JP2022066138A - 土留構造 - Google Patents

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正宏 林
Masahiro Hayashi
浩 和田
Hiroshi Wada
祐治 鎌崎
Yuji Kamazaki
栄昭 木村
Shigeaki Kimura
淳 小泉
Atsushi Koizumi
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Abstract

【課題】各連結部の強度及び剛性のばらつきを抑えた土留構造を提供する。【解決手段】第1方向に端部の位置をずらした複数の土留部材10を、複数の連結部材20を用いて第1方向に直交する第2方向に複数連結して構築され、地山の土砂を複数の土留部材10で抑え空間部を形成し、複数の土留部材10のそれぞれはフランジ部を備え、フランジ部はその厚さ方向に貫通する連結孔が形成される。複数の連結金具20それぞれは、連結金具本体と、連結金具本体の一端を連結金具本体の一方面側に折り曲げることにより形成された差込み部と、連結金具本体の他端を一方面側にU字状に折り曲げることにより形成された挟持部と、を備え、差込み部は連結孔に挿通され、挟持部は複数の土留部材10のそれぞれのフランジ部を重ねた状態で挟持する。複数の連結金具20は第1連結金具と、第1連結金具に対し一方面を異なる方向に向けた状態で設置される第2連結金具と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、地盤に構築される土留構造に関し、特に複数の土留部材のフランジ部を連結金具により連結して構築された土留構造に関する。
従来、構造物の基礎を構築するための立坑、地中に構築される集水井、斜面の擁壁などの土木構造物は、土留部材等の土留部材を接続して環状又は馬蹄形(U字形)に壁を形成して構成された土留構造により構成される。
このような土留構造は、土留部材がそれぞれ軽量であり、山間部等の大型の重機が使用できない現場においても、人力での施工が容易であるという利点がある。例えば、内径寸法の小さい立坑を構築するにあたっては、一人の作業者が立坑の中に入り土留部材を連結する作業を行うことができる。
土留部材同士は、ボルト及びナットにより連結することができるが、一人の作業者が土留部材を連結する場合、土留部材のフランジ部に形成された連結孔にボルトを通す作業が困難であり多大な時間を要する。そこで、連結孔に差し込む差込み部とフランジ部を挟持する挟持部とを備える連結金具を用いて、土留部材同士のフランジ部同士を連結することにより、作業者は、片手で土留部材を支持しながら連結作業が行うことが可能となっている。
連結金具は、挟持部により土留部材のフランジ部同士を重ねて挟持することより、土留部材同士の連結を行う。また、連結金具の差込み部の先端部は、L字形に曲げられ、土留部材のフランジ部に形成された連結孔の周辺に先端が当接するように構成されている。これにより、土留部材のフランジ部は、差込み部の先端部と挟持部との2か所で支持されるため、連結力が強固になる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2020-2634号公報
土留構造は、複数の土留部材を組み合わせて構成されているため、地盤からの土圧を受けた場合に複数の土留部材同士の連結部に変位を生じ易い。特に、特許文献1のように、土留構造は、連結金具を用いて複数の土留部材を連結されることにより、複数の土留部材同士の連結力を確保しつつ連結作業が容易になる。しかし、連結金具を用いて複数の土留部材同士の連結を行った場合、連結金具には方向性があるため、土留構造は、一部の連結部において強度及び剛性のばらつきが生じてしまう、という課題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するものであり、各連結部の強度及び剛性のばらつきを抑えた土留構造を提供するものである。
本発明に係る土留構造は、第1方向に端部の位置をずらした複数の土留部材を、複数の連結部材を用いて前記第1方向に直交する第2方向に複数連結して構築され、地山の土砂を前記複数の土留部材で抑え空間部を形成する土留構造であって、前記複数の土留部材のそれぞれは、地山に沿って配置される本体と、前記本体の前記第2方向の縁から前記空間部に向かって突出するフランジ部と、を備え、前記フランジ部は、当該フランジ部の厚さ方向に貫通する連結孔が形成され、前記複数の連結部材は、複数の連結金具を含み、前記複数の連結金具は、隣接する前記複数の土留部材の前記フランジ部を重ねて形成される連結部に取り付けられ、連結金具本体と、前記連結金具本体を構成する部材の一端を前記連結金具本体の一方面側に折り曲げることにより形成された差込み部と、前記連結金具本体を構成する部材の他端を、前記一方面側にU字状に折り曲げることにより形成された挟持部と、を備え、前記差込み部は、隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれに形成された前記連結孔に挿通され、前記挟持部は、隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれの前記フランジ部を重ねた状態で挟持し、前記複数の連結金具は、第1連結金具と、前記第1連結金具に対し前記一方面を異なる方向に向けた状態で前記連結部に設置される第2連結金具と、を含む。
本発明によれば、土留構造は、部分的に連結金具の方向を変えることにより、土圧等の外力を受けて土留部材に変位が生じても、連結金具が土留部材同士の連結を保持した状態を維持することができる。これにより、土留構造は、土留部材同士の各連結部の強度及び剛性のばらつきを抑えることができる。
実施の形態1に係る土留構造100の斜視図である。 実施の形態1に係る土留構造100の平面図及び断面構造図である。 実施の形態1に係る土留構造100の土留部材10の軸方向連結部11及び連結部12周辺の拡大図である。 実施の形態1に係る土留部材10の断面図である。 実施の形態1に係る土留部材10の断面図である。 実施の形態1に係る土留構造100の土留部材10を連結する連結金具20の斜視図である。 図6の連結金具20の上面図である。 図6の連結金具20の側面図である。 図6の連結金具20の底面図である。 実施の形態1に係る土留構造100に取り付けられた連結金具20の斜視図である。 実施の形態1に係る土留構造100に取り付けられた連結金具20の斜視図である。 実施の形態1に係る土留構造100の比較例に係る土留構造1100の第1土留部材10aが土圧を受けた状態を示す断面図である。 実施の形態1に係る土留構造100の第1土留部材10aが土圧を受けた状態を示す断面図である。 実施の形態1に係る連結金具20の変形例である連結金具120の斜視図である。 は、実施の形態2に係る土留構造200の一部の断面図である。 実施の形態3に係る土留構造100の斜視図である。 図16の土留構造100の軸方向連結部11周辺の拡大斜視図である。 実施の形態3に係る土留構造100の土留部材10が土圧を受け変位した状態を示す断面図である。 実施の形態4に係る土留構造400の連結金具20の配置の一例を説明する模式図である。
以下、実施の形態に係る土留構造100及び土留部材10について図面等を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状等が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左、右、前、後、表及び裏等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
実施の形態1.
