JP7134375B1 - 直流遮断器 - Google Patents

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Abstract

直流遮断器(1)は、第1の遮断ユニット(3)と第2の遮断ユニット(4)とを有する。第1の遮断ユニット(3)は、直流線路(2)に挿入された第1の遮断器と、共振電流を発生する共振回路部(6)とを有し、直流線路(2)を流れる直流電流に共振電流を重畳させることにより電流零点を形成するとともに第1の遮断器が開くことによって直流電流を遮断する。第2の遮断ユニット(4)は、半導体素子(15)を有し、半導体素子(15)の通電がオンであるときに直流電流が流れ、半導体素子(15)の通電がオンからオフに切り換わることによって直流電流を遮断する。

Description

本開示は、直流電流を遮断する直流遮断器に関する。
直流遮断器を多端子高電圧直流(High Voltage Direct Current:HVDC)送電に適用する場合、系統にて地絡または短絡といった事故が発生した際において一定時間内に直流電流を遮断することが要求される。多端子HVDC系統において、交流系統と直流系統とを結ぶコンバータが運転可能な電圧の閾値よりも直流系統電圧が下回ると、コンバータが運転を停止し、系統崩壊を引き起こす。したがって、事故が発生した場合において多端子HVDC送電の系統の運用を維持するためには、事故発生後、直流遮断器によって速やかに直流電流を遮断し、直流系統電圧が閾値以下に低下することを防ぐ必要がある。
直流電流は、交流電流とは異なり電流零点が存在しない。このため、直流電流を遮断するには、主遮断器の極間に強制的に電流零点を形成することが行われる。特許文献1には、直流線路に挿入された主遮断器と、コンデンサ、リアクトルおよび投入スイッチを含む共振回路部とを有し、共振回路部で発生させた共振電流を直流電流に重畳することによって電流零点を形成し、電流零点において直流電流を遮断する直流遮断器が開示されている。
特開昭58-34525号公報
直流遮断器は、直流電流を遮断した後に、系統の送電を再開するために主遮断器を即座に閉じること、すなわち高速度再閉路が可能であることが望まれる。また、再閉路の直後に再び事故が発生した場合、直流遮断器は、直流電流を即座に遮断する必要がある。しかしながら、特許文献1に開示される従来の直流遮断器は、直流電流の遮断に際し、事前にコンデンサを充電しておかなければならないという制約があるため、高速度再閉路の実現が困難という問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、高速度再閉路の実現を可能とする直流遮断器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる直流遮断器は、第1の遮断ユニットと第2の遮断ユニットとを備える。第1の遮断ユニットは、直流線路に挿入された第1の遮断器と、共振電流を発生する共振回路部とを有し、直流線路を流れる直流電流に共振電流を重畳させることにより電流零点を形成するとともに第1の遮断器が開くことによって直流電流を遮断する。第2の遮断ユニットは、第1の遮断器に直列に接続されている半導体素子を有し、半導体素子の通電がオンであるときに直流電流が流れ、半導体素子の通電がオンからオフに切り換わることによって直流電流を遮断する。第1の遮断ユニットは、直流線路に挿入されて第1の遮断器に直列に接続されている第2の遮断器を有する。半導体素子は、第2の遮断器に並列に接続されている。
本開示にかかる直流遮断器は、高速度再閉路を実現することができる、という効果を奏する。
実施の形態1にかかる直流遮断器の回路構成例を示す図 実施の形態1にかかる直流遮断器が有する制御装置のハードウェア構成の例を示す図 実施の形態1にかかる直流遮断器が有する第1の遮断ユニットにおける電流および電圧の推移とエネルギーの処理とについて説明するための図 実施の形態1にかかる直流遮断器の状態の遷移について説明するための第1の図 実施の形態1にかかる直流遮断器の状態の遷移について説明するための第2の図 実施の形態1にかかる直流遮断器の動作を表したタイミングチャート
以下に、実施の形態にかかる直流遮断器を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる直流遮断器1の回路構成例を示す図である。直流遮断器1は、電力系統の直流線路2に設けられている。実施の形態1において、電力系統は、多端子HVDC送電を行う電力系統である。直流遮断器1は、直流線路2における短絡または地絡といった事故の発生時に直流電流を遮断することによって、電力系統を保護する。
