JP2022068482A - 直流電流遮断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自身の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる直流電流遮断装置を提供することである。【解決手段】実施形態の直流電流遮断装置は、機械式接点と、半導体遮断器と、転流回路と、制御装置とを持つ。機械式接点は、直流送電線に設けられる。半導体遮断器は、直流送電線に並列に設けられる。転流回路は、定常時には機械式接点を通る経路に流れる電流を、電流遮断時に半導体遮断器を通る経路に転流させる。制御装置は、機械式接点、半導体遮断器、および転流回路を制御する。制御装置は、定常時の任意のタイミングで、転流回路を所定時間だけ動作させた後停止させ、所定時間内に転流回路に流れる電流の変化の度合いに基づいて、転流回路に異常があるか否かを判定する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、直流電流遮断装置に関する。
近年、直流送電を行う直流送電システムについて検討・導入が進められている。直流送電システムは、従来の交流送電システムに比べ、長距離大電力送電に適用した場合に、低コストで設置可能であり且つ送電損失が少ない高効率システムを構築することが可能である。その一方、複数の発電端子を連系した直流送電システムにおいては系統事故の発生した個所を遮断・隔離することが難しい。直流電流では、電流がゼロを横切る点(ゼロ点)が生じないため、機械式接点では電流を容易に遮断できないためである。これを解決するため、様々な直流電流遮断装置が検討されている。
複数の発電端子を連系した直流送電システムでは、直流送電線で事故が発生した際に、この直流送電線に属する直流電流遮断器を開極することで事故回線を切り離し、健全回線による送電を維持する。ところで、直流電流遮断装置は、平常時には直流送電線の導通状態を維持し、いずれかの直流送電線において事故が発生した場合にのみ事故回線を遮断する動作を行うため、平常時には特段の動作をすることはない。このため、仮に直流電流遮断装置の内部に故障が発生して正常な遮断動作を行うことができない状態になっていたとしても、そのことが判明するのは、事故が発生して事故回線の遮断をしなければならないときである。直流電流遮断装置において遮断動作を行わなければならないときに内部の故障が判明すると、事故回線を正常に遮断することができないだけではなく、送電停止の遅れにより事故がさらに悪化してしまったり、事故が健全回線に波及したり、事故の影響による機器の破損が起こってしまったりするなど、様々な悪影響を及ぼす可能性がある。このため、直流電流遮断装置には、自身の故障をいち早く検出することができる仕組みの構築が必要である。
特開2016-162713号公報
本発明が解決しようとする課題は、自身の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる直流電流遮断装置を提供することである。
実施形態の直流電流遮断装置は、機械式接点と、半導体遮断器と、転流回路と、制御装置とを持つ。機械式接点は、直流送電線に設けられる。半導体遮断器は、前記直流送電線に並列に設けられる。転流回路は、定常時には前記機械式接点を通る経路に流れる電流を、電流遮断時に前記半導体遮断器を通る経路に転流させる。制御装置は、前記機械式接点、前記半導体遮断器、および前記転流回路を制御する。前記制御装置は、前記定常時の任意のタイミングで、前記転流回路を所定時間だけ動作させた後停止させ、前記所定時間内に前記転流回路に流れる電流の変化の度合いに基づいて、前記転流回路に異常があるか否かを判定する。
第1の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の半導体遮断器の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の転流回路の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の直流電流遮断装置における定常通電時の電流の流れの一例を示す図。 第1の実施形態の直流電流遮断装置における故障判定時の電流の流れの一例を示す図。 第1の実施形態の直流電流遮断装置において流れる電流の波形の一例を示す図。 第2の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第2の実施形態の直流電流遮断装置における定常通電時の電流の流れの一例を示す図。 第2の実施形態の直流電流遮断装置における故障判定時の電流の流れの一例を示す図。 第3の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第3の実施形態の転流回路の構成の一例を示す図。 第3の実施形態の直流電流遮断装置における定常通電時の電流の流れの一例を示す図。 第3の実施形態の直流電流遮断装置における故障判定時の電流の流れの一例を示す図。 第3の実施形態の直流電流遮断装置において流れる電流の波形の一例を示す図。 第4の実施形態に係る直流電流遮断装置が備える転流回路の構成の一例を示す図。 第4の実施形態の直流電流遮断装置が備える転流回路における電圧の波形の一例を示す図。 第5の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。
以下、実施形態の直流電流遮断装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図1には、直流送電線LNの中間の位置に構成する直流電流遮断装置1の一例を示している。図1に示した直流電流遮断装置1では、例えば、左側に送電設備が存在し、右側に需要家が存在する。この場合、通常であれば、左側から右側に直流電流が流れる。直流電流遮断装置1は、例えば、機械式接点10と、半導体遮断器20と、転流回路30と、制御装置100と、を備える。
直流電流遮断装置1では、直流送電線LNに機械式接点10が設けられている。直流電流遮断装置1では、半導体遮断器20と転流回路30とが接続された直列回路が、直流送電線LNに並列に接続されている。より具体的には、直流送電線LNにおける機械式接点10の第1極a側に、半導体遮断器20の第2端dと転流回路30の第1端eとが接続された直列回路における半導体遮断器20の第1端cが接続され、機械式接点10の第2極b側に、直列回路における転流回路30の第2端fが接続されている。そして、直流電流遮断装置1では、転流回路30の第2端f側に電流検出器51が取り付けられ、機械式接点10の第2極b側に電流検出器52が取り付けられている。直流電流遮断装置1における通常(定常)の送電においては、機械式接点10を通って電流が流れる。電流検出器51と電流検出器52は、それぞれ、直列回路と機械式接点10の線上であれば、図1とは異なる位置に取り付けられてもよい。図1では、直流電流遮断装置1の全体を流れる電流を示すために、機械式接点10の第2極bと転流回路30の第2端fとが接続された交点の右側に電流検出器53を取り付けた構成を示しているが、電流検出器53は、直流電流遮断装置1に取り付けられなくてもよい。
機械式接点10は、機械接点式のスイッチである。機械式接点10は、一つ、あるいは複数の機械接点式スイッチを備える。機械式接点10は、機械接点式スイッチによる構成に限定されず、断路器や遮断器で構成されてもよいし、機械接点式スイッチと、断路器や遮断器とが混在した構成であってもよい。機械接点式スイッチは、制御装置100によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。これらの構成により、機械式接点10は、制御装置100による機械接点式スイッチの開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極aと第2極bとの間に流れる電流を許容、あるいは阻止(遮断)する。
半導体遮断器20は、第1端cと第2端dとの間に流れる電流を許容、あるいは阻止(遮断)する。図2は、第1の実施形態の半導体遮断器20の構成の一例を示す図である。半導体遮断器20では、例えば、互いに同じ向きで直列に接続された複数の半導体スイッチ部202(図2には二つの半導体スイッチ部202-1および202-2のみを示している)の直列回路と、アレスタ204とが並列に接続されている。半導体スイッチ部202のそれぞれは、例えば、互いに並列に接続された半導体スイッチング素子とダイオードとを備える。より具体的には、半導体スイッチ部202では、ダイオードのカソードと半導体スイッチング素子のコレクタとが互いに接続され、ダイオードのアノードと半導体スイッチング素子のエミッタとが接続されている。半導体スイッチング素子のゲートは、制御装置100によって制御(制御電圧が印加)される。つまり、半導体スイッチ部202は、制御装置100によってオンまたはオフのいずれかの状態に制御される。半導体スイッチング素子は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子である。半導体スイッチング素子は、IGBTに限定されず、自己消弧を実現可能な半導体スイッチング素子であれば、いかなるスイッチング素子であってもよい。アレスタ204は、半導体スイッチ部202の直列回路が備える複数の半導体スイッチ部202がオフ状態に制御された場合に、直流送電線LNのインダクタンス分のエネルギーに起因して発生するサージエネルギーを消費(吸収)する。この構成により、半導体遮断器20は、制御装置100による半導体スイッチ部202のオンまたはオフのいずれかの状態への制御に応じて、第1端cと第2端dとの間に流れる電流を許容、あるいは阻止(遮断)する。
転流回路30は、機械式接点10に流れる電流を半導体遮断器20に移し替える(転流する)。図3は、第1の実施形態の転流回路30の構成の一例を示す図である。図3の(a)および(b)には、半導体素子および電圧源を互いに接続したHブリッジ回路を備える転流回路30の一例を示している。図3の(a)に示した転流回路30aは、例えば、四つの半導体スイッチ部302(半導体スイッチ部302-1~302-4)、および一つのコンデンサ304を互いに接続した双方向Hブリッジ回路で構成したものである。図3の(b)に示した転流回路30bは、例えば、二つの半導体スイッチ部(半導体スイッチ部302-1および302-2)、二つのダイオード(ダイオード306-1および306-2)、および一つのコンデンサ304を互いに接続した単方向Hブリッジ回路で構成したものである。転流回路30bは、転流回路30bにおける半導体スイッチ部302-3をダイオード306-1に代え、半導体スイッチ部302-4をダイオード306-2に代えた構成である。
