JP2022074785A - 屋根材一体型太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】 屋根材と一体型の太陽電池モジュールに於いて、軽量及び屋根材としての折り曲げ加工の容易性と機械的強度及び耐久性との両立を達成する。【解決手段】 屋根材一体型の太陽電池モジュールaは、金属製の薄板部材5と、太陽電池セル3と該太陽電池セルを封止した樹脂層1、2、4とを含み、太陽電池セルの受光面が薄板部材の面に対して略垂直方向外方を向き薄板部材の面方向に沿って延在した状態で薄板部材の一方の面上に接着されている太陽電池モジュール部と、薄板部材の他方の面上の太陽電池モジュール部に対向した領域にて接着された補強層6、7とを含み、薄板部材が太陽電池モジュール部と補強層との間から面方向に突出した部分5sを有し、該突出した部分が薄板部材の面に対して垂直方向に曲げ加工可能となっている。【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽電池セルが配列されてなる太陽電池モジュールに係り、より詳細には、建物などの屋根を構成する板状部材(屋根材)と一体的に形成された太陽電池モジュールに係る。
太陽光発電の普及に伴い、太陽光が照射される建物や移動体などの屋根を構成する屋根材に一体的に太陽電池セルが配列されてなる太陽電池モジュールを形成した構成が種々提案されている。例えば、特許文献1に於いては、アルミニウム製ハニカムコアに面板を固着してなるハニカムパネルの面板に太陽電池モジュールを一体に設置してなり、これにより、強度、剛性を確保する構成が提案されている。特許文献2に於いては、軽量で強度、耐久性を確保された太陽電池パネルとして、ポリイミド樹脂からなる基板上に載置した太陽電池モジュールをポリエチレン樹脂層に埋設した状態のものをガラス繊維補強の樹脂シート上に載置し、更に、ポリイミド樹脂層の上にETFE層を積層した構成が提案されている。特許文献3に於いては、トラック等の車輌の荷台に設置できるように、軽量でありながら、剛性に優れ、振動や冷熱変化を受けても故障しにくい太陽電池モジュールを得るべく、太陽光受光面側から、表面保護層、光電変換層、裏面保護層の順に封止材を介して積層される太陽電池モジュールであって、該裏面保護層は、樹脂基板を該樹脂基板の材料と異なる材質の2枚の基板で挟んだ積層構造を形成した構成が提案されている。
建物や移動体の屋根のための屋根材に於いて、太陽電池モジュールを一体で構成する際には、太陽電池モジュールが、軽量且つ機械的強度、耐久性に優れると共に、屋根材としての形状加工性に優れていることが好ましい。一般的に、基板に用いる金属板の折り曲げ加工を行う場合、薄板の方が曲げ加工又は折り曲げ加工が容易であるものの、機械的強度、耐久性が低下してしまうこととなる。一方、基板の金属板を厚板とし、機械的強度、耐久性向上を図ると、曲げ加工又は折り曲げ加工は難しくなる傾向にあると共に、質量も増加し、荷重制限のある屋根への搭載が難しくなってしまう。かくして、屋根材一体型の太陽電池モジュールに於いては、太陽電池モジュールのために機械的強度及び耐久性が得られ、屋根材として軽量及び曲げ加工の容易性が得られる構成があると有利である。
従って、本発明の一つの課題は、屋根材と一体型の太陽電池モジュールに於いて、軽量及び屋根材としての折り曲げ加工の容易性と機械的強度及び耐久性との両立が達成できる構成を提供することである。
本発明によれば、上記の課題は、屋根材一体型の太陽電池モジュールであって、
金属製の薄板部材と、
太陽電池セルと該太陽電池セルを封止した樹脂層とを含み、前記太陽電池セルの受光面が前記薄板部材の面に対して略垂直方向外方を向き前記薄板部材の面方向に沿って延在した状態で前記薄板部材の一方の面上に接着されている太陽電池モジュール部と、
前記薄板部材の他方の面上の前記太陽電池モジュール部に対向した領域にて接着された補強層と
を含み、
前記薄板部材が前記太陽電池モジュール部と前記補強層との間から面方向に突出した部分を有し、該突出した部分が前記薄板部材の面に対して垂直方向に曲げ加工可能である太陽電池モジュールによって達成される。