[土留構造100]
図1は、実施の形態1に係る土留構造100の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る土留構造100の平面図及び断面構造図である。図3は、実施の形態1に係る土留構造100の土留部材10の軸方向連結部11及び連結部12周辺の拡大図である。図3は、図2(b)のB部の拡大図である。図1~図3を用いて土留構造100について説明する。土留構造100は、例えば構造物の基礎を構築するための立坑又は地中に構築される集水井等の土木構造物であって、地盤を掘削して形成された縦穴の内部に構築されるものである。以下の説明において、土留構造100の外側を地山92、内側を空間部93と呼ぶ。実施の形態1において、土留構造100は、円管状に形成されているが、円管状に限定するものではない。土留構造100は、例えば、平面視において、長円形、楕円形、矩形、小判形又は馬蹄形に形成することができ、管状に限定されるものでもない。また、図2に示されているr方向は、土留構造100の半径方向であり、θ方向は周方向であり、z方向は高さ方向を示している。なお、θ方向は土留部材10の長手方向と一致しており、これを第1方向と称する。また、z方向は土留部材10の幅方向であり、これを第2方向と称する。実施の形態1において、z方向は重力方向に一致しているが、これのみに限定されず、重力方向に傾斜していても良い。
実施の形態1に係る土留構造100は、複数の土留部材10が環状体50を形成するように複数の連結部材で接続し、その環状体50同士を軸方向に複数の連結部材で接続した構造になっている。図1及び図2に示されている土留構造100は、環状体50A及び50Bをz方向に交互に6段積み重ねた構造になっている。
[環状体50]
土留構造100を構成する各環状体50は、土留部材10をθ方向に複数接続して構成されたものであり、土留部材10の長手方向の端部同士を接続させて形成されている。土留部材10は、幅方向、即ちz方向に波形が付されている本体14(図4及び図5参照)と、本体14の長手方向、即ちθ方向の両端に平板状の連結プレート19とを備える。連結プレート19は、本体14の長手方向の端面に溶接されている。環状体50において、隣り合う土留部材10は、連結プレート19同士を連結金具20g又は締結部材40により接合され、軸方向連結部11を形成している。軸方向連結部11は、軸方向に延びる連結プレート19同士を連結する部分であり、z方向に延びる連結部である。なお、図3に示される軸方向連結部11には、連結金具20gが3個取り付けられているが、取り付けられる数量は土留部材10の形状により適宜変更できるものである。例えば、後述する図4に示される土留部材10であれば、4個の連結金具20gが軸方向連結部11に取り付けられる。
土留部材10により構成された環状体50同士は、土留部材10のz方向の端部において連結金具20で接合されている。図2(b)に示されている様に、上側の環状体50Aの土留部材10と、下側の環状体50Bの土留部材10とは、長手方向(θ方向)の両端の位置を互いにずらして接合されている。実施の形態1においては、上に位置する土留部材10と、下に位置する土留部材10とは、長手方向の長さの半分だけずらして連結されている。これにより、土留構造100は、θ方向の各位置において強度及び剛性のばらつきを抑えることができる。ただし、上下に位置する土留部材10は、長手方向に半分ずらして連結する形態に限定されるものではない。例えば、土留部材10のフランジ部13に形成された複数の連結孔13aを長手方向に少なくとも1つ以上ずらして連結した形態であっても良い。
[土留部材10]
図4及び図5は、実施の形態1に係る土留部材10の断面図である。図4及び図5は、土留部材10の長手方向に垂直な断面を示しており、図3に示されている土留構造100のC-C部を含む断面の一例を示している。図4に示されている土留部材10の本体14は、長手方向に垂直な断面においてサインカーブ状の波形が付されている。また、図5に示されている土留部材10の本体14は、角が丸められた矩形波状になっており、土留構造100の外側及び内側に互いに平行な面が形成されている。
図4及び図5に示されている土留部材10は、それぞれ断面形状が異なり本体14の波形状が異なるが、z方向の両端部にフランジ部13が形成されており、z方向に互いに接続可能な構造となっている。フランジ部13は、連結金具20又は締結部材40を適用する連結孔13aが形成されている。連結孔13aは、フランジ部13に複数形成されており、θ方向に等間隔に設けられている。
図4に示される土留部材10の本体14は、サインカーブ状の波形が付されており、地山側からの土圧による荷重に対抗することができる。本体14は、波形が付されていることにより、単純な平板状の断面形状に形成されるよりもr方向に掛かる荷重に対する強度及び剛性が高い。
図5に示されている土留部材10の台形波形状に形成されている本体14は、図5の断面において、環状体50の内側に突出して位置する内側フランジ部16と、環状体50の外側に突出して位置する外側フランジ部17及び18と、を備える。内側フランジ部16と外側フランジ部17及び18とは、実質的に平行に形成されている。内側フランジ部16と外側フランジ部17及び18との間は、ウェブ部15により接続されている。ウェブ部15は、図5の断面においてr方向に延びる面を有し、r方向に対し若干傾斜している。ウェブ部15の傾斜方向は、本体14を中心軸Cから見た時に、波形状の谷の部分の開放端が広く、谷底が狭くなる様になっている。このように構成されることにより、本体14は波付けのための塑性加工を行う際に、離型しやすく製造が容易になる。
