JP2020013657A - 直流電流遮断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品の破損を抑制することができる直流電流遮断装置を提供すること。【解決】実施形態の直流電流遮断装置は、第1断路器と、第2断路器と、機械式遮断器と、転流回路と、半導体遮断器と、ダイオードと、スイッチング要素とを持つ。前記第1断路器は、第1端が第1直流送電線路に接続される。前記第2断路器は、第2端が第2直流送電線路に接続される。前記機械式遮断器は、前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられる。前記転流回路は、第2線路に設けられる。前記半導体遮断器および前記ダイオードは、第3線路に互いに直列に設けられる。前記スイッチング要素は、前記転流回路と並列に設けられる。前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、直流電流遮断装置に関する。
近年、複数の直流送電線で構成された直流送電網による電力の送電が行われている。直流送電網においては事故が発生した場合、特定の送電線のみを遮断し、残りの送電線によって電力の送電を継続する場合がある。機械式遮断器と半導体遮断器の双方を備え、直流送電線路に流れる電流を遮断する直流電流遮断装置に関する技術が知られている。
ところで、直流電流遮断装置には、断路器と、機械式遮断器と、転流回路と、半導体遮断器とが備えられる場合がある。この直流電流遮断装置は、断路器を電気的に遮断するために、断路器に流れる電流を半導体遮断器に転流させる。しかしながら、断路器に流れる電流が半導体遮断器に転流するまでに時間を要する場合、転流回路に備えられるコンデンサの電圧が上昇し、コンデンサ、および転流回路が備える他の素子を破損する場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、部品の破損を抑制することができる直流電流遮断装置を提供することである。
実施形態の直流電流遮断装置は、第1断路器と、第2断路器と、機械式遮断器と、転流回路と、半導体遮断器と、ダイオードと、スイッチング要素とを持つ。前記第1断路器は、第1端が第1直流送電線路に接続される。前記第2断路器は、第2端が第2直流送電線路に接続される。前記機械式遮断器は、前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられる。前記転流回路は、前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2断路器の第1端に接続される第2線路に設けられる。前記半導体遮断器および前記ダイオードは、前記第1断路器の第1端側と、前記第2線路における前記転流回路と前記第2断路器との間の箇所とを接続する第3線路に互いに直列に設けられる。前記スイッチング要素は、前記転流回路と並列に設けられる。前記半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容する。前記ダイオードは、前記第2直流送電線路、または前記第2線路の方向から前記半導体遮断器に流れる電流を選択的に遮断する。前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる。
以下、実施形態の直流電流遮断装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
[構成]
図1は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1の構成の一例を示す図である。直流電流遮断装置1は、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に導通させ、または遮断する装置である。以降の説明において、第1直流送電線路LN1における直流電圧を第1電圧VDC1と記載し、第2直流送電線路LN2における直流電圧を第2電圧VDC2と記載する。第1電圧VDC1や第2電圧VDC2は、例えば、数十〜数百[kV]程度の電圧である。例えば、第1直流送電線路LN1側には、送電設備が存在し、第2直流送電線路LN2側には、需要家が存在する。この場合、通常、第1電圧VDC1が第2電圧VDC2よりも大きい電圧となる。したがって、通常であれば第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に電流が流れる。
[構成]
図1は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1の構成の一例を示す図である。直流電流遮断装置1は、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に導通させ、または遮断する装置である。以降の説明において、第1直流送電線路LN1における直流電圧を第1電圧VDC1と記載し、第2直流送電線路LN2における直流電圧を第2電圧VDC2と記載する。第1電圧VDC1や第2電圧VDC2は、例えば、数十〜数百[kV]程度の電圧である。例えば、第1直流送電線路LN1側には、送電設備が存在し、第2直流送電線路LN2側には、需要家が存在する。この場合、通常、第1電圧VDC1が第2電圧VDC2よりも大きい電圧となる。したがって、通常であれば第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に電流が流れる。
図1に示される通り、直流電流遮断装置1は、例えば、第1断路器10と、機械式遮断器20と、第2断路器30と、半導体遮断器40と、アレスタ50と、ダイオード60と、サイリスタ70と、リアクトル80と、転流回路90と、制御部100とを備える。第1断路器10は、第1端子10aと、第2端子10bとを備える。機械式遮断器20は、第1端子20aと、第2端子20bとを備える。第2断路器30は、第1端子30aと、第2端子30bとを備える。
第1断路器10の第1端子10aには、第1直流送電線路LN1が接続される。図示するリアクトルL1は、第1直流送電線路LN1が有するインダクタンス成分を仮想的に示すものである。第1断路器10の第2端子10bは、機械式遮断器20の第1端子20aに接続されている。
機械式遮断器20の第2端子20bは、第2断路器30の第1端子30aに接続されている。第2断路器30の第2端子30bには、第2直流送電線路LN2が接続される。第1断路器10、機械式遮断器20、および第2断路器30が設けられる線路は、「第1線路」の一例である。
半導体遮断器40は、例えば、互いに直列に接続された複数(図では4つ)のスイッチング部を備える。スイッチング部は、それぞれ、互いに並列に接続されたスイッチング素子とダイオードとを備える。具体的には、ダイオードのカソードと、スイッチング素子のコレクタとが互いに接続され、ダイオードのアノードと、スイッチング素子のエミッタとが接続されている。スイッチング素子は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子である。ただし、スイッチング素子は、IGBTに限定されない。スイッチング素子は、自己消弧を実現可能なスイッチング素子であれば、いかなる素子でもよい。以降の説明では、スイッチング素子がIGBTである場合について説明する。また、以降の説明において、スイッチング部のスイッチング素子のエミッタを、「スイッチング部のエミッタ」とも記載し、スイッチング部のスイッチング素子のコレクタを、「スイッチング部のコレクタ」とも記載する。
半導体遮断器40において、あるスイッチング部のエミッタと、当該スイッチング部に隣り合うスイッチング部のコレクタとが接続されている。また、半導体遮断器40の端部に位置するスイッチング部のコレクタは、第1直流送電線路LN1に接続される。また、半導体遮断器40の他の端部に位置するスイッチング部のエミッタは、ダイオード60のアノードに接続されている。ダイオード60のカソードには、リアクトル80の一端が接続されている。リアクトル80の他の一端は、第2断路器30の第1端子30aが接続されている。半導体遮断器40、ダイオード60、およびリアクトル80が設けられる線路は、「第3線路」の一例である。