半導体スイッチ部302は、半導体遮断器20が備える半導体スイッチ部202と同様に、例えば、互いに並列に接続された半導体スイッチング素子とダイオードとを備える。より具体的には、半導体スイッチ部302では、ダイオードのカソードと半導体スイッチング素子のコレクタとが互いに接続され、ダイオードのアノードと半導体スイッチング素子のエミッタとが接続されている。半導体スイッチング素子のゲートは、制御装置100によって制御(制御電圧が印加)される。つまり、半導体スイッチ部302は、半導体遮断器20が備える半導体スイッチ部202と同様に、制御装置100によってオンまたはオフのいずれかの状態に制御される。半導体スイッチング素子は、半導体遮断器20が備える半導体スイッチ部202の半導体スイッチング素子と同様に、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などのスイッチング素子である。ただし、半導体スイッチ部302が備える半導体スイッチング素子は、半導体遮断器20が備える半導体スイッチ部202の半導体スイッチング素子よりも耐圧が低いものであってもよい。半導体スイッチング素子は、IGBTに限定されず、自己消弧を実現可能な半導体スイッチング素子であれば、いかなるスイッチング素子であってもよい。この構成により、転流回路30は、制御装置100による半導体スイッチ部302のオンまたはオフのいずれかの状態への制御に応じて、機械式接点10に流れる電流を半導体遮断器20に移し替える(転流する)。コンデンサ304は、特許請求の範囲における「エネルギー蓄積要素」の一例である。転流回路30には、図3に示した転流回路30aまたは転流回路30bのいずれかの構成が適用される。
電流検出器51、電流検出器52、および電流検出器53のそれぞれは、取り付けられた経路における電流を検出する。電流検出器51、電流検出器52、および電流検出器53のそれぞれは、検出した電流の検出値(電流値)を表す情報を、制御装置100に出力する。より具体的には、電流検出器51は、検出した検出電流I51の電流値の情報を制御装置100に出力し、電流検出器52は、検出した検出電流I52の電流値の情報を制御装置100に出力し、電流検出器53は、検出した検出電流I53の電流値の情報を制御装置100に出力する。
制御装置100は、機械式接点10、半導体遮断器20、および転流回路30を制御することにより、直流電流遮断装置1における直流送電線LNの遮断および導通を制御する。制御装置100は、定常の送電状態のときに、電流検出器51または電流検出器52により出力された電流値の情報に基づいて、転流回路30や半導体遮断器20の異常(故障)を検出する。制御装置100は、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出した場合、このことを表す故障信号Sfを出力して、上位の制御装置(上位制御装置)に通知する。上位制御装置は、例えば、直流電流遮断装置1を備える直流送電システムにおいて、直流送電線LNを遮断させるための指示や、直流送電システムを保護停止させるための指示などを直流電流遮断装置1に出すことによって、直流電流遮断装置1の動作を指示する管理装置である。
制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより以下の機能を実現するものである。制御装置100の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。制御装置100の機能のうち一部または全部は、専用のLSIによって実現されてもよい。プログラムは、予め制御装置100が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が制御装置100が備えるドライブ装置に装着されることで制御装置100が備える記憶装置にインストールされてもよい。
このような構成によって、直流電流遮断装置1では、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合には、事故が発生した直流送電線LNを遮断する。さらに直流電流遮断装置1では、直流電流遮断装置1自身が備える転流回路30や半導体遮断器20の故障を早期に検出し、故障を検出した場合には、故障を検出したことを表す故障信号Sfを出力して、上位制御装置に通知する。これにより、直流電流遮断装置1を備える直流送電システムでは、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置1や直流送電システムを保護停止させるための指示を、直流電流遮断装置1に出すことができる。
直流電流遮断装置1の構成は、図1~3に示した構成に限定されない。例えば、直流送電線LNに補助断路器が接続されている構成にしてもよいし、さらに、事故が発生した場合における電流の変化を抑制するための直流リアクトルがそれぞれの直流送電線LNの線路中に接続されている構成にしてもよい。
[直流電流遮断装置1における直流送電線LNの遮断の動作]
直流電流遮断装置1では、直流送電線LNによって送電をしている定常の送電状態のとき、機械式接点10は閉極状態であり、半導体遮断器20および転流回路30はオフ状態である。この場合、直流電流遮断装置1では、図4に示したように、直流送電線LNの左側から右側に送電線電流Idcを流している。送電線電流Idcは、直流電流遮断装置1の全体を流れる電流であり、電流検出器53によって検出される検出電流I53である。ここで、例えば、直流送電線LNにおいて事故が発生した場合、制御装置100は、以下のような手順で直流送電線LNを遮断させる。
直流送電線LNに事故が発生すると、まず、制御装置100は、機械式接点10を開極させる。ここで機械式接点10を開極した状態にさせただけでは、機械式接点10の接点間にはアークが生じるため、直流送電線LNを電気的に遮断させた状態にはならない。このため、制御装置100は、転流回路30をオン状態にさせ、さらに半導体遮断器20をオン状態にさせる。すると、転流回路30が備えるコンデンサ304の電荷が放電されて、機械式接点10に逆向きの電流が流れ、直流送電線LNの電流は、転流回路30から半導体遮断器20に転流するようになる。これにより、機械式接点10には電流ゼロ点が発生して、これ以上の電流が流れなくなる。機械式接点10を開極させるタイミングは、電流ゼロ点が発生した後のタイミングであってもよい。その後、制御装置100は、半導体遮断器20をオフ状態にさせる。これにより、直流電流遮断装置1では、直流送電線LNのインダクタンス分のサージエネルギーが、半導体遮断器20が備えるアレスタ204によって消費される。つまり、直流電流遮断装置1では、直流送電線LNの電流が遮断される。このような手順によって、制御装置100に制御された直流電流遮断装置1は、事故が発生した直流送電線LNを電気的に遮断する。
[直流電流遮断装置1において故障を検出する動作]
次に、直流電流遮断装置1において制御装置100が、転流回路30(半導体遮断器20を含む)の故障を検出する動作の一例について説明する。図5は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1における故障判定時の電流の流れの一例を示す図である。図6は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において流れる電流の波形の一例を示す図である。以下の説明においては、図4~6を適宜参照して、直流電流遮断装置1において転流回路30の故障を検出する動作を説明する。
直流電流遮断装置1では、制御装置100が、定常の送電状態のときに短い所定時間(短時間)だけ、それぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより転流回路30の故障を検出する。このとき、直流電流遮断装置1では、図5に示すように、半導体遮断器20および転流回路30を通る転流電流Icが流れる。転流電流Icは電流検出器51によって検出される検出電流I51である。制御装置100は、転流電流Icの電流値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路30の故障を検出(判定)する。制御装置100がそれぞれの構成要素を制御する所定の短時間は、直流電流遮断装置1における定常の送電状態に影響を及ぼさずに転流電流Icの電流値の時間的な変化の度合いを判定することができる時間である。所定の短時間は、例えば、転流回路30や半導体遮断器20の構成や仕様に基づいて予め定めてもよい。
直流電流遮断装置1において故障を検出する動作を開始するときの初期状態は、定常の送電状態であるため、図4に示したように直流送電線LNに送電線電流Idcが流れている状態である。直流電流遮断装置1では、制御装置100が、任意のタイミングで故障を検出する動作を開始する。任意のタイミングは、例えば、直流送電線LNに流れる送電線電流Idcの電流値と、故障を検出するために転流回路30を所定の短時間だけ動作させた場合に想定される転流回路30に流れる電流の変化量とに基づいて、直流電流遮断装置1における定格値を超えることがないタイミングである。想定される転流回路30の電流の変化量は、転流回路30が故障しているか否かを判定するために予め定められた電流値の閾値である。電流値の閾値は、例えば、転流回路30のエネルギーポテンシャルや、半導体遮断器20および転流回路30を通る直流送電線LNと並列の線路のインピーダンスなどに基づいて、定常の送電状態のときの電流値から事前に算出して設定される。想定される転流回路30の電流の変化量(閾値の電流値)を「電流閾値Ia」とした場合、制御装置100は、例えば、送電線電流Idcの電流値が定格値よりも電流閾値Ia以上低いとき、あるいは、送電線電流Idcの電流値が電流閾値Ia以上高いときを、任意のタイミングとする。言い換えれば、直流電流遮断装置1では、故障を検出する動作を行うときに変化するそれぞれの電流値が定格値を超えることがないように、少なくとも電流閾値Iaを余裕(マージン)として確保できるタイミングを、故障を検出する動作を行う任意のタイミングとする。
