JP2022069299A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー及びトナーの製造方法 Download PDF

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侑奈 山本
Yuna Yamamoto
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Kenji Okubo
敬 見目
Takashi Kenmoku
卓 下田
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政志 河村
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Abstract

【課題】低温定着性、耐熱保存性及び高温高湿度環境下での排紙接着性に優れ、低温低湿度環境下の使用において高品質な画像形成が可能なトナー及び該トナーの製造方法を提供する。【解決手段】樹脂A及び樹脂Bを有するトナー粒子を有するトナーであって、樹脂Aは所定の一般式で表される構造を有し、樹脂Bは所定の一般式で表されるモノマーユニットを有することを特徴とするトナー、及び、樹脂Bを含有するトナー母粒子を水系媒体中に分散させ、トナースラリーを得る工程と、得られたトナースラリーに対して、所定の一般式で表される単量体を含有する単量体組成物及びラジカル重合開始剤を投入し、トナー母粒子の表面に前記樹脂Aを形成する工程と、を有するトナーの製造方法。【選択図】なし

Description

本開示は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法に用いられるトナー及び該トナーの製造方法に関するものである。
近年、電子写真においては、消費電力を下げるために、各種電子写真プロセスにおける省エネルギー化が求められている。レーザービームプリンターの消費電力においては、トナーの定着プロセスにおける定着器の熱エネルギーが大きな割合を占めており、定着温調を下げることで消費電力を下げる取り組みがなされている。定着温度を下げるために、トナーの低温定着性を向上させることが有効である。
一方で、トナーは、高温度での保存環境に耐えるための保存性(耐熱保存性)も求められている。トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立させるために、結着樹脂として融点が50.0℃~90.0℃の側鎖結晶性樹脂を使用する方法が検討されている(特許文献1)。特許文献1では、さらに画像の積載性も良好であることが記載されている。
特開2014-130243号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトナーを用いて高温高湿度環境下での高印字率の連続両面印刷を行ったところ、排紙トレイ上に積載された紙の汚れが見られる場合があり、排紙接着性(画像積載性)は十分でない場合があることが分かった。またこのようなトナーは、低温低湿度の使用環境において、チャージアップし易く、カブリなどの画像不良が起こる場合があることが分かった。
本開示のトナー及び該トナーの製造方法は、低温定着性、耐熱保存性及び高温高湿度環境下での排紙接着性に優れ、低温低湿度環境下の使用において高品質な画像形成が可能なトナー及び該トナーの製造方法である。
本開示のトナーは、
樹脂A及び樹脂Bを有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂Aは下記式(1)で表される構造を有し、
該樹脂Bは下記式(2)で表されるモノマーユニットを有する
ことを特徴とする。
Figure 2022069299000001
式(1)中、Pは高分子部位を表し、R~Rは各々独立して水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つは炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、mは正の整
数を表し、
は炭素数8以下のアルキレン基、*-O-**、*-OR-**、*-NH-**、*-NH-R-**を表し、*は式(1)中のカルボニル基への結合部を表し、**はケイ素原子への結合部を表し、R、Rはそれぞれ炭素数が8以下であるアルキレン基であり、各々の炭素は、置換基として水酸基を有してもよく、
mが2以上である場合の、複数のL、複数のR、複数のR及び複数のRは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 2022069299000002
式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは11~35の整数を表す。
本開示によれば、低温定着性、耐熱保存性及び高温高湿度環境下での排紙接着性に優れ、低温低湿度環境下の使用において高品質な画像形成が可能なトナー及び該トナーの製造方法を提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
また、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
以下に本開示のトナーについて具体的に説明する。
本開示のトナーは、
樹脂A及び樹脂Bを有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂Aは下記式(1)で表される構造を有し、
該樹脂Bは下記式(2)で表されるモノマーユニットを有する
ことを特徴とする。
Figure 2022069299000003
式(1)中、Pは高分子部位を表し、R~Rは各々独立して水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つは炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、mは正の整数を表し、
は炭素数8以下のアルキレン基、*-O-**、*-OR-**、*-NH-**、*-NH-R-**を表し、*は式(1)中のカルボニル基への結合部を表し、**はケイ素原子への結合部を表し、R、Rはそれぞれ炭素数が8以下であるアルキレン基であり、各々の炭素は、置換基として水酸基を有してもよく、
mが2以上である場合の、複数のL、複数のR、複数のR及び複数のRは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 2022069299000004
式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは11~35の整数を表す。
上記の特徴を有するトナーは、低温定着性、耐熱保存性及び高温高湿度環境下での排紙接着性に優れ、低温低湿度環境下の使用において高品質な画像形成が可能である。
本発明者らは、以下のような理由によって効果が発現したと考えている。
樹脂Bは式(2)で表されるモノマーユニットを有している。式(2)で示されるモノマーユニットは、分子鎖の自由度が高く、定着時において樹脂のガラス転移点(Tg)を下げやすいため、低温定着性を向上させることができる。しかしながら、式(2)で示されるモノマーユニットを有する樹脂を用いた場合、定着後の画像のTgが下がり易いため、排紙直後の加熱された状態で排紙トレイに積層された場合、熱と紙の自重による圧力によって排紙接着が起きやすくなると考えられる。
樹脂A中のカルボニル基と樹脂B中のエステル基は親和性が高く、定着後のトナーにおいて、樹脂Aと樹脂Bは空間的に近い位置に配置され易いと考えられる。樹脂Aと樹脂Bが、前述の空間配置内においてさらに近接すると、樹脂A中のシラン部位と、樹脂B中の長鎖アルキル部位は親和性が低いため、樹脂B中の長鎖アルキル部位は局所的に集まりやすく、集まった長鎖アルキル部位は微小領域で配向し易くなる。そのため、トナー粒子中でドメインが形成されることが考えられる。
形成したドメインは分子の動きが束縛されるため、画像のTg低下を抑制できる。また、樹脂AにおけるLが、炭素数8以下のアルキレン基、*-O-**、*-OR-**、*-NH-**、*-NHR-**(*は式(1)中のカルボニル基への結合部、**はケイ素原子への結合部を表し、R、Rはそれぞれ独立して炭素数8以下のアルキレン基を表し、各々の炭素は置換基として水酸基を有してもよい。)である場合、樹脂Aのカルボニル基とシラン部位の距離が近いため、上述の効果がより顕著になり、本開示の効果を発現するに至ったと考えられる。
以下、樹脂Aについて詳細に説明する。
樹脂Aは下記式(1)で表される構造を有する。
Figure 2022069299000005
式(1)中、Pは高分子部位を表し、R~Rは各々独立して水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つは炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、mは正の整
数を表し、
は炭素数8以下のアルキレン基、*-O-**、*-OR-**、*-NH-**、*-NH-R-**を表し、*は式(1)中のカルボニル基への結合部を表し、**はケイ素原子への結合部を表し、R、Rはそれぞれ炭素数が8以下であるアルキレン基であり、各々の炭素は、置換基として水酸基を有してもよく、
mが2以上である場合の、複数のL、複数のR、複数のR及び複数のRは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
