JP2000137102A - 光学部材 - Google Patents

光学部材

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JP2000137102A
JP2000137102A JP10310313A JP31031398A JP2000137102A JP 2000137102 A JP2000137102 A JP 2000137102A JP 10310313 A JP10310313 A JP 10310313A JP 31031398 A JP31031398 A JP 31031398A JP 2000137102 A JP2000137102 A JP 2000137102A
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fluoride
optical
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Hirohisa Tani
裕久 谷
Hironori Maeoka
裕徳 前岡
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】波長100nm〜300nmの光を透過する光
学基板及びその基板上に形成された光学薄膜の双方が本
来のレーザー耐久性を維持することが可能な光学部材を
提供する。 【解決手段】波長100nmから300nmの光を透過
する光学基板と、該光学基板上に形成された酸化物層
と、該酸化物層上に形成されたフッ化物層(単層又は多
層)と、を有する光学部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長100nm〜
300nmの光を透過する光学基板及びその基板上に形
成された光学薄膜の双方が本来のレーザー耐久性を維持
することが可能な光学部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の集積度を増すため
に、半導体製造用縮小投影露光装置(ステッパー)の高
解像力化の要求が高まっており、その一つの方法として
光源波長の短波長化が挙げられる。そこで最近では、水
銀ランプより短波長域の光を発振でき、かつ高出力なエ
キシマレーザを光源としたステッパーの実用化が始まっ
ている。それに伴って、この短波長領域における光学素
子などの設計開発が不可欠になっている。
【0003】光学素子などに要求される仕様のうち、重
要な項目の一つはレーザ耐久性であるが、レーザによる
光学素子の破壊メカニズムは詳細に解明されていない。
光学基板や光学薄膜の吸収発熱による融解、熱応力によ
る脆性破壊、強い光電界による絶縁破壊などにより光学
素子が損傷すると考えられている。また、現実の光学素
子では、光学基板の純度や均質性、加工後の表面状態や
粗さ、研磨材等の残留物、光学薄膜の吸収や光学薄膜内
部の電界強度分布等の加工プロセス全体での各種要因も
光学素子の破壊の原因になっている。
【0004】そこで、従来このような波長領域で使用さ
れる光学薄膜では、光学基板上に屈折率の異なる1種類
以上の物質を積層して反射防止もしくは目標とする反射
率となるように設計開発され、そしてレーザ耐久性を高
めるためには、使用波長での光吸収係数が小さい酸化物
系もしくはフッ化物系物質などを積層物質として選定
し、これら物質の組み合わせ及び各層の光学膜厚の最適
化、さらにはそれら物質の成膜方法の改良などが試みら
れてきた。
【0005】このように、従来のレーザ耐久性向上の改
良主眼は光学基板、光学薄膜、研磨方法、洗浄方法など
と言った上記のような原因を別々に研究改良し、その成
果を寄せ集めて最終的な光学素子を開発してきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学基
板および光学薄膜のそれぞれのレーザー耐久性を独立的
に研究改良してもそれだけでは光学部材全体として十分
なレーザー耐久性が得られているとは一概には言えない
ことがわかってきた。即ち、例えば、石英ガラス基板上
に酸化物層を形成したサンプル1と、石英ガラス基板上
にフッ化物層を形成したサンプル2とにArFエキシマ
レーザー(193nm)を照射してレーザー耐久性を評
価(LIDT(レーザー インデュースド ダメージ
スレシュホールド)法)したところ、照射回数が少ない
領域においては、サンプル2の方がサンプル1に比べて
レーザー耐久性が高かったが、105ショット付近から
急激に低下し、サンプル1の方がレーザー耐久性が高く
なることがわかった。
【0007】そこで、本発明は、波長100nm〜30
0nmの光を透過する光学基板及びその基板上に形成さ
れた光学薄膜の双方が本来のレーザー耐久性を維持する
ことが可能な光学部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究の結
