JP2022078398A - 波付き鋼板及び壁構造 - Google Patents

波付き鋼板及び壁構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2022078398A
JP2022078398A JP2020189049A JP2020189049A JP2022078398A JP 2022078398 A JP2022078398 A JP 2022078398A JP 2020189049 A JP2020189049 A JP 2020189049A JP 2020189049 A JP2020189049 A JP 2020189049A JP 2022078398 A JP2022078398 A JP 2022078398A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
corrugated steel
main body
corrugated
wall structure
steel plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020189049A
Other languages
English (en)
Inventor
正宏 林
Masahiro Hayashi
祐治 鎌崎
Yuji Kamazaki
信秀 淺井
Nobuhide Asai
浩 和田
Hiroshi Wada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Metal Products and Engineering Inc
Original Assignee
JFE Metal Products and Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Metal Products and Engineering Inc filed Critical JFE Metal Products and Engineering Inc
Priority to JP2020189049A priority Critical patent/JP2022078398A/ja
Publication of JP2022078398A publication Critical patent/JP2022078398A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
    • Y02A10/11Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

Figure 2022078398000001
【課題】省スペースかつ組み立て容易な波付き鋼板及び壁構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る波付き鋼板は、長手方向に垂直な断面形状が波形に加工された本体と、本体の長手方向の両端に設置された平板状の接続プレートと、を備え、本体は、長手方向に直交する幅方向の両端に形成され、幅方向に対し垂直な面にボルト孔が形成された2つの接続部と、2つの接続部の間に、板を波形に加工して形成された波加工部と、を備え、波加工部は、本体の長手方向及び幅方向に直交す厚さ方向において、2つの接続部よりも突出して形成されている。
【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、例えば地中又は水中に構築される中空の構造体の壁面を構成する波付き鋼板及びその波付き鋼板を用いた壁構造に関する。
従来、構造物の基礎を構築するための立坑、地中に構築される集水井、斜面の擁壁などの土木構造物は、地盤を堰き止めるために、波付き鋼板を設置し、複数の波付き鋼板を接続して環状又は馬蹄形(U字形)に壁構造を形成して構成される。また、壁構造は、水中に構築されて内部に空間を形成する用途にも適用される。
このような波付き鋼板による壁構造は、波付き鋼板のそれぞれが軽量であり、山間部等の大型の重機が使用できない現場においても施工が容易であるという利点がある。一方で、地中深くに設置する等の周囲から大きな荷重が壁構造に掛かる場合においては、環状に組立てられた波付き鋼板同士の間に補強リングと呼ばれる断面がH形の鋼材で形成された部材を挟み、壁構造が形成される(例えば、特許文献1を参照)。
特開2018-193741号公報
特許文献1のように、環状に組立てられた波付き鋼板同士を補強リングで接続して形成された壁構造は、強度が向上する。しかし、補強リングは、環状に組み合わされた波付き鋼板の下端に沿って取り付けられるため、H形鋼を波付き鋼板に沿って曲げる加工が必要である。
