JP2022069064A - 光学装置、画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で騒音が少なく、高解像度の投射画像が得られる光学装置を提供すること。【解決手段】光学装置は、光が入射する入射面を有する光学部材と、前記光学部材を保持する可動枠と、前記可動枠と揺動軸を介して連結する連結フレームとを、含む光学デバイスを有し、前記光学デバイスにおける連結フレームを、振動吸収部材を介して固定する固定フレームを備える光学装置であって、前記固定フレームは、前記振動吸収部材が取付けられる軸部と、前記軸部の外側において対向する第1面と第2面とを有し、前記連結フレームは、前記振動吸収部材により、前記軸部との間、及び、第1面と第2面との間を離間して配置され、前記振動吸収部材は、前記連結フレームと、前記固定フレームにおける第1面と第2面とのうち少なくとも一方との間に存在する厚さが、前記連結フレームと前記固定フレームの前記軸部との間に存在する厚さより大きい。【選択図】図6

Description

本発明は、光学装置、及び、当該光学装置を備えた画像表示装置に関する。
従来、液晶パネル等の光変調素子で変調された光を拡大投射するプロジェクターにおいて、光変調装置から出射された映像光の軸をずらすことにより、投射される画像の解像度を高くする技術が知られている。このようなプロジェクターは、光変調素子と投射光学系との間に、入射する光の光路をシフトさせる光路変更素子を含む光学装置を備えていた。光学装置は、光路変更素子の傾きを第1位置と、第2位置との間で反復駆動させることにより、入射する光の光路を1画素分よりも小さい量シフトさせて、光変調装置の解像度よりも高い解像度の画像を表示可能とする。
例えば、特許文献1には、光学装置に相当する光学デバイスを備えたプロジェクターが開示されている。当該文献によれば、光学デバイスは、光路変更素子の反復駆動時における振動騒音の低減構造を有するとしている。詳しくは、当該文献の図24に示すように、光学デバイスはノイズ振動抑制台を備えており、ノイズ振動抑制台の4隅には、振動騒音の低減用の取付け部材が設けられていた。取付け部材は、円筒状をなしており、その材質としては、ゴム、リング、フッ素樹脂、ポリエチレン、シリコーンが上げられている。
米国特許出願公開第2019/278102号明細書
しかしながら、特許文献1の光学デバイスでは、本来当該デバイスが奏すべき高解像度の投射画像が得られない恐れがあった。詳しくは、取付け部材により微振動を抑制すると光路変更素子の反復駆動の精度(動作追従性)に影響が及ぶ恐れがあり、微振動の抑制が足りないと振動や騒音が大きくなり、両者は二律背反の関係にある。また、微振動抑制のために複雑な機構を設けると大型化してしまう。
つまり、簡単な構成で騒音が少なく、高解像度の投射画像が得られる画像表示装置が求められていた。
本願に係る光学装置は、光が入射する入射面を有する光学部材と、前記光学部材を保持する可動枠と、前記可動枠と揺動軸を介して連結する連結フレームとを、含む光学デバイスを有し、前記光学デバイスにおける前記連結フレームを、振動吸収部材を介して固定する固定フレームを備える光学装置であって、前記固定フレームは、前記振動吸収部材が取付けられる軸部と、前記軸部の外側において対向する第1面と第2面とを有し、前記連結フレームは、前記振動吸収部材により、前記軸部との間、及び、前記第1面と前記第2面との間を離間して配置され、前記振動吸収部材は、前記連結フレームと、前記固定フレームにおける前記第1面と前記第2面とのうち少なくとも一方との間に存在する厚さが、前記連結フレームと前記固定フレームの前記軸部との間に存在する厚さより大きい。
本願に係る画像表示装置は、複数の画素を備える光変調素子と、前記光変調素子からの光を投射する投射光学系と、前記光変調素子からの光が入射される上記記載の光学装置とを備える。
実施形態1に係るプロジェクターの光学構成図。 光路シフトによる画像表示位置の変移を示す説明図。 光学装置の斜視図。 光学装置の平面図。 アクチュエータの側断面図。 結合部の側断面図。 振動吸収部材を用いた防振構造による騒音レベル、及び、動作追従性についての検証結果を示す図表。 動作追従性の優劣についての説明用グラフ図。 ネジ止め4ヶ所による光学デバイスの平面図。 比較例1,2における結合部の断面図。 比較例1の光学デバイスの平面図。 振動吸収部材における硬度の温度特性を示すグラフ図。 実施形態2に係る結合部の側断面図。 実施形態3に係る結合部の側断面図。 実施形態4に係る結合部の側断面図。
実施形態1
***プロジェクターの概略構成***
図1は、実施形態1に係るプロジェクターの光学構成図である。
図1に示す画像表示装置としてのプロジェクター1は、光変調素子として液晶パネルを用いたプロジェクターである。プロジェクター1は、光変調装置4において外部から入力される映像信号に基づく映像光LLを生成し、投射光学装置3を介して拡大投射することにより、スクリーン101に大きな投射映像を表示する。
なお、図1におけるZ軸は、映像光LLの光軸Lと一致しており、映像光LLの進行方向がZプラス方向となる。また、Z軸と直交する軸をX軸とする。光変調装置4を中心として、液晶表示素子108R側をXプラス方向、液晶表示素子108B側をXマイナス方向とする。そして、X軸、及び、Z軸を含む面(紙面)に対して垂直な軸をY軸とする。図1における紙面の奥行方向がYプラス方向で、紙面の手前方向がYマイナス方向となる。他の図面においても同様である。
プロジェクター1は、光源102、ダイクロイックミラー106a、ミラー104a、ダイクロイックミラー106b、ミラー104b,104c、光変調装置4、投射光学装置3、光学装置2などから構成されている。なお、これら各部は、筐体に収納されているが図示を省略している。
光源102は、好適例として、白色光を出射するレーザー光源を用いる。なお、白色光を出射する光源であれば良く、例えば、ハロゲンランプ、水銀ランプ、発光ダイオード(LED)等を用いても良い。
光源102から出射された光は、ダイクロイックミラー106aにより、赤色光とその他の光とに分離される。赤色光は、ミラー104aで反射された後、液晶表示素子108Rに入射し、その他の光は、ダイクロイックミラー106bによってさらに緑色光と青色光とに分離される。緑色光は、液晶表示素子108Gに入射し、青色光は、ミラー104b、104cで反射された後、液晶表示素子108Bに入射する。
光変調装置4は、液晶表示素子108R、108G、108B、ダイクロイックプリズム110などから構成される。
液晶表示素子108R、108G、108Bは、それぞれ、入射する光を画像信号に応じて変調する光変調素子である。液晶表示素子108R、108G、108Bは、透過型の液晶パネルであり、例えば、縦1080行、横1920列のマトリクス状に配列した画素を備える。各画素では、入射光に対する透過光の光量が調整され、各液晶表示素子108R、108G、108Bにおいて全画素の光量分布が協調制御される。
液晶表示素子108R、108G、108Bは、平面視において略正方形をなしたダイクロイックプリズム110の3辺に面して配置されている。なお、以下、液晶表示素子108R、108G、108Bに共通の内容については、3つを括って液晶表示素子108として説明することもある。
液晶表示素子108R、108G、108Bによって変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム110に対して3方向から入射する。ダイクロイックプリズム110において、赤色光はXプラス方向から入射し、90度反射されてZプラス方向に進行する。同様に、青色光はXマイナス方向から入射し、90度反射されてZプラス方向に進行する。また、緑色光は、Zマイナス方向から入射し、ダイクロイックプリズム110を透過して、Zプラス方向に進行する。
このように、赤色光、緑色光、青色光は、ダイクロイックプリズム110においてカラー画像を表示する映像光LLとして合成され、光学装置2に向かって射出される。
そして、出射された映像光LLは、光学装置2で画素シフトされた後、投射光学装置3によって拡大されてスクリーン101に投射される。投射光学装置3は、複数のレンズを備えた拡大投射光学系である。