また、ウェブ部15は、r軸に平行に近い角度で成形されることにより、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18の幅が広くなる。これにより、土留部材10は、r方向に曲げモーメントが負荷されたときの剛性が高くなる。例えば、図4に示される土留部材10よりも図5に示される土留部材10は、r方向の寸法が大きくr方向に掛かる荷重に対し剛性が高い。図1の土留構造100の土留部材10が面方向、つまりr方向に荷重を受けた場合に、土留部材10はr方向に曲げモーメントが負荷される。このとき、土留部材10の曲げの中立軸Nについての断面係数は、中立軸Nから遠い内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18の幅が広い方が大きくなる。よって、ウェブ部15がr軸に平行に近い角度で構成されることにより、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18のz方向の幅寸法が広くなり、土留部材10は、r方向の曲げ荷重に対する強度及び剛性が高くなる。具体的には、ウェブ部15は、内側フランジ部16又は外側フランジ部17及び18に垂直な方向に対し、0°以上20°以下に設定され、さらに望ましくは0°以上3°以下に設定される。
なお、図5の、内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18は、ウェブ部15と同じ板厚で形成されているが、板厚をウェブ部15よりも厚くしても良い。このように構成されることにより、中立軸Nから遠い内側フランジ部16、外側フランジ部17及び18の断面積が大きくなり、土留部材10は、断面係数をさらに高くすることができる。
図4及び図5に示されている土留部材10のz方向の両端部は、フランジ部13が形成されている。フランジ部13は、z方向に対し垂直に形成され、平坦な部分に連結孔13aが設けられている。フランジ部13は、r方向及びθ方向に平行であり連結金具20が取り付けられる程度の面を有している。特に、フランジ部13の先端部13bは、連結金具20の挟持部23(図6~9を参照)が嵌る程度の平面を有する。
[連結金具20]
図6は、実施の形態1に係る土留構造100の土留部材10を連結する連結金具20の斜視図である。図7は、図6の連結金具20の上面図である。図8は、図6の連結金具20の側面図である。図9は、図6の連結金具20の底面図である。図6~図9に示されるx方向及びy方向により形成される平面は、連結金具20の連結金具本体22に沿った平面であり、z方向は、x方向及びy方向に垂直方向を示している。また、x方向は、挟持部23の幅方向に一致しており、連結金具20がフランジ部13に取り付けられた状態においてθ方向と略一致する。実施の形態1において、連結金具20は、板金を折り曲げて形成された金具であり、土留部材10を連結する連結部材の1つである。連結金具20は、エンボス加工により形成された凸部26を備える連結金具本体22と、連結金具本体22のy方向の一方の端部からz方向逆向きに向かって折り曲げられた差込み部25と、連結金具本体22のy方向の他方の端部からz方向逆向きに向かって折り曲げられた挟持部23と、を備える。
連結金具20は、差込み部25が土留部材10のフランジ部13に形成された連結孔13aに差し込まれ、挟持部23がフランジ部13の先端部13bを挟持することにより2つの土留部材10を連結するものである。連結金具20は、フランジ部13に嵌め込まれて土留部材10を連結できるため、ボルト及びナットを用いた連結と比較して連結作業の効率が向上する。
図7及び図9に示される様に、連結金具本体22の挟持部23が形成されている挟持側端部22aの端縁22cは、x軸に平行に形成されている。連結金具本体22は、y方向に対し傾斜して延びている。連結金具本体22のy方向の端縁22dは、z方向逆向きに延びる差込み部25に接続されている。差込み部25が接続されている端縁22dは、x軸に対し傾斜している。
差込み部25は、連結金具本体22の端縁22dからz方向に延び、その先端でL字に折り曲げられ先端部21が形成されている。先端部21は、板面21bがy方向に沿って延びている。先端部21の板面21bは、連結金具本体22からz方向にずれた位置において連結金具本体22の板面と略平行に形成されている。または、先端部21の板面21bは、連結金具本体22の板面と平行ではなく、先端21aがz方向に向かうように傾斜していても良い。このように構成されることにより、連結される2つの土留部材10のフランジ部13の一方の面側に連結金具本体22が配置され、他方の面側に先端部21が配置され、2つのフランジ部13を先端部21と連結金具本体22との間に保持することができる。
図7に示されるように、連結金具本体22の差込み部25が形成されている差込み側端部22bは、挟持部23が形成されている側の挟持側端部22aよりも幅が狭く形成されており、フランジ部13の連結孔13aに差し込める程度の幅に形成されている。つまり、先端部21は、2つの土留部材10のフランジ部13の連結孔13aに挿通自在になっている。また、差込み側端部22bは、エンボス加工が施され凸部26が形成されていることにより、剛性が向上している。
一方、挟持部23が形成されている挟持側端部22aは、挟持部23が2つの土留部材10のフランジ部13を挟んで保持できるように、幅が広く形成されている。
[連結金具20の取付状態]
図10及び図11は、実施の形態1に係る土留構造100に取り付けられた連結金具20の斜視図である。図10は、図3に示される土留構造100の第1連結金具20a、20b、20e、20fの斜視図である。図11は、図3に示される土留構造100の連結金具20c及び20dの斜視図である。実施の形態1において土留構造100の環状体50A及び50Bとの連結部12に設置された連結金具20は、すべて同じ方向を向けて取り付けられているわけではなく、部分的に図6~9に示されているz方向を逆方向に向けて取り付けられている。
