JP2022072277A - 茶葉組成物、その製造方法及び飲食品用加工茶 - Google Patents

茶葉組成物、その製造方法及び飲食品用加工茶 Download PDF

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Abstract

【課題】水又はお湯に入れて、茶葉ごと飲用して経口摂取することができる茶葉組成物に関し、茶葉が含有する機能性成分を余すことなく経口摂取することができ、空気中に飛散する飛散性を抑制でき、且つ、水やお湯に加えた際の分散性が高く、さらには、舌触りなどの美味しさにも優れた、茶葉組成物を提供する。【解決手段】茶葉粒子又は茶葉片であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物であり、当該茶葉組成物の空隙率が1.0~40.0%であることを特徴とする茶葉組成物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、水又はお湯に入れて、茶葉ごと飲用して経口摂取することができる茶葉組成物及びその製造方法、並びに該茶葉組成物からなる飲食品用加工茶に関する。
緑茶は、日本において古くから愛飲されており、広く親しまれてきた食品の一つである。緑茶を飲用する場合、乾燥した緑茶葉を急須に入れ、熱水と共に所定時間で抽出することにより緑茶葉の抽出液を得て、これを湯飲み等に注いで飲用するのが典型的な飲み方であった。
しかし、時代の変化に伴い、緑茶に対する消費者ニーズも様々に多様化してきている。例えば、急須を用いて緑茶葉の抽出液を得てこれを飲用する方法に関して言えば、抽出後の緑茶葉、すなわち茶殻を始末する手間を忌避したいというニーズがあった。
このような緑茶飲用において簡便性を求めるニーズについては、熱水や水に入れるだけで茶飲料を作ることができる所謂“インスタント茶”が知られている。
このようなインスタント茶は、荒茶又は仕上茶などの乾燥茶葉を、熱湯で抽出して抽出液を得、該抽出液を濃縮し造粒して顆粒茶を製造する方法が一般的であった。
インスタント茶に関連する技術に関しては、例えば特許文献1には、茶抽出物を乾燥することにより得られる茶加工品の製造方法であって、殺青処理若しくは萎凋処理後の生葉を、微細に切断及び/又は粉砕し、茶葉細断物を得る切断工程と、水可溶性固形分量と水不溶性固形分量を調整する抽出工程と、前記抽出工程で得られた茶抽出物を加熱乾燥する加熱乾燥工程とを備え、前記抽出工程において抽出された茶抽出物中が、水可溶性固形分[A]と水不溶性固形分[B]の含有比率、[A]/[B]が0.25~20.0の範囲となるように調整されることを特徴とする茶加工品の製造方法が開示されている。
特許文献2には、殺青処理、若しくは萎凋処理後の茶葉を細断した茶葉切断物から抽出され、水不溶性固形分及び水可溶性固形分を含有するスラリー状の茶葉抽出物を、加熱乾燥させる製法が開示されている。
特許文献3には、摘採した茶葉から顆粒茶を製造する方法であって、摘採した茶葉のクロロフィル含有量を、加熱によって調整してクロロフィル調整茶葉を得る加熱工程と、当該クロロフィル調整茶葉を60℃以下の溶媒中で抽出し、テアニンを12~60mg/100ml含有する抽出液を得る抽出工程と、当該抽出液の溶存酸素濃度を7ppm未満に調整した後、顆粒化する顆粒化工程と、を含む顆粒茶の製造方法が開示されている。
特開2013-230106号公報 特開2014-217392号公報 特開2020-68765号公報
緑茶は、カテキン類やテアニンなどの健康に有用な機能性成分を豊富に含むことが広く知られている。近年の健康志向の高まりに伴い、緑茶に含まれる健康成分を効率的に摂取することが注目されている。しかし、上述のようなインスタント茶は、乾燥茶葉を抽出して得られた抽出液から作製するものであるため、抽出されなかった成分に含まれる有用な機能性成分が無駄になってしまうという課題を抱えていた。
これに対し、所謂“お抹茶”は、碾茶を粉末にしたもの(「粉末茶」とも称する)に湯を加えて撹拌して、茶葉ごと飲用するため、茶葉が含有する機能性成分を余すことなく経口摂取することができる。
しかし、従来市販されていた粉末茶は、製造工程中乃至使用時などに、空気中に飛散し易いために、取扱いに特別な注意が必要であった。
また、従来市販されていた粉末茶は、水やお湯に加えた際の分散性が優れているとは言えなかったため、しっかりと撹拌する必要があるなど、分散性の点にも課題を抱えていた。
そこで本発明の第一の課題は、水又はお湯に入れて、茶葉ごと飲用して経口摂取することができる茶葉組成物に関し、空気中に飛散する飛散性を抑制することができ、且つ、水やお湯に加えた際の分散性が高く、さらには、舌触りなどの美味しさにも優れた、新たな茶葉組成物及びその製造方法並びに飲食品用加工茶を提供することにある。
また、本発明の第二の課題は、第一の課題に加えてさらに、抽出して摂取することを目的とした茶葉や米などの他の原料と固体混合した際に分離が生じ難く、且つ、ティーバックなどの包装体に封入した際に、粉漏れし難い、新たな茶葉組成物及びその製造方法並びに飲食品用加工茶を提供することにある。
本発明は、茶葉粒子又は茶葉片であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物であり、
当該茶葉組成物の空隙率が1.0~40.0%であることを特徴とする茶葉組成物を提案する。
本発明はまた、当該茶葉組成物からなる飲食品用加工茶、すなわち、多数の当該茶葉組成物の混合物としての飲食品用加工茶を提案する。
本発明はさらに、スパチュラ角が25~55°である飲食品用加工茶を提案する。
本発明はまた、茶葉粒子又は茶葉片であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物を作製すると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする茶葉組成物の製造方法を提案する。
本発明はまた、茶葉組成物に由来する物質が空気中に飛散するのを抑制する方法(「茶葉組成物の飛散抑制方法」とも称する)であって、
前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする、茶葉組成物の飛散抑制方法を提案する。
本発明はまた、茶葉組成物を水に入れた際の分散性を向上させる方法(「茶葉組成物の分散性向上方法」とも称する)であって、
前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする、茶葉組成物の分散性向上方法を提案する。
本発明はさらにまた、茶葉組成物の美味しさを向上させる方法(「茶葉組成物の美味しさ向上方法」とも称する)であって、
前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする、茶葉組成物の美味しさ向上方法を提案する。
本発明が提案する前記茶葉組成物乃至該茶葉組成物からなる飲食品用加工茶は、水又はお湯に入れて、茶葉ごと飲用して経口摂取することができるから、茶葉が含有する機能性成分を余すことなく経口摂取することができる。しかも、空気中に飛散する飛散性を抑制することができ、且つ、水やお湯に加えた際の分散性を高めることができ、さらには、舌触りなどの美味しさにも優れたものとすることができる。
さらに本発明が提案する前記飲食品用加工茶が、さらにスパチュラ角が25~55°であるという条件を満足するものであれば、抽出して摂取することを目的とした茶葉や米などの他の原料と固体混合した際に分離が生じ難いようにすることができ、且つ、ティーバックなどの包装体に封入した際に、粉漏れし難い飲食品用加工茶とすることができる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本茶葉組成物>
本発明の実施形態の一例に係る茶葉組成物(「本茶葉組成物」とも称する)は、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉片又は茶葉粒子からなる塊状の茶葉組成物である。
本茶葉組成物の一例として、下記(1)、(2)及び(3)から選択される1種又は2種以上からなる茶葉組成物を挙げることができる。
(1)平均径が7μm以上100μm以下の茶葉体が塊状となったもの。
(2)平均径が100μmより大きく1000μm以下の茶葉体が塊状となったもの。
