/Bに関しての駆動データを駆動信号に変換し、これをパネル401R/Bに出力する。また、パネルDRブロック301Gは、Gに関しての駆動データを駆動信号に変換し、これをパネル401Gに出力する。パネル401R/BはR/BパネルとしてR(赤色)及びB(青色)の表示を、パネル401GはGパネルとしてG(緑色)の表示を、各々受信した駆動信号に応じて行う。
なお、本実施例で用いたパネルブロック各々は、表示を面一括で切り替えられるパネルで有って、例えば電荷を蓄積して表示を行うホールド型の液晶パネルを用いる。しかし、用いるパネルは、面一括で表示の切り替えが可能であれば、これに限られない。具体的には、パネルにミラーを有し時間的にON/OFFすることにより単位時間で諧調表現を行うDMD或いは、液晶を単位時間ON/OFFして諧調表現をするパネルも用いることができでる。
駆動パラメータ生成回路800は、制御部11の設定に応じて後述する光源502、ホイールモータ602、及びシフトデバイス702の駆動制御のパラメータを出力する。光源駆動回路501は、駆動パラメータ生成回路800から入力されたパラメータに応じて、光源502を駆動する。なお、本実施例では、光源502として、青色レーザー光を出射する光源を想定している。ホイール駆動回路601は、位置検出回路603で検出したホイールモータ602の駆動状態に関する情報の例である回転数及びホイールの角度と、駆動パラメータ生成回路800から入力されたパラメータとに基づき、ホイールの制御を行う。シフト駆動回路701は、駆動パラメータ生成回路800から入力されたパラメータに基づき、シフトデバイス702の駆動を行う。
次に本実施例に係る投影装置1000の光学系の概略構成について、図2を参照して説明する。なお、図2は、各色の光束の導き方を模式的に表した図である。例示する光学系は、照明光学系1、ホイール2、ハーフミラー3、複数のミラー4,5,6、プリズムに例示される合成用光学部材7、及び投影レンズ8を含む。照明光学系1は、レーザー集光レンズ、フライアイレンズ、集光レンズ等の光学素子を含み光源502から出射されたレーザー光を予定の大きさのスポットに集光する。なお、ここで説明した光学系の構成は一例であって、各部材の配置等に鑑みて、種々の変更が可能である。
光源502の青色のレーザー光源から投射された青色レーザー光は、照明光学系1により集光され、ハーフミラー3を照明光学系1側から透過する。なお、ハーフミラー3は照明光学系1側の面からの青色光を透過するとともに、ホイール2側の面からの黄色光を反射させる光学的な特性を有している。ハーフミラー3を透過した青色レーザー光は、ホイール2に向かう。
ここで、図4(A)を参照して、本実施例で用いるホイール2について説明する。ホイール2は、円盤形状の外周縁に連続的に設けられた、青色レーザー光を受けて黄色成分の光に変換してこれを出射する蛍光体部41と、青色レーザー光を透過する切欠き或いはガラスで構成される透過部42とを有している。ホイール2は、ホイールモータ602により回転制御され、回転時に蛍光体部41と透過部42とが青色レーザー光の光路上に順次位置するように設けられている。即ち、ホイール2の回転角度によって、合成用光学部材7に対し、蛍光体部41の反射光の黄色光を導くか、青色レーザー光をそのまま導かが選択できるように構成している。なお、本実施例では、円盤形状のホイールを光源光切替え部として用いて、光源からの青色レーザー光から黄色光を得て、光源光としてこれらを切替えることとしている。しかし、光源光から青色レーザー光とその他の色光を得ることが可能であれば、その構成は例示したホイールに限られない。
透過部42が青色レーザー光の光路上に位置してホイール2が透過状態にある時、点線で示す青色レーザー光はホイール2を透過する。透過後、青色レーザー光は、ミラー4、ミラー5、ミラー6により反射し、更にハーフミラー3を透過して合成用光学部材7に入射する。また、蛍光体部41が青色レーザー光の光路上に位置してホイール2が反射状態にある時、出射された黄色光はハーフミラー3により反射されて合成用光学部材7に入射する。なお、本実施例において、合成用光学部材7は、入射した青色レーザー光及び黄色光がその波長に応じで反射或いは透過する膜が設けられたプリズムで構成されている。なお、本実施例では、合成用光学部材7としてプリズムを用いた例を示しているが、複数の色画像を合成可能であれば、合成光学系として種々の光学部材やこれらが組み合わされたものを用いることができる。
ハーフミラー3側から入射した青色レーザー光は、合成用光学部材7によりパネル401R/Bに導かれる。青色レーザー光は、パネル401R/Bにより反射して同一光路を逆に戻り、更に合成用光学部材7により投影レンズ8に導かれる。またハーフミラー3側から入射した黄色光は、合成用光学部材7により黄色光の赤成分が分光されてこの分光部分の赤色光がパネル401R/Bに導かれる。この赤色光は、パネル401R/Bにより反射して同一光路を逆に戻り、更に合成用光学部材7により投影レンズ8に導かれる。
また、ハーフミラー3により反射されて合成用光学部材7に入射した黄色光は、合成用光学部材7により黄色光の緑成分が分光されてこの分光部分の緑色光がパネル401Gに導かれる。この緑色光は、パネル401Gにより反射して同一光路を逆に戻り、更に合成用光学部材7により投影レンズ8に導かれる。投影レンズ8に導かれた各色の光は、シフトデバイス702を透過し、投影レンズ8により投影される。これにより、各パネル401R/B,401Gで反射された映像が例えばスクリーンに投影されることとなる。
次に、上述したパネルブロック400を用いた本実施例に係る画像の表示方法について、図5(A)に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、上述したように、本実施例に係るパネルブロックは、パネル401R/Bとパネル401Gとの2枚のパネルで構成されてり、以降の説明ではこの2枚のパネル駆動について説明を行う。
図5(A)におけるVsyncは入力される映像データの垂直同期信号の周波数を示し、本実施例は、一般的な入力周波数として60Hzの信号を用いることとする。不図示の入力部のDVI或いはHDMI(登録商標)、又はディスプレイポート等の入力手段より入力された入力データは、入力/画像処理ブロック100内のデータ入力回路101に入力される。データ入力回路101は入力されたデータを受けてこれを画像処理回路102に送り、画像処理回路102ではこの入力データに対して上述した各種補正を行って画像データを生成する。
表示データ生成ブロック200は、画像処理ブロック100から受けた画像データを基に、パネルブロック400の各パネルブロックに表示させるため用いられる駆動データを生成する。パネル表示データ生成回路201は、パネルに画像データを表示させるためのパネルの特性に応じた補正(γ補正/輝度ムラ等)を行うことにより、表示データを生成する。生成された表示データはデータ出力回路202に送られ、データ出力回路202は受けた表示データを基に各パネルを駆動するための駆動データを生成する。
ここで、本実施例に係るデータ出力回路202について、図8(A)を参照して詳細に説明する。データ出力回路202は、パネル駆動データ生成回路210と、R/B・G出力分割回路211と、RAM213と、タイミング生成回路214とを含む。
パネル駆動データ生成回路210は、パネル表示データ生成回路201から出力された表示データを受けて1フレーム分の或いはそれ以上のフレーム分の表示データを一度RAM213に記憶させる。具体的には、図5(A)に示す表示データN(N+1,N+2,…)をRAM213に記憶させる。パネル駆動データ生成回路210は、RAM213に一時記憶された表示データNに基づいて、パネルブロック400を駆動する際に用いる駆動データを生成する。パネル駆動データ生成回路210にて生成された駆動データは、Vsyncに応じてフレーム毎にR/B・G出力分割回路211に送られる。R/B・G出力分割回路211は、フレーム毎に駆動データを受けて、これをR/BとGの各々用のパネルブロックの駆動用として、本実施例では色毎に更にSF1~SF4の4つサブフィールドからなる時分割データに変換する。
得られた時分割のパネル駆動データは、対応するパネルDRブロック301R/BとパネルDRブロック301Gとに、例えばサブフィールドSF1では、各々R/Bパネル駆動データN_SF1_R/BとGパネル駆動データN_SF1_Gとして出力される。パネル401R/Bは、パネルDRブロック301R/Bから入力されたR/Bパネル駆動データN_SF1_R/Bに基づいて駆動される。また、パネル401Gは、パネルDRブロック301Gから入力されたGパネル駆動データN_SF1_Gに基づいて駆動される。
これら駆動データが対応するパネルブロックに入力される際、図4(A)に示したホイール2の透過部42が青色のレーザー光の光路上に位置するように、ホイールモータ602が制御されている(図5(A)のホイールがBの状態)。よって、パネル401R/Bは、透過部42を透過した青色レーザー光によって照射状態にあり、図2に示す光学系により、パネル401R/Bにより生成される画像の投影表示が行われる。より詳細には、時系列の駆動データとして、パネルDRブロック301R/Bにより最初Bのパネルデータが出力され、これに基づいてパネルDRブロック301R/Bによりパネル401R/Bが駆動される。駆動データには、R/Bパネル駆動データN_SF1_R/Bが用いられる。
次に、パネルDRブロック301R/Bからの駆動データとしてRのパネルデータが、またパネルDRブロック301Gからの駆動データとしてGのパネルデータが各々出力される。そして、パネルDRブロック301R/Bからの駆動データに基づいてパネル401R/Bが、パネルDRブロック301Gからの駆動データに基づいてパネル401Gが駆動される。駆動データには、R/Bパネル駆動データN_SF1_R/BとGパネル駆動データN_SF1_Gとが用いられる。
なお、この時、青色レーザー光の光路上には、図4(A)に示すホイール2の蛍光体部41が配置されている(図5(A)のホイールがYの状態)。蛍光体部41で生成された黄色光から、合成用光学部材7によって更に赤色光と緑色光とが得られる。得られた赤色光はパネル401R/Bに照射され、緑色光はパネル401Gに照射される。これらパネルは、対応する駆動データに応じて画像を生成し、生成された画像の投影表示が行われる。このように、表示データ、パネル駆動データ、パネル駆動及びパネル駆動に合わせたホイールの駆動(回転)を時系列で連続的に行うことにより、投影表示が実現される。