金属製の薄板部材と、
太陽電池セルと該太陽電池セルを封止した樹脂層とを含み、前記太陽電池セルの受光面が前記薄板部材の面に対して略垂直方向外方を向き前記薄板部材の面方向に沿って延在した状態で前記薄板部材の一方の面上に接着されている太陽電池モジュール部と、
前記薄板部材の他方の面上の前記太陽電池モジュール部に対向した領域にて接着された補強層と
を含み、
前記薄板部材が前記太陽電池モジュール部と前記補強層との間から面方向に突出した部分を有し、該突出した部分が前記薄板部材の面に対して垂直方向に曲げ加工可能である太陽電池モジュールによって達成される。
上記に於いて、「屋根材」とは、建物などの屋根を構成する板状部材である。「薄板部材」は、この分野で、屋根材として通常用いられる曲げ加工又は折り曲げ加工が可能な金属製の薄板部材、例えば、ガルバリウム塗装鋼板などであってよい。「太陽電池セル」は、屋外に設置されて太陽光発電に利用される任意の形式の、例えば、シリコン系の太陽電池セルであってよい。太陽電池セルを封止する樹脂層は、太陽電池セル全体を被覆するように適用されてよく、この分野に於いて使用される透明な樹脂、例えば、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコン樹脂、アイオノマ樹脂などが利用されてよい。太陽電池モジュール部に於いては、複数枚の太陽電池セルが、薄板部材の面方向に並置された状態となっていてよい。また、かかる樹脂層の外表面には、更に、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などの透明な樹脂表面層が適用されてよい。「太陽電池セルの受光面が前記薄板部材の面に対して略垂直方向外方を向き」とは、太陽電池セルの受光面が薄板部材の面とは反対の方向を向いて外方からの太陽光を受光できるように薄板部材から外方に向いている状態となっていることである。「補強層」は、太陽電池モジュール部から見て、薄板部材の裏面に貼着され、薄板部材に於ける太陽電池モジュール部が接着されている領域の強度と耐久性とを補強するための層であり、例えば、薄板部材と同様の薄板状の部材(補強用薄板部材)が薄板部材の面に沿った状態で接着されたものであってよいが、補強用薄板部材は、金属製の材料に限らず、高剛性の樹脂材料、セラミック材料などで形成されてもよい。また、補強用薄板部材は、薄板部材に対して、太陽電池セルを封止する樹脂層と同様の樹脂層を介して接着されてよい。
上記の本発明に於いては、屋根材一体型の太陽電池モジュールは、端的に述べれば、屋根材の基板となる薄板部材の一方の面上に於いて、太陽電池セルが樹脂層に封止されてなる太陽電池モジュール部が貼着され、その領域の薄板部材の裏面にて補強層が貼着され、太陽電池モジュール部と補強層との間から薄板部材が突出した状態に構成される。かかる構成によれば、太陽電池モジュール部が貼着された領域は、補強層が貼着されることで、多層構造となり、機械的強度と耐久性とが与えられる一方、薄板部材の太陽電池モジュール部と補強層との間から突出した部分は、曲げ加工又は折り曲げ加工が可能な金属製の板状の部材が単独で構成されているので、屋根材としての折り曲げ加工が容易な状態となっている。また、屋根材に於いて、強度を得るための厚みがあるのは、太陽電池モジュール部と補強層とが接着した部分だけとなるので、屋根材全体としては、比較的軽量にすることが可能である。かくして、本発明の構成によれば、屋根材一体型の太陽電池モジュールに於いて、軽量及び屋根材としての折り曲げ加工の容易性と機械的強度及び耐久性との両立が達成可能となっている。
上記の構成に於いて、後の実施形態の欄にて記載されている如く、屋根材一体型の太陽電池モジュールは、薄板部材の太陽電池モジュール部と補強層との間から突出した部分が屋根材としての形状に曲げ加工された状態となっていてよい。
上記の本発明の屋根材一体型の太陽電池モジュールの製造に於いては、薄板部材に於いて、樹脂材料と太陽電池セルと補強用薄板部材とを積層した状態で、ラミネート装置を用い、加熱、加圧されることで、全体が一体化されてよい。屋根材のはぜ部の形状加工は、ベンダー、ロールフォーミングなどで達成されてよい。