式(1)中のLが炭素数8以下のアルキレン基、*-O-**、*-OR-**、*-NH-**、*-NHR-**(*は式(1)中のカルボニル基への結合部を表し、**はケイ素原子への結合部を表し、R、Rはそれぞれ炭素数が8以下であるアルキレン基であり、各々の炭素は、置換基として水酸基を有してもよい。)である場合、上述の理由により、排紙接着性が向上する。
また、式(2)で表されるモノマーユニットを有する樹脂は、低温低湿度環境において、電荷が蓄積されやすいため、チャージアップしやすく、カブリなどの画像弊害で生じやすい場合があった。本開示にかかるトナー粒子は、式(2)で表されるモノマーユニットを有する樹脂Bと、式(1)で表される構造を有する樹脂Aと、を含有することにより、上述の通り、樹脂Aと樹脂Bが空間的に近い位置に配置され易いため、樹脂Bの電荷が、樹脂Bのエステル部位を通じて、樹脂Aのカルボニル基へと授受されやすくなり、低温低湿度環境において、チャージアップを抑制できる。そのため、カブリなどの画像弊害を抑制することができ、画像品質が向上する。
式(1)のLは、*-NHR-**であることが好ましい。Lが*-NHR-**である場合、上述の効果が発現し易く、排紙接着性が向上し易い。また、低温低湿度における画像品質が向上し易い。Rが示すアルキレン基の好ましい炭素数は1~4であり、より好ましい炭素数は1~3である。
また、前記樹脂Aにおいて、Lが*-OR-**である場合も同様に本開示の効果が発現し易く、好ましい。Rの好ましい炭素数は1~4であり、より好ましい炭素数は1~3である。
さらに、Lがアルキレン基である場合、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3である。
式(1)中のR~Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つは炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表す。R~Rが表し得る置換基のうち、アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~4である。また、アルコキシ基の炭素原子数は、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3であり、特に好ましくは1又は2である。
式(1)中のR~Rの一つ以上をヒドロキシ基とするためには、R~Rの一つ以上がアルコキシ基である樹脂Aを加水分解し、アルコキシ基をヒドロキシ基に変換してもよい。
加水分解の方法は、どのような方法でも構わないが、例えば以下の手法がある。
前記式(1)中のR~Rの一つ以上がアルコキシ基である樹脂Aを適当な溶媒(重合性単量体でも構わない)に溶解または懸濁し、酸やアルカリを用いてpHを酸性に調整し混合し、加水分解させる。
また、トナー粒子製造中に加水分解を起こさせても構わない。
式(1)で表される構造を形成するための方法としては、どのような方法を用いても構わないが、例えば、以下のような方法が挙げられる。
樹脂中のカルボキシル基とアミノシランカップリング剤を反応させる方法、樹脂中のエ
チレン性不飽和結合部位またはエチレン性不飽和結合を有する単量体と、(メタ)アクリル系シランカップリング剤を重合させる方法、樹脂中の水酸基とイソシアネート系シランカップリング剤を反応させる方法、樹脂中のイソシアネート基とアミノシランカップリング剤を反応させる方法などで形成することができる。
アミノシランカップリング剤としては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルジメトキシメチルシランが挙げられる。
(メタ)アクリル系シランカップリング剤としては、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、8-アクリロキシオクチルトリエトキシシラン、8-メタクリロキシオクチルトリエトキシシラン、3-[アクリル酸(トリエトキシシリル)メチル、3-メタクリル酸(トリエトキシシリル)メチル、アクリル酸3-[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピル、メタクリル酸3-[ジメトキシ(メチル)シリル]プロピル、アクリル酸[ジメトキシ(メチル)シリル]メチル、メタクリル酸[ジメトキシ(メチル)シリル]メチル、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)シランなどが挙げられる。
イソシアネート系カップリング剤としては、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、イソシアナトメチルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
前記樹脂A中の下記式(4)中で表される構造の含有量は、0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。0.5質量%以上である場合、排紙接着性、低温低湿度における画像品質が向上し易い。10.0質量%以下である場合、樹脂Aのシラン部位が過剰になることによって樹脂全体の親水度が上昇すること抑制できるため、前述した樹脂Aと樹脂Bとの空間的配置を妨げないので、排紙接着性、低温低湿度における画像品質が向上し易い。より好ましい範囲は、1.0質量%以上7.0質量%以下である。前記樹脂A中の式(4)で表される構造の含有量は、シランカップリング剤の添加量やシランカップリング剤が反応する官能基の量を調節することによって制御できる。
Figure 2022069299000006
式(4)中、R~Rは式(1)中のR~Rと同様であり、Lは式(1)のLと同様である。
樹脂Aの重量平均分子量MwAは、8000以上50000以下であることが好ましい。8000以上である場合、低分子量成分が少なくなり易いため、耐熱保存性が向上し易い。MwAが50000以下である場合、定着後において、分子の運動性が高く、空間的配置がし易くなるため、排紙接着性が向上し易い。MwAは、より好ましくは、12000以上30000以下である。MwAは、樹脂の反応温度、反応時間、単量体組成、開始剤量などを変更することにより制御できる。
前記式(1)中のPとしては、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂部位、ビニル樹脂部位、ポリウレタン樹脂部位、ポリウレア樹脂部位、ポリカーボネート樹脂部位、フェノール樹脂部位、ポリオレフィン樹脂部位、エポキシ樹脂部位などが挙げら
れる。
この中でも前記樹脂A中のPがポリエステル樹脂部位またはビニル樹脂部位を含む場合、排紙接着性が向上し易いため、好ましい。例えば、ポリエステル樹脂とビニル樹脂とのハイブリッド樹脂部位であってもよい。
ポリエステル樹脂部位の製造に使用できる重合単量体としては多価カルボン酸と多価アルコールが使用できる。
多価カルボン酸としてはシュウ酸、グルタル酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β-メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマル酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン-3,5-ジエン-1,2-ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、マロン酸、ピメリン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、クロロフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシフェニル酢酸、p-フェニレン二酢酸、m-フェニレンジグリコール酸、p-フェニレンジグリコール酸、o-フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル-p,p’-ジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-1,5-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸などが挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、イソソルビド、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ビニル樹脂部位の製造に使用できるビニル系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-
ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
また、前記樹脂Aは、下記式(3)で表されるモノマーユニットをさらに有していてもよい。
Figure 2022069299000007
式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
樹脂Aが式(3)で表されるモノマーユニットを有する場合、低温低湿度環境下における画像品質が向上し易い。