なお、光変調装置4は、透過型の液晶表示素子を用いた構成に限定するものではなく、入射する光を画像信号に応じて変調可能な光変調装置であれば良い。例えば、反射型の液晶パネルを備えた光変調装置であっても良いし、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を備えた光変調装置を用いても良い。
***画素シフトの概要***
図2は、光路シフトによる画像表示位置の変移を示す説明図である。図3は、光学装置の斜視図である。
前述の通り、プロジェクター1は、ダイクロイックプリズム110と投射光学装置3との間に、光学装置2を備えている。プロジェクター1は、この光学装置2により、映像光LLの光路をシフトさせることで、液晶表示素子108の解像度よりも高い解像度の画像をスクリーン101に投射することができる。例えば、液晶表示素子108がフルハイビジョンであれば、4Kの画像を表示できる。なお、映像光LLの光路をシフトさせることを「画素シフト」ともいう。
図3に示すように、光学装置2は、光変調装置4から出射した映像光LLが入射する板状の光学部材であるガラス板21を有しており、ガラス板21の姿勢を変更することで、屈折を利用して映像光LLの光路をシフトさせる。
光学装置2は、ガラス板21を光軸Lと交差する第1揺動軸J1回りの第1揺動方向、および、光軸Lと交差し且つ第1揺動軸J1と交差する第2揺動軸J2回りの第2揺動方向の2方向に揺動させる。
図2に示すように、ガラス板21が第1揺動方向に揺動すると、ガラス板21に入射する光の光路は第1方向F1にシフトする。ガラス板21が第2揺動方向に揺動すると、ガラス板21に入射する光の光路は第1方向F1と交差する第2方向F2にシフトする。これにより、スクリーン101上に表示される画素Pxは、第1方向F1および第1方向F1と交差する第2方向F2へずらして表示される。なお、図1の構成において、第1方向F1はY軸方向に、第2方向F2はX軸方向に相当するが、交差する2方向であれば良い。
プロジェクター1は、第1方向F1の光路のシフトと、第2方向F2の光路のシフトを組み合わせることにより、見かけ上の画素を増加させ、スクリーン101に投影される画像を高解像度化する。
例えば、図2に示すように、第1方向F1および第2方向F2にそれぞれ半画素分(すなわち、画素Pxの半分)ずれた位置に画素Pxを移動させる。これにより、スクリーン101上の画像表示位置を、画像表示位置P1から第1方向F1に半画素分ずらした画像表示位置P2、画像表示位置P1から第1方向F1および第2方向F2にそれぞれ半画素分ずらした画像表示位置P3、および、画像表示位置P1から第2方向F2に半画素分ずらした画像表示位置P4にずらすことができる。
図2に示すように、画像表示位置P1、P2、P3、P4にそれぞれ一定時間ずつ画像を表示させるように光路シフト動作を行い、光路シフト動作に同期させて液晶表示素子108における表示内容を変化させる。これによって、見かけ上、画素Pxよりも小さいサイズの画素A、B、C、Dを表示させることができる。例えば、画素A、B、C、Dの表示を全体として60Hzの周波数で行う場合には、画像表示位置P1、P2、P3、P4に対応して、液晶表示素子108に4倍の速度で表示を実行させる必要がある。つまり、液晶表示素子108における表示の周波数、いわゆるリフレッシュレートは240Hzとなる。
***光学装置の構成***
図4は、光学装置の平面図である。
ここでは、図3、図4を用いて、光学装置2、及び、光学デバイス20の構成について説明する。
図3に示すように、光学装置2は、固定フレーム30、光学デバイス20などから構成されている。
固定フレーム30は、光学デバイス20を支持し、光変調装置4(図1)と連結する枠体であり、好適例では、アルミダイキャストで構成される。なお、アルミダイキャストに限定するものではなく、堅牢かつ軽量で耐熱性に優れた材質であれば良く、例えば、金属プレス部品や、耐熱樹脂などを用いても良い。
また、固定フレーム30における光学デバイス20のガラス板21と重なる部分は、開口部(図示せず)となっており、映像光LLが透過可能な構成となっている。詳しくは、固定フレーム30は、ガラス板21を保持する可動枠22と重なる部分に、開口部を有している。
光学デバイス20は、7ヶ所の結合部29a~29gにより、固定フレーム30に取り付けられている。なお、結合部29a~29gの詳細は後述する。
光学デバイス20は、ガラス板21、可動枠22、連結フレーム25、第1アクチュエータ27a,27b、第2アクチュエータ28a,28bなどから構成されている。
ガラス板21は、入射面を有する光学部材であり、好適例において矩形の白板ガラスを用いる。ガラス板21におけるZマイナス側の面が入射する入射面で、入射面の反対側の面が出射面となる。映像光LLはガラス板21の入射面から入射し、出射面から投射光学装置3(図1)に向けて出射される。ガラス板21として、強度に優れた白板ガラスを採用することで、可動枠22全体の剛性が高まるため、ガラス板21において偏向される光の偏向ムラを抑制することができる。なお、白板ガラスに限定するものではなく、光透過性を有し、映像光を屈折可能な材料であれば良く、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの各種ガラス材料を用いても良い。または、水晶、サファイアなどの各種結晶材料、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂などの各種樹脂材料を用いても良い。なお、ガラス板21の形状は、矩形に限定するものではなく、映像光を屈折可能な形状であれば良く、正方形や、菱形、楕円形状であっても良い。
可動枠22は、ガラス板21を保持する額縁状のフレームであり、好適例では、軽量なアルミニウム製のフレームを用いる。図4に示すように、可動枠22の対向する2辺には、第1揺動軸J1に沿って支持部22a,22bが設けられている。また、可動枠22の異なる2辺には、第2揺動軸J2に沿って腕部22c,22dが設けられている。
連結フレーム25は、可動枠22を支持する内側フレーム23と、内側フレーム23の外側に設けられた外側フレーム24を含んで構成されている。換言すれば、連結フレーム25は、外側フレーム24と、外側フレーム24内において第1揺動軸J1に連結された内側フレーム23とを備える。好適例では、連結フレーム25としてアルミニウム製のフレームを用いる。
内側フレーム23には、第1揺動軸J1に沿って配置された支持部22a,22bにより、可動枠22が揺動可能に連結されている。
外側フレーム24は、平面視において長方形をなしており、その外側における4つの頂点近傍を含む7ヶ所の結合部29a~29gで、固定フレーム30に固定される。外側フレーム24の中心からYマイナス方向に若干偏芯した位置に、可動枠22が配置されている。外側フレーム24における可動枠22の第2揺動軸J2に沿った外側には、一対の第1アクチュエータ27a,27bが設けられている。また、第1アクチュエータ27aの外側にはコイル支持枠12が設けられている。第1アクチュエータ27bの外側にはコイル支持枠13が設けられている。
図5は、図4のi-i´断面における側断面図であり、第1アクチュエータの断面構造を示している。ここでは、図5を用いてアクチュエータの構成について説明する。
第1アクチュエータ27aは、コイル33c、磁石34cなどから構成される。
図5に示すように、コイル支持枠12は、外側フレーム24に固定されており、可動枠22側の端部がL字状に折り返されてフランジ部15が形成されている。コイル支持枠12は金属性のフレームであり、フランジ部15にはコイル33cが取付けられる。好適例では、コイル支持枠12は鉄製であり、フランジ部15はコイル33cのバックヨークとして機能する。
可動枠22の腕部22cの端部もL字状に折り返されており、折り返された面に磁石枠38が固定されている。磁石枠38には、磁石34cが取付けられている。磁石枠38は、鉄などの金属から構成された板状部材であり、バックヨークとして機能する。
