JP2022076997A - タングステンワイヤーロープおよびそれを用いた内視鏡用スネア - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワイヤーロープは、撚り線とすることで耐衝撃性に優れ、柔軟性に富む等の利点が有る。また繰り返し曲げられることから、耐久性に富むことも求められる。ワイヤーロープは、内視鏡用、単結晶引き上げ用、フィラメント用、精密機器の運動伝達用、などに用いられている。特に、内視鏡用に使用されるミニチュアロープは、外径を太くすることなく高強度、低伸度、高耐久、高弾性が要求される。本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性、引張強度を歩留良く改善し、より線による強度の低下を抑えたワイヤーロープやミニチュアロープを提供するためのものである。【解決手段】 実施形態にかかるタングステンワイヤーロープやミニチュアロープは、レニウムの含有量が、3wt%以上30wt%以下のタングステン素線からなり、前記素線は3本以上40本以下配置されている。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、タングステンワイヤーロープおよびそれを用いた内視鏡用スネア関する。
ワイヤーロープは、撚り線とすることで耐衝撃性に優れ、柔軟性に富む等の利点が有る。また繰り返し曲げられることから、耐久性に富むことも求められる。ワイヤーロープは、内視鏡用、単結晶引き上げ用、フィラメント用、精密機器の運動伝達用、などに用いられている。
特に、内視鏡用に使用されるワイヤーロープ(ミニチュアロープ)は、外径を太くすることなく高強度、低伸度、高耐久、高弾性が要求される。図1にポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)スネアの先端部分の例を示す。先端部と反対側に操作部(ハンドル:図無し)があり、ハンドルを操作することで、操作ワイヤー13を通じ、スネアループ11がシース12から突出、あるいは収納される。これにより大腸ポリープ等を緊縛して切除する。この内視鏡用スネアには、自身の弾性力で、切除前後でループ形状を維持するため、曲がり癖が付き難い特性が必要である。また近年では、胆石等の硬い石を砕く用途にも用いられるため、より細く、より高強度の特性が必要である。
内視鏡用に使用されるワイヤーロープは、1本の軸芯素線の周囲に6本,あるいは18本,36本など周囲素線を巻きつけた撚り線が用いられており、軸芯素線及び周囲素線としては、ステンレス(SUS)、あるいは、ステンレスとタングステン(W)など異種素材の組み合わせ、が用いられている。
特開2001-226888号公報(特許文献1)には、軸芯素線がタングステン、周囲素線がステンレスであるワイヤーロープが開示されている。周囲素線は耐摩耗性に優れたステンレスで、硬いものと擦り合わされても容易に摩耗せず、軸芯素線は引張強度の高いタングステンで、線を太くすることなく引張強度を高めることができ、タングステンの耐摩耗性の低さを補いつつ、引張強度を高めたワイヤーロープが記載されている。
特許第6631979号公報(特許文献2)には、軸芯素線がステンレス、周囲素線がタングステンである、ワイヤーロープが開示されている。軸芯素線の外周部の硬度を中心部の硬度よりも高くすることで、耐摩耗性と柔軟性を向上し、引張強度が高いワイヤーロープが記載されている。
特開2001-226888号公報 特許第6631979号公報

特許文献1では、軸芯素線にタングステンを用い、引張強度を高めようとしているが、周囲素線は従来と変わらないため、必ずしも改善効果が十分とは言えなかった。特許文献2の場合、周囲素線にタングステンを用いているが、軸芯素線の強度は変わらないため、すべての素線の強度が向上するわけではない。また、周囲素線は互いに接触しており、特許文献1に記載される、タングステンの耐摩耗性が低く、硬いものと擦り合わされるとすぐに断線してしまう欠点を、補っていない。また、軸芯素線製作の際、ダイスを用いた伸線加工により、軸芯素線断面硬度の内外差を発生させる方法は、内部に残留応力を発生させる要因となり、これによりクラックが誘発され、伸線加工での歩留を低下が生じる可能性がある。
撚り線の破断強さを「素線断面積×撚り本数」で割った値を、「素線相当の破断強さ」とする。ステンレスワイヤーロープでは、素線相当の破断強さは、素線単体の破断強さに比べ、低下する。表1には、軸芯素線,周囲素線ともにステンレスを使用した、素線サイズΦ0.12mm×7本撚りのワイヤーロープの引張試験結果を示す。
