JP2024075856A - 土留パネル - Google Patents

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正宏 林
翔悟 原
崇大 若山
史記 大西
永津 省吾
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【課題】組み立てが容易であり且つ加工費も軽減でき、土圧等に応じた剛性を有することができる土留パネルを提供する。【解決手段】土留パネルは、地面を掘削して形成された掘削孔に土留構造物を構築するために用いられる。土留パネルは、掘削孔の壁面に面する平板状のウェブ部と、掘削孔の孔軸方向におけるウェブ部の一方の対向する端部に設けられた平板状の第1フランジ部と、掘削孔の周方向におけるウェブ部の他方の対向する端部に設けられた平板状の一対の第2フランジ部と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、断面剛性が高い土留パネルに関する。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、地面を掘削して形成された掘削孔に波付け鋼板を有する土留パネルを組み立てて構築された土留構造物が知られている。土留構造物は、掘削孔の壁面に沿って複数の土留パネルを環状に配置して形成された構造体を、孔軸方向に積み重ねて構築される。
土留構造物は、掘削孔の深度が深くなるにつれて地山側からの土圧が大きくなり、波付け鋼板だけでは剛性が足りない場合がある。また、深度の深さにかかわらず、土質の条件等により、土圧や水圧が作用し外力が大きい場合もある。更に、孔軸方向の深度が深くなるにつれて、上方に配置された構造体の自重が下方に配置された構造体に作用する。このため、土留構造物では、剛性が足りない箇所において、上下に隣り合う波付け鋼板の間に補強リングと呼ばれるH形鋼を挟み込み剛性を高めている。
特開2020-066845号公報
しかしながら、補強リングの施工は、煩雑で手間が掛かるため、工期が長引き工費が嵩む問題がある。そのため、補強リングの設置を省略できる土留構造物を構築するための土留パネルが望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、組み立てが容易であり且つ加工費も軽減でき、土圧等に応じた剛性を有することができる土留パネルを提供することを目的とする。
本発明に係る土留パネルは、地面を掘削して形成された掘削孔に土留構造物を構築するために用いられる土留パネルであって、前記掘削孔の壁面に面する平板状のウェブ部と、前記掘削孔の孔軸方向における前記ウェブ部の一方の対向する端部に設けられた平板状の第1フランジ部と、前記掘削孔の周方向における前記ウェブ部の他方の対向する端部に設けられた平板状の一対の第2フランジ部と、を備えているものである。
本発明では、平板状のウェブ部と、平板状の第1フランジ部及び平板状の第2フランジ部とを組み合わせて構成するので、組み立てが容易であり且つ加工費も軽減でき、土圧等に応じた剛性を有することができる。
実施の形態1に係る土留パネルを用いた土留構造物の一例を模式的に示した正面図である。 実施の形態1に係る土留パネルを用いた土留構造物の一例を模式的に示した斜視図である。 実施の形態1に係る土留パネルの斜視図である。 実施の形態1に係る土留パネルの縦断面図である。 実施の形態1に係る土留パネルを上下に配置して連結した状態を示した説明図である。 実施の形態1に係る土留パネルを掘削孔の周方向に配置して連結した状態を示した説明図である。 実施の形態1に係る土留パネルの変形例を示した斜視図である。 図7に示した変形例の土留パネルの縦断面図である。 図7に示した変形例の土留パネルを上下に配置して連結した状態を示した説明図である。 実施の形態1における土留構造物に用いられる波付け鋼板の一例を示した斜視図である。 図10に示した波付け鋼板の縦断面図である。 実施の形態1における波付け鋼板の異なる形態を示した縦断面図である。 実施の形態1に係る土留パネルを用いた土留構造物の構築工法の一例を模式的に示した説明図である。 実施の形態2に係る土留パネルの斜視図である。 実施の形態2に係る土留パネルの縦断面図である。 実施の形態3に係る土留パネルの斜視図である。 実施の形態3に係る土留パネルの縦断面図である。 実施の形態4に係る土留パネルの斜視図である。 実施の形態4に係る土留パネルの縦断面図である。 実施の形態4に係る土留パネルの変形例1の縦断面図である。 実施の形態4に係る土留パネルの変形例2の縦断面図である。 実施の形態4に係る土留パネルの変形例3の縦断面図である。 実施の形態4に係る土留パネルの変形例4の縦断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、上、下、左及び右等)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上の記載であり、装置、器具、あるいは部品等の配置、方向及び向きを限定するものではない。
実施の形態1.