アレスタ50は、半導体遮断器40に対して並列に接続されている。アレスタ50は、半導体遮断器40が開状態(つまり、スイッチング素子がオフの状態)に制御されたことにより発生するサージ電圧を吸収する。
上述した接続関係により、ダイオード60は、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容し、第2直流送電線路LN2の方向、または後述する「第2線路」の方向から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断する。
転流回路90は、例えば、複数のダイオード(図示するダイオード91,92)と、複数のスイッチング部(スイッチング部93,94)と、コンデンサCとを備える。コンデンサCは、例えば、有極性の電解コンデンサである。スイッチング部93,94は、それぞれ、スイッチング素子と、ダイオードとを備える。
スイッチング部93,94が備えるスイッチング素子と、ダイオードとは、互いに並列に接続されている。具体的には、ダイオードのカソードと、スイッチング素子のコレクタとが接続され、ダイオードのアノードと、スイッチング素子のエミッタとが接続されている。ダイオード91のアノードと、スイッチング部93のコレクタとが互いに接続されている。スイッチング部94のエミッタと、ダイオード91のカソードとが互いに接続されている。ダイオード91のカソードと、スイッチング部94のコレクタと、コンデンサCの正極とが互いに接続されている。スイッチング部93のエミッタと、ダイオード92のアノードと、コンデンサCの負極とが互いに接続されている。
ダイオード91のアノードと、スイッチング部93のコレクタとの接続点は、第1線路における第2端子10bと第1端子20aとの間の箇所に接続されている。スイッチング部94のエミッタと、ダイオード92のカソードとの接続点は、ダイオード60のカソードと、リアクトル80とが接続される線路(つまり、第3線路)に接続される。転流回路90が設けられる線路は、「第2線路」の一例である。
転流回路90と、サイリスタ70とは、互いに並列に接続されている。具体的には、転流回路90が備えるダイオード91のアノードと、スイッチング部93のコレクタとが接続される箇所に、サイリスタ70のアノードが接続され、転流回路90が備えるスイッチング部94のエミッタと、ダイオード92のカソードとが接続される箇所に、サイリスタ70のカソードが接続されている。
上述した接続関係により、サイリスタ70は、オフの状態において、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する。また、サイリスタ70は、オンの状態において、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容し(つまり、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に電気的に導通させ)、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断する。サイリスタ70は、「スイッチ要素」の一例である。
制御部100は、第1断路器10、機械式遮断器20、第2断路器30、および半導体遮断器40の開閉制御、サイリスタ70のオンとオフの切り替え制御、並びに転流回路90の動作の制御等を行う。
[動作(通常導通状態→遮断)]
直流電流遮断装置1によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・サイリスタ70:オフの状態
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
直流電流遮断装置1によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・サイリスタ70:オフの状態
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
図2は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1が第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に遮断させる場合の一連の動作の一例を示すフローチャートである。まず、制御部100は、各電力系統間の電力の供給(融通)を制御する制御システムから、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に遮断させることを示す信号(以下、遮断指示信号)を受信したか否かを判定し(ステップS102)、遮断指示信号を受信するまでの間待機する。制御部100は、遮断指示信号を受信した場合、第1断路器10と、機械式遮断器20とを開状態に制御する(ステップS104)。次に、制御部100は、転流回路90(スイッチング部93,94)をオンの状態に制御する(ステップS106)。
図3は、第1の実施形態のステップS106における直流電流遮断装置1の状態を示す図である。上述したように、直流電流遮断装置1の第1断路器10と、機械式遮断器20とは、ステップS104において開状態に制御されるが、接点を単に切り離しても接点間にアークが生じるため、電気的に遮断することができない。この状態で、制御部100が転流回路90を動作させることにより、転流回路90が備えるスイッチング部93,94は、オンの状態に制御される。すると、転流回路90は、コンデンサCに蓄電される電力を放電し、コンデンサCの正極からスイッチング部94、リアクトル80、機械式遮断器20、およびスイッチング部93を介してコンデンサCの負極までを電流が還流する回路を形成する。この回路が形成されるのは、リアクトル80に対して上述した向きによってダイオード60が接続されていることにより、第2直流送電線路LN2の方向から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流が遮断されるためである。この回路を還流する電流は、機械式遮断器20において第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流と逆方向の電流であるため、機械式遮断器20に生じたアークを打ち消すように作用する。この結果、機械式遮断器20に流れる電流がゼロになり、機械式遮断器20が電気的な遮断状態となる。
図2に戻り、制御部100は、機械式遮断器20が電気的に遮断されたか(つまり、機械式遮断器20が機械的にも電気的にも開状態に制御されたか)否かを判定する(ステップS108)。制御部100は、例えば、機械式遮断器20の両端の電圧や流れる電流を測定した値が所定の値以下であれば、機械式遮断器20が電気的に遮断されたと判定する。制御部100は、機械式遮断器20が機械的にも電気的にも開状態に制御された場合、転流回路90(スイッチング部93,94)をオフの状態に制御する(ステップS110)。次に、制御部100は、半導体遮断器40を閉状態(つまり、スイッチング素子をオンの状態)に制御する(ステップS112)。これにより、直流電流遮断装置1は、第1線路を介して流れていた第1直流送電線路LN1と第2直流送電線路LN2との間の電流が、第3線路を介して流れる状態になる。
図4は、第1の実施形態のステップS114における直流電流遮断装置1の状態を示す図である。ステップS114の状態では、転流回路90がオフの状態に制御されているため、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向(図示する第1方向dr1)に流れる電流は、半導体遮断器40、ダイオード60、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第1経路rt1と、第1断路器10、ダイオード91、コンデンサC、ダイオード92、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第2経路rt2とに分岐する。ただし、第1経路rt1と、第2経路rt2とでは、第2経路rt2の方が電流が流れにくいため、第2経路rt2を第1方向dr1に流れる電流は、徐々に第1経路rt1に遷移する。第1方向dr1に流れる電流が、第1経路rt1に遷移することにより、第1断路器10は、遮断される(つまり、第1断路器10が機械的にも電気的にも開状態に制御される)。