磁石枠38は、2本の棒状の磁石341、磁石342をZ軸の延在方向に重ねた構成となっている。磁石341は、X軸の延在方向に長い棒状の磁石である。磁石341は、N極をコイル33c側に向けて配置されている。磁石342も、磁石341と同じ長さの棒状磁石であるが、S極をコイル33c側に向けて配置されている。好適例として、磁石341,342は、ネオジム磁石を用いている。なお、ネオジム磁石に限定するものではなく、所期の磁力を有する永久磁石であれば良く、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石であっても良い。
コイル支持枠12のフランジ部15の中ほどには、突出部17が形成されている。突出部17はX軸の延在方向に伸びており、突出部17を囲うようにコイル33cが配置される。磁石34c側から観察すると、コイル33cは突出部17を囲う角丸長方形をなしている。なお、角丸長方形のことをトラック形状ともいう。コイル33cの長辺方向の長さは、磁石341,342と略同じである。
このような構成により、第1アクチュエータ27aにおけるコイル33cと磁石34cとは、間隙を持って向い合って配置される。詳しくは、図5に示すように、可動枠22が傾いていない初期状態では、コイル33cの長辺331が磁石341と向かい合い、長辺332が磁石342と向かい合うように配置されている。なお、第1アクチュエータ27a対となる第1アクチュエータ27b(図4)も、第1アクチュエータ27aと同じ構成である。第1アクチュエータ27bは、コイル支持枠13に設けられたコイル33dと、可動枠22の腕部22dに設けられた磁石34dなどから構成される。
このような構成において、コイル33cに通電すると、コイル33cに電流が流れることで発生する磁界が、磁石341、磁石342と反発、または引き合うことにより、第1アクチュエータ27aが駆動され、可動枠22における磁石34c側が揺動軸J(図4)を中心にして揺動する。この際、第1アクチュエータ27bは、揺動軸J(図4)を中心にして、第1アクチュエータ27aの回転ベクトルと同じ方向に駆動される構成となっている。これにより、可動枠22を揺動させるための十分な駆動力が確保でき、確実な揺動を実現できる。
図4に戻る。
なお、本実施形態では、磁石34c,34dを可動枠22に、コイル33c,33dを外側フレーム24に繋がるコイル支持枠12,13に配置した、換言すれば、可動部に磁石を配置する、所謂「ムービングマグネット型」を採用している。これにより、通電時にコイル33c,33dで発生する熱が、可動枠22やガラス板21に伝わり難くなるため、熱による共振周波数の変化や、ガラス板21の撓み等を抑制することができる。
コイル支持枠13は、コイル支持枠12と同様な金属性のフレーム部材であり、平面視で略長方形をなしている。コイル支持枠13における可動枠22側の長辺には、第1アクチュエータ27bのコイル33dが設けられている。コイル支持枠13の短辺側の両脇には、第2アクチュエータ28a,28bが設けられている。
第2アクチュエータ28aは、図5で説明した第1アクチュエータ27aと略同様の構成のアクチュエータであり、外側フレーム24に設けられたコイル33aと、コイル33aと離間し、向い合って配置される磁石34aなどから構成される。コイル33aは、外側フレーム24からZ軸方向に立上る金属性のコイル枠に設けられている。
磁石34aは、内側フレーム23の第1フレーム23aの他端23c側においてZ軸方向に立上る金属性の磁石枠に取付けられる。なお、内側フレーム23は、可動枠22の支持部22a側の第1フレーム23aと、支持部22b側の第2フレーム23bとの2本のフレームに分岐している。
第1フレーム23aは、コイル支持枠12に重なる部分の一端から、可動枠22の外周に沿って延在し、他端23cはコイル支持枠13近くに達している。また、第1フレーム23aは、可動枠22の外周に沿った延在部分の中ほどで、支持部22aと接続している。そして、第1フレーム23aの他端23c側には、磁石34aが設けられている。
第2アクチュエータ28aと対となる第2アクチュエータ28bも、第2アクチュエータ28aと同様な構成であり、外側フレーム24に設けられたコイル33bと、コイル33bと離間し、向い合って配置される磁石34bなどから構成される。
磁石34bは、内側フレーム23の第2フレーム23bの他端23d側においてZ軸方向に立上る金属性の磁石枠に取付けられる。第2フレーム23bは、コイル支持枠12に重なる部分の一端から、可動枠22の外周に沿って延在し、他端23dはコイル支持枠13近くに達している。また、第2フレーム23bは、可動枠22の外周に沿った延在部分の中ほどで、支持部22bと接続している。そして、第2フレーム23bの他端23d側においてZ軸方向に立上る金属性の磁石枠に、磁石34bが取付けられている。
なお、第2アクチュエータ28a,28bも、可動部となる内側フレーム23側に磁石を配置した、ムービングマグネット型を採用している。
第2アクチュエータ28a,28bは、第1アクチュエータ27a,27bと略同様の構成のアクチュエータであるが、第1アクチュエータ27a,27bよりも加振力を高めるために、駆動面が長く設定されている。
駆動面とはコイルと磁石とが対面する部分のことを指し、例えば、第2アクチュエータ28aのコイル33aと磁石34aとによるY軸の延在方向の駆動面の長さは、第1アクチュエータ27aのコイル33cと磁石34cとによるX軸の延在方向の駆動面の長さの2倍以上の長さに設定されている。なお、第2アクチュエータ28b、第1アクチュエータ27bにおいても、同様である。
第2アクチュエータ28a,28bの駆動面が長く設定されているのは、この2つのアクチュエータにより、第1フレーム23a、第2フレーム23bに加えて、可動枠22全体を揺動させる駆動力が必要なためである。
このような構成において、第2アクチュエータ28a,28bのコイル33a,33bに駆動波形を印加すると、コイルに電流が流れることで発生する磁界が、磁石34a,34bと反発、または引き合うことにより、可動枠22を含む内側フレーム23全体が第2揺動軸J2を中心にして第2揺動方向に揺動する。
第2アクチュエータ28a,28bは、第2揺動軸J2を介して可動枠22を含む内側フレーム23全体を揺動するため、上記の通り、第1アクチュエータ27a,27bよりも加振力が大きく設定されている。そのため、加振駆動時における振動を抑制するために、第2アクチュエータ28a,28bの周囲に複数の結合部が設けられている。
具体的には、第2アクチュエータ28aの周囲には、3つの結合部29a,結合部29b,結合部29gがトラス状に設けられている。同様に、第2アクチュエータ28bの周囲にも、3つの結合部29e,結合部29f,結合部29gがトラス状に設けられている。なお、結合部29b,結合部29e,結合部29gは、第1アクチュエータ27bの支持を兼ねており、当該アクチュエータを3方から囲っている。また、第1アクチュエータ27aの両脇にも、2つの結合部29c,結合部29dが設けられている。
ここで、例えば、第2アクチュエータ28aと結合部29aとの距離は、第1アクチュエータ27bと結合部29bとの距離よりも短く設定されている。他の結合部においても同様である。これは、加振力が大きい第2アクチュエータ28a,28bにおいては、結合部をより近くに配置して振動を抑制したいからである。換言すれば、複数の結合部のそれぞれが第1アクチュエータ27bと第2アクチュエータ28aとのうち一番短い距離との中で、第2アクチュエータ28aと結合部との距離が、他の結合部29bと第1アクチュエータ27bとの距離よりも短い結合部29aを有する。
***結合部の詳細な構成***
図6は、結合部の側断面図である。詳しくは、図4の結合部29dにおけるg-g´断面における断面図である。なお、他の結合部29a~29c、結合部29e~29gの構造も、結合部29dと同じである。
ここでは、7ヶ所の結合部29a~29gの構成について、結合部29dを代表として説明するが、共通の内容については7つを括って結合部29として説明することもある。
結合部29dは、軸部としてのスペーサー45、振動吸収部材48、座金46、ネジ49などから構成されている。