以上の処理の実行時において、タイミング生成回路214(図8参照)は、光源駆動回路501、ホイール駆動回路601、及びシフト駆動回路701各々の駆動時に用いるタイミング信号を生成する。このタイミング信号は、駆動パラメータ生成回路800に入力され光源502、ホイールモータ602、及びシフトデバイス702を駆動する際の駆動タイミングの基本タイミングとなる。
次に、駆動パラメータ生成回路800について、図9を参照して説明する。駆動パラメータ生成回路800は、光源502、ホイールモータ602、シフトデバイス702の駆動制御の際に用いられるパラメータを出力する。このため、駆動パラメータ生成回路800は、光源制御回路801、ホイール制御回路802、及びシフト制御回路803を備える。
光源制御回路801は、制御部11からの指示に応じて、投影光の明るさの設定(レーザーの強度)或いは、レーザーの駆動モードに応じた光源502の強度を設定する。また、その制御に関わるタイミング信号をデータ出力回路202から受けて、該タイミング信号に応じて光源502を制御する。ホイール制御回路802は、データ出力回路202内のパネル駆動データ生成回路210からタイミング信号(各パネルの駆動信号と同期したパネル駆動Vsync)をもとに、ホイール駆動信号を出力する。なお、パネル駆動Vsyncは、入力されるVsyncの周期が例えば60Hzであれば2倍速の120Hzとなり、入力されるVsyncの周期が例えば50Hzであれば、2倍速の100Hzとなる。ホイールモータ602は、位置検出回路703により回転時の位置検出が行われる。位置検出回路703として、例えば赤外光を出力してホイールモータ602の反射状態から位置検出を行うフォトセンサー或いは、ホイールモータ602内或いは外部の磁気を検出してホイールモータの位置を検出するホール素子により回転時の位置検出が行われる。ホイール駆動回路601は、前述したタイミング信号と位相を合わせるように該ホイールモータ602の回転制御を実行する。
シフト駆動回路701は、シフトデバイス702の駆動量の設定の指示を制御部11から受けて、シフト駆動のパラメータをシフトデバイス702に出力する。また、シフト駆動回路701は、その制御に関わるタイミング信号をパネル駆動データ生成回路210から受けて、該タイミング信号に基づいてシフトデバイス702を制御する。
次に、シフトデバイス702について、図3(A)~(C)を参照して説明する。図3(A)はシフトデバイス702を光軸方向から見た概略図であり、図3(B)はシフトしない状態の屈折ガラスを側面から見た状態を示し、図3(C)はシフトした状態を屈折ガラスの側面から見た状態を示す。シフトデバイス702は、光を透過可能な板状若しくは枠状の部材712と、長さ変形可能な例えばコイル711と、該コイルを介して部材712に支持される屈折ガラス710とを備える。シフトデバイス702は、図2に示すように、投影レンズ8と合成用光学部材7との間に配置される。シフトデバイス702は、コイル711によって屈折ガラス710を傾けることにより光束をシフトさせ、これにより画像の表示位置をシフトさせる。
より詳細には、本実施例に係るシフトデバイス702において、コイル711は平板状の屈折ガラス710の上下辺と左右辺に対応して各4方向に配置される。即ち、本実施例において、コイル711は上部コイル711A、左部コイル711B、下部コイル711C、右部コイル711Dを含む。そして、これらコイルのいずれかを駆動することにより屈折ガラス710が傾けられる。
例えば、下部コイル711Cに駆動信号が出力されとすると、下部コイル711Cが駆動されて屈折ガラス710を合成用光学部材7方向(図のパネル側)に押圧し、該屈折ガラス710は図3(C)の様に傾く。即ち、駆動信号の出力により、図3(B)の正位置(どのコイルにも駆動されていない状態)から、図3(C)に示す状態に屈折ガラス710の姿勢が変わる。従って、点線で示す合成用光学部材7からの光束は。屈折ガラス710に入射し、正位置時の光束の光軸に対して下方にシフトした状態で前述の投影レンズ8に入射して投射される。
なお、本実施例において、屈折ガラス710の傾き量は、下部コイル711Cへ通電させる電流量にて変化させることができる。また、シフトデバイス702は、上部コイル711A、左部コイル711B、及び右部コイル711Dのいずれかを駆動させた場合も同様である。例えば、左部コイル711Bが駆動されることにより、光束の光軸を左側にシフトさせることができる。また、例えば、上部コイル711Aと右部コイル711Dとが同時に駆動されることにより、光束の光軸を右斜め上にシフトさせることができる。
なお、本実施例において投影画像間のずれ量と屈折ガラス710の傾き量(シフト量)とが対応するようにあらかじめ求められた調整値がEPROM12に記憶されている。傾き量(シフト量)の設定は、予め得られているこの調整値を制御部11がEPROM12から取得し、制御部11からこれを取得したシフト駆動回路701により実行される。予め求められた調整値に基づいて傾き量(シフト量)が設定されることにより、適切なシフト駆動を行うことができる。
次に、本実施例において、パネル401R/Bを介して投影される画像と、パネル401Gを介して投影される画像とが位置的にずれていない場合とずれていた場合について説明する。また、ずれていた場合に実行される、ずれを補正するためのシフトデバイス702の駆動方法について、図10を参照して説明する。
より詳細には、図10(A)は、黒とR/G/Bそれぞれ明の格子表示、所謂白のクロスハッチを表示した状態を示している。図10(B)は、図10(A)の図中左上部分の点線で囲まれた部分の拡大図である。図10(B)によれば、パネル401R/Bを介して投影される画像と、パネル401Gを介して投影される画像の投影位置がずれていない。即ち、図2に示すパネル401R/Bと、パネル401Gと合成用光学部材7とを含め、これらの位置がずれの無い理想的な状態にある時の表示状態が示されている。
それに対して、図10(C)に示す状態では、パネル401Gを介した画像の表示として細かい点線が示されている。パネル401R/Bを介した画像の表示は白の実線として示されている。縦方向において、実線(R/B)と点線(G)とはずれており、横方向においては、点線と実線とは一致している。即ち、図10(C)に示す状態は、パネル401R/Bと、パネル401Gと、合成用光学部材7とを含め、これらの位置がずれた状態となる。
このような投影光がずれた表示状態に対して、シフトデバイス702をシフト駆動させることにより、パネル401R/Bと、パネル401Gと、合成用光学部材7とを含めた位置がずれた状態を補正する。具体的には、図10(C)に示す表示状態にある時、パネル401R/Bがパネル401Gに対して下側にずれている状態にある。シフトデバイス702の駆動によってこのずれ状態は低減できるが、その過程においてパネル401Gを介して投影された画像と、パネル401R/Gを介して投影された画像とがずれた状態が視認される可能性がある。本実施例では、パネル駆動に際し、図5(A)で述べたサブフィールドSF毎に、表示駆動としてのBlank駆動、及びシフトデバイス702によるシフト駆動を実行する。図10(C)に例示した場合、一方のパネルからの表示をBlank即ち黒色表示とすることにより、ずれた状態が表示されることがなくなり、ずれ状態が視認される状態をより低減できる。
次に、位置ずれ補正の際に、駆動データに基づくパネルブロック等に関する表示駆動と、シフトデバイス702によるシフト駆動のタイミングチャートを示す図6を参照し、これら駆動の詳細について説明する。シフトデバイス702の駆動は、図6(A)に示すような駆動信号を上部コイル711A、左部コイル711B、下部コイル711C、及び右部コイル711Dの各々に入力することで行う。なお、その際のシフト駆動量は、予めEPROM12に記憶された調整値に基づいて設定される。
以下、表示制御とシフト駆動とについて詳細に説明する。サブフィールドSF1において、上部コイル711Aのみが駆動される。そして、パネル401R/Bは、R/B・G出力分割回路211の出力データに基づき表示を行う。またパネル401Gは、R/B・G出力分割回路211からBlank、即ち黒色の表示状態とする駆動データが入力されて、その駆動データに基づいてパネル401Gは黒色表示を行う。この時、上部コイル711Aが駆動されており、その他のコイルは駆動停止状態にある。このため、サブフィールドSF1では、上部コイル711Aの駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなり、パネル401R/Bを経た光束は該所定の角度に応じた所定量だけ上側にシフトする。また、パネル401Gは黒色表示を行っており、該パネル401Gを経た画像は表示されない。よって、パネル401R/Bを経た光束のみが正しい位置に投影される。
サブフィールドSF2においては、下部コイル711Cが駆動される。そして、パネル401R/Bは、R/B・G出力分割回路211からBlank、即ち黒色の表示状態とする駆動データが入力されて、その駆動データに基づいてパネル401R/Bは黒色表示を行う。また、パネル401Gは、R/B・G出力分割回路211からの出力データに基づき表示を行う。この時、下部コイル711Cが駆動されており、その他のコイルは駆動停止状態にある。このため、サブフィールドSF2では、下部コイル711Cの駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなり、表示を行う光束は該所定の角度に応じた所定量だけ下側にシフトする。また、パネル401R/Bは黒色表示を行っており、該パネル401R/Bを経た画像は表示されない。よって、パネル401Gを経た光束のみが正しい位置に投影される。
即ち、本実施例では、サブフィールドSF1でBとRの光束による表示を上にずらして投影し、サブフィールドSF2でGの光束による表示を下側にずらして投影することとしている。これにより、サブフィールドSF1,SF2でRGBが合成された表示状態となるとともに、これらサブフィールドにおいて図10(C)に示された表示のずれに対して各々の表示が同一の位置にシフトされる。なお、この場合、シフトデバイス702の駆動量は、図10(C)の表示で現れるずれ量に対して、サブフィールドSF1で1/2の量を、サブフィールドSF2でも1/2の量を駆動して同一位置になるように表示位置の補正を実行する。なお、サブフィールドSF3においてはサブフィールドSF1と同様に、サブフィールドSF4においてはサブフィールドSF2と同様に、表示制御とシフト制御とを行うこととする。
