JP2022071290A - 光学部品および光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品の光学特性を向上する上で有利な技術を提供する。【解決手段】基体と、前記基体の上に設けられた第1層群と、前記第1層群と前記基体との間に設けられた第2層群と、を含む積層膜と、を備え、前記第2層群において、第1誘電体層と第2誘電体層が交互に積層されており、前記第1層群において、第3誘電体層と第4誘電体層が交互に積層されており、前記第1誘電体層の屈折率は前記第2誘電体層の屈折率よりも高く、前記第3誘電体層の屈折率は前記第4誘電体層の屈折率よりも高く、前記第1誘電体層の組成と前記第2誘電体層の組成は互いに異なり、前記第1誘電体層は第1金属元素の化合物を含有し、前記第3誘電体層は第1金属元素とは別の第2金属元素の化合物を含有することを特徴とする光学部品。【選択図】図1

Description

積層膜を備えた光学部品に関する。
複数の誘電体層を積層した積層膜は、その設計の自由度の高さから、光学部品において、反射防止膜や反射膜、フィルタ膜など様々に用いられている。
特許文献1、2には、誘電体多層膜を備えた光学素子が開示されている。
特開2005-345492号公報 特開平7-244205号公報
特許文献1、2に記載の技術では、光学素子の光学特性を向上する上で、検討が十分でない。そこで本発明は、光学部品の光学特性を向上する上で有利な技術を提供することを目的とする。
基体と、前記基体の上に設けられた第1層群と、前記第1層群と前記基体との間に設けられた第2層群と、を含む積層膜と、を備え、前記第2層群において、第1誘電体層と第2誘電体層が交互に積層されており、前記第1層群において、第3誘電体層と第4誘電体層が交互に積層されており、前記第1誘電体層の屈折率は前記第2誘電体層の屈折率よりも高く、前記第3誘電体層の屈折率は前記第4誘電体層の屈折率よりも高く、前記第1誘電体層の組成と前記第2誘電体層の組成は互いに異なり、前記第1誘電体層は第1金属元素の化合物を含有し、前記第3誘電体層は第1金属元素とは別の第2金属元素の化合物を含有することを特徴とする光学部品。
上記課題を解決するための手段の第2の観点は、基体と、前記基体の上に設けられた積層膜と、を備え、前記積層膜は、第1誘電体層、第2誘電体層、第3誘電体層および第4誘電体層を含み、前記第1誘電体層は前記第2誘電体層と前記基体との間に配され、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層との間の距離は前記第1誘電体層の厚さよりも小さく、前記第3誘電体層は前記第4誘電体層と前記基体との間に配され、前記第3誘電体層と前記第4誘電体層との間の距離は前記第3誘電体層の厚さよりも小さく、第1誘電体層は弗化イッテルビウムを含有し、第3誘電体層は弗化ネオジム、弗化ネオジム、弗化ランタン、弗化ガドリニウム、弗化サマリウム、弗化セリウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含有し、前記第2誘電体層および前記第4誘電体層のそれぞれは、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化リチウム、弗化カルシウム、弗化バリウム、弗化ストロンチウム、酸化シリコン、クリオライトおよびチオライトの少なくともいずれかを含有することを特徴とする。
本発明によれば、光学部品の光学特性を向上する上で有利な技術を提供することができる。
光学部品を説明する模式図。 周期表。 光学部品を説明する模式図。 光学機器を説明する模式図。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の説明および図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そして、共通する構成を断りなく複数の図面を相互に参照して説明する場合がある。また、共通の符号を付した構成については説明を省略する場合がある。
図1を用いて、光学部品30を説明する。光学部品30は、基体10と、基体10の上に設けられた積層膜20と、を備える。光学部品30は、光が積層膜20に対して基体10とは反対側から積層膜20へ入射するように用いられうる。あるいは、光学部品30は、光が基体10側から積層膜20へ入射するように用いられうる。光学部品30における積層膜20は、所定の波長の光が積層膜20によって反射されるように反射膜として用いられうる。あるいは、光学部品30における積層膜20は、所定の波長の光が積層膜20によって選択的に透過するようにフィルタ膜として用いられてもよい。あるいは、積層膜20は、光学部品30での反射を抑制するための反射防止膜として用いられてもよい。
積層膜20は、誘電体層群27と誘電体層群28を含む。誘電体層群27は誘電体層群28と基体10との間に設けられている。さらに、積層膜20は、誘電体層群29を含みうる。誘電体層群28は誘電体層群27と誘電体層群29との間に設けられている。
積層膜20は、誘電体層21、誘電体層22、誘電体層23および誘電体層24を含む。さらに、積層膜20は、誘電体層25を含むこともでき、誘電体層26を含むこともできるが、積層膜20は、誘電体層25および誘電体層26の少なくとも一方を含まなくてもよい。積層膜20は多数の誘電体層が積層されたものであるから、誘電体多層膜あるいは誘電体積層膜と呼ぶこともできる。
誘電体層群27は誘電体層21および誘電体層22を含む。誘電体層21は誘電体層22と基体10との間に設けられている。誘電体層群27において、誘電体層21と誘電体層22が交互に積層されていることが好ましい。誘電体層群28は誘電体層23および誘電体層24を含む。誘電体層23は誘電体層24と基体10との間に設けられている。誘電体層群28において、誘電体層23と誘電体層24が交互に積層されていることが好ましい。ここで、第1種類の層と第2種類の層が交互に積層していることは、2つの第1種類の層の間に少なくとも1つの第2種類の層が位置しており、かつ、2つの第2種類の層の間に少なくとも1つの第1種類の層が位置している状態を意味する。従って、第1種類の層と第2種類の層が交互に積層されているためには、少なくとも4層が必要である。ただし、図1の誘電体層群27では、2種類の誘電体層21、22おそれぞれ1層ずつ、計2層を記載している。ここでは、積層膜20が誘電体層群27と誘電体層群28を含む形態を説明したが、誘電体層21、誘電体層22、誘電体層23および誘電体層24の組が、繰り返し積層されている形態であってもよい。誘電体層25および誘電体層26は、誘電体層群29に含まれる。誘電体層群29において、誘電体層25と誘電体層26は交互に積層されていなくてもよいし、交互に積層されていてもよい。