(3)平均径が1000μmを超える茶葉体が塊状になり、且つ、圧縮されるか又は折り畳まれるかして、平均径が1000μm以下にされたもの。
なお、本茶葉組成物は、意図的に製造するものであり、碾茶、粉末茶、抹茶を製造する際に、意図せずに製造されたものを包含するものではない。例えば、従来の製法によって抹茶を製造する際に偶発的に塊状になった茶葉組成物(所謂抹茶ダマ等)を包含するものではない。
(原料茶)
本茶葉組成物を構成する茶葉は、発酵した茶葉すなわち紅茶葉であっても、半発酵した茶葉すなわち烏龍茶茶葉であっても、酵素失活した茶葉すなわち緑茶葉であってもよい。
(茶葉片)
本茶葉組成物を構成する前記茶葉片は、その形状を問わず、一枚の茶葉又はその一部であるものを言う。例えば茶葉を細断乃至粉砕したものを挙げることができる。
茶葉片の平均径は、加工時の飛散性の観点から、7μm以上であるのが好ましく、中でも10μm以上、その中でも15μm以上、その中でも20μm以上であるのがさらに好ましい。他方、分散浮遊性や飲用時の食感の観点から、1000μm以下であるのが好ましく、中でも500μm以下、その中でも200μm以下、その中でも100μm以下であるのがさらに好ましい。
茶葉片の平均径を上記範囲調整するには、切断、粉砕、磨砕、分級などの方法を挙げることができる。また、原料となる茶葉の茶質、繊維量、殺青方法・条件によっても調整できる。但し、かかる方法に限定するものではない。
なお、前記茶葉片の平均径、D90、D50、及びD10は、後述する実施例で示すように、レーザ回析式粒度分布測定装置により測定して求めることができる。
すなわち、先ず測定対象となる粒子径範囲(最大粒子径:x1、最小粒子径:xn+1)をn分割し、それぞれの粒子径区間を、[x、xj+1](j=1,2,・・・・n)とする。この場合の分割は対数スケール上での等分割となる。
また、対数スケールに基づいてそれぞれの粒子径区間での代表粒子径は、下記式Iから計算できる。代表粒子径といっても対数をとっているので、この時点で粒子径の単位ではなくなるため、さらにq(j=1,2,・・・・n)を、粒子径区間[x、xj+1]に対応する相対粒子量(差分%)とし、全区間の合計を100%とすると、対数スケール上での平均値μは下記式IIから計算できる。
このμは、対数スケール上の数値であり、粒子径としての単位を持たないので、粒子径の単位に戻すために10μすなわち10のμ乗を計算する。そして、この10μを平均値(平均粒子径)として記載した。
(式I)
Figure 2022072277000001
(式II)
Figure 2022072277000002
D90、D50、D10は、有効平均粒子径を表す。例えばD90とは、レーザ回析式粒度分布測定装置により測定して得られる体積基準粒度分布において、その粉体(粒子)の集団の全積算を100積算%として累積カーブを求めたときに、その累積カーブが90積算%となる点の粒子径を意味する。これを任意%粒子径と呼ぶ。
スパン値は、計算式((D90-D10)/D50)で算出され、粒度分布幅を示す指標である。
茶葉片のスパン値は、1.0~5.0であるのが好ましい。
茶葉片のスパン値が1.0以上であれば、接合性が良いから好ましい。他方、5.0以下であれば、流動性が良くライントラブルが発生しづらく好ましい。
かかる観点から、茶葉片のスパン値は、1.0以上であるのが好ましく、中でも1.2以上、その中でも1.5以上であるのがさらに好ましい。他方、5.0以下であるのが好ましく、中でも4.5以下、その中でも4.0以下であるのがさらに好ましい。
(茶葉粒子)
本茶葉組成物を構成する前記茶葉粒子は、その形状を問わず、一枚の茶葉又はその一部が丸まった状態のもの、或いは一枚の茶葉又はその一部が折り畳まれた状態のもの、或いは、捩り込まれた状態のものなどである。但し、これらに限定するものではない。
なお、茶葉粒子のうち、平均径が7μm以上100μm以下のものを茶葉微粒子とも称する。
前記茶葉粒子の形状としては、例えば細粒状、顆粒状などを挙げることができる。但し、これらの形状に限定するものではない。
茶葉粒子の平均径は、加工時の飛散性の観点から、50μm以上であるのが好ましく、中でも100μm以上、その中でも200μm以上、その中でも300μm以上であるのがさらに好ましい。他方、分散浮遊性や飲用時の食感の観点から、1000μm以下であるのが好ましく、中でも800μm以下、その中でも600μm以下、その中でも500μm以下であるのがさらに好ましい。
茶葉粒子の平均径を上記範囲調整するには、原料となる茶葉の茶質、繊維量を調整したり、殺青方法・条件例えば蒸し時間や、切断、折込及び揉み込みなどの条件を調整したりする方法を挙げることができる。但し、かかる方法に限定するものではない。
茶葉粒子のスパン値は、1.0~5.0であるのが好ましい。
茶葉粒子のスパン値が1.0以上であれば、接合性が良いから好ましい。他方、5.0以下であれば、流動性が良くライントラブルが発生しづらく好ましい。
かかる観点から、茶葉粒子のスパン値は、1.0以上であるのが好ましく、中でも1.2以上、その中でも1.5以上であるのがさらに好ましい。他方、5.0以下であるのが好ましく、中でも4.5以下、その中でも4.0以下であるのがさらに好ましい。
前記茶葉粒子の平均径、D90、D50及びD10は、前記茶葉片と同様に測定して求めることができる。
(本茶葉組成物)
本茶葉組成物は、1種又は2種以上の前記茶葉粒子又は前記茶葉片からなる塊状の茶葉組成物である。
例えば、前記1種又は2種以上の前記茶葉粒子又は前記茶葉片が、隣接するもの同士間で密接乃至接合して塊状となったものを挙げることができる。
本茶葉組成物の形状は、例えば細粒状、顆粒状などを挙げることができる。但し、これらの形状に限定するものではない。
前記本茶葉組成物の一例として、隣接する茶葉片乃至茶葉粒子が液状体を介して接合してなる構成を備えた例を挙げることができる。
当該液状体としては、水、お湯、水蒸気、アルコールなどの有機溶媒を挙げることができる。加工適性や茶葉成分の変性を考慮すると、水を使用することが好ましい。
なお、隣接する茶葉片乃至茶葉粒子を、液状体を介して接合させる際は、当該液状体の温度を調整するのが好ましく、例えば0℃~100℃の範囲で当該温度を適宜選択して調整するのが好ましい。
前記本茶葉組成物の一例として、隣接する茶葉片乃至茶葉粒子が茶葉由来成分を介して接合してなる構成例を挙げることができる。
当該茶葉由来成分とは、茶葉に含まれている成分又はそれが本茶葉組成物の製造過程で変化した成分をいう。例えば、アミノ酸、糖類、ペクチンなどを挙げることができる。
本茶葉組成物は、香味、食感、分散性などの観点から、前記茶葉由来成分及び前記液状体以外のバインダーを含有しないことが好ましい。
このようなバインダーとしては、例えば果糖、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、麦芽糖、ガラクトース、キシロース、トレハロース等の単糖類及び二糖類;キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラクトース、パラチノース、大豆オリゴ糖、ラフィノース類、イソマルトオリゴ糖等のオリゴ糖類;澱粉;デキストリン、マルトデキストリン、サイクロデキストリン等のデキストリン類及びその分解物;ペクチン、ポリデキストロース、アガロース、グルコマンナン、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維;グアーガム、キサンタンガム、タマリンドガム、ジェランガム等の増粘多糖類;ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチロール等の糖アルコール類、セルロース、キチン、キトサン、ゼラチン、アラビアゴム、寒天、プルラン、澱粉などを挙げることができる。
(平均径)
本茶葉組成物の平均径は、加工後の飛散性の観点から、50μm以上であるのが好ましく、中でも70μm以上、その中でも100μm以上、その中でも120μm以上であるのがさらに好ましい。他方、茶葉組成物の包装適性の観点から、1cm以下であるのが好ましく、中でも8mm以下、その中でも5mm以下、その中でも3mm以下であるのがさらに好ましい。