なお、シフトデバイス702の駆動様式については、上述したものに限られない。即ち、シフトデバイス702は、図6(A)に示す例では、サブフィールドSF1及びサブフィールドSF2の各々のタイミングでシフト駆動を行っている。しかし、例えば、図6(D)に示す駆動波形のように、サブフィールドSF1及びサブフィールドSF3で図10(C)の表示で現れるずれ量分シフトデバイス702を駆動することとしてもよい。この場合、サブフィールドSF2及びサブフィールドSF4ではシフトデバイス702は駆動されない。なお、このシフトデバイス702の駆動に際しては、被視感度の低いBの色画像の表示期間に行うと好適である。このため、本実施例において、タイミング生成回路214から出力されるタイミング信号に基づいて生成されるシフトデバイス702の駆動波形は、色画像の表示タイミングも加味して生成されるとよい。
次に、図10(D)示すように、パネル401R/Bと、パネル401Gと、合成用光学部材7とを含めた位置が上下左右方向にずれた状態の際の補正処理について説明する。即ち、パネル401R/Bによる投影表示と、パネル401Gによる投影表示とが、ずれて表示された状態への対応方法について述べる。
この場合も、投影光のずれた表示状態に対して、シフトデバイス702をシフト駆動させることにより、パネル401R/Bと、パネル401Gと、合成用光学部材7とを含めた位置がずれた状態を補正する。具体的には、図10(D)に示す表示状態にある時、パネル401R/Bがパネル401Gに対して下側且つ右側にずれている状態にある。本実施例では、パネル駆動に際し、図5(A)で述べたサブフィールドSF毎に、表示駆動としてのBlank駆動、及びシフトデバイス702によるシフト駆動を実行する。
図10(D)に示した位置ずれを合わせこむ操作について、次に図6に示すタイミングチャートを参照し、これら駆動の詳細について説明する。シフトデバイス702の駆動は、図6(C)に示すような駆動信号を上部コイル711A、左部コイル711B、下部コイル711C、及び右部コイル711Dの各々に入力することで行う。なお、その際のシフト駆動量は、予めEPROM12に記憶された調整値に基づいて設定される。
以下、表示制御とシフト駆動とについて詳細に説明すると、サブフィールドSF1において、上部コイル711A及び左部コイル711Bが駆動される。そして、パネル401R/Bは、R/B・G出力分割回路211の出力データに基づき表示を行う。またパネル401Gは、R/B・G出力分割回路211からBlank、即ち黒色の表示状態とする駆動データが入力されて、その駆動データに基づいてパネル401Gは黒色表示を行う。この時、上部コイル711A及び左部コイル711Bが駆動されており、その他のコイルは駆動停止状態にある。このため、サブフィールドSF1では、上部コイル711A及び左部コイル711Bの各々の駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなる。その結果、表示を行う光束は、該所定の角度に応じた所定量だけ左上側にシフトする。また、パネル401Gは黒色表示を行っており、該パネル401Gを経た画像は表示されない。よって、パネル401R/Bを経た光束のみが正しい位置に投影される。
サブフィールドSF2においては、下部コイル711C及び右部コイル711Dが駆動される。そして、パネル401R/Bは、R/B・G出力分割回路211からBlank、即ち黒色の表示状態とする駆動データが入力されて、その駆動データに基づいてパネル401R/Bは黒色表示を行う。また、パネル401Gは、R/B・G出力分割回路211からの出力データに基づき表示を行う。この時、下部コイル711C及び右部コイル711Dが駆動されており、その他のコイルは駆動停止状態にある。このため、サブフィールドSF2では、下部コイル711C及び右部コイル711Dの駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなり、表示を行う光束は該所定の角度に応じた所定量だけ右下側にシフトする。また、パネル401R/Bは黒色表示を行っており、該パネル401R/Bを経た画像は表示されない。よって、パネル401Gを経た光束のみが正しい位置に投影される。
即ち、本実施例では、サブフィールドSF1でBとRの光束による表示を左上にずらして投影し、サブフィールドSF2でGの光束による表示を右下側にずらして投影する。また、その際に、ずれている一方の画像を投影するパネルの表示を黒色表示といている。これにより、サブフィールドSF1,SF2でRGBが合成された表示状態となるとともに、これらサブフィールドにおいて図10(D)に示された表示のずれに対して各々の表示が同一の位置にシフトされる。なお、この場合、シフトデバイス702の駆動量は、図10(D)の表示で現れるずれ量に対して、サブフィールドSF1で1/2の量を、サブフィールドSF2でも1/2の量を駆動して同一位置になるように表示位置の補正を実行する。なお、サブフィールドSF3においてはサブフィールドSF1と同様に、サブフィールドSF4においてはサブフィールドSF2と同様に、表示制御とシフト制御とを行うこととする。
なお、シフトデバイス702の駆動様式については、上述したものに限られない。即ち、シフトデバイス702は、図6(C)に示す例では、サブフィールドSF1及びサブフィールドSF2の各々のタイミングでシフト駆動を行っている。しかし、例えば、図6(B)に示す駆動波形のように、サブフィールドSF1及びサブフィールドSF2で図10(D)の表示で現れるずれ量分シフトデバイス702を駆動することとしてもよい。この場合、サブフィールドSF3及びサブフィールドSF4ではシフトデバイス702は駆動されない。なお、このシフトデバイス702の駆動に際しては、被視感度の低いBの色画像の表示期間に行うと好適である。このため、本実施例において、タイミング生成回路214から出力されるタイミング信号に基づいて生成されるシフトデバイス702の駆動波形は、色画像の表示タイミングも加味して生成されるとよい。
次に上述した投影装置1000において、パネル401R/Bによる表示とパネル401Gによる表示とがずれていた場合に対しての投影装置の設定、調整の動作について図14のフローチャートを参照して以下説明する。なお、ここで述べる調整の動作とは、表示位置のずれを補正するアライメント調整(ずれ補正)の動作に対応する。まず、例えば操作部10の電源のON操作により、投影装置1000がユーザーにより起動されると、操作部10に付随して設けられた不図示のGUI等にメインメニューが表示される。
メインメニューにおいて、ユーザーが駆動モードメニューを選択すると、制御部11は表示ずれ補正処理のフローをスタートさせ、フローをステップS101に移行させる。ステップS101において、制御部11は、操作部10のGUIに、アライメント駆動行うか否かをユーザーが選択可能とする駆動モードメニューの表示を行わせる。駆動モードメニューの表示は、例えば図15(A)に示す様式で行われる。なお、ここで述べるアライメント駆動とは、上述したパネル401R/Bによる表示とパネル401Gによる表示とがずれていた場合のずれを合わせる駆動である。
駆動モードメニューがGUIに表示されると、制御部11はユーザーからのアライメント駆動モードを行うか否かの指示が入力されるのを待つ。ユーザーからの指示が入力されると、制御部11はフローをステップS103に移行させる。ステップS103において、駆動モードメニュー表示における「いいえ」が操作部10により選択されると、その指示の入力を受けた制御部11はフローをNに進めて処理を終了させる。即ち、アライメント駆動しない通常の駆動のまま駆動モードの設定を終了させる。また、ステップS103において、駆動モードメニュー表示における「はい」が操作部10により選択されると、その指示の入力を受けた制御部11は、フローをYのステップS105に移行させる。
ステップS105において、制御部11は、予めEPROM12に記憶されている調整値に基づいて、上述した表示制御とシフト駆動とからなるアライメント駆動を開始する。記憶済みの調整値に基づいたアライメント駆動が制御部11により実行され、終了すると、制御部11はフローをステップS107に移行させる。ステップS107において、制御部11は、操作部10のGUIに、図15(B)に例示する調整選択メニューを表示させる。なお、この調整選択メニューの表示と併せ、或いはこの表示の前に、図10に例示したR/BとGとにクロスハッチ表示が、制御部11に制御されたGUIによって行われる。ユーザーは、このクロスハッチ表示を参照し、更なるアライメント調整が必要か否かを判断する。
調整選択メニューがGUIに表示されると、制御部11はユーザーからのアライメント調整を行うか否かの指示が入力されるのを待つ。ユーザーからの指示が入力されると、制御部11はフローをステップS109に移行させる。
ここで、GUI上のクロスハッチ表示が図10(B)に示すようにずれが無い状態であれば改めてアライメント調整をする必要が無い。よって、ユーザーは、調整選択メニュー表示における「いいえ」を選択する。操作部10による「いいえ」の選択の指示の入力を受けた制御部11は、フローをNのステップS121に移行させる。ステップS121において、制御部11は、調整選択メニューの表示を終了させるとともに駆動モード設定を終了させる。
GUI上のクロスハッチ表示が図10(C)に示すような状態であると、更なるずれの補正が必要となる。よって、ユーザーは、調整選択メニュー表示における「はい」を選択する。操作部10による「はい」の選択の指示の入力を受けた制御部11は、フローをYのステップS111に移行させる。なお、ステップS105におけるずれ補正が十分でない場合として、例えばEPROM12内に調整値がまだ書き込まれていない初期状態である場合が考えられる。更には、調整は行われていたが、外的要因、例えば振動、衝撃等によりパネル401R/B或いはパネル401Gのいずれか或いは両パネルのずれが生じた場合等が考えられる。
ステップS111において、制御部11は、調整メニューをGUIに表示させる。調整メニューでは、例えば図15(C)に示すように、シフト方向とシフト量を設定する矢印ボタンと、アライメント調整の完了を入力するボタンとが表示される。なお、図15(C)に示す例では、パネルのずれを調整する方向を矢印ボタンのハイライト(図では上向き)で示して、パネル401R/B或いはパネル401Gによる表示位置をシフトさせる場合を示している。調整メニューがGUIに表示されると、制御部11はユーザーからの調整指示が入力されるのを待つ。ユーザーからの指示が入力されると、制御部11はフローをステップS113に移行させる。