果、レーザー照射による劣化(破壊)メカニズムが、ぞ
れぞれ互いに影響を及ぼし合っていることが判明してき
た。本発明は第一に、「波長100nmから300nm
の光を透過する光学基板と、該光学基板上に形成された
酸化物層と、該酸化物層上に形成されたフッ化物層(単
層又は多層)と、を有する光学部材(請求項1)」を提
供する。
【0009】また、本発明は第二に、「前記酸化物層の
材料が、酸化シリコン(SiO2)又は酸化アルミニウム
(Al2O3)である請求項1記載の光学部材(請求項
2)」を提供する。また、本発明は第三に、「前記フッ
化物層の材料が、弗化ネオジム(NdF3)、弗化ランタン
(LaF3)、弗化ガドリニウム(GdF3)、弗化ディスプロ
シウム(DyF3)、弗化鉛(PbF2)、弗化アルミニウム
(AlF3)、クリオライト(Na3AlF6)、弗化マグネシウ
ム(MgF2)、弗化ナトリウム(NaF)、弗化リチウム(L
iF)、弗化カルシウム(CaF)、弗化バリウム(BaF
2)、弗化ストロンチウム(SrF3)、チオライト(Na5Al3
F14)及びこれらの混合物又は化合物の群より選ばれた1
つ以上の成分であることを特徴とする請求項1又は2記
載の光学部材(請求項3)」を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態にかか
る光学部材の概略断面図である。実施形態の光学部材
は、光学基板と、該光学基板上に順次形成された酸化物
層、フッ化物多層膜とからなる。
【0011】光学基板としては、石英ガラス、蛍石等が
用いられる。光学薄膜の構成としては、酸化物層及びフ
ッ化物多層膜全体で 良好な光学特性を得るために、任
意の光学的膜厚及び構成をとることができる。なお、酸
化物層の光学的膜厚がλ/2の場合、この層は本質的に
はアブセンティ−層である。
【0012】また、フッ化物多層膜の替わりにフッ化物
単層であってもよい。酸化物層の材料としては、使用波
長での光吸収係数が小さいものであれば特に限定されな
いが、酸化シリコン(SiO2)又は酸化アルミニウム(Al
2O3)が特に好ましい。フッ化物多層膜の材料として
は、高屈折率層の材料が弗化ネオジム(NdF3)、弗化ラ
ンタン(LaF3)、弗化ガドリニウム(GdF3)、弗化ディ
スプロシウム(DyF3)、弗化鉛(PbF2)、及び、これら
の混合物または化合物の群より選ばれた1つ以上の成分
であり、前記低屈折率層の材料が弗化アルミニウム(Al
F3)、クリオライト(Na3AlF6)、弗化マグネシウム(M
gF2)、弗化ナトリウム(NaF)、弗化リチウム(Li
F)、弗化カルシウム(CaF)、弗化バリウム(BaF2)、
弗化ストロンチウム(SrF3)、チオライト(Na5Al3F14)
及びこれらの混合物又は化合物の群より選ばれた1つ以
上の成分である。
【0013】光学基板のレーザー耐久性評価としては、
レーザー照射による基板の発光(フォトルミネッセン
ス)スペクトルの測定が有効な方法である。所定の波長
における発光強度の上昇により基板の受けているダメー
ジの状況、例えば、分子構造上の格子欠陥やエネルギー
が失活する際の放熱、化学変化により破壊を予測するこ
とができる。
【0014】石英ガラス基板に紫外線を照射した場合、
光子吸収が生じエネルギー的に不安定な欠陥であるNB
OHC(≡Si−O・)等が生じると、650nm付近
に発光が生じる。即ち、650nm付近の発光強度の増
加は、基板の分子構造の変化、物理的又は化学的破壊が
進行していることを示してしる。
【0015】実施形態の光学部材のArFエキシマレー
ザー耐久性を評価するために、光学部材にArFエキシ
マレーザーを照射した際に生じる発光のスペクトルを測
定した。ここで、測定した光学部材は、石英ガラス基板
1と、中心波長をλ=193nmとして該基板1上に形
成された光学的膜厚λ/2の二酸化珪素2と、光学的膜
厚λ/4のフッ化ランタンからなる高屈折率層および光
学的膜厚λ/4のフッ化マグネシウムからなる低屈折率
層の2層のフッ化物多層反射防止膜3とから構成されて
いる。
【0016】各層の膜は、抵抗加熱蒸着法、イオンビー
ム蒸着法、スパッタリング法などの真空蒸着法などによ
り基板上に形成される。図3は、実施形態にかかる光学
部材にレーザーを照射した際の発光のスペクトルを示し
た図である。図中の照射後とは、106ショット照射時
の発光スペクトルである。
【0017】図3から、約650nmの発光は照射とと
もに発光強度が増加する。実施形態にかかる光学部材と
比較をするために、比較例1、2の光学部材にレーザー
照射した際の発光のスペクトルを測定した。比較例1
は、石英ガラス基板のみである。比較例2の光学部材
は、図2に示すように、石英ガラス基板と、該光学基板
上にフッ化物多層反射防止膜とからなる(前述した構成
と同じである)。
【0018】図4は、比較例1にかかる光学部材にレー