Figure 2022076997000002
本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性、引張強度を歩留良く改善し、より線による強度の低下を抑えたワイヤーロープを提供するためのものである。
前記課題を解決するために、実施形態にかかるタングステンワイヤーロープは、レニウムの含有量が、3wt%以上30wt%以下のタングステン素線からなり、前記素線は3本以上40本以下配置されている。
内視鏡スネアの先端部分の一例を示す平面断面図。 実施形態であるワイヤーロープの一例を示す断面図。 実施形態にかかるワイヤーロープの別の一例を示す断面図。 レニウム‐タングステンの2元系状態図
図2は実施形態のワイヤーロープの断面図であり、図2(a)は、中心に位置する軸芯素線22と、その軸芯素線の周りに巻き付けた6本の周囲素線23(23a、23b、23c、23d、23e、23f)と、を備えており、全体として一本の撚り線(ワイヤーロープ)として形成されている。軸芯素線22に対する周囲素線23の巻き付け方向は、いわゆるZ撚りでも、その逆方向のS撚りでも、どちらでもよい。
図2(b)は、一本の軸芯素線の周囲に19本の周囲素線を巻つけた撚り線である。図2(c)は、37本の周囲素線を巻き付けた撚り線である。図2(d)は、24本の周囲素線のみで構成した撚り線である。この撚り方は、Cross Lay または各素線の接触状態から点接触撚り(Point Contact Lay)とも呼ばれ、ほぼ同径の素線を、各層別により角がほぼ等しくなるようにより合わせたもので、各層により込まれる素線の長さが等しくなり、各層間の素線は点接触状態となる。素線の数が2本では、素線同士の接点が1か所となり、安定性がない。このため3本以上が良い。また同一径のロープでは、素線数が増加するほど線径は細くなり、ロープの柔軟性は増すが、強度は低くなり、耐摩耗性や耐形崩れ性などが劣ってくる。このため40本以下が好ましい。なお、3本以上40本以下は、軸線および周囲線の両方の素線本数を合計したものである。
図3は、径が異なる素線を使ったワイヤーロープの実施形態の例である。図3(a)はシール形(Seale)と呼ばれるもので、内層素線32,外層素線33の素線数が同数で、内層素線の凹みに外層素線が完全に収まっている。図3(b)は、ウォーリントン形(Warrington)と呼ばれるもので、外層素線には大小2種類あり、外層素線数は内層素線数の2倍で、内外層の組合わせによって隙間を少なくしてある。図3(c)はフィラー形(Filler)と呼ばれるもので、外層素線数を内層素線数の2倍とし、内外層の隙間に内層素線と同数の細い線(フィラー線)34が充填されている。図3(d)はウォーリントンシール形(Warrington Seale)と呼ばれるもので、ウォーリントン形とシール形とを組み合わせたものである。
上記実施形態のワイヤーロープを複数撚って形成するワイヤーロープも実施できる。
軸芯素線22と周囲素線23は、レニウム(Re)の含有量が3wt%以上30wt%以下のタングステン素線(ReW素線)からなる。以降、Reを含有するタングステンをReWと呼ぶことも有る。各素線のReの含有量は、範囲内であれば特に限定されるものではないが、ワイヤーロープの均質性を高めるためには、すべての素線で同じRe含有量が好ましい。なお、同じRe量とは、平均値に対し±2.0wt%以内になっていることを示す。
撚り線として引張られたとき、各素線にはねじれが加わる。これにより撚り線の素線相当の破断強さは、素線単体の破断強さよりも、低下する。弾性で伸びるほど、素線にねじれが加わるため、弾性率が低い素線ほど、撚り線の素線相当の破断強さの低下が大きくなる。素線相当の破断強さとは、撚り線の破断強さを、素線の本数分の断面積で割った値である。例えば、表1に示したように、Φ0.12mmのSUS素線の破断強さは単体で2440MPaである。素線サイズΦ0.12mm×7本撚り線の破断強さは172Nで、これを7本分の断面積で除すると、2170MPaとなる。
素線相当の破断強さは、素線の破断強さの90%より大きいことが好ましい。必要な強度をもつワイヤーロープの径を、より小さくすることができる。弾性率が高いタングステンを素線として使用することで、素線相当の破断強さの低下を防ぐことができる。そして、タングステンの耐摩耗性の低さは、Re含有量が3wt%以上のReWで改善される。