以下、ステップS113で実行される調整設定処理の手順について、具体的に説明する。なお、本実施例では、表示ずれの例をR/Bが下方向ずれた場合を例としているため、パネル401R/Bについてのシフト制御を行う場合について説明する。ステップS113の調整設定処理が実行されると、R/Bの表示が下方向にずれているため、パネル401R/Bによる表示位置を上側にずらす指示が、ずれ量に応じて複数回、矢印ボタンを介してユーザーにより行われる。入力された指示に応じて、制御部11は、シフト制御回路803を介してシフトデバイス702によってシフト量を徐々に増加させる。このような徐々の増加は、ユーザーが矢印ボタンの一部を長押しする、或いは押圧操作を繰り返すことによって可能となる。その際、GUI上には上述したクロスハッチ表示も行われており、ユーザーはシフト量を徐々に増やしながら図10(B)に表示されるずれの無い状態を得るまでこの操作を続ける。なお、ずれの態様が図10(D)に示す様な斜めのずれの場合は、上下のシフト指示と合わせて左右のシフト指示の操作を行うとよい。
ユーザーによる矢印ボタンの操作が一時終了したことを検知すると、制御部11はフローをステップS115に移行させ、調整メニューにおけるアライメント調整完了ボタンに対する入力を待つ。ステップS115において所定時間入力が無い場合、制御部11はまだアライメント調整が完了していないと判断して、フローをNのステップS111に戻し、再度ステップS113の調整設定処理を繰り返させる。
以上の操作を行い、表示位置が適正と判断したら、ユーザーは。調整メニューにおけるアライメント調整完了ボタンを押す。アライメント調整完了ボタンが押されたことを検知すると、制御部11はフローをYのステップS117に移行させる。ステップS117において、制御部11は、GUIに調整メニューとして選択された内容が終了した旨を表示させる。その際、GUI上の調整用パターンのクロスハッチの表示も停止する。この調整メニュー終了後、制御部11はフローをステップS119に移行させる。ステップS119において、制御部11は、ステップS113で行われた調整設定処理時に用いられた調整値を、新たなシフト量の調整値としてEPROM12に書き込みを行い、調整の動作を終了する。
本実施例では、調整時にR及びGはBの光から得ている。このため、上述した調整の動作を行った場合には、光量が低下し、画像の明るさが低下する。よって、アライメント駆動行うか否かの設定に於いて「いいえ」が選択された場合は明るさを低下することなく投影表示が可能となる。また「はい」が選択された場合は、明るさは低下するがパネルの色毎の表示位置のずれが無い投影表示が可能となる。
以上に述べたように、本実施例に係る投影装置1000は、第1のパネル(パネル401R/B)と、第2のパネル(パネル401G)と、合成光学系(合成用光学部材7)と、シフトデバイス702と、制御部11と、を備える。パネル401R/Bは、R及びBの色画像の表示(色表示)に用いられ、パネル401Gは、パネル401R/Bと異なる色表示を行うために用いられる。合成用光学部材7は、パネル401R/Bから出射される第1の画像と、パネル401Gから出射される第2の画像とを合成するために用いられる。シフトデバイス702は、合成用光学部材7の光の出射側に配置されて、第1の画像の光軸と、第2の画像の光軸とを各々シフト可能とされている。また、制御部11は、パネル401R/Bからの第1の画像の出射と、パネル401Gからの第2の画像の出射とを異なるタイミングで停止させることができる。そして、制御部11は更に、この出射の停止状態において、シフトデバイス702に、第1の画像の光軸と第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる。
上述した投影装置1000は、更に光源502と、光源光切替え部(ホイール2)とを備える。光源502は、第1の画像が出射されるように第1のパネルに照射するレーザー光を出射する。ホイール2は、光源502と、パネル401R/B及びパネル401Gとの間に配置されている。そして、レーザー光を透過する透過部42と、レーザー光の照射により蛍光を発する蛍光体部41,43,44とを含む。パネル401Gは、蛍光体部から出射された蛍光の照射に基づいて、第2の画像を出射する。なお、ホイール2は、第1のパネルが第1の画像を切替えるタイミング及び第2のパネルが第2の画像を切替えるタイミングに同期し、レーザー光の透過状態と蛍光体部への照射状態とを切替える。なお、上述した実施例において、レーザー光には青色レーザー光が用いられ、蛍光として黄色光を得ている。
上述した実施例において、光源光切替え部には、外周縁部に透過部と蛍光体部とが設けられて回転可能に支持される円盤形状のホイール2が用いられる。そして、ホイール2が回転されることにより、レーザー光の透過状態と、レーザー光の蛍光体部への照射状態とが切替えられる。また、投影装置1000は、ユーザーの指示が入力される操作部材(操作部10)を更に備えとよい。制御部は11、黒色表示時における光軸のシフトのシフト量に対して、操作部10を介して入力されたシフト量を加算させる制御と、黒色表示時において光軸を所定のシフト量のシフトさせる制御とを、入力された指示に応じて選択的に実行可能としている。
シフトデバイス702は、表示位置の補正に際し、第1の画像と第2の画像との表示位置をずらすように量画像の光軸とをシフトさせるとよい。また、シフトデバイス702は、表示位置の補正に際し、両画像の一方の光軸をシフトさせることとしてもよい。上述した第1の画像の出射の停止及び第2の画像の出射の停止は、第1のパネル及び第2のパネルに入力される駆動データを、黒色表示を行う駆動データ(Blank)とすることにより実行される。また、本実施例に係る投影装置は、シフトデバイス702によりシフトされた光軸のシフト量を記憶する記憶手段(EPROM12)を更に備える。そして、記憶されたシフト量は、制御部11がシフトデバイス702に第1の画像の光軸と第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる際に、この記憶されたシフト量が反映される。
また、制御部11は、第1の画像の光軸と第2の画像の光軸との少なくともいずれかのシフト方向を変更する制御も行う。その際、制御部11は、パネル401R/Gによる第1の画像とパネル401Gによる第2の画像とのいずれかが黒色表示されるタイミングに応じてシフト方向を切替える。
以上に述べたように、本実施例によれば、2枚のパネル各々を介して得た色画像を投影、合成してカラー画像を表示する投影装置において、両パネルを介した光束が屈折率ガラス経て投影されることとしている。そして、両パネルを介した光束にずれが生じた場合、屈折ガラスを傾斜させることで一方の光束の光軸をシフトさせ、且つその際に他方のパネルによる表示を黒色としている。このような構成とすることにより、屈折ガラスのみを傾斜させるという簡易の構成によって、各色画像の位置ずれが視認される可能性が低減された画像を投影することができる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2に係る投影装置について、図5、7、8、及び11を参照して説明する。実施例1で述べたように、本発明では、パネル自体を駆動するのではなく、屈折ガラスを用いて、パネルから投影レンズに至る光束の光軸シフトさせている。従って、シフト量を調整することによってパネルの1画素ごとのシフト量の調整ではなく、それ以下の例えば半画素分やそれ以下のシフト量とすることも可能である。本実施例では、この特性を利用して、疑似的に高解像度の画像の投影を可能とし、且つ画像ずれの補正も実行する。なお、実施例2に係る投影装置における基本的な回路構成及び光学構成、並びにシフトデバイスの構成やパネルの基本的シフト動作は実施例1と同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施例2に係る投影装置は、データ出力回路のブロック構成及びシフトデバイス702の駆動動作が、実施例1に係る投影装置とは異なる。以下、相違点について説明する。
次に、本発明の実施例2に係る投影装置について、図5、7、8、及び11を参照して説明する。実施例1で述べたように、本発明では、パネル自体を駆動するのではなく、屈折ガラスを用いて、パネルから投影レンズに至る光束の光軸シフトさせている。従って、シフト量を調整することによってパネルの1画素ごとのシフト量の調整ではなく、それ以下の例えば半画素分やそれ以下のシフト量とすることも可能である。本実施例では、この特性を利用して、疑似的に高解像度の画像の投影を可能とし、且つ画像ずれの補正も実行する。なお、実施例2に係る投影装置における基本的な回路構成及び光学構成、並びにシフトデバイスの構成やパネルの基本的シフト動作は実施例1と同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施例2に係る投影装置は、データ出力回路のブロック構成及びシフトデバイス702の駆動動作が、実施例1に係る投影装置とは異なる。以下、相違点について説明する。
実施例2に係る投影装置のデータ出力回路202Aのブロック構成を図8(B)に示す。本実施例2では、パネルブロック400における各パネルの表示が例えば1920×1080の画素で行われ、入力される入力画像のフォーマットが3840×2160の画素に対応するものとされる。本実施例では、実施例1で述べたようなシフト制御によってパネルの表示位置をずらすとともに、1フレームの画像対して4フレームの補間画像を生成して表示を高精細化させている。このため、図8(B)に示されるブロック構成では、図8(A)に示した実施例1のデータ出力回路に対して、シフトデータ生成回路215と、シフトRAM216とが追加されている。シフトデータ生成回路215は、入力された画像データに対して補間画像を生成する。また、シフトデータ生成回路215によりシフトデータを生成する際に、一度1フレーム以上の画像データを必要とする。そのため、シフトRAM216は、この画像データを一時的に記憶する。
本実施例では、60Hzで入力された入力データを、240Hzの4倍速化し、且つ補間画像を1/4の画像サイズのフレームのサブフレーム毎に分割して用いる。また、本実施例では、その上でシフトデバイス702によりシフト駆動を行うこととしているこのような構成とすることにより、1920×1080の所謂Full HDパネルによって、入力されたフォーマットが3840×2160の画素から構成される画像を擬似的に表示する。
ここで、入力画像のフォーマットが3840×2160の画素からなる画像を1920×1080の画素のFull HDパネルで表示する方法について、図11(A)及び図11(B)を参照して以下に説明する。図11(A)は、3840×2160の入力画像フォーマットについての部分的な画素毎のデータを表している。図11(B)は、表示パネルのFull HDの表示パネルの1920×1080についての部分的な画素毎のデータを表している。なお、図11(A)に示される部分は、図11(B)に示される各サブフィールドSF1,SF2,SF3,SF4に示される部分と同じ範囲を示している。即ち、同一範囲の領域において、入力画像フォーマットである3840×2160の画素数は、Full HDパネルの1920×1080の4倍の画素数となる。