先ず、本実施の形態1に係る土留パネル1を用いた土留構造物100の一例を図1及び図2を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係る土留パネル1を用いた土留構造物100の一例を模式的に示した正面図である。図2は、実施の形態1に係る土留パネル1を用いた土留構造物100の一例を模式的に示した斜視図である。なお、図2は、図1の一部を抜き出した一例を示している。
土留構造物100は、例えば構造物の基礎や下水道等を構築するための立坑、又は地中に構築される集水井等の構造物である。土留構造物100は、図1に示すように、地面200を掘削して形成された鉛直の掘削孔201に構築される。土留構造物100は、土留パネル1を設置して構築された第1土留構造部101と、波付け鋼板5を設置して構築された第2土留構造部102と、を備えている。
第1土留構造部101は、図1及び図2に示すように、掘削孔201の壁面に沿って、土留パネル1を環状に配置して平面視が矩形状に形成された構造体101Aを、孔軸方向(Y方向)に複数段積み重ねて構築された構成である。第1土留構造部101は、土留パネル1を千鳥状に配置して組み立てられている。なお、図2に示すように、構造体101Aの矩形の角部には、角部材6を介してL字形に加工されたコーナー部用の土留パネル1が配置されている。また、図1及び図2に示した土留構造物100の周方向(X方向)における土留パネル1の個数は、一例であってこれに限定されない。
一方、第2土留構造部102は、図1及び図2に示すように、掘削孔201の壁面に沿って、波付け鋼板5を環状に配置して平面視が矩形状に形成された構造体102Aを、孔軸方向(Y方向)に複数段積み重ねて構築された構成である。第2土留構造部102は、波付け鋼板5を千鳥状に配置して組み立てられている。なお、図1及び図2に示した土留構造物100の周方向(X方向)における波付け鋼板5の個数は、一例であってこれに限定されない。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図3~図9に基づいて第1土留構造部101について説明する。図3は、実施の形態1に係る土留パネル1の斜視図である。図4は、実施の形態1に係る土留パネル1の縦断面図である。図5は、実施の形態1に係る土留パネル1を上下に配置して連結した状態を示した説明図である。図6は、実施の形態1に係る土留パネル1を掘削孔201の周方向に配置して連結した状態を示した説明図である。
第1土留構造部101を構成する土留パネル1は、図3及び図4に示すように、掘削孔201の壁面に面する平板状のウェブ部10と、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)におけるウェブ部10の一方の対向する端部に設けられた一対の第1フランジ部11A及び11Bと、掘削孔201の周方向におけるウェブ部10の他方の対向する端部に設けられた一対の第2フランジ部12と、を備えている。上部の第1フランジ部11Aは、土留パネル1の上面を形成するものである。下部の第1フランジ部11Bは、土留パネル1の下面を形成するものである。一対の第2フランジ部12は、土留パネル1の左右の側面を形成するものである。なお、本実施の形態において、上下とは掘削孔201の孔軸方向(Y方向)であり、左右とは掘削孔201の周方向(X方向)である。
土留パネル1は、図4に示すように、ウェブ部10と第1フランジ部11A及び11Bとで断面がH形状に形成されている。土留パネル1は、ウェブ部10と、第1フランジ部11A及び11Bと、第2フランジ部12とで、掘削孔201の内部側と地山側に向かってそれぞれ開口する凹状に形成されている。掘削孔201の径方向における第1フランジ部11A及び11Bの幅Bは、掘削孔201の土質及び深度等によって仕様が変わるが、例えば100mm~400mm程度である。また、孔軸方向(Y方向)における土留パネル1の高さHは、例えば土留構造物100を構築する作業者の安全性と効率を考慮して、500mmを標準とし、500mm~1000mm程度範囲で設計される。なお、ウェブ部10の厚さは、一例として8mm程度である。第1フランジ部11A及び11Bの厚さは、一例として12mm程度である。
ウェブ部10と第1フランジ部11A及び11Bは、ロールH形鋼として形成してもよいし、ビルドH形鋼として形成してもよい。ロールH形鋼とは、圧延により形成されたH形鋼である。ビルドH形鋼とは、一対の第1フランジ部11A及び11Bとなる一対の鋼板と、ウェブ部10となる鋼板と、を溶接接合してH形状となるように形成されたものである。なお、ロールH形鋼は、ビルドH形鋼と比べて安価に製造できるため、土留パネル1を製造する上で好適である。
第1フランジ部11A及び11Bには、図3に示すように、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)に積み重ねた上下に隣り合う土留パネル1同士、又は土留パネル1と波付け鋼板5とを連結するための連結孔11aが長手方向に沿って複数形成されている。上下に隣り合う土留パネル1は、図5に示すように、上部の第1フランジ部11Aと下部の第1フランジ部11Bとを突き合わせ、連結孔11aに挿通したボルト13aの軸部をナット13bで締結することで連結される。なお、連結孔11aは、中立軸から位置がずれた掘削孔の内部側に形成されている。掘削孔201の内部で作業者が土留パネル1の連結作業を行うためである。また、上下に隣り合う土留パネル1の第1フランジ部11A及び11Bを連結する手段は、ボルト13a及びナット13bに限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した連結孔11aの個数は、一例であって、これに限定されるものではない。
一対の第2フランジ部12は、一例として厚さ12mm程度の鋼板である。なお、第2フランジ部12の厚さは、土留構造物100に必要な強度及び剛性に応じて決定される。一対の第2フランジ部12は、図3及び図4に示すように、ウェブ部10及び第1フランジ部(11A及び11B)の両端面に溶接されて接合されている。第2フランジ部12には、掘削孔201の周方向(X方向)に配置した左右に隣り合う土留パネル1を連結するための連結孔12aが複数形成されている。左右に隣り合う土留パネル1は、図6に示すように、第2フランジ部12を突き合わせ、互いの連結孔12aに挿通したボルト14aの軸部をナット14bで締結することで連結される。なお、左右に隣り合う土留パネル1の第2フランジ部12を連結する手段は、ボルト14a及びナット14bに限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した連結孔12aの個数は一例であって、これに限定されない。