固定フレーム30における結合部29dと重なる部分には、周囲よりも一段高いリング状の台座部40が設けられている。台座部40の中心には、ネジ穴44が形成されている。台座部40におけるネジ穴44が形成された面を第1面41という。台座部40の上には、スペーサー45が配置される。好適例において、スペーサー45はステンレス製のスペーサーであり、円管状で貫通穴を有する。なお、軽量で強度がある材質であれば良く、例えば、鉄や合金、樹脂製のスペーサーであっても良い。また、ネジ穴44の中心からZ軸に沿った線分を中心軸43とする。中心軸43は、結合部29dの中心軸であり、スペーサー45、振動吸収部材48、座金46、ネジ49の中心軸でもある。
スペーサー45の周囲には、振動吸収部材48が取付けられている。振動吸収部材48は、円管状の部材であり、外周には外側フレーム24と連結するための環状の凹部48aが形成されている。環状の凹部48aには、外側フレーム24の連結部24aが勘合される。連結部24aは、外側フレーム24における周囲の部位よりも薄く形成された円環状の凹部である。なお、周囲よりも薄くても、光学デバイス20を安定して支持可能な強度を確保できる厚さt3に設定されている。また、振動吸収部材48は、樹脂材料から構成されている。好適例では、スチレン系樹脂を射出成型して振動吸収部材48を形成している。
スペーサー45、及び、振動吸収部材48の上には、座金46が配置される。座金46は、好適例では、ステンレス製のワッシャーを用いる。なお、軽量で強度がある材質であれば良く、例えば、鉄や合金、樹脂製のスペーサーであっても良い。座金46における振動吸収部材48側の面を第2面47という。
そして、座金46の上からネジ49止めする。ネジ49は、金属製のなべ小ねじであり、座金46、スペーサー45を介して、固定フレーム30のネジ穴44に螺合される。
このように、7ヶ所の結合部29a~29gにより、光学デバイス20を支える連結フレーム25は、振動吸収部材48を介して固定フレーム30に固定される。
そして、固定フレーム30は、振動吸収部材48が取付けられる軸部としてのスペーサー45と、スペーサー45の外側において対向する固定フレーム30の第1面41と、座金46の第2面47とを有する。連結フレーム25は、振動吸収部材48により、軸部としてのスペーサー45との間、及び、第1面41と第2面47との間を離間して配置される。
***好適例における寸法、仕様設定***
図6を用いて、好適例における振動吸収部材48周辺の寸法設定について説明する。
以下の寸法、及び、仕様設定は、光学デバイス20の重量が40gf以上70gf以下で、可動枠22を反復駆動させる駆動信号の周波数を40Hz以上70Hz以下とした場合における好適な設定事例である。これらの前提条件が異なる場合は、以下の寸法、仕様に限定されない。
まず、スペーサー45の高さt5は約6.4mmで、外形が約φ4mmとしている。
振動吸収部材48の初期高さは約6.55mmで、ネジ49により第1面41と第2面47との間で圧縮される。換言すれば、振動吸収部材48の初期高さは、軸としてのスペーサー45の中心軸43と平行な長さよりも大きく設定されている。圧縮代が約0.1mm以上0.2mm以下の範囲内となるように、初期高さを設定することが好ましい。
振動吸収部材48の初期内径は約φ3.9mmで、スペーサー45の外形よりも小さく設定されている。弾性を有する振動吸収部材48の内径を広げるように、スペーサー45を圧入気味に挿入する。振動吸収部材48の初期外形は、約φ9.5mmに設定されている。
振動吸収部材48の凹部48aの幅は、約1.2mmに設定されている。凹部48aと勘合する外側フレーム24の連結部24aの厚さt3も、約1.2mmに設定されている。凹部48aの幅と連結部24aの厚さt3が同じ寸法なので容易に組み込みできるが、ネジ49締め後は、振動吸収部材48が圧接されてより密着する。
振動吸収部材48における固定フレーム30の第1面41と外側フレーム24の連結部24aとの間の厚さt1は、約2.6mmとしている。
振動吸収部材48における外側フレーム24の連結部24aと座金46の第2面47との間の厚さt2は、約2.6mmとしている。
振動吸収部材48におけるスペーサー45の外形と外側フレーム24の連結部24aとの間の厚さt4は、約1.5mmとしている。
ネジ49はM3の雄ネジであり、台座部40のネジ穴44にはM3の雌ネジが形成されている。
好適例における結合部29の組立て方法は、まず、振動吸収部材48にスペーサー45を挿入する。続いて、スペーサー45と一体になった振動吸収部材48を、当該部材の弾性を利用して、外側フレーム24の連結部24aに嵌め込む。これを7ヶ所の結合部29で行う。スペーサー45を含む振動吸収部材48が7ヶ所取り付けられた状態の連結フレーム25を、固定フレーム30の上に載置し、7ヶ所に座金46をセットした後、ネジ49を締める。なお、この際、連結フレーム25には、可動枠22や、第1アクチュエータ27a,27b、第2アクチュエータ28a,28bが組込まれている。
続いて、好適例における振動吸収部材48の仕様について説明する。
振動吸収部材48は、デュロメータ硬度が20以上、ロックウェル硬さがR95以下の樹脂材料であることが好ましい。また、振動吸収部材48の硬度の温度変化が、0℃から100℃の範囲において、1℃あたり1%未満であることが好ましい。なお、これらの根拠については、後述する。
なお、上記の好適事例に限定するものではなく、以下の関係性を満たせば良い。
振動吸収部材48において、連結フレーム25と、固定フレーム30における第1面41と座金46の第2面47との間に存在する厚さt1、t2が、外側フレーム24の連結部24aとスペーサー45との間に存在する厚さt4より大きい。
また、振動吸収部材48において、連結フレーム25と、固定フレーム30における第1面41と座金46の第2面47とのうち、少なくとも一方との間に存在する厚さが、外側フレーム24の連結部24aとスペーサー45との間に存在する厚さt4より大きい。換言すれば、厚さt1、厚さt2のうち少なくとも一方は、厚さt4より大きい。
また、振動吸収部材48において、連結フレーム25と、固定フレーム30における第1面41と座金46の第2面47とのうち、少なくとも一方との間に存在する厚さが、外側フレーム24の連結部24aにおけるスペーサー45と平行な厚さt3よりも大きい。換言すれば、厚さt1、厚さt2のうち少なくとも一方は、厚さt3より大きい。
また、振動吸収部材48において、外側フレーム24の連結部24aとスペーサー45との間に存在する厚さt4が、外側フレーム24の連結部24aにおけるスペーサー45と平行な厚さt3よりも大きい。換言すれば、厚さt4は、厚さt3より大きい。
***振動吸収部材による効果検証***
図7は、振動吸収部材を用いた防振構造による騒音レベル、及び、動作追従性についての検証結果を示した図表である。
検証に当たっては、振動吸収部材48の硬度や、結合部29の数などを変えた4つの実施例、及び、8つの比較例による実験を行った。
その結果は、図7に示すように、4つの実施例1~4については、騒音レベル、及び、動作追従性ともに、良好な結果が得られた。
他方、比較例1~4については、動作追従性は良好(〇)なるも、騒音レベルは指標超えで騒音大という結果であった。比較例5,6については、騒音レベルは許容レベルであったが、動作追従性が不安定(△)という結果であった。比較例7,8については、騒音レベルは良好であるが、動作追従性が悪い(×)という結果であった。
図8は、動作追従性の優劣についての説明用グラフ図である。
まず、図8を用いて、動作追従性の優劣について説明する。
破線で示される台形波からなるグラフ50は、可動枠22(ガラス板21)の理想的な動作を示している。なお、縦軸は、反復動作における変位量、横軸は時間軸を示している。可動枠22の理想的な反復動作は、台形波における下底の直線部分の時間が長く、立ち上がり時間が短く、上底の直線部分の時間が長く、立ち下がり時間が短い動作である。また、立ち上がり後のオーバーシュートや、立ち下がり後のアンダーシュートなど、上底、下底における波打ち動作が少ないことが望ましい。つまり、可動枠22が反復動作する際に、バタつかずにスムーズに移動し、かつ、下底、上底において安定した状態で止まっている時間を長く維持できれば、画質が良く高解像度の投射画像を得ることができる。