また、補強リングは、断面がH形に構成されており、H形鋼のウェブ部に波付き鋼板の端面を当接させて接続される。つまり、波付き鋼板の端面は、H形鋼のフランジの間に設置される。そのため、壁構造は、波付き鋼板で構成される部分は、厚さ方向寸法が小さいが、接続部となる補強リングの部分は、外側及び内側に突出している。例えば壁構造を縦坑として地中に設置する場合、壁構造は、穴を下方に掘削しながら構築される。そして、掘削した穴の内部に環状に組み合わせた波付き鋼板を吊り下げた状態で延ばしていく。このとき、少なくとも補強リングが設置されている部分は、地盤を大きく掘削する必要があるという課題があった。
さらに、補強リングは、所定の長さのものを接続して環状に組立てるため、フランジ部同士を継手板とボルトにより接続して構成される。壁構造の外側に位置するフランジ部同士の接続は、地盤と補強リングとの間の狭い空間にボルト又はナットを設置することにより行われる。従って、作業者は、補強リングの下端から手を差し込み、継手板、ボルト及びナットを目視できない状態で作業するため、作業が困難であるという課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、省スペースかつ組み立て容易な波付き鋼板及び壁構造を提供するものである。
本発明に係る波付き鋼板は、長手方向に垂直な断面形状が波形に加工された本体と、前記本体の長手方向の両端に設置された平板状の接続プレートと、を備え、前記本体は、長手方向に直交する幅方向の両端に形成され、幅方向に対し垂直な面にボルト孔が形成された2つの接続部と、前記2つの接続部の間に、板を波形に加工して形成された波加工部と、を備え、前記波加工部は、前記本体の長手方向及び幅方向に直交する厚さ方向において、前記2つの接続部よりも突出して形成されている。
本発明に係る壁構造は、上記波付き鋼板を組み合わせて形成されたものである。
本発明に係る壁構造は、上記壁構造に対し、長手方向に垂直な断面形状が前記波付き鋼板とは異なる第2波付き鋼板を、更に備え、前記第2波付き鋼板は、長手方向に垂直な断面形状が波形に加工された第2本体と、前記第2本体の長手方向の両端に設置された平板状の接続プレートと、を備え、前記第2本体は、長手方向に直交する幅方向の両端に形成され、ボルト孔が形成された2つの接続部と、前記2つの接続部の間に、板を波形に加工して形成された第2波加工部と、を備え、前記第2波加工部は、前記波付き鋼板の前記波加工部よりも厚さ方向の寸法が小さく、前記波付き鋼板と前記第2波付き鋼板とは、それぞれの幅方向の端部に形成された接続部同士が接合されている。
本発明によれば、波付き鋼板は、波形加工された本体の厚さ方向寸法が大きく、厚さ方向の断面係数が大きい。そのため、波付き鋼板を組み合わせて形成された壁構造は、外側からの荷重に対し、剛性が高いため、補強リングを設置せずに構築できる。壁構造は、補強リングを必要としないため、省スペースで組み立ても容易である。
実施の形態1に係る壁構造100の斜視図である。 実施の形態1に係る壁構造100の平面図及び側面図である。 実施の形態1に係る壁構造100を構成する波付き鋼板10の斜視図である。 実施の形態1に係る波付き鋼板10の断面図である。 実施の形態1に係る壁構造100の設置状態の断面図である。 実施の形態1に係る壁構造100の比較例である壁構造1100の設置状態の断面図である。 実施の形態1に係る壁構造100の変形例である壁構造100Aの斜視図である。 実施の形態1の変形例である壁構造100Aの波付き鋼板10Aの斜視図である。 実施の形態1の変形例である壁構造100Aの波付き鋼板10Bの斜視図である。 実施の形態2に係る壁構造200の断面図である。
以下、実施の形態に係る壁構造100及び波付き鋼板10について図面等を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左、右、前、後、表及び裏等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
実施の形態1.
[壁構造100]
図1は、実施の形態1に係る壁構造100の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る壁構造100の平面図及び側面図である。図3は、実施の形態1に係る壁構造100を構成する波付き鋼板10の斜視図である。図1~図3を用いて壁構造100について説明する。壁構造100は、例えば構造物の基礎を構築するための立坑又は地中に構築される集水井等の土木構造物であって、地盤92(図5参照)を掘削して形成された縦穴90に構築されるものである。実施の形態1において、壁構造100は、円管状に形成されているが、円管状に限定するものではない。壁構造100は、例えば、平面視において、長円形、楕円形、矩形、又は馬蹄形に形成することができ、管状に限定されるものでもない。
実施の形態1に係る壁構造100は、複数の波付き鋼板10が環状体50を形成するように接続し、その環状体50同士を軸方向に接続した構造になっている。図1及び図2に示されている壁構造100は、環状体50A~50Fの6段構造になっている。
[環状体50]