具体的には、図3に示されている第1連結金具20a、20b、20e、20fは、差込み部25及び挟持部23が連結金具本体22からz方向逆向きに延びるような状態、即ち図10に示されている状態で配置される。図3に示されている連結金具20c及び20dは、差込み部25及び挟持部23が連結金具本体22からz方向に延びるような状態、即ち図11に示されている状態で配置される。
図10及び図11のどちらの状態においても、連結金具20は、先端部21及び差込み部25をフランジ部13の連結孔13aに差し込まれた状態で、挟持部23が2つの土留部材10のフランジ部13を挟みこんで土留部材10同士を連結する。連結金具20は、先端部21及び差込み部25を連結孔13aに差し込んだ状態で、連結孔13aを中心にして連結金具20を回転させることにより、挟持部23と連結金具本体22との間にフランジ部13を進入させる。挟持部23の当接部23bと連結金具本体22との開口幅は、2枚のフランジ部13の先端部13bの厚さ方向寸法よりも狭く形成されており、挟持部23の当接部23bと連結金具本体22とは、2つのフランジ部13をz方向に圧接させるように保持する。
図3に戻り、実施の形態1に係る土留構造100に取り付けられた複数の連結金具20の配置について説明する。土留構造100を構成する複数の土留部材10は、互いに連結金具20によりz方向及びθ方向に連結されている。環状体50Aと環状体50Bとを連結するz方向の連結部12は、複数の連結金具20により連結されている。連結部12の複数の連結金具20のうち一部は、逆方向を向けて取り付けられている。なお、各環状体50A及び50Bにおいて、θ方向の連結も、連結金具20で行われている。
環状体50Aを構成する土留部材10と環状体50Bを構成する土留部材10とは、長手方向の端に配置された連結プレート19がθ方向にずれた位置に配置されている。環状体50Aに形成された軸方向連結部11と環状体50Bに形成された軸方向連結部11とは、互いにθ方向にずれた位置に配置されている。つまり、図3に示されるように、環状体50Aの軸方向連結部11と環状体50Bの土留部材10c及び10dのθ方向の中間部とは、z方向に並んでいる。
ここで、環状体50Aの第1土留部材10a及び10bの軸方向連結部11の周辺部に着目した時に、第1土留部材10a及び10bは、z方向に第2土留部材10cが連結され、z方向逆側に第3土留部材10dが連結されている。第1土留部材10aのフランジ部13と第2土留部材10cのフランジ部13とは、連結孔13aの位置が合うように重ねあわされて、第1連結部12aを形成している。また、第1土留部材10aのフランジ部13と第3土留部材10dのフランジ部13とは、連結孔13aの位置が合うように重ねあわされて、第2連結部12bを形成している。
第1連結部12a及び第2連結部12bは、重ねあわされた各連結孔13aに連結金具20が挿通され、かつ挟持部23が2つのフランジ部13を挟んで保持することにより、連結されている。
図3に示されている第1連結部12aに取り付けられた連結金具20a、20b及び20eは、図10に示されているように挟持部23及び差込み部25が連結金具本体22からz方向逆向きに延びる態勢でフランジ部13に取り付けられる。これらの連結金具20を第1連結金具と称する。
また、第2連結部12bに取り付けられた連結金具20のうち、第1土留部材10aのθ方向の最も端に位置する連結金具20cは、図11に示されるように第1連結金具20aに対し逆方向を向いて取り付けられている。つまり、連結金具20cは、挟持部23及び差込み部25が連結金具本体22からz方向に延びる態勢でフランジ部13に取り付けられる。これらの連結金具20を第2連結金具と称する。
これらの連結金具20の配置は、第1土留部材10aに隣り合って配置されている第1土留部材10bにおいても同様に構成されている。つまり、少なくとも第1土留部材10a及び10bのフランジ部13のθ方向の最も端に配置されている2つの連結金具20は、連結金具本体22から差込み部25及び挟持部23が延びる方向を向いた一方面22e(図8参照)を対向させるように配置されている。換言すると、第1土留部材10a及び10bのフランジ部13のθ方向の最も端には、第1連結金具20aと第2連結金具20cとが対向して配置されている。
図3においては、第1土留部材10a及び10bの軸方向連結部11の周辺部に着目したが、土留構造100を構成する土留部材10は、いずれも軸方向連結部11を備える。土留構造100において、土留部材10の軸方向連結部11の最も近くに配置される2つの連結金具20は、一方面22eを対向させるように取り付けられている。
また、言い換えると、第1土留部材10aの第2連結部12bにおいて、第2連結金具20cは、第1連結金具20fよりも第1土留部材の端に近い位置、つまり軸方向連結部11に近い位置に配置される。
[連結金具20の作用]
図12は、実施の形態1に係る土留構造100の比較例に係る土留構造1100の第1土留部材10aが土圧を受けた状態を示す断面図である。図12は、土留構造1100の第1土留部材10aの軸方向連結部11に最も近い連結金具20の状態を説明する模式図である。比較例に係る土留構造1100は、実施の形態1に係る土留構造100と同様に複数の土留部材10を連結金具20を用いて連結している。ただし、比較例に係る土留構造1100は、連結金具20がすべて同じ方向を向いて取り付けられている。
図12(a)に示されるように、土留構造1100が通常状態においては、z方向の上下に位置する連結金具20は、先端部21と連結金具本体22と挟持部23とにより2つのフランジ部13が重なった状態で保持し、複数の土留部材10を連結している。
図12(b)は、土留構造1100の外側にある地山側から土圧等による荷重を受けた状態を示している。土留構造1100は、外周面全体に土圧を受けるため、基本的にはz方向に並んで位置する土留部材10同士がr方向にずれることはないが、仮に土留構造1100の外周面に局部的に大きな荷重を受けた場合、土留部材10のθ方向の端部は、連結金具20の差込み部25と連結孔13aとの間にあるクリアランスの分だけr方向にずれる。