なお、土留パネル1は、ウェブ部10と第1フランジ部11A及び11BとをビルドH形鋼で形成された場合、ウェブ部10の板厚を薄くすることができるため、上下の第1フランジ部11A及び11Bの間に配置され、製造時、運搬時、及び施工時における土留パネル1の形状を保持する形状保持部材(図示省略)を設けてもよい。形状保持部材は、例えば鋼板等から成る板状部材、又は鉄筋棒等から成る棒状部材で構成するとよい。なお、形状保持部材の形状及び設置個数は、例えば土留パネル1の大きさ及び形状等を考慮して決定される。また、形状保持部材は、必ずしも設ける必要はなく、省略してもよい。ビルドH形鋼のようにウェブ部10とフランジ部11A及び11Bとを溶接接合して形成する場合では、ウェブ部10を地山側に寄せた位置に配置させることで、連結孔11aをフランジ部11A及び11Bの中心近くに形成することができる。
図7は、実施の形態1に係る土留パネル1の変形例を示した斜視図である。図8は、図7に示した変形例の土留パネル1の縦断面図である。土留構造物100は、掘削孔201の深度が深くなるにつれて地山側からの土圧が大きくなり、剛性が足りない場合がある。また、深度の深さにかかわらず、土質の条件等により、土圧や水圧が作用し外力が大きい場合もある。このような場合に対応するため、土留パネル1は、図7及び図8に示すように、第1フランジ部11A及び11Bの長手方向に沿って延び、第1フランジ部11Aの上面及び第1フランジ部11Bの下面に設けられた補強部材15を備えた構成としてもよい。
補強部材15は、山形鋼であり、L字の一方の内面を各第1フランジ部11A及び11Bの外面に対向させて配置されている。補強部材15は、図7に示すように、一対の第2フランジ部12の間に挟まれて配置され、長手方向の両端面を第2フランジ部12の内面に突き合わせ、両端部が第2フランジ部12の内面に溶接されて接合されている。第2フランジ部12は、補強部材15の幅寸法に合わせて短手方向の幅が形成されている。
なお、補強部材15は、長手方向の両端部が第2フランジ部12の下端面又は上端面に配置され、第2フランジ部12の外面に接合された構成でもよい。要するに、補強部材15は、長手方向の両端部が第2フランジ部12に接合することができれば、第2フランジ部12の内面に接合してもよいし、第2フランジ部12の外面に接合してもよい。
一方、補強部材15は、第1フランジ部11A及び11Bには接合されておらず、L字の一方の内面を第1フランジ部11A及び11Bの外面に当接させて配置されている。このように、補強部材15は、第1フランジ部(11A及び11B)及び第2フランジ部12と一体化させた構成である。なお、補強部材15は、第1フランジ部11A及び11Bに接合されている必要はないが、第1フランジ部11A及び11Bに例えば溶接等で接合されていても特に問題はない。例えば、補強部材15は、長手方向の長さが長い場合など、形状保持のため、第1フランジ部11A及び11Bに断続溶接してもよい。
また、補強部材15には、図7に示すように、土留パネル1の第1フランジ部11A及び11Bに形成された連結孔11aに対応する位置に接合孔15aが形成されている。
なお、補強部材15は、各第1フランジ部11A及び11Bに対向させて配置された構成を示したが、これに限定されず、上部の第1フランジ部11A又は下部の第1フランジ部11Bにのみ設けてもよい。また、補強部材15は、図示した山形鋼に限定されず、H形鋼又は溝形鋼を用いてもよいし、鋼板を組み合わせてH形状、T形状、L形状、凹形状等に形成した構成でもよい。
図9は、図7に示した変形例の土留パネル1を上下に配置して連結した状態を示した説明図である。図7及び図8に示した土留パネル1を上下に配置して連結する場合には、図9に示すように、互いの補強部材15の一方の外面を上下に突き合わせて連結孔11a及び接合孔15aの位置を合わせ、互いの連結孔11a及び接合孔15aにボルト13aの軸部を通し、該軸部をナット13bで締結する。これにより、上下に隣り合う土留パネル1の補強部材15は、土留パネル1の第1フランジ部11A及び11Bと共にボルト13a及びナット13bで接合されて連結されることになる。
なお、補強部材15は、上記したようにH形鋼や溝形鋼、鋼板を組み合わせてH形状や凹形状等に形成した構成とした場合がある。この場合であっても、土留パネル1のウェブ部10と、H形鋼や溝形鋼等のフランジとの間に、十分な隙間を確保することができる。そのため、上下に隣り合う土留パネル1の第1フランジ部11A及び11Bをボルト接合する作業、及び左右に隣り合う土留パネル1の第2フランジ部12をボルト接合する作業を容易に行うことができる。
なお、図3に示した土留パネル1を上部に配置し、図7に示した土留パネル1を下部に配置して連結する場合には、上部の土留パネル1の第1フランジ部11Bを、下部の土留パネル1の補強部材15の一方の外面に突き合わせ、互いの連結孔11a及び接合孔15aの位置を合わせる。そして、下部の土留パネル1の連結孔11a及び接合孔15aと、上部の土留パネル1の連結孔11aにボルト13aを挿通し、ボルト13aの軸部をナット13bで締結する。このように、下部の土留パネル1の補強部材15は、第1フランジ部11Aと共に、上部の土留パネル1の第1フランジ部11Bにボルト13a及びナット13bで接合されることになる。なお、図3に示した土留パネル1を下部に配置し、図7に示した土留パネル1を上部に配置して連結する場合も同じ要領で連結される。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図10~図12に基づいて第2土留構造部102について説明する。図10は、実施の形態1における土留構造物100に用いられる波付け鋼板5の一例を示した斜視図である。図11は、図10に示した波付け鋼板5の縦断面図である。
波付け鋼板5は、例えば図10及び図11に示したように、波形断面が角波状となるように屈曲形成された構成である。波付け鋼板5は、例えば厚さが2.7mm~7mm程度である。波付け鋼板5は、上端縁及び下端縁に沿って設けられた周方向フランジ部50と、長手方向の両端縁に沿って設けられた軸方向フランジ部51と、を有している。周方向フランジ部50は、波付け鋼板5の上端縁及び下端縁から掘削孔201の内部に向かって突出するように曲げ加工されて形成されている。軸方向フランジ部51は、波付け鋼板5の長手方向の両端縁に溶接されたプレートによって形成されている。