本茶葉組成物の平均径を上記範囲調整するには、前記茶葉片及び前記茶葉粒子の平均径をそれぞれ上述のように調整すると共に、後述するダマ形成工程の方法及び条件を調整する方法を挙げることができる。例えば、後述する製法例1では、ダマ形成工程での振動の周波数や振幅幅、搬送距離などを調整している。また、後述する製法例2では、さらに、揉捻やミンチ機、ローターバン、CTC機等で揉み込む際の開口径や溝幅のサイズなどを調整している。但し、かかる方法に限定するものではない。
なお、本茶葉組成物の平均径は、デジタルマイクロスコープ(KH-7700、ハイロックス社製)によって任意の100個を選択し、それぞれの長径(最も長い部分の径)及び短径(最も短い部分の径)を計測して両者の各々の100個の平均値を求めて、さらに長径と短径の両者の平均値より算出することができる。
(空隙率)
本茶葉組成物の空隙率は1.0~40.0%であるのが好ましい。
本茶葉組成物の空隙率が1.0%以上であれば、水中での分散性の面より好ましい。他方、40.0%以下であれば、乾燥状態での強度の面より好ましい。
かかる観点から、本茶葉組成物の空隙率は1.0%以上であるのが好ましく、中でも5.0%以上、その中でも10.0%以上であるのがさらに好ましい。他方、40.0%以下であるのが好ましく、中でも30.0%以下、その中でも25.0%以下であるのがさらに好ましい。
茶葉組成物が有する空隙は、茶葉組成物を構成する茶葉片及び茶葉粒子がそれぞれ有する空隙と、茶葉組成物を構成する茶葉粒子乃至茶葉片間に生じる空隙の両方を含むものである。
この際、茶葉組成物を構成する茶葉片及び茶葉粒子がそれぞれ有する空隙とは、例えば各茶葉片乃至茶葉粒子が表面に細孔を有するポーラス状になっている場合や、茶葉が丸まって塊状になった場合に内部にできる空隙などである。
当該空隙率は、後述する実施例のように測定される、茶葉組成物の真密度M(mg/mm3)、体積V(mm3)および質量W(mg)から、次の式により算出することができる。
空隙率(%)=100×(V-W/M)/V
本茶葉組成物に関し、空隙率を上記範囲に調整するには、茶葉組成物の加工時において、茶葉片や茶葉粒子のサイズや、組成物の乾燥前の水分量を制御すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
なお、従来知られている流動層造粒や押出造粒などで作製される茶の造粒物は、空隙部分が液状体で埋まっているため、空隙率は1.0%未満である。
(崩壊性)
本茶葉組成物は、崩壊性を有するのが好ましい。
ここで、本発明における崩壊性とは、茶葉片乃至茶葉粒子の接合が解けて崩壊する性質と定義することができる。
本茶葉組成物は、崩壊性が有することにより、乾燥状態での飛散性の抑制と水中や湯中での分散性の両立と言った効果を得ることができる。
本茶葉組成物の前記崩壊性は、物理的事由及び/又は化学的事由に起因するものである。
すなわち、前記崩壊性が物理的事由に起因するものであるとは、熱、乾燥、衝撃、溶解などの物理的要因によって、茶葉片乃至茶葉粒子の接合が解けて崩壊することを意味し、前記崩壊性が化学的事由に起因するものであるとは、溶媒に含まれる化学的成分によって、茶葉片乃至茶葉粒子の接合が解けて崩壊することを意味する。
本茶葉組成物が崩壊性を有するか否かは、後述する本加工茶の圧縮度から判定することができる。
すなわち、下記圧縮度が40.0%以下であれば、崩壊性を有していると判定することができる。
(含水率)
本茶葉組成物は、含水率が1.0~10.0質量%であるのが好ましい。
本茶葉組成物の含水率が1.0質量%以上であれば、茶葉組成物の香味品質の点において好ましい。他方、10.0質量%以下であれば、茶葉組成物の経時品質の点において好ましい。
かかる観点から、本茶葉組成物の含水率は1.0質量%以上であるのが好ましく、中でも1.5質量%好ましい。他方、10.0質量%以下であるのが好ましく、中でも8.0質量%以下、その中でも7.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
上記の中でも2.0質量%以上、その中でも2.5質量%以上であるのがさらに好ましい。他方、10質量%以下であるのが好ましく、中でも8質量%以下、その中でも7質量%以下であるのがさらに好ましい。
当該含水率は、後述する実施例のように、常圧加熱乾燥法により測定することができる。
本茶葉組成物に関し、含水率を上記範囲に調整するには、茶葉の茶質、特に繊維量や、茶葉組成物の加工時において乾燥の度合いを制御すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
<本茶葉組成物の製造方法>
本茶葉組成物の製造方法として、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物を作製すると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする茶葉組成物の製造方法を挙げることができる。
本茶葉組成物の製造方法の具体的な一例として、乾燥した粉末茶に液状体を加えてダマを形成し(「ダマ形成工程」)、乾燥させて(「乾燥工程」)、本茶葉組成物を得る方法を挙げることができる(「製法例1」とも称する)。
本茶葉組成物の製造方法の別の一例として、生茶葉を酵素失活させ(「酵素失活工程」)、切断を行なった後に乾燥する前の水分を含んだ茶葉においてダマを形成し(「ダマ形成工程」)、乾燥させて(「乾燥工程」)、本茶葉組成物を得る方法を挙げることができる(「製法例2」とも称する)。
この際、葉打、粗揉、揉捻、中揉及び精揉、圧搾結着の何れかの揉込み処理又はこれらの二種類以上の揉込み処理を適宜実施してもよい。
また、最後に乾燥工程を行なう以外の工程の順序は問わない。
本発明において「工程」とは、一連の製造ラインで行うものでなくてもよく、断続的であってもよく、その際、時間をおいたり、装置を変えたり、場所を変えたりして断続的に行うものであってもよい。
なお、本茶葉組成物の製造方法は、上記製法例1及び2に限定するものではない。本茶葉組成物の製造方法は、茶葉を抽出して抽出液を顆粒化する方法とは異なるものである。
(原料茶葉)
茶葉組成物の製造方法において、原料とする茶は、その品種、栽培方法及び摘採時期を限定するものではない。例えば、収穫前に一定期間被覆栽培して摘採した覆下茶葉を使用してもよいし、被覆栽培しない茶葉を使用することもできる。また、一番茶、二番茶、三番茶、四番茶、秋冬番茶などを使用することもできる。
また、茶の品種や、茶の栽培方法や、摘採時期などが異なる二種類以上の茶葉を組み合わせて使用することも可能である。
茶葉は、茎及び葉柄を含むものであってもよい。但し、飲食した際の舌触りの滑らかさにおいて含まない方が好ましい。
[製法例1]
先ず、上述した製法例1について説明する。
製法例1は、粉末茶に液状体を加えてダマを形成し(「ダマ形成工程」)、乾燥させて(「乾燥工程」)、本茶葉組成物を得る方法である。
(粉末茶)
前記粉末茶としては、加熱加工された茶葉を粉砕したものを挙げることができる。例えば、揉まずに加熱乾燥して得られた茶、所謂碾茶を粉砕したものを挙げることができる。
粉末茶の形状は任意である。茶葉の状態であっても、顆粒状であっても、粉末状であっても、成形体状であってもよい。
粉末茶を製造するための前記加熱乾燥の方法としては、乾熱乾燥、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、凍結乾燥及び赤外線乾熱乾燥などのいずれかの方法、或いは、これら二種類以上を組み合わせた方法などを挙げることができる。但し、これらの手段に限定するものではない。
粉末茶を製造するための前記粉砕の方法は、茶葉をより細かな状態にすることができれば任意である。例えば、切断、裁断、圧搾などの各処理を挙げることができ、これらを単独で実施しても、これらのうちの二種以上の処理を組み合わせて実施してもよい。
粉砕の具体的方法としては、例えば、生葉カッター、フードプロセッサー、スライサー、ミンチ機、ローターバン、CTC機等による切断処理、石臼、ボールミル、ジェットミル、ピンミル、気流式粉砕機等の粉砕機を使用して既知の手法により粉砕する方法を挙げることができる。
さらに必要に応じて、高圧ホモジナイザー、遊星型ボールミル、振動ボールミル、超音波ボールミル、コロイドミルなどを用いて、微粉砕するようにしてもよい。
粉末茶の製造方法の一例として、生茶葉を加熱して茶葉の殺青を行う殺青処理を実施した後、散茶処理を行い、次に、茶葉を碾炉に入れて、茶葉に熱を与えて茶葉の乾燥を行う乾燥処理を実施し、その後、必要に応じてつる切り処理、粉砕処理を経て粉末茶を製造する方法を挙げることができる。