ザを照射した際の発光スペクトルを示した図である。図
5は、比較例2にかかる光学部材にレーザを照射した際
の発光スペクトルを示した図である。図4から光学基板
のみの場合は、基板に発生する欠陥に由来する650n
mの発光が照射とともに発光強度が増加するのに対し
て、図5から650nmの発光が殆ど変化しないことが
わかる。
【0019】これらのことから、石英ガラス基板とフッ
化物多層膜との間に何らかの相互作用が働いていること
が考えられる。詳細についてはまだ不明であるが、石英
ガラス基板で発生する欠陥がフッ化物多層膜からの補完
により消失し、結果的に光学基板の欠陥が安定化してい
ると考えられる。但し、結果的に光学基板の欠陥が生じ
ていないように読み取れるが、実際には発生した欠陥が
石英ガラス基板とフッ化物多層膜との間の何らかの相互
作用により、別の形として安定化しているだけであり、
その安定化した欠陥が未だ解明されていない他の要因に
悪い影響を与えている可能性があると考えられる。
【0020】一方、実施形態にかかる光学部材のよう
に、石英ガラス基板とフッ化物多層膜との間に酸化物層
を設けることにより、フッ化物多層膜からの影響が抑制
され、石英ガラス基板のみの場合と同様な欠陥生成が生
じていると思われる。比較例2の光学部材のうち光学薄
膜のみのレーザ耐久性からこの現象を考えた場合、光学
基板で発生した欠陥を消失させるためにフッ化物多層膜
のミクロ構造がレーザ光照射前の状態から変化している
ことが考えられ、光学薄膜単独(光学薄膜固有)で起こ
る劣化に加速して劣化が生じていると考えられる。
【0021】従って、光学薄膜単独(光学薄膜固有)で
起こる劣化に加速して劣化が起こらない、即ち、光学薄
膜のレーザー耐力を低下させないためには、石英ガラス
基板とフッ化物多層膜との相互作用を押さえる必要があ
り、酸化物層を基板上に直接設けることでそれが可能と
なった。なお、本発明にかかる光学部材は、基板とフッ
化物層(単層又は多層)の相互作用を抑制するものであ
るので、レーザ光が光学基板まで到達する反射防止膜、
又は特定の透過率を持つハーフミラーに対して特に有効
となる。
【0022】さらに、使用中心波長が200nm以下の
場合になると光子の持つエネルギーがより大きくなり、
より大きな相互作用を押さえるためにも酸化物層を設け
る効果が大きくなる。
【0023】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明にかかる光学
部材によると、予想される光学基板との相互作用を抑制
し、相互作用による光学薄膜のレーザ耐久性の低下を防
止することができる。また、光学基板と光学薄膜の相互
作用が抑制されるので、それぞれのレーザー耐久性によ
り光学部材のレーザー耐久性を予想することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の光学部材の概略断面図であ
る。
【図2】比較例の光学部材の概略断面図である。
【図3】本発明の実施形態の光学部材にレーザーを照射
した際に生じる発光のスペクトルを示す図である。
【図4】比較例の光学基板のみにレーザーを照射した際
に生じる発光のスペクトルを示す図である。
【図5】比較例の光学部材にレーザーを照射した際に生
じる発光のスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1・・・光学基板(石英ガラス) 2・・・酸化物層 3・・・フッ化物多層膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長100nmから300nmの光を透過
    する光学基板と、 該光学基板上に形成された酸化物層と、 該酸化物層上に形成されたフッ化物層(単層又は多層)
    と、を有する光学部材。
  2. 【請求項2】前記酸化物層の材料が、酸化シリコン(Si
    O2)又は酸化アルミニウム(Al2O3)である請求項1記
    載の光学部材。
  3. 【請求項3】前記フッ化物層の材料が、弗化ネオジム
    (NdF3)、弗化ランタン(LaF3)、弗化ガドリニウム
    (GdF3)、弗化ディスプロシウム(DyF3)、弗化鉛(Pb
    F2)、弗化アルミニウム(AlF3)、クリオライト(Na3A
    lF6)、弗化マグネシウム(MgF2)、弗化ナトリウム(N
    aF)、弗化リチウム(LiF)、弗化カルシウム(CaF)、
    弗化バリウム(BaF2)、弗化ストロンチウム(SrF3)、
    チオライト(Na5Al3F14)及びこれらの混合物又は化合
    物の群より選ばれた1つ以上の成分であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の光学部材。
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