周方向フランジ部50には、孔軸方向(Y方向)に積み重ねた上下に隣り合う波付け鋼板5同士、又は波付け鋼板5と土留パネル1とを連結するための連結孔50aが掘削孔201の周方向(X方向)に沿って複数形成されている。上下に隣り合う波付け鋼板5は、周方向フランジ部50を突き合わせ、例えば連結孔50aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。また、上下に隣り合う土留パネル1と波付け鋼板5は、第1フランジ部11A又は11Bと周方向フランジ部50とを突き合わせ、連結孔11a及び40aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。なお、上下に隣り合う波付け鋼板5の周方向フランジ部50を連結する手段は、ボルト及びナットに限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、上下に隣り合う土留パネル1と波付け鋼板5を連結する手段は、ボルト及びナットに限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した連結孔50aの個数は一例であって、これに限定されない。
軸方向フランジ部51には、掘削孔201の周方向(X方向)に配置した隣り合う波付け鋼板5同士を連結するための連結孔51aが孔軸方向(Y方向)に沿って複数形成されている。周方向(X方向)に隣り合う波付け鋼板5は、軸方向フランジ部51を突き合わせ、連結孔51aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。なお、周方向(X方向)に隣り合う波付け鋼板5の軸方向フランジ部51を連結する手段は、ボルト及びナットに限定されず、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した連結孔51aの個数は一例であって、これに限定されない。
図12は、実施の形態1における波付け鋼板5の異なる形態を示した縦断面図である。波付け鋼板5は、図12に示したように、波形断面がサインカーブ状に形成されたライナープレートでもよい。土留構造物100では、掘削孔201の深度が深くなるにつれて地山側からの土圧が大きく、更に上方に配置された構造体102Aの自重が下方に配置された構造体102Aに作用する。そのため、土留構造物100の形状及び大きさ、地山側からの土圧の大きさに応じて、波形断面が角波状となるように屈曲形成された波付け鋼板5と波形断面がサインカーブ状に形成された波付け鋼板5とを適宜選択して使用される。
なお、図10~図12に示した波付け鋼板5は、一例であって、これらの構成に限定されない。波付け鋼板5は、他の波形断面からなる構成でもよい。
次に、上記土留構造物100の構築工法の一例を、図13を参照して説明する。図13は、実施の形態1に係る土留パネル1を用いた土留構造物100の構築工法の一例を模式的に示した説明図である。先ず、図13(A)に示すように、地面200に土留構造物100を構築するための掘削孔201を形成する。掘削孔201は、土留構造物100の外径よりも例えば20cm程度の大きい外径で形成される。掘削孔201の深さは、一例として0.5m~1.5m程度である。そして、掘削孔201の壁面に沿って波付け鋼板5を環状に配置して構造体102Aを組み立てる。
構造体102Aは、掘削孔201の壁面の周方向に沿って波付け鋼板5を順に配置し、左右に隣り合う波付け鋼板5をボルト及びナットで連結して組み立てられる。上段の構造体102Aの波付け鋼板5と、下段の構造体102Aの波付け鋼板5とは、ボルト及びナットで連結される。なお、上段の構造体102Aの波付け鋼板5と下段の構造体102Aの波付け鋼板5は、千鳥配置となるように、周方向の位置をずらして配置される。これにより、土留構造物100は、周方向の各位置において強度及び剛性のばらつきを抑えることができる。但し、波付け鋼板5は、軸方向フランジ部51に十分な厚さを持たせれば、千鳥配置とすることなく孔軸方向(Y方向)に連続して設置してもよい。このように、構造体102Aを孔軸方向(Y方向)に沿って複数段積み重ねて(図示例の場合は3段)土留構造物100の一部が構築される。
次に、図13(B)に示すように、最上段に位置する構造体102Aを地面200に設置した井桁300で固定した後、構造体102Aの外側の掘削孔201を掘削土で埋め戻す。なお、最上段に位置する構造体102Aを地面200に固定する手段は、井桁300に限定されず、例えばコンクリートを用いてもよい。
そして、図13(C)に示すように、地盤を掘削しつつ、構造体102A及び101Aを組み立てて第2土留構造部102及び第1土留構造部101を構築し、所定の深度まで掘り進める。なお、最上段に位置する構造体102Aを井桁300で固定した後は、最下段の構造体102Aの下端に、掘削孔201の壁面の周方向に沿って土留パネル1を配置し、該土留パネル1を最下段の波付け鋼板5にボルト及びナットで連結するとともに、左右に隣り合う土留パネル1同士をボルト及びナットで連結して、構造体101Aを構築していく。また、波付け鋼板5と掘削孔201との間には、裏込注入材として、コンクリート又はモルタルが充填される。
このように、土留構造物100は、地面200を掘削して形成された鉛直の掘削孔201に、図1に示すような環状の構造体101A及び102Aを掘削孔201の孔軸方向(Y方向)に沿って複数段に積み重ねて構築される。なお、土留構造物100は、図1に示す矩形状に限定されず、例えば平面視において、円形状、小判のような形をした長円形状や、馬蹄形のようにU字状等でもよい。土留パネル1及び波付け鋼板5は、土留構造物100の形状に応じた形状で構成するものとする。
なお、第2土留構造部102は、図示した4段に限定されず、1段以上あればよい。また、本実施の形態における土留構造物100では、波付け鋼板5で構築した第2土留構造部102と、土留パネル1で構築した第1土留構造部101と、を有する構成に限定されず、図示は省略したが、土留パネル1で構築した第1土留構造部101のみで構成してもよい。また、土留構造物100では、実施の形態1に係る土留パネル1の他に、他の構成の土留パネルを組み合わせて構築してもよい。
以上のように、本実施の形態1に係る土留パネル1は、掘削孔201の壁面に面する平板状のウェブ部10と、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)におけるウェブ部10の一方の対向する端部に設けられた平板状の第1フランジ部11A及び11Bと、掘削孔201の周方向(X方向)におけるウェブ部10の他方の対向する端部に設けられた平板状の一対の第2フランジ部12と、を備えている。よって、本実施の形態1に係る土留パネル1は、平板状のウェブ部10と、平板状の第1フランジ部11及び平板状の第2フランジ部12とを組み合わせて構成するので、組み立てが容易であり且つ加工費も軽減できる。そして、土圧等に応じた剛性を有することができるので、土圧等が大きく作用する掘削孔201や掘削孔201の深度が深い部分において用いることができる。
実施の形態2.
