JP2022079191A - 仕切部材の遮像性評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーテン等の被験体における遮像性を適切に判断できる仕切部材の遮像性評価方法を提供する。【解決手段】本発明は、被写体部の前方に、観測部が仕切部材を介して配置され、仕切部材を直交する観測軸A上に、被写体および観測点P21が配置され、観測点P21から観測された被写体における見え易さの度合を基に、仕切部材の遮像性を評価する仕切部材の遮像性評価方法を対象とする。観測軸Aに沿って仕切部材から前方に30cm離れた位置において測定された照度が、200ルクス(Lx)~500ルクス(Lx)に設定され、被写体部の被写体部光源から被写体に向けて照射される照射光によって、被写体の表面で測定された照度が1500Lx~32000Lxに設定される。被写体部光源からの照射光の光軸L1における観測軸Aに対する傾斜角度が0°~160°に設定される。【選択図】図2
Description
この発明は、間仕切りカーテン等の仕切部材越しに映る人や物の像をどの程度視認できるかを評価する際に用いられる仕切部材の遮像性評価方法に関する。
間仕切りカーテンは、外部からの視線を遮って、室内のプライバシーを保護するものである。このためカーテンは、カーテン越しに人や物の像が透けて映らないこと、つまり高い遮像性を備えることが重要な要素の一つである。遮像性を評価する試験としては下記非特許文献1に示すように、QTEC(日本繊維品質技術センター)の遮像性試験がある。この評価試験では、カーテンの遮像性を5段階で評価し、最も評価が高くて透けが認められないカーテンは、5級の判定となる。
一方、プライバシーが強く求められる病院等の施設では、間仕切りカーテンとして、遮像性の高いQTECで5級判定のものが通常使用されるが、同じ5級判定のカーテンであっても種類によっては、カーテン越しに像が視認されるものがあるとの報告がしばしば寄せされている。このように従来の遮像性試験では、同じ判定結果でも見え易さ(見え難さ)に優劣が発生していた。
そこで本願出願人は、従来の遮像性試験についてさらに調査したところ、そもそもQTECの遮像性試験は、主としてレースカーテンを対象とするものであり、ドレーブカーテン等の間仕切りカーテンを対象としていない。つまり従来、遮像性を評価するに際して、病院等のようにレースカーテン無しでドレーブカーテン1枚だけで使用することを全く想定しておらず、従来の遮像性の評価結果は、使用状況によって、見え易さの判断基準として用いることに少し不安が生じる場合があるという結論に至った。
「遮像性試験」、[online]、日本繊維品質技術センター(QTEC)、[令和2年9月17日検索]、インターネット<URL:https://www.qtec.or.jp/work/20200317_1416975.html>
このような状況下にあって、カーテンの遮像性をより適切に評価できて、例えば病院等の特定の場所でカーテンを使用するに際しても、見え易さの判断基準として有効に利用できるカーテンの遮像性評価方法の開発が切望されているのが現状である。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、カーテン等の仕切部材における遮像性をより適切に評価することができる仕切部材の遮像性評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]被写体を設置した被写体部の前方に、観測点を有する観測部が仕切部材を介して配置され、前記仕切部材を直交する仮想の観測軸上に、前記被写体および前記観測点が配置され、前記観測点から前記仕切部材越しに観測された前記被写体における見え易さの度合を基に、前記仕切部材の遮像性を評価するようにした仕切部材の遮像性評価方法であって、
前記観測軸に沿って前記仕切部材から前方に30cm離れた位置において測定された照度が、200ルクス(Lx)~500ルクス(Lx)に設定され、
前記被写体部に設けられた被写体部光源から前記被写体に向けて照射される照射光によって、前記被写体の表面で測定された照度が1500Lx~32000Lxに設定され、
前記被写体部光源が前記被写体の前方から真上を通って後方上部にかけての範囲内に配置され、かつ前記被写体部光源からの照射光の光軸における前記観測軸に対する傾斜角度が0°~160°に設定されていることを特徴とする仕切部材の遮像性評価方法。
前記観測軸に沿って前記仕切部材から前方に30cm離れた位置において測定された照度が、200ルクス(Lx)~500ルクス(Lx)に設定され、
前記被写体部に設けられた被写体部光源から前記被写体に向けて照射される照射光によって、前記被写体の表面で測定された照度が1500Lx~32000Lxに設定され、