図2に戻り、制御部100は、第1断路器10が電気的に遮断されたか(つまり、第1断路器10が機械的にも電気的にも開状態に制御されたか)否かを判定する(ステップS114)。制御部100は、例えば、第1断路器10の両端の電圧や流れる電流を測定した値が所定の値以下であれば、第1断路器10が電気的に遮断されたと判定する。制御部100は、コンデンサCの充電状態を判定する(ステップS116)。具体的には、制御部100は、コンデンサCの両端の電圧(以下、コンデンサ電圧)が所定の値未満であるか否かを、常時、または所定の時間間隔毎に判定する。所定の値とは、例えば、コンデンサCを過電圧による破損から保護するために定められた過電圧の閾値である。制御部100は、コンデンサ電圧が所定の値未満である場合、処理をステップS114に進める。制御部100は、コンデンサ電圧が所定の値以上である場合、サイリスタ70をオンの状態に制御する(ステップS118)。
図5は、第1の実施形態のステップS118における直流電流遮断装置1の状態を示す図である。ステップS118の状態では、サイリスタ70がオンの状態に制御されているため、第1方向dr1に流れる電流は、上述した第1経路rt1と、転流回路90をバイパスする経路であり、第1断路器10、サイリスタ70、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第3経路rt3とに分岐する。
図2に戻り、制御部100は、第1断路器10が電気的に遮断されたと判定した場合、サイリスタ70をオフの状態に制御する(ステップS120)。次に、制御部100は、半導体遮断器40を開状態(つまり、スイッチング素子をオフの状態)に制御する(ステップS122)。半導体遮断器40が開状態に制御されることに伴い発生するサージ電圧は、アレスタ50によって吸収される。次に、制御部100は、アレスタ50によってサージ電圧が十分に吸収されたか否かを判定する(ステップS124)。制御部100は、例えば、半導体遮断器40の両端の電圧を測定した値や流れる電流が所定の値以下であれば、サージ電圧が十分に吸収されたと判定してもよく、半導体遮断器40が開状態に制御されてから所定の時間が経過した場合、サージ電圧が十分に吸収されたと判定してもよい。制御部100は、アレスタ50によってサージ電圧が十分に吸収されたと判定した場合、第2断路器30を開状態に制御する(ステップS126)。
[遮断制御に関するまとめ]
ここで、仮にサイリスタ70が接続されていない直流遮断装置(以下、比較例装置)を想定すると、比較例装置が図4に示される状態になり、第2経路rt2を流れる電流が第1経路rt1に遷移するまでに時間を要する場合、転流回路が備えるコンデンサには、徐々に電荷が充電され、コンデンサ電圧が上昇する。転流回路は、コンデンサ電圧が所定の値以上になるまで充電されると、コンデンサやコンデンサの周辺素子(例えば、ダイオードやスイッチング部)が破損する場合がある。
ここで、仮にサイリスタ70が接続されていない直流遮断装置(以下、比較例装置)を想定すると、比較例装置が図4に示される状態になり、第2経路rt2を流れる電流が第1経路rt1に遷移するまでに時間を要する場合、転流回路が備えるコンデンサには、徐々に電荷が充電され、コンデンサ電圧が上昇する。転流回路は、コンデンサ電圧が所定の値以上になるまで充電されると、コンデンサやコンデンサの周辺素子(例えば、ダイオードやスイッチング部)が破損する場合がある。
この点、本実施形態の直流電流遮断装置1は、転流回路90に並列に接続されているサイリスタ70を備える。本実施形態の直流電流遮断装置1は、サイリスタ70のオンの状態において、転流回路90に流れる電流をバイパスし、転流回路90のコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、本実施形態の直流電流遮断装置1によれば、転流回路90の破損を抑制することができる。
(変形例)
以下、第1の実施形態に係る変形例について説明する。第1の実施形態では、直流電流遮断装置1が、転流回路90に並列に接続されるサイリスタ70を備える場合について説明した。変形例では、直流電流遮断装置1aがサイリスタ70に代えて、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する状態と、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断し、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容する状態との切り替えができるスイッチ要素を備える場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、第1の実施形態に係る変形例について説明する。第1の実施形態では、直流電流遮断装置1が、転流回路90に並列に接続されるサイリスタ70を備える場合について説明した。変形例では、直流電流遮断装置1aがサイリスタ70に代えて、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する状態と、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断し、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容する状態との切り替えができるスイッチ要素を備える場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、変形例の直流電流遮断装置1aの構成の一例を示す図である。図6に示される通り、直流電流遮断装置1aは、例えば、第1断路器10と、機械式遮断器20と、第2断路器30と、半導体遮断器40と、アレスタ50と、ダイオード60と、機械式スイッチ72と、リアクトル80と、転流回路90と、制御部100とを備える。機械式スイッチ72は、第1端子72aと、第2端子72bとを備える。機械式スイッチ72の第1端子72aは、転流回路90が備えるダイオード91のアノードと、スイッチング部93のコレクタとが接続される箇所に接続され、第2端子72bは、転流回路90が備えるスイッチング部94のエミッタと、ダイオード92のカソードとが接続される箇所に接続されている。機械式スイッチ72は、「スイッチング要素」の一例である。なお、直流電流遮断装置1aは、機械式スイッチ72に代えて、IGBT等の半導体スイッチング素子を備える構成であってもよい。
直流電流遮断装置1aによって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・機械式スイッチ72:開状態
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・機械式スイッチ72:開状態
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
直流電流遮断装置1aの制御部100は、上述したステップS118において、コンデンサ電圧が所定の値以上である場合、機械式スイッチ72をオンの状態(つまり、閉状態)に制御する。この場合、第1方向dr1に流れる電流は、上述した第1経路rt1と、転流回路90をバイパスする経路であり、第1断路器10、機械式スイッチ72、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第3経路rt3とに分岐する。
[遮断制御に関するまとめ]
変形例の直流電流遮断装置1aは、転流回路90に並列に接続されている機械式スイッチ72を備え、機械式スイッチ72が閉状態の場合、転流回路90に流れる電流をバイパスし、転流回路90のコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、変形例の直流電流遮断装置1aによれば、転流回路90の破損を抑制することができる。