図12(b)の上側に位置する連結金具20は、第1土留部材10aがr方向逆側に変位したときに挟持部23の当接部23bがフランジ部13の裏面13cに接した状態が維持される。一方、図12(b)の下側に位置する連結金具20は、フランジ部13の裏面13cが挟持部23の当接部23bから外れるようにずれるため、挟持部23の当接部23bがフランジ部13に荷重を加えられなくなる。従って、図12(b)の下側の連結金具20は、フランジ部13から外れ易く、土留部材10同士の連結が弱い状態になっている。
図13は、実施の形態1に係る土留構造100の第1土留部材10aが土圧を受けた状態を示す断面図である。図12に示された比較例に係る土留構造1100と異なり、土留構造100は、下側の連結金具20が逆向きに取り付けられている。このとき、土留部材10aがr方向逆側に変位したとしても、挟持部23の当接部23bがフランジ部13の裏面13cに当接した状態が維持される。よって、連結金具20は、2つのフランジ部13を圧接させる方向に荷重を掛け続けることができる。図13において、上下に位置する連結金具20は、土留構造100に荷重が加わっても両方とも連結力の低下を抑えるように構成されており、土留構造100の強度及び剛性の低下を抑えることができ、土留構造100の周方向において強度及び剛性のばらつきを抑えることができる。
一般的に複数の土留部材10を連結して構成される土留構造100は、軸方向連結部11において土留部材10の変位が生じやすいが、上記のように土留部材10のθ方向の端に最も近い連結金具20の方向性を変更することにより、土留構造100の各部の強度及び剛性のばらつきを抑えることが可能となる。具体的には、軸方向連結部11に最も近い連結金具20は、差込み部25及び挟持部23が延びる方向を対向させるようにして配置される。
[変形例]
なお、上記の説明においては、土留構造100において、軸方向連結部11に最も近い連結金具20のみの方向性を変更する形態について説明したが、方向性を変更する連結金具20は、軸方向連結部11に最も近いもの1個だけでなく2個以上設けられていても良い。つまり、図3に示されている連結金具20dも方向性を変更する連結金具20の数量は、土留部材10の変位量又は土留構造100が受ける土圧に応じて適宜変更することができる。
図14は、実施の形態1に係る連結金具20の変形例である連結金具120の斜視図である。変形例の連結金具120は、差込み部25が挟持部23に対し傾斜していない。従って連結金具120は、差込み部25を連結孔13aに差し込みながら挟持部23をフランジ部13にはめ込むことにより、複数の土留部材10を連結する。このように構成された連結金具120により連結された土留構造100においても、実施の形態1に係る連結金具20と同様に、軸方向連結部11aの近傍において取り付け方向を変更することによりフランジ部13から外れにくくなり、土留構造100の周方向において強度及び剛性のばらつきを抑えることができる。
なお、実施の形態1に係る土留構造100に用いられる連結金具は、図6に示される連結金具20又は図14の連結金具120などの板金を折り曲げて形成されたものに限定されない。連結金具は、連結金具本体22から一方面22e側に延びる差込み部25と、挟持部23と、を備える形態であれば、そのほかの形態であっても良い。
また、実施の形態1に係る土留構造100は、第1土留部材10aの最も端の1つ又は複数個の連結金具20を対向させるように配置しているが、それ以外の形態であっても図13に示す様に連結金具20が外れにくくなる効果が見込める。つまり、土留構造100は、例えば図3に示されるような、第1連結金具20bと、第1連結金具20bに対し一方面22eを向けた状態で連結部12aに設置される第2連結金具20dと、を備える構成であって、かつ最も軸方向連結部11に近い連結金具20a及び20cが同じ方向を向けて取り付けられていてもよい。つまり、図3の連結金具20a、20b及び20cは、第1連結金具として構成され、連結金具20dのみが第2連結金具として構成されていても良い。つまり、第1土留部材10aのz方向の両端の連結部12に取り付けられた一組の連結金具20は、互いに一方面22eを対向させるように配置されていれば、第1土留部材10a及び10bと、第2土留部材10c及び第3土留部材10dとの連結強度の低下を抑制することができる。換言すると、土留部材10のz方向の両端の連結部12に取り付けられた互いに一方面22eを対向させた一組の連結金具20は、土留部材10のθ方向(周方向)のいずれの位置に配置されていても良い。
実施の形態2.
実施の形態2に係る土留構造200について説明する。土留構造200は、実施の形態1に係る土留構造100を構成する土留部材10の連結部12を連結する部材を一部変更したものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図15は、実施の形態2に係る土留構造200の一部の断面図である。実施の形態2に係る土留構造200は、実施の形態1に係る土留構造100において第2連結金具20を用いて連結していた部分を、ボルト41及びナット42を用いて連結したものである。図12に示される比較例に係る土留構造1100のz方向下側の連結金具20のように、比較的外れやすい部分は、締結部材40としてボルト41及びナット42を用いて連結しても良い。すなわち、土留部材10を連結する複数の連結部材は、ボルト41及びナット42により構成される締結部材40を含んでも良い。具体的には、図3に示される連結金具20c及び20dの少なくとも一方は、締結部材40に置換しても良い。ボルト41及びナット42の場合、土留部材10のずれによる連結力の低下は抑えられるため、土留構造200は、実施の形態1と同様に、周方向における各部の強度及び剛性のばらつきが抑えられる。また、締結部材40以外は連結金具20を用いることにより、土留部材10の連結作業の効率が向上する。
実施の形態3.