誘電体層21は、基体10と誘電体層23との間に設けられている。誘電体層21の屈折率Naは誘電体層22の屈折率Nbよりも高い(Na>Nb)。誘電体層21と誘電体層22との間の距離Dbは誘電体層21の厚さTaよりも小さい(Db<Ta)。これは、誘電体層21と誘電体層22とが互いの近傍に配置されている(近接する)ことを意味する。典型的には、誘電体層22が誘電体層21に接していて、距離Dbはゼロであるが、誘電体層21と誘電体層22との間に他の誘電体層(不図示)が配置されていてもよい。誘電体層23の屈折率Ncは誘電体層24の屈折率Ndよりも高い(Nc>Nd)。誘電体層22と誘電体層23との間の距離Dcは注目する誘電体層22と誘電体層23との間の層数に依存するが、1μm未満でありうる。距離Dcは厚さTbおよび厚さTcよりも大きくてもよい。誘電体層23と誘電体層24との間の距離Ddは誘電体層23の厚さTcよりも小さい(Dd<Tc)。典型的には、誘電体層24が誘電体層23に接していて、距離Ddはゼロであるが、誘電体層23と誘電体層24との間に他の誘電体層(不図示)が配置されていてもよい。誘電体層25と誘電体層26との間の距離Dfは誘電体層25の厚さTeよりも小さい(Df<Te)。典型的には、誘電体層26が誘電体層25に接していて、距離Dfはゼロであるが、誘電体層25と誘電体層26との間に他の誘電体層(不図示)が配置されていてもよい。誘電体層24と誘電体層25との間の距離Deは、注目する誘電体層24と誘電体層25との間の層数に依存するが、1μm未満でありうる。距離Deは厚さTdおよび厚さTfよりも大きくてもよい。
誘電体層21は金属元素Mtlaの化合物を含有する。誘電体層23は金属元素Mtlcの化合物を含有する。金属元素Mtlcは金属元素Mtlaとは別の元素である。なお、2つの元素が別の元素であることは、原子番号が互いに異なる元素であることを意味し、2つの元素が同じ元素であることは原子番号が等しい元素であることを意味する。図2には元素記号と原子番号を記載した周期表を示しており、ハッチングを付した元素が金属元素であり、ハッチングを付さない元素が非金属元素である。
誘電体層21の組成と誘電体層23の組成は互いに異なる。ここでいう組成とは、それぞれの誘電体層21、23を構成する全元素の組み合わせおよび全元素の比率の少なくとも一方を指す。
誘電体層21、23は、ぞれぞれの近傍にある誘電体層22、24よりも屈折率が高い。互いに近傍にある2つの誘電体層のうち、屈折率が相対的に高い方の誘電体層(誘電体層21、23)を高屈折率層と称し、屈折率が相対的に低い方の誘電体層(誘電体層22、24)を低屈折率層と称する。誘電体層21、23の光学膜厚を所定範囲にするために必要な物理膜厚は、誘電体層22、24の光学膜厚を所定範囲にするために必要な物理膜厚よりも小さくすることができる。そのため、材料選択や膜厚設定の自由度が高い。したがって、誘電体層21、23は、互いの組成を異ならせる上で好適である。誘電体層21、22、23、24のそれぞれの光学膜厚は、透過あるいは反射する光の波長λに応じて適宜設定することができ、典型的には波長λ未満であり、例えばλ/8~3λ/8である。誘電体層21、22、23、24のそれぞれの光学膜厚は異なっていてもよいし、同じであってもよい。
誘電体多層膜では、低屈折率層と高屈折率層との界面での反射光の干渉を利用して所望の光学特性を実現するため、低屈折率層と高屈折率層との界面での反射率は高い方がよい。互いに近傍に位置する(例えば界面を成す)低屈折率層および高屈折率層について、低屈折率層の屈折率をNt、高屈折率層の屈折率をNkとする。低屈折率層と高屈折率層との間(例えば界面)での反射率Rは簡単にはR={(Nk-Nt)/(Nk+Nt)}で表現される。つまり、低屈折率層の屈折率Ntと高屈折率層の屈折率Nkの和が小さいほど反射率Rが高く、低屈折率層の屈折率Ntと高屈折率層の屈折率Nkの差が大きいほど反射率Rが高くなる。
誘電体層23における金属元素Mtlcの濃度Cccは、誘電体層21における金属元素Mtlcの濃度Ccaと異なりうる(Ccc≠Cca)。誘電体層23における金属元素Mtlcの濃度Cccは、誘電体層21における金属元素Mtlcの濃度Ccaよりも高いこと(Ccc>Cca)が好ましい。典型例では、誘電体層21は金属元素Mtlcを含まなくてよく、その場合の誘電体層21における金属元素Mtlcの濃度Ccaはゼロである。変形例では、誘電体層21は金属元素Mtlaの化合物および金属元素Mtlcの化合物を含有し、誘電体層23も金属元素Mtlaの化合物および金属元素Mtlcの化合物を含有しうる。
誘電体層21における金属元素Mtlaの濃度Caaは、誘電体層23における金属元素Mtlaの濃度Cmacと異なりうる(Caa≠Cac)。誘電体層21における金属元素Mtlaの濃度Cmaaは、誘電体層23における金属元素Mtlaの濃度Cacよりも高いこと(Caa>Cac)が好ましい。典型例では、誘電体層23は金属元素Mtlaを含まなくてよく、その場合の誘電体層21における金属元素Mtlaの濃度Ccaはゼロである。他の例では、誘電体層21は金属元素Mtlaの化合物および金属元素Mtlcの化合物を含有し、誘電体層23も金属元素Mtlaの化合物および金属元素Mtlcの化合物を含有しうる。
金属元素Mtlaは遷移元素でありうる。また、金属元素Mtlcは遷移元素でありうる。図2に示した周期表では、太枠で囲んだ元素が遷移元素であり、太枠外の元素は典型元素である。化合物の非金属元素が同じ元素である化合物を比較すると、一般的に、遷移金属元素の化合物は典型金属元素の化合物よりも屈折率が高いため、高屈折率層の材料として好適である。しかし、金属元素Mtlaおよび金属元素Mtlcの少なくとも一方が典型元素であってもよい。
誘電体層21に含有される化合物は、例えば、金属元素Mtlaと非金属元素Ntlaとの化合物であり、例えば、硼化物、炭化物、窒化物、酸化物、弗化物、硫化物、燐化物、塩化物であり、典型的には酸化物あるいは弗化物である。誘電体層23に含有される化合物は、例えば、金属元素Mtlcと非金属元素Ntlaとの化合物であり、例えば、硼化物、炭化物、窒化物、酸化物、弗化物、硫化物、燐化物、塩化物であり、典型的には酸化物あるいは弗化物である。非金属元素Ntlcは非金属元素Ntlaと同じ元素であってもよいし、非金属元素Ntlcは金属元素Mtlaと別の元素であってもよい。
金属元素Mtlaは希土類元素でありうる。また、金属元素Mtlcは希土類元素でありうる。希土類元素は、原子番号21、39、57~71の元素である。誘電体層21は弗化物を含有しうる。誘電体層21が含有する化合物は、金属元素Mtlaの弗化物でありうる。誘電体層23は弗化物を含有しうる。誘電体層23が含有する化合物は、金属元素Mtlcの弗化物でありうる。
多くの金属弗化物は、多くの金属酸化物に比べて、紫外線に対する吸収が小さい。そのため、紫外光を透過もしくは反射によって利用することを目的とした光学部品30において、誘電体層21、23の少なくともいずれかが、金属弗化物を含有することは、紫外光の利用効率を高める上で有効である。
誘電体層23は、弗化ネオジム(NdF)、弗化ランタン(LaF)、弗化ガドリニウム(GdF)、弗化サマリウム(SmF)、弗化セリウム(CeF)および酸化アルミニウム(Al)の少なくともいずれかを含有しうる。誘電体層21は弗化イッテルビウム(YbF)を含有しうる。
他の例では、金属元素Mtlaは第4族元素あるいは第5族元素でありうる。
また、金属元素Mtlcは第4族元素あるいは第5族元素でありうる。金属元素Mtlaや金属元素Mtlcがチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであって、非金属元素NtlaやNtlcが酸素である場合、誘電体層21、22は酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは酸化ハフニウムを含有する。