変形例の直流電流遮断装置1aは、転流回路90に並列に接続されている機械式スイッチ72を備え、機械式スイッチ72が閉状態の場合、転流回路90に流れる電流をバイパスし、転流回路90のコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、変形例の直流電流遮断装置1aによれば、転流回路90の破損を抑制することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、実施形態の直流電流遮断装置は、第1断路器と、第2断路器と、機械式遮断器と、転流回路と、半導体遮断器と、ダイオードと、スイッチング要素とを持つ。前記第1断路器は、第1端が第1直流送電線路に接続される。前記第2断路器は、第2端が第2直流送電線路に接続される。前記機械式遮断器は、前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられる。前記転流回路は、前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2断路器の第1端に接続される第2線路に設けられる。前記半導体遮断器および前記ダイオードは、前記第1断路器の第1端側と、前記第2線路における前記転流回路と前記第2断路器との間の箇所とを接続する第3線路に互いに直列に設けられる。前記スイッチング要素は、前記転流回路と並列に設けられる。前記半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容し、前記ダイオードは、前記第2直流送電線路、または前記第2線路の方向から前記半導体遮断器に流れる電流を選択的に遮断し、前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態、および変形例では、サイリスタ70、または機械式スイッチ72によって転流回路90に流れる電流をバイパスする場合について説明した。第2の実施形態では、転流回路90の動作を制御することにより、コンデンサCを経由しない経路によって第1方向dr1に電流を流す場合について説明する。なお、上述した実施形態、および変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態、および変形例では、サイリスタ70、または機械式スイッチ72によって転流回路90に流れる電流をバイパスする場合について説明した。第2の実施形態では、転流回路90の動作を制御することにより、コンデンサCを経由しない経路によって第1方向dr1に電流を流す場合について説明する。なお、上述した実施形態、および変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
直流電流遮断装置2は、直流電流遮断装置1が備える構成のうち、転流回路90をバイパスする素子(サイリスタ70、或いは機械式スイッチ72)を除く構成である第1断路器10と、機械式遮断器20と、第2断路器30と、半導体遮断器40と、アレスタ50と、ダイオード60と、リアクトル80と、転流回路90と、制御部100aとを備える。
直流電流遮断装置2によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
直流電流遮断装置2の制御部100aは、上述したステップS118において、コンデンサ電圧が所定の値以上である場合、転流回路90が備えるスイッチング部93,94のうち、一方をオンの状態に制御する。
図7は、第2の実施形態のステップS118における直流電流遮断装置2の状態の一例を示す図である。図7に示される一例では、制御部100aは、転流回路90が備えるスイッチング部のうち、スイッチング部94のみをオンの状態に制御する。スイッチング部94がオンの状態に制御されているため、第1方向dr1に流れる電流は、上述した第1経路rt1と、第1断路器10、ダイオード91、スイッチング部94、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第4経路rt4とに分岐する。
図8は、第2の実施形態のステップS118における直流電流遮断装置2の状態の他の例を示す図である。図8に示される一例では、制御部100aは、転流回路90が備えるスイッチング部のうち、スイッチング部93のみをオンの状態に制御する。スイッチング部93がオンの状態に制御されているため、第1方向dr1に流れる電流は、上述した第1経路rt1と、第1断路器10、スイッチング部93、ダイオード92、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第5経路rt5とに分岐する。
[遮断制御に関するまとめ]
これにより、第2の実施形態の直流電流遮断装置2は、コンデンサCを通らない経路によって転流回路90に電流を流し、転流回路90のコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、第2の実施形態の直流電流遮断装置2によれば、転流回路90の破損を抑制することができる。
これにより、第2の実施形態の直流電流遮断装置2は、コンデンサCを通らない経路によって転流回路90に電流を流し、転流回路90のコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、第2の実施形態の直流電流遮断装置2によれば、転流回路90の破損を抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態、変形例、および第2の実施形態では、直流電流遮断装置が、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2に流れる電流を電気的に遮断する場合について説明した。第3の実施形態では、直流電流遮断装置3が、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する場合について説明する。なお、上述した実施形態、および変形例と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態、変形例、および第2の実施形態では、直流電流遮断装置が、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2に流れる電流を電気的に遮断する場合について説明した。第3の実施形態では、直流電流遮断装置3が、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する場合について説明する。なお、上述した実施形態、および変形例と同様の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、第3の実施形態の直流電流遮断装置3の構成の一例を示す図である。直流電流遮断装置3は、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に導通させ、または遮断する装置である。第3の実施形態では、第1直流送電線路LN1側、および第2直流送電線路LN2側のそれぞれに存在する送電設備や需要家の状態によっては、第1電圧VDC1が第2電圧VDC2よりも大きい電圧になったり、第2電圧VDC2が第1電圧VDC1よりも大きい電圧になったりする。したがって、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向と、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向との双方向に電流が流れる。
図9に示される通り、直流電流遮断装置3は、第1断路器10と、機械式遮断器20と、第2断路器30と、第1半導体遮断器40aと、第2半導体遮断器40bと、第1アレスタ50aと、第2アレスタ50bと、第1サイリスタ70aと、第2サイリスタ70bと、リアクトル80と、転流回路90aと、制御部100bとを備える。
第1半導体遮断器40a、および第2半導体遮断器40bは、互いに直列に接続された複数(図では4つ)のスイッチング部を備える。スイッチング部は、それぞれ、互いに並列に接続されたスイッチング素子とダイオードとを備える。具体的には、ダイオードのカソードと、スイッチング素子のコレクタとが互いに接続され、ダイオードのアノードと、スイッチング素子のエミッタとが接続されている。
第1半導体遮断器40aにおいて、あるスイッチング部のエミッタと、当該スイッチング部に隣り合うスイッチング部のコレクタとが接続されている。また、第1半導体遮断器40aの端部に位置するスイッチング部のコレクタは、第1直流送電線路LN1に接続される。また、第1半導体遮断器40aの他の端部に位置するスイッチング部のエミッタは、第2半導体遮断器40bに接続されている。