次に、図14及び図15を参照して、本実施の形態2に係る土留パネル2を説明する。図14は、実施の形態2に係る土留パネル2の斜視図である。図15は、実施の形態2に係る土留パネル2の縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した土留パネル1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施の形態2に係る土留パネル2は、図14及び図15に示すように、掘削孔201の壁面に面する平板状のウェブ部10と、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)におけるウェブ部10の一方の対向する端部に設けられた一対の第1フランジ部11A及び11Bと、掘削孔201の周方向におけるウェブ部10の他方の対向する端部に設けられた一対の第2フランジ部12と、を備えている。上部の第1フランジ部11Aは、土留パネル1の上面を形成するものである。下部の第1フランジ部11Bは、土留パネル1の下面を形成するものである。一対の第2フランジ部12は、土留パネル2の左右の側面を形成するものである。
土留パネル2は、ウェブ部10と第1フランジ部11A及び11Bとで断面が溝形状に形成されている。土留パネル2は、ウェブ部10と、第1フランジ部11A及び11Bと、第2フランジ部12とで、掘削孔201の内部側に向かって開口する凹状に形成されている。掘削孔201の径方向における第1フランジ部11A及び11Bの幅Bは、掘削孔201の土質及び深度等によって仕様が変わるが、例えば100mm~400mm程度である。また、孔軸方向(Y方向)における土留パネル2の高さHは、例えば土留構造物100を構築する作業者の安全性と効率を考慮して、500mmを標準とし、250mm~1000mm程度範囲で設計される。なお、ウェブ部10の厚さは、一例として9mm程度である。第1フランジ部11A及び11Bの厚さは、一例として13mm程度である。
ウェブ部10と第1フランジ部11A及び11Bは、圧延により形成された溝形鋼である。なお、ウェブ部10と第1フランジ部11A及び11Bは、一対の第1フランジ部11A及び11Bとなる一対の鋼板と、ウェブ部10となる鋼板と、を溶接接合して溝形状となるように形成してもよい。なお、圧延により形成された溝形鋼は、鋼板を溶接して形成された溝形鋼と比べて安価に製造できるため、土留パネル2を製造する上で好適である。
第1フランジ部11A及び11Bには、図14に示すように、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)に積み重ねた上下に隣り合う土留パネル1同士、又は土留パネル1と波付け鋼板5とを連結するための連結孔11aが長手方向に沿って複数形成されている。実施の形態2に係る土留パネル2の連結孔11aは、第1フランジ部11A及び11Bの中心に沿って形成されている。なお、土留パネル2は、連結孔11aを利用してクレーン等で吊って移動させる場合がある。そのため、クレーン等で吊った際の重量のバランスを考慮して、連結孔11aをウェブ部10側にずらして形成してもよい。
なお、その他の構成については、上記実施の形態1に係る土留パネル1と同じ構成である。例えば実施の形態2に係る土留パネル2においても、断面剛性を高めるために、第1フランジ部11A及び11Bに補強部材15を設けてもよい。
実施の形態3.
次に、図16及び図17を参照して、本実施の形態3に係る土留パネル3を説明する。図16は、実施の形態3に係る土留パネル3の斜視図である。図17は、実施の形態3に係る土留パネル3の縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した土留パネル1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施の形態3に係る土留パネル3は、図16及び図17に示すように、掘削孔201の壁面に面する平板状のウェブ部10と、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)におけるウェブ部10の一方の対向する端部に設けられた一対の第1フランジ部11A及び11Bと、掘削孔201の周方向におけるウェブ部10の他方の対向する端部に設けられた一対の第2フランジ部12と、を備えている。上部の第1フランジ部11Aは、土留パネル3の上面を形成するものである。下部の第1フランジ部11Bは、土留パネル3の下面を形成するものである。一対の第2フランジ部12は、土留パネル3の左右の側面を形成するものである。また、土留パネル3は、ウェブ部10の中間部から突き出し、第1フランジ部11A及び11Bに並列させて設けられた第1平面部16と、第1平面部16の先端部に設けられ、ウェブ部10に並列させて設けられた第2平面部17と、を有している。
ウェブ部10、第1フランジ部11A及び11B、第1平面部16及び第2平面部17は、断面がL字状から成る2つの山形鋼30及び31と、1つのH形鋼32と、を組み合わせて形成されている。具体的には、上部に配置された山形鋼30と、下部に配置された山形鋼31との間にH形鋼32が配置され、山形鋼30及び31とH形鋼32とが溶接されて接合されている。山形鋼30及び31は、一方の屈曲面が掘削孔201の内部側に向かって突き出し、他方の屈曲面が孔軸方向(Y方向)に沿うように配置されている。H形鋼32は、一方のフランジ部の上端面を、上部の山形鋼30の孔軸方向(Y方向)に沿った屈曲面の端面に突き合わせて溶接されている。また、H形鋼32は、一方のフランジ部の下端面を、下部の山形鋼31の孔軸方向(Y方向)に沿った屈曲面の端面に突き合わせて溶接されている。なお、山形鋼30及び山形鋼31とH形鋼32とは、例えば添接板を用いてボルト接合してもよい。また、山形鋼30及び山形鋼31の孔軸方向(Y方向)に沿った屈曲面と、H形鋼32のフランジ部と、を一部ラップさせてボルト接合してもよい。