他の例では、金属元素Mtlaは第12族元素あるいは第13族元素でありうる。また、金属元素Mtlcは第12族元素あるいは第13族元素でありうる。金属元素Mtlaや金属元素Mtlcが亜鉛、アルミニウム、ガリウムまたはインジウムであって、非金属元素NtlaやNtlcが酸素である場合、誘電体層21、22は酸化亜鉛、酸化アルミニウムまたは酸化ガリウムを含有する。
誘電体層21の組成と誘電体層23の組成とが互いに異なることにより、積層膜20の機能向上を果たすことができる。誘電体層21の組成と誘電体層23の組成が異なると、各誘電体層の光学的特性や化学的特性、機械的特性が異なる。光学的特性としては、屈折率や消衰係数が異なりうる。化学的特性としては、拡散定数や密着性などが異なりうる。機械的特性としては、表面形状や熱膨張係数、弾性係数などが異なりうる。これらの特性を組み合わせることで、積層膜20の機能向上を果たすことができる。
誘電体多層膜では、高屈折率層と低屈折率層との界面での反射光の干渉を利用して所望の光学特性を実現するため、高屈折率層と低屈折率層との間(例えば界面)での反射率は高い方がよい。そのためには、高屈折率層と低屈折率層との屈折率比(Nk/Nt)や屈折率差(Nk-Nt)が大きい方が大きく、高屈折率層と低屈折率層との屈折率和(Nk+Nt)が小さい方がよい。
誘電体層21と誘電体層22との界面での反射率RaはRa={(Na-Nb)/(Na+Nb)}で表され、誘電体層23と誘電体層24との界面での反射率RcはRc={(Nc-Nd)/(Nc+Nd)}で表される。Ra<Rcとなる条件はNa/Nb<Nc/Ndであり、Ra>Rcとなる条件は、Na/Nb>Nc/Ndである。
例えば、光が積層膜20に対して基体10とは反対側から積層膜20へ入射して、所定の波長の光が積層膜20によって反射される場合には、Rc>Raを満たすのが好適である。光の入射面(上面202)に近い方に、より屈折率が高い反射面(界面)を配置することは、積層膜20の反射率を高める上で有利だからである。あるいは、光が積層膜20に対して基体10側から積層膜20へ入射して、所定の波長の光が積層膜20によって透過される場合にも、Rc>Raを満たすのが好適である。光の入射面(上面202)から遠い方に、より屈折率が高い反射面(界面)を配置することは、積層膜20の透過率を高める上で有利だからである。
誘電体層23の屈折率Ncと誘電体層24の屈折率Ndとの比Nc/Ndは、誘電体層21の屈折率Naと誘電体層22の屈折率Nbとの比Na/Nbよりも大きくてもよい(Nc/Nd>Na/Nb)。Nc/Nd>Na/Nbを満たすことは、Rc>Raを満たす上で有利である。
誘電体層23の屈折率Ncと誘電体層24の屈折率Ndとの差Nc-Ndは、誘電体層21の屈折率Naと誘電体層22の屈折率Nbとの差Na-Nbよりも大きくてもよい(Nc-Nd>Na-Nb)。Nc-Ndが大きいほど反射率Rcが高くなる。
誘電体層23の屈折率Ncと誘電体層24の屈折率Ndとの和Nc+Ndは、誘電体層21の屈折率Naと誘電体層22の屈折率Nbとの和Na+Nbよりも小さくてもよい(Nc+Nd<Na+Nb)。Nc+Ndが小さいほど反射率Rcが高くなる。
誘電体層23の屈折率Ncは、誘電体層21の屈折率Naよりも高くてもよい(Nc>Na)。Nc>NaかつNd≦Nbであれば、Nc/Nd>Na/NbおよびNc-Nd>Na-Nbを満たす。Nd>Nbであったとしても、Nc>Naを満たすことは好ましい。
また、例えば、光が積層膜20に対して基体10側から積層膜20へ入射して、所定の波長の光が積層膜20によって反射される場合には、Rc<Raを満たすのが好適である。光の入射面(下面201)に近い方に、より屈折率が高い反射面(界面)を配置することは、積層膜20の反射率を高める上で有利だからである。あるいは、光が積層膜20に対して基体10とは反対側から積層膜20へ入射して、所定の波長の光が積層膜20によって透過される場合にも、Rc<Raを満たすのが好適である。光の入射面(上面202)から遠い方に、より屈折率が高い反射面(界面)を配置することは、積層膜20の反射率を高める上で有利だからである。
誘電体層23の屈折率Ncと誘電体層24の屈折率Ndとの比Nc/Ndは、誘電体層21の屈折率Naと誘電体層22の屈折率Nbとの比Na/Nbよりも低くてもよい(Nc/Nd<Na/Nb)。Nc/Nd<Na/Nbを満たすことは、Rc<Raを満たす上で有利である。
誘電体層23の屈折率Ncと誘電体層24の屈折率Ndとの差Nc-Ndは、誘電体層21の屈折率Naと誘電体層22の屈折率Nbとの差Na-Nbよりも低くてもよい(Nc-Nd<Na-Nb)。Nc-Ndが大きいほど反射率Rcが高くなる。
誘電体層23の屈折率Ncと誘電体層24の屈折率Ndとの和Nc+Ndは、誘電体層21の屈折率Naと誘電体層22の屈折率Nbとの和Na+Nbよりも大きくてもよい(Nc+Nd>Na+Nb)。Nc+Ndが小さいほど反射率Rcが高くなる。
誘電体層23の屈折率Ncは、誘電体層21の屈折率Naよりも高くてもよい(Nc<Na)。Nc<NaかつNd≧Nbであれば、Nc/Nd<Na/NbおよびNc-Nd<Na-Nbを満たす。Nd<Nbであったとしても、Nc<Naを満たすことは好ましい。
誘電体層21、22、23、24による光の吸収は少ない方がよいが、例えば他の誘電体層との屈折率の関係を満たすために、光の吸収が生じうる材料を選択する場合がある。誘電体層21の消衰係数をKa、誘電体層22の消衰係数をKb、誘電体層23の消衰係数をKc、誘電体層24の消衰係数をKdとする。ここで、消衰係数は積層膜20で取り扱う所定の波長の光に対するものとする。
例えば、光が積層膜20に対して基体10とは反対側から積層膜20へ入射する場合には、Ka<Kcを満たすよりもKa≧Kcを満たすことの方が好ましい。また、Kb<Kdを満たすよりもKb≧Kdを満たすことの方が好ましい。光の入射面(上面202)に近い方に、より吸収の少ない誘電体層を配置することは、積層膜20による光の吸収を抑制する上で有利だからである。
例えば、光が積層膜20に対して基体10側から積層膜20へ入射する場合には、Ka>Kcを満たすよりもKa≦Kcを満たすことの方が好ましい。また、Kb>Kdを満たすよりもKb≦Kdを満たすことの方が好ましい。光の入射面(下面201)に近い方に、より吸収の少ない誘電体層を配置することは、積層膜20による光の吸収を抑制する上で有利だからである。