制御装置100は、定常の送電状態のときの任意のタイミングにおいて以下の手順を実行することにより、転流回路30(半導体遮断器20を含む)の故障を検出する。
(手順1-1):制御装置100が故障を検出する動作を開始すると、まず、機械式接点10を閉極させた状態のまま、半導体遮断器20をオン状態にさせ、さらに転流回路30をオン状態にさせる。これにより、転流回路30が備えるコンデンサ304の電荷が放電され、図5に示すような半導体遮断器20および転流回路30を通る転流電流Icが流れ始める。
(手順1-2):そして、制御装置100は、電流検出器51により出力された転流電流Icの電流値と電流閾値Iaとに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20の動作が異常であるか否か、つまり、転流回路30や半導体遮断器20が故障しているか否かを判定する。制御装置100は、転流電流Icの電流値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20が故障しているか否かを判定する。図6には、送電線電流Idcの電流値が定格電流値Iratedよりも電流閾値Ia以上低いときに、時刻T1において制御装置100が手順1-1を実行したことにより転流電流Icの電流値が上昇し始めている場合の一例を示している。図6では、所定の短時間が経過した時刻T2において、時刻T1からの転流電流Icの電流値の変化度合い(より具体的には、時刻T1のときの転流電流Icの電流値との差)が、電流閾値Iaを超えている。この場合、制御装置100は、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常はない(故障していない)と判定する。制御装置100は、転流回路30や半導体遮断器20が故障していないと判定したことを表す故障信号Sfを出力してもよいし、出力しなくてもよい。つまり、制御装置100は、転流回路30や半導体遮断器20が故障していない場合には、上位制御装置に通知してもよいし、通知しなくてもよい。例えば、今回の故障を検出する動作が予め設定された定期的なタイミングに従って行ったものである場合には、故障検出の結果を上位制御装置に通知しなくてもよいが、今回の故障を検出する動作が上位制御装置からの指示に応じて行ったものである場合には、故障検出の結果を上位制御装置に通知する。一方、時刻T2において、時刻T1のときの転流電流Icの電流値との差が電流閾値Ia以下である場合、制御装置100は、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常がある(故障している)と判定する。この場合、制御装置100は、今回の故障を検出する動作が定期的なタイミングに従って行ったものであるか、上位制御装置からの指示に応じて行ったものであるかに関わらず、転流回路30や半導体遮断器20が故障していると判定したことを表す故障信号Sfを出力して、上位制御装置に通知する。
制御装置100が、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常があるか否かを判定するタイミングは、上述した所定の短時間が経過した時刻T2のタイミングに限らない。例えば、制御装置100は、時刻T2までの間に所定の時間間隔で転流電流Icの電流値をサンプリングし、時刻T1からサンプリングした時刻までの転流電流Icの電流値の変化度合い(より具体的には、時刻T1のときの転流電流Icの電流値と、サンプリングした転流電流Icの電流値との差)に基づいて、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常があるか否かを判定してもよい。この場合、時刻T1のときの転流電流Icの電流値とサンプリングした転流電流Icの電流値との差が電流閾値Iaを超えた時点で、転流回路30や半導体遮断器20は故障していないと判定することができる。つまり、制御装置100は、時刻T2が経過するのを待たずに、転流回路30や半導体遮断器20は故障していないと判定することができる。一方、時刻T2が経過したタイミングで、時刻T1のときの転流電流Icの電流値と時刻T2においてサンプリングした転流電流Icの電流値との差が電流閾値Ia以下である場合には、制御装置100は、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常がある(故障している)と判定する。
(手順1-3):その後(例えば、時刻T2が経過したとき、あるいは、転流回路30や半導体遮断器20が故障していないと判定したとき)、制御装置100は、転流回路30をオフ状態にさせ、さらに半導体遮断器20をオフ状態にさせる。図6には、時刻T2において制御装置100が手順1-3を実行したことにより転流電流Icの電流値が下降し始め、時刻T3において転流電流Icの電流値がゼロ、つまり、直列回路(半導体遮断器20および転流回路30)に転流電流Icが流れない元の状態(定常の送電状態)になった場合の一例を示している。
このような手順によって、制御装置100は、直流電流遮断装置1が定常の送電状態であるときに、所定の短時間だけ転流回路30および半導体遮断器20を動作させることにより、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する。
図6に示したように、制御装置100が手順1-1を実行したことにより時刻T1から転流電流Icの電流値が上昇し始めるのに伴って、電流検出器52が検出する機械式接点10を流れる検出電流I52の電流値は、下降し始めている。このため、制御装置100は、上述した転流電流Icの電流値に代えて、検出電流I52の電流値の変化度合いに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20が故障しているか否かを判定してもよい。この場合、制御装置100は、例えば、時刻T2のときに、時刻T1からの検出電流I52の電流値の変化度合いが電流閾値Iaを超えていか否かによって、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常があるか否か(故障しているか否か)を判定する。例えば、制御装置100は、時刻T2における時刻T1のときの検出電流I52の電流値との差が、電流閾値Iaを超えている場合には転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常はない(故障していない)と判定し、電流閾値Ia以下である場合には転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常がある(故障している)と判定する。この場合も、制御装置100は、時刻T1から時刻T2までの間に所定の時間間隔で検出電流I52の電流値をサンプリングして、転流回路30や半導体遮断器20の故障を判定してもよい。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置1では、制御装置100が、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する。これにより、直流電流遮断装置1では、転流回路30や半導体遮断器20の故障を早期に検出することができ、転流回路30や半導体遮断器20に故障がある場合には、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置1や直流送電システムを保護停止させることができる。このことにより、直流電流遮断装置1では、転流回路30や半導体遮断器20が正常に動作する状態を確保(保障)し、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合でも、事故が発生した直流送電線LNを正常に遮断することができる。しかも、直流電流遮断装置1では、図6に示したように、直流電流遮断装置1の全体を流れる送電線電流Idcはほとんど変化しない。これは、送電線電流Idcは、転流電流Icと検出電流I52との合計であり、直流送電線LNにはインダクタンスがあるため送電電流Idcは即座には変化しないためである。このため、直流電流遮断装置1では、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する動作を行っても、定常の送電状態に及ぼす影響はほとんどない。
上記説明したように、第1の実施形態の直流電流遮断装置1によれば、直流電流遮断装置1自身の故障を早期に検出して上位制御装置に通知することにより、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図7においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。直流電流遮断装置2は、例えば、機械式接点10Aと、機械式接点10Bと、半導体遮断器20と、転流回路30と、制御装置100と、を備える。直流電流遮断装置2も、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、直流送電線LNの中間の位置に構成する直流電流遮断装置である。従って、直流電流遮断装置2でも、例えば、左側に送電設備が存在し、右側に需要家が存在し、通常(定常)の送電において、左側から右側に直流電流が流れる。
直流電流遮断装置2では、直流送電線LNに機械式接点10Aと機械式接点10Bとが直列に接続されている。より具体的には、直流送電線LNにおいて、機械式接点10Aの第2極b-Aと機械式接点10Bの第1極a-Bとが接続されている。直流電流遮断装置2では、直流送電線LNにおける機械式接点10Aの第1極a-A側に、半導体遮断器20の第1端cが接続され、機械式接点10Aの第2極b-Aと機械式接点10Bの第1極a-Bとの間の箇所の直流送電線LNに、転流回路30の第1端eが接続され、機械式接点10Bの第2極b-B側に、半導体遮断器20の第2端dと転流回路30の第2端fとが接続されている。そして、直流電流遮断装置2では、転流回路30の第2端f側に電流検出器51が取り付けられ、機械式接点10Aの第2極b-A側に電流検出器52が取り付けられている。直流電流遮断装置2における通常(定常)の送電においては、機械式接点10Aおよび機械式接点10Bを通って電流が流れる。電流検出器51と電流検出器52は、それぞれ、転流回路30と機械式接点10の線上であれば、図7とは異なる位置に取り付けられてもよい。図7では、直流電流遮断装置2の全体を流れる電流を示すために、機械式接点10Bの第2極b-Bと、半導体遮断器20の第2端dと、転流回路30の第2端fとが接続された交点の右側に電流検出器53を取り付けた構成を示しているが、電流検出器53は、直流電流遮断装置2に取り付けられなくてもよい。