直流遮断器1は、第1の遮断ユニット3と、第2の遮断ユニット4と、直流遮断器1の全体を制御する制御装置18とを有する。第1の遮断ユニット3は、機械式の直流遮断器(Direct Current Circuit Breaker:DCCB)である。第2の遮断ユニット4は、半導体遮断器である。
第1の遮断ユニット3は、第1の遮断器である主遮断器5と、共振電流を発生する共振回路部6と、充電回路部7と、第2の遮断器である補助遮断器8と、第1のエネルギー処理部である避雷器14とを有する。共振回路部6は、リアクトル9と、コンデンサ10と、投入スイッチ11とを有する。充電回路部7は、充電スイッチ12と、充電抵抗13とを有する。第1の遮断ユニット3は、直流線路2を流れる直流電流に共振電流を重畳させることにより電流零点を形成するとともに主遮断器5が開くことによって直流電流を遮断する。
主遮断器5は、直流線路2に挿入されている。主遮断器5は、共振電流と直流電流とが互いに打ち消し合うことによって形成される電流零点において、直流電流を遮断する。すなわち、主遮断器5は、強制消弧方式によって直流電流を遮断する。主遮断器5は、高速な遮断を可能とするため、周波数の高い電流遮断に優れる遮断器が候補として挙げられ、例えば真空遮断器(Vacuum Circuit Breaker:VCB)である。主遮断器5は、VCB以外の遮断器、例えばガス遮断器でも良い。
リアクトル9と、コンデンサ10と、投入スイッチ11とは、互いに直列に接続されている。リアクトル9と、コンデンサ10と、投入スイッチ11とは、主遮断器5に並列に接続されている。リアクトル9と、コンデンサ10とは、コンデンサ10の放電により共振電流を生成する。投入スイッチ11は、電流零点の形成のための投入を行うスイッチである。
充電回路部7は、コンデンサ10を直流線路2の直流電位で充電する。充電スイッチ12と充電抵抗13とは、互いに直列に接続されている。充電抵抗13は接地されている。避雷器14は、コンデンサ10および投入スイッチ11に並列に接続されている。なお、第1の遮断ユニット3は、直流線路2の直流電位でコンデンサ10を充電するものに限られない。第1の遮断ユニット3は、外部電源などによってコンデンサ10を充電するものであっても良い。
避雷器14は、主遮断器5が直流電流を遮断した後に系統に残留するエネルギーを処理する。避雷器14は、第1の遮断ユニット3の耐電圧仕様に基づいた電圧レベルまでに過電圧を抑制する。
補助遮断器8は、直流線路2に挿入されている。補助遮断器8は、主遮断器5に直列に接続されている。補助遮断器8は、主遮断器5が直流電流を遮断した後に避雷器14を介して流れる残留電流を遮断する。
第2の遮断ユニット4は、複数の半導体素子15と、第3の遮断器である補助遮断器16と、第2のエネルギー処理部である避雷器17とを有する。第2の遮断ユニット4は、各半導体素子15の通電がオンであるときに直流電流が流れ、各半導体素子15の通電がオンからオフに切り換わることによって直流電流を遮断する。
各半導体素子15は、互いに直列に接続されている。複数の半導体素子15は、補助遮断器8に並列に接続されている。各半導体素子15は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。第2の遮断ユニット4に備えられる半導体素子15の数は任意である。複数の半導体素子15は、双方向に通電できるように配置されている。すなわち、複数の半導体素子15は、通電方向が互いに異なる半導体素子15を含む。以下、複数の半導体素子15を半導体素子群とも称する。
避雷器17は、複数の半導体素子15に並列に接続されている。避雷器17は、半導体素子群が直流電流を遮断した後に系統に残留するエネルギーを処理する。避雷器17は、第2の遮断ユニット4の耐電圧仕様に基づいた電圧レベルまでに過電圧を抑制する。
補助遮断器16は、直流線路2に挿入されている。補助遮断器16は、補助遮断器8に直列に接続されている。補助遮断器16は、半導体素子群が直流電流を遮断した後に避雷器17を介して流れる残留電流を遮断する。
制御装置18は、主遮断器5、補助遮断器8、投入スイッチ11、充電スイッチ12および補助遮断器16の各々の開閉を制御する。また、制御装置18は、第2の遮断ユニット4が有する複数の半導体素子15の各々について、通電のオンおよびオフの切り換えを制御する。