(ダマ形成工程)
ダマを形成する方法としては、例えば、粉末茶を、乾燥した粉末茶に振動や転動などの運動を与えてダマを形成し、そこに液状体を加えたり、加湿をして吸湿させたり、冷蔵や冷凍して品温を下げてから常温に戻すことで結露を生じさせることにより、接合することなどによってダマを形成することができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
散布する液状体とは、水、湯、水蒸気、アルコールなどの有機溶媒を挙げることができる。
乾燥した粉末茶に液状体を加えて振動を与えてダマを形成する方法としては、例えば、振動コンベアなどを用いて、粉末茶を、振動を与えながら搬送する過程で、液状体を散布するようにすればよい。
(乾燥工程)
ダマ形成後の乾燥方法としては、フリーズドライ(凍結乾燥)、真空乾燥、急速冷凍、熱風乾燥などを挙げることができる。
乾燥工程では、得られる本茶葉組成物の含水率が1.0~10.0質量%、中でも1.5質量%以上或いは8.0質量%以下、その中でも2.0質量%以上或いは7.0質量%以下、その中でも2.5質量%以上となるように、乾燥方法及び乾燥条件を調整するのが好ましい。
フリーズドライ(凍結乾燥)の方法としては、例えば凍結容器に茶葉を入れて、例えば0℃乃至-50℃の範囲内で凍結させると共に、凍結容器内の圧力を、例えば13Pa乃至100Paの範囲内まで減圧する方法を挙げることができる。凍結容器内を減圧すると、水の沸点が低下するため、茶葉の水分が昇華するから、茶葉を乾燥させることができる。
また、茶葉を冷凍庫に入れるか、或いは、液体窒素等の冷却媒体に晒すかして冷凍状態とした後、通常の凍結乾燥機にかけて茶葉を乾燥させるようにしてもよい。
他方、熱風乾燥させる場合には、得られる本茶葉組成物の含水率が1.5~10%となるように、乾燥温度及び乾燥時間を調整するのが好ましい。
なお、茶葉組成物の色沢や香味の観点から、乾燥温度や乾燥時間は適宜選択することができ、例えば、緑色を重視するのであれば、乾燥温度を50℃~100℃の範囲内で調整するのが好ましく、香り付けを行うのであれば120℃~200℃の範囲で温度を調整し、求める茶葉組成物の含水率に達するように乾燥時間を調整すればよい。
[製法例2]
次に、上述した製法例2について説明する。
製法例2は、生茶葉を酵素失活させ(「酵素失活工程」)、切断を行なった後に適宜水分調整を施した茶葉においてダマを形成し(「ダマ形成工程」)、乾燥させて(「乾燥工程」)、本茶葉組成物を得る方法である。
この際、葉打、粗揉、揉捻、中揉及び精揉、圧搾結着の何れかの揉込み処理又はこれらの二種類以上の揉込み処理を適宜実施してもよい。また、最後に乾燥工程を行なう以外の工程の順序は問わない。
(酵素失活工程)
生茶葉を加熱して酵素を失活させる方法としては、例えば蒸機による蒸熱処理や炒り蒸処理のほか、蒸気が発生する熱風乾燥、釜炒りなどの直火加熱、熱風を当てる熱風殺青などの殺青方法を挙げることができる。また、これらを組み合わせて行うこともできる。例えば蒸機により蒸熱処理を行った後、熱風を当てる熱風殺青を行ってもよい。
(茶葉揉込み工程)
酵素失活させた茶葉は、葉打、粗揉、揉捻、中揉及び精揉、圧搾結着の何れかの揉込み処理又はこれらの二種類以上の揉込み処理を行うことにより、茶葉由来成分がより溶出しやすくすることができる。
なお、整形、選別などの処理を挿入することは任意である。
(ダマ形成工程)
ダマを形成する方法は、製法例1と同様、または揉捻やミンチ機、ローターバン、CTC機等で揉み込むことで行えばよい。
(乾燥工程)
ダマを形成させた後の乾燥方法は、製法例1と同様に行えばよい。
<本加工茶>
本発明の実施形態の一例に係る飲食品用加工茶(「本加工茶」と称する)は、本茶葉組成物を用いて構成することができる。
本加工茶は、本茶葉組成物からなるもの、すなわち、多数の本茶葉組成物の混合物であるのが好ましい。
但し、「本茶葉組成物からなる」には、本加工茶の10質量%未満、中でも5質量%未満、その中でも1質量%未満の本茶葉組成物以外の茶葉由来物質、例えば単独の茶葉片乃至茶葉粒子を含む場合も包含する。この程度であれば、本加工茶は、本茶葉組成物が有する効果を十分に享受することができるからである。
(圧縮度)
本加工茶は、次の式で求められる圧縮度が40.0%以下であるのが好ましい。
圧縮度:((かためかさ密度-ゆるめかさ密度)/かためかさ密度)×100
前記圧縮度が40.0%以下であれば、乾燥状態での飛散性が抑制できる強度の点から好ましい。他方、1.5%以上であれば、氷水中での分散性を有する強度の点から好ましい。
かかる観点から、本加工茶の圧縮度は、40.0%以下であるのが好ましく、中でも30.0%以下、その中でも20.0%以下であるのがさらに好ましい。他方、1.5%以上であるのが好ましく、中でも3.0%以上、その中でも4.0%以上であるのがさらに好ましい。
本加工茶に関し、圧縮度を上記範囲に調整するには、ゆるみかさ密度とかためかさ密度をそれぞれ、次に説明するように調整することにより行うことができる。
(ゆるめかさ密度)
本加工茶は、ゆるめかさ密度が0.15~0.35g/mLであるのが好ましい。
ゆるめかさ密度が0.15g/mL以上であれば、物流コストの抑制などの面で好ましい。他方、0.35g/mL以下であれば、耐荷重性の面で好ましい。
かかる観点から、ゆるめかさ密度は0.15g/mL以上であるのが好ましく、中でも0.18g/mL以上、その中でも0.20g/mL以上であるのがさらに好ましい。他方、0.35g/mL以下であるのが好ましく、中でも0.33g/mL以下、その中でも0.30g/mL以下であるのがさらに好ましい。
前記ゆるめかさ密度は、後述する実施例のように測定することができる。
本加工茶に関し、ゆるめかさ密度を上記範囲に調整するには、茶葉の茶質、特に繊維量や、茶葉片乃至茶葉粒子の粒子サイズを制御すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(かためかさ密度)
本加工茶は、かためかさ密度が0.15~0.45g/mLであるのが好ましい。
かためかさ密度が0.15g/mL以上であれば、物流コストの抑制などの面で好ましい。他方、0.45g/mL以下であれば、流動性(対ブリッジ性)の面で好ましい。
かかる観点から、かためかさ密度は0.15g/mL以上であるのが好ましく、中でも0.18g/mL以上、その中でも0.20g/mL以上であるのがさらに好ましい。他方、0.45g/mL以下であるのが好ましく、中でも0.40g/mL以下、その中でも0.35g/mL以下であるのがさらに好ましい。
前記かためかさ密度は、後述する実施例のように測定することができる。
本加工茶に関し、かためかさ密度を上記範囲に調整するには、茶葉の茶質、特にアミノ酸量や、茶葉片乃至茶葉粒子を接合する時の温度や乾燥前の粒子毎の水分の均一性を制御すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(スパチュラ角)
本加工茶は、スパチュラ角が25~55°であるのが好ましい。
スパチュラ角が25°以上であれば、茶葉など他の素材との混合後の均質性の保持の点から好ましい。他方、55°以下であれば、茶葉など他の素材との混合しやすさの点から好ましい。
かかる観点から、スパチュラ角は25°以上であるのが好ましく、中でも28°以上、その中でも30°以上であるのがさらに好ましい。他方、55°以下であるのが好ましく、中でも50°以下、その中でも45°以下であるのがさらに好ましい。
前記スパチュラ角は、後述する実施例のように測定することができる。
本加工茶に関し、スパチュラ角を上記範囲に調整するには、液状体による接合後の乾燥における乾燥熱源や乾燥速度を選択すればよい。但し、かかる方法に限定するものではない。
(本加工茶の利用方法)
本加工茶は、例えば、粉状体を水乃至お湯に加えて、そのまま飲用して経口摂取することができる。
また、本加工茶を、例えば、包装体に封入してティーバッグ茶としてもよい。
この際、包装体は、加工茶葉を封入できるものであれば特に限定されない。例えば、パルプやコットン、ケナフ等の天然繊維や、ナイロンやポリプロピレンやPET樹脂等の合成繊維からなるフィルターが挙げられる。又、任意の素材を組み合わせた複合体からなるフィルターも使用することができる。包装方法や包装体のサイズ、形状、タグの有無等は、公知の方法を適宜利用することができる。