かくして、上記の本発明によれば、太陽電池モジュールとしての機械的強度と耐久性とを有し、屋根材として有利な軽量で且つ屋根形状加工の容易性とを有する屋根材一体型の太陽電池モジュールが提供される。本発明の屋根材一体型太陽電池モジュールは、住宅、ビル、工場など建物の屋根材や移動体の屋根部分の部材として用いられてよい。また、壁や塀の一部に適用されてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
a…屋根材一体型太陽電池モジュール
1…樹脂層(表面層)
2、4…樹脂封止材
3…太陽電池セル
3x…太陽電池セルのための回路線
5…薄板部材
5s…薄板部材の折り曲げ加工部
5e…薄板部材の縁
6…樹脂接着材
7…補強用薄板部材
8…締結具(キャップ)
1…樹脂層(表面層)
2、4…樹脂封止材
3…太陽電池セル
3x…太陽電池セルのための回路線
5…薄板部材
5s…薄板部材の折り曲げ加工部
5e…薄板部材の縁
6…樹脂接着材
7…補強用薄板部材
8…締結具(キャップ)
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
屋根材一体型太陽電池モジュールの構成
本実施形態の屋根材一体型太陽電池モジュールは、建物、壁、塀などの金属板葺きの屋根を形成する屋根材として用いられてよい。図1(A)、(B)を参照して、本実施形態の屋根材一体型太陽電池モジュールaは、金属製の薄板部材5の一方の面上に、樹脂封止材4、太陽電池セル3、樹脂封止材2、樹脂表面材1が順に積層されて太陽電池モジュール部が形成され、太陽電池モジュール部の側から見て薄板部材5の裏面側に樹脂接着材6、補強用薄板部材7が順に積層されて補強層が形成され、太陽電池モジュール部と補強層との間から薄板部材5の縁領域が単独で突出した状態となるように構成される。
本実施形態の屋根材一体型太陽電池モジュールは、建物、壁、塀などの金属板葺きの屋根を形成する屋根材として用いられてよい。図1(A)、(B)を参照して、本実施形態の屋根材一体型太陽電池モジュールaは、金属製の薄板部材5の一方の面上に、樹脂封止材4、太陽電池セル3、樹脂封止材2、樹脂表面材1が順に積層されて太陽電池モジュール部が形成され、太陽電池モジュール部の側から見て薄板部材5の裏面側に樹脂接着材6、補強用薄板部材7が順に積層されて補強層が形成され、太陽電池モジュール部と補強層との間から薄板部材5の縁領域が単独で突出した状態となるように構成される。
かかる構成に於いて、薄板部材5は、屋根材として一般的に用いられているガルバリウム塗装鋼板などにより形成されてよい。太陽電池セル3は、屋外に設置される太陽光発電用に用いられる、例えば、シリコン系の光電池セルであってよく、図示の如く、通常、複数枚の太陽電池セル3が薄板部材5の面方向に沿って、それぞれ受光面が薄板部材5の面とは反対の方向を向いて、樹脂封止材2と樹脂封止材4との間に封止された状態で、並置される。樹脂封止材2と樹脂封止材4は、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコン樹脂、アイオノマ樹脂などの透光性の樹脂材料により形成されてよい。そして、樹脂封止材2の外側の樹脂表面材1は、樹脂封止材2と樹脂封止材4に封止された太陽電池セル3を保護できるように、フッ素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂などの透明性材料にて形成されてよい。また、薄板部材5に於ける太陽電池モジュール部の裏面側の補強層に於いて、補強用薄板部材7は、典型的には、薄板部材5と同様の金属製の板材であってよいが、これに限らず、高剛性の樹脂材料、セラミック材料などで形成されてもよい。樹脂接着材6は、補強用薄板部材7を薄板部材5に接着する任意の樹脂材料であってよく、樹脂封止材2と樹脂封止材4と同様の樹脂材料であってよいが、これに限定されない。
上記の屋根材一体型太陽電池モジュールの製造に於いては、各々の材料を積層した後に、ラミネート装置を用いて、加熱、加圧されることで、各層が一体化されてよい。