図2は、実施の形態1にかかる直流遮断器1が有する制御装置18のハードウェア構成の例を示す図である。図2には、プログラムを実行するハードウェアを用いることによって制御装置18の機能が実現される場合におけるハードウェア構成を示している。図2に示す処理回路20は、プロセッサ21とメモリ22とを有する。処理回路20は、制御回路とも呼ばれる。制御装置18の機能は、処理回路20の使用により実現される。プロセッサ21とメモリ22とインタフェース23とは、バスを介して相互に接続されている。
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ21は、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)でも良い。メモリ22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。メモリ22には、制御装置18として動作するためのプログラムが格納される。処理回路20は、メモリ22に格納されているプログラムをプロセッサ21が読み出して実行することにより、制御装置18の機能を実現する。
インタフェース23は、信号の入力と信号の出力とを担う入出力回路である。インタフェース23は、主遮断器5、補助遮断器8、投入スイッチ11、充電スイッチ12、半導体素子15および補助遮断器16の各々へ指令を出力する。また、インタフェース23には、事故電流が検出されたことを示す信号が直流遮断器1の外部から入力される。事故電流は、事故の発生時に流れる直流電流である。
図2に示す構成は、汎用のプロセッサ21およびメモリ22により制御装置18の機能を実現する場合のハードウェアの例であるが、プロセッサ21およびメモリ22の代わりに専用の処理回路で制御装置18の機能を実現しても良い。専用の処理回路は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路である。なお、制御装置18の機能の一部をプロセッサ21およびメモリ22で実現し、残りを専用の処理回路で実現しても良い。
図3は、実施の形態1にかかる直流遮断器1が有する第1の遮断ユニット3における電流および電圧の推移とエネルギーの処理とについて説明するための図である。図3には、電流Iの推移を表すグラフと、電圧Vの推移を表すグラフと、エネルギーEの推移を表すグラフとを示す。電流Iは、主遮断器5の極間に流れる電流である。電圧Vは、主遮断器5の極間に印加される電圧である。エネルギーEは、避雷器14によって処理されるエネルギーである。電流Iの推移を表すグラフにおいて、破線で示すグラフは、避雷器14と補助遮断器8とに流れる残留電流の推移を示す。各グラフの横軸tは時刻を表す。
定常時において、主遮断器5、補助遮断器8および補助遮断器16はいずれも閉じており、直流線路2に直流電流が流れる。定常時において、投入スイッチ11は開いている。時刻t1において事故が発生してから、定常時の電流よりも大きい事故電流が直流線路2に流れることによって、電流Iは増加する。直流系統における通電電流は、交流系統における通電電流とは異なり、周期的に電流零点を形成することが無い。このため、直流遮断器1は、何らかの方法で電流零点を形成して電流を遮断する必要がある。
時刻t2において、主遮断器5が開き、かつ投入スイッチ11が閉じる。投入スイッチ11が閉じると、コンデンサ10の放電によってコンデンサ10およびリアクトル9が共振電流を発生させる。リアクトル9、コンデンサ10、投入スイッチ11および主遮断器5を含むループに共振電流が流れることによって、共振電流が事故電流に重畳する。事故電流の向きとは逆向きの共振電流が事故電流に重畳することによって、時刻t3において電流零点が形成される。このようにして、第1の遮断ユニット3は、電流零点を形成させて、強制的に事故電流を遮断する。
強制的に事故電流を遮断することによって、系統には、1/2×LIと表される電磁エネルギーが残留する。Lはインダクタンス、Iは電流であるものとする。避雷器14は、時刻t3以降において、ある電圧値まで電圧Vが上昇したときにエネルギーの処理を開始する。避雷器14は、時刻t4までエネルギーを処理することによって、電圧Vの上昇を抑制する。このようにして、第1の遮断ユニット3は、過電圧を抑制する。
避雷器14がエネルギーを処理しているとき、避雷器14を介して残留電流が流れる。残留電流が電流零点に到達したときに補助遮断器8が開くことによって、補助遮断器8は、残留電流を遮断する。これにより、第1の遮断ユニット3による事故電流の処理が完了する。
直流遮断器1は、第1の遮断ユニット3が事故電流の処理を完了すると、系統の送電を再開するための再閉路を行う。直流遮断器1は、第1の遮断ユニット3および第2の遮断ユニット4により再閉路を行う。直流遮断器1は、再閉路の後、コンデンサ10が充電中である期間に再び事故が発生した場合に、第2の遮断ユニット4によって事故電流を遮断する。このため、直流遮断器1は、コンデンサ10の充電完了を待つことなく、再閉路および事故電流の遮断が可能となる。