前記被写体部光源が前記被写体の前方から真上を通って後方上部にかけての範囲内に配置され、かつ前記被写体部光源からの照射光の光軸における前記観測軸に対する傾斜角度が0°~160°に設定されていることを特徴とする仕切部材の遮像性評価方法。
[2]前記被写体として、明度L*が50~100のマネキンヘッドが用いられるとともに、
前記被写体部の照度は、前記マネキンヘッドの頭頂部で測定するようにした前項1に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
前記被写体部の照度は、前記マネキンヘッドの頭頂部で測定するようにした前項1に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
[3]前記観測点において観測者によって前記仕切部材越しに観測し、前記仕切部材の遮像性を評価するようにした前項1または2に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
[4]前記被写体は、前記仕切部材からの距離が0m~2mに設定されるとともに、
前記観測点は、前記仕切部材からの距離が0m~1mに設定されている前項1~3のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
前記観測点は、前記仕切部材からの距離が0m~1mに設定されている前項1~3のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
[5]前記仕切部材は、カーテンである前項1~4のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
[6]前記観測点から観測された前記被写体を、明暗差がある複数のグレースケールの画像と照合することによって、見え易さの度合を6段階で判定するようにした前項1~5のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
発明[1]~[6]の仕切部材の遮像性評価方法によれば、カーテン等の仕切部材における見え易さの度合等の遮像性を適切に判断することができる。このため本発明の評価方法は、例えば病院等の特定の場所でカーテン等を使用するに際しても、カーテンの遮光性の判断基準として有効に利用することができる。
図1および図2はこの発明の実施形態であるカーテンの遮像性評価方法を実施可能な検査設備を説明するための概略図である。以下の説明においては発明の理解を容易にするため、図2の紙面に向かって左側を「前側(前方)」とし、右側を「後側(後方)」として説明する。
図1および図2に示すように本実施形態の検査設備は、仕切部材としての間仕切りカーテン(ドレーブカーテン)5の見え易さ(見え難さ)の度合である遮像性を評価するものである。検査設備が設置される室内は、被写体部1と、被写体部1の前方に設けられた観測部2とに区分けされており、被写体部1および観測部2には、両者間を仕切るように被験体としてのカーテン5が設置されている。
本実施形態においては、観測部2からカーテン5を直交するように通過して被写体部1に延びる直線上の仮想の観測軸Aが設定されている。この観測軸Aは、前後方向に沿って水平に配置されており、基準面(床面)からの高さが0.5m~1.5mに設定されている。
被写体部1内における観測軸A上には、被写体としてのマネキンヘッド11が前方に向くように配置されている。さらに被写体部1内には、マネキンヘッド11を照射(照明)するLEDライトや蛍光灯等からなる被写体部光源としての被写体部照明15が設置されている。
観測部2内における観測軸A上には、観測点P21が設置されており、遮像性を評価するに際して、この観測点P21から観測者21が、マネキンヘッド11をカーテン越しに観測できるように構成されている。さらにカーテン5の上方には、被写体部1および観測部2内を含む室内全体を照明するLEDライトや蛍光灯等からなる全域光源としての室内照明25が設置されている。本実施形態においては後に詳述するように、観測者21によってカーテン越しに観測されたマネキンヘッド11の画像に基づいて、カーテン5の遮像性を評価するものである。
本実施形態において、被写体部1内の被写体部照明15は、マネキンヘッド11の正面前方の位置から真上を通って後部上方の位置にかけての間に配置する必要がある。具体的に被写体部照明15は、観測軸Aを含む垂直面内であって、被写体部照明15から照射される照射光の光軸L1における、観測軸Aに対する角度(照射角度)θを0°~160°の範囲内に配置する必要があり、好ましくは20°~90°範囲内に配置するのが良い。すなわち照射光の照射角度θが0°未満(マイナス値)の場合、被写体に対し下方から照射光が照射されるという状況となるが、実際の現場ではそのような状況は考え難く、照射光の照射角度θを0°未満に設定することは無意味である。また照射角度θが160°超の場合、被写体に対し照射光がほぼ真後ろから照射されることとなり、観測点P21から観測した際に、被験体としてのカーテン5には被写体の陰影のみが写り、遮像性を正確に評価できないため、好ましくない。従って本実施形態においては、照射光の照射角度θを上記の特定の範囲に設定する必要がある。