壁構造100を構成する各環状体50は、図3に示されている波付き鋼板10を複数接続して構成されたものであり、波付き鋼板10の長手方向の端部同士を接続させて形成されている。波付き鋼板10は、幅方向、即ち図3のz方向に波形が付されている本体10aと、本体10aの長手方向、即ち図3のθ方向の両端に平板状の接続プレート20とを備える。接続プレート20は、本体10aの長手方向の端面に溶接されている。環状体50において、隣り合う波付き鋼板10は、接続プレート20同士をボルト及びナットなどの接合部材(図示省略)により接合され、周方向接続部11を形成している。
波付き鋼板10により構成された環状体50同士は、波付き鋼板10の本体10aのz方向の端部においてボルト41及びナット42などの接合部材40(図5参照)で接合されている。図2(b)に示されている様に、上側の環状体50Aの波付き鋼板10と、下側の環状体50Bの波付き鋼板10とは、長手方向の両端の位置を互いにずらして接合されている。実施の形態1においては、上に位置する波付き鋼板10と、下に位置する波付き鋼板10とは、長手方向の長さの半分だけずらして接合されている。これにより、壁構造100は、θ方向の各位置において剛性のばらつきを抑えることができる。ただし、上下に位置する波付き鋼板10をずらす量は、長手方向の長さの半分に限定されず、接続部13に設けられた複数のボルト孔13aのピッチの分だけずらすこともできる。例えば、図3の波付き鋼板10は、接続部13に10個のボルト孔13aが形成されているが、上の波付き鋼板10に対し下の波付き鋼板10のボルト孔13aを1~5ピッチ分ずらして接続しても良い。
[波付き鋼板10]
図4は、実施の形態1に係る波付き鋼板10の断面図である。図4は、波付き鋼板10の長手方向に垂直な断面を示しており、図2及び図3に示されている壁構造100の中心軸Cを含む断面を示している。波付き鋼板10の本体10aは、長手方向に垂直な断面において波形が付されている。実施の形態1において波形は、角が丸められた矩形波状になっており、壁構造100の外側及び内側に互いに平行な面が形成されている。
台形波形状に形成されている本体10aは、図4の断面において、環状体50の内側に突出して位置する内側フランジ部16と、環状体50の外側に突出して位置する外側フランジ部17及び18と、を備える。内側フランジ部16と外側フランジ部17及び18とは、実質的に平行に形成されている。内側フランジ部16と外側フランジ部17及び18との間は、ウェブ部15により接続されている。ウェブ部15は、図4の断面においてr方向に延びる面を有し、r軸に対し若干傾斜している。ウェブ部15の傾斜方向は、本体10aを中心軸Cから見た時に、波形状の谷の部分の開放端が広く、谷底が狭くなる様になっている。このように構成されることにより、本体10aは波付けのための塑性加工を行う際に、離型しやすく製造が容易になる。
また、ウェブ部15は、r軸に平行に近い角度で成形されることにより、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18の幅が広くなる。これにより、波付き鋼板10は、r方向に曲げモーメントが負荷されたときの剛性が高くなる。図1の壁構造100が面方向、つまりr方向に荷重を受けた場合に、波付き鋼板10はr方向に曲げモーメントが負荷される。このとき、波付き鋼板10の曲げの中立軸Nについての断面係数は、中立軸Nから遠い内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18の幅が広い方が大きくなる。よって、ウェブ部15がr軸に平行に近い角度で構成されることにより、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18のz方向の幅寸法が広くなり、波付き鋼板10は、剛性が高くなる。断面において、内側フランジ部16、外側フランジ部17又は18に対するウェブ部15の角度は、70度以上90度以下に設定されると良い。換言すると、ウェブ部15は、内側フランジ部16、外側フランジ部17又は18に対し垂直方向を基準として0度以上20度以下の角度に設定されるのが望ましい。例えば図4に示される波付き鋼板10のウェブ部の角度は、4.5度又は6度に設定されている。つまり、実際の製品としては3度以上7度以下の範囲に設定され、強度及び剛性を確保しつつ、量産性も向上するように設定されている。更に望ましくは、強度及び剛性をさらに向上すべく、ウェブ部15は、内側フランジ部16、外側フランジ部17又は18に対し垂直方向を基準として1度以上3度以下に設定されても良い。このように構成されることにより、波付き鋼板10は、剛性をより高く確保しつつ、金型成形時又はロール成形時の不具合も抑えることができ加工性も向上する。
なお、実施の形態1において、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18は、ウェブ部15と同じ板厚で形成されているが、板厚をウェブ部15よりも厚くしても良い。このように構成されることにより、中立軸Nから遠い内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18の断面積が大きくなり、波付き鋼板10は、断面係数をさらに高くすることができる。