次に、直流遮断器1の動作について説明する。図4は、実施の形態1にかかる直流遮断器1の状態の遷移について説明するための第1の図である。図5は、実施の形態1にかかる直流遮断器1の状態の遷移について説明するための第2の図である。図6は、実施の形態1にかかる直流遮断器1の動作を表したタイミングチャートである。
図4および図5に示す(a)から(j)は、第1の遮断ユニット3による事故電流の遮断と、第1の遮断ユニット3および第2の遮断ユニット4による再閉路と、第2の遮断ユニット4による事故電流の遮断とを経て定常状態に戻るまでにおいて、直流遮断器1の状態が遷移する様子を表す。図4および図5における破線矢印は、電流の経路を表す。定常時は、系統の送電が正常に行われている時とする。定常状態は、定常時における直流遮断器1の状態とする。
図6に示すタイミングチャートは、主遮断器5と、投入スイッチ11と、補助遮断器8と、半導体素子15と、補助遮断器16との各々の状態を表す。ここでは、半導体素子15の状態とは、半導体素子群の各半導体素子15の状態を指すものとする。また、図6の下部には、直流線路2に流れる電流の推移を表すグラフを示す。図6に示す(a)から(i)は、図4および図5の(a)から(i)に対応している。
図6のタイミングチャートにおいて、「O」は、電気回路の遮断、すなわち開極を表し、「C」は、電気回路の閉極を表す。「O」は、主遮断器5、補助遮断器8、投入スイッチ11および補助遮断器16の各々の開極信号を意味するものではない。「C」は、主遮断器5、補助遮断器8、投入スイッチ11および補助遮断器16の各々の閉極信号を意味するものではない。図6のタイミングチャートにおいて、半導体素子15については、「ON」は通電がオンである状態を表し、「OFF」は通電がオフである状態を表す。主遮断器5と、補助遮断器8と、投入スイッチ11と、充電スイッチ12と、補助遮断器16との各々は、制御装置18からの指令に従って、開動作と閉動作とを行う。半導体素子15は、制御装置18からの指令に従って、通電のオンおよびオフを切り換える。なお、充電スイッチ12は常時閉極とするため、図6では、充電スイッチ12の動作についての図示は省略する。
図4の(a)は、時刻t11よりも前における直流遮断器1の状態、すなわち定常時における直流遮断器1の状態を示す。定常時において、主遮断器5と、補助遮断器8と、補助遮断器16とは、いずれも閉じている。定常時において、投入スイッチ11は開いている。定常時において、半導体素子15の通電はオフである。
図6に示す時刻t11は、事故が発生した時刻とする。時刻t11からは、直流線路2に事故電流が流れることによって、直流線路2に流れる電流が上昇する。時刻t12において、主遮断器5が開き、かつ投入スイッチ11が閉じる。これにより、直流遮断器1は、図4の(b)に示す状態となる。図3を参照して説明したように、第1の遮断ユニット3は、直流電流の共振電流を重畳させることにより電流零点を形成し、かつ主遮断器5が開くことによって直流電流を遮断する。時刻t12において直流電流がゼロとなり、直流電流が遮断される。時刻t13において補助遮断器8が開くことによって、第1の遮断ユニット3は、残留電流を遮断する。これにより、第1の遮断ユニット3による事故処理が完了する。
時刻t14では、図4の(c)に示すように、主遮断器5が閉じ、かつ投入スイッチ11が開くことによって、第1の遮断ユニット3のうち主遮断器5および投入スイッチ11は定常時と同じ状態に戻る。補助遮断器8は、開いた状態を維持する。第1の遮断ユニット3は、時刻t14において、直流線路2に接続されるため、コンデンサ10の充電を開始する。
時刻t15では、図4の(d)に示すように、半導体素子15の通電がオンになる。主遮断器5が直流電流を遮断する時刻t13において補助遮断器8が開き、主遮断器5が直流電流を遮断した後の時刻t15に半導体素子15の通電がオフからオンに切り換わることによって、直流線路2と半導体素子15とを通る電流の経路が形成される。このようにして、直流遮断器1は、系統の送電を再開するための再閉路を行う。直流遮断器1は、後述するように半導体素子15の通電をオンからオフに切り換えることによって直流電流を遮断することができるため、コンデンサ10の充電完了を待つことなく、再閉路を行うことができる。直流遮断器1は、事故電流の遮断時である時刻t13から再閉路が行われる時刻t15までの期間を短くすることができる。