ウェブ部10は、孔軸方向(Y方向)に沿って、上段10a、中段10b及び下段10cの3つに分割されている。ウェブ部10の上段10a及び上部の第1フランジ部11Aは、1つの山形鋼30で形成されている。また、ウェブ部10の下段10c及び下部の第1フランジ部11Bは、1つの山形鋼31で形成されている。そして、ウェブ部10の中段10b、第1平面部16及び第2平面部17は、H形鋼32で形成されている。ウェブ部10の中段10b及び第2平面部17は、H形鋼32のフランジに相当する。第1平面部16は、H形鋼32のウェブに相当する。
掘削孔201の径方向における第1フランジ部11A及び11Bの幅Bは、掘削孔201の土質及び深度等によって仕様が変わるが、例えば100mm~400mm程度である。また、孔軸方向(Y方向)における土留パネル3の高さHは、例えば土留構造物100を構築する作業者の安全性と効率を考慮して、500mmを標準とし、500mm~1000mm程度範囲で設計される。なお、ウェブ部10の厚さは、一例として12mm程度である。第1フランジ部11A及び11Bの厚さは、一例として12mm程度である。
2つの山形鋼30及び31と、1つのH形鋼32は、それぞれ圧延により形成されている。但し、山形鋼30及び31は、2枚の鋼板を溶接接合して山形状となるように形成してもよい。また、H形鋼32は、フランジとなる一対の鋼板と、ウェブとなる鋼板と、を溶接接合して形成してもよい。なお、圧延により形成された山形鋼30及び31とH形鋼32は、鋼板を溶接して形成された構成と比べて安価に製造できるため、土留パネル3を製造する上で好適である。
更に、土留パネル3は、それぞれ1枚の鋼板とした、ウェブ部10、一対の第1フランジ部11A及び11B、第1平面部16及び第2平面部17を溶接接合して形成してもよい。また、土留パネル3は、ウェブ部10と一対の第1フランジ部11A及び11Bとを溝形鋼とし、第1平面部16となる鋼板と、第2平面部17となる鋼板を溶接接合して形成してもよい。
なお、その他の構成については、上記実施の形態1に係る土留パネル1と同じ構成である。例えば実施の形態3に係る土留パネル3においても、断面剛性を高めるために、第1フランジ部11A及び11Bに補強部材15を設けてもよい。
実施の形態4.
次に、図18及び図19を参照して、本実施の形態4に係る土留パネル4を説明する。図18は、実施の形態4に係る土留パネル4の斜視図である。図19は、実施の形態4に係る土留パネル4の縦断面図である。なお、実施の形態1で説明した土留パネル1と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。
本実施の形態4に係る土留パネル4は、図18及び図19に示すように、掘削孔201の壁面に面する平板状のウェブ部10と、掘削孔201の孔軸方向(Y方向)におけるウェブ部10の一方の対向する端部に設けられた一対の第1フランジ部11A及び11Bと、掘削孔201の周方向におけるウェブ部10の他方の対向する端部に設けられた一対の第2フランジ部12と、を備えている。上部の第1フランジ部11Aは、土留パネル4の上面を形成するものである。下部の第1フランジ部11Bは、土留パネル4の下面を形成するものである。一対の第2フランジ部12は、土留パネル4の左右の側面を形成するものである。また、土留パネル4は、ウェブ部10の中間部から突き出し、第1フランジ部11A及び11Bに並列させて設けられた第1平面部16を有している。
ウェブ部10、第1フランジ部11A及び11B、第1平面部16は、断面が溝形状から成る2つの溝形鋼40及び41を上下に積み重ねて形成されている。2つの溝形鋼40及び41は、開口面が掘削側に向くように孔軸方向(Y方向)に沿って積み重ねて設けられている。ウェブ部10は、孔軸方向(Y方向)に沿って、上段10aと下段10cの2つに分割されている。ウェブ部10の上段10aは、上部の溝形鋼40のウェブで形成されている。ウェブ部10の下段10cは、下部の溝形鋼41のウェブで形成されている。上部の第1フランジ部11Aは、上部の溝形鋼40の上部フランジによって形成されている。下部の第1フランジ部11Bは、下部の溝形鋼41の下部フランジによって形成されている。そして、第1平面部16は、上部の溝形鋼40の下部フランジと、下部の溝形鋼41の上部フランジとを重ね合わせて、溶接接合又はボルト接合されて形成されている。
掘削孔201の径方向における第1フランジ部11A及び11Bの幅Bは、掘削孔201の土質及び深度等によって仕様が変わるが、例えば100mm~400mm程度である。また、孔軸方向(Y方向)における土留パネル4の高さHは、例えば土留構造物100を構築する作業者の安全性と効率を考慮して、500mmを標準とし、500mm~1000mm程度範囲で設計される。なお、ウェブ部10の厚さは、一例として12mm程度である。第1フランジ部11A及び11Bの厚さは、一例として12mm程度である。
溝形鋼40及び41は、それぞれ圧延により形成されている。但し、溝形鋼40及び41は、複数枚の鋼板を溶接接合して溝形状となるように形成してもよい。なお、圧延により形成された溝形鋼40及び41は、鋼板を溶接して形成された構成と比べて安価に製造できるため、土留パネル4を製造する上で好適である。
更に、土留パネル4は、それぞれ1枚の鋼板とした、ウェブ部10、一対の第1フランジ部11A及び11B、及び第1平面部16を溶接接合して形成してもよい。また、土留パネル4は、ウェブ部10と一対の第1フランジ部11A及び11Bとを溝形鋼とし、第1平面部16となる鋼板を溶接接合して形成してもよい。また、土留パネル4は、2つの溝形鋼40及び41を上下に積み重ねた構成に限定されない。土留パネル4は、断面が溝形状から成る3つ以上の鋼材を上下に積み重ねて形成してもよい。この場合、第1平面部16も複数有することになる。
なお、その他の構成については、上記実施の形態1に係る土留パネル1と同じ構成である。例えば実施の形態4に係る土留パネル4においても、断面剛性を高めるために、第1フランジ部11A及び11Bに補強部材15を設けてもよい。