また本実施形態においては、マネキンヘッド11の照度(被写体部1の照度)は、頭頂部の位置で1500ルクス(Lx)~32000ルクス(Lx)に設定する必要があり、好ましくは2000Lx~20000Lxに設定するのが良い。すなわち被写体部1の照度が弱過ぎる場合には、ほとんどの被験体(カーテン)において被写体(マネキンヘッド11)が透過せず、カーテン越しの被写体の見え易さを正確に評価できないため、好ましくない。逆に被写体部照度が強過ぎる場合には、ほとんどのカーテンにおいて被写体が透けて見えてしまい、カーテン越しの被写体の見え易さを正確に評価できないため、好ましくない。従って本実施形態においては、被写体部照度を上記の特定の範囲に設定する必要がある。
さらに本実施形態においては、マネキンヘッド11として、明度L*(光反射率に対応する)が50~100のものを使用するのが好ましい。すなわち明度L*が上記の範囲のマネキンヘッド11を用いる場合には、被写体としてのマネキンヘッド11の明るさを適切に設定することができて、遮像性の評価をより一層適切に行うことができる。
また本実施形態においては、カーテン5からマネキンヘッド11までの観測軸Aに沿った距離X1は0m~2mに設定するのが好ましい。すなわちこの距離X1が遠過ぎる場合には、観測部2側からカーテン越しに被写体が見え難くなり過ぎて、被写体の見え易さを正確に評価できないため、好ましくない。換言すると、マネキンヘッド11のカーテン5からの距離X1を上記の範囲に設定する場合には、遮像性の評価をより一層適切に行うことができる。
本実施形態において、観測部2内を室内照明25によって所定の照度に設定する必要がある。この照度は、カーテン5から観測軸Aに沿って前方に30cm離れた位置P25において測定された照度であって、本実施形態においては200Lx~500Lxに設定する必要がある。すなわちこの観測部2の照度が弱過ぎる場合には、ほとんどのカーテンにおいて被写体が透けて見えてしまい、カーテン越しの被写体の見え易さを正確に評価できないため、好ましくない。また観測部2の照度を500Lx超に設定すると、カーテンにおいて被写体が透過し難くなりカーテン越しの被写体の見え易さ(遮像性)を正確に評価することが難しいことに加えて、通常のカーテンの使用環境下では室内照明が500Lxを超える場面はほとんど無いため、好ましくない。よって、観測部2の照度を上記の範囲に設定するのが良い。
また本実施形態においては、カーテン5から観測者21までの観測軸Aに沿った距離X2は0m~1mに設定するのが好ましい。すなわちこの距離X2が遠過ぎる場合には、カーテン越しに被写体が見え難くなり過ぎて、被写体の見え易さを正確に評価できないため、好ましくない。換言すると、観測者21のカーテン5からの距離X2を上記の範囲に設定する場合には、遮像性の評価をより一層適切に行うことができる。
本実施形態においては、観測者21によってカーテン越しに観測したマネキンヘッド11の画像を、見え易さの度合によって、1級~6級の6段階(6等級)に区分けして評価する。等級が小さいほど、見え難くて遮像性が高いものであり、等級が大きいほど、見え易くて遮像性が低いものである。具体的には、1級は「マネキンヘッド11が全く見えないもの」であり、2級は「ほとんど何も見えない(形が判らない)もの」であり、3級は「輪郭が何とか認識できるもの」であり、4級は「薄く見えるもの」であり、5級は「見えるもの」であり、6級は「はっきりと見えるもの」である。
本実施形態においては、遮像性を6段階で評価するに際しては、グレースケールで明暗の強度差が異なる6種類(6等級)の被写体(マネキンヘッド11)の画像を予め準備しておき、3人以上の観測者21がカーテン越しの被写体11を観測し、等級毎の6種のグレースケールの画像と照合することによって、実際の画像が、どの等級のグレースケールの画像に最も近似するか否かに基づいて、実際の画像の等級(見え易さ)を判断するようにしている。
以上説明したように、本実施形態のカーテンの遮像性評価方法によれば、後の実施例からも明らかなように、使用状況にかかわらず、例えば病院等の特定の場所でカーテン5を使用する場合であっても、見え易さの度合(遮像性)を適切に判断することができる。このため本実施形態の遮像性評価方法によれば、病院で使用するカーテンの遮光性の判断基準として有効に利用することができる。
なお本発明においては、観測部2にカメラを設置しておき、そのカメラによってカーテン越しに撮影した被写体の画像を、遮像性評価の参考にするようにしても良い。
<実施例1>