第2半導体遮断器40bにおいて、あるスイッチング部のエミッタと、当該スイッチング部に隣り合うスイッチング部のコレクタとが接続されている。また、第2半導体遮断器40bの端部に位置するスイッチング部のエミッタは、第1半導体遮断器40aに接続されている。また、第2半導体遮断器40bの他の端部に位置するスイッチング部のコレクタは、リアクトル80に接続されている。第1半導体遮断器40a、第2半導体遮断器40b、およびリアクトル80が設けられる線路は、「第3線路」の一例である。
第1アレスタ50aは、第1半導体遮断器40aに対して並列に接続されている。第2アレスタ50bは、第2半導体遮断器40bに対して並列に接続されている。第1アレスタ50a、および第2アレスタ50bは、半導体遮断器40が開状態(つまり、スイッチング素子がオフの状態)に制御されたことにより発生するサージ電圧を吸収する。
転流回路90aは、複数のスイッチング部(スイッチング部93〜96)と、コンデンサCとを備える。スイッチング部93〜96は、それぞれ、スイッチング素子と、ダイオードとを備える。スイッチング部93〜96が備えるスイッチング素子と、ダイオードとは、互いに並列に接続されている。具体的には、ダイオードのカソードと、スイッチング素子のコレクタとが接続され、ダイオードのアノードと、スイッチング素子のエミッタとが接続されている。
スイッチング部95のエミッタと、スイッチング部93のコレクタとが互いに接続されている。スイッチング部94のエミッタと、スイッチング部96のコレクタとが互いに接続されている。スイッチング部95のコレクタと、スイッチング部94のコレクタと、コンデンサCの正極とが互いに接続されている。スイッチング部93のエミッタと、スイッチング部96のエミッタと、コンデンサCの負極とが互いに接続されている。
スイッチング部95のエミッタと、スイッチング部93のコレクタとの接続点は、第1線路における第2端子10bと第1端子20aとの間の箇所に接続されている。スイッチング部94のエミッタと、スイッチング部96のコレクタとの接続点は、第2半導体遮断器40bと、リアクトル80とが接続される線路(つまり、第3線路)に接続される。転流回路90aが設けられる線路は、「第2線路」の一例である。
転流回路90aと、第1サイリスタ70aと、第2サイリスタ70bとは、互いに並列に接続されている。具体的には、転流回路90aが備えるスイッチング部95のエミッタと、スイッチング部93のコレクタとが接続される箇所に、第1サイリスタ70aのアノードと、第2サイリスタ70bのカソードとが接続され、転流回路90aが備えるスイッチング部94のエミッタと、スイッチング部96のコレクタとが接続される箇所に、第1サイリスタ70aのカソードと、第2サイリスタ70bのアノードとが接続されている。
上述した接続関係により、第1サイリスタ70a、および第2サイリスタ70bは、オフの状態において、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する。また、第1サイリスタ70aは、オンの状態において、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容し(つまり、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に電気的に導通させ)、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断する。また、第2サイリスタ70bは、オンの状態において、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を許容し(つまり、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に電気的に導通させ)、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を遮断する。
制御部100bは、第1断路器10、機械式遮断器20、第2断路器30、第1半導体遮断器40a、および第2半導体遮断器40bの開閉制御、第1サイリスタ70a、および第2サイリスタ70bのオンとオフの切り替え制御、並びに転流回路90aの動作の制御等を行う。
[動作(通常導通状態→遮断)]
直流電流遮断装置1によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・第1半導体遮断器40a:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・第2半導体遮断器40b:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・第1サイリスタ70a:オフの状態
・第2サイリスタ70b:オフの状態
・転流回路90a:オフの状態
・転流回路90aが備えるコンデンサC:充電された状態
直流電流遮断装置1によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・第1半導体遮断器40a:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・第2半導体遮断器40b:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・第1サイリスタ70a:オフの状態
・第2サイリスタ70b:オフの状態
・転流回路90a:オフの状態
・転流回路90aが備えるコンデンサC:充電された状態
[第1方向dr1に流れる電流を遮断する場合]
図10は、第3の実施形態のステップS112における直流電流遮断装置3の状態の一例を示す図である。直流電流遮断装置3の制御部100bは、ステップS112において、第1半導体遮断器40aを閉状態(つまり、スイッチング素子をオンの状態)に制御する。これにより、直流電流遮断装置3は、第1断路器10、スイッチング部95、コンデンサC、スイッチング部96、リアクトル80、および第2断路器30を介した第6経路rt6を第1方向dr1に流れる電流が、第1半導体遮断器40aのスイッチング素子、第2半導体遮断器40bのダイオード、リアクトル80、および第2断路器30を介した第1経路rt1aを第1方向dr1に流れるように遷移する。
図10は、第3の実施形態のステップS112における直流電流遮断装置3の状態の一例を示す図である。直流電流遮断装置3の制御部100bは、ステップS112において、第1半導体遮断器40aを閉状態(つまり、スイッチング素子をオンの状態)に制御する。これにより、直流電流遮断装置3は、第1断路器10、スイッチング部95、コンデンサC、スイッチング部96、リアクトル80、および第2断路器30を介した第6経路rt6を第1方向dr1に流れる電流が、第1半導体遮断器40aのスイッチング素子、第2半導体遮断器40bのダイオード、リアクトル80、および第2断路器30を介した第1経路rt1aを第1方向dr1に流れるように遷移する。
図11は、第3実施形態のステップS118における直流電流遮断装置3の状態の一例を示す図である。直流電流遮断装置3の制御部100bは、ステップS118において、コンデンサ電圧が所定の値以上である場合、第1サイリスタ70aをオンの状態(つまり、閉状態)に制御する。この場合、第6経路rt6を第1方向dr1に流れていた電流は、転流回路90aをバイパスする経路であり、第1断路器10、第1サイリスタ70a、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第7経路rt7に流れる。
[第2方向dr2に流れる電流を遮断する場合]
図12は、第3の実施形態のステップS112における直流電流遮断装置3の状態の他の例を示す図である。直流電流遮断装置3の制御部100bは、ステップS112において、第2半導体遮断器40bを閉状態(つまり、スイッチング素子をオンの状態)に制御する。これにより、直流電流遮断装置3は、第2断路器30、リアクトル80、スイッチング部96、コンデンサC、スイッチング部95、および第1断路器10を介した第8経路rt8を第2方向dr2に流れる電流が、第2断路器30、リアクトル80、第2半導体遮断器40bのスイッチング素子、および第1半導体遮断器40aのダイオードを介した第1経路rt1bを第2方向dr2に流れるように遷移する。