本実施例では、サブフィールドSF1~SF4において、Full HDパネルの1画素に対応する入力画像フォーマットにおける各々異なる4つの画素の表示データ、即ち、1/4の画像サイズの表示データから得られる画像を補間画像としている。この補間画像を各サブフィールドで順次4回表示することとしている。また、その際にシフトデバイス702をこの補間画像の表示に合わせ駆動し、表示位置が入力画像フォーマット3840×2160の画素の配置に合うようにシフトさせている。これにより入力画像フォーマット3840×2160の画像を、Full HDパネルにより擬似的に表示することが可能となる。
具体的には、図11(A)に示すH(水平)方向の2画素分と、V(垂直)方向の2画素分(S:1-1、S:1-2、S:2-1、S:2-2)の画像データを図11(B)に示す画素F:1-1(H方向1画素分且つV方向1画素分)の画像データとして扱う。即ち、画素S:3-1,S:4-1,S:4-2,S:3-2の画像データは、画素F:2-1を用いて表示される。同様に、画素S:3-3,S:4-3,S:4-4,S:3-4の画像データは、画素F:2-2を用いて表示され、画素S:1-3,S:1-4,S:2-4,S:2-3の画像データは、画素F:1-2を用いて表示される。
次に時分割で表示する方法について説明する。サブフィールドSF1において、画素F:1-1では、画素S:1-1の画像データを用いた表示が行われる。また、画素F:2-1では画素S:3-1の画像データが用いられ、画素F:2-2では画素S:3-3の画像データが用いられ、画素F:1-2では画素S:1-3の画像データが用いられる。
ここで、1つのサブフィールドでの表示が終了すると、図11(A)に矢印で示すように、用いる画像データが反時周りに変更されていく。即ち、サブフィールドSF2においは、画素F:1-1では、サブフィールドSF1で用いた画素S:1-1,S:3-1,S:3-3,S:1-3各々のV方向下側に位置する画素の画像データが用いられる。具体的には、サブフィールドSF2において、画素F:1-1では、画素S:2-1,S:4-1,S:4-3,S:2-3の画像データを用いた表示が行われる。
このように、本実施例では、サブフィールド毎に入力画像データにおいて用いる画素を順次変更している。このような処理を実行することにより、Full HDパネルの各画素において、入力フォーマット3840×2160の画像をサブフィールド毎に時分割で表示することができる。しかし、ここまでの処理では、時分割された表示データの各画素がFull HDパネルにされたとしてもその表示位置が変わらない。そこで、本実施例では、以下の処理を行うことで更に表示位置を異ならせ、これにより高解像度画像の疑似的な表示を可能とする。
次に、本実施例において、データ出力回路202Aにおいて実行される処理について説明する。なお、パネル表示データ生成回路201までに行われる処理は、実施例1で説明した処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施例に係るデータ出力回路202Aには、パネル表示データ生成回路201で生成されたパネルブロック400で用いる表示データが入力される。
データ出力回路202Aは、入力された表示データをシフトデータ生成回路215で受けてフレーム分の或いはそれ以上のフレーム分の表示データを一度シフトRAM216に記憶させる。具体的には、図5(A)に示す表示データN(N+1,N+2,…)をシフトRAM216に記憶させる。シフトデータ生成回路215は、シフトRAM216に一時記憶された表示データNに基づいて、パネルブロック400を用いて表示する際に用いる表示データを生成する。より詳細には、サブフィールドSF1において用いる入力画像データを、図11(B)に示す画素F:1-1に対応する入力画像データにおける左上の画素(例えば図11(A)の画素S:1-1)にシフトした状態の表示データを生成する。
以下、シフトデータ生成回路215は、サブフィールドSF2、サブフィールドSF3、及びサブフィールドSF4で用いる表示データを生成する。即ち、図11(A)に示した2180×3840の入力画像データにおいて、同図に示した矢印に準じて、左下、右下、右上の順に用いる表示データを変更する。また、用いる表示データが変更されるタイミングに応じて、シフトデバイス702を駆動させて、Full HDパネルにおける画素の配置、例えば画素F:1-1の配置を左方向及び上方向にそれぞれ例えば半画素分ずれるように投影位置をシフトさせる。更に、表示データの変更に応じて、画素F:1-1からの投影画像(及びパネルからの投影画像)が左下、右下、及び右上の順で1画素分ずつ表示位置がシフトするようにシフトデバイス702を駆動させる。
なお、その際のシフトデバイス702のシフト駆動は、図7(A)に示すタイミングチャートに準じて実行される。より詳細には、サブフィールドSF1では、表示位置を左上にシフトさせるために、上部コイル711Aと左部コイル711Bとが駆動され、下部コイル711Cと右部コイル711Dとは駆動停止状態とされる。サブフィールドSF2では、表示位置を左下にシフトさせるために、左部コイル711Bと下部コイル711Cとが駆動され、上部コイル711Aと右部コイル711Dとは駆動停止状態とされる。サブフィールドSF3では、表示位置を右下にシフトさせるために、下部コイル711Cと右部コイル711Dとが駆動され、上部コイル711Aと左部コイル711Bとは駆動停止状態とされる。最後に、サブフィールドSF4では、表示位置を右上にシフトさせるために、上部コイル711Aと右部コイル711Dとが駆動され、左部コイル711Bと下部コイル711Cとが駆動停止状態とされる。これにより各サブフィールドで表示される画像を1画素分よりも小さな範囲でシフトさせつつ表示させることが可能となる。
これにより、Full HDパネルの各画素から投影表示される画像を、本来の1画素分の大きさよりも小さな画素を用いて表示しているような画像を疑似的に表示することが可能となる。従って、本実施例によれば、Full HDのパネルを用いた場合と比較して、より高解像度の画像の疑似的な投影が可能となる。なお、画像表示に際してシフトデバイス704の駆動タイミングは、実施例1の図5(A)のタイミングチャートで示した場合と同様である。また、シフトデータ生成回路215以降のパネル駆動データ生成回路210等で実行されるデータ処理は実施例1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例においても、パネル401R/Bを介して投影される画像とパネル401Gを介して投影される画像との表示位置がずれている場合が考えられる。このような場合の各パネル及びシフトデバイス702の駆動方法について、図7(B)に示すタイミングチャートを参照して以下に説明する。図7(B)は、パネル401R/Bとパネル401Gとによる投影画像の表示位置がずれていた場合のシフトデバイス702の駆動の一例である。
例えば、本実施例において、実施例1と同様に、図10(C)に示したように、パネル401R/Bと、パネル401Gと、合成用光学部材7とを含め、これらの位置がずれた状態となる。より詳細には、図示された表示状態にある時、パネル401R/Bがパネル401Gに対して下側にずれた状態にある。本来、パネル401R/Bとパネル401Gとの表示位置がずれていなかった場合は、図7(A)に示すタイミングでシフトデバイス702の駆動を行う。これに対して、この場合には本来のシフト駆動量に対して、更にパネル401R/Bとパネル401Gとの表示位置のずれを合わせ込むシフト駆動量を加算するようにシフトデバイス702を駆動させる。
具体的には、図7(A)に示す本来のタイミングチャートに加え、図7(B)に示すように斜線部にて示す電流を通常の駆動電流に加算或いは減算している。これにより、通常のシフト駆動量に加え、ずれ補正分のシフト駆動量が加算される。また、このずれ補正のタイミングに合わせて、一方のパネルへの駆動データをBlankとし、該パネルを介してなされる表示を黒色表示としている。これにより、実施例1の場合と同様に、ずれが視認される可能性の低い画像を投影表示することが可能となる。
以下に、その詳細について図7(B)を参照して更に説明する。サブフィールドSF1における最初の期間Iにおいて、通常のパネルが位置ずれしていないシフト駆動のために上部コイル711Aに供給される駆動電流に対して、ずれ分のシフト駆動量が加算されるように、斜線部として示される追加の駆動電流が加算される。また、期間Aにおいて、パネル401R/BではサブフィールドSF1で実行すべきパネル表示を所定期間(期間A)実行し、パネル401GはGの表示をその所定期間(期間A)黒色表示として実行している。
サブフィールドSF1における続く期間Bでは期間Aで加算していた追加の駆動電流を無くし、上部コイル711Aによるシフト駆動量を通常のサブフィールドSF1で与えられるシフト駆動量に戻す。また、パネル401R/BではRの表示を所定期間(期間B)黒色表示として実行し、パネル401GはサブフィールドSF1で実行すべきパネル表示を所定期間(期間B)実行している。
なお、この所定期間は被視感度に応じて定められるとよいが、本実施例では、例えば期間BについてはサブフィールドSF1の通常の表示期間に対して約1/2程度としている。また、本実施例において、R/B・G出力分割回路211は、パネル401R/BによるRの表示とパネル401Gによる諧調表示とが、各々期間Aと期間Bとして短縮された時間で表示されるようにパネル駆動データを生成する。なお、以下に述べるサブフィールドSF2~SF4についても、パネル駆動データの生成に関しては同様である。このように、パネルにおける表示制御及びシフトデバイスのシフト制御を実行することにより、サブフィールドSF1では表示位置のずれを合わせた状態で投影画像を視認できる。
次に、サブフィールドSF2において実行される表示制御とシフト制御とについて説明する。サブフィールドSF2では、最初の期間Cにおいて、通常のパネルが位置ずれしていないシフト駆動のために下部コイル711Cに供給される駆動電流に対して、ずれ分のシフト駆動量が減算されるように、斜線部として示される追加の駆動電流が減算される。即ち、通常の位置ずれをしていない状態で行われるシフト駆動に対してずれている量を減らして駆動するようにシフト量(電流)をマイナス加算する。期間Cにおいて、パネル401R/BによってサブフィールドSF2で実行すべきRの表示が実行され、パネル401GはGの黒色表示が実行されている。