上記図1および図2に示す実施形態の検査設備と同様な検査設備を準備した。すなわち被写体部1において、明度L*が97のマネキンヘッド11を高さ1.0mの位置で、カーテン5からの距離X1を0.7mの位置に配置した。さらに被写体部照明15として、LEDライト(ThruNite製「TH30」)を用い、その照明15を表1に示すように照射角度θを60°に設定し、マネキンヘッド11の頭頂部の照度(被写体部照度)を10000Lx±5%に設定した。なお明度L*は、コニカミノルタ社製の色彩色差計「CR-410」を用いて測定(光源はD65を使用)し、照度はコニカミノルタ社製の照度計「ILLUMINANCE METER T-10」を用いて測定した。
上記図1および図2に示す実施形態の検査設備と同様な検査設備を準備した。すなわち被写体部1において、明度L*が97のマネキンヘッド11を高さ1.0mの位置で、カーテン5からの距離X1を0.7mの位置に配置した。さらに被写体部照明15として、LEDライト(ThruNite製「TH30」)を用い、その照明15を表1に示すように照射角度θを60°に設定し、マネキンヘッド11の頭頂部の照度(被写体部照度)を10000Lx±5%に設定した。なお明度L*は、コニカミノルタ社製の色彩色差計「CR-410」を用いて測定(光源はD65を使用)し、照度はコニカミノルタ社製の照度計「ILLUMINANCE METER T-10」を用いて測定した。
また観測部2において、観測者21の目線の高さが1.0mの位置で、カーテン5からの距離X2を0.3mの位置に配置した。さらに表1に示すように室内照明25によって、照度測定位置P25での観測部照度を300Lx±10%に設定した。
この検査条件において、3種のカーテン5A~5Cを被験体として、上記実施形態と同様に遮像性(見え易さ)を6段階でそれぞれ評価した。評価する際の等級は、3人以上の観測者21の評価を平均し、小数点以下を切り上げて算出した。その評価結果を表1に併せて示す。
なおカーテン5Aは、167dtex、104dtexの2種類のポリエステル糸で構成され、タテ密度13.5ゲージ/inch、ヨコ密度41コース/inch、目付:235g/m2のカーテンである。
カーテン5Bは、タテ333dtex、167dtexとヨコ20/2,167dtex/2のポリエステル糸で構成され、タテ密度90本/inch, ヨコ密度60本/inch,目付が234g/m2のカーテンである。
カーテンCは、タテ167dtexの2本合わせ(334dtex),ヨコ365dtexのポリエステル糸で構成され、タテ密度59本/inch,ヨコ密度43本/inch、目付が179g/m2のカーテンである。
これらのカーテン5A~5CはいずれもQTECの遮像性試験において最も遮像性が高い(最も見え難い)5級の評価が得られたものであり、QTECの評価では、遮像性に関して優劣差が生じないものである。
表1に示すように本実施例の評価方法の評価結果としては、カーテン5A~5Cの各々の等級のうち、最も数字が大きい級数(最大等級:遮像性が低いもの)から最も数字が小さい等級(最小等級:遮像性が高いもの)を差し引いた値を求め、その値が「3」の場合には遮像性を評価するのに好適である「◎」と判断し、「2」の場合には遮像性を評価するのに適切である「○」と判断し、「0~1」の場合には、遮像性を評価するには不適切である「×」と判断した。その結果も表1に併せて示す。
表1から明らかなように、本発明の遮像性評価方法の要旨を含む実施例1の検査方法では、従来遮像性の優劣を区別できなかったカーテン5A~5Cに対し、遮像性についてさらに区別することができ、遮像性の評価をより適切に行えることが判明した。
<実施例2~9>
実施例2においては、被写体部照度を2000Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例2においては、被写体部照度を2000Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例3においては、被写体部照度を20000Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例4においては、被写体部照度を1600Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例5においては、被写体部照度を30000Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例6においては、被写体部照明15の照射角度を0°に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例7においては、被写体部照明15の照射角度を20°に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例8においては、被写体部照明15の照射角度を120°に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