積層膜20の各誘電体層は、その結晶性(結晶粒径)や、成膜条件の違いなどにより、固有の表面形状を有しうる。そして、積層膜20の各誘電体層は、基体10側から順に積層される。そのため、各誘電体層の表面形状は、固有の表面形状だけでなく、その下地形状を反映した形状となりうる。積層膜20において、互いに近傍に位置する2つの誘電体層の界面はできるだけ平坦であることが、光学特性を向上する上で好ましい。界面における光の散乱による損失を抑制できるためである。そのためには、各誘電体層の下地形状が平坦であることが好ましい。表面形状が誘電体層毎に異なりうる場合、相対的に基体10から遠い上層の誘電体層の表面形状の平坦性を向上するよりも、相対的に基体10に近い下層の誘電体層の表面形状の平坦性を向上することが効果的である。下層の誘電体層に固有の表面形状の凹凸の高低差が大きいと、その上に形成される上層の誘電体層は、上層の誘電体層に固有の表面形状に加え、下層の誘電体層の凹凸を反映した、高低差の大きい表面形状を有しうる。しかし、下層の誘電体層の表面形状の凹凸の高低差が小さければ、その上に形成される上層の誘電体層は、上層の誘電体層に固有の表面形状に近い表面形状を実現できる。したがって、誘電体層21の基体10とは反対側の面(表面)は、誘電体層23の基体10とは反対側の面(表面)よりも平坦であることが好ましい。同様に、誘電体層22の基体10とは反対側の面(表面)は、誘電体層24の基体10とは反対側の面(表面)よりも平坦であることが好ましい。例えば、積層膜20の基体10とは反対側の面(上面202)の表面粗さが、1.0nmRMS以上かつ3.0nmRMS以下であってもよい。誘電体層21、22には、固有の表面形状が誘電体層23、24より平坦になる材料を選択することができる。
積層膜20の各誘電体層および基体10は、密度が異なりうる。誘電体層21の密度をρa、誘電体層22の密度をρb、誘電体層23の密度をρc、誘電体層24の密度をρdとする。一般的に、密度が高い材料ほど応力が大きくなる傾向がある。また、物理膜厚が大きい誘電体層ほど応力が大きくなる傾向がある。誘電体層の応力は、誘電体層の剥がれや亀裂を生じる原因になりうる。そのため、相対的に物理膜厚が大きい方の誘電体層の密度が、相対的に物理膜厚が小さい方の誘電体層の密度よりも低くてもよい。このようにすることで応力の絶対値の差を小さくすることができる。このことは、互いに近接する2つの誘電体層の応力の正負(正:引っ張り応力、負:圧縮応力)が逆である場合に好適でありうるが、互いに近接する2つの誘電体層の応力の正負が同じである場合にも有効でありうる。低屈折率層の物理膜厚が高屈折率層の物理膜厚よりも大きければ、低屈折率層の密度が、高屈折率層の密度よりも低くてもよい。例えば、誘電体層22の密度ρbは、誘電体層21の密度ρaよりも低いこと(ρb<ρa)が好ましい。誘電体層24の密度ρdは、誘電体層23の密度ρcよりも低いこと(ρd<ρc)が好ましい。
また、積層膜20中のクラックや剥離を抑制する上では、上層の誘電体層の密度が、下層の誘電体層の密度よりも低いことも好ましい。典型的に基体10は積層膜20よりも厚いため、応力が大きくなりやすいため、下層の誘電体層の応力の絶対値はより大きい方がよい。例えば、誘電体層23の密度ρcは、誘電体層21の密度ρaよりも低くてよい(ρc<ρa)。誘電体層24の密度ρdは、誘電体層22の密度ρbよりも低くてよい(ρd<ρb)。基体10の応力がそれほど大きくない場合には、上層の誘電体層の密度が、下層の誘電体層の密度よりも高くてもよく、ρc>ρaおよび/またはρd>ρbとしてもよい。 積層膜20の各誘電体層および基体10は、互いに融点が異なりうる。誘電体層21の融点をMa、誘電体層22の融点をMb、誘電体層23の融点をMc、誘電体層24の融点をMdとする。誘電体層を蒸着法にて形成する場合、上層の誘電体層の形成時には、下層の誘電体の温度が上昇しうるが、蒸着装置を工夫することで、下層の誘電体層の融点を超えないようにすることが好ましい。
互いに近接する2つの誘電体層(高屈折率層と低屈折率層)のうち、物理膜厚が大きい方が、成膜時間が長くなりやすい。そのため、低屈折率層の物理膜厚が高屈折率層の物理膜厚よりも大きければ、低屈折率層の融点が、高屈折率層の融点よりも低くてもよい。例えば、誘電体層22の融点Mbは、誘電体層21の融点Maよりも低いこと(Mb<Ma)が好ましい。誘電体層24の融点Mdは、誘電体層23の融点Mcよりも低いこと(Md<Mc)が好ましい。
また、上層の誘電体層の融点が、下層の誘電体層の融点よりも低いことも好ましい。例えば、誘電体層23の融点Mcは、誘電体層21の融点Maよりも低くてよい(Mc<Ma)。誘電体層24の融点Mdは、誘電体層22の融点Mbよりも低くてよい(Md<Mb)。例えば下層または下層の誘電体層の融点が1000℃以上である場合など、上層の誘電体層の形成時の下層の誘電体の温度上昇による成膜への影響が小さければ、Mc>Maおよび/またはMd>Mbとしてもよい。
誘電体層22は金属元素Mtlbの化合物を含有しうる。誘電体層22が含有する化合物の金属元素Mtlbは典型元素でありうる。誘電体層24は金属元素Mtldの化合物を含有しうる。誘電体層22が含有する化合物の金属元素Mtldは典型元素でありうる。誘電体層22が含有する化合物の金属元素Mtlbと誘電体層24が含有する化合物の金属元素Mtldは同じ元素であってもよい(Mtlc=Mtld)。金属元素Mtldは、金属元素Mtlcとは別の金属元素であってもよい。
金属元素Mtlbは典型元素でありうる。また、金属元素Mtldは典型元素でありうる。化合物の非金属元素が同じ元素である化合物を比較すると、一般的に、典型金属元素の化合物は遷移金属元素の化合物よりも屈折率が低いため、低屈折率層の材料として好適である。しかし、金属元素Mtlbおよび金属元素Mtldの少なくとも一方が遷移元素であってもよい。
誘電体層22に含有される化合物は、例えば、金属元素Mtlbと非金属元素Ntlbとの化合物であり、例えば、硼化物、炭化物、窒化物、酸化物、弗化物、硫化物、燐化物、塩化物であり、典型的には酸化物あるいは弗化物である。誘電体層24に含有される化合物は、例えば、金属元素Mtldと非金属元素Ntldとの化合物であり、例えば、硼化物、炭化物、窒化物、酸化物、弗化物、硫化物、燐化物、塩化物であり、典型的には酸化物あるいは弗化物である。非金属元素Ntldは非金属元素Ntlbと同じ元素であってもよいし、非金属元素Ntldは金属元素Mtlbと別の元素であってもよい。
誘電体層22は弗化物を含有しうる。誘電体層22が含有する化合物は、金属元素Mtlcの弗化物でありうる。誘電体層24は弗化物を含有しうる。誘電体層24が含有する化合物は、金属元素Mtldの弗化物でありうる。
多くの金属弗化物は、多くの金属酸化物に比べて、紫外線に対する吸収が小さい。そのため、紫外光を透過もしくは反射によって利用することを目的とした光学部品30において、誘電体層22、22の少なくともいずれかが、金属弗化物を含有することは、紫外光の利用効率を高める上で有効である。
誘電体層22および誘電体層24のそれぞれは、弗化マグネシウム(MgF)、弗化アルミニウム(AlF)、弗化ナトリウム(NaF)、弗化リチウム(LiF)、弗化カルシウム(CaF)、弗化バリウム(BaF)、弗化ストロンチウム(SrF)、酸化シリコン(SiO)、クリオライト(NaAlF)およびチオライト(NaAl14)の少なくともいずれかを含有しうる。
誘電体層21、22、23、24、25、26のいずれか含有する化合物は、金属元素の化合物でなくて、シリコンの化合物であってもよい。誘電体層21、22、23、24のいずれかは、炭化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコンのいずれかであってもよい。また、炭化シリコン、窒化シリコン、酸化シリコンのいずれかは、酸化炭化シリコン、窒化炭化シリコン、酸化窒化シリコンのいずれかであってもよい。
基体10は、積層膜20の側の表面101と、積層膜20とは反対側の裏面102とを有する。表面101は積層膜20に接しうる。裏面102の形状は表面101の形状と同じであってもよいし異なっていてもよい。表面101は裏面102よりも平坦でありうる。