図12は、第3の実施形態のステップS112における直流電流遮断装置3の状態の他の例を示す図である。直流電流遮断装置3の制御部100bは、ステップS112において、第2半導体遮断器40bを閉状態(つまり、スイッチング素子をオンの状態)に制御する。これにより、直流電流遮断装置3は、第2断路器30、リアクトル80、スイッチング部96、コンデンサC、スイッチング部95、および第1断路器10を介した第8経路rt8を第2方向dr2に流れる電流が、第2断路器30、リアクトル80、第2半導体遮断器40bのスイッチング素子、および第1半導体遮断器40aのダイオードを介した第1経路rt1bを第2方向dr2に流れるように遷移する。
図13は、第3実施形態のステップS118における直流電流遮断装置3の状態の他の例を示す図である。直流電流遮断装置3の制御部100bは、ステップS118において、コンデンサ電圧が所定の値以上である場合、第2サイリスタ70bをオンの状態(つまり、閉状態)に制御する。この場合、第8経路rt8を第2方向dr2に流れていた電流は、転流回路90aをバイパスする経路であり、第2断路器30、リアクトル80、第2サイリスタ70b、および第1断路器10を介して流れる第9経路rt9に流れる。
[遮断制御に関するまとめ]
これにより、本実施形態の直流電流遮断装置3は、転流回路90aに並列に接続されている第1サイリスタ70a、および第2サイリスタ70bが閉状態の場合、転流回路90aに流れる電流をバイパスし、転流回路90aのコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、本実施形態の直流電流遮断装置3によれば、転流回路90aの破損を抑制することができる。
これにより、本実施形態の直流電流遮断装置3は、転流回路90aに並列に接続されている第1サイリスタ70a、および第2サイリスタ70bが閉状態の場合、転流回路90aに流れる電流をバイパスし、転流回路90aのコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、本実施形態の直流電流遮断装置3によれば、転流回路90aの破損を抑制することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、実施形態の直流電流遮断装置は、第1断路器と、第2断路器と、機械式遮断器と、転流回路と、第1半導体遮断器と、第2半導体遮断器と、スイッチング要素とを持つ。
前記第1断路器は、第1端が第1直流送電線路に接続される。前記第2断路器は、第2端が第2直流送電線路に接続される。前記機械式遮断器は、前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられる。
前記転流回路は、前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2断路器の第1端に接続される第2線路に設けられる。前記第1半導体遮断器、および前記第2半導体遮断器は、前記第1断路器の第1端側と、前記第2線路における前記転流回路と前記第2断路器との間の箇所とを接続する第3線路に互いに直列に設けられる。前記スイッチング要素は、前記転流回路と並列に設けられる。前記第1半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容し、前記第2半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第2直流送電線路から前記第1直流送電線路に流れる電流を許容し、前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる。
前記第1断路器は、第1端が第1直流送電線路に接続される。前記第2断路器は、第2端が第2直流送電線路に接続される。前記機械式遮断器は、前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられる。
前記転流回路は、前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2断路器の第1端に接続される第2線路に設けられる。前記第1半導体遮断器、および前記第2半導体遮断器は、前記第1断路器の第1端側と、前記第2線路における前記転流回路と前記第2断路器との間の箇所とを接続する第3線路に互いに直列に設けられる。前記スイッチング要素は、前記転流回路と並列に設けられる。前記第1半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容し、前記第2半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第2直流送電線路から前記第1直流送電線路に流れる電流を許容し、前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について説明する。上述した実施形態、および変形例では、直流電流遮断装置が、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2との間に設けられ、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に導通させ、または遮断する装置である場合について説明した。第4の実施形態では、直流電流遮断装置4が、結合点において結合される複数の直流送電線路のうち、ある送電線路と、他の送電線路とを電気的に導通させ、または遮断する装置である場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、第4の実施形態について説明する。上述した実施形態、および変形例では、直流電流遮断装置が、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2との間に設けられ、第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とを電気的に導通させ、または遮断する装置である場合について説明した。第4の実施形態では、直流電流遮断装置4が、結合点において結合される複数の直流送電線路のうち、ある送電線路と、他の送電線路とを電気的に導通させ、または遮断する装置である場合について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
[構成]
図14は、第4の実施形態の直流電流遮断装置4の構成の一例を示す図である。直流電流遮断装置4は、複数(この一例では、A系統〜C系統の3つ)の第1直流送電線路LN1が第1結合点j1において結合される電力系統において、第1直流送電線路LN1に対応する複数(この一例では、A系統〜C系統の3つ)の第2直流送電線路LN2(つまり、A系統の第2直流送電線路LN2、B系統の第2直流送電線路LN2、及びC系統の第2直流送電線路LN2)のうち、少なくともいずれかの第2直流送電線路LN2を、第1直流送電線路LN1に導通させ、または遮断する装置である。
図14は、第4の実施形態の直流電流遮断装置4の構成の一例を示す図である。直流電流遮断装置4は、複数(この一例では、A系統〜C系統の3つ)の第1直流送電線路LN1が第1結合点j1において結合される電力系統において、第1直流送電線路LN1に対応する複数(この一例では、A系統〜C系統の3つ)の第2直流送電線路LN2(つまり、A系統の第2直流送電線路LN2、B系統の第2直流送電線路LN2、及びC系統の第2直流送電線路LN2)のうち、少なくともいずれかの第2直流送電線路LN2を、第1直流送電線路LN1に導通させ、または遮断する装置である。
本実施形態の一例では、A系統〜C系統の3つの電力系統の電力を送電する直流送電線路が第1結合点j1において結合される場合について説明する。以降の説明において、A系統に係る構成には、符号の末尾に「A」を付し、B系統に係る構成には、符号の末尾に「B」を付し、C系統に係る構成には、符号の末尾に「C」を付し、いずれの電力系統の構成であるかを特に区別しない場合には、「A」、「B」、或いは「C」の符号を省略する。
直流電流遮断装置4は、例えば、結合される電力系統の数に応じた数の第1ユニットと、第2ユニットと、制御部100cとを備える。第1ユニットは、例えば、第1断路器10と、機械式遮断器20と、第1ダイオード61と、サイリスタ70と、転流回路90とを備える。第2ユニットは、例えば、半導体遮断回路110と、第2ダイオード62とを備える。