実施の形態3に係る土留構造100について説明する。土留構造100は、実施の形態1に係る土留構造100について、特に土留部材10の軸方向連結部11を連結する連結部材の配置について説明するものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図16は、実施の形態3に係る土留構造100の斜視図である。図17は、図16の土留構造100の軸方向連結部11周辺の拡大斜視図である。実施の形態3においては、土留構造100は、一例として上面視において円形のものについて説明するが、矩形、長円形、馬蹄形などのその他の形状の土留構造であっても良い。
環状体50Aを構成する土留部材10と環状体50Bを構成する土留部材10とは、長手方向の端に配置された連結プレート19がθ方向にずれた位置に配置されている。そのため、図16及び図17に示すように、土留構造100は、θ方向に隣り合って配置されている土留部材10a及び10bを連結する連結プレート19が重ねあわされた軸方向連結部11を備える。軸方向連結部11は、z方向に沿って延びている。よって、土留構造100は、軸方向連結部11とθ方向に延びる連結部12とが交わってT字形になっている交差部分を有する。なお、連結プレート19は、縦フランジとも呼ぶ。
軸方向連結部11は、連結金具20により連結されている。図17に示すように、軸方向連結部11に取り付けられている連結金具20を下から順に連結金具20g1、20g2、20g3、20g4とする。これらの軸方向連結部11に取り付けられている連結金具20g1~20g4を総称して、連結金具20gと呼ぶ場合がある。また、連結金具20g1を第3連結金具、第3連結金具に対し一方面22eを逆に向けている連結金具20g2~20g4を第4連結金具と称する場合がある。なお、実施の形態3において軸方向連結部11に取り付けられている連結金具20gは4つであるが、これのみに限定されるものではない。図17においては、土留部材10の本体14の断面形状がサインカーブ状の波形に形成されており、波形に合わせて4つの連結孔19aが配置されており、その連結孔19aのそれぞれに連結金具20gが配置されている。これに対し、例えば図5に示す台形波形状の断面形状の場合は、外側フランジ部17及び18に合わせて3つの連結孔19aが配置されるため、3つの連結金具20gで隣り合う土留部材10と連結されることになる。土留部材10の本体14の断面形状の波形は、z方向の寸法に応じて適宜変更することができるため、それに合わせて連結金具20gの位置及び数量は適宜変更しても良い。また、実施の形態2において説明したように、土留構造100の軸方向連結部11においても、連結金具20gと締結部材40とを併用しても良い。
実施の形態3においては、軸方向連結部11に配置されている連結金具20gのうち最も下に配置されている連結金具20g1のみが他の連結金具20g2~20g4とは逆方向を向いて取り付けられている。つまり、連結金具20g1は、連結金具本体22から差込み部25及び挟持部23が延びる方向を向いた一方面22eをθ方向に向けて配置されており、その他の連結金具20g2~20g4は、一方面22eをθ方向逆向きに向けて配置されている。
図18は、実施の形態3に係る土留構造100の土留部材10が土圧を受け変位した状態を示す断面図である。図18は、θ方向に隣り合って配置された土留部材10a又は10bがr方向に変位した状態の模式図である。図18(a)及び(b)は、土留部材10bが土留構造100の内側、即ちr方向逆向きに変位した状態を示している。図18(c)及び(d)は、土留部材10aが土留構造100の内側、即ちr方向逆向きに変位した状態を示している。例えば、図17に示している軸方向連結部11において、土留部材10bが内側に変位すると、図18(a)に示すように土留部材10aの連結プレート19の裏面19cが連結金具20g1の挟持部23の当接部23bから外れるよう変位する。このため、連結金具20g1は、土留部材10a及び10bの連結プレート19を保持する力が低下した状態になっている。
一方、図18(b)に示すように、連結金具20g2~20g4は、連結金具20g1とは逆向きに取り付けられているため、当接部23bが連結プレート19の裏面19cと接触したままの状態を維持している。このため、連結金具20g2~20g4は、挟持部23により土留部材10a及び10bの連結プレート19を重なった状態で保持できる。
図18(c)及び(d)の状態においては、連結金具20g1は、当接部23bが連結プレート19の裏面19cと接触したままの状態を維持している。一方、連結金具20g2~20g4は、土留部材10aの連結プレート19の裏面19cが連結金具20g2~20g4の挟持部23の当接部23bから外れ、連結プレート19を保持する力が低下した状態になっている。
以上のように、実施の形態3に係る土留構造100は、周方向に隣り合う土留部材10の相対変位により、一部の連結金具20gの連結プレート19を保持する力が低下する場合がある。しかし、図17に示すように、一つの軸方向連結部11に設置されている連結金具20gのうち少なくとも一つの連結金具20g1が他の連結金具20g2~20g4とは一方面22eを逆に向けて設置されている。そのため、軸方向連結部11に設置されているすべての連結金具20gの保持力が低下する状態を回避することができる。よって、隣り合う土留部材10a及び10bの相対的な変位が正方向及び逆方向に生じた場合の両方に対応することができる。
図17に示されるように、実施の形態3においては、軸方向連結部11に設置されている一番下の連結金具20g1のみを逆向きにしている。図7に示すように、実施の形態3において用いられている連結金具20は、先端部21と挟持部23とがx方向にずれて配置されている。そのため、連結部12に近い位置に配置された連結金具20g1は、挟持部23に連結プレート19をはめ込んだ際に、挟持部23とθ方向に延びる連結部12とが当接する場合がある。よって、連結金具20g1を逆向きに取り付けることにより、連結金具20g1の当接部23bが連結部12と干渉し、連結金具20g1の組付けが困難になる状況を回避できるという利点もある。
また、実施の形態3に係る土留構造100においては、軸方向連結部11に設置された4つの連結金具20gのうち一つの連結金具20g1を逆方向に向けて設置しているが、逆方向に向ける連結金具20gの数量及び位置は適宜変更しても良い。例えば、図17に示す軸方向連結部11において、更に連結金具20g3の一方面22eをθ方向に向けて設置しても良い。一つの軸方向連結部11において、順方向及び逆方向に向けた連結金具20gを交互に設けることにより、隣り合う土留部材10の相対変位がどのように生じても、連結金具20gによる軸方向連結部11の保持力の低下を抑えることができる。
実施の形態4.