樹脂Aに式(3)で表されるモノマーユニットを導入する方法としては、特に制限されないが、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを、樹脂Aを形成し得る重合性単量体の一として用いる方法が挙げられる。式(3)で示されるモノマーユニットは、樹脂A中、5.0質量%~60.0質量%であることが好ましい。
また、樹脂Aは、重合した樹脂Aをトナー粒子製造時に添加する他、以下のような製造方法によってトナー粒子中に導入することもできるが、これらの方法に限定されない。
樹脂Bを含有するトナー母粒子を水系媒体中に分散させ、トナースラリーを得る工程と、
得られたトナースラリーに対して、下記式(6)で表される単量体を含有する単量体組成物およびラジカル重合開始剤を投入し、トナー母粒子の表面に前記樹脂Aを形成する工程と、
を有する方法を経ることによっても、樹脂Aをトナー粒子中に導入することができる。
Figure 2022069299000008
式(6)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
式(1)は、例えば、下記式(7)~式(12)で表される構造からなる群から選択される少なくとも一であることが好ましい。
Figure 2022069299000009
式(8)~(12)中のR~R,R~Rは式(1)中のR~R,R~Rとそれぞれ同様であり、Rは水素原子またはメチル基を表し、式(9)、(10)中のR、R10は炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキレン基を表し、式(11)、(12)中のPはポリエステル樹脂の主鎖骨格を表す。
式(11)で表される構造は、特に限定されるものではないが、具体例としては、下記式(13)または(14)のような構造が挙げられる。また、式(12)で表される構造は、特に限定されるものではないが、具体例としては、式(15)または(16)のような構造が挙げられる。
Figure 2022069299000010
[式(13)~(16)中、R~R,Rは式(1)中のR~R,Rとそれぞれ同様であり、Xは多価カルボン酸からカルボキシ基を除いた残基を表し、Yは多価アルコールからヒドロキシ基を除いた残基を表し、多価カルボン酸からカルボキシ基を除いた残基および多価アルコールからヒドロキシ基を除いた残基は、上述のポリエステル樹脂部位の製造に使用できる重合単量体を縮合することで得られる。]
X,Yは各々一種類の構造であってもよいし、複数種の構造であってもよい。
この中でも、Xは(好ましくは炭素数1~12の)アルキレン基、(好ましくは炭素数2~4の)アルケニレン基、(好ましくは炭素数6~12の)フェニレン基からなる群より選択される少なくとも一であることが好ましい。Yは(好ましくは炭素数1~12の)アルキレン基、(好ましくは炭素数6~12の)フェニレン基、下記式(17)で評される構造からなる群より選択される少なくとも一であることが好ましい。
Figure 2022069299000011
式(17)中、R11はエチレン基又はプロピレン基を表す。x、yはそれぞれ0以上の整数であり、且つx+yの平均値は2~10である。式(17)中、***は式(13)~(16)中の酸素原子への結合部を表す。
樹脂Bについて詳細に説明する。
樹脂Bは、式(2)で表されるモノマーユニットを有する。
Figure 2022069299000012
式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは11~35の整数を表す。
式(2)中、nが11以上である場合、定着時における可塑効果が発現し、低温定着性が向上する。nが35以下である場合、低温低湿度環境下における帯電性が良好となり、高品質な画像が得られる。nの好ましい範囲は、17以上29以下であり、より好ましい範囲は17以上21以下である。
式(2)で表されるモノマーユニットの、樹脂B中における含有量は、5.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。この範囲内である場合、低温定着性と低温低湿度環境での画像品質の両立がし易い。より好ましくは8.0質量%以上80.0質量%以下である。
式(2)で表されるモノマーユニットを樹脂Bに導入するための方法としては、例えば、ビニル系単量体またはエチレン性不飽和結合を含有する樹脂と、以下のようなモノマーと、を重合させる方法がある。
式(2)で表されるモノマーユニットを樹脂Bに導入するためのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコシル、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドトリアコンチル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル及び(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシルなどが挙げられる。
樹脂Bは、下記式(3)で表されるモノマーユニットを有することが好ましい。
Figure 2022069299000013
式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
樹脂Bが式(3)で表されるモノマーユニットを有する場合、式(2)で表されるモノマーユニットがドメインをより形成し易くなるため、排紙接着性、耐熱保存性がより向上し易い。
樹脂Bに式(3)で表されるモノマーユニットを導入する方法としては、特に制限されないが、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも一を樹脂B中のエチレン性不飽和結合と重合させる方法、エチレン性不飽和結合を有する単量体とアクリロニトリル及びメタクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも一を重合させる方法などが挙げられる。式(3)で表されるモノマーユニットの含有量は、樹脂B中、5.0質量%~60.0質量%であることが好ましい。
樹脂Bの重量平均分子量MwBは、15000以上250000以下であることが好ましい。MwBが15000以上である場合、低分子量成分が少なくなり易いため、耐熱保存性が向上し易い。MwBが100000以下である場合、定着時における変形がしやすいため、低温定着性が向上し易い。MwBのより好ましい範囲は、20000以上80000以下である。MwBは、樹脂Bを製造する際の反応温度、反応時間、単量体の仕込み比、開始剤量などを変更することにより制御できる。
樹脂Bとしては、式(2)で表されるモノマーユニットを有していれば特に制限されず、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など公知の樹脂を用いることができる。この中でも樹脂Bは、ビニル樹脂であることが好ましい。ビニル樹脂は、例えば、エチレン性不飽和結合を含むモノマーの重合体が挙げられる。ビニル樹脂の製造に使用できるビニル系単量体としては、例えば、上述の樹脂Aのビニル樹脂部位で使用できるモノマーを使用することができる。
樹脂Bをトナー粒子に導入するための方法としては、特に制限されないが、合成した樹脂Bをトナー粒子製造時に添加する他、以下のような方法が挙げられる。
樹脂Bを得るための重合性単量体組成物を水中に分散、懸濁し、該重合性単量体組成物を重合し、樹脂Bを得る工程と、
前記樹脂Bを含有するトナー母粒子を水系媒体中に分散させ、トナースラリーを得る工程と、
得られたトナースラリーに対して、下記式(6)で表される単量体を含有する単量体組成物とラジカル重合開始剤とを投入し、トナー母粒子の表面に前記樹脂Aを形成する工程と、
を有する方法。
Figure 2022069299000014
式(6)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
以下、トナー粒子について詳細に説明する。
樹脂Aのfedors法におけるSP値をSPA[(J/m0.5]とし、樹脂Bのfedors法におけるSP値をSPB[(J/m0.5]としたとき、│SPA-SPB│≦2.00[(J/m0.5]であることが好ましい。│SPA-SPB│≦2.00[(J/m0.5]である場合、樹脂Aと樹脂Bとが定着後により空間的に配置され易くなるため、排紙接着性の向上効果が発現し易い。│SPA-SPB│の
より好ましい範囲は、│SPA-SPB│≦1.00[(J/m0.5]である。SPA及びSPBは、樹脂A,Bの組成を変更することによって制御することができる。
│SPA-SPB│の下限値は特に制限されないが、例えば0.00以上である。
SPAは、好ましくは19.00[(J/m0.5]~23.00[(J/m0.5]である。SPBは、好ましくは18.00[(J/m0.5]~23.00[(J/m0.5]である。
トナー粒子中における樹脂Aの含有量をMA(質量%)とし、トナー粒子中における樹脂Bの含有量をMB(質量%)としたとき、MA/MBが0.0050≦MA/MB≦0.2000であることが好ましい。0.0050≦MA/MBである場合、排紙接着性が向上し易い。MA/MB≦0.2000である場合、耐熱保存性が向上し易い。MA/MBは、より好ましくは0.0050≦MA/MB≦0.1000である。
また、トナー粒子中における樹脂Aの含有量MAは、0.40質量%~4.0質量%が好ましい。
さらに、トナー粒子中における樹脂Bの含有量MBは、40.0質量%~90.0質量%が好ましい。