実施例9においては、被写体部照明15の照射角度を160°に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
表1から明らかなように、本発明の遮像性評価方法の要旨を含む実施例2~9のいずれの検査方法においても、従来遮像性の優劣を区別できなかったカーテン5A~5Cに対し、遮像性についてさらに区別することができ、遮像性の評価をより適切に行えることが判明した。
<比較例1~4>
表2示すように比較例1においては、室内照明25を点灯せずに観測部照度を0Lxに設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
比較例2においては、被写体部照度を560Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
比較例3においては、被写体部照度を50000Lx±5%に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
比較例4においては、被写体部照明15の照射角度を180°に設定した以外は、実施例1と同様に検査を行った。
表2から明らかなように、本発明の遮像性評価方法のいずれかの発明特定要素を欠落する比較例1~4の検査方法においては、カーテン5A~5Cに対し、遮像性について詳細に区別することが困難であり、遮像性の評価に採用するには不向きであることが判明した。
この発明の仕切部材の遮像性評価方法は、個人のプライバシーが重要な病院等の特定の場所で使用するカーテン等の仕切部材における遮光性有無の判断基準等として有効に利用することができる。
1:被写体部
11:マネキンヘッド(被写体)
15:被写体部照明(被写体部光源)
2:観測部
21:観測者
5:カーテン(仕切部材)
A:観測軸
L1:被写体部光源の光軸
P21:観測点
P25:観測部照度測定位置
X1:カーテンおよび被写体間の距離
X2:カーテンおよびカメラ間の距離
θ:被写体部光源における光軸の傾斜角度
11:マネキンヘッド(被写体)
15:被写体部照明(被写体部光源)
2:観測部
21:観測者
5:カーテン(仕切部材)
A:観測軸
L1:被写体部光源の光軸
P21:観測点
P25:観測部照度測定位置
X1:カーテンおよび被写体間の距離
X2:カーテンおよびカメラ間の距離
θ:被写体部光源における光軸の傾斜角度
Claims (6)
- 被写体を設置した被写体部の前方に、観測点を有する観測部が仕切部材を介して配置され、前記仕切部材を直交する仮想の観測軸上に、前記被写体および前記観測点が配置され、前記観測点から前記仕切部材越しに観測された前記被写体における見え易さの度合を基に、前記仕切部材の遮像性を評価するようにした仕切部材の遮像性評価方法であって、
前記観測軸に沿って前記仕切部材から前方に30cm離れた位置において測定された照度が、200ルクス(Lx)~500ルクス(Lx)に設定され、
前記被写体部に設けられた被写体部光源から前記被写体に向けて照射される照射光によって、前記被写体の表面で測定された照度が1500Lx~32000Lxに設定され、
前記被写体部光源が前記被写体の前方から真上を通って後方上部にかけての範囲内に配置され、かつ前記被写体部光源からの照射光の光軸における前記観測軸に対する傾斜角度が0°~160°に設定されていることを特徴とする仕切部材の遮像性評価方法。 - 前記被写体として、明度L*が50~100のマネキンヘッドが用いられるとともに、
前記被写体部の照度は、前記マネキンヘッドの頭頂部で測定するようにした請求項1に記載の仕切部材の遮像性評価方法。 - 前記観測点において観測者によって前記仕切部材越しに観測し、前記仕切部材の遮像性を評価するようにした請求項1または2に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
- 前記被写体は、前記仕切部材からの距離が0m~2mに設定されるとともに、
前記観測点は、前記仕切部材からの距離が0m~1mに設定されている請求項1~3のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。 - 前記仕切部材は、カーテンである請求項1~4のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
- 前記観測点から観測された前記被写体を、明暗差がある複数のグレースケールの画像と照合することによって、見え易さの度合を6段階で判定するようにした請求項1~5のいずれか1項に記載の仕切部材の遮像性評価方法。
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