また、波付き鋼板10のz方向の両端部は、接続部13が形成されている。接続部13は、z方向に対し垂直に形成され、平坦な部分にボルト孔13aが設けられている。接続部13は、r方向に平行でありボルト41及びナット42(図5参照)が締結固定できる程度の面を有している。
接続部13は、波付き鋼板10の本体10aの厚さ方向において寸法hで形成されており、他の波付き鋼板10と接続固定できる程度の寸法に形成されていれば良い。本体10aに形成された波形の厚み、即ち外側フランジ部17及び18から内側フランジ部16までの寸法Hは、接続部13の寸法hよりも大きく形成されている。このように形成されていることにより、波付き鋼板10は、断面係数を大きく確保しつつ、後述するように従来の波付き鋼板1010との接続も可能となる。また、接続部13は、z方向の端部であり内側フランジ部16と接続しない部分であり断面係数への寄与が少ない構造であるため、波付き鋼板10の厚さ方向の寸法hを小さくすることにより、剛性を確保しつつ材料の使用量が抑えられる。なお、z方向において2つの接続部13の間にある、ウェブ部15、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18が形成されている部分を総称して、波加工部wと称する。
[壁構造100の作用]
図5は、実施の形態1に係る壁構造100の設置状態の断面図である。実施の形態1に係る壁構造100のように縦穴90内部に設置される壁構造100は、次の様に設置される。まず、所定の深さの縦穴90を造成し、その内部に波付き鋼板10の環状体50を1~3段程度組み立てて配置する。その後、縦穴90の上部には井桁が組まれ、最上部にある環状体50を井桁に固定する。このとき、環状体50は、位置、鉛直度及び形状が調整される。精度が十分であることを確認した後、環状体50の周囲は埋め戻される。
環状体50の周囲を埋め戻した後、環状体50の内側の縦穴90の底面を掘削する。縦穴90の深さが波付き鋼板10の幅方向寸法よりも大きくなったら、上端が井桁に固定された状態の壁構造100の下端に波付き鋼板10を接続し、新たな環状体50を接続する。縦穴90の底面の掘削と波付き鋼板10の組み付けを繰り返して、必要な深さまで壁構造100は縦穴90内に構築される。
壁構造100は、縦穴90の底部を掘削しながら下方に向かって延ばしていくため、縦穴90と壁構造100の外周面との間に隙間91が生じる。その隙間91には、モルタルなどの充填材93が充填される。
図6は、実施の形態1に係る壁構造100の比較例である壁構造1100の設置状態の断面図である。比較例に係る壁構造1100は、波付き鋼板1010を実施の形態1に係る壁構造100の環状体50と同様に組み立てたものである。比較例に係る波付き鋼板1010の本体1010aに付されている波形は、長手方向に垂直な断面においてサインカーブに近似した形状になっている。また、本体1010aの厚さ方向(r方向)の寸法H1は、実施の形態1に係る波付き鋼板10の本体10aの厚さ方向(r方向)の寸法Hと比較して小さく、接続部13の寸法hと同等に形成されている。なお、z方向において2つの接続部13の間にある、板金部材をサインカーブ状に形成されている部分を総称して、第2波加工部w2と称する。
比較例に係る壁構造1100においては、波付き鋼板1010の厚さ方向寸法Hが小さく、実施の形態1に係る波付き鋼板10と比較すると断面係数が小さい。そのため、壁構造1100は、上側に位置する波付き鋼板1010と下側に位置する波付き鋼板1010との間に補強リング60が設置されている。補強リング60は、壁構造1100に掛かる荷重により設置する数、位置が変更される。図6に示す比較例に係る壁構造1100においては、2つの波付き鋼板1010が図の中央部に示される様に接続部13で互いに接続され、2つの波付き鋼板1010の上端と下端とに補強リング60が設置されている。
図6に示される様に、地盤92は、壁構造1100の補強リングが設置されている位置において外側に大きく掘削されている。補強リング60の外側は、接続プレート62をH形鋼61のフランジにボルトで固定する必要があるからである。そのため、壁構造1100は、縦穴90を掘削するにあたり、実施の形態1に係る壁構造100よりも掘削量が増加する。また、掘削量を極力抑えようとすると、図6に示す様に、縦穴90の表面は複雑な凹凸が形成される。
図5に示される様に、実施の形態1においては、縦穴90の壁面は、断面において概ね直線状に形成される。そして、壁構造100の外周面と縦穴90の壁面との隙間91が小さくとも、波付き鋼板10の組み立てには影響がない。従って、実施の形態1においては、縦穴90の掘削量は、極力小さく抑えることができる。また、縦穴90の壁面は、凹凸が形成されていないため、比較例よりも充填材93を流し込み易いという利点がある。