第1断路器10は、第1端子10aと、第2端子10bとを備える。機械式遮断器20は、第1端子20aと、第2端子20bとを備える。第1断路器10の第1端子10aには、第1直流送電線路LN1が接続される。上述したように、各電力系統の第1直流送電線路LN1は、第1結合点j1において結合される。第1断路器10の第2端子10bは、機械式遮断器20の第1端子20aに接続されている。機械式遮断器20の第2端子20bには、第2直流送電線路LN2が接続されている。第1断路器10、および機械式遮断器20が設けられる線路は、「第1線路」の一例である。
転流回路90は、2つの端子を有しており、一端は、第1線路における第2端子10bと第1端子20aとの間の箇所に接続されており、他の一端は、第2接続点j2に接続される。
図15は、第4の実施形態の転流回路90の構成の一例を示す図である。転流回路90は、例えば、複数のダイオード(図示するダイオード91,92)と、複数のスイッチング部(スイッチング部93,94)と、コンデンサCとを備える。転流回路90が備える素子、および当該素子の接続関係は、第1の実施形態、変形例、および第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ダイオード91のアノードと、スイッチング部93のコレクタとの接続点は、第1線路における第2端子10bと第1端子20aとの間の箇所に接続されている。スイッチング部94のエミッタと、ダイオード92のカソードとの接続点は、第2接続点j2に接続される。転流回路90が設けられる線路は、「第2線路」の一例である。
転流回路90と、サイリスタ70とは、互いに並列に接続されている。具体的には、転流回路90が備えるダイオード91のアノードと、スイッチング部93のコレクタとが接続される箇所に、サイリスタ70のアノードが接続され、転流回路90が備えるスイッチング部94のエミッタと、ダイオード91のカソードとが接続される箇所に、サイリスタ70のカソードが接続されている。
上述した接続関係により、サイリスタ70は、オフの状態において、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2方向に流れる電流、および第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流の双方を遮断する。また、サイリスタ70は、オンの状態において、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容し(つまり、第1直流送電線路LN1から第2直流送電線路LN2の方向に電気的に導通させ)、第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断する。
図14に戻り、第1結合点j1と、第2接続点j2との間には、半導体遮断回路110と、第2ダイオード62とが互いに直列に接続されている。
図16は、第4の実施形態の半導体遮断回路110の構成の一例を示す図である。半導体遮断回路110は、半導体遮断器40と、アレスタ50とを備える。半導体遮断回路110が備える半導体遮断器40、およびアレスタ50の詳細と、半導体遮断器40、およびアレスタ50との接続関係は、第1の実施形態、変形例、および第2の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
半導体遮断器40の端部に位置するスイッチング部のコレクタは、第1直流送電線路LN1(第1結合点j1)に接続される。また、半導体遮断器40の他の端部に位置するスイッチング部のエミッタは、第2ダイオード62のアノードに接続されている。第2ダイオード62のカソードは、第2接続点j2に接続されている。半導体遮断器40、および第2ダイオード62が設けられる線路は、「第3線路」の一例である。
上述した接続関係により、第2ダイオード62は、第1直流送電線路LN1から各電力系統の第2直流送電線路LN2の方向に流れる電流を許容し、各電力系統の第2直流送電線路LN2から第1直流送電線路LN1の方向に流れる電流を遮断する。
制御部100cは、第1断路器10、機械式遮断器20、第2断路器30、および半導体遮断器40の開閉制御、サイリスタ70のオンとオフの切り替え制御、並びに転流回路90の動作の制御等を行う。
[動作(通常導通状態→遮断)]
直流電流遮断装置1によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・サイリスタ70:オフの状態
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
直流電流遮断装置1によって第1直流送電線路LN1と、第2直流送電線路LN2とが電気的に導通されている状態(以下、通常導通状態)において、各部は以下のような状態となっている。
・第1断路器10:閉状態
・機械式遮断器20:閉状態
・第2断路器30:閉状態
・半導体遮断器40:開状態(スイッチング素子がオフの状態)
・サイリスタ70:オフの状態
・転流回路90:オフの状態
・転流回路90が備えるコンデンサC:充電された状態
以下、A系統〜C系統のうち、A系統を他の系統から電気的に遮断する場合について説明する。この場合、図2に示されるフローチャートの処理は、第2ユニットと、遮断される電力系統(この場合、A系統)の第1ユニットとに対して行われる。なお、B系統、およびC系統を他の系統から電気的に遮断する場合、以降の「A系統」を「遮断する系統」に、符号の末尾の「A」を「遮断する系統の符号」に読み替えればよい。
図17は、第4の実施形態のステップS114における直流電流遮断装置4の状態を示す図である。ステップS114の状態では、転流回路90Aがオフの状態に制御されているため、第1方向dr1に流れる電流は、第1結合点j1、半導体遮断器40、第2ダイオード62、および第1ダイオード61Aを介して流れる第10経路rt10と、第1断路器10A、転流回路90Aのダイオード91、転流回路90AのコンデンサC、転流回路90Aのダイオード92、および第2断路器30Aを介して流れる第11経路rt11とに分岐する。ただし、第10経路rt10と、第11経路rt11とでは、第11経路rt11の方が電流が流れにくいため、第11経路rt11を第1方向dr1に流れる電流は、徐々に第10経路rt10に遷移する。第1方向dr1に流れる電流が、第10経路rt10に遷移することにより、第1断路器10は、遮断される(つまり、第1断路器10が機械的にも電気的にも開状態に制御される)。
図18は、第4の実施形態のステップS118における直流電流遮断装置4の状態を示す図である。ステップS118の状態では、サイリスタ70Aがオンの状態に制御されているため、第1方向dr1に流れる電流は、上述した第10経路rt10と、転流回路90Aをバイパスする経路であり、第1断路器10、サイリスタ70、リアクトル80、および第2断路器30を介して流れる第12経路rt12とに分岐する。
[遮断制御に関するまとめ]
ここで、仮にサイリスタ70が接続されていない直流遮断装置(以下、比較例装置)を想定すると、比較例装置が図17に示される状態になり、第11経路rt11を流れる電流が第10経路rt10に遷移するまでに時間を要する場合、転流回路が備えるコンデンサには、徐々に電荷が充電され、コンデンサ電圧が上昇する。転流回路は、コンデンサ電圧が所定の値以上になるまで充電されると、コンデンサやコンデンサの周辺素子(例えば、ダイオードやスイッチング部)が破損する場合がある。
ここで、仮にサイリスタ70が接続されていない直流遮断装置(以下、比較例装置)を想定すると、比較例装置が図17に示される状態になり、第11経路rt11を流れる電流が第10経路rt10に遷移するまでに時間を要する場合、転流回路が備えるコンデンサには、徐々に電荷が充電され、コンデンサ電圧が上昇する。転流回路は、コンデンサ電圧が所定の値以上になるまで充電されると、コンデンサやコンデンサの周辺素子(例えば、ダイオードやスイッチング部)が破損する場合がある。