トナー粒子の表面の飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)による測定において、質量数1~1800におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウントが、0.0010~0.0050であることが好ましく、より好ましくは0.0020~0.0040である。
上記ケイ素由来のイオンカウントが0.0010~0.0050である場合、樹脂Aがトナー粒子の表面近傍に配置されていると考えられる。排紙接着の現象は、トナー表面の溶融に大きく影響されると考えられる。そのため樹脂Aがトナー粒子の表面近傍に配置されている場合、上述のような排紙接着を抑制する効果がより発現し易いことが考えられる。ケイ素由来のイオンカウントを制御する方法としては、樹脂Aの組成、添加量を変更する他、前述の樹脂Aを導入するためのトナー粒子の製造方法を変更することで制御できる。
トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物、脂肪酸エステルを主成分とするワックス、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物、フィッシャートロプシュワックスなどが挙げられる。トナー粒子中の離型剤の含有量は、1.50質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
トナー粒子の製造方法について説明する。
トナー粒子は公知の方法によって製造することができる。例えば、
樹脂Bを得るための重合性単量体、樹脂Aまたは樹脂Aを得るための重合性単量体、必要に応じて離型剤などを含む重合性単量体組成物を水系媒体に懸濁・造粒し、重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合する懸濁重合法;
樹脂B、樹脂A及び必要に応じて離型剤などの各種トナー構成材料を混練、粉砕、分級する混練粉砕法;
樹脂Bと樹脂Aを乳化して分散した分散と必要に応じて離型剤などの分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;
樹脂Bを構成する重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、樹脂Aを乳化、分散させた分散液と、必要に応じて離型剤などの分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;
有機溶媒中に樹脂B、樹脂A、及び必要に応じて離型剤などを含む有機溶媒分散液を水
系媒体に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;
などが使用できる。
また、以下の製造方法によってトナーを製造することもできる。
前記樹脂Bを含有するトナー母粒子を水系媒体中に分散させ、トナースラリーを得る工程と、
得られたトナースラリーに対して、下記式(6)で示される単量体を含有する単量体組成物およびラジカル重合開始剤を投入し、トナー母粒子の表面に前記樹脂Aを形成する工程と
を有する、トナーの製造方法。
Figure 2022069299000015
式(6)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。
トナー粒子はそのままトナーとして用いてもよいが、トナーの画質向上のために、外添剤がトナー粒子に外部添加されていてもよい。外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、および酸化アルミニウム微粒子などの無機微粒子が好適に用いられる。これら無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル、及びそれらの混合物などの疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、トナーは必要に応じて、上記以外の外添剤をトナー粒子に外部添加されていてもよい。外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子は着色剤を含有してもよい。該着色剤は特段限定されず、例えば以下に示す公知のものを使用することができる。
黄色顔料としては、黄色酸化鉄、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどの縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物が用いられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180など。
橙色顔料としては以下のものが挙げられる。
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGKなど。
赤色顔料としては、ベンガラ、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、ブリラントカーミン3B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキなどの縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、1
84、185、202、206、220、221、254など。
青色顔料としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBGなどの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66など。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤及び青色系着色剤を用い黒色に調色されたものなどが挙げられる。
これらの着色剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用してもよく、さらには固溶体の状態で用いることができる。
トナー粒子中の着色剤の含有量は、3.0質量%~15.0質量%であることが好ましい。
該トナー粒子は荷電制御剤を含有してもよい。該荷電制御剤としては公知のものが利用できる。荷電制御剤としてはトナーを負荷電性に制御するものと正荷電性に制御するものがある。トナーを負荷電性に制御するものとしては、例えば以下のものが挙げられる。
モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系荷電制御剤。
一方、トナーを正荷電性に制御するものとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩のようなによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
以下、トナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
<トナーと外添剤の分離>
まず、外添剤などでトナー粒子の表面が処理されている場合は、下記方法によって外添剤を除去し、トナー粒子を得る。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブ(容量50mL)に上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(容量50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H-9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離する。この操作により、トナー粒子と外れた外添剤が分離する。
トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラなどで採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、トナー粒子を得る。この操作を複数回実施して、必要量を確保する。
<トナー粒子から樹脂A、樹脂Bを取り出す方法>
トナー粒子中の樹脂Aの取り出しはテトラヒドロフラン(THF)を用いた抽出物を溶媒グラジエント溶出法により分離することで行う。調製方法を以下に示す。
トナー粒子10.0gを秤量し、円筒濾紙(東洋濾紙製No.84)に入れてソックスレー抽出器にかける。溶媒としてTHF200mLを用いて20時間抽出し、抽出液を脱溶剤して得られた固体がTHF可溶分である。THF可溶分には樹脂Aまたは樹脂Bが含まれる。これを複数回行い、必要な量のTHF可溶分を得る。
溶媒グラジエント溶出法には、グラジエント分取HPLC(島津製作所製LC-20AP高圧グラジエント分取システム、Waters社製SunFire分取カラム50mmφ250mm)を用いる。カラム温度は30℃、流量は50mL/分、移動相には貧溶媒としてアセトニトリル、良溶媒としてTHFを用いる。
抽出により得られたTHF可溶分0.02gをTHF1.5mLに溶解させたものを分離のための試料とする。移動相はアセトニトリル100%の組成から開始し、試料注入後5分経過した時点で毎分4%ずつTHFの比率を増加させ、25分かけて移動相の組成をTHF100%とする。得られた分画を乾固させることで成分を分離することができる。これにより樹脂Aまたは樹脂Bを得ることができる。