積層膜20は、基体10の側の下面201と、基体10とは反対側の上面202とを有する。積層膜20の下面201は基体10の表面101と同じ形状を有しうる。積層膜20の基体10側の下面201は、積層膜20の基体10とは反対側の上面202よりも平坦でありうる。積層膜20の基体10とは反対側の上面202の表面粗さは、1.0nmRMS以上かつ3.0nmRMS以下でありうる。
誘電体層21は、基体10の側の下面211と、基体10とは反対側の上面212とを有する。誘電体層23は、基体10の側の下面231と、基体10とは反対側の上面232とを有する。誘電体層21の基体10とは反対側の上面212は、誘電体層23の基体10とは反対側の上面232よりも平坦でありうる。誘電体層21の基体10側の下面211は、誘電体層23の基体10側の下面231よりも平坦でありうる。
基体10は、導電体、半導体、絶縁体のいずれでもよい。基体10は、単結晶体、多結晶体、非晶質体のいずれでもよい。基体10は、単結晶体または多結晶体でありうる。基体10は、例えば金属の多結晶体であってもよいし、半導体の単結晶体でもよいし、半導体の多結晶体でもよいし、絶縁体の単結晶体でもよい。基体10は弗化カルシウム(CaF)、弗化マグネシウム(MgF)、弗化バリウム(BaF)、酸化シリコン(SiO)、CLEARCERAM(登録商標)、Zerodur(登録商標)、BK7等の少なくともいずれかを含有しうる。基体10は蛍石であってもよい。基体10は、ガラスやプラスチックであってもよい。
積層膜20は、誘電体層25を含みうる。誘電体層21、誘電体層22、誘電体層23および誘電体層24が、誘電体層25と基体10との間に設けられている。誘電体層25の屈折率Neは、誘電体層23の屈折率Ncよりも低くてよい(Ne<Nc)。誘電体層25の屈折率Neは、誘電体層24の屈折率Ndよりも高くてよい(Ne>Nd)。誘電体層25の組成と誘電体層24の組成は互いに異なっていてもよい。
誘電体層25は金属元素Mtleの化合物を含有しうる。誘電体層25が含有する化合物の金属元素Mtleは典型元素でありうる。誘電体層25が含有する化合物の金属元素Mtleと誘電体層24が含有する化合物の金属元素Mtldは同じ元素であってもよい(Mtle=Mtld)。金属元素Mtleは、金属元素Mtldとは別の金属元素であってもよい。
誘電体層25に含有される化合物は、例えば、金属元素Mtleと非金属元素Ntleとの化合物であり、例えば、硼化物、炭化物、窒化物、酸化物、弗化物、硫化物、燐化物、塩化物であり、典型的には酸化物あるいは弗化物である。非金属元素Ntleは非金属元素Ntldと同じ元素であってもよいし、非金属元素Ntleは金属元素Mtldと別の元素であってもよい。
誘電体層25は、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化リチウム、弗化カルシウム、弗化バリウム、弗化ストロンチウム、酸化シリコン、クリオライトおよびチオライトの少なくともいずれかを含有しうる。
積層膜20は、誘電体層26を含みうる。誘電体層21、誘電体層22、誘電体層23および誘電体層24が、誘電体層26と基体10との間に設けられている。誘電体層26の屈折率Nfは、誘電体層25の屈折率Neよりも高くてよい(Nf>Ne)。誘電体層26の組成と誘電体層23の組成は互いに同じであってもよい。
誘電体層26は金属元素Mtlfの化合物を含有しうる。誘電体層26が含有する化合物の金属元素Mtlfは遷移元素でありうる。誘電体層26が含有する化合物の金属元素Mtlfと誘電体層23が含有する化合物の金属元素Mtlcは同じ元素であってもよい(Mtlf=Mtlc)。金属元素Mtlfは、金属元素Mtlcとは別の金属元素であってもよい。
誘電体層26に含有される化合物は、例えば、金属元素Mtlfと非金属元素Ntlfとの化合物であり、例えば、硼化物、炭化物、窒化物、酸化物、弗化物、硫化物、燐化物、塩化物であり、典型的には酸化物あるいは弗化物である。
誘電体層23は、弗化ネオジム、弗化ランタン、弗化ガドリニウム、弗化サマリウム、弗化セリウム、弗化イッテルビウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含有しうる。
図3(a)に光学部品30のより好適な形態を示す。積層膜20は、誘電体層群27と誘電体層群28を含む。誘電体層群27は誘電体層群28と基体10との間に設けられている。さらに、積層膜20は、誘電体層群29を含みうる。誘電体層群28は誘電体層群27と誘電体層群29との間に設けられている。
誘電体層群27はi個(i≧2)の誘電体層21(誘電体層21-1~21-i)を含む。誘電体層群27のi個の誘電体層21の各々は、i個の誘電体層21のうちの1個の誘電体層21(例えば誘電体層21-2)に含有される少なくとも2つの元素を含有する。
誘電体層群27はi個の誘電体層22(誘電体層22-1~22-i)を含む。誘電体層群27のi個の誘電体層22は、i個の誘電体層22のうちの1個の誘電体層22(例えば誘電体層22-2)に含有される少なくとも2つの元素を含有する。誘電体層群27において、i個の誘電体層21と、i個の誘電体層22とが交互に積層されている場合、i≧2である。
誘電体層群28はj個(j≧2)の誘電体層23(誘電体層23-1~23-j)を含む。誘電体層群28のj個の誘電体層23の各々は、j個の誘電体層23のうちの1個の誘電体層23(例えば誘電体層23-2)に含有される少なくとも2つの元素を含有する。誘電体層群28はj個の誘電体層24(誘電体層24-1~24-j)を含む。誘電体層群28のj個の誘電体層24は、j個の誘電体層24のうちの1個の誘電体層24(例えば誘電体層24-2)に含有される少なくとも2つの元素を含有する。誘電体層群28において、j個の誘電体層23と、j個の誘電体層24とが交互に積層されている場合、j≧2である。
iの値とjの値は極端に異ならないことが好ましい。具体的には、0.2≦i/j≦5を満たすことが好ましい。i≦jを満たすことが好ましく、i<jを満たすことがより好ましい。誘電体層群28に比べて誘電体層群27の方が基体10に近いため、下地の形状の影響を受けにくいためである。より狭帯域の波長依存性を実現する上では、i≧3およびj≧3の少なくとも一方を満たすことが好ましく、i≧10およびj≧10の少なくとも一方を満たすことがより好ましい。成膜工程簡略化や積層膜20の膜厚低減を果たす上ではi≦30およびj≦30を満たすことが好ましい。
誘電体層群28は1個の誘電体層25と、2個の誘電体層26(誘電体層26-1、26-2)とを含む。誘電体層25は誘電体層26-1と誘電体層26-2との間に設けられている。
光学部品30は、様々な光学機器EQPに適用可能である。光学部品30を備えた光学機器EQPの例としては、カメラレンズや望遠鏡、プロジェクター、露光装置、計測器などである。とりわけ、プロジェクターや露光装置、計測器の様に光源を備えた光学機器に好適である。光学部品30が、光源からの光を透過および/または反射するように、光学部品30の積層膜20を、光源の波長に合わせて設計することできるからである。光源からの光は、赤外光、可視光、紫外光のいずれでもよい。多くの金属弗化物は他の金属化合物に比べて紫外光の吸収が小さいため、光源が紫外光である場合に好適である。