本加工茶は、それ単独で、上記用途に用いることもできるし、また、抽出して摂取することを目的とした茶葉や米などの他の原料と固体混合した上で、上記用途に用いることもできる。
さらに、本加工茶を、例えば、従来の加工用抹茶のように、菓子やパン等に練り込んで抹茶入りの菓子やパンを製造してもよいし、クリームやアイスに練り込んで使用することもできる。
<茶葉組成物の飛散抑制方法>
上述した本茶葉組成物の製造方法は、茶葉組成物に由来する物質が空気中に飛散するのを抑制する方法(「茶葉組成物の飛散抑制方法」とも称する)として利用することができる。すなわち、前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することにより、茶葉組成物乃至本加工茶の飛散を抑制することができる。
<茶葉組成物の分散性向上方法>
また、上述した本茶葉組成物の製造方法は、茶葉組成物を水に入れた際の分散性を向上させる方法(「茶葉組成物の分散性向上方法」とも称する)として利用することができる。すなわち、前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することにより、茶葉組成物乃至本加工茶の分散性を向上させることができる。
<茶葉組成物の美味しさ向上方法>
また、上述した本茶葉組成物の製造方法は、茶葉組成物の美味しさを向上させる方法(「茶葉組成物の美味しさ向上方法」とも称する)として利用することができる。すなわち、前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することにより、茶葉組成物乃至本加工茶の美味しさを向上させることができる。
<語句の説明>
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下に本発明を実施例によってさらに具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
[各種物性の測定]
実施例及び比較例で調製した加工茶(サンプル)、茶葉片、茶葉粒子及び茶葉組成物の各物性値は次のように測定した。
(平均粒子径・粒子径)
レーザ回析式粒度分布測定装置(SHIMADZU SALD-2300、島津製作所社製、WingSALDII,Version3.1.1)によって、実施例及び比較例で得られた加工茶(サンプル)に含まれる茶葉片乃至茶葉粒子の平均粒子径及びD10、D50、D90を測定した。
この際、分散剤として純水(20℃)を用い、屈折率1.60-0.10iにて測定した。サンプルの前処理は、ビーカーにサンプルを約30mg程度投入し、水を数滴加えて混錬し、さらに先の純水を1~2mL投入して、更に混錬をしてスラリー状にした。
更に、ビーカーを傾けて超音波(装置名:日本エマソン株式会社製:ブランソニック2510J-MT)により3分間照射しながら撹拌してそのサンプルを投入した。
(空隙率)
実施例及び比較例で得られた加工茶(サンプル)を構成する粒子としての茶葉組成物の真密度M(mg/mm3)を求め、該茶葉組成物の体積V(mm3)および質量W(mg)から空隙率を算出した。
空隙率(%)=100×(V-W/M)/V
なお、当該空隙率は、任意に100個抽出した茶葉組成物の平均として算出した。
茶葉組成物の体積は、茶葉組成物が球状を呈する場合は、デジタルマイクロスコープ(KH-7700、ハイロックス社製)によって、長径及び短径を測定し両者の平均から半径を算出し、該半径から体積を算出した。他方、茶葉組成物が非球状である場合、例えば偏平形状を呈する場合は、デジタルマイクロスコープ(KH-7700、ハイロックス社製)によって面積、高さを計測して、立方体と見なして算出した。
(かためかさ密度・ゆるめかさ密度・スパチュラ角・分散度)
実施例及び比較例で得られた加工茶(サンプル)を、マルチテスター(MT-1001、セイシン企業社製)を用い、本装置付属の取扱説明書に従って、圧縮度(かためかさ密度・ゆるめかさ密度)及びスパチュラ角を測定し、3回の平均値を採用した。
ゆるめかさ密度は、本装置付属の100mLセルに、試料をスプーンを使用してセル上端を上回るまで静かに投入し、セル上端で擦り切り、セル内の試料重量(g/100mL)を計量した。
かためかさ密度は、100mLセルにセルキャップを取り付けし、「セル+セルキャップ」の総容量の9割程度まで試料を投入した。キャップカバーを取り付け、振幅20mm、タッピング速度2回/秒、タッピング回数180回に設定して、本装置にて上下にタッピングした後、キャップカバーとセルキャップを取り外し、セル上端で摺り切り、セル内の試料重量(g/100mL)を計量した。
圧縮度は、以下の式により算出した。
圧縮度(%)=(かためかさ密度-ゆるめかさ密度)÷かためかさ密度×100
スパチュラ角は、本装置のスパチュラ角測定用アッセンブリーを使用し、スパチュラが完全に見えなくなるまで試料を入れ、スパチュラを持ち上げた後に、スパチュラ上の山の左側の角度を3か所で計測した。その後、取扱説明書に従いアッセンブリーの錘による衝撃を与え、再度スパチュラ上の山の左側の角度を3ヶ所で計測した。以上で測定した6回の測定値の相加平均値をスパチュラ角とした。
分散度は、本装置付属の取扱説明書の方法を改変して測定した。
すなわち、本装置の分散度測定機にて、分散度測定箱に設置する直径10cmのウォッチグラスを囲うように金属性のメッシュ筒(直径105mm、高さ110mm、メッシュ目開き200μm)を設置した。試料30gを高さ30cmより落下させ、時計皿に残存している試料量を計量した。分散度は以下の式にて算出した。
分散度(%)=(1-時計皿上の試料重量÷落下させた試料重量)×100
(含水率)
実施例及び比較例で得られた加工茶(サンプル)10.0gを、常圧加熱乾燥法により、強制循環通風式の乾燥器を用いて105℃にて3時間乾燥させた際の試料の質量減量分を水分として含水率を測定し、3回の平均値を採用した。
<実施例1>
粉末茶葉(やぶきた、秋番茶碾茶(アミノ酸含有率2.6質量%(乾物換算))、ジェットミル粉砕、平均粒子径30.1μm、粒子径範囲1μm~150μm)を、直径200mm、深さ50mmの円筒形容器に入れ、振幅幅0.5mmに調整した電磁篩振とう器(ANALYSETTE3、フリッチュジャパン社)にセットして振動させつつ、スパーテルにて撹拌しながら、25℃のイオン交換水を霧吹きにて全体に均等に噴霧した後、2mm及び710μmのタイラーメッシュで粒度調整をして、乾燥前の茶葉組成物を得た。その際の含水量は29.1質量%だった。
乾燥前の茶葉組成物を、棚式熱風乾燥機(4kタイプ、カワサキ機工社製)で乾燥温度100℃±5℃に調整しつつ、含水率が3.5質量%になるように30分間乾燥させて茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
なお、茶葉のアミノ酸含有量は、テアニン、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、アルギニン、セリン、アラニンの8種の合計値を指す。その測定法は、茶葉100mgを熱水100mLにて80℃で30分間抽出して得られる抽出液を、HPLC法にて分析を行った。分析方法は公知の方法から適宜選択してよい。茶葉は、碾茶及び煎茶はそのまま粉砕して抽出に供し、生葉は電子レンジにて乾燥した後に粉砕して抽出に供した。
<実施例2>
実施例1において、乾燥前の茶葉組成物の含水率が18.3質量%となるように、25℃のイオン交換水を霧吹きにて全体に均等に噴霧した量を調整した以外は、実施例1と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例3>
実施例1において、乾燥前の茶葉組成物の含水率が11.3質量%となるように、25℃のイオン交換水を霧吹きにて全体に均等に噴霧した量を調整した以外は、実施例1と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例4>
実施例2において、粉末茶葉として、平均粒子径7.2μm、粒子径範囲0.5μm~20μmの粉末茶葉を使用した以外は、実施例1と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例5>