実施の形態4に係る土留構造400について説明する。土留構造400は、実施の形態1に係る土留構造100を構成する土留部材10の連結部12を連結する連結金具20の配置の一例を示したものである。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図19は、実施の形態4に係る土留構造400の連結金具20の配置の一例を説明する模式図である。図19は、土留構造400を内側から見た状態を示している。図19において塗り潰して表示された連結金具20は、白抜きで表示された連結金具20に対し先端部21及び挟持部23が延びる方向である一方面22eを逆に向けて配置されている。
実施の形態4に係る土留構造400においては、実施の形態1と同様に土留部材10のθ方向の端に位置する連結金具20cがz方向において対向して配置されている連結金具20aに対し一方面22eを逆向きに向けて配置されている。そして、例えばz方向に連結する2つの土留部材10a及び10cの連結部12aに着目したときに、土留部材10のθ方向(周方向)に隣り合って配置されている連結金具20は、方向が互いに逆向きになるように配置されている。
図19に示す例においては、2つの土留部材10a及び10cの連結部12aには6個の連結金具20が配置されているため、連結金具20a、20e及び20dが正方向となり、連結金具20b、20f及び20cが逆方向となるように交互に配置できる。
これに対し、例えば連結部12aに5個の連結金具20が設置される場合には、交互に配置することができないため、まず、軸方向連結部11に近い連結金具20a及び20cの方向を決め、この連結金具20a及び20cに隣り合う連結金具20b及び20dをそれぞれ連結金具20a及び20cに対し逆向きになるように設置する。つまり、z方向に連結された2つの土留部材10の連結部12において両端の軸方向連結部11に最も近い連結金具20を互いに逆向きになるように配置したうえで、その連結金具20に隣り合って配置された連結金具20を逆向きに配置する。このように構成されることにより、z方向に連結された2つの土留部材10に相対変位が生じた場合であっても、連結部12に設置された連結金具20の外れを抑えることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10 土留部材、10A 土留部材、10B 土留部材、10a (第1)土留部材、10b (第1)土留部材、10c (第2)土留部材、10d (第3)土留部材、11 軸方向連結部、12 連結部、12a (第1)連結部、12b (第2)連結部、13 フランジ部、13a 連結孔、13b 先端部、13c 裏面、14 本体、15 ウェブ部、16 内側フランジ部、17 外側フランジ部、19 連結プレート、20 連結金具、20a (第1)連結金具、20b (第1)連結金具、20c (第2)連結金具、20d 連結金具、20e (第1)連結金具、20f (第1)連結金具、20g 連結金具、20g1 連結金具、20g2 連結金具、20g3 連結金具、20g4 連結金具、21 先端部、21a 先端、21b 板面、22 連結金具本体、22a 挟持側端部、22b 差込み側端部、22c 端縁、22d 端縁、23 挟持部、23b 当接部、25 差込み部、26 凸部、50 環状体、50A 環状体、50B 環状体、92 地山、93 空間部、100 土留構造、100A 土留構造、120 連結金具、200 土留構造、1100 土留構造、C 中心軸、N 中立軸。

Claims (14)

  1. 第1方向に端部の位置をずらした複数の土留部材を、複数の連結部材を用いて前記第1方向に直交する第2方向に複数連結して構築され、地山の土砂を前記複数の土留部材で抑え空間部を形成する土留構造であって、
    前記複数の土留部材のそれぞれは、
    地山に沿って配置される本体と、
    前記本体の前記第2方向の縁から前記空間部に向かって突出するフランジ部と、を備え、
    前記フランジ部は、
    当該フランジ部の厚さ方向に貫通する連結孔が形成され、
    前記複数の連結部材は、
    複数の連結金具を含み、
    前記複数の連結金具は、
    隣接する前記複数の土留部材の前記フランジ部を重ねて形成される連結部に取り付けられ、
    連結金具本体と、
    前記連結金具本体を構成する部材の一端を前記連結金具本体の一方面側に折り曲げることにより形成された差込み部と、
    前記連結金具本体を構成する部材の他端を、前記一方面側にU字状に折り曲げることにより形成された挟持部と、を備え、
    前記差込み部は、
    隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれに形成された前記連結孔に挿通され、
    前記挟持部は、
    隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれの前記フランジ部を重ねた状態で挟持し、
    前記複数の連結金具は、
    第1連結金具と、前記第1連結金具に対し前記一方面を異なる方向に向けた状態で前記連結部に設置される第2連結金具と、を含む、土留構造。
  2. 前記複数の土留部材は、
    第1土留部材と、
    前記第1土留部材に対し前記第1方向の端部の位置をずらし、前記第2方向において前記第1土留部材の一方の前記フランジ部に連結される第2土留部材と、
    前記第1土留部材に対し前記第1方向の端部の位置をずらし、前記第2方向において前記第1土留部材の他方の前記フランジ部に連結される第3土留部材と、を含み、
    前記第1土留部材と前記第2土留部材との前記連結部を第1連結部とし、前記第1土留部材と前記第3土留部材との前記連結部を第2連結部としたときに、