Re含有量が20wt%未満の場合、タングステン固有の難加工性は改善されず、伸線加工でワイヤーにクラックを発生し易くなる。このため、伸線工程や、撚り線工程での断線による歩留低下が生じる可能性がある。そこでRe含有量は、20wt%以上が望ましい。
図4にRe‐タングステンの2元系状態図を示す。Re含有量が41で示される28wt%程度より高くなると、タングステンとの固溶体を作れず、領域42で示されるσ相を生じる。この相は非常に硬いため、伸線加工中に破断の起点となり加工歩留を低下させたり、ワイヤーとしての使用中に、破断の起点となり、耐久性を低下させる可能性がある。そこでRe含有量は、30wt%以下が望ましい。ReW素線のRe含有量は3wt%以上30wt%以下、さらには20wt%以上30wt%以下が好ましい。
素線の強度が高いとワイヤーをより細くできるため、ReW素線の引張強度は全て3600MPa以上が好ましい。
素線の径は、0.15mm以下が望ましい。素線の径が0.15mm以下であると撚り線加工が容易となる。素線の径が0.15mmを超えると、撚り線加工が難しくなり断線が発生し易くなる。なお、素線の径の下限値は特に限定されるものではないが、0.01mm以上が好ましい。径が0.01mm未満であると、線径が細いため断線が発生する可能性がある。このため、素線の径は0.01mm以上0.15mm以下、さらには0.05mm以上0.13mm以下が好ましい。
実施形態により、より細く、より高強度で耐久性のあるタングステンワイヤーロープを実現でき、内視鏡用スネアに適用できる。また、負荷のかかる胆石等の硬い石を砕く用途にも適用できる。
次に、本実施形態に係るReW線の製造方法について説明する。製造方法は特に限定されるものではないが、例えば次のような方法が挙げられる。
W粉末とRe粉末を、Re含有量が3wt%以上、30wt%以下となるように混合する。この混合方法については特に限定するものでは無いが、水もしくはアルコール系溶液を用い、粉末をスラリー状にして混合する方法は、分散性が良好な粉末が得られることから特に好ましい。混合するRe粉末は、最大粒径が100μm未満のものが好ましい。また、平均粒径が20μm未満のものが好ましい。W粉末は、不可避不純物を除く純W粉末、もしくは、線材までの歩留を考慮したK量を含有する、ドープW粉末である。W粉末は、平均粒径が30μm未満のものが好ましい。Re粉末の最大粒径もしくは平均粒径が前記以上だと、粗大なσ相が生成しやすくなる。また、W粉末の平均粒径が前記以上だと、後工程のプレス成形時に成形性が低下し、折れや、カケや、クラック等が、成型体に発生し易くなる。
例えば、Reの含有量が18wt%を超えるW‐Re混合粉末を製造する場合、まず、Re量が18wt%以下のReW合金を、粉末冶金法や、溶解法等で製作した後、常法により微粉砕する。これに、所望する組成に対して不足分のReを混合する方法もある。以後、Reを含有したタングステン線のことを、ReW線と示すことがある。
次に、混合粉末を、所定の金型に入れてプレス成形する。この時のプレス圧力は、100MPa以上が好ましい。成形体は、取り扱いを容易にするために、水素炉にて1200~1400℃で仮焼結処理してもよい。得られた成型体は、水素雰囲気下、もしくはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下、もしくは真空下にて焼結する。焼結温度は2125℃以上が好ましい。2125℃未満であると、焼結による緻密化が十分に進まない。焼結温度の上限は、3400℃(Wの融点3422℃以下)である。焼結後の相対密度は、90%以上が好ましい。焼結体の相対密度を90%以上とすることで、後工程の転打加工(SW)で、割れ、欠け、折れ等、発生を低減することが可能となる。
成形および焼結は、水素雰囲気下、またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下、もしくは真空中でホットプレスにより同時に行っても良い。プレス圧力は100MPa以上、加熱温度は1700℃~2825℃が好ましい。このホットプレス法は、比較的低い温度でも緻密な焼結体を得られる。
本焼結工程で得られた焼結体に対し、第1の転打(SW)加工を行う。第1のSW加工は、加熱温度1300~1600℃で実施することが好ましい。1回の加熱処理(1ヒート)で加工する、断面積の減少率(減面率)は5~15%が好ましい。