また、サブフィールドSF2における期間Dでは、期間Cで減算されていた下部コイル711Cの駆動電流に対する斜線部を無くし、通常のサブフィールドSF2でシフト駆動させる際の駆動量に戻している。また、期間Dにおいて、パネル401GによってサブフィールドSF2で実行すべきGの表示が実行され、パネル401R/BはRの黒色表示が実行されている。このように、パネル及びシフトデバイスに対する表示制御及びシフト制御を実行することによりサブフィールドSF2における期間C及び期間Dにおいて、表示位置のずれを合わせた状態で投影、合成された画像を視認することができる。
サブフィールドSF3における期間Eでは、上述したサブフィールドSF2における期間Cと同様の表示制御及びシフト制御が行われる。そして、サブフィールドSF3における期間Fでは、上述したサブフィールドSF2における期間Dと同様の表示制御及びシフト制御が行われる。このように、パネル及びシフトデバイスに対する表示制御及びシフト制御を実行することによりサブフィールドSF3における期間E及び期間Fにおいて、表示位置のずれを合わせた状態で投影、合成された画像を視認することができる。
サブフィールドSF4における期間Gでは、上述したサブフィールドSF1における期間Aと同様の表示制御及びシフト制御が行われる。そして、サブフィールドSF4における期間Hでは、上述したサブフィールドSF1における期間Bと同様の表示制御及びシフト制御が行われる。このように、パネル及びシフトデバイスに対する表示制御及びシフト制御を実行することによりサブフィールドSF4における期間G及び期間Hにおいて、表示位置のずれを合わせた状態で投影、合成された画像を視認することができる。
以上に述べたように、サブフィールドSF1~SF4の各々において、表示のずれをシフトデバイス702により合わせ、且つその際に一方のパネルに対して黒色表示をさせている。これら処理と併せて実行することにより、投影画像の高画素化のためのシフト駆動と併せ、表示位置のずれ補正も行うことが可能となる。
なお、シフトデバイス702の駆動によるシフトの切り替えタイミングは、R/Bの表示と黒色表示との切り替わりタイミングに行うとよい。また、シフト切り替わりの表示位置の位置変化中に対象となるパネルに黒色表示を実行させてもよい。なお、上述した実施例において、期間A,C,E,Gにおいて供給される電流値が加算或いは減算された場合のシフト量は、制御部11から指示されたシフト制御回路803により設定される。
なお、上述した画像ずれの補正のための表示制御とシフト制御は、パネル401R/Bに対してのみシフト量を変更する場合について説明した。しかし、本実施例についても、実施例1で述べた場合と同様に、パネル401R/Bとパネル401Gとの両方に対してシフト量を変更させることもできる。また、その場合にずれ量を合わせ込む処理についても、図14にフローチャートとして示した処理を同様に用いることができる。
本実施例で述べた投影装置1000は、画像表示データ生成手段(パネル表示データ生成回路201、シフトデータ生成回路215)を更に備える。画素表示データ生成手段は、パネル401R/G,401Gの画素数よりも画素数の大きいフォーマットで入力された画像データの複数の入力画素とこれらパネルの画素とを対応付ける。そして、対応付けられた複数の入力画素の各々が対応付けられたパネル401R/G,401Gの画素に時系列で順次表示されるように表示データを生成する。この場合、制御部11は、生成された表示データが対応付けられた画素に順次表示されるタイミングに応じて、シフトデバイス702に第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフトさせる。
なお、その際に、制御部11は、黒色表示時に行われる光軸のシフトと、順次表示されるタイミングに応じた光軸のシフトとを一致させるように、シフトデバイス702を制御することを特徴とする請求項2に記載の投影装置。また、制御部11は、順次表示されるタイミングに応じた光軸のシフトのシフト量に対して、黒色表示時に行われる光軸のシフトのシフト量を加算させるようにシフトデバイス702を制御するとよい。
以上に述べたように、本実施例によれば、Full HDの2枚のパネルを備える投影装置において、表示フォーマットが3840×2160の画像を投影表示するために、表示データの時分割と表示位置のシフトとを併せて行っている。そして、表示位置のシフトのために、両パネルを介した光束が経る屈折率ガラスを傾斜させて光束の光軸をシフトさせている。そして、両パネルを介した光束にずれが生じた場合、屈折ガラスの傾斜を更に調整させることで一方の光束の光軸をシフトさせ、且つその際に他方のパネルによる表示を黒色としている。このような構成とすることにより、屈折ガラスのみを傾斜させるという簡易の構成によって、より高解像度の画像であって、各色画像の位置ずれが視認される可能性が低減された画像を投影することができる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3に係る投影装置について、図4、8、及び12を参照して説明する。なお、実施例3に係る投影装置における基本的な回路構成及び光学構成、並びにシフトデバイスの構成やパネルの基本的なシフト動作は実施例1或いは実施例2度同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施例3に係る投影装置は、ホイール2の構成において実施例1及び実施例2と異なっている。以下、相違点について説明する。
次に、本発明の実施例3に係る投影装置について、図4、8、及び12を参照して説明する。なお、実施例3に係る投影装置における基本的な回路構成及び光学構成、並びにシフトデバイスの構成やパネルの基本的なシフト動作は実施例1或いは実施例2度同様であるため、ここでの説明は省略する。本実施例3に係る投影装置は、ホイール2の構成において実施例1及び実施例2と異なっている。以下、相違点について説明する。
実施例1及び実施例2で用いた図4(A)に示すホイール2は、円盤形状の外周縁に連続的に設けられた蛍光体部41と、透過部42とを有している。蛍光体部41は、青色レーザー光を受けて黄色成分の光に変換し、透過部42は、レーザー光を透過する切欠き或いはガラスで構成されている。本実施例においては、図4(B)に示すように、ホイール2の構成が異なる。
図4(B)に示すように、本実施例に係るホイール2Aは、円盤形状の外周縁に連続的に設けられる、透過部42、第1蛍光体部43、及び第2蛍光体部44を含む。第1蛍光体部43は、青色レーザー光を受けて赤色波長を主とした光に変換する蛍光体で、例えば図12に実線aで示される630nmの波長を中心とした光を励起する蛍光体からなる。また、第2蛍光体部44は、青色レーザー光を受けて緑色波長を主とした光に変換する蛍光体で、例えば図12に点線bで示される560nmの波長を中心とした光励起する蛍光体からなる。透過部42は、実施例1或いは実施例2と同様に、レーザー光を透過する切欠き或いはガラスで構成されている。
以下、上述したホイール2Aとパネルブロック400を用いた本実施例に係る画像の表示方法について、図5(B)に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、本実施例で用いるパネルブロック400は、実施例1或いは実施例2と同様に、パネル401R/Bとパネル401Gとの2枚のパネルで構成されてり、以降の説明ではこの2枚のパネル駆動について説明を行う。
図5(B)におけるVsyncは入力される映像データの垂直同期信号の周波数を示し、本実施例は、一般的な入力周波数として60Hzの信号を用いることとする。不図示の入力手段より入力された入力データは、入力/画像処理ブロック100内のデータ入力回路101に入力される。データ入力回路101は入力されたデータを受けてこれを画像処理回路102に送り、画像処理回路102ではこの入力データに対して上述した各種補正を行って画像データを生成する。
パネル表示データ生成回路201は生成された画像データを受け、該画像データから表示データを生成し、これをデータ出力回路202におけるパネル駆動データ生成回路210に送る。パネル駆動データ生成回路210は、パネル表示データ生成回路201から出力された表示データを受けて1フレーム分の或いはそれ以上のフレーム分の表示データを一度RAM213に記憶させる。具体的には、図5(B)に示す表示データN(N+1,N+2,…)をRAM213に記憶させる。パネル駆動データ生成回路210は、RAM213に一時記憶された表示データNに基づいて、パネルブロック400を駆動する際に用いる駆動データを生成する。
パネル駆動データ生成回路210にて生成された駆動データは、Vsyncに応じてフレーム毎にR/B・G出力分割回路211に送られる。R/B・G出力分割回路211は、フレーム毎に駆動データを受けて、これをR/BとGの各々用のパネルブロックの駆動用として、本実施例では色毎に更にSF1~SF4の4つサブフィールドからなる時分割データに変換する。なお、本実施例では更に、図5(B)におけるホイール、R/Bパネル駆動、及びGパネル駆動で示されるように、各々のサブフィールド内で、第1蛍光体部43と第2蛍光体部44とに光が照射される時間帯を生成する時分割が行われる。より詳細には、実施例1或いは実施例2で蛍光体部41が光路に位置していた時間帯が、第1蛍光体部43が光路に位置している時間帯と、第2蛍光体部44が光路に位置している時間帯とに分割される。
蛍光体部に応じてサブフィールド内を更に分割することで得られた時分割のパネル駆動データは、対応するパネルDRブロック301R/BとパネルDRブロック301Gとに出力される。例えばサブフィールドSF1では、各々R/Bパネル駆動データN_SF1_R/BとGパネル駆動データN_SF1_Gとして、R/B・G出力分割回路211からパネルDRブロック300に出力される。パネル401R/Bは、パネルDRブロック301R/Bから入力されたR/Bパネル駆動データN_SF1_R/Bに基づいて駆動される。また、パネル401Gは、パネルDRブロック301Gから入力されたGパネル駆動データN_SF1_Gに基づいて駆動される。
時系列の駆動データでは、図5(B)に示すように、最初にBのパネルデータが出力される。即ち、パネルDRブロック300R/Bは、パネル401R/Bを駆動させる。この時、パネル401R/Bは、ホイール2の透過部42を透過した青色のレーザー光によって照射状態にあり、図2に示す光学系により、パネル401R/Bにより生成される画像の投影表示が行われる。