図20~図23を参照して、本実施の形態4に係る土留パネル4の変形例1~4を説明する。図20は、実施の形態4に係る土留パネル4の変形例1の縦断面図である。図21は、実施の形態4に係る土留パネルの変形例2の縦断面図である。図22は、実施の形態4に係る土留パネルの変形例3の縦断面図である。図23は、実施の形態4に係る土留パネルの変形例4の縦断面図である。
図20に示した土留パネル4Aは、孔軸方向(Y方向)に沿って上下に配置した上部の溝形鋼40と下部の溝形鋼41との間に、断面がH形状から成る補剛部材7を設けて剛性を高めた構成とされている。補剛部材7は、圧延により形成されたH形鋼であるが、ビルドH形鋼でもよい。ビルドH形鋼の場合は、鋼板を組み合わせてH形状としてもよいし、2つの溝形鋼を組み合わせてH形状としてもよい。補剛部材7は、ウェブ70の上面を上部の溝形鋼40の下部フランジと当接させ、ウェブ70の下面を下部の溝形鋼41の上部フランジと当接させて設けられている。補剛部材7のウェブ70と、上部の溝形鋼40の下部フランジとは、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7のウェブ70と、下部の溝形鋼41の上部フランジとは、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7は、一方のフランジ71がウェブ部10の外面側に配置され、他方のフランジ72が第1平面部16よりも前方に配置されている。補剛部材7の長手方向の両端面は、一対の第2フランジ部12に溶接されて接合されている。なお、補剛部材7は、図20に示すように、第2フランジ部12の範囲に収まる大きさに限定されず、例えばフランジ71及び72が第2フランジ部12からはみ出す大きさとしてもよい。
また、図21に示した補剛部材7Aは、断面がL字状からなる鋼材である。補剛部材7Aは、圧延により形成された山形鋼でもよいし、鋼板を組み合わせてL字状とした構成でもよい。補剛部材7Aは、一方の平面部70Aの上面に上部の溝形鋼40の下部フランジと当接させ、該平面部70Aの下面に下部の溝形鋼41の上部フランジを当接させて設けられている。補剛部材7Aの平面部70Aと、上部の溝形鋼40の下部フランジとは、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7Aの平面部70Aと、下部の溝形鋼41の上部フランジとは、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7Aの長手方向の両端面は、一対の第2フランジ部12に溶接されて接合されている。補剛部材7Aの他方の平面部71Aは、第1平面部16よりも前方に配置されている。このように補剛部材7Aの他方の平面部71Aを配置することで、土留パネル4Aの中立軸が中心軸に近づきバランスのよい断面となる。なお、補剛部材7Aの他方の平面部71Aは、図21において下方に向かって配置されているが、上方に向かって配置させてもよい。
図22に示した補剛部材7Bは、断面がT字状から成る鋼材である。補剛部材7Bは、図22に示すように、圧延により形成された2つの山形鋼70B及び71Bを組み合わせて形成してもよいし、図示は省略したが、圧延により形成されたT形鋼で構成してもよい。或いは鋼板を組み合わせて断面をT字状とした構成でもよい。補剛部材7Bは、上下の溝形鋼40及び41に、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7Bの長手方向の両端面は、一対の第2フランジ部12に溶接されて接合されている。なお、補剛部材7Bは、T字の一方の平面が、第1平面部16よりも前方に配置されている。土留パネル4Aの中立軸が中心軸に近づきバランスのよい断面とするためである。
また、図23に示した補剛部材7Cは、断面が凹状から成る鋼材である。補剛部材7Cは、圧延により形成された溝形鋼でもよいし、鋼板を組み合わせて断面を凹状とした構成でもよい。補剛部材7Cは、上下の溝形鋼40及び41に、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7Cの長手方向の両端面は、一対の第2フランジ部12に溶接されて接合されている。なお、補剛部材7Cのフランジは、図23において下方に向かって配置されているが、上方に向かって配置させてもよい。
なお、土留パネル4Aは、断面が溝形状から成る3つ以上の鋼材を積み重ねて形成してもよい。この場合、少なくとも1組の隣り合う溝形鋼の間に補剛部材(7、7A、7B、7C)が設けられる。
また、土留パネル4Aは、図20~図23に示した溝形鋼40及び41に代えて、図10及び図11に示した波形断面が角波状となるように屈曲形成された波付け鋼板を用いてもよい。また、土留パネル4Aは、図20に示した溝形鋼40及び41に代えて、図12に示した波形断面がサインカーブ状に形成された波付け鋼板を用いてもよい。この場合、上記した溝形鋼40及び41と同様に、補剛部材7は、ウェブ70の上面を上部の波付け鋼板の下部フランジ(周方向フランジ部50)と当接させ、ウェブの下面を下部の波付け鋼板の上部フランジ(周方向フランジ部50)と当接させて設けられる。補剛部材7のウェブ70と、上部の波付け鋼板の下部フランジとは、溶接又はボルト接合される。また、補剛部材7のウェブ70と、下部の波付け鋼板の上部フランジとは、溶接又はボルト接合される。
以上に、土留パネル(1~4A)を実施の形態に基づいて説明したが、上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した土留パネル(1~4A)の構成は、一例であって、構成要素の一部を省略してもよいし、他の構成要素を含んでもよい。また、土留パネル1は、ウェブ部10と一対の第2フランジ部12とで断面がH形状となるように形成してもよい。また、土留パネル2は、ウェブ部10と、第2フランジ部12とで断面が溝形状となるように形成してもよい。また、図13に基づいて説明した土留構造物100の施工方法は、一例であって、上記実施の形態に限定されない。要するに、土留パネル(1~4A)は、技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