    前記第2連結部に設置される前記複数の連結金具のうち少なくとも前記第1土留部材の最も端には前記第2連結金具が配置され、
    前記第1連結部に設置される前記複数の連結金具のうち前記第2連結金具に対向する位置に前記第1連結金具が配置される、請求項1に記載の土留構造。
  3. 前記複数の土留部材は、
    第1土留部材と、
    前記第1土留部材に対し前記第1方向の端の位置をずらし、前記第2方向において前記第1土留部材の一方の前記フランジ部に連結される第2土留部材と、
    前記第1土留部材に対し前記第1方向の端の位置をずらし、前記第2方向において前記第1土留部材の他方の前記フランジ部に連結される第3土留部材と、を含み、
    前記第1土留部材と前記第2土留部材との前記連結部を第1連結部とし、前記第1土留部材と前記第3土留部材との前記連結部を第2連結部としたときに、
    前記第2連結部において、前記第2連結金具は、
    前記第1連結金具よりも前記第1土留部材の端に近い位置に配置される、請求項1に記載の土留構造。
  4. 前記第2連結部に設置される前記複数の連結金具のうち前記第1土留部材の端に配置されている複数の連結金具が前記第2連結金具である、請求項2又は3に記載の土留構造。
  5. 前記第2連結部に設置される前記複数の連結金具のうち前記第1土留部材の端に配置されている前記第2連結金具に前記第1方向において隣り合って前記第1連結金具が配置されている、請求項2又は3に記載の土留構造。
  6. 前記複数の土留部材のそれぞれは、
    前記本体の前記第1方向の縁に設けられた連結プレートを備え、
    前記連結プレートは、
    当該連結プレートの厚さ方向に貫通する連結孔が形成され、
    前記複数の連結金具は、
    隣接する前記複数の土留部材の前記連結プレートを重ねて形成される軸方向連結部に取り付けられ、
    前記差込み部は、
    前記第1方向に隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれに形成された前記連結孔に挿通され、
    前記挟持部は、
    隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれの前記連結プレートを重ねた状態で挟持し、
    前記複数の連結金具は、
    第3連結金具と、前記第3連結金具に対し前記一方面を異なる方向に向けた状態で前記連結部に設置される第4連結金具と、を含む、請求項1~5の何れか1項に記載の土留構造。
  7. 第1方向に端部の位置をずらした複数の土留部材を、複数の連結部材を用いて前記第1方向に直交する第2方向に複数連結して構築され、地山の土砂を前記複数の土留部材で抑え空間部を形成する土留構造であって、
    前記複数の土留部材のそれぞれは、
    地山に沿って配置される本体と、
    前記本体の前記第1方向の縁に設けられた連結プレートと、
    前記本体の前記第2方向の縁から前記空間部に向かって突出するフランジ部と、を備え、
    前記連結プレートは、
    当該連結プレートの厚さ方向に貫通する連結孔が形成され、
    前記複数の連結部材は、
    複数の連結金具を含み、
    前記複数の連結金具は、
    隣接する前記複数の土留部材の前記連結プレートを重ねて形成される軸方向連結部に取り付けられ、
    連結金具本体と、
    前記連結金具本体を構成する部材の一端を前記連結金具本体の一方面側に折り曲げることにより形成された差込み部と、
    前記連結金具本体を構成する部材の他端を、前記一方面側にU字状に折り曲げることにより形成された挟持部と、を備え、
    前記差込み部は、
    隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれに形成された前記連結孔に挿通され、
    前記挟持部は、
    隣接して位置する前記複数の土留部材のそれぞれの前記フランジ部を重ねた状態で挟持し、
    前記複数の連結金具は、
    第3連結金具と、前記第3連結金具に対し前記一方面を異なる方向に向けた状態で前記軸方向連結部に設置される第4連結金具と、を含む、土留構造。
  8. 前記軸方向連結部に設置される前記複数の連結金具のうち前記第3連結金具に前記第2方向において隣り合って前記第4連結金具が配置されている、請求項6又は7に記載の土留構造。
  9. 前記第2方向は、重力方向である、請求項1~8の何れか1項に記載の土留構造。
  10. 前記挟持部の折曲げ部は、前記連結金具本体の長手方向に対して斜めに形成されている、請求項1~9の何れか1項に記載の土留構造。
  11. 前記差込み部の先端部は、
    前記フランジ部に沿った方向に折り曲げられ、前記差込み部を、前記連結孔に差し込んだ状態で、前記連結孔の周囲の裏面に当接し、
    前記フランジ部は、
    前記連結孔に差し込まれた前記差込み部を中心として、前記連結金具本体を回動させることにより、前記挟持部に入り込み、挟持される、請求項1~10の何れか1項に記載の土留構造。
  12. 前記挟持部の入口の開口幅は、
    重なった前記フランジ部の厚さより狭く形成されている、請求項1~11の何れか1項に記載の土留構造。
  13. 前記挟持部の幅は、
    前記差込み部の幅より広く形成されている、請求項1~12の何れか1項に記載の土留構造。
  14. 複数の連結部材は、
    ボルト及びナットにより構成される締結部材を含む、請求項1~13の何れか1項に記載の土留構造。
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