摘採した茶葉(やぶきた、秋番茶の生葉、アミノ酸含有率2.5質量%(乾物換算))を、常圧で100℃、蒸熱時間150秒の強めの深蒸し、荒茶製造工程に供した。該荒茶製造の中揉工程を45分実施した後の茶葉を、フードプロセッサーで最大径が1.8mmのサイズになるように粉砕し、ミンサープレートΦ2.0mmを装着したミンチ機で造粒し(平均粒子径999.0μm、粒子径範囲1μm~1800μm)、さらに2mm及び710μmのタイラーメッシュで粒度調整をして、乾燥前の茶葉組成物を得た。その際の含水量は29.2質量%だった。
乾燥前の茶葉組成物を、棚式熱風乾燥機で乾燥温度100℃±5℃に調整しつつ、含水率が3.5質量%になるように乾燥させて茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例6>
実施例4において、乾燥前の茶葉組成物の含水率が29.1質量%となるように、25℃のイオン交換水を霧吹きにて全体に均等に噴霧した量を調整した以外は、実施例4と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例7>
実施例5において、中揉工程を90分実施したことにより、乾燥前の茶葉組成物の含水量を11.3質量%に変更した以外は、実施例5と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例8>
実施例2において、棚式熱風乾燥機による乾燥温度を40℃±5℃に変更した以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例9>
実施例2において、棚式熱風乾燥機による乾燥温度を65℃±5℃に変更した以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例10>
実施例2において、乾燥前の茶葉組成物の乾燥に際し、電子レンジ(NE-EH21ANational製)を使用し、600Wで1分間処理し、攪拌した後に再度、600Wで1分間の処理を行う様に変更した以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例11>
実施例10において、電子レンジの条件を1000Wで30秒に変更した以外は、実施例10と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例12>
実施例2において、粉末茶葉として一番茶碾茶(アミノ酸6.2%質量(乾物換算))を用いた以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例13>
実施例2において、粉末茶葉として一番茶碾茶(アミノ酸5.8%質量(乾物換算))を用いた以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例14>
実施例2において、粉末茶葉として秋番茶碾茶(アミノ酸1.0質量(乾物換算))を用いた以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例15>
実施例2において、粉末茶葉として秋碾茶碾茶(アミノ酸0.7質量%(乾物換算))を用いた以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例16>
実施例2において、茶葉組成物の含水率が0.7質量%となるように乾燥時間を60分にした以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例17>
実施例2において、茶葉組成物の含水率が1.3質量%となるように乾燥時間を45分にした以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例18>
実施例2において、茶葉組成物の含水率が9.8質量%となるように乾燥時間を20分にした以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例19>
実施例2において、茶葉組成物の含水率が11.2質量%となるように乾燥時間を15分にした以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例20>
実施例2の粉末茶葉の調製において、ジェットミル粉砕後の粉砕茶葉を、開孔径が15μmと50μmのタイラーメッシュを重ねて、その間に直径1cmのセラミックボールを入れて振動篩にセットして分級して、粒子径を14μm~52μmに調整し、得られた粉末茶葉を使用した以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例21>
実施例2の粉末茶葉の調製において、ジェットミル粉砕後の粉砕茶葉を、開孔径が13μmと52μmのタイラーメッシュを重ねて、その間に直径1cmのセラミックボールを入れて振動篩にセットして分級して、粒子径を12μm~55μmに調整し、得られた粉末茶葉を使用した以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例22>
粉末茶葉として、やぶきたの秋番茶碾茶(アミノ酸1.0質量%(乾物換算))50質量%と、やぶきたの一番茶碾茶(アミノ酸5.8質量%)50質量%とからなる茶葉を用いると共に、粉末茶葉の調製において、ボールミル粉砕時間を60分に変更して得た、平均粒子径 30.1μm、粒子径範囲1μm~200μmの粉末茶葉を用いた以外は、実施例2と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例23>
粉末茶葉として、やぶきたの秋番茶碾茶(アミノ酸0.7質量%(乾物換算))50質量%と、やぶきたの一番茶碾茶(アミノ酸6.2質量%(乾物換算))50質量%とからなる茶葉を用いると共に、粉末茶葉の調製において、ボールミル粉砕時間を45分に変更して得た、平均粒子径 30.1μm、粒子径範囲1μm~200μmの粉末茶葉を用いた以外は、実施例22と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例24>
実施例21において、粉末茶葉として、やぶきたの一番茶碾茶(アミノ酸5.8質量%(乾物換算))を用い、乾燥前の茶葉組成物の乾燥に際し、棚式熱風乾燥機での乾燥温度65℃±5℃として、茶葉組成物を含水率が1.4質量%となるように乾燥時間を45分にした以外は、実施例21と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<実施例25>
実施例22において、粉末茶葉として、やぶきたの秋番茶碾茶(アミノ酸1.0質量%(乾物換算))を用い、乾燥前の茶葉組成物の乾燥に際し、電子レンジを使用し、600Wで1分間処理し、攪拌した後に再度、600Wで1分間の処理を行い、茶葉組成物を含水率が9.2質量%となるように乾燥時間を20分にした以外は、実施例22と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<比較例1>
緑茶生葉(やぶきた、一番茶(アミノ酸6.2質量%(乾物換算))を常法により加工した碾茶を石臼により粉砕し、未粉砕物、繊維状物などを60メッシュの金属篩により篩過して除き、粉砕物、すなわち加工茶としての抹茶(サンプル)を得た。その際の平均粒子径は15.0μm、粒子径範囲は1μm~80μm、含水量は3.1%だった。
<比較例2>
定法により加工された一番茶煎茶(やぶきた、アミノ酸6.2質量%(乾物換算))100gを、80℃の熱水1500mLに投入し、30分間抽出を行った。開口径180μmのタイラーメッシュによる固液分離及び濾紙(JIS No.2)による濾過を行い、抽出液を得た。抽出液にデキストリン(松谷化学製TK-16)70gを溶解した後に、減圧エバポレーターを使用してBrix25°まで濃縮を行った。得られた濃縮液を噴霧乾燥(噴霧熱風温度200℃)により乾燥、粉末化を行い、加工茶としてのインスタント緑茶(サンプル)を得た。
<比較例3>
比較例1の抹茶1kgを、流動層造粒機(フローコーターFLO-1、大川原製作所製)に投入し、下から空気を吹き込んで抹茶の粒子を循環流動させた。吹き込む空気の温度が50℃になるように加熱した。澱粉(ワキシーアルファK-7、日本食品化工)の5%水溶液を調製し60℃に保温した。概水溶液200gを流動している抹茶粒子の上方から10分間かけて噴霧し、加工茶としての造粒抹茶(サンプル)を得た。