機械式接点10Aおよび機械式接点10Bは、機械接点式のスイッチである。例えば、機械式接点10Aは断路器、機械式接点10Bは遮断器であってもよい。直流電流遮断装置2においても、半導体遮断器20の構成は図2に示した構成であり、転流回路30には、図3に示した転流回路30aまたは転流回路30bのいずれかの構成が適用される。機械式接点10Aは、特許請求の範囲における「第1の機械式接点」の一例であり、機械式接点10Bは、特許請求の範囲における「第2の機械式接点」の一例である。
直流電流遮断装置2においても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、例えば、直流送電線LNに補助断路器が接続されている構成にしてもよいし、さらに、事故が発生した場合における電流の変化を抑制するための直流リアクトルがそれぞれの直流送電線LNの線路中に接続されている構成にしてもよい。
このような構成によって、直流電流遮断装置2でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合には、事故が発生した直流送電線LNを遮断する。さらに直流電流遮断装置2では、直流電流遮断装置2自身が備える転流回路30の故障を早期に検出し、故障を検出した場合には、故障を検出したことを表す情報を、故障信号Sfを出力することにより上位制御装置に通知する。これにより、直流電流遮断装置2を備える直流送電システムでも、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置2や直流送電システムを保護停止させるための指示を、直流電流遮断装置2に出すことができる。
[直流電流遮断装置2における直流送電線LNの遮断の動作]
直流電流遮断装置2では、直流送電線LNによって送電をしている定常の送電状態のとき、機械式接点10Aおよび機械式接点10Bのそれぞれは閉極状態であり、半導体遮断器20および転流回路30はオフ状態である。この場合、直流電流遮断装置2では、図8に示したように、直流送電線LNの左側から右側に送電線電流Idcを流している。送電線電流Idcは、直流電流遮断装置2の全体を流れる電流であり、電流検出器53によって検出される検出電流I53である。ここで、例えば、直流送電線LNにおいて事故が発生した場合、制御装置100は、以下のような手順で直流送電線LNを遮断させる。
直流送電線LNに事故が発生すると、まず、制御装置100は、機械式接点10Aと機械式接点10Bとのそれぞれを開極させる。ここで機械式接点10Aと機械式接点10Bとを開極した状態にさせただけでは、機械式接点10Aと機械式接点10Bとそれぞれの接点間にはアークが生じるため、直流送電線LNを電気的に遮断させた状態にはならない。このため、制御装置100は、最初に転流回路30をオン状態にさせることにより、転流回路30が備えるコンデンサ304の電荷の放電によって機械式接点10Bの電流を打ち消して、機械式接点10Bの接点間のアークを消弧させる。その後、制御装置100は、半導体遮断器20をオン状態にさせ、転流回路30をオフ状態にさせることにより、直流送電線LNの電流を転流回路30から半導体遮断器20に転流させて、機械式接点10Aの接点間のアークを消弧させる。最後に、制御装置100は、半導体遮断器20をオフ状態にさせる。これにより、直流電流遮断装置2では、直流送電線LNのインダクタンス分のサージエネルギーが、半導体遮断器20が備えるアレスタ204によって消費され、直流送電線LNの電流が遮断される。このような手順によって、制御装置100に制御された直流電流遮断装置2は、事故が発生した直流送電線LNを電気的に遮断する。
[直流電流遮断装置2において故障を検出する動作]
次に、直流電流遮断装置2において制御装置100が、転流回路30の故障を検出する動作の一例について説明する。図9は、第2の実施形態の直流電流遮断装置2における故障判定時の電流の流れの一例を示す図である。直流電流遮断装置2において故障判定をする際に流れる電流の波形は、図6に示した第1の実施形態の直流電流遮断装置1において故障判定をする際に流れる電流の波形と同様である。従って、以下の説明においては、図8、図9、および図6を適宜参照して、直流電流遮断装置2において転流回路30の故障を検出する動作を説明する。
直流電流遮断装置2でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、制御装置100が、定常の送電状態のときに所定の短時間だけ、それぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより転流回路30の故障を検出する。このとき、直流電流遮断装置2では、図9に示すように、電流検出器51が検出する転流回路30を通る転流電流Icの電流値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路30の故障を検出(判定)する。制御装置100がそれぞれの構成要素を制御する所定の短時間の考え方や、任意のタイミングの考え方、転流回路30の故障を検出する際の判定のし方は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様である。従って、これらの方法に関する再度の詳細な説明は省略する。
直流電流遮断装置2において故障を検出する動作を開始するときの初期状態は、定常の送電状態であるため、図8に示したように直流送電線LNに送電線電流Idcが流れている状態である。直流電流遮断装置2では、制御装置100が、定常の送電状態のときの任意のタイミングにおいて以下の手順を実行することにより、転流回路30の故障を検出する。
(手順2-1):制御装置100が故障を検出する動作を開始すると、まず、機械式接点10Aおよび機械式接点10Bを閉極させ、半導体遮断器20をオフさせた状態のまま、転流回路30をオン状態にさせる。これにより、転流回路30が備えるコンデンサ304の電荷が放電され、図9に示すような転流回路30を通る転流電流Icが流れ始める。
(手順2-2):そして、制御装置100は、電流検出器51により出力された転流電流Icの電流値と電流閾値Iaとに基づいて、転流回路30の動作が異常であるか否か(故障しているか否か)を判定する。つまり、直流電流遮断装置2においても、制御装置100は、転流電流Icの電流値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路30が故障しているか否かを判定する。このとき、転流回路30に流れる電流の波形が図6に示した電流の波形の場合、制御装置100は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様の判定をする。そして、制御装置100は、判定した結果を表す故障信号Sfを出力して、故障検出の結果を上位制御装置に通知する。
(手順2-3):その後、制御装置100は、転流回路30をオフ状態にさせる。これにより、直流電流遮断装置2でも、転流電流Icの電流値は、元の状態(定常の送電状態)に戻る(図6参照)。
このような手順によって、制御装置100は、直流電流遮断装置2が定常の送電状態であるときに、所定の短時間だけ転流回路30を動作させることにより、転流回路30の故障を検出する。直流電流遮断装置2においても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、電流検出器52が検出する機械式接点10を流れる検出電流I52の電流値の変化度合いに基づいて、転流回路30が故障しているか否かを判定してもよい。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置2では、制御装置100が、転流回路30の故障を検出する。これにより、直流電流遮断装置2では、転流回路30の故障を早期に検出することができ、転流回路30に故障がある場合には、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置2や直流送電システムを保護停止させることができる。このことにより、直流電流遮断装置2では、転流回路30が正常に動作する状態を確保(保障)し、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合でも、事故が発生した直流送電線LNを正常に遮断することができる。しかも、直流電流遮断装置2でも、直流電流遮断装置2の全体を流れる送電線電流Idcはほとんど変化しないため、転流回路30の故障を検出する動作が定常の送電状態には影響を及ぼすことはない。さらに、直流電流遮断装置2では、転流回路30の故障を検出するために半導体遮断器20を動作させる必要はない。
上記説明したように、第2の実施形態の直流電流遮断装置2によれば、直流電流遮断装置2自身の故障を早期に検出して上位制御装置に通知することにより、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。図10は、第3の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図10においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。直流電流遮断装置3は、例えば、機械式接点10と、半導体遮断器20と、転流回路30と、制御装置100と、を備える。直流電流遮断装置3も、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、直流送電線LNの中間の位置に構成する直流電流遮断装置である。従って、直流電流遮断装置3でも、例えば、左側に送電設備が存在し、右側に需要家が存在し、通常(定常)の送電において、左側から右側に直流電流が流れる。