ここで、再閉路と同時に事故が再度発生したとする。すなわち再閉路が失敗したとする。時刻t16では、図4の(e)に示すように、半導体素子15の通電がオフになる。半導体素子15の通電がオフになることによって、時刻t16において直流電流がゼロとなり、直流電流が遮断される。これにより、第2の遮断ユニット4は、事故電流を遮断する。このように、直流遮断器1は、コンデンサ10の充電完了を待たずに、事故電流を遮断することができる。第2の遮断ユニット4は、半導体素子15の通電をオンからオフに切り換えることによって事故電流を遮断するため、機械式スイッチを用いる場合に比べて事故電流を高速に遮断することができる。
事故電流を遮断することによって、系統には過電圧が印加される。図5の(f)に示すように、避雷器17には残留電流が流れる。避雷器17は、避雷器14の場合と同様にエネルギーを処理する。このようにして、第2の遮断ユニット4は、過電圧を抑制する。時刻t17において補助遮断器16が開くことによって、第2の遮断ユニット4は、残留電流を遮断する。これにより、第2の遮断ユニット4による事故電流の処理が完了する。
直流遮断器1は、第2の遮断ユニット4が事故電流の処理を完了すると、系統の送電を再開するための再閉路を行う。時刻t18では、図5の(g)に示すように、半導体素子15の通電がオンになり、かつ補助遮断器16が閉じる。これにより、直流遮断器1は、図4の(d)と同じ状態となる。直流遮断器1は、半導体素子15の通電をオンにすることによって再閉路を行うため、機械式スイッチを用いる場合に比べて再閉路を高速に行うことができる。直流遮断器1は、事故電流の遮断時である時刻t17から再閉路が行われる時刻t18までの期間を短くすることができる。
制御装置18は、コンデンサ10の充電電圧を監視した結果を基に、満充電を確認する。コンデンサ10の充電が完了すると、図5の(h)に示すように、補助遮断器8が閉じる。半導体素子15のオン抵抗よりも、補助遮断器8が閉じている状態における補助遮断器8の抵抗のほうが小さいため、半導体素子15を通る経路から補助遮断器8を通る経路へ、直流電流の経路が移る。その後、図5の(i)に示すように、半導体素子15の通電がオフになる。これにより、図5の(j)に示すように、直流遮断器1は、定常状態に戻る。なお、直流遮断器1は、図4の(d)に示す再閉路からコンデンサ10の充電完了までの間において事故が発生しなかった場合、図4の(d)に示す状態から直接、図5の(h)に示す状態へ遷移する。
直流遮断器1は、第1の遮断ユニット3による遮断の後に、コンデンサ10の充電が完了するよりも前に、再閉路を行うことができる。これにより、直流遮断器1は、再閉路のためにコンデンサ10の充電が必要である場合に比べて、高速度再閉路を容易に実現することができる。
直流遮断器1は、再閉路の失敗により事故電流を再度遮断する際に、半導体素子15の通電をオフにすることよって事故電流を遮断するため、機械式スイッチを用いる場合に比べて事故電流を高速に遮断することができる。また、直流遮断器1は、事故電流を遮断した後に、半導体素子15の通電をオンにすることによって再閉路を行うため、機械式スイッチを用いる場合に比べて再閉路を高速に行うことができる。これにより、直流遮断器1は、高速度再閉路を実現することができる。
なお、直流遮断器1は、第2の遮断ユニット4が事故処理を完了した後の再閉路の際に再び事故が発生した場合、図4の(e)から図5の(g)までの状態遷移を繰り返す。直流遮断器1は、図4の(e)から図5の(g)までの状態遷移を繰り返すことによって、事故電流の高速な遮断と高速度再閉路とを繰り返し行うことができる。なお、直流遮断器1は、再閉路が連続して失敗した回数があらかじめ設定された上限値を超えた場合に、再閉路の繰り返しを停止しても良い。
第2の遮断ユニット4による事故電流の遮断を、第1の遮断ユニット3による事故電流の遮断よりも高速にできることによって、第2の遮断ユニット4による遮断時における事故電流は、第1の遮断ユニット3による遮断時における事故電流よりも小さくなる。すなわち、図6に示すように、事故の発生から電流零点が形成されるまでにおける電流波形は、第1の遮断ユニット3が事故電流を遮断する場合よりも、第2の遮断ユニット4が事故電流を遮断する場合のほうが小さい。このため、第1の遮断ユニット3の避雷器14が処理するエネルギーよりも、第2の遮断ユニット4の避雷器17が処理するエネルギーのほうが小さい。第2の遮断ユニット4には、避雷器14よりも処理可能なエネルギーが小さい避雷器17を使用することができる。これにより、直流遮断器1は、小型で、かつ信頼性が高い避雷器17を第2の遮断ユニット4に使用することが可能となる。