図4には、光学機器EQPの一例としての露光装置の模式図を示している。露光装置である光学機器EQPは、光源1と、照明光学系を構成するミラー2、3を備える。また、光学機器EQPは、レチクル4を支持するレチクルステージ5と、レチクル4のパターンを投影する投影光学系6と、基板7を支持する基板ステージ8とを備える。光源1からの露光光9は照明光学系のミラー2,3で反射されてレチクル4へ導かれ、レチクル4のパターンを伴った露光光9は投影光学系6で集光されて、基板7へ投影される。光源1および光学部品30によってレチクル4に形成されたパターンを基板7に投影する。基板7にはフォトレジストが塗布されており、露光光9によってフォトレジストが露光される。基板7は半導体ウエハであってもよいし、FPD(フラットパネルディスプレイ)用のガラス基板であってもよい。露光装置の露光光は典型的には紫外光である。露光光の波長は、g線光源であれば436nmであり、i線光源であれば約365nmである。露光光の波長は、KrFエキシマレーザー光源であれば約248nmであり、ArFエキシマレーザー光源であれば約193nmであり、EUV(極端紫外線)光源であれば10~20nmである。ここでは、照明光学系のミラー2,3に光学部品30を採用した例を示したが、投影光学系のレンズに光学部品30を採用してもよい。また、投影光学系をミラーで構成して、このミラーに光学部品30を採用してもよい。投影光学系は縮小投影型であってもよいし、等倍投影型であってもよいし、拡大投影型であってもよい。ここでは透過型のレチクル4を例示したが、反射型のレチクル4を用いてもよい。投影光学系はレンズを用いた屈折型であってもよいし、ミラーを用いた反射型であってもよい。EUV光源を備えた露光装置が備える反射型の縮小投影光学系のミラーに、光学部品30を用いてもよい。
半導体の露光装置は、光源から出たエキシマレーザーをミラーで反射させ、またレンズで屈折させながらその光路をコントロールし、レチクルに形成された微細なパターンをシリコンウエハに縮小投影する。光源には、波長が約248nmのKrFエキシマレーザーや波長が約193nmのArFエキシマレーザー等が用いられている。
ここで用いられるミラーは、基材の上に高屈折率層と低屈折率層を交互に積層させた積層膜で形成され、光の干渉を利用して反射率を増加させている。その際、高屈折率材の屈折率と低屈折率材のそれとの差が大きい方が、高い反射率のミラーを得ることができる。紫外光レーザー用のミラーの高屈折率層、及び低屈折率層には、紫外光の吸収が小さい、および耐レーザー性が高いとの理由から金属弗化物が好適である。例えば高屈折率の金属弗化物として、LaF(弗化ランタン)、GdF(弗化ガドリニウム)、NdF(弗化ネオジム)などが候補として挙げられる。低屈折率層としての金属弗化物としてはAlF(弗化アルミニウム)、MgF(弗化マグネシウム)などが候補として挙げられる。
例えば、基板上にLaFとAlFの交互層を20対積層し、その上にLaF、MgF、LaFを積んだ構成が考えられる。この構成では、193nmにおいて理論上99%以上の反射率を得ることができる。しかしながら、高屈折率層として用いているLaFが結晶性を有し、特に真空蒸着法で成膜した場合に積層膜の界面や表面の粗さが無視できないほど大きくなる。界面、表面の粗さが大きいとレーザー光が散乱されてしまい、理論通りの反射率特性を得ることが難しい。その結果、実際に製作したミラーの反射率は理論反射率から数%低いものとなる。これは、高屈折率膜にGdFやNdFといった他の材料を用いた場合も同様である。
そこで、本実施例では、発振波長が193nmのArFエキシマレーザー、光線入射角が45度に対応した紫外光レーザー用のミラーとして用いることができる光学部品について説明する。なお、当然のことながら、本発明は本実施例に限定されるものではない。
基材は35mm×47mm×5mmtの蛍石(CaF)の基板を、表面粗さ0.8nmRMS以下に研磨したものを用いた。なお、本実施例において表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて1μm×1μmの範囲を512点×512点で網目状に測定した結果を用いている。
蛍石基板の上に弗化イッテルビウム層(以下、YbFと記載)と弗化アルミニウム層(以下、AlFと記載)からなるペアをMペア(0≦M≦24)だけ積層する。さらにその上に、弗化ランタン層(以下、LaFと記載)と、AlFからなるペアをLペア(L=24-M)だけ積層する。さらにその上に、LaF、弗化マグネシウム層(以下、MgFと記載)、LaFの順に積層する。このようにして、合計で、51層の誘電体層からなる積層膜を形成する。第1~第n層をYbF/AlFのMペア(M=n/2)が構成し、第n+1~第48層をLaF/AlFのLペア(L=24-M=24-n/2)が構成する。
本実施例では、金属弗化物の成膜は真空蒸着装置を使用した。なお、本発明は真空蒸着法に限定されるものではなく、公知の物理蒸着法(分子線蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、スパッタリング法など)にも適用される。
本実施例で使用した真空蒸着装置の概略を説明する。真空チャンバー内の4つの容器(モリブデン製ボート)のそれぞれに、蒸着材料αとしてYbF、蒸着材料βとしてAlF、蒸着材料γとしてLaF、蒸着材料δとしてMgFを、充填した状態で設置した。4つの蒸着材料の設置位置は、チャンバーの中心に位置する基板公転軸から半径250mmの同心円状にあり、それぞれに抵抗加熱機構が設けられている。基板は基板ホルダに固定され、蒸着材料から高さ1100mmの位置で自公転する。ここで言う自公転とは、基板が基板自転軸を中心に回転しながら、同時に基板公転軸の周りを公転することを意味する。1周公転する間に2.54周自転するよう設計されている。基板より100mm下方には遮蔽マスクが設置してあり、基板上に均一な膜厚で成膜できるよう、予め設計された形状に加工されている。成膜中、基板は基板加熱機構によって加熱できる。基板公転面の中心に置かれた膜厚モニターによって成膜レートを監視し、成膜レートが一定になるように抵抗加熱の電流値を制御する機構を有している。
成膜時、真空チャンバー内の圧力は5.0×10-5Pa、基板温度は280℃とした。表1に示す膜設計になるよう、順次、蒸着材料を所定の膜厚になるよう成膜した。YbFの成膜レートは0.6nm/sec、AlFの成膜レートは0.2nm/sec、LaFの成膜レートは0.2nm/sec、MgFの成膜レートは0.2nm/secにそれぞれ制御した。YbF、LaF、AlF、MgFのいずれの誘電体層も、引っ張り応力を有している。
LaFの密度(理論密度)は5.9g/cm、AlFの密度(理論密度)は2.9g/cm、MgFの密度(理論密度)は3.2g/cmであり、YbFの密度(理論密度)は8.2g/cmである。LaFの融点は1490℃であり、AlFの融点は1040℃であり、MgFの融点は1248℃であり、YbFの融点は1159℃である。
上記成膜条件で成膜したLaFの屈折率は1.69であり、AlFの屈折率は1.41であり、MgFの屈折率は1.44であり、YbFの屈折率は1.68である。この屈折率は193nmの波長の光に対する屈折率である。