直流電流遮断装置3では、直流送電線LNに機械式接点10と転流回路30とが直列に接続されている。より具体的には、直流送電線LNにおいて、機械式接点10の第2極bと転流回路30の第1端eとが接続されている。直流電流遮断装置3では、直流送電線LNにおける機械式接点10の第1極a側に、半導体遮断器20の第1端cが接続され、転流回路30の第2端f側に、半導体遮断器20の第2端dが接続されている。そして、直流電流遮断装置3では、半導体遮断器20の第2端d側に電流検出器51が取り付けられ、転流回路30の第2端f側に電流検出器52が取り付けられている。直流電流遮断装置3における通常(定常)の送電においては、機械式接点10および転流回路30を通って電流が流れる。電流検出器51と電流検出器52は、それぞれ、半導体遮断器20と転流回路30の線上であれば、図10とは異なる位置に取り付けられてもよい。図10では、直流電流遮断装置3の全体を流れる電流を示すために、半導体遮断器20の第2端dと転流回路30の第2端fとが接続された交点の右側に電流検出器53を取り付けた構成を示しているが、電流検出器53は、直流電流遮断装置3に取り付けられなくてもよい。
直流電流遮断装置3においても、半導体遮断器20の構成は図2に示した構成である。直流電流遮断装置3では、転流回路30の構成が第1の実施形態の直流電流遮断装置1や第2の実施形態の直流電流遮断装置2と異なる構成である。直流電流遮断装置3では、転流回路30が、第1端eと第2端fとの間に流れる電流を許容、あるいは阻止(遮断)する構成である。
図11は、第3の実施形態の転流回路30の構成の一例を示す図である。図11に示した転流回路30cでは、互いに同じ向きで直列に接続された複数の半導体スイッチ部302(図11には二つの半導体スイッチ部302-5および302-6のみを示している)の直列回路と、アレスタ308とが並列に接続されている。半導体スイッチ部302は並列接続されていてもよい。アレスタ308は、半導体スイッチ部302がオフ状態に制御された場合に、機械式接点10と転流回路30のインダクタンス分のエネルギーに起因して発生するサージエネルギーを消費(吸収)する。ただし、アレスタ308も、半導体遮断器20が備えるアレスタ204よりも耐圧が低いものであってもよい。この構成により、転流回路30は、制御装置100による半導体スイッチ部302のオンまたはオフのいずれかの状態への制御に応じて、第1端eと第2端fとの間に流れる電流を許容、あるいは阻止(遮断)する。直流電流遮断装置3においては、転流回路30として、図11に示した転流回路30cが適用される。
直流電流遮断装置3においても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、例えば、直流送電線LNに補助断路器が接続されている構成にしてもよいし、さらに、事故が発生した場合における電流の変化を抑制するための直流リアクトルがそれぞれの直流送電線LNの線路中に接続されている構成にしてもよい。
このような構成によって、直流電流遮断装置3でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合には、事故が発生した直流送電線LNを遮断する。さらに直流電流遮断装置3では、直流電流遮断装置3自身が備える転流回路30や半導体遮断器20の故障を早期に検出し、故障を検出した場合には、故障を検出したことを表す情報を、故障信号Sfを出力することにより上位制御装置に通知する。これにより、直流電流遮断装置3を備える直流送電システムでも、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置3や直流送電システムを保護停止させるための指示を、直流電流遮断装置3に出すことができる。
[直流電流遮断装置3における直流送電線LNの遮断の動作]
直流電流遮断装置3では、直流送電線LNによって送電をしている定常の送電状態のとき、機械式接点10は閉極状態であり、転流回路30はオン状態であり、半導体遮断器20はオフ状態である。この場合、直流電流遮断装置3では、図12に示したように、直流送電線LNの左側から右側に送電線電流Idcを流している。送電線電流Idcは、直流電流遮断装置3の全体を流れる電流であり、電流検出器53によって検出される検出電流I53である。ここで、例えば、直流送電線LNにおいて事故が発生した場合、制御装置100は、以下のような手順で直流送電線LNを遮断させる。
直流送電線LNに事故が発生すると、まず、制御装置100は、機械式接点10を開極させ、半導体遮断器20をオン状態にさせる。この場合でも、機械式接点10の接点間にはアークが生じるため、直流送電線LNを電気的に遮断させた状態にはならない。このため、制御装置100は、転流回路30をオフ状態にさせる。これにより、直流送電線LNの電流は、機械式接点10から半導体遮断器20に転流されて、機械式接点10の接点間のアークは消弧される。その後、制御装置100は、半導体遮断器20をオフ状態にさせる。これにより、直流電流遮断装置3では、直流送電線LNのインダクタンス分のサージエネルギーが、半導体遮断器20が備えるアレスタ204によって消費され、直流送電線LNの電流が遮断される。このような手順によって、制御装置100に制御された直流電流遮断装置3は、事故が発生した直流送電線LNを電気的に遮断する。
[直流電流遮断装置3において故障を検出する動作]
次に、直流電流遮断装置3において制御装置100が、転流回路30(半導体遮断器20を含む)の故障を検出する動作の一例について説明する。図13は、第3の実施形態の直流電流遮断装置3における故障判定時の電流の流れの一例を示す図である。図14は、第3の実施形態の直流電流遮断装置3において流れる電流の波形の一例を示す図である。以下の説明においては、図12~14を適宜参照して、直流電流遮断装置3において転流回路30の故障を検出する動作を説明する。
直流電流遮断装置3でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、制御装置100が、定常の送電状態のときに所定の短時間だけ、それぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する。このとき、直流電流遮断装置3では、図13に示すように、電流検出器51が検出する半導体遮断器20を通る遮断器電流Isの電流値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出(判定)する。制御装置100がそれぞれの構成要素を制御する所定の短時間の考え方や、任意のタイミングの考え方、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する際の判定のし方は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様である。従って、これらの方法に関する再度の詳細な説明は省略する。
直流電流遮断装置3において故障を検出する動作を開始するときの初期状態は、定常の送電状態であるため、図12に示したように直流送電線LNに送電線電流Idcが流れている状態である。直流電流遮断装置3では、制御装置100が、定常の送電状態のときの任意のタイミングにおいて以下の手順を実行することにより、転流回路30(半導体遮断器20を含む)の故障を検出する。
(手順3-1):制御装置100が故障を検出する動作を開始すると、まず、機械式接点10を閉極させた状態のまま、半導体遮断器20をオン状態にさせ、さらに転流回路30をオフ状態にさせる。これにより、直流送電線LNの電流は半導体遮断器20に転流されて、図13に示すような半導体遮断器20を通る遮断器電流Isが流れ始める。この場合でも、直流電流遮断装置3の全体を流れる送電線電流Idcはほとんど変化しない。これは、送電線電流Idcは、遮断器電流Isと、電流検出器52が検出する機械式接点10と転流回路30とを通る検出電流I52との合計であり、直流送電線LNにはインダクタンスがあるため送電電流Idcは即座には変化しないためである。
(手順3-2):そして、制御装置100は、電流検出器51により出力された遮断器電流Isの電流値と電流閾値Iaとに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20の動作が異常であるか否か(故障しているか否か)を判定する。つまり、直流電流遮断装置3において制御装置100は、遮断器電流Isの電流値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20が故障しているか否かを判定する。図14には、送電線電流Idcの電流値が定格電流値Iratedよりも電流閾値Ia以上低いときに、時刻T1において制御装置100が手順3-1を実行したことにより遮断器電流Isの電流値が上昇し始めている場合の一例を示している。図14では、所定の短時間が経過した時刻T2において、時刻T1からの遮断器電流Isの電流値の変化度合い(より具体的には、時刻T1のときの遮断器電流Isの電流値との差)が、電流閾値Iaを超えている。この場合、制御装置100は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常はない(故障していない)と判定する。一方、時刻T2において、時刻T1のときの遮断器電流Isの電流値との差が電流閾値Ia以下である場合、制御装置100は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、転流回路30や半導体遮断器20に動作の異常がある(故障している)と判定する。そして、制御装置100は、判定した結果を表す故障信号Sfを出力して、故障検出の結果を上位制御装置に通知する。
(手順3-3):その後(例えば、時刻T2が経過したとき、あるいは、転流回路30や半導体遮断器20が故障していないと判定したとき)、制御装置100は、転流回路30をオン状態にさせ、さらに半導体遮断器20をオフ状態にさせる。図14には、時刻T2において制御装置100が手順3-3を実行したことにより遮断器電流Isの電流値が下降し始め、時刻T3において遮断器電流Isの電流値がゼロ、つまり、半導体遮断器20に遮断器電流Isが流れない元の状態(定常の送電状態)になった場合の一例を示している。