次に、時系列の駆動データに応じて、パネルDRブロック301R/Bからの駆動データとしてR1のパネルデータが、またパネルDRブロック301Gからの駆動データとしてG1のパネルデータが各々出力される。そして、パネルDRブロック301R/Bからの駆動データに基づいてパネル401R/Bが、パネルDRブロック301Gからの駆動データに基づいてパネル401Gが駆動される。駆動データには、R/Bパネル駆動データN_SF1_R/BとGパネル駆動データN_SF1_Gとが用いられる。また、ホイール2の第1蛍光体部43が光路上に配置されるようにホイール駆動回路601がホイールモータ602を制御する。
続いて、両パネルDRブロック301R/B,301Gからは、時系列の駆動データとして、各々R2のパネルデータとG2のパネルデータとが出力され、両パネル401R/G,401Gはこれら駆動データに基づいて駆動される。また、ホイール駆動回路601は、第2蛍光体部44が光路上に配置されるようにホイールモータ602を制御する。
上述したように、第1蛍光体部43は青色レーザー光を受けて赤色波長(赤成分)を主とした光に変換し、第2蛍光体部44は青色レーザー光を受けて緑色波長(緑成分)を主とした光に変換する。よって、R1/G1における第1蛍光体部43を介して得られた光は、赤の波長が強く緑の波長が弱い光束となり、R2/G2における第2蛍光体部44を介して得られた光は、赤の波長が弱く緑の波長が強い光束となる。
このR1/G1とR2/G2に対応する時間帯では、各々のパネルを駆動することにより、Rは、R1とR2とで得られている光束を時間的に加算して投影することにより表示される。また、Gは、G1とG2とで得られている光束を時間的に加算して投影することにより表示される。このようにして得られたRの光によりパネル401R/Bが照射状態とされ、Gの光によりパネル401Gが照射状態とされ、得られた画像の投影表示が行われる。本実施例では、この表示データ、駆動データ、パネル駆動及びパネル駆動に合わせたホイール駆動を連続的に行うことにより投影表示を実現する。
なお、実施例3に関し、図10(B)に示すように、両パネル401R/B,401Gを介した色画像の投影位置にずれがないことを前提とした駆動方法について上述した。次に、例えば図10(C)に示したように、パネル401R/Bを介した色画像がパネル401Gを介した色画像の下側にずれて投影された場合の駆動制御について、図13に示すタイミングチャートを参照して説明する。
サブフィールドSF1におけるフィールドS1においては、上部コイル711Aのみが駆動される。この時、上部コイル711Aが駆動されているため、その他のコイルは駆動停止状態にある。このため、フィールドS1では、上部コイル711Aに供給される駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなる。その結果、表示を行う光束は、該所定の角度に応じた所定量だけ上側にシフトする。
フィールドS1は、第1蛍光体部43が光路上に位置し、青色レーザー光が赤色波長を主とした光に変換される期間である。そしてフィールドS1において、パネル401R/Bは、B及びR1の表示を行うように駆動される。この時、上部コイル711Aが駆動されており、その他のコイルは駆動停止状態にある。このため、フィールドS1では、上部コイル711Aの駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなり、パネル401R/Bを経た光束であるR1の光は該所定の角度に応じた所定量だけ上側にシフトする。また、パネル401Gは黒色表示を行っており、該パネル401Gを経た画像は表示されない。よって、パネル401R/Bを経た光束のみが正しい位置に投影される。
フィールドS2は、第2蛍光体部44が光路上に位置し、青色レーザー光が緑色波長を主とした光に変換される期間である。このフィールドS2おいては、下部コイル711Cのみが駆動される。そして、パネル401R/Bは黒色表示を行い、パネル401GはG2の光による表示を行うように駆動制御される。フィールドS2では、下部コイル711Cの駆動電流に応じた所定の角度だけ屈折ガラス710を傾けることとなり、パネル401Gを経た光束であるG2の光は該所定の角度に応じた所定量だけ下側にシフトする。また、パネル401R/Bは黒色表示を行っており、該パネル401R/Bを経た画像は表示されない。よって、パネル401Gを経た光束のみが正しい位置に投影される。
即ち、本実施例ではサブフィールドSF1をフィールドS1とフィールドS2とに分けている。そして、フィールドS1でBの光とRの光と上側にずらして投影し、フィールドS2でGの光を下側にずらして投影することとしている。これにより、フィールドS1,S2でRGBが合成された表示状態となるとともに、これらフィールドS1,S2において、投影画像の表示のずれに対して各々の表示が同一の位置にシフトされる。なお、この場合、シフトデバイス702の駆動量は、例えば図10(C)に示された表示のずれに対して、フィールドS1で図10(C)に示されるずれの量に対して1/2の量を駆動する。そして、フィールドS2でも同様に1/2の量を駆動して同一位置になるように表示位置の補正を実行する。
なお、以降のサブフィールドSF2,SF3,SF4に関しても、これらサブフィールドを2つのフィールドS1,S2に分けることと、各々のフィールドで実行される表示制御及びシフト制御は、上述したサブフィールドSF1の場合と同様である。よってこれらサブフィールドに関する説明は省略する。このように、サブフィールドSF1を例えば2つのフィールドS1,S2に分けて各々のフィールドにおいて上述したずれ補正を行うことで、パネルの表示位置のずれのない投影表示を実現することができる。
なお、上述した画像ずれの補正のための表示制御とシフト制御は、パネル401R/Bに対してのみシフト量を変更する場合について説明した。しかし、本実施例についても、実施例1で述べた場合と同様に、パネル401R/Bとパネル401Gとの両方に対してシフト量を変更させることもできる。また、その場合にずれ量を合わせ込む処理についても、図14にフローチャートとして示した処理を同様に用いることができる。
以上に述べたように、本実施例によれば、サブフィールドを更に分割し、分割により得られた小フィールドに対応するように赤色波長を主とする光と緑色波長を主とする光とがパネル401R/Bとパネル401Gとに導かれるようにしている。そして、表示位置のシフトのために、両パネルを介した光束が経る屈折率ガラスを傾斜させて光束の光軸をシフトさせている。そして、両パネルを介した光束にずれが生じた場合、屈折ガラスの傾斜を更に調整させることで一方の光束の光軸をシフトさせ、且つその際に他方のパネルによる表示を黒色としている。このような構成とすることにより、屈折ガラスのみを傾斜させるという簡易の構成によって、上述した実施例1,2の場合よりも明るさを低下させることなく各色画像の位置ずれが視認される可能性が低減された画像を投影することができる。
(その他の実施例)
上述した実施例では、青色レーザー光を発する光源を用い、蛍光体部と透過部とを有するホイールにこれを照射することRGBの3色の光を得る場合について説明した。しかし、上述したシフトデバイスと2つのパネルからの光の照射タイミングの制御とを行うことで、その他の光源を用いた場合でも同様の効果を得ることも可能である。具体的には、R/G/Bのそれぞれの複数の波長で構成される光を出射する固体光源(例えばレーザ光源、LED光源)を含むその他の光源を用いることもできる。この場合、図2に示すホイールに関連する構成を除外し、図5(A)に示すパネル401R/Bとパネル401Gの駆動におけるR/G/Bのタイミングに合わせて、それぞれの光源をON/OFF制御すればよい。
上述した実施例では、青色レーザー光を発する光源を用い、蛍光体部と透過部とを有するホイールにこれを照射することRGBの3色の光を得る場合について説明した。しかし、上述したシフトデバイスと2つのパネルからの光の照射タイミングの制御とを行うことで、その他の光源を用いた場合でも同様の効果を得ることも可能である。具体的には、R/G/Bのそれぞれの複数の波長で構成される光を出射する固体光源(例えばレーザ光源、LED光源)を含むその他の光源を用いることもできる。この場合、図2に示すホイールに関連する構成を除外し、図5(A)に示すパネル401R/Bとパネル401Gの駆動におけるR/G/Bのタイミングに合わせて、それぞれの光源をON/OFF制御すればよい。
この場合、本発明に係る投射装置は、第1の光源と第2の光源との少なくとも2つの光源を備えることとなる。なお、上述したようにこの場合の投射装置は、上述した実施例で述べたホイールを有さないが、説明の便宜上その他の構成については上述した参照番号等をそのまま用いる。第1の光源は、第1のパネル(例えばパネル401R/B)に照射する第1の波長域の光を出射する。この第1の波長域の光は、青成分の光の波長域の光と、赤成分の光の波長域及び緑成分の波長域の光の一方の波長域の光とを含む。また、第2の光源は、第2のパネル(例えばパネル401G)に照射するための、第1の波長域とは異なる第2の波長域の光を出射する。この第2の波長域の光は、赤成分の光の波長域及び緑成分の波長域の光の他方の波長域の光を含む。そして、この投射装置において、光源光切替え部は、第1の光源及び第2の光源からの光の出射を制御する制御部11から構成される。制御部11は、第1のパネルが第1の画像を切替えるタイミング及び第2のパネルが第2の画像を切替えるタイミングに同期して、第1の光源からの第1のパネルへの光の照射と、第2の光源からの第2のパネルへの光の照射とを切替える。なお、制御部11による光の照射の切り換えは、光源のON/OFF制御により行ってもよく、シャッター等の遮蔽部材の光路に対する挿脱等の機構的なものによって行ってもよい。
また、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。該コンピュータは、1又は複数のプロセッサー又は回路を有し、コンピュータが実行可能命令を読み出して実行するために、分離した複数のコンピュータ又は分離した複数のプロセッサー又は回路のネットワークを含みうる。プロセッサー又は回路は、中央演算処理装置(CPU)、マイクロプロセッシングユニット(MPU)、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートウェイ(FPGA)を含みうる。また、プロセッサー又は回路は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、データフロープロセッサ(DFP)、又はニューラルプロセッシングユニット(NPU)を含みうる。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。また、上述した投影装置における制御部11により実行される処理は、該投影装置の作動方法を構成する。