各材料の屈折率は次の様に算出した。φ15mm×2mmtの蛍石基板に各材料の単層膜を50~100nmの厚みで成膜したものを作り、分光測定器で波長180nmから240nmの範囲の反射率を光線入射角15度で測定した。その反射率を、光学薄膜解析・設計ソフトFilmWizardTMを用いて解析し、単層膜の屈折率を算出した。
YbFを真空蒸着法で成膜した場合、標準的な成膜レートで成膜すると屈折率は1.63程度である。しかし、成膜レートを増すと、例えば193nmの波長に対する屈折率を1.65以上とすることができ、例えば1.68にできることを本発明者は鋭意検討の末に見出した。発明者らは、標準的な成膜レートが0.2nm/secの蒸着装置において、0.6nm/secでYbFを成膜すれば屈折率1.68のYbFを形成できることを見出した。なお、YbFの真空蒸着において成膜レートを増すと屈折率が大きく増加する理由については定かではないが、高速成膜することで不純物の混入を抑えることができたからではないかと推測している。したがって、基体と、基体の上に設けられた弗化イッテルビウム層と、を備える光学部品において、193nmの波長の光に対する弗化イッテルビウム層の屈折率を1.65以上にすることができる。193nmの波長の光に対する弗化イッテルビウム層の屈折率は1.69未満であってもよい。
各種金属弗化物の表面粗さは、化合物の種類によって依存しうる。例えば、高屈折率材料(屈折率1.50以上)として用いられるLaFの表面粗さは5.8nmRMSであり、GdFの表面粗さは6.3nmRMSであり、SmFの表面粗さは8.9nmRMSであり、YbFの表面粗さは1.1nmRMSである。低屈折率材料(屈折率1.50以下)として用いられるAlFの表面粗さは0.9nmRMSであり、MgFの表面粗さは2.2nmRMSである。いずれも同じ蒸着装置を用いて、蒸着粒子が基板に対して入射角70°で成膜されるように基板を配置して100nm厚さの単層膜を形成し、単層膜の表面粗さ(Rms)をAFMで測定した結果である。
一般的に、金属弗化物は結晶性であるため、その結晶粒によって表面の粗さが大きくなる。またAlFは例外的に非晶質であることから粗さが小さい。高屈折率材料であるLaF、GdF、SmFは粗さが大きいこと(3.0nmRMS超)がわかる。また、YbFが、高屈折率材料でありながら金属弗化物の中で例外的に非晶質であるAlFと同等レベルの小さい粗さであることがわかる。なお、ここに記載していない金属弗化物の高屈折率材料もLaF、GdF、SmFと同様に結晶性の膜であることから、表面粗さが大きいと推定される。このようにYbFは金属弗化物高屈折率材料の中において、非常に平滑であるという固有の特徴を有していることがわかる。
高屈折率層として屈折率1.68のYbFを使った場合のペア数M、層数nを変えた検討を行った。YbFは粗さの小さい高屈折率層であるが、その屈折率はLaFの屈折率1.69未満である。従って、YbFとLaFをうまく組み合わせた積層膜にする必要がある。具体的には、到達する光の量が比較的少ない基板近傍の積層膜の高屈折率層にはYbFを用い、光の量が多い大気側の積層膜の高屈折率層にはLaFを用いた。この構成であれば、基板近傍に粗さの小さいYbFを挿入することで、積層膜ミラー全体の粗さを抑えることができ、かつ大気側の層にはLaFを用いることで理論反射率が高くなり、最終的に反射率の高いミラーを得ることができる。
表1には、YbF/AlFの交互層の層数と、LaF/AlFによる交互層の層数を変えた類型A~Cの膜構成を示す。
Figure 2022071290000002
(類型A)
蛍石基板の上にLaFとAlFからなるペアをn/2ペア、LaFとAlFからなるペアを24-n/2ペア、さらにその上にLaF、MgF、LaFの順に積層している。各層の193nmにおける物理膜厚を表1に示す。各層の物理膜厚は、光学膜厚が193nmの26~29%となるようにしている。
(類型B)
蛍石基板の上にLaFとAlFからなるペアを24ペア、さらにその上にLaF、MgF2、LaFの順に積層している。各層の193nmにおける物理膜厚を表1に示す。類型Bにおいて、それぞれの層は類型Aの同じ膜種と同様の条件で成膜した。
(類型C)
蛍石基板の上にYbFとAlFからなるペアを24ペア、さらにその上にLaF、MgF2、LaFの順に積層している。各層の193nmにおける物理膜厚を表1に示す。類型Bにおいて、それぞれの層は類型Aの同じ膜種と同様の条件で成膜した。
(評価)
類型A、B、Cの光学部品の反射率および表面粗さを比較した結果を表2に示す。表2には、類型Aにおいてnの値を異ならせた場合の特性を記載している。また、図3(c)には、類型A,Bの反射率特性を示ししている。波長193nmで、類型Aのミラーの方が類型Bよりも約0.7%高い反射率を得ることができている。なお、ミラーの反射率は、分光測定器を用いて光線入射角45度で測定した。
Figure 2022071290000003
類型Aと類型Bとを比べると、高屈折率層と低屈折率層の差がより大きいのは類型Bの方なので、理論的には類型Bの方が高い反射率が得られる。しかし、両者の最表面の粗さをAFMで測定したところ、類型Bでは3.1nmRMS、類型Aでは2.4nmRMSであった。したがって、類型Aでは、積層膜の基体とは反対側の面の表面粗さが、1.0nmRMS以上かつ3.0nmRMS以下である。類型Bの方が、粗さが大きく散乱損失が大きい。従って、理論反射率では類型Bの方が高くても、粗さを抑えることのできた類型Aの方が実際の反射率が高くなったと考えられる。これは、YbFが他の金属弗化物の高屈折率膜と比べて、粗さが小さいことに依るものであろう。
屈折率が1.63では、たとえ粗さが小さくても高屈折率層をLaFからYbFに置き換えるだけでは類型Bを超える反射率にはならないが、1.68にまで向上できると誘電体層の材料の組み合わせ次第では類型Bよりも高い反射率を得ることができる。類型Aに示す誘電体層の組み合わせにおいて、類型B以上の反射率を達成できた。一方で、48層の全てのペアをYbF/AlF交互層とした類型Cでは粗さは小さいが反射率が低くなった。
本実施例によれば、積層膜における界面や表面の粗さを小さくすることができ、その結果、反射率の高い紫外域レーザー用ミラーを提供することができる。
以上、説明した実施形態は、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。なお、本明細書の開示内容は、本明細書に記載したことのみならず、本明細書および本明細書に添付した図面から把握可能な全ての事項を含む。
また本明細書の開示内容は、本明細書に記載した個別の概念の補集合を含んでいる。すなわち、本明細書に例えば「AはBよりも大きい」旨の記載があれば、たとえ「AはBよりも大きくない」旨の記載を省略していたとしても、本明細書は「AはBよりも大きくない」旨を開示していると云える。なぜなら、「AはBよりも大きい」旨を記載している場合には、「AはBよりも大きくない」場合を考慮していることが前提だからである。
10 基体
20 積層膜
21~24 誘電体層

Claims (23)

  1. 基体と、
    前記基体の上に設けられた第1層群と、前記第1層群と前記基体との間に設けられた第2層群と、を含む積層膜と、
    を備え、
    前記第2層群において、第1誘電体層と第2誘電体層が交互に積層されており、