このような手順によって、制御装置100は、直流電流遮断装置3が定常の送電状態であるときに、所定の短時間だけ転流回路30および半導体遮断器20を動作させることにより、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する。直流電流遮断装置3においても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、電流検出器52が検出する機械式接点10と転流回路30とを通る検出電流I52の電流値の変化度合いに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20が故障しているか否かを判定してもよい。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置3では、制御装置100が、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する。これにより、直流電流遮断装置3では、転流回路30や半導体遮断器20の故障を早期に検出することができ、転流回路30や半導体遮断器20に故障がある場合には、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置3や直流送電システムを保護停止させることができる。このことにより、直流電流遮断装置3では、転流回路30や半導体遮断器20が正常に動作する状態を確保(保障)し、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合でも、事故が発生した直流送電線LNを正常に遮断することができる。しかも、直流電流遮断装置3でも、直流電流遮断装置3の全体を流れる送電線電流Idcはほとんど変化しないため、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する動作が定常の送電状態には影響を及ぼすことはない。
上記説明したように、第3の実施形態の直流電流遮断装置3によれば、直流電流遮断装置3自身の故障を早期に検出して上位制御装置に通知することにより、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について説明する。第1~第3の実施形態では、制御装置100が、直流電流遮断装置の内部の経路に取り付けられた電流検出器51または電流検出器52が検出した検出電流に基づいて転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出する場合について説明した。しかし、例えば、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や第2の実施形態の直流電流遮断装置2では、制御装置100が故障を検出するために所定の短時間だけ転流回路30をオン状態にさせると、転流回路30が備えるコンデンサ304が電荷を放電するため、コンデンサ304の電圧値が変化する。このことを利用して、制御装置100は、転流回路30が備えるコンデンサ304の電圧値の時間的な変化度合いに基づいて、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出することができる。つまり、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や第2の実施形態の直流電流遮断装置2では、電流検出器51や電流検出器52が検出した検出電流の電流値の変化度合いのみではなく、転流回路30が備えるコンデンサ304の電圧値の変化度合いによっても、転流回路30や半導体遮断器20の故障を検出することができる。
この場合の直流電流遮断装置を、第4の実施形態の直流電流遮断装置4として説明する。図15は、第4の実施形態に係る直流電流遮断装置4が備える転流回路30の構成の一例を示す図である。図15には、直流電流遮断装置4に搭載可能な、図3の(a)に示した転流回路30aに対応する構成の転流回路の一例を、転流回路31aとして示している。図15においては、転流回路30aと共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図15に示した転流回路31aは、例えば、四つの半導体スイッチ部302(半導体スイッチ部302-1~302-4)と、コンデンサ304とを備え、転流回路30aと同様に、それぞれの構成要素を互いに接続した双方向Hブリッジ回路の構成である。転流回路31aでは、コンデンサ304に、電圧検出器60が取り付けられている。
電圧検出器60は、取り付けられたコンデンサ304の両端の電圧を検出する。電圧検出器60は、検出した電圧の検出値(電圧値)を表す情報を、制御装置100に出力する。より具体的には、電圧検出器60は、検出した検出電圧Vcの電圧値の情報を制御装置100に出力する。
図15には、図3の(a)に示した転流回路30aに対応する転流回路31aの構成を示しているが、コンデンサ304の両端の電圧を検出する電圧検出器60は、図3の(b)に示した転流回路30bに備えることもできる。この場合の転流回路(例えば、転流回路31b)の構成は、上述した転流回路31aの構成と等価なものになるようにすればよい。
このような転流回路30に代わる転流回路(以下、「転流回路31」という)の構成によって、直流電流遮断装置4では、制御装置100が、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や第2の実施形態の直流電流遮断装置2において電流検出器51が検出した検出電流I51(転流電流Ic)や、電流検出器52が検出した検出電流I52の代わりに、電圧検出器60が検出した検出電圧Vcの電圧値の時間的な変化度合いに基づいて、転流回路31や半導体遮断器20の故障を検出する。このため、直流電流遮断装置4では、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や第2の実施形態の直流電流遮断装置2のように、電流検出器51や電流検出器52(電流検出器53を含む)の電流情報(電流の検出値(電流値)を表す情報)を用いなくてもよい。
直流電流遮断装置4においても、半導体遮断器20の構成は図2に示した構成である。直流電流遮断装置4においても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や第2の実施形態の直流電流遮断装置2と同様に、例えば、直流送電線LNに補助断路器が接続されている構成にしてもよいし、さらに、事故が発生した場合における電流の変化を抑制するための直流リアクトルがそれぞれの直流送電線LNの線路中に接続されている構成にしてもよい。
以下、直流電流遮断装置4が、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様の構成であり、転流回路30の代わりに転流回路31(転流回路31a)を備えているものとして、その動作について説明する。直流電流遮断装置4において事故が発生した直流送電線LNを遮断する動作は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様であるため、再度の詳細な説明は省略する。
[直流電流遮断装置4において故障を検出する動作]
次に、直流電流遮断装置4において制御装置100が、転流回路30(半導体遮断器20を含む)の故障を検出する動作の一例について説明する。図16は、第4の実施形態の直流電流遮断装置4が備える転流回路31aにおける電圧の波形の一例を示す図である。直流電流遮断装置4における電流の流れや電流の波形は、図4や図5に示した第1の実施形態の直流電流遮断装置1における電流の流れや、図6に示した第1の実施形態の直流電流遮断装置1における電流の波形と同様である。従って、以下の説明においては、図16、および図4~6を適宜参照して、直流電流遮断装置4において転流回路31aの故障を検出する動作を説明する。
直流電流遮断装置4でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、制御装置100が、定常の送電状態のときに所定の短時間だけ、それぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより転流回路31aの故障を検出する。このとき、直流電流遮断装置4では、電圧検出器60が検出するコンデンサ304の両端の検出電圧Vcの電圧値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路31aの故障を検出(判定)する。このため、直流電流遮断装置4では、故障を検出するために転流回路31aを所定の短時間だけ動作させた場合に想定されるコンデンサ304の検出電圧Vcの電圧値の変化量に基づいた電圧閾値Vaが予め定められている。電圧閾値Vaは、例えば、転流回路31aの静電容量や、半導体遮断器20および転流回路30を通る直流送電線LNと並列の線路のインピーダンスなどに基づいて、定常の送電状態のときの電圧値から事前に算出して設定される。そして、制御装置100は、検出電圧Vcの電圧値と電圧閾値Vaとに基づいて転流回路31aの故障を検出(判定)する。制御装置100がそれぞれの構成要素を制御する所定の短時間の考え方や、任意のタイミングの考え方は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様である。従って、これらの方法に関する再度の詳細な説明は省略する。
直流電流遮断装置4において故障を検出する動作を開始するときの初期状態は、定常の送電状態であるため、転流回路31aはオフ状態である。このため、コンデンサ304の検出電圧Vcの電圧値は、図16に示した時刻T1よりも前の状態のように、直流送電線LNに送電線電流Idcが流れている定常の送電状態(図4参照)でコンデンサ304に蓄積された電荷の量(蓄電量)に対応した電圧値である。直流電流遮断装置4でも、制御装置100が、定常の送電状態のときの任意のタイミングにおいて以下の手順を実行することにより、転流回路31a(半導体遮断器20を含む)の故障を検出する。
(手順4-1):制御装置100が故障を検出する動作を開始すると、まず、機械式接点10を閉極させた状態のまま、半導体遮断器20をオン状態にさせ、さらに転流回路31aをオン状態にさせる。これにより、転流回路31aが備えるコンデンサ304の電荷が放電され、半導体遮断器20および転流回路31aを通る転流電流Icが流れ始める(図5参照)。これに伴って、コンデンサ304の両端の電圧も降下し始める。