2: ホイール
10: 操作部
11: 制御部
100: 入力/画像処理ブロック
200: 表示データ生成ブロック
300: パネルDRブロック
400: パネルブロック
502: 光源
701: シフト駆動回路
702: シフトデバイス
1000: 投影装置
10: 操作部
11: 制御部
100: 入力/画像処理ブロック
200: 表示データ生成ブロック
300: パネルDRブロック
400: パネルブロック
502: 光源
701: シフト駆動回路
702: シフトデバイス
1000: 投影装置
Claims (20)
- 第1のパネルと、
前記第1のパネルと異なる色表示を行うために用いられる第2のパネルと、
前記第1のパネルから出射される第1の画像と、前記第2のパネルから出射される第2の画像とを合成する合成光学系と、
前記合成光学系の光の出射側に配置されて前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフト可能なシフトデバイスと、
前記第1のパネルによる前記第1の画像の出射と前記第2のパネルによる前記第2の画像の出射とを異なるタイミングで停止させ、停止状態において前記シフトデバイスに前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる制御部と、
を備えることを特徴とする投影装置。 - 前記第1のパネルの画素数及び前記第2のパネルの画素数よりも画素数の大きいフォーマットで入力された画像データの複数の入力画素と前記第1のパネルの画素及び前記第2のパネルの画素とを対応付け、前記対応付けられた複数の入力画素の各々が前記対応付けられた画素に時系列で順次表示されるように表示データを生成する画素表示データ生成手段を更に備え、
前記制御部は、前記生成された表示データが前記対応付けられた画素に順次表示されるタイミングに応じて前記シフトデバイスに前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフトさせることを特徴とする請求項1に記載の投影装置。 - 前記制御部は、前記停止状態における前記光軸のシフトと、前記順次表示されるタイミングに応じた前記光軸のシフトとを一致させるように前記シフトデバイスを制御することを特徴とする請求項2に記載の投影装置。
- 前記制御部は、前記順次表示されるタイミングに応じた前記光軸のシフトのシフト量に対して、前記停止状態における前記光軸のシフトのシフト量を加算させるように前記シフトデバイスを制御する請求項2又は3に記載の投影装置。
- ユーザーの指示が入力される操作部材を更に備え、
前記制御部は、前記停止状態における前記光軸のシフトのシフト量に対して、前記操作部材を介して入力されたシフト量を加算させる制御と、前記停止状態において前記光軸を所定のシフト量のシフトさせる制御とを、前記入力された指示に応じて選択的に実行可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の投影装置。 - 前記第1の画像が出射されるように前記第1のパネルに照射するレーザー光を出射する光源と、
前記光源と、前記第1のパネル及び前記第2のパネルの間に配置されて、前記レーザー光を透過する透過部と、前記レーザー光の照射により蛍光を発する蛍光体部とを含む光源光切替え部と、と更に備え、
前記第2のパネルは、前記蛍光の照射に基づいて前記第2の画像を出射することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の投影装置。 - 前記光源光切替え部は、前記第1のパネルが前記第1の画像を切替えるタイミング及び前記第2のパネルが前記第2の画像を切替えるタイミングに同期し、前記レーザー光の透過状態と前記蛍光体部への照射状態とを切替えることを特徴とする請求項6に記載の投影装置。
- 前記レーザー光は青色レーザー光であり、前記蛍光は黄色光である請求項6又は7に記載の投影装置。
- 前記レーザー光は青色レーザー光であり、前記蛍光体部は赤成分を主とした蛍光を発する第1蛍光体部と緑成分を主とした蛍光を発する第2蛍光体部とを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の投影装置。
- 前記光源光切替え部は、外周縁部に前記透過部と前記蛍光体部とが設けられて回転可能に支持される円盤形状のホイールであり、
前記ホイールが回転されることにより、前記レーザー光の透過状態と、前記レーザー光の前記蛍光体部への照射状態とが切替えられることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の投影装置。 - 前記第1の画像が出射されるように前記第1のパネルに照射する第1の波長域の光を出射する第1の光源と、
前記第2の画像が出射されるように前記第2のパネルに照射する光であって、前記第1の波長域とは異なる第2の波長域の光を出射する第2の光源と、
前記第1の光源からの前記第1の波長域の光の出射と、前記第2の光源からの前記第2の波長域の光の出射とを切り換える光源光切替え部と、を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の投影装置。 - 前記光源光切替え部は、前記第1のパネルが前記第1の画像を切替えるタイミング及び前記第2のパネルが前記第2の画像を切替えるタイミングに同期して、前記第1の光源からの前記第1のパネルへの前記第1の波長域の光の照射と、前記第2の光源からの前記第2のパネルへの前記第2の波長域の光の照射とを切替えることを特徴とする請求項11に記載の投影装置。
- 前記第1の光源及び前記第2の光源は、固体光源であって、
前記第1の波長域は、青成分の光の波長域と、赤成分の光の波長域及び緑成分の波長域の光の一方の波長域とを含み、前記第2の波長域の光は、赤成分の光の波長域及び緑成分の波長域の光の他方の波長域を含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の投影装置。 - 前記シフトデバイスは、前記第1の画像と前記第2の画像との表示位置をずらすように前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフトさせることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の投影装置。
- 前記シフトデバイスは、前記第1の画像及び前記第2の画像の一方の表示位置をずらすように前記一方の光軸をシフトさせることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の投影装置。
- 前記第1の画像の出射の停止及び前記第2の画像の出射の停止は、前記第1のパネル及び前記第2のパネルに入力される駆動データを、黒色表示を行う駆動データとすることにより実行されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の投影装置。
- 前記シフトデバイスによりシフトされた前記光軸のシフト量を記憶する記憶手段を更に備え、
前記記憶されたシフト量は、前記制御部が前記シフトデバイスに前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる際に、前記制御部は前記記憶されたシフト量を反映させることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の投影装置。 - 前記制御部は、前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸との少なくともいずれかのシフト方向が、前記第1のパネルによる前記第1の画像の出射と前記第2のパネルによる前記第2の画像の出射とのいずれかが停止されるタイミングに応じて切替わるように、前記シフトデバイスを制御することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の投影装置。
- 第1のパネルと、
前記第1のパネルと異なる色表示を行うために用いられる第2のパネルと、
前記第1のパネルから出射される第1の画像と、前記第2のパネルから出射される第2の画像とを合成する合成光学系と、
前記合成光学系の光の出射側に配置されて前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸とをシフト可能なシフトデバイスと、を備える画像投影装置の作動方法であって、
前記第1のパネルによる前記第1の画像の出射と前記第2のパネルによる前記第2の画像の出射とを異なるタイミングで停止させ、
停止状態において前記シフトデバイスに前記第1の画像の光軸と前記第2の画像の光軸との少なくともいずれかをシフトさせる、
ことを含むことを特徴とする投影装置の作動方法。 - コンピュータに、請求項19に記載の投影装置の作動方法に従う処理を実行させることを特徴としたプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020194672A JP2022083308A (ja) | 2020-11-24 | 2020-11-24 | 投影装置、投影装置の作動方法、及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020194672A JP2022083308A (ja) | 2020-11-24 | 2020-11-24 | 投影装置、投影装置の作動方法、及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022083308A true JP2022083308A (ja) | 2022-06-03 |
Family
ID=81802254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020194672A Pending JP2022083308A (ja) | 2020-11-24 | 2020-11-24 | 投影装置、投影装置の作動方法、及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022083308A (ja) |
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2020
- 2020-11-24 JP JP2020194672A patent/JP2022083308A/ja active Pending
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