どの分画成分が樹脂Aまたは樹脂Bであるかは13C-NMR測定により判別することができる。
<トナー粒子における、樹脂Aの含有量及び樹脂Bの含有量の測定>
トナー粒子における樹脂Aの含有量及び樹脂Bの含有量は、トナー粒子を製造する際の各樹脂または各樹脂を形成し得る重合性単量体の仕込み量から算出することができる。また、トナー粒子から樹脂A、樹脂Bを取り出す方法により得られた各分画から樹脂A及び樹脂Bを特定して取り出すことで、ソックスレー抽出器にかけたトナー粒子に対してそれぞれの含有量を算出することができる。
<樹脂A及び樹脂Bの構造の確認方法>
樹脂Aにおける式(1)中の高分子部位P、L部位、R~R部位及び式(2)、式(3)で示される樹脂B中のモノマーユニット構造は、H-NMR分析、13C-NMR分析、29Si-NMRを用いて行う。
測定サンプルは樹脂Aまたは樹脂Bそのものを用いるか、前記取り出し方法によりトナー粒子から取り出した樹脂Aまたは樹脂Bを用いる。
式(1)中のR~R中のアルコキシ基、又はヒドロキシ基は、後述する「29Si-NMR(固体)の測定条件」に示す方法によりアルコキシ基、又はヒドロキシ基のケイ素原子に対する価数を決定することが可能である。
29Si-NMR(固体)の測定条件)
装置:JEOL RESONANCE製 JNM-ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料量:150mg
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:97.38MHz(29Si)
基準物質:DSS(外部標準:1.534ppm)
試料回転数:10kHz
コンタクト時間:10ms
遅延時間:2s
積算回数:2000~8000回
上記測定により、Siに結合した酸素原子の数に応じた複数のシラン成分をカーブフィッティングにてピーク分離・積分することで存在比を求めることができる。このようにして、式(1)中のR~Rのアルコキシ基又はヒドロキシ基のケイ素原子に対する価数を確認できる。
式(1)中のP、L及びR~R、式(2)、式(3)で示される樹脂B中モノマーユニットの構造は13C-NMR(固体)測定により確認できる。測定条件は以下の通りである。
13C-NMR(固体)の測定条件)
装置:JEOL RESONANCE製 JNM-ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料量:150mg
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:123.25MHz(13C)
基準物質:アダマンタン(外部標準:29.5ppm)
試料回転数:20kHz
コンタクト時間:2ms
遅延時間:2s
積算回数:1024回
式(1)中のP、L、R~R、式(2)及び式(3)で示される樹脂B中のモノマーユニットの種類により各種ピークに分離し、それぞれを同定してP、L、R~R、式(2)及び式(3)の構造を決定する。
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重合体、樹脂又はトナー粒子の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調製する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソ-社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<SPA及びSPBの算出方法>
SPA及びSPBは、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
それぞれの分子構造中の原子又は原子団に対して、「polym.Eng.Sci.,
14(2),147-154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm/mol)を求め、(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5をSP値(J/cm0.5とする。
具体的には、樹脂Aもしくは樹脂Bを構成する単量体に由来するモノマーユニットの蒸発エネルギー(Δei)及びモル体積(Δvi)をモノマーユニット毎に求め、各モノマーユニットの樹脂Aにおけるモル比(j)との積をそれぞれ算出し、各モノマーユニットの蒸発エネルギーの総和をモル体積の総和で割ることによって求め、下記式(5)より算出する。
SPAまたはSPB={4.184×(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}0.5 (5)
<TOF-SIMS測定における質量数1~1800におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウントの測定方法>
トナー粒子の表面の飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)による測定における、質量数1~1800におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウントは、以下の装置及び測定条件によって測定する。
測定装置: TOFSIMS TRIFT IV(アルバック・ファイ社製)
一次イオン種:金イオン(Au
一次イオン加速電圧:30keV
一次イオン電流値:2pA
分析面積:300×300μm
画素数:256×256pixel
分析時間:3min
繰返し周波数:8.2kHz
帯電中和:on
二次イオン極性:Positive二次イオン質量範囲(m/z):0.5~1850
アルバック・ファイ社標準ソフト(Win Cadense)を用いて解析する。質量数28のケイ素に由来するイオンカウントは、質量数1~1850におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウントの強度比で算出する。
<トナー粒子及びトナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子及びトナーの重量平均粒径(D4)は、精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いて測定する。測定は下記条件で行う。
実効測定チャンネル数:2万5千チャンネル
コントロールモーター総個数:50000個
アパチャー:100μm
カレント:1600μA
ゲイン;2
Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値で測定する。測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、前述の専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<樹脂A中の式(4)で表される構造の含有量の測定方法>
樹脂A中の式(4)で表される構造の含有量の測定には、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を
測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中に樹脂Aもしくは前記トナー粒子から樹脂Aを単離する方法で得たテトラヒドロフラン可溶分4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE-32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いる。
また、バインダー粒子[商品名:Spectro Blend、成分:C81.0質量%,O2.9質量%,H13.5質量%,N2.6質量%、化学式:C1938ON、形状:粉末(44μm);(株)リガク製]100質量部に対して、SiO粒子(疎水性フュームドシリカ)[商品名:AEROSIL NAX50、比表面積:40±10m/g、炭素含有量:0.45%~0.85%;日本アエロジル(株)製]0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、前記SiO粒子を5.0質量部、10.0質量部となるように前記バインダー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi-Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO粒子添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。
次に、分析対象の樹脂Aまたは前記トナー粒子から樹脂Aを単離する方法で得たテトラヒドロフラン可溶分を、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi-Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線ケイ素原子の含有量を求める。
得られたケイ素原子の含有量と、前記樹脂Aの構造の確認方法より得られた樹脂Aの構造から、式(4)で表される構造の含有量を得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中及び比較例中の各材料の「部」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<樹脂S1の製造>