また、比較例に係る壁構造1100は、環状体50の間に補強リング60を必要とする。補強リング60の設置手順を、図6の波付き鋼板1010p及び1010qの接続部分を参照して説明する。補強リング60を接続するには、まず既に組み立てられている壁構造1100の下端に位置する環状体50の下端に補強リング60を、例えば仮止めボルト(図示無し)により仮止めする。つまり、補強リング60は、図6の波付き鋼板1010pの下側の接続部13に仮止めされる。その後、補強リング60のウェブ63を挟むように、補強リング60の下側の環状体50を構成する波付き鋼板1010qを設置する。
補強リング60の下側に取り付けられる波付き鋼板1010qは、補強リング60と波付き鋼板1010pとを接続している仮止めボルトを避けた位置に接続される。そして、波付き鋼板1010pと補強リング60と波付き鋼板1010qとが接合部材40により固定された後に仮止めボルトを取り外し、仮止めボルトが設置されていた部分に波付き鋼板1010qを接続する。つまり、比較例に係る壁構造1100は、補強リング60を接続する際に、仮止めボルトを締めて補強リング60を仮止めし、その後外す工程を必要とするため、設置の工数が掛かる。
一方、実施の形態1に係る壁構造100は、波付き鋼板10の断面係数が大きく、補強リング60を廃止又は削減することができる。従って、壁構造100は、上記のような補強リング60の仮止め工程を廃止又は削減することができ、設置の時間が削減でき、費用も低減できる。
また、図6に示されている比較例に係る波付き鋼板1010は、曲げに対する剛性を確保するために、波形の内側凸部116が3つ形成され、外側凸部117及び118が4つ形成されている。波付き鋼板1010は、長手方向に隣り合う波付き鋼板1010と接続されるが、外側凸部117及び118にボルト及びナットが設置される。つまり、波付き鋼板1010は、長手方向において4箇所のボルト及びナットで接続される。
一方、実施の形態1に係る波付き鋼板10は、外側フランジ部17及び18が3箇所になっており、図4に示される様にボルト孔21が3箇所に形成されている。これにより、ボルト数が削減され、波付き鋼板10を接続するにあたり作業工数が削減される。また、ボルトが設置される波形の谷部は、比較例よりも幅広であり、径の大きい強度の高いボルトを設置することも可能となる。
また、実施の形態1に係る波付き鋼板10により構成された壁構造100は、補強リング60を使用しないため、内側の空間への突出部がなくなり、内側の空間にはしごや階段などの構造物を設置し易いという利点がある。また、壁構造100を深礎杭に適用する場合には、補強リング60が設置されていないことにより内部の空間を広く確保できるため、内部の空間に構築される構造物を波付き鋼板10により近づけて設置できる。つまり、壁構造100は、補強リング60の部分だけ内側に突出しているために生ずる余分な空間を削減できるという利点がある。
[壁構造100の変形例]
図7は、実施の形態1に係る壁構造100の変形例である壁構造100Aの斜視図である。図8は、実施の形態1の変形例である壁構造100Aの波付き鋼板10Aの斜視図である。図9は、実施の形態1の変形例である壁構造100Aの波付き鋼板10Bの斜視図である。実施の形態1に係る壁構造100は、円管形状に限定されるものではなく、図7のように平面視において矩形状の管であっても良い。壁構造100Aは、平面視において矩形状の辺の部分に適用される波付き鋼板10Aと、角部に適用される波付き鋼板10Bと、を備える。波付き鋼板10A及び10Bの長手方向に垂直な断面は、図1の壁構造100を構成する波付き鋼板10と同じである。
図8に示される様に、壁構造100Aの矩形状の辺に該当する部分に適用される波付き鋼板10Aは、波付き加工が施された本体10aの長手方向の両端に接続プレート20が接合されている。波付き鋼板10Aの本体10aは、長手方向に直線状に延びており、断面形状が波付き鋼板10の本体10aと同様に形成されている。
図9に示される様に、角部に適用される波付き鋼板10Bは、波付き加工が施された本体10aを角部接続部材70で接続して構成されている。
実施の形態1に係る壁構造100の変形例である壁構造100Aにおいても、波付き鋼板10A及び10Bの本体10aは、断面係数が比較例よりも大きく、剛性が向上している。従って、壁構造100Aは、補強リング60を削減、又は廃止することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る壁構造200について説明する。壁構造200は、実施の形態1に係る壁構造100を構成する波付き鋼板10の形状を変更したものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10は、実施の形態2に係る壁構造200の断面図である。壁構造200は、従来の波付き鋼板1010により構成された環状体50Aと、実施の形態1に係る波付き鋼板10により構成された環状体50Bと、を備える。波付き鋼板1010により構成された環状体50Aと、実施の形態1に係る波付き鋼板10により構成された環状体50Bとは、互いに接続部13でボルト及びナットで接続されている。なお、壁構造200に適用された比較例の波付き鋼板1010を第2波付き鋼板1010と称する。また第2波付き鋼板1010の本体1010aを第2本体1010a、第2波付き鋼板1010の接続部13の間を第2波加工部w2と称する。