第1のSW加工に変わり、圧延加工を実施してもよい。圧延加工は、加熱温度1200~1600℃で実施することが好ましい。1ヒートでの減面率は、40~75%が好ましい。圧延機としては、2方ローラ圧延機ないし4方ローラ圧延機や型ロール圧延機などが使用できる。圧延加工により、製造効率を大幅に高めることが可能となる。さらには、第1の転打加工と、圧延加工を組み合わせても良い。
第1のSW加工か、圧延加工か、を完了した焼結体(ReW棒材)に対し、第2のSW加工を実施する。第2のSW加工は、加熱温度1200~1500℃で実施することが好ましい。1ヒートでの減面率は、5~20%程度が好ましい。
第2のSW工程を終了したReW棒材に対して、次に再結晶化処理を実施する。再結晶化処理は、例えば、高周波加熱装置を用いて、水素雰囲気下、もしくはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下、もしくは真空下で、処理温度1800~2600℃の範囲で、実施することができる。
再結晶化処理を完了したReW棒材は、第3のSW加工を行う。第3のSW加工は、加熱温度1200~1500℃で実施することが好ましい。1ヒートでの減面率は、10~30%程度が好ましい。第3のSW加工は、ReW棒材が伸線加工可能な直径(好ましくは直径2~4mm)になるまで、実施される。
第3のSW加工を終了したReW棒材は、伸線加工を直径0.011~0.180mmまで行う。加工温度は600~1100℃が好ましい。加工可能温度はワイヤー径によって変わり、径が大きいほど高い。また加工温度は、Re含有量によっても変わり、含有量が高いと高い。加工可能温度より低いと、クラックや断線が多発する。加工可能温度より高いと、ReW線とダイス間での焼き付きや、ReW線の変形抵抗が低下し、引き抜き力で伸線後の直径の変動(引き細り)が生じる。減面率は15~35%が好ましい。15%より小さいと、加工での組織の内外差や残留応力が発生し、クラックの原因となる。35%より大きいと引抜力が過大となり、伸線後の直径が大きく変動し、破断する。伸線速度は、加熱装置の能力と装置からダイスまでの距離、減面率のバランスによって決まる。伸線加工の途中で、研磨加工を加えても良い。研磨加工は、例えば濃度7~15wt%の水酸化ナトリウム水溶液中で、電気化学的に研磨(電解研磨)する方法がある。同じく、ひずみを緩和する熱処理を加えても良い。
伸線加工を終えたワイヤーを電解研磨し、直径0.01~0.15mmのReW素線とする。電解率は10%以上30%以下が好ましい。この素線を公知の方法にて撚り線し、ワイヤーロープとする。またこのワイヤーロープを使用し内視鏡用スネアとする。
(実施例)
Re含有量を3wt%から33wt%までの間で変化させ、前記工程にて焼結体を製作した。この焼結体を、前記工程を経て素線とした。Re含有量と素線サイズを表2に示す。Re量は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)にて分析した。線径はレーザ線径測定機(ミツトヨ製レーザスキャンマイクロメータ)を使用し、測定間隔:0.01秒,最小表示量:0.01μm,ワイヤー速度:100m/minで全長を測定した。
素線の破断強さは、万能引張圧縮試験機(ミネベア製TGE-5kN)を使用し、測定した。試験片は、滑り止め防止の紙やすり介して、平板でチャックし、両端末を装置に固定した。標点間距離は50mmとし、10mm/minの速度で、引張試験した。破断部分が標点間に無い場合は、再測定した。
測定は3回実施し、その平均値とした。
Figure 2022076997000003
レニウム含有量が33%wt%の素線7は、第2の転打工程で破断し、0.12mmまで加工できなかった。
表3に、上記素線で実施した、各ワイヤーロープの特性を示す。比較例3は、芯線1本に素線9を、周囲素線6本に素線8を使用した。比較例3の「素線単体での破断強さ」は、使用した素線単体の破断強さを平均した値「(2440×6+2690)/7」とした。素線材質が、ステンレスからタングステンへ変わると、素線1本相当の強度と素線単体の強度比の低下が、改善した。またワイヤーロープの弾性率も、タングステンへ材質が変わる事で効果があった。ワイヤーロープの破断強さは、Re含有量の増加により向上した。Re含有量が20wt%より低い素線では、伸線加工のクラックで歩留が低下した。また線径が0.2mmの素線2を使用したワイヤーは、撚り線加工の歩留も低下した。