下記の手順により樹脂S1を製造した。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、及び撹拌装置を備えたオートクレーブ中に下記材料を仕込み、窒素雰囲気下、常圧、200℃で反応を行い、所望の分子量が得られた時点で冷却し、反応を停止させた。
・ビスフェノールA-プロピレンオキサイド2モル付加物:71.3部
・テレフタル酸:14.0部
・イソフタル酸:14.0部
・テトラブトキシチタネート:0.1部
・トリメリット酸0.9部
その後、10mmHg~20mmHgの減圧下で2時間反応して樹脂S1を得た。得られた樹脂S1の重量平均分子量(Mw)は19000であった。
<樹脂S2~S6の製造>
表1に示すように、アルコール成分及び酸成分を変更したことと、所望の分子量に応じて反応時間を適宜変更したこと以外は樹脂S1の製造と同様にして、樹脂S2~S6の製造を行った。
Figure 2022069299000016
表1中、BPA-PO2モルはビスフェノールA-プロピレンオキサイド2モル付加物、TPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、TMAはトリメリット酸を表す。
<樹脂V1の製造>
下記の手順により、樹脂V1を製造した。
プロピレングリコールモノメチルエーテル100.0部を窒素置換しながら加熱し、液温120℃以上で還流させた。そこへ、重合性単量体として、スチレン97.0部、メタクリル酸3.0部、及び、重合開始剤として、tert-ブチルパーオキシベンゾエート[日油(株)製、商品名:パーブチルZ]0.50部を混合したものを3時間かけて滴下した。
滴下終了後、溶液を3時間撹拌した後、液温を170℃まで昇温しながら常圧蒸留した。液温が170℃に到達した後、1hPaに減圧し、1時間蒸留して脱溶剤し、樹脂固形物を得た。前記樹脂固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n-ヘキサンで再沈殿させて析出した固体を濾別することで樹脂V1を得た。得られた樹脂V1の重量平均分子量(Mw)は24500であった。
<樹脂V2~V6の製造>
表2に示すように重合性単量体を変更した以外は樹脂V1の製造と同様にして、樹脂V2~V6の製造を行った。
Figure 2022069299000017
<樹脂A1の製造例>
下記の手順により樹脂A1を製造した。
N,N-ジメチルアセトアミド400.00部に、樹脂S1を100.0部溶解し、シラン化合物として3-アミノプロピルトリメトキシシラン1.6部、トリエチルアミン3.0部、縮合剤としてDMT-MM〔4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド〕2.4部を添加し、常温で5時間
撹拌した。
反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し再沈殿して濾過することで、樹脂A1を得た。樹脂A1の重量平均分子量MwAは20000であった。得られた樹脂A1の物性を表4に示す。
<樹脂A2、A4、A7~14の製造例>
樹脂A1の製造例において、ベース樹脂;シラン化合物の種類及び添加量;DMT-MMの添加量を表3のように変更した以外は同様にして、樹脂A2、A4、A7~14、を得た。得られた樹脂A2、A4、A7~14の構造および物性を表4に示す。
Figure 2022069299000018
<樹脂A3の製造例>
下記の手順により樹脂A3を製造した。
クロロホルム500.00部に、樹脂V2 100.0部を溶解し、窒素雰囲気下、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン2.0部とチタン(IV)テトライソプロポキシド0.50部を添加し、常温で5時間撹拌した。反応終了後、この溶液をメタノール中に滴下し再沈殿して濾過することで、樹脂A3を得た。得られた樹脂A3の構造および物性を表4に示す。
<樹脂A5の製造例>
樹脂V1の製造例において、メタクリル酸を3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに変更した以外は同様にして樹脂A5を得た。得られた樹脂A5の構造および物性を表4に示す。
<樹脂A6の製造例>
トルエン1000.0部に、樹脂S2 100.0部を溶解し、窒素雰囲気下、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 2.5部とtert-ブチルパーオキシベンゾエート[日油(株)製、商品名:パーブチルZ]0.6部を添加し、100℃において、5時間反応させた。得られた溶液をメタノール中に再沈殿し、濾過洗浄後、真空乾燥することで樹脂A6を得た。得られた樹脂A6の構造および物性を表4に示す。
<樹脂A15の製造例>
樹脂V1の製造例において、スチレン97.0部をスチレン98.0部に、メタクリル酸 3.0部をビニルトリエトキシシラン 2.0部に変更した以外は同様にして樹脂A15を得た。得られた樹脂A15の構造および物性を表4に示す。
<樹脂A16の製造例>
樹脂A2 10.0部をトルエン90.0部に溶解した溶液に、純水400.0部を混合撹拌し、希塩酸を用いてpHを4.0に調整し、常温で10.8時間撹拌させた後、撹拌を止め分液ロートに移し油相を抽出した。前記油相を濃縮し、メタノールで再沈殿することによって、樹脂A16を得た。
得られた樹脂A16を29Si-NMR(固体)測定によって分析したところ、式(1)におけるR~Rは、いずれもヒドロキシ基であった。得られた樹脂A16の構造および物性を表4に示す。
Figure 2022069299000019
なお、樹脂A17~A23の製造例は後述する。
<トナー粒子1の製造例>
反応容器に、イオン交換水390.0部、及びリン酸ナトリウム(12水和物)〔ラサ工業(株)製〕14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1時間保温した。次に、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12,000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、該水系媒体に塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体1を得た。
次に、下記材料を混合した。
・ベヘニルアクリレート 60.0部
・メタクリロニトリル 30.0部
・スチレン 10.0部
・樹脂A1 2.0部
・ワックス(フィッシャートロプシュワックス、融点:78℃) 9.0部
・C.I.PIGMENT BLUE 15:3 6.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散させることで、重合性単量体組成物1を調製した。
前記水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12,000rpmに保ちながら、前記水系媒体1中に前記重合性単量体組成物1を投入し、重合開始剤として、t-ブチルパーオキシピバレート8.0部を添加した。そのまま前記撹拌装置にて12,000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
前記撹拌装置からプロペラ撹拌羽根を備えた撹拌機に変更し、150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5時間重合を行い、さらに85℃に昇温して2時間加熱保持を行った後、室温まで冷却することで、トナー粒子分散液1を得た。
得られたトナー粒子分散液1に塩酸を添加し、pHを1.4以下として、前記分散安定剤を溶解し、濾過、洗浄、乾燥を行うことによって、トナー粒子1を得た。表5にトナー粒子1の樹脂B1の物性を示す。表8にトナー粒子1の物性を示す。
<トナー粒子2~31、34~36、比較用トナー粒子1~4の製造例>
トナー粒子1の製造例において、表6のように原材料の種類及び量を変更した以外、同様にしてトナー粒子2~31、34~36、比較用トナー粒子1~4を製造した。表8にトナー粒子2~31、34~36、比較用トナー粒子1~4の樹脂B1~B17の物性を示す。
Figure 2022069299000020
Figure 2022069299000021
表6中、BHAはベヘニルアクリレート、OCAはオクタコシルアクリレート、STAはステアリルアクリレート、LAはラウリルアクリレート、OAはオクチルアクリレート、nBAはn-ブチルアクリレート、MNはメタクリロニトリル、ANはアクリロニトリルをそれぞれ表す。
<トナー粒子32の製造例>
(樹脂B18の製造)
・ベヘニルアクリレート 60.0部
・メタクリロニトリル 30.0部
・スチレン 10.0部
・トルエン 100.0部
上記材料を混合し、70℃に加温した後、撹拌しながら重合開始剤として、t-ブチル
パーオキシピバレート1.0部を添加した。その後70℃を保持して、5時間重合を行い、さらに85℃に昇温して2時間加熱保持を行った。冷却後、メタノール中に再沈殿し、濾過、乾燥を行い、樹脂B18を得た。得られた樹脂B18の物性を表5に示す。
・樹脂B18 100.0部
・C.I.PIGMENT BLUE 15:3 7.0部
・樹脂A2 2.0部