(手順4-2):そして、制御装置100は、電圧検出器60により出力された検出電圧Vcの電圧値と電圧閾値Vaとに基づいて、転流回路31aや半導体遮断器20の動作が異常であるか否か(故障しているか否か)を判定する。つまり、直流電流遮断装置4において制御装置100は、検出電圧Vcの電圧値の時間的な変化の度合いに基づいて、転流回路31aや半導体遮断器20が故障しているか否かを判定する。図16には、時刻T1において制御装置100が手順4-1を実行したことにより検出電圧Vcの電圧値が下降し始めている場合の一例を示している。図16では、所定の短時間が経過した時刻T2において、時刻T1からの検出電圧Vcの電圧値の変化度合い(より具体的には、時刻T1のときの検出電圧Vcの電圧値との差)が、電圧閾値Vaを超えている。この場合、制御装置100は、転流回路31aや半導体遮断器20に動作の異常はない(故障していない)と判定する。一方、時刻T2において、時刻T1のときの検出電圧Vcの電圧値との差が電圧閾値Va以下である場合、制御装置100は、転流回路31aや半導体遮断器20に動作の異常がある(故障している)と判定する。そして、制御装置100は、判定した結果を表す故障信号Sfを出力して、故障検出の結果を上位制御装置に通知する。
制御装置100が、転流回路31aや半導体遮断器20に動作の異常があるか否かを判定するタイミングは、上述した所定の短時間が経過した時刻T2のタイミングに限らず、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において故障を検出する際の判定のし方と同様の方法であってもよい。つまり、制御装置100は、時刻T1から時刻T2までの間に所定の時間間隔で検出電圧Vcの電圧値をサンプリングして、転流回路31aや半導体遮断器20の故障を判定してもよい。この場合、直流電流遮断装置4でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、時刻T1のときの検出電圧Vcの電圧値とサンプリングした検出電圧Vcの電圧値との差が電圧閾値Vaを超えた時点で(つまり、時刻T2が経過するのを待たずに)、転流回路31aや半導体遮断器20は故障していないと判定することができる。
(手順4-3):その後(例えば、時刻T2が経過したとき、あるいは、転流回路31aや半導体遮断器20が故障していないと判定したとき)、制御装置100は、転流回路31aをオフ状態にさせ、さらに半導体遮断器20をオフ状態にさせる。これにより、コンデンサ304には電荷が蓄積され、両端の電圧は上昇し始める。図16には、時刻T2において制御装置100が手順4-3を実行したことにより検出電圧Vcの電圧値が上昇し始め、時刻T3において検出電圧Vcの電圧値が元の状態(定常の送電状態)になった場合の一例を示している。
このような手順によって、制御装置100は、直流電流遮断装置4が定常の送電状態であるときに、所定の短時間だけ転流回路31aおよび半導体遮断器20を動作させ、転流回路31aが備えるコンデンサ304の両端の電圧値に基づいて、転流回路31aや半導体遮断器20の故障を検出する。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置4では、制御装置100が、転流回路31aや半導体遮断器20の故障を検出する。これにより、直流電流遮断装置4では、転流回路31aや半導体遮断器20の故障を早期に検出することができ、転流回路31aや半導体遮断器20に故障がある場合には、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置4や直流送電システムを保護停止させることができる。このことにより、直流電流遮断装置4では、転流回路31aや半導体遮断器20が正常に動作する状態を確保(保障)し、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合でも、事故が発生した直流送電線LNを正常に遮断することができる。
上記説明したように、第4の実施形態の直流電流遮断装置4によれば、直流電流遮断装置4自身の故障を早期に検出して上位制御装置に通知することにより、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる。第4の実施形態では、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において、転流回路30の代わりに転流回路31(転流回路31a)を備えている場合の構成や、制御装置100が故障を検出する動作の一例について説明したが、転流回路30aに代えて転流回路30bを備えたり、第2の実施形態の直流電流遮断装置2において転流回路30の代わりに転流回路30aや転流回路30bを備えたりすることもできる。この場合における直流電流遮断装置4の構成や、制御装置100の動作などは、上述した第4の実施形態の直流電流遮断装置4の構成や動作と等価なものになるようにすればよい。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について説明する。第1~第4の実施形態では、直流電流遮断装置を、直流送電線LNの中間の位置に構成する場合について説明した。しかし、直流電流遮断装置は、例えば、複数の直流送電線LNの節点部分に構成することもできる。この場合であっても、節点部分に構成する直流電流遮断装置において、第1~第4の実施形態の直流電流遮断装置と同様に、転流回路30(転流回路31を含む)や半導体遮断器20の故障を検出することができる。
この場合の直流電流遮断装置を、第5の実施形態の直流電流遮断装置5として説明する。図17は、第5の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図17には、図7に示した第2の実施形態の直流電流遮断装置2を、三つの直流送電線LN(直流送電線LN-1~LN-3)の節点部分に構成した場合の直流電流遮断装置5の一例を示している。図17においては、第2の実施形態の直流電流遮断装置2と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付し、直流送電線LN-1~LN-3のいずれの直流送電線LNに対応する構成要素であるかを表すために、それぞれの符号の後に「-(ハイフン)」とハイフンに続く数字を付している。以下の説明においては、いずれの直流送電線LNに対応する構成要素であるかを区別しない場合には、それぞれの構成要素の符号に付したハイフンとハイフンに続く数字を省略する。
直流電流遮断装置5は、例えば、三つの機械式接点10A(機械式接点10A-1~10A-3)と、三つの機械式接点10B(機械式接点10B-1~10B-3)と、半導体遮断器20と、三つの転流回路30(転流回路30-1~30-3)と、三つのダイオード70(ダイオード70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、直流バス90と、制御装置100と、を備える。図17には、半導体遮断器20が図2に示した構成であり、それぞれの転流回路30が図3の(a)に示した転流回路30aの構成である場合の一例を示している。
直流電流遮断装置5では、直流送電線LN-1に機械式接点10A-1と機械式接点10B-1とが直列に接続され、直流送電線LN-2に機械式接点10A-2と機械式接点10B-2とが直列に接続され、直流送電線LN-3に機械式接点10A-3と機械式接点10B-3とが直列に接続されている。より具体的には、直流送電線LN-1において、機械式接点10A-1の第2極b-A-1と機械式接点10B-1の第1極a-B-1とが接続され、直流送電線LN-2において、機械式接点10A-2の第2極b-A-2と機械式接点10B-2の第1極a-B-2とが接続され、直流送電線LN-3において、機械式接点10A-3の第2極b-A-3と機械式接点10B-3の第1極a-B-3とが接続されている。直流電流遮断装置5では、機械式接点10A-1の第1極a-A-1と、機械式接点10A-2の第1極a-A-2と、機械式接点10A-3の第1極a-A-3とのそれぞれが直流バス90に接続され、直流バス90を介して半導体遮断器20の第1端cと接続されている。直流電流遮断装置5では、機械式接点10A-1の第2極b-A-1と機械式接点10B-1の第1極a-B-1との間の箇所の直流送電線LN-1に転流回路30-1の第1端e-1が接続され、転流回路30-1の第2端f-1にダイオード70-1のカソードとリアクトル80-1の第1端とが接続され、リアクトル80-1の第2端は機械式接点10B-1の第2極b-B-1に接続されている。直流送電線LN-2および直流送電線LN-3も同様である。直流電流遮断装置5では、直流送電線LN-1~LN-3のそれぞれに属するダイオード70-1~70-3のそれぞれのアノードが、半導体遮断器20の第2端dに接続されている。
直流電流遮断装置5では、機械式接点10A-1~10A-3のそれぞれを直流バス90を介して互いに接続することにより、半導体遮断器20を共有する構成にしている。このため、直流電流遮断装置5では、第2の実施形態の直流電流遮断装置2を単独で三つ備えるよりも、コストやサイズを低減することができる。
直流電流遮断装置5では、転流回路30-1の第2端f-1側に電流検出器51-1が取り付けられ、機械式接点10A-1の第2極b-A-1側に電流検出器52-1が取り付けられている。電流検出器51-1と電流検出器52-1は、それぞれ、転流回路30-1と機械式接点10A-1と同じ線上であれば、図17とは異なる位置に取り付けられてもよい。直流送電線LN-2および直流送電線LN-3も同様である。直流電流遮断装置5では、例えば、それぞれの直流送電線LNにおける直流バス90と反対側(右側)に送電設備や需要家が存在し、通常(定常)の送電においては、いずれかの直流送電線LNの右側から直流バス90を通って他の直流送電線LNの右側に直流電流が流れる。つまり、直流電流遮断装置5では、少なくとも二つの機械式接点10Aおよび機械式接点10Bを通って電流が流れる。図17では、直流電流遮断装置5においてそれぞれの直流送電線LNに流れる電流を検出するために取り付けられてもよい電流検出器53を省略している。
直流電流遮断装置5において事故が発生した直流送電線LNを遮断する動作や、故障を検出する動作では、制御装置100が、遮断する直流送電線LNや故障を検出する転流回路30(半導体遮断器20を含む)に対応するそれぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御するものの、その制御方法は第2の実施形態の直流電流遮断装置2と同様に考えることができる。従って、直流電流遮断装置5における動作に関する再度の詳細な説明は省略する。