    前記第1層群において、第3誘電体層と第4誘電体層が交互に積層されており、
    前記第1誘電体層の屈折率は前記第2誘電体層の屈折率よりも高く、
    前記第3誘電体層の屈折率は前記第4誘電体層の屈折率よりも高く、
    前記第1誘電体層の組成と前記第2誘電体層の組成は互いに異なり、
    前記第1誘電体層は第1金属元素の化合物を含有し、前記第3誘電体層は第1金属元素とは別の第2金属元素の化合物を含有することを特徴とする光学部品。
  2. 前記第3誘電体層の前記屈折率は、前記第1誘電体層の屈折率よりも高い、請求項1に記載の光学部品。
  3. 前記第3誘電体層の前記屈折率と前記第4誘電体層の前記屈折率との差は、前記第1誘電体層の前記屈折率と前記第2誘電体層の前記屈折率との差よりも大きい、請求項1または2に記載の光学部品。
  4. 前記第1金属元素は希土類元素であり、
    前記第2金属元素は希土類元素である、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学部品。
  5. 前記第1誘電体層は弗化物を含有し、
    前記第3誘電体層は弗化物を含有する、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学部品。
  6. 前記第3誘電体層は、弗化ネオジム、弗化ランタン、弗化ガドリニウム、弗化サマリウム、弗化セリウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含有する、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学部品。
  7. 前記第1誘電体層は弗化イッテルビウムを含有する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学部品。
  8. 前記第2誘電体層は金属元素の化合物を含有し、
    前記第4誘電体層は金属元素の化合物を含有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学部品。
  9. 前記第2誘電体層が含有する前記化合物の前記金属元素は典型元素であり、
    前記第4誘電体層が含有する前記化合物の前記金属元素は典型元素である、請求項8に記載の光学部品。
  10. 前記第2誘電体層は弗化物を含有し、
    前記第4誘電体層は弗化物を含有する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学部品。
  11. 前記第2誘電体層および前記第4誘電体層のそれぞれは、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化リチウム、弗化カルシウム、弗化バリウム、弗化ストロンチウム、酸化シリコン、クリオライトおよびチオライトの少なくともいずれかを含有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学部品。
  12. 基体と、
    前記基体の上に設けられた積層膜と、
    を備え、
    前記積層膜は、第1誘電体層、第2誘電体層、第3誘電体層および第4誘電体層を含み、
    前記第1誘電体層は前記第2誘電体層と前記基体との間に配され、前記第1誘電体層と前記第2誘電体層との間の距離は前記第1誘電体層の厚さよりも小さく、
    前記第3誘電体層は前記第4誘電体層と前記基体との間に配され、前記第3誘電体層と前記第4誘電体層との間の距離は前記第3誘電体層の厚さよりも小さく、
    第1誘電体層は弗化イッテルビウムを含有し、
    第3誘電体層は弗化ネオジム、弗化ネオジム、弗化ランタン、弗化ガドリニウム、弗化サマリウム、弗化セリウムおよび酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含有し、
    前記第2誘電体層および前記第4誘電体層のそれぞれは、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム、弗化ナトリウム、弗化リチウム、弗化カルシウム、弗化バリウム、弗化ストロンチウム、酸化シリコン、クリオライトおよびチオライトの少なくともいずれかを含有することを特徴とする光学部品。
  13. 前記第1誘電体層は、前記基体と前記第3誘電体層との間に設けられている、請求項12に記載の光学部品。
  14. 前記第1誘電体層の前記基体とは反対側の面は、前記第3誘電体層の前記基体とは反対側の面よりも平坦である、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光学部品。
  15. 前記積層膜は、前記第1誘電体層に含有される少なくとも2つの元素を含有するi個(i≧2)の誘電体層を含み、かつ、
    前記積層膜は、前記第3誘電体層に含有される少なくとも2つの元素を含有するj個(j≧2)の誘電体層を含み、
    0.2≦i/j≦5を満たす、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の光学部品。
  16. 前記積層膜の前記基体とは反対側の面の表面粗さが、1.0nmRMS以上かつ3.0nmRMS以下である、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の光学部品。
  17. 前記積層膜は、第5誘電体層を含み、
    前記第1誘電体層、前記第2誘電体層、前記第3誘電体層および前記第4誘電体層が、前記第5誘電体層と前記基体との間に設けられており
    (ニ)前記第5誘電体層の屈折率は、前記第3誘電体層の屈折率よりも低く、かつ、前記第4誘電体層の屈折率よりも高いこと、および
    (ホ)前記第5誘電体層は弗化マグネシウムを含有すること、
    の少なくともいずれかを満たす請求項1乃至16のいずれか1項に記載の光学部品。
  18. 基体と、前記基体の上に設けられた弗化イッテルビウム層と、を備え、
    193nmの波長の光に対する前記弗化イッテルビウム層の屈折率が1.65以上であることを特徴とする光学部品。
  19. 前記基体は単結晶または多結晶である、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の光学部品。
  20. 前記基体は弗化カルシウムを含有する、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の光学部品。
  21. 光源と、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の光学部品と、を備え、
    前記光学部品が、前記光源からの光を透過および/または反射することを特徴とする光学機器。
  22. 前記光は紫外光である、請求項21に記載の光学機器。
  23. レチクルを支持する第1ステージと、基板を支持する第2ステージと、を備え、前記光源および前記光学部品および前記レチクルによって形成されたパターンを前記基板に投影する、請求項21または22に記載の光学機器。

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