・パラフィンワックス(DSCピーク温度:80℃) 5.0部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))にて回転数3.3s-1、混練温度120℃の条件で混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)にて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径が6.1μmのトナー粒子32を得た。得られたトナー粒子32のMA/MBは0.0200であった。
<トナー粒子33の製造例>
(樹脂B18樹脂微粒子の分散液の製造)
トルエン(和光純薬製)200gに樹脂B18を60部加え、90℃まで加熱した後、3時間攪拌して溶解させた。樹脂B18が溶解したトルエン溶液に、アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK)6部及びアニオン界面活性剤(日本油脂製:ノンサールLN1)3部が溶解したイオン交換水180部を添加した。それから、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて4000rpmで十分攪拌した。その後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散した後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、樹脂B18樹脂微粒子の分散液を得た。
(樹脂A2の分散液の製造)
上記樹脂B18微粒子の分散液の製造において、樹脂B18を樹脂A2に変更する以外は同様にして、樹脂A2の分散液を得た。
(離型剤微粒子の分散液の製造)
・離型剤(HNP-51、融点78℃、日本精蝋製) 20.0部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0部
・イオン交換水 79.0部
上記処方を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断攪拌部位にて、ローター回転数19000r/min、スクリーン回転数19000r/minの条件にて攪拌し、60分間分散処理した後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の分散液を得た。
(顔料分散液の製造)
・C.I.Pigment BLUE 15:3 10.0部
・イオン交換水 78.0部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 2.0部
上記材料を混合した。その後、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて1時間分散し、顔料分散液を調整した。
・樹脂B18微粒子の分散液(固形分28%) 320.0部
・顔料分散液(固形分11%) 50.0部
・離型剤微粒子の分散液(固形分20%) 50.0部
・樹脂A2の分散液(固形分28%) 3.2部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、混合した。ここに、98.0部のイオン交換水に対して硫酸マグネシウム8部を溶解させた水溶液を添加し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで50℃まで加熱した。50℃で1時間保持した後、形成された凝集粒子の重量平均粒子径を測定した。その結果、重量平均粒子径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
得られた凝集粒子の分散液に、360部のイオン交換水に対してエチレンジアミン四酢酸ナトリウム40部を溶解させた水溶液を加え、更に、イオン交換水2800部を添加した。攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、2時間密閉した状態で保持し、十分に融合した粒子を得た。その後、濾過・固液分離した後、ろ物をイオン交換水で十分に洗浄し、真空乾燥機を用いて乾燥することにより、重量平均粒子径が5.8μmのトナー粒子33を得た。得られたトナー粒子33のMA/MBは0.0100であった。
<トナー粒子37の製造例>
スチレン 98.5部および3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS) 1.5部を、スターラーを用いて均一相になるまで混合し、モノマー溶解液1を得た。次に、イオン交換水 50部を計り取り、これにモノマー溶解液1 50部を投入し、超音波ホモジナイザー(SONICS&MATERIAL社製)を用いて、強度97%、25℃で1分間分散処理を行い、モノマー懸濁液1を得た。
トナー粒子1の製造例で、樹脂A1を加えなかったこと、塩酸の添加から乾燥までの工程を行わなかったこと、及び、イオン交換水の添加やデカンテーション、濾過を行い、トナー粒子分散液の固形分濃度を20.0質量%に調製したこと以外は同様にして、トナー母粒子分散液37を得た。
得られたトナー母粒子分散液37 500部を攪拌機つきの反応容器に入れ、攪拌しながら70℃に加温し、窒素パージを1時間行った。反応容器にモノマー懸濁液1 2.0部と過硫酸カリウム(KPS)0.1部を投入し、70℃で3時間反応を行い、トナー母粒子表面に樹脂A17を形成した。
室温まで冷却した後、塩酸を加えてpHを1.4以下に調製し、1時間攪拌を行った。その後、トナー粒子1の製造例と同様にして、濾過、洗浄、乾燥を行い、トナー粒子37を得た。得られたトナー粒子37の物性を表8に示す。
<トナー粒子38~44の製造例>
トナー粒子37の製造例において、表7-1,7-2に示すように、樹脂Bの組成、モノマー溶解液の組成、モノマー懸濁液の添加部数を変更したこと以外は同様にして、トナー粒子38~44を製造した。得られたトナー粒子38~44の物性を表8に示す。
<トナー粒子45の製造例>
トナー粒子33の製造例において、樹脂A2の分散液を加えなかったこと、融合した粒子の濾過、洗浄および乾燥の工程を行わなかったこと、並びに、融合した粒子に対してイオン交換水の添加やデカンテーション、濾過を行い、トナー粒子分散液の固形分濃度を20.0質量%に調製したこと以外は同様にして、トナー母粒子分散液45を得た。
トナー粒子37の製造例において、トナー母粒子分散液37をトナー母粒子分散液45に変更したこと以外は同様にして、トナー粒子45を得た。得られたトナー粒子45の物性を表8に示す。
<トナー粒子46の製造例>
トナー粒子32の製造例において、樹脂A2を加えなかったこと以外は同様にして、トナー母粒子46を得た。
トナー母粒子46の100質量部とコンタミノンN 1.0質量部を計り、イオン交換水 400質量部中に投入し、超音波分散機を用いて分散させ、トナー母粒子分散液46を得た。その後、上記トナー粒子37の製造例において、トナー母粒子分散液37をトナー母粒子分散液46に変更したことと表7-2に示すようにモノマー溶解液を変更したこと以外は同様にして、トナー粒子46を得た。得られたトナー粒子46の物性を表8に示す。
Figure 2022069299000022
(表7-1中、BHAはベヘニルアクリレート、nBAはn-ブチルアクリレート、MNはメタクリロニトリルをそれぞれ示す。)
Figure 2022069299000023
(表7-2中、MPTMSは3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、MOTMSは8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、MNはメタクリロニトリルを示す。)
Figure 2022069299000024
※:トナー粒子表面のTOF-SIMSによる測定における、質量数1~1800におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウント
<トナー1~46、比較用トナー1~4の製造例>
得られたトナー粒子1~46、比較用トナー粒子1~4のそれぞれ100.0部に対して、BET値が200m/gであり、一次粒子の個数平均粒径が8nmの疎水性シリカ微粒子0.6部をヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で混合した。
前記混合処理後、目開き150μmのメッシュで篩い、それぞれトナー1~46、比較用トナー1~4を得た。
<実施例1~46>
実施例1~46にはそれぞれ、トナー1~46を用いて評価を行った。下記にその評価方法と結果を示す。
<比較例1~4>
比較例1~4にはそれぞれ、比較用トナー1~4を用いて評価を行った。評価は実施例1~46と同様にして行った。
<排紙接着性の評価方法>
カラーレーザープリンターとしてLBP712Ci(キヤノン社製)の改造機を用いて、高温高湿度環境下(30℃/80%RH)にて評価を行った。なお、改造内容は以下の通り。
評価機本体のギア及びソフトウェアを変更することにより、プロセススピードが350mm/sec、定着温度を180℃となるようにした。
評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、評価するトナーを50g充填した。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、及びブラックカートリッジを挿入した。
上記の条件で、トナー載り量0.45mg/cmとなるように縦25.0cm、横20.0cmの画像を連続両面モードで印刷して、メディア(XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m)の積載枚数を変えながら評価した。