この点、本実施形態の直流電流遮断装置4は、転流回路90Aに並列に接続されているサイリスタ70Aを備える。本実施形態の直流電流遮断装置4は、サイリスタ70Aのオンの状態において、転流回路90Aに流れる電流をバイパスし、転流回路90AのコンデンサCが過充電されることを防ぐ。したがって、本実施形態の直流電流遮断装置4によれば、転流回路90Aの破損を抑制することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、実施形態の直流電流遮断装置は、複数の第1ユニットと、第2ユニットとを持つ。前記第1ユニットは、第1結合点において第1直流送電線路が結合される。また、前記第1ユニットは、第1断路器と、機械式遮断器と、転流回路と、第1ダイオードと、スイッチング要素とを持つ。前記第1断路器は、第1端が前記第1結合点に接続される。前記機械式遮断器は、第2端が第2直流送電線路に接続され、前記第1結合点と前記第2直流送電線路との間を接続する第1線路に前記第1断路器と直列に設けられる。前記転流回路および前記第1ダイオードとは、前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2直流送電線路に接続される第2線路に互いに直列に設けられる。前記スイッチング要素は、前記転流回路に並列に設けられる。前記第2ユニットは、半導体遮断器と、第2ダイオードとを持つ。前記半導体遮断器と、前記第2ダイオードとは、前記第2線路における前記転流回路と前記第1ダイオードとの間の箇所と、前記第1結合点とを接続する第3線路に互いに直列に設けられる。前記半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第2直流送電線路から前記第1直流送電線路に流れる電流を許容し、前記第1ダイオードおよび前記第2ダイオードは、前記第2直流送電線路から前記半導体遮断器に流れる電流を選択的に遮断し、前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、1a、2、3、4…直流電流遮断装置、10…第1断路器、20…機械式遮断器、30…第2断路器、40…半導体遮断器、40a…第1半導体遮断器、40b…第2半導体遮断器、50…アレスタ、50a…第1アレスタ、50b…第2アレスタ、60…ダイオード、61…第1ダイオード、62…第2ダイオード、70…サイリスタ、70a…第1サイリスタ、70b…第2サイリスタ、72…機械式スイッチ、80…リアクトル、90、90a…転流回路、91…ダイオード、92…ダイオード、93、94、95、96…スイッチング部、100、100a、100b、100c…制御部、110…半導体遮断回路、C…コンデンサ、dr1…第1方向、dr2…第2方向、j1…第1結合点、j2…第2接続点、LN1…第1直流送電線路、LN2…第2直流送電線路
Claims (7)
- 第1端が第1直流送電線路に接続される第1断路器と、
第2端が第2直流送電線路に接続される第2断路器と、
前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられた機械式遮断器と、
前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2断路器の第1端に接続される第2線路に設けられた転流回路と、
前記第1断路器の第1端側と、前記第2線路における前記転流回路と前記第2断路器との間の箇所とを接続する第3線路に互いに直列に設けられた半導体遮断器およびダイオードと、
前記転流回路と並列に設けられたスイッチング要素と、を備え、
前記半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容し、
前記ダイオードは、前記第2直流送電線路の方向から前記半導体遮断器に流れる電流を選択的に遮断し、
前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる、
直流電流遮断装置。 - 前記転流回路が備えるコンデンサの充電状態に基づいて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる状態に前記スイッチング要素を制御する制御部を更に備える、
請求項1に記載の直流電流遮断装置。 - 第1端が第1直流送電線路に接続される第1断路器と、
第2端が第2直流送電線路に接続される第2断路器と、
前記第1断路器の第2端と、前記第2断路器の第1端とを接続する第1線路に設けられた機械式遮断器と、
前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2断路器の第1端に接続される第2線路に設けられた転流回路と、
前記第1断路器の第1端側と、前記第2線路における前記転流回路と前記第2断路器との間の箇所とを接続する第3線路に互いに直列に設けられた第1半導体遮断器、および第2半導体遮断器と、
前記転流回路と並列に設けられたスイッチング要素と、を備え、
前記第1半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容し、
前記第2半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第2直流送電線路から前記第1直流送電線路に流れる電流を許容し、
前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向、または前記第2直流送電線路から前記第1直流送電線路の方向に電気的に導通させる、
直流電流遮断装置。 - 前記転流回路が備えるコンデンサの充電状態に基づいて、前記転流回路に流れる電流をバイパスする状態に前記スイッチング要素を制御する制御部を更に備える、
請求項3に記載の直流電流遮断装置。 - 第1結合点において第1直流送電線路が結合される複数の第1ユニットと、
第2ユニットと、
を備え、
前記第1ユニットは、
第1端が前記第1結合点に接続される第1断路器と、
第2端が第2直流送電線路に接続され、前記第1結合点と前記第2直流送電線路との間を接続する第1線路に前記第1断路器と直列に設けられた機械式遮断器と、
前記第1線路における前記第1断路器と前記機械式遮断器との間の箇所から分岐して前記第2直流送電線路に接続される第2線路に互いに直列に設けられた転流回路および第1ダイオードと、
前記転流回路に並列に設けられたスイッチング要素と、を備え、
前記第2ユニットは、
前記第2線路における前記転流回路と前記第1ダイオードとの間の箇所と、前記第1結合点とを接続する第3線路に互いに直列に設けられた半導体遮断器および第2ダイオードと、を備え、
前記半導体遮断器は、与えられた信号に応じて、前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路に流れる電流を許容し、
前記第1ダイオードおよび前記第2ダイオードは、前記第2直流送電線路から前記半導体遮断器に流れる電流を選択的に遮断し、
前記スイッチング要素は、与えられた信号に応じて、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる、
直流電流遮断装置。 - 前記転流回路が備えるコンデンサの充電状態に基づいて、当該転流回路に並列に接続される前記スイッチング要素の状態を、少なくとも前記第1直流送電線路から前記第2直流送電線路の方向に電気的に導通させる状態にそれぞれ制御する制御部を更に備える、
請求項5に記載の直流電流遮断装置。 - 前記スイッチング要素は、サイリスタである、
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の直流電流遮断装置。
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JP2018133531A JP2020013657A (ja) | 2018-07-13 | 2018-07-13 | 直流電流遮断装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021119859A (ja) * | 2020-01-30 | 2021-08-19 | 株式会社大都技研 | 遊技台 |
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WO2022157824A1 (ja) * | 2021-01-19 | 2022-07-28 | 株式会社東芝 | 直流電流遮断装置 |
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