上側の環状体50Aに比較例の波付き鋼板1010を適用し、下側の環状体50Bに実施の形態1に係る波付き鋼板10を適用することにより、比較的負荷の低い縦穴90の上部と負荷の高い下部とで適用する波付き鋼板を使い分けることができる。また、壁構造200を設置する縦穴90が深くなった場合は、実施の形態1の波付き鋼板10により構成された環状体50にH形鋼で形成された補強リング60を接続することもできる。このように構成されることにより、地盤92から受ける負荷に応じて、壁構造200を構成する部材を適宜変更することができ、様々な環境に壁構造200を適用することができ、かつ補強リング60の使用量も削減することができる。
また、波付き鋼板10と波付き鋼板1010とを組み合わせて壁構造200を構成することにより、壁構造200は、鋼材重量も抑制されるという利点がある。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 波付き鋼板、10A 波付き鋼板、10B 波付き鋼板、10a 本体、11 周方向接続部、13 接続部、13a ボルト孔、15 ウェブ部、16 内側フランジ部、17 外側フランジ部、20 接続プレート、21 ボルト孔、40 接合部材、41 ボルト、42 ナット、50 50A 50B 環状体、60 補強リング、61 H形鋼、62 接続プレート、63 ウェブ、70 角部接続部材、90 縦穴、91 隙間、92 地盤、93 充填材、100 壁構造、100A 壁構造、110 波付き鋼板、110a 本体、116 内側凸部、117 外側凸部、200 壁構造、1010 1010p 1010q (第2)波付き鋼板、1010a (第2)本体、1100 壁構造、C 中心軸、H (厚さ方向)寸法、H1 (厚さ方向)寸法、N 中立軸、h 寸法、w 波加工部、w2 第2波加工部。

Claims (10)

  1. 長手方向に垂直な断面形状が波形に加工された本体と、
    前記本体の長手方向の両端に設置された平板状の接続プレートと、を備え、
    前記本体は、
    長手方向に直交する幅方向の両端に形成され、幅方向に対し垂直な面にボルト孔が形成された2つの接続部と、
    前記2つの接続部の間に、板を波形に加工して形成された波加工部と、を備え、
    前記波加工部は、
    前記本体の長手方向及び幅方向に直交する厚さ方向において、前記2つの接続部よりも突出して形成されている、波付き鋼板。
  2. 前記波加工部は、
    前記本体の厚さ方向の両端に位置し、互いに平行に配置されている外側フランジ部及び内側フランジ部と、
    前記外側フランジ部と前記内側フランジ部とを接続する厚さ方向に延びるウェブ部と、を備える、請求項1に記載の波付き鋼板。
  3. 前記外側フランジ部及び前記内側フランジ部の少なくとも一方は、
    前記本体の長手方向に垂直な断面において、前記本体の幅方向に平行な面を有する、請求項2に記載の波付き鋼板。
  4. 長手方向に垂直な断面形状が波形に加工された本体と、
    前記本体の長手方向の両端に設置された平板状の接続プレートと、を備え、
    前記本体は、
    長手方向に直交する幅方向の両端に形成され、幅方向に対し垂直な面にボルト孔が形成された2つの接続部と、
    前記2つの接続部の間に、板を波形に加工して形成された波加工部と、を備え、
    前記波加工部は、
    前記本体の厚さ方向の両端に位置し、互いに平行に配置されている外側フランジ部及び内側フランジ部と、
    前記外側フランジ部と前記内側フランジ部とを接続する厚さ方向に延びるウェブ部と、を備える、波付き鋼板。
  5. 前記外側フランジ部及び前記内側フランジ部の少なくとも一方は、
    前記本体の長手方向に垂直な断面において、前記本体の幅方向に平行な面を有する、請求項2に記載の波付き鋼板。
  6. 前記外側フランジ部及び前記内側フランジ部の少なくとも一方は、
    前記ウェブ部よりも板厚が厚い、請求項2~5の何れか1項に記載の波付き鋼板。
  7. 前記波加工部は、
    板金部材を前記本体の長手方向に垂直な断面において矩形波状に加工して形成された、請求項1~6の何れか1項に記載の波付き鋼板。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の波付き鋼板を組み合わせて形成された、壁構造。
  9. 長手方向に垂直な断面形状が前記波付き鋼板とは異なる第2波付き鋼板を、更に備え、
    前記第2波付き鋼板は、
    長手方向に垂直な断面形状が波形に加工された第2本体と、
    前記第2本体の長手方向の両端に設置された平板状の接続プレートと、を備え、
    前記第2本体は、
    長手方向に直交する幅方向の両端に形成され、ボルト孔が形成された2つの接続部と、
    前記2つの接続部の間に、板を波形に加工して形成された第2波加工部と、を備え、
    前記第2波加工部は、