<比較例4>
実施例1において、乾燥前の茶葉組成物の含水量を35.6質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<比較例5>
実施例1において、乾燥前の茶葉組成物の含水量を8.3質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<比較例6>
実施例1において、粉末茶葉をジェットミル分級粉砕、平均粒子径2.0μm、粒子径範囲0.1μm~7μmに変更した以外は、実施例1と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
<比較例7>
実施例5において、蒸熱時間を120秒にし(平均粒子径1120μm、粒子径範囲1μm~2000μm)にし、中揉工程後の茶葉をフードプロセッサーで最大径が2.0mmのサイズになるよう粉砕に変更した以外は、実施例5と同様にして茶葉組成物からなる加工茶(サンプル)を得た。
(官能審査:濁り)
実施例1~25及び比較例1~7で得られた加工茶(サンプル)について、5人の審査官(パネラー)が、濁りについて、以下の基準で1点~4点の4段階で点数を付けて評価した。
この際、濁り4点に相当するサンプルを陽性対照(基準1)とする一方、濁り1点に相当するサンプルを陰性対照(基準4)とした。また、その中間のサンプルとして濁り3点の対照(基準2)、及び濁り2点の対照(基準2)として訓練された各審査官(パネラー)が目視にて評価し、さらに5人の審査官(パネラー)の合議の結果、最も多かった評価を採用することとした。
なお、陰性対照品と陽性対照品、及び中間対照品は、以下のとおり調製した。
[陽性対照(基準1):濁り強い]
陽性対照して、抹茶1g((株)伊藤園社製、霧の音)を150mlの熱湯を注ぎ、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
[陰性対照(基準4):濁り弱い]
陽性対照としたサンプル(基準1)を熱湯で1000倍希釈したものを、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
[中間対照(基準2):濁りやや強い]
陽性対照としたサンプル(基準1)を熱湯で100倍希釈したものを、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
[中間対照(基準3):濁りやや弱い]
陽性対照としたサンプル(基準1)を熱湯で10倍希釈したものを、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
=濁り度合い=
4:陽性対照(基準1)と中間対照(基準3)の間の濁り度合い
3:中間対照(基準3)と中間対照(基準2)の間の濁り度合い
2:中間対照(基準2)と陰性対照(基準1)の間の濁り度合い
1:陰性対照(基準4)より、濁り度合いが少ない
(官能審査:コク(濃厚さ))
実施例1~25及び比較例1~7で得られた加工茶(サンプル)について、5人の審査官(パネラー)が、濃厚さ:サンプルを含んだ際に舌に感じる味の厚みや重たさについて、以下の基準で1点~4点の4段階で点数を付けて評価した。
この際、濃厚さが4点に相当するサンプルを陽性対照(基準1)とする一方、濃厚さが1点に相当するサンプルを陰性対照(基準4)とした。またその中間のサンプルとして濃厚さ3点の対照(基準2)、及び濃厚さ2点の対照(基準2)として訓練された各審査官(パネラー)が目視にて評価し、さらに5人の審査官(パネラー)の合議の結果、最も多かった評価を採用することとした。
なお、陰性対照品と陽性対照品、及び中間対照品は、以下のとおり調製した。
[陽性対照(基準1):濃厚さ強い]
陽性対照して、抹茶1g((株)伊藤園社製、霧の音)を150mlの熱湯を注ぎ、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
[陰性対照(基準4):濃厚さ弱い]
陽性対照としたサンプル(基準1)を熱湯で1000倍希釈したものを、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
[中間対照(基準2):濃厚さやや弱い]
陽性対照としたサンプル(基準1)を熱湯で100倍希釈したものを、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
[中間対照(基準3):濃厚さやや強い]
陽性対照としたサンプル(基準1)を熱湯で10倍希釈したものを、茶筅で点てた後、表面の気泡を網ですくって茶(対照サンプル)を得た。
=濃厚さ=
4:陽性対照(基準1)と中間対照(基準3)の間の濃厚さ
3:中間対照(基準3)と中間対照(基準2)の間の濃厚さ
2:中間対照(基準2)と陰性対照(基準1)の間の濃厚さ
1:陰性対照(基準4)より、濃厚さが少ない
(飛散性の評価)
実施例1~25及び比較例1~7で得られた加工茶(サンプル)について、前記方法で測定した分散度に基づき、下記評価項目に従って飛散性の評価を行なった。
=飛散性=
4:分散度が30%以上
3:分散度が20%以上30%未満
2:分散度が10%以上20%未満
1:分散度が10%未満
(分散性の評価)
室内温度20度、室内湿度45%の環境で、200mlの磁器製の検茶碗に茶漉し(18-8ハイテックティーストレーナー小、寸法(mm):直径55×H35、畳織200メッシュ)をセットした。
実施例1~25及び比較例1~7で得られた加工茶(サンプル)1gを、茶漉しに投入し、沸騰したイオン交換水150mlを検茶碗の縁にあてて、お湯が回るように注ぎ入れ、30秒後に液面から茶漉しの底が3cm離れた状態まで持ち上げ、そこで手を放して茶漉しを落下させる動作を繰り返した回数をカウントした。
この際、通常の抹茶((株)伊藤園社製、霧の音)で同様の動作を50回繰り返したサンプルを陰性対照とし、そのダマの数と同数になるまで落下させた回数を50回との比(試験サンプル落下回数/50回)×100(パーセント)を算出した。
=分散性=
4:20%未満
3:20%以上60%未満
2:60%以上100未満
1:100%以上
=総合評価1=
濁り度合い、濃厚さ、飛散性、分散性の4項目の評点を、以下の基準にて評価した。
◎:合計点数が15~16点であり、評価に「1」がなく、非常に良好な茶葉組成物及び加工茶である。
○:合計点数が8~14点であり、評価に「1」がなく、良好な茶葉組成物である。
△:合計点数が6~7点であり、評価に「1」がなく、あまり良くない。
×:合計点数が5点以下であるか、評価に「1」がある。良くない。
(混合保持性の評価)
混合対象として、緑茶葉((株)伊藤園社製、お~いお茶若茎入り緑茶)を、クラッシュミル(IFM-C20G 岩谷産業社製)にて10秒粉砕し、茶業篩12号及び50号で篩分けし、「12号下、50号上」を使用した。室内温度20度、室内湿度45%の環境で該茶葉29gと、実施例2、8~25で得られた加工茶(サンプル)1.00gを100mL容量の円筒形ガラス瓶(内径50mm×深さ50mm)に投入し、蓋をして20回上下転倒することで均一混合した。これをバイブレーションテスターBF-50UT(アイデックス社)に設置し、周波数40Hzにて5分間運転した。運転後の内容物を目視し、以下の様に評価した。
=混合保持性=
4:茶葉組成物が目視で認めらない層高が25%未満
3:茶葉組成物が目視で認めらない層高が25%以上、50%未満
2:茶葉組成物が目視で認めらない層高が50%以上、75%未満
1:茶葉組成物が目視で認めらない層高が75%以上
(粉漏れ量の評価)
実施例2、8~25で得られた加工茶(サンプル)1.00gを、ナイロン紗(2030BB、不双産業社製)のティーバッグ用フィルターで、一辺が50mmのテトラ型のティーバッグを作製し、その中に詰めてティーバッグサンプルを作製した。
室内温度20度、室内湿度45%の環境で、該ティーバッグサンプルを20cmの高さから5回自然落下させ、周りにこぼれたサンプルを収集し、その質量を測定した。
粉漏れ量=(こぼれたサンプル質量/詰めたサンプル質量(1.00g))×100とした。
=粉漏れ量=
4:10.0%未満
3:10.0%以上20.0%未満
2:20.0%以上60.0%未満
1:60.0%以上100未満
(加工適性の評価)