上記に説明した土留パネル(1~4A)は、以下の付記1~10に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
(付記1)
地面を掘削して形成された掘削孔に土留構造物を構築するために用いられる土留パネルであって、
前記掘削孔の壁面に面する平板状のウェブ部と、
前記掘削孔の孔軸方向における前記ウェブ部の一方の対向する端部に設けられた平板状の第1フランジ部と、
前記掘削孔の周方向における前記ウェブ部の他方の対向する端部に設けられた平板状の一対の第2フランジ部と、を備えている、土留パネル。
(付記2)
前記ウェブ部と前記第1フランジ部とで、断面がH形状に形成された構成である、付記1に記載の土留パネル。
(付記3)
前記ウェブ部と前記第1フランジ部は、圧延により形成されたH形鋼で構成されている、付記2に記載の土留パネル。
(付記4)
前記ウェブ部と前記第1フランジ部とで、断面が溝形状に形成された構成である、付記1に記載の土留パネル。
(付記5)
前記ウェブ部と前記第1フランジ部は、圧延により形成された溝形鋼で構成されている、付記4に記載の土留パネル。
(付記6)
前記ウェブ部の中間部から突き出し、前記第1フランジ部に並列させて設けられた第1平面部を更に有している、付記1に記載の土留パネル。
(付記7)
前記第1平面部の先端部に設けられ、前記ウェブ部に並列させて設けられた第2平面部を更に有している、付記6に記載の土留パネル。
(付記8)
前記ウェブ部、前記第1フランジ部及び前記第1平面部は、断面が溝形状から成る複数の鋼材を積み重ねて形成されている、付記6に記載の土留パネル。
(付記9)
前記鋼材のうち、少なくとも1組の隣り合う前記鋼材の間に、補剛部材が設けられている、付記8に記載の土留パネル。
(付記10)
前記補剛部材は、断面がH形状、L字状、T字状、又は凹状からなる鋼材である、付記9に記載の土留パネル。
(付記11)
前記ウェブ部、前記第1フランジ部、前記第1平面部及び前記第2平面部は、断面がL字状から成る2つの鋼材と、該鋼材の間に配置された断面がH形状から成る1つの鋼材と、を組み合わせて形成されている、付記7に記載の土留パネル。
(付記12)
前記第1フランジ部に沿って延び、一対の前記第1フランジ部のうち、少なくとも一方のフランジ部に設けられた補強部材を、更に備え、
前記補強部材は、前記第1フランジ部に沿って延びる両端部が、一対の前記第2フランジ部に接合されている、付記1~9のいずれか一つに記載の土留パネル。
1、2、3、4、4A 土留パネル、5 波付け鋼板、6 角部材、7、7A、7B、7C 補剛部材、10 ウェブ部、10a 上段、10b 中段、10c 下段、11A、11B 第1フランジ部、11a 連結孔、12 第2フランジ部、12a 連結孔、13a ボルト、13b ナット、14a ボルト、14b ナット、15 補強部材、15a 接合孔、16 第1平面部、17 第2平面部、30、31 山形鋼、32 H形鋼、40、41 溝形鋼、50 周方向フランジ部、50a 連結孔、51 軸方向フランジ部、51a 連結孔、70 ウェブ、71、72 フランジ、70A、71A 平面部、70B、71B 山形鋼、100 土留構造物、101 第1土留構造部、101A 構造体、102 第2土留構造部、102A 構造体、200 地面、201 掘削孔、300 井桁。

Claims (12)

  1. 地面を掘削して形成された掘削孔に土留構造物を構築するために用いられる土留パネルであって、
    前記掘削孔の壁面に面する平板状のウェブ部と、
    前記掘削孔の孔軸方向における前記ウェブ部の一方の対向する端部に設けられた平板状の第1フランジ部と、
    前記掘削孔の周方向における前記ウェブ部の他方の対向する端部に設けられた平板状の一対の第2フランジ部と、を備えている、土留パネル。
  2. 前記ウェブ部と前記第1フランジ部とで、断面がH形状に形成された構成である、請求項1に記載の土留パネル。
  3. 前記ウェブ部と前記第1フランジ部は、圧延により形成されたH形鋼で構成されている、請求項2に記載の土留パネル。
  4. 前記ウェブ部と前記第1フランジ部とで、断面が溝形状に形成された構成である、請求項1に記載の土留パネル。
  5. 前記ウェブ部と前記第1フランジ部は、圧延により形成された溝形鋼で構成されている、請求項4に記載の土留パネル。
  6. 前記ウェブ部の中間部から突き出し、前記第1フランジ部に並列させて設けられた第1平面部を更に有している、請求項1に記載の土留パネル。
  7. 前記第1平面部の先端部に設けられ、前記ウェブ部に並列させて設けられた第2平面部を更に有している、請求項6に記載の土留パネル。
  8. 前記ウェブ部、前記第1フランジ部及び前記第1平面部は、断面が溝形状から成る複数の鋼材を積み重ねて形成されている、請求項6に記載の土留パネル。
  9. 前記鋼材のうち、少なくとも1組の隣り合う前記鋼材の間に、補剛部材が設けられている、請求項8に記載の土留パネル。
  10. 前記補剛部材は、断面がH形状、L字状、T字状、又は凹状からなる鋼材である、請求項9に記載の土留パネル。
  11. 前記ウェブ部、前記第1フランジ部、前記第1平面部及び前記第2平面部は、断面がL字状から成る2つの鋼材と、該鋼材の間に配置された断面がH形状から成る1つの鋼材と、を組み合わせて形成されている、請求項7に記載の土留パネル。
  12. 前記第1フランジ部に沿って延び、一対の前記第1フランジ部のうち、少なくとも一方のフランジ部に設けられた補強部材を、更に備え、
    前記補強部材は、前記第1フランジ部に沿って延びる両端部が、一対の前記第2フランジ部に接合されている、請求項1に記載の土留パネル。
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