図8において実線で示されるグラフ51は、図7で動作追従性が良好(〇)と示された実施例、比較例にて得られる動作軌跡例である。図8に示すように、グラフ51は理想台形波のグラフ50に略沿った動作軌跡であり、良好な画質を得ることができる。
図8の最下段のグラフ53は、図7で動作追従性が悪い(×)と示された比較例にて得られる動作軌跡例である。図8に示すように、グラフ53では台形波がかなり崩れてしまっているため、画質が悪くなってしまう。
図8の中段のグラフ52は、図7で動作追従性が不安定(△)と示された比較例にて得られる動作軌跡例である。図8に示すように、グラフ52は、グラフ51とグラフ53との中間状態の波形となっているため、画質が不安定となる。
図9は、ネジ止め4ヶ所による光学デバイスの平面図である。
続いて、4つの実施例、及び、8つの比較例の内容、及び、検証結果について詳しく説明する。
まず、実施例1では、図6の振動吸収部材48としてデュロメータ硬度37のスチレン系樹脂を用いた。そして、図4の態様通り、光学デバイス20を7ヶ所の結合部29a~29gにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。
実施例2では、実施例1と同様に、振動吸収部材48としてデュロメータ硬度37のスチレン系樹脂を用いた。そして、図9に示すように、光学デバイス20を4ヶ所の結合部29a,29c,29d,29fにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。実施例1と実施例2との違いは、ネジ止め数の違いである。
実施例3では、振動吸収部材48としてデュロメータ硬度20のスチレン系樹脂を用いた。そして、光学デバイス20を7ヶ所の結合部29a~29gにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。
実施例4では、振動吸収部材48としてデュロメータ硬度20のスチレン系樹脂を用いた。そして、光学デバイス20を4ヶ所の結合部29a,29c,29d,29fにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。実施例3と実施例4との違いは、ネジ止め数の違いである。
図10は、比較例1,2における結合部の断面図であり、図6に対応している。
まず、比較例2では、結合部の構造が異なり、比較評価用の結合部129としている。詳しくは、図10に示すように、結合部129では、振動吸収部材、スペーサー、座金は用いず、比較評価用の連結フレーム125のみを用いる。固定フレーム30は、図6と同じである。連結フレーム125の外側フレーム124の連結部124aは、Zプラス方向に突出した円柱状の台座部であり、その中央にはネジ49を通す貫通穴124bが設けられている。外側フレーム124の連結部124aは、固定フレーム30の台座部40と直に接合する構造となっており、両者は、ネジ49で直接固定される。ネジ止めは、7ヶ所である。
図11は、比較例1の光学デバイスの平面図であり、図4に対応している。
比較例1では、図11に示すように、連結フレーム125の内側フレーム123を、比較評価用の4ヶ所の結合部139で、直に固定フレーム30に固定する。結合部139の位置は、可動枠22の4つの頂点の外側で、内側フレーム123と重なる部分である。結合部139の断面構造は、図10の結合部129と同じである。
この比較例1では、内側フレーム23と外側フレーム24とによる2重環状構造における、外側フレームによる緩衝作用がない場合の影響を調べることができる。
比較例3では、振動吸収部材48としてロックウェル硬さR95のフッ化炭素樹脂を用いた。なお、同じ硬度の他の樹脂を用いても良い。そして、光学デバイス20を7ヶ所の結合部29a~29gにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。
比較例4では、振動吸収部材48としてロックウェル硬さR95のフッ化炭素樹脂を用いた。なお、同じ硬度の他の樹脂を用いても良い。そして、光学デバイス20を4ヶ所の結合部29a,29c,29d,29fにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。比較例3と比較例4との違いは、ネジ止め数の違いである。
比較例5では、振動吸収部材48としてアスカー硬度100のスチレン系樹脂を用いた。そして、光学デバイス20を7ヶ所の結合部29a~29gにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。なお、硬度指標について、ロックウェル、デュロメータ、アスカーの3つの指標を用いているのは、1つの指標における測定範囲では、本検証に用いた振動吸収部材48の硬度範囲がカバーできなかったからである。本検証における振動吸収部材48の硬度は、比較例3,4が最も硬く、実施例1,2、実施例3,4、比較例5,6の順に段階的に硬度が下がり、比較例7,8が最も硬度が低くなっている。
比較例6では、振動吸収部材48としてアスカー硬度100のスチレン系樹脂を用いた。そして、光学デバイス20を4ヶ所の結合部29a,29c,29d,29fにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。比較例5と比較例6との違いは、ネジ止め数の違いである。
比較例7では、振動吸収部材48としてアスカー硬度80のスチレン系樹脂を用いた。そして、光学デバイス20を7ヶ所の結合部29a~29gにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。
比較例8では、振動吸収部材48としてアスカー硬度80のスチレン系樹脂を用いた。そして、光学デバイス20を4ヶ所の結合部29a,29c,29d,29fにおいてネジ止めしたサンプルを用いた。比較例7と比較例8との違いは、ネジ止め数の違いである。
***検証結果からの考察***
図7に戻る。
図7のグラフにおいて、縦軸は騒音レベルを示す音圧(dB)を示し、横軸は比較例、及び、実施例を示している。騒音レベルの指標は約20dBであり、当該指標以下であれば、騒音が小さく良好と判断される。
前述の通り、4つの実施例1~4については、騒音レベル、動作追従性ともに、良好な結果が得られた。
騒音レベルを主体に考察すると、振動吸収部材がない比較例1,2、振動吸収部材48としてフッ化炭素樹脂を用いた比較例3,4では、騒音指標20dBを超えており、振動、及び、振動に伴う騒音が大きくなることが解る。他方、比較例1~4のいずれも動作追従性は良好(〇)である。
比較例1,2において、比較例1の音圧28.4dBに対して、比較例2は音圧24.8dBであり、音圧が約3.6dB抑制されており明確な騒音抑制効果が認められる。これは、内側フレーム23と外側フレーム24とからなる連結フレーム25の2重環状構造における、外側フレーム24による緩衝作用に拠るものと考えられる。
また、比較例3,4において、比較例4の音圧24.0dBに対して、比較例3は音圧23.1dBであり、音圧が約0.9dB抑制されており騒音抑制効果が認められる。これは、ネジ止め数の違いに拠るものであり、4ヶ所止めよりも、7ヶ所止めの方が騒音抑制効果が高いことが解る。他の実施例、比較例でも同様の結果であり、例えば、実施例2と比べて実施例1では、音圧が約2.3dB抑制されており、明確な効果が認められる。
但し、実施例2,4では、ネジ止め数が4ヶ所であっても、騒音指標よりも低い騒音レベルとなっていることから、ネジ止め4ヶ所構成も実用性があると認められる。換言すれば、結合部29の数は、4以上7以下であれば良い。
また、比較例3の騒音レベルは騒音指標よりも約3dB高いが僅かであり、他方、優れた動作追従性を考慮すると、実用における許容範囲内と考えられる。換言すれば、比較例3は準実施例と見做すことができる。よって、振動吸収部材48の硬度は、ロックウェル硬さR95を上限とする。また、振動吸収部材48の硬度の下限は、騒音レベル、動作追従性ともに、良好な結果が得られた実施例3,4のデュロメータ硬度20となる。