室内温度20度、室内湿度45%の環境で実施例2、8~25を5人の作業者で同様の操作を行い、茶葉組成物の形成の再現性を以下の基準にて評価した。
=加工適性の評価=
4:5人全員が適切に茶葉組成物を形成できる。
3:1人が、茶葉組成物の形成が適切でなかった。
2:2人が、茶葉組成物の形成が適切でなかった。
1:3人以上が、茶葉組成物の形成が適切でなかった。
なお、「茶葉組成物の形成が適切でなかった」とは、使用した茶葉片に対して、70%以上が未接合の茶葉片、すなわち粒子径710μm以下の粒子である、或いは、過剰に接合した状態、すなわち粒子径2000μm以上であることを指す。
(経時劣化:劣化度合いの評価)
混合茶を作製した。混合対象として、緑茶葉((株)伊藤園社製、予約生新茶(含有率4.8%))を使用した。室内温度20度、室内湿度45%の環境で該茶葉29gと、実施例2、8~25で得られた加工茶(サンプル)1.00gとを混合して混合茶(サンプル)を得た。
上記の混合茶(サンプル)を、アルミ袋に窒素充填し、残存酸素濃度を3%にして密封し、25℃で6か月保管した。6か月後に、サンプル3gを200mlの熱湯を注ぎ、官能評価を実施した。
5人の審査官(パネラー)が、劣化度合いについて以下の基準で1点~4点の4段階で点数を付けた。
この際、訓練された各審査官(パネラー)が検茶法にて、下記陰性対照(基準1)が劣化度合い4点相当の基準、下記陽性対照(基準2)が劣化度合い1点相当の基準として、味と香り及び水色を評価し、さらに5人の審査官(パネラー)の合議の結果、最も多かった評価を採用することとした。
陰性対照(基準1):経時試験を開始する際に、冷暗所の加湿状態のゲージの中にサンプルをセットして混合茶の含水量が8%の対照サンプルを作製し、窒素充填し残存酸素濃度を3%にしアルミ袋に詰めて、経時劣化の官能試験を実施するまで、25℃保管をしたサンプルを常温に戻してから開封したもの。
陽性対照(基準2):経時試験を開始する際に、基準1と同様に詰めて、経時劣化の官能試験を実施するまで、-20℃の冷凍保管をした対照サンプルを常温に戻してから開封したもの。
=劣化度合い=
4:劣化臭及び色調変化を感じない(陽性対照(基準2)と同等)
3:劣化臭及び色調変化をわずかに感じる。(陽性対照(基準2)より弱い)
2:劣化臭及び色調変化をやや感じる。(陰性対照(基準1)より弱い)
1:劣化臭及び色調変化を感じる。(陰性対照(基準1)と同等)
=総合評価2=
混合保持性、粉漏れ量、加工適性、劣化度合いの4項目の評点を、以下の基準にて評価した。
◎:合計点数が15点以上である。非常に良好な加工茶である。
○:合計点数が10~14点であり、且つ評価に「1」がない。良好な加工茶である。
△:10~13点であり、且つ評価に「1」がある、或いは、合計点数が8~10点であり、且つ評価に「1」がない。あまり良くない。
×:合計点数が8~10点であり、且つ評価に「1」がある、或いは、合計点数が7点以下である。良くない。
Figure 2022072277000003
Figure 2022072277000004
Figure 2022072277000005
実施例1~25で得られた加工茶(サンプル)の茶葉組成物を電子顕微鏡で観察したところ、多孔質を呈し、且つ、多数(少なくとも2つ以上)の茶葉片乃至茶葉粒子が密接乃至接合してなる構成を備えたものであることが確認された。
上記実施例及びこれまで本発明者が行ってきた試験結果から、茶葉組成物の空隙率が1.0~40.0%であり、且つ、前記茶葉片乃至茶葉粒子の平均径が7μm~1000μmであれば、茶葉が含有する機能性成分を余すことなく経口摂取することができ、かつ、空気中に飛散する飛散性を抑制でき、且つ、水やお湯に加えた際の分散性が高く、さらには、舌触りなどの美味しさにも優れた茶葉組成物であることが分かった。
さらに加工茶のスパチュラ角が25~55°であるという条件を満足すれば、抽出して摂取することを目的とした茶葉や米などの他の原料と固体混合した際に分離が生じ難く、且つ、ティーバックなどの包装体に封入した際に、粉漏れし難い茶葉組成物とすることができることが分かった。
なお、実施例2、実施例3及び比較例5を対比すると、実施例2に比べて、実施例3及び比較例5で得られた加工茶(サンプル)及びその茶葉組成物は、乾燥前の水分が少なく、空隙率が大きいため、飛散性の測定の分散度測定時に、加工茶(サンプル)及び茶葉組成物が落下して設置した直径10cmのウォッチグラスに当たった衝撃で顆粒が崩れて、粉末が発生したため、飛散性が悪くなったことが観察された。
また、実施例12、実施例13及び実施例24で得られた加工茶(サンプル)及びその茶葉組成物は、通常の温度の水やお湯には好ましく分散する一方、氷水に対しては分散性が低下することが認められた。

Claims (18)

  1. 茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物であり、
    当該茶葉組成物の空隙率が1.0~40.0%であることを特徴とする茶葉組成物。
  2. 崩壊性を有することを特徴とする、請求項1に記載の茶葉組成物。
  3. 前記崩壊性は、物理的事由及び/又は化学的事由に起因するものである、請求項2に記載の茶葉組成物。
  4. 含水率が1.0~10.0質量%である、請求項1~3の何れかに記載の茶葉組成物。
  5. 前記茶葉組成物は、隣接する茶葉粒子又は茶葉片が接合してなる構成を備えたものである、請求項1~4の何れかに記載の茶葉組成物。
  6. 前記茶葉組成物は、隣接する茶葉粒子又は茶葉片が液状体を介して接合してなる構成を備えたものである、請求項1~5の何れかに記載の茶葉組成物。
  7. 前記茶葉組成物は、隣接する茶葉粒子又は茶葉片が茶葉由来成分を介して接合してなる構成を備えたものである、請求項1~6の何れかに記載の茶葉組成物。
  8. 前記茶葉由来成分がアミノ酸である請求項7に記載の茶葉組成物。
  9. 茶葉由来成分以外のバインダーを含有しないことを特徴とする、請求項1~8の何れかに記載の茶葉組成物。
  10. 請求項1~9の何れかに記載の茶葉組成物からなる飲食品用加工茶。
  11. 圧縮度:((かためかさ密度-ゆるめかさ密度)/かためかさ密度)×100が40.0%以下である、請求項10に記載の飲食品用加工茶。
  12. スパチュラ角が25~55°である、請求項10又は11に記載の飲食品用加工茶。
  13. ゆるめかさ密度が0.15~0.35g/mLである、請求項10~12の何れかに記載の飲食品用加工茶。
  14. かためかさ密度が0.15~0.45g/mLである、請求項10~13の何れかに記載の飲食品用加工茶。
  15. 茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物を作製すると共に、
    当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする茶葉組成物の製造方法。
  16. 茶葉組成物に由来する物質が空気中に飛散するのを抑制する方法(「茶葉組成物の飛散抑制方法」とも称する)であって、
    前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
    当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする、茶葉組成物の飛散抑制方法。
  17. 茶葉組成物を水に入れた際の分散性を向上させる方法(「茶葉組成物の分散性向上方法」とも称する)であって、
    前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
    当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする、茶葉組成物の分散性向上方法。
  18. 茶葉組成物の美味しさを向上させる方法(「茶葉組成物の美味しさ向上方法」とも称する)であって、
    前記茶葉組成物を、茶葉粒子又は茶葉片(これらを総称して「茶葉体」とも称する)であって、平均径が7μm~1000μmであるものから選択される1種又は2種以上の茶葉体からなる塊状の茶葉組成物とすると共に、
    当該茶葉組成物の空隙率を1.0~40.0%に調整することを特徴とする、茶葉組成物の美味しさ向上方法。
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