HVDC送電に用いる直流遮断器について、高速度再閉路に関する工業規格は、現状では規定されていない。一方、交流遮断器においては、国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission:IEC)の一規格であるIEC62271-100において、直流電流の遮断から投入までの時間は、「Dead Time」という名称で規定されている。Dead Timeの典型的な値の例は、300msである。すなわち、従来の交流遮断器は、300ms程度での高速度再閉路を行うことが要求される。従来の交流遮断器が、高速度再閉路に対して300ms程度の高速動作が要求されていることから、HVDC送電に用いる直流遮断器においても、同様な高速動作が要求される可能性がある。
実施の形態1にかかる直流遮断器1は、上述するように、事故電流の遮断時である時刻t13から再閉路が行われる時刻t15までの期間を短くすることができる。また、直流遮断器1は、事故電流の遮断時である時刻t17から再閉路が行われる時刻t18までの期間を短くすることができる。これにより、直流遮断器1は、交流遮断器に要求される高速度再閉路と同等の高速度再閉路を容易に実現することが可能となる。
実施の形態1によると、直流遮断器1は、直流電流に共振電流を重畳させることにより電流零点を形成するとともに主遮断器5が開くことによって直流電流を遮断する第1の遮断ユニット3と、半導体素子15を有する第2の遮断ユニット4とを備える。第2の遮断ユニット4は、半導体素子15の通電がオンであるときに直流電流が流れ、半導体素子15の通電がオンからオフに切り換わることによって直流電流を遮断する。直流遮断器1は、半導体素子15の通電のオンおよびオフを切り換えることによって、共振電流を発生させるための充電が完了する前に、再閉路と事故電流の遮断とを行うことができる。また、直流遮断器1は、事故電流を遮断した後における再閉路を高速に行うことができる。以上により、直流遮断器1は、高速度再閉路を実現することができるという効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。実施の形態の構成は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
1 直流遮断器、2 直流線路、3 第1の遮断ユニット、4 第2の遮断ユニット、5 主遮断器、6 共振回路部、7 充電回路部、8,16 補助遮断器、9 リアクトル、10 コンデンサ、11 投入スイッチ、12 充電スイッチ、13 充電抵抗、14,17 避雷器、15 半導体素子、18 制御装置、20 処理回路、21 プロセッサ、22 メモリ、23 インタフェース。

Claims (4)

  1. 直流線路に挿入された第1の遮断器と、共振電流を発生する共振回路部とを有し、前記直流線路を流れる直流電流に前記共振電流を重畳させることにより電流零点を形成するとともに前記第1の遮断器が開くことによって前記直流電流を遮断する第1の遮断ユニットと、
    前記第1の遮断器に直列に接続されている半導体素子を有し、前記半導体素子の通電がオンであるときに前記直流電流が流れ、前記半導体素子の通電がオンからオフに切り換わることによって前記直流電流を遮断する第2の遮断ユニットと、
    を備え、
    前記第1の遮断ユニットは、前記直流線路に挿入されて前記第1の遮断器に直列に接続されている第2の遮断器を有し、
    前記半導体素子は、前記第2の遮断器に並列に接続されていることを特徴とする直流遮断器。
  2. 前記第1の遮断器が前記直流電流を遮断する際に前記第2の遮断器が開き、
    前記第1の遮断器が前記直流電流を遮断した後に、前記半導体素子の通電がオフからオンに切り換わることを特徴とする請求項に記載の直流遮断器。
  3. 前記共振回路部は、前記第1の遮断器に並列に接続されたコンデンサおよびリアクトルを有し、前記コンデンサの放電によって前記コンデンサおよび前記リアクトルが前記共振電流を発生させ、
    前記第1の遮断器が前記直流電流を遮断した後に前記コンデンサの充電が完了してから、前記第2の遮断器が閉じ、かつ前記半導体素子の通電がオンからオフに切り換わることを特徴とする請求項またはに記載の直流遮断器。
  4. 前記第1の遮断ユニットは、前記コンデンサに並列に接続されており過電圧を抑制するための第1のエネルギー処理部を有し、
    前記第2の遮断ユニットは、前記半導体素子に並列に接続されており過電圧を抑制するための第2のエネルギー処理部を有することを特徴とする請求項に記載の直流遮断器。
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