比較例5,6では、実施例3,4よりも硬度が低い振動吸収部材48を用いているのにも拘らず、騒音レベルが高くなっている。これは、光学デバイス20全体が共振したことが原因と推測している。
比較例7,8では、騒音レベルが最も低くなっているが、動作追従性が悪く実用性は乏しい。
図12は、振動吸収部材における硬度の温度特性を示すグラフ図である。
上記では、常温(15℃~25℃)下において振動吸収部材48の硬度を変更して検証したが、振動吸収部材48にはプロジェクター1が使用される環境下で硬度が安定していることが求められる。一般的なプロジェクターの定格動作温度は0℃~50℃であるが、光学デバイス20は高温となる光変調装置4(図1)の近くに配置されるので、高温側はマージンを持った方が安全である。
図12のグラフ60は、比較例としてシリコーン樹脂の温度特性を示しており、横軸は温度(℃)、縦軸は硬さの変化率(%)を取っている。
従来文献(特許文献1)に記載があるシリコーン樹脂の場合、グラフ60に示すように、0℃~60℃に掛けての硬さの変化率が非常に大きいことが解る。この温度範囲はプロジェクターの定格動作温度と重複しており、シリコーン樹脂を振動吸収部材48として用いた場合、硬度が安定しないため、騒音が大きくなったり、動作追従性が不安定となる恐れがある。
これに対して、実施例で採用したスチレン系樹脂の温度特性を示すグラフ61では、0℃~100℃に掛けての硬さの変化率は1.0のままで変わらない。よって、スチレン系樹脂を振動吸収部材48として用いた場合、プロジェクターの定格動作温度を含む高温側にマージンを持った温度範囲において、常温での硬度を維持できるため、騒音レベル、動作追従性ともに良好な状態を維持することができる。なお、スチレン系樹脂に限定するものではなく、同等の温度特性を有する樹脂であれば良い。
以上述べた通り、本実施形態の光学装置2、プロジェクター1によれば、以下の効果を得ることができる。
光が入射する入射面を有するガラス板21と、ガラス板21を保持する可動枠22と、可動枠22と第1揺動軸J1を介して連結する連結フレーム25とを含む光学デバイス20を有し、光学デバイス20における連結フレーム25を、振動吸収部材48を介して固定する固定フレーム30を備える光学装置2であって、固定フレーム30は、振動吸収部材48が取付けられる軸部としてのスペーサー45と、スペーサー45の外側において対向する台座部40の第1面41と、座金46の第2面47とを有し、連結フレーム25は、振動吸収部材48により、スペーサー45との間、及び、第1面41と第2面47との間を離間して配置され、振動吸収部材48は、連結フレーム25と、固定フレーム30における第1面41と第2面47とのうち少なくとも一方との間に存在する厚さが、連結フレーム25と固定フレーム30のスペーサー45との間に存在する厚さより大きい。
これによれば、反復駆動を行う可動枠22を支持する連結フレーム25は、振動吸収部材48により、スペーサー45、及び、第1面41と第2面47との間を離間して配置されているため、反復駆動の精度に影響を及ぼさない微振動を吸収することができる。
さらに、振動吸収部材48における、外側フレーム24の連結部24aと第1面41との間の厚さt1、連結部24aと第2面47との間の厚さt2のうち、少なくとも一方の厚さが、連結部24aとスペーサー45との間の厚さt4より厚いことにより、可動枠22の反復駆動の精度を確保することができる。
よって、この光学装置2によれば、固定フレーム30に、スペーサー45、及び、振動吸収部材48を取付けるという簡単な構造により、微振動による騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保することができる。
従って、簡単な構成で騒音が少なく、高解像度の投射画像が得られる画像表示装置としてのプロジェクター1を提供することができる。
また、振動吸収部材48は、連結フレーム25と、固定フレーム30とにおける第1面41と第2面47との間に存在する厚さが、外側フレーム24の連結部24aとスペーサー45との間に存在する厚さt4より大きい。
これによれば、振動吸収部材48における、外側フレーム24の連結部24aと第1面41との間の厚さt1と、連結部24aと第2面47との間の厚さt2とが、連結部24aとスペーサー45との間の厚さt4より厚いことにより、騒音を抑制するとともに、可動枠22の反復駆動の精度を確保することができる。
また、振動吸収部材48は、連結フレーム25と、固定フレーム30における第1面41と第2面47とのうち少なくとも一方との間に存在する厚さが、連結フレーム25におけるスペーサー45と平行な厚さよりも大きい。
これによれば、振動吸収部材48における、外側フレーム24の連結部24aと第1面41との間の厚さt1、連結部24aと第2面47との間の厚さt2のうち、少なくとも一方の厚さが、外側フレーム24の連結部24aの厚さt3よりも厚いことにより、騒音を抑制するとともに、可動枠22の反復駆動の精度を確保することができる。
また、振動吸収部材48は、連結フレーム25とスペーサー45との間に存在する厚さt4が、連結フレーム25におけるスペーサー45と平行な厚さt3よりも大きい。
これによれば、外側フレーム24の連結部24aとスペーサー45との間の厚さt4が、連結部24aの厚さt3よりも厚いことにより、騒音を抑制するとともに、可動枠22の反復駆動の精度を確保することができる。
また、振動吸収部材48は、デュロメータ硬度が20以上、ロックウェル硬さがR95以下である。
これによれば、振動吸収部材48の硬度が適切な範囲内に設定されるため、騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保することができる。
また、振動吸収部材48は、樹脂材料であり、振動吸収部材48の硬度の温度変化が、0℃から100℃の範囲において、1℃あたり1%未満である。
これによれば、プロジェクターの定格動作温度を含む高温側にマージンを持った温度範囲において、振動吸収部材48が常温での硬度を維持できるため、騒音レベル、動作追従性ともに良好な状態を維持することができる。
また、振動吸収部材48は、スペーサー45と平行な長さよりも大きく、スペーサー45の貫通孔に設けられたネジ49により、固定フレーム30における第1面41と第2面47との間で圧縮される。
これによれば、振動吸収部材48は、ネジ49により第1面41と第2面47との間で圧縮されるため、外側フレーム24の連結部24aとの密着性が高まり一体化される。
また、連結フレーム25は、外側フレーム24と、外側フレーム24内において第1揺動軸J1に連結された内側フレーム23とを備える。
これによれば、連結フレーム25の2重環状構造における外側フレーム24による緩衝作用により、騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保することができる。
また、光学デバイス20の重量は40gf以上70gf以下であり、連結フレーム25が振動吸収部材48を介して固定フレーム30に固定される結合部29の数は、4以上7以下である。
これによれば、適切な数の結合部29により、光学デバイス20が固定フレーム30に固定されるため、騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保することができる。
また、第1揺動軸J1を介して、可動枠22を振動させる第1アクチュエータ27a,27bと、第1揺動軸J1を介して、可動枠22を第1アクチュエータ27a,27bよりも大きい加振力で振動させる第2アクチュエータ28a,28bとをさらに備え、連結フレーム25が振動吸収部材48を介して固定フレーム30に固定される結合部29は、複数ヶ所あり、複数の結合部29のそれぞれが第1アクチュエータ27a,27bと、第2アクチュエータ28a,28bとのうち一番短い距離との中で、第2アクチュエータ28a,28bと結合部29との距離が、他の結合部29と第1アクチュエータ27a,27bとの距離よりも短い結合部を有する。