排紙トレイに所定の枚数を印刷してから1分間放置後に、重ねられた紙束の最下段の紙(1枚目に印刷した紙)へのトナー汚れについて、以下の基準に沿って評価した。
評価結果を表9に示す。
(評価基準)
A:積載枚数250枚で紙へのトナー汚れなし。
B:積載枚数150枚以上250枚未満で紙へのトナー汚れ発生。
C:積載枚数50枚以上150枚未満で紙へのトナー汚れ発生。
D:積載枚数50枚未満で紙へのトナー汚れ発生
<低温定着性の評価方法>
定着ユニットを外したカラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を用意し、シアンカートリッジからトナーを取り出して、代わりに評価するトナーを充填した。次いで、メディア(GF-C081、坪量81.4g/m)上に、充填したトナーを用いて、縦4.0cm横10.0cmの未定着のトナー画像(0.45mg/cm)を、通紙方向に対し上端部から1.0cmの部分に形成した。
次いで、取り外した定着ユニットを定着温度とプロセススピードを調節できるように改造し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)、プロセススピードを230mm/sに設定した。上記定着スリーブ表面温度を100℃から180℃まで5℃ずつ変えて定着し、未定着画像の定着を行った。
定着された画像のコールドオフが発生する温度より5℃高い温度を最低定着温度とし、下記評価基準によりランク付けを行った。評価は、Cランク以上であれば良好な低温定着性があると判断した。結果を表9に示す。
[評価基準]
A:最低定着温度が115℃以下
B:最低定着温度が120℃又は125℃
C:最低定着温度が130℃又は135℃
D:最低定着温度が140℃以上
<耐熱保存性の評価方法>
各トナー5gを50cc樹脂製カップに取り、温度50℃/湿度10%RH、温度55℃/湿度10%RHでそれぞれ72時間放置した。放置したトナーの凝集塊の有無を調べ
て評価した。本開示においてCランク以上であれば良好な耐熱保存性が得られていると判断した。結果を表9に示す。
[評価基準]
A:凝集塊発生せず
B:軽微な凝集塊が発生、軽く指で押すと崩れる
C:凝集塊が発生、軽く指で押しても崩れない
D:完全に凝集
<低温低湿度環境下での画質評価>
画質評価の指標として非画像部のカブリ評価を行った。
上記カブリは、低温低湿度環境下(15℃/10%RH)で評価した。評価紙として、XEROX4200用紙(XEROX社製75g/m)を用いた。評価機及びトナーカートリッジは排紙接着性の評価と同様のものを使用した。ベタ白画像を出力して、白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDr(%)とし、[Dr-Ds(%)]をカブリ値とした。
白地部反射濃度の測定は、反射濃度計(リフレクトメーター モデルTC-6DS 東京電色社製)を用い、フィルターには、アンバーライトフィルターを用いた。
数値が小さいほど評価が良好であることを示す。評価基準は以下の通りである。評価結果を表9に示す。
(評価基準)
A:0.50%未満
B:0.50%以上1.50%未満
C:1.50%以上3.00%未満
D:3.00%以上
Figure 2022069299000025

Claims (16)

  1. 樹脂A及び樹脂Bを有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該樹脂Aは下記式(1)で表される構造を有し、
    該樹脂Bは下記式(2)で表されるモノマーユニットを有する
    ことを特徴とするトナー。
    Figure 2022069299000026
    [式(1)中、Pは高分子部位を表し、R~Rは各々独立して水素原子、炭素数1以上のアルキル基、炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つは炭素数1以上のアルコキシ基またはヒドロキシ基を表し、mは正の整数を表し、
    は炭素数8以下のアルキレン基、*-O-**、*-OR-**、*-NH-**、*-NH-R-**を表し、*は式(1)中のカルボニル基への結合部を表し、**はケイ素原子への結合部を表し、R、Rはそれぞれ炭素数が8以下であるアルキレン基であり、各々の炭素は、置換基として水酸基を有してもよく、
    mが2以上である場合の、複数のL、複数のR、複数のR及び複数のRは、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。]
    Figure 2022069299000027
    [式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは11~35の整数を表す。]
  2. 前記樹脂Bが、下記式(3)で表されるモノマーユニットを有する、請求項1に記載のトナー。
    Figure 2022069299000028
    [式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。]
  3. 前記Lが、*-NHR-**で表される、請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記Lが、*-OR-**で表される、請求項1または2に記載のトナー。
  5. 前記樹脂A中の下記式(4)で表される構造の含有量が、0.5質量%以上10.0質量%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2022069299000029
    [式(4)中、R~Rは式(1)中のR~Rと同様であり、Lは式(1)のLと同様である。]
  6. 前記樹脂Aのfedors法におけるSP値をSPA[(J/m0.5]とし、前記樹脂Bのfedors法におけるSP値をSPB[(J/m0.5]としたとき、│SPA-SPB│≦2.00[(J/m0.5]である、請求項1~5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子における前記樹脂Aの含有量をMA(質量%)とし、前記トナー粒子における前記樹脂Bの含有量をMB(質量%)としたとき、MA/MBが0.0050≦[MA/MB]≦0.2000である、請求項1~6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 前記樹脂Aの重量平均分子量MwAが、8000以上50000以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載のトナー。
  9. 前記樹脂Bの重量平均分子量MwBが、15000以上250000以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のトナー。
  10. 前記nが17以上29以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のトナー。
  11. 前記樹脂Aが、下記式(3)で表されるモノマーユニットをさらに有する、請求項1~10のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2022069299000030
    [式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。]
  12. 前記Pがポリエステル樹脂部位を表す、請求項1~11のいずれか1項に記載のトナー。
  13. 前記Pがビニル樹脂部位を表す、請求項1~11のいずれか1項に記載のトナー。
  14. トナー粒子の表面の飛行時間型二次イオン質量分析装置による測定において、質量数1~1800におけるトータルイオンカウントに対する質量数28のケイ素に由来するイオンカウントが、0.0010~0.0050である、請求項1~13のいずれか1項に記載のトナー。
  15. 前記式(1)が、下記式(7)~式(12)で表される構造からなる群から選択される少なくとも一である、請求項1~14のいずれか1項に記載のトナー。
    Figure 2022069299000031
    (式(8)~(12)中のR~R,R~Rは式(1)中のR~R,R~Rとそれぞれ同様であり、Rは水素原子またはメチル基を表し、式(9)、(10)中のR、R10は炭素数1~6のアルキレン基を表し、式(11)、(12)中のPはポリエステル樹脂の主鎖骨格を表す。)
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載のトナーを製造する方法であって、
    該方法が、
    前記樹脂Bを含有するトナー母粒子を水系媒体中に分散させ、トナースラリーを得る工程と、
    得られた該トナースラリーに対して、下記式(6)で表される単量体を含有する単量体組成物及びラジカル重合開始剤を投入し、トナー母粒子の表面に前記樹脂Aを形成する工程と
    を有する、トナーの製造方法。
    Figure 2022069299000032
    [式(6)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。]
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