上記説明したように、第5の実施形態の直流電流遮断装置5によれば、直流電流遮断装置5自身の故障を早期に検出して上位制御装置に通知することができる。これにより、直流電流遮断装置5でも、転流回路30や半導体遮断器20に故障がある場合には、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置5や直流送電システムを保護停止させることができる。このことにより、直流電流遮断装置5でも、転流回路30や半導体遮断器20が正常に動作する状態を確保(保障)し、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合でも、事故が発生した直流送電線LNを正常に遮断することができる。
第5の実施形態では、第2の実施形態の直流電流遮断装置2を複数の直流送電線LNの節点部分に構成する場合について説明したが、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や、第3の実施形態の直流電流遮断装置3、第4の実施形態の直流電流遮断装置4も同様に、複数の直流送電線LNの節点部分に構成することもできる。この場合における直流電流遮断装置5の構成や、制御装置100の動作などは、上述した第5の実施形態の直流電流遮断装置5の構成や動作と等価なものになるようにすればよい。つまり、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や、第3の実施形態の直流電流遮断装置3、第4の実施形態の直流電流遮断装置4においても、それぞれの直流送電線LNに対応する直流電流遮断装置が備える機械式接点10を直流バス90を介して互いに接続することにより、半導体遮断器20を共有する構成にすればよい。これにより、第1の実施形態の直流電流遮断装置1や、第3の実施形態の直流電流遮断装置3、第4の実施形態の直流電流遮断装置4を複数の直流送電線LNの節点部分に構成する場合において、定常の送電状態には影響を及ぼすことなく故障を早期に検出することができるとともに、直流電流遮断装置をそれぞれの直流送電線LNごとに複数備えるよりも、コストやサイズを低減することができる。
上記に述べたとおり、各実施形態の直流電流遮断装置では、制御装置100が、少なくとも転流回路30(転流回路31も含む)を所定の短時間だけ動作させることにより、少なくとも転流回路30の故障を検出する。これにより、各実施形態の直流電流遮断装置では、少なくとも転流回路30の故障を早期に検出することができ、転流回路30に故障がある場合には、上位制御装置が、速やかに直流電流遮断装置3や直流送電システムを保護停止させることができる。このことにより、各実施形態の直流電流遮断装置では、少なくとも転流回路30が正常に動作する状態を確保(保障)し、仮に直流送電線LNにおいて事故が発生した場合でも、事故が発生した直流送電線LNを正常に遮断することができる。しかも、各実施形態の直流電流遮断装置では、直流電流遮断装置の全体を流れる送電線電流Idcはほとんど変化しないため、少なくとも転流回路30の故障を検出する動作が定常の送電状態には影響を及ぼすことはない。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、直流送電線(LN)に設けられた機械式接点(10)と、直流送電線に並列に設けられた半導体遮断器(20)と、定常時には機械式接点を通る経路に流れる電流を、電流遮断時に半導体遮断器を通る経路に転流させる転流回路(30)と、機械式接点、半導体遮断器、および転流回路を制御する制御装置(100)と、を備え、制御装置は、定常時の任意のタイミングで、転流回路を所定時間(短時間)だけ動作させた後停止させ、所定時間内に転流回路に流れる電流の変化の度合いに基づいて、転流回路に異常があるか否かを判定することにより、直流電流遮断装置自身の故障を早期に検出し、故障がある場合には速やかに装置とシステムとを保護停止させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,2,3,4,5・・・直流電流遮断装置、10,10A,10A-1,10A-2,10A-3,10B,10B-1,10B-2,10B-3・・・機械式接点、20・・・半導体遮断器、202,202-1,202-2・・・半導体スイッチ部、204・・・アレスタ、30,30a,30b,30c,30-1,30-2,30-3,31,31a,31b・・・転流回路、302,302-1,302-2,302-3,302-4,302-5,302-6・・・半導体スイッチ部、304・・・コンデンサ、306,306-1,306-2・・・ダイオード、308・・・アレスタ、51,51-1,51-2,51-3,52,52-1,52-2,52-3,53・・・電流検出器、60・・・電圧検出器、70,70-1,70-2,70-3・・・ダイオード、80,80-1,80-2,80-3・・・リアクトル、90・・・直流バス、100・・・制御装置、LN,LN-1,LN-2,LN-3・・・直流送電線、Sf・・・故障信号

Claims (12)

  1. 直流送電線に設けられた機械式接点と、
    前記直流送電線に並列に設けられた半導体遮断器と、
    定常時には前記機械式接点を通る経路に流れる電流を、電流遮断時に前記半導体遮断器を通る経路に転流させる転流回路と、
    前記機械式接点、前記半導体遮断器、および前記転流回路を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記定常時の任意のタイミングで、前記転流回路を所定時間だけ動作させた後停止させ、
    前記所定時間内に前記転流回路に流れる電流の変化の度合いに基づいて、前記転流回路に異常があるか否かを判定する、
    直流電流遮断装置。
  2. 前記転流回路は、前記半導体遮断器に直列に接続され、
    前記半導体遮断器における前記転流回路と逆側の第1端は、前記機械式接点の第1極側に接続され、
    前記転流回路における前記半導体遮断器と接続された第1端とは逆側の第2端は、前記機械式接点の第2極側に接続される、
    請求項1に記載の直流電流遮断装置。
  3. 前記機械式接点は、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とを含み、
    前記半導体遮断器は、第1端が前記第1の機械式接点の第1極側に接続され、第2端が前記第2の機械式接点の第2極側に接続され、
    前記転流回路は、第1端が前記第1の機械式接点の第2極と前記第2の機械式接点の第1極との間の箇所に接続され、第2端が前記第2の機械式接点の前記第2極側に接続される、
    請求項1に記載の直流電流遮断装置。
  4. 前記転流回路は、前記直流送電線における前記機械式接点の第2極側に直列に接続され、
    前記半導体遮断器は、第1端が前記機械式接点の第1極側に接続され、第2端が前記転流回路における前記機械式接点と接続された第1端とは逆側の第2端側に接続される、
    請求項1に記載の直流電流遮断装置。
  5. 前記転流回路を通る経路に流れる電流を検出する電流検出器、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記転流回路を前記所定時間だけ動作させた後の前記電流検出器の検出値の変化の度合いに基づいて、前記転流回路に異常があるか否かを判定する、
    請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  6. 前記半導体遮断器を通る経路に流れる電流を検出する電流検出器、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記転流回路を前記所定時間だけ動作させた後の前記電流検出器の検出値の変化の度合いに基づいて、前記転流回路に異常があるか否かを判定する、
    請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  7. 前記機械式接点を通る経路に流れる電流を検出する電流検出器、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記転流回路を前記所定時間だけ動作させた後の前記電流検出器の検出値の変化の度合いに基づいて、前記転流回路に異常があるか否かを判定する、
    請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  8. 前記転流回路は、エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積要素と、前記エネルギー蓄積要素に蓄積したエネルギーに応じた電圧を検出する電圧検出器と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記転流回路を前記所定時間だけ動作させた後の前記電圧検出器の検出値の変化の度合いに基づいて、前記転流回路に異常があるか否かを判定する、
    請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記検出値の時間的な変化の度合いが、予め設定された閾値以下である場合に、前記転流回路に異常があると判定する、
    請求項5から請求項8のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  10. 前記定常時の任意のタイミングは、前記直流送電線に流れる電流の電流値が、定格値よりも、前記転流回路を前記所定時間だけ動作させた際に前記転流回路に流れる電流の変化量以上低いときである、
    請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  11. 前記定常時の任意のタイミングは、前記直流送電線に流れる電流の電流値が、前記転流回路を前記所定時間だけ動作させた際に前記転流回路に流れる電流の変化量以上高いときである、
    請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  12. 前記制御装置は、前記転流回路に異常があると判定した場合、当該直流電流遮断装置の動作を指示する上位制御装置に、前記転流回路に異常があることを通知する、
    請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
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