例えば、第2アクチュエータ28aと結合部29aとの距離は、第1アクチュエータ27bと結合部29bとの距離よりも短く設定されている。他の結合部においても同様である。これによれば、加振力が大きい第2アクチュエータ28a,28bでは、結合部29をより近くに配置することにより、効率良く振動を抑制することができる。
プロジェクター1は、複数の画素を備える液晶表示素子108と、液晶表示素子108からの光を投射する投射光学装置3と、液晶表示素子108からの光が入射される光学装置2を備える。
これによれば、プロジェクター1は、騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保した、シンプルな構成の光学装置2を備えている。
従って、簡単な構成で騒音が少なく、高解像度の投射画像が得られるプロジェクター1を提供することができる。
実施形態2
***結合部の異なる態様-1***
図13は、本実施形態における結合部の側断面図であり、図6に対応している。
本実施形態の結合部129では、実施形態1の振動吸収部材48とは異なる振動吸収部材148を備えている点が、実施形態1の結合部29と異なる。その他の構成は、実施形態1の結合部29と同じである。
以下、実施形態1と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の振動吸収部材148は、2つの部位から構成されている。詳しくは、振動吸収部材148は、台座部40の第1面41に配置される第1部材146と、座金46の第2面47に配置される第2部材147とが重なって構成される。
第1部材146、第2部材147の材質、寸法、硬度は、実施形態1の振動吸収部材48と同じである。例えば、スチレン系樹脂を用いる場合には、射出成型において、第1部材146と第2部材147とを作り分ける。1つの金型に、第1部材146と第2部材147とが一緒に面付されていても良いし、部材ごとに専用の金型を用いても良い。
第1部材146は、台座部40の第1面41から外側フレーム24の連結部24aの上面までの高さに設定されている。第1部材146におけるスペーサー45と連結部24aとの間の凹部148aは、実施形態1の振動吸収部材48における環状の凹部48aに相当する部分であり、階段状に切り欠かれている。
第2部材147は、シンプルな円環状の部材である。第1部材146の上に、第2部材147が重ねられると、連結部24aと勘合する環状の凹部148aが形成される。
組立て方法は、まず、第1部材146にスペーサー45を挿入する。続いて、スペーサー45と一体になった第1部材146を、連結フレーム25の7ヶ所の連結部24aにセットする。次に、固定フレームの上に、連結フレーム25を載置する。
そして、連結フレーム25から突出しているスペーサー45に、第2部材147を嵌める。このように、2ピース構成とした場合、振動吸収部材を変形させて外側フレーム24に嵌め込む必要はなくなる。
以上述べた通り、本実施形態の結合部129、振動吸収部材148によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
振動吸収部材148は、2ピース構成としたこと以外は、実施形態1の振動吸収部材48と同じである。結合部129は、振動吸収部材148を用いること以外は、実施形態1の結合部29と同じである。
従って、簡単な構造により、微振動による騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保することが可能な光学装置2を提供することができる。
また、第1部材146と、第2部材147との2ピース構成とすることにより、振動吸収部材を変形させて外側フレーム24に嵌め込む必要はなくなるため、組み立て性が向上する。順番に重ねることで組立て可能なため、ロボットなどによる自動化の可能性も高まり、製造効率が向上する。
また、上記では、固定フレーム30とは別に、スペーサー45を用いていたが、スペーサー45を固定フレーム30と一体化しても良い。詳しくは、アルミダイキャストで固定フレーム30を形成する際に、台座部40の上に円管状のスペーサー部を一体で設ければ良い。これによれば、スペーサー45を省略することができる。なお、この構成は、図6の1ピースの振動吸収部材48を用いた構成にも適用することができる。
これらの構成であっても、一体形成されたスペーサー部がスペーサー45の役割りを果たすため、上記各実施形態と、同様の作用効果を得ることができる。
図4を用いて説明する。
上記では、可動枠22を第1揺動軸J1、及び、第2揺動軸J2を軸として2方向に揺動させて、F1/F2方向(縦横方向)に半画素ずつ画素シフトさせるものとして説明したが、縦横の2方向に画素シフトさせることに限定するものではなく、表示画像を高解像度化可能な方法であれば良い。例えば、揺動方向は1方向であっても良い。詳しくは、可動枠22の対角線に沿って対角線揺動軸を設けて、斜めに半画素シフトさせる方法であっても良い。この場合、対角線揺動軸の外側に、磁石、及び、電磁コイルを備えたアクチュエータを1対設ける。この構成、方法であっても、表示画像を高解像度化することができる。
そして、斜め画素シフト方式の光学デバイスにおいても、上記の振動吸収部材48を含む結合部29を用いた防振構造を適用することができる。この構成であっても、上記各実施形態と同様に、簡単な構造により、微振動による騒音を抑制するとともに、可動枠22の動作追従性を確保することが可能な光学装置を提供することができる。
実施形態3
***結合部の異なる態様-2***
図14は、本実施形態における結合部の側断面図であり、図6、図13に対応している。実施形態2では、2つの部位から構成された振動吸収部材148を、スペーサー45、座金46を用いて固定していたが、この構成に限定するものではない。例えば、スペーサー45、座金46を用いなくても良い。
本実施形態の結合部149では、スペーサー45、及び、座金46を用いない点が、実施形態2の結合部129と異なる。その他の構成は、実施形態1の結合部29と同じである。以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
本実施形態の結合部149は、図14に示すように、2つの部位から構成された振動吸収部材158と、ネジ49から構成されており、スペーサー、及び、座金を用いていない。振動吸収部材158は、台座部40の第1面41に配置される第1部材156と、第1部材156に重ねられる第2部材157とから構成される。第1部材156、第2部材157の材質、形状、硬度は、実施形態2の第1部材146、第2部材147と同じであるが、スペーサーが無い分、若干肉厚に形成されている。
第1部材156は、台座部40の第1面41から外側フレーム24の連結部24aの上面までの高さに設定されている。第1部材156における連結部24aと当接する部分は、階段状に切り欠かれている。
第2部材157は、シンプルな円環状の部材である。第1部材156の上に、第2部材157が重ねられると、連結部24aと勘合する環状の凹部148aが形成される。なお、本実施形態においては、ネジ49の頭部の下面が第2面47となり、振動吸収部材158が取付けられる軸部はネジ49となる。
組立て方法は、まず、連結フレーム25の7ヶ所の連結部24aに、第1部材156をセットする。並行して、ネジ49に第2部材157を嵌め込んでおく。
続いて、第1部材156が取り付けられた連結フレーム25を、固定フレーム30の上に載置する。次に、第2部材157が取り付けられたネジ49で、連結フレーム25の7ヶ所の連結部24aにネジ締めする。
前述した通り、振動吸収部材158を2ピース構成とすることにより、組立時に振動吸収部材を変形させて外側フレーム24に嵌め込む必要はなくなる。このため、比較例3、比較例4のように、振動吸収部材158として樹脂を用いる場合に、実施形態2、及び本実施形態の締結部の構成を用いることが好ましい。
さらに、本実施形態の結合部149によれば、スペーサー、及び、座金を用いないため、部品点数を減らすことができる。さらに、構成がシンプルになるため、組み立て工数も減少する。また、発明者等の検証結果によれば、本実施形態の構成であっても、上記各実施形態と同等の騒音抑制効果、及び、動作追従性を確保できることが解っている。
実施形態4