上記の構成に於いては、薄板部材5上にて太陽電池モジュール部1~4の貼着されている部分は、薄板部材5の裏面にて補強層6~7が貼着されているので、屋根材単独の場合に比して、より高い機械的強度と耐久性が付与される一方、薄板部材5の縁領域は、太陽電池モジュール部1~4と補強層6~7との間から単独で突出した状態となっているので、図2(A)、(B)に描かれている如く、薄板部材5の縁領域をその長手方向に沿って、符号5sにて示されている如く、屈曲するなどの折り曲げ加工などの屋根形状のための加工がより容易に達成できるようになっている。また、薄板部材5の縁領域は、図3(A)、(B)に模式的に描かれている如く、複数の屋根材を並列して屋根を構成できるように、隣接する屋根材との接続のために、符号5eにて示されている如く、適宜、曲げ加工を施すことも容易に可能である(屋根材の隣接部分には、キャップ8が取り付けられ、並列した屋根材が締結される。)。薄板部材5の縁領域の曲げ加工は、通常の屋根材の加工と同様に、ベンダー、ロールフォーミングなどを用いて為されてよい。
上記の構成によれば、既に述べた如く、太陽電池モジュール部1~4の部分は、補強層6~7により、より高い機械的強度と耐久性が付与される一方、薄板部材5の縁領域は、屋根材としての形状加工性が担保され、また、補強層6~7は、太陽電池モジュール部1~4に対向する部分のみに設けられているので、屋根材一体型太陽電池モジュール全体は、全体として、比較的軽量に構成される。かくして、本実施形態の屋根材一体型太陽電池モジュールは、軽量及び屋根材としての折り曲げ加工の容易性と機械的強度及び耐久性との両立が達成できる構成となっている。上記の構成は、移動体などの屋根や壁や塀の一部に適用されてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属することは理解されるべきである。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。
Claims (1)
- 屋根材一体型の太陽電池モジュールであって、
金属製の薄板部材と、
太陽電池セルと該太陽電池セルを封止した樹脂層とを含み、前記太陽電池セルの受光面が前記薄板部材の面に対して略垂直方向外方を向き前記薄板部材の面方向に沿って延在した状態で前記薄板部材の一方の面上に接着されている太陽電池モジュール部と、
前記薄板部材の他方の面上の前記太陽電池モジュール部に対向した領域にて接着された補強層と
を含み、
前記薄板部材が前記太陽電池モジュール部と前記補強層との間から面方向に突出した部分を有し、該突出した部分が前記薄板部材の面に対して垂直方向に曲げ加工可能である太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020185130A JP2022074785A (ja) | 2020-11-05 | 2020-11-05 | 屋根材一体型太陽電池モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020185130A JP2022074785A (ja) | 2020-11-05 | 2020-11-05 | 屋根材一体型太陽電池モジュール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022074785A true JP2022074785A (ja) | 2022-05-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020185130A Pending JP2022074785A (ja) | 2020-11-05 | 2020-11-05 | 屋根材一体型太陽電池モジュール |
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2020
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