    前記波付き鋼板の前記波加工部よりも厚さ方向の寸法が小さく、
    前記波付き鋼板と前記第2波付き鋼板とは、
    それぞれの幅方向の端部に形成された接続部同士が接合されている、請求項8に記載の壁構造。
  10. 長手方向に垂直な断面がH形である補強リングを備え、
    前記補強リングは、
    前記波付き鋼板又は前記第2波付き鋼板の前記接続部に接続される、請求項8又は9に記載の壁構造。
JP2020189049A 2020-11-13 2020-11-13 波付き鋼板及び壁構造 Pending JP2022078398A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020189049A JP2022078398A (ja) 2020-11-13 2020-11-13 波付き鋼板及び壁構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020189049A JP2022078398A (ja) 2020-11-13 2020-11-13 波付き鋼板及び壁構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022078398A true JP2022078398A (ja) 2022-05-25

Family

ID=81707275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020189049A Pending JP2022078398A (ja) 2020-11-13 2020-11-13 波付き鋼板及び壁構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022078398A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115110545A (zh) * 2022-08-05 2022-09-27 中建八局发展建设有限公司 一种圆形钢衬板基坑支护装置及其施工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115110545A (zh) * 2022-08-05 2022-09-27 中建八局发展建设有限公司 一种圆形钢衬板基坑支护装置及其施工方法
CN115110545B (zh) * 2022-08-05 2024-01-02 中建八局发展建设有限公司 一种圆形钢衬板基坑支护装置及其施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6740738B2 (ja) 鋼製部材の接合方法及び接合構造
JP2022078398A (ja) 波付き鋼板及び壁構造
JP4326908B2 (ja) 沈設用土留壁及び沈設用土留壁の施工方法
JP5521277B2 (ja) ハット形鋼矢板
JP7219529B2 (ja) 鋼材の組合せ構造体,山留支保工構造,及び構築方法
JP3930149B2 (ja) セグメントピース及び地中構造物の構築方法
JPH11310918A (ja) 地中連続壁の継手構造
JP2024042759A (ja) 土留パネル、土留構造物、及び土留構造物の施工方法
JP7275368B2 (ja) 合成構造体
JP2023074684A (ja) 土留パネル及び該土留パネルを用いた土留構造物
JP2022127984A (ja) 土留構造物
JP2022127916A (ja) 波付け鋼板及び該波付け鋼板を用いた土留構造物
JP2024075832A (ja) 土留パネル、土留パネルを用いた土留構造物、及び土留パネルの製造方法
JP2023074552A (ja) 土留パネル
JP2022066138A (ja) 土留構造
JPH03151415A (ja) 鋼矢板の継手構造
JP2022149045A (ja) 土留構造物
JP2022127939A (ja) 鋼製土留パネル、該鋼製土留パネルを用いた土留構造物、及び該土留構造物の構築工法
JP2024051658A (ja) 土留パネル、土留構造物、及び土留構造物の施工方法
JP7079448B2 (ja) H形鋼杭の継手構造
JP2024075856A (ja) 土留パネル
JP2024013424A (ja) 合成セグメント及び土留構造物
JP2024085458A (ja) 土留パネル及び土留構造物
JP2024013426A (ja) 合成セグメントの製造方法
JP2022129843A (ja) 鋼製土留パネル及び該鋼製土留パネルを用いた土留構造物

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20201113

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230801

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240605