歩留は、伸線加工での歩留と撚り線加工での歩留の累計で算出した。伸線加工での歩留は、ワイヤーを一定速度で巻取りながら、貫通型の渦流探傷機を用い、直径に応じて設定した測定条件により検出された信号数を、クラック点数としてカウントした。0.5kgでのカウント数が5点以上を、NGとし算出した。撚り線加工での歩留は、撚り線で100mとし、製品長さを1mとして100本分に切断後、外観検査での良品数で算出した。設定した歩留に対し、20%以上悪化を「×」、20~10%悪化を「△」、10~0%を「〇」、設定以上の場合を「◎」とした。
撚り線の破断強さも、素線と同じく万能引張圧縮試験機(ミネベア製TGE-5kN)を使用し、測定した。試験片は、滑り止め防止の紙やすり介して、平板でチャックし、両端末を装置に固定した。標点間距離は50mmとし、10mm/minの速度で、引張試験した。破断部分が標点間に無い場合は、再測定した。測定は3回実施し、その平均値とした。
弾性率の機械試験による測定方法には、引張試験、圧縮試験、ねじり試験、曲げ試験等があるが、今回は、引張試験でおこなった。引張試験では試験片に引張荷重を加え、その変位を求めることにより弾性率E を算出する。
今回は万能引張圧縮試験機(ミネベア製TGE-5kN)を使用し、試験片長さ100mmに対し、50mmの位置にひずみゲージを貼付け、引張速度1mm/minで引張りながら、荷重-変位の関係を求めた。引張試験では、弾性率は次式:E=(σn+1-σn)/(εn+1-εn)で求められる。ここでEは弾性率率,σ は引張応力,εはひずみゲージの変位より求められる引張ひずみであり、(σn+1-σn)は引張荷重を変動させた時の引張応力の変化量、(εn+1-εn)は、引張荷重を変動させた時の引張ひずみの変化量である。測定は3回実施し、その平均値とした。
Figure 2022076997000004
表から判る様に、実施形態に係るワイヤーロープは、耐摩耗性(歩留)、引張強度を改善し、より線による強度の低下を抑えることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態はその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
11…スネアループ
12…シース部
13…操作ワイヤー
2(a),2(b),2(c),2(d)…ワイヤーロープ
22…軸芯素線
23a,23b,23c,23d,23e,23f…周囲素線
32…内層素線
33…外層素線
34…フィラー線
41…レニウム固溶限でのタングステンwt%
42…タングステン-レニウム σ相領域

Claims (7)

  1. レニウムの含有量が3wt%以上30wt%以下のタングステン素線からなり、前記素線は3本以上40本以下配置されたタングステンワイヤーロープ。
  2. 前記タングステン素線の引張強度は3600MPa以上である、請求項1に記載のタングステンワイヤーロープ。
  3. 前記タングステン素線の径は0.15mm以下である請求項1ないし2のいずれか1項に記載のタングステンワイヤーロープ
  4. 前記素線におけるレニウムの含有量は20wt%以上30wt%以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のタングステンワイヤーロープ
  5. 撚り線の破断強度を、素線の本数分の断面積で割った素線相当の破断強さが、素線の破断強さの90%より大きい、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のタングステンワイヤーロープ
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタングステンワイヤーロープを複数撚って形成したことを特徴とするワイヤーロープ
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載のタングステンワイヤーロープを複数撚って形成したことを特徴とする内視鏡用スネア
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023238699A1 (ja) * 2022-06-06 2023-12-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 タングステン合金線及び金属製品

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