***結合部の異なる態様-3***
図15は、本実施形態における結合部の側断面図であり、図14に対応している。
実施形態3では、振動吸収部材158を構成する第1部材156と第2部材157とを密着する構成として説明したが、両者の間に隙間d1を設けても良い。図15に示す、本実施形態の結合部150における振動吸収部材159では、第1部材156aと第2部材157との間に、隙間d1が設けられている点が、図14と異なる。その他の構成は、実施形態3の結合部149と同じである。以下、上記実施形態と同じ構成部位には、同一の附番を附し、重複する説明は省略する。
上記したように、2ピース構成は、組立性などの観点から振動吸収部材159に樹脂を用いた場合に好適である。樹脂を用いる場合、2つの部位共に同じ硬度とする必要性はなく、前述した硬度の範囲内において、第1部材156aと第2部材157との硬度を異ならせても良い。例えば、第1部材156aの硬度を第2部材157よりも高くしても良い。一例として、第1部材156aをロックウェル硬さR95のフッ化炭素樹脂とし、第2部材157をロックウェル硬さR90のフッ化炭素樹脂としても良い。なお、硬度の数値は一例であり、硬度の範囲内において、設計仕様に応じて、適宜、両者間に硬度の差をつければ良い。
第1部材156aは、実施形態3の第1部材156よりも、隙間d1分高さが低く形成されている。第1部材156aと第2部材157との間が接触する寸法設定となっていた場合、製造バラつきにより第1部材156aの高さが高くなると、第2部材157を押し上げてしまい、第2部材157の連結部24aへの接触が不十分となってしまう。接触が足りないと第2部材157による振動抑制効果が得られない恐れがある。このため、隙間d1は、第1部材156aの設計高さにおける最大公差よりも、大きい寸法に設定する。
この構成によれば、製造バラつきがあった場合でも、第1部材156aが第2部材157に干渉することを防止できる。そして、この構成であっても、連結フレーム25の連結部24aは、上方の第2部材157と、下方の第1部材156aの階段状の切り欠き部とにより密着、及び、挟持されるため、上記各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、連結部24aへの第2部材157の密着性をより高めるために、図14、図15の構成において、座金46(図6)のみを追加しても良い。
1…プロジェクター、2…光学装置、3…投射光学装置、4…光変調装置、20…光学デバイス、21…ガラス板、22…可動枠、22a,22b…支持部、22c,22d…腕部、23…内側フレーム、23a…第1フレーム、23b…第2フレーム、23c…他端、23d…他端、24…外側フレーム、24a…連結部、25…連結フレーム、27a,27b…第1アクチュエータ、28a,28b…第2アクチュエータ、29…結合部、29a~29g…結合部、30…固定フレーム、33a~33d…コイル、34a~34d…磁石、40…台座部、41…第1面、43…中心軸、44…ネジ穴、45…スペーサー、46…座金、47…第2面、48…振動吸収部材、48a…凹部、49…ネジ、101…スクリーン、102…光源、104a,104b…ミラー、106a,106b…ダイクロイックミラー、108…液晶表示素子、108R,108B,108G…液晶表示素子、110…ダイクロイックプリズム、123…内側フレーム、124…外側フレーム、124a…連結部、124b…貫通穴、125…連結フレーム、129…結合部、139…結合部、146…第1部材、147…第2部材、148…振動吸収部材、148a…凹部、F1…第1方向、F2…第2方向、J1…第1揺動軸、J2…第2揺動軸。

Claims (12)

  1. 光が入射する入射面を有する光学部材と、
    前記光学部材を保持する可動枠と、
    前記可動枠と揺動軸を介して連結する連結フレームとを、含む光学デバイスを有し、
    前記光学デバイスにおける前記連結フレームを、振動吸収部材を介して固定する固定フレームを備える光学装置であって、
    前記固定フレームは、前記振動吸収部材が取付けられる軸部と、前記軸部の外側において対向する第1面と第2面とを有し、
    前記連結フレームは、前記振動吸収部材により、前記軸部との間、及び、前記第1面と前記第2面との間を離間して配置され、
    前記振動吸収部材は、前記連結フレームと、前記固定フレームにおける前記第1面と前記第2面とのうち少なくとも一方との間に存在する厚さが、前記連結フレームと前記固定フレームの前記軸部との間に存在する厚さより大きい、
    光学装置。
  2. 前記振動吸収部材は、前記連結フレームと、前記固定フレームとにおける前記第1面と前記第2面との間に存在する厚さが、前記連結フレームと前記軸部との間に存在する厚さより大きい、
    請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記振動吸収部材は、前記連結フレームと、前記固定フレームにおける前記第1面と前記第2面とのうち少なくとも一方との間に存在する厚さが、前記連結フレームにおける前記軸部と平行な厚さよりも大きい、
    請求項1または2に記載の光学装置。
  4. 前記振動吸収部材は、前記連結フレームと前記軸部との間に存在する厚さが、前記連結フレームにおける前記軸部と平行な厚さよりも大きい、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の光学装置。
  5. 前記振動吸収部材は、デュロメータ硬度が20以上、ロックウェル硬さがR95以下である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記振動吸収部材は、樹脂材料であり、
    前記振動吸収部材の硬度の温度変化が、0℃から100℃の範囲において、1℃あたり1%未満である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記振動吸収部材は、前記軸部と平行な長さよりも大きく、
    前記軸部の貫通孔に設けられたねじにより、前記固定フレームにおける前記第1面と前記第2面との間で圧縮される、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 前記振動吸収部材は、前記第1面に配置される第1部材と、前記第2面に配置される第2部材とが重なって構成される、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の光学装置。
  9. 前記連結フレームは、外側フレームと、前記外側フレーム内において前記揺動軸に連結された内側フレームとを備える、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の光学装置。
  10. 前記光学デバイスの重量は、40gf以上70gf以下であり、
    前記連結フレームが前記振動吸収部材を介して前記固定フレームに固定される結合部の数は、4以上7以下である、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の光学装置。
  11. 前記揺動軸を介して、前記可動枠を振動させる第1アクチュエータと、
    前記揺動軸を介して、前記可動枠を前記第1アクチュエータよりも大きい加振力で振動させる第2アクチュエータと、をさらに備え、
    前記連結フレームが前記振動吸収部材を介して前記固定フレームに固定される前記結合部は、複数ヶ所あり、
    複数の前記結合部のそれぞれが前記第1アクチュエータと前記第2アクチュエータとのうち一番短い距離との中で、
    前記第2アクチュエータと前記結合部との距離が、他の前記結合部と前記第1アクチュエータとの距離よりも短い前記結合部を有する、
    請求項10に記載の光学装置。
  12. 複数の画素を備える光変調素子と、
    前記光変調素子からの光を投射する投射光学系と、
    前記光変調素子からの光が入射される請求項1~11のいずれか1項に記載の光学装置と、を備える、
    画像表示装置。
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