JP2018195565A - 直流遮断装置 - Google Patents

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【課題】直流遮断装置において、コンデンサ容量を増加させずにより確実に双方向の電流を遮断する。【解決手段】第1直流系統1の+端子と第2直流系統2の+端子との間に第1,第2機械遮断器CB1,CB2が接続される。第1直流系統1の+端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に第1半導体スイッチング素子T1の一端が接続される。第1半導体スイッチング素子T1の他端に第2半導体スイッチング素子T2の一端が接続される。第2半導体スイッチング素子T2の他端は第2直流系統2の+端子に接続される。第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点と第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2の共通接続点との間にコンデンサCが接続される。コンデンサCに第1リアクトルL1が直列接続される。第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2の共通接続点と第1,第2直流系統1,2の−端子との間にインピーダンスが接続される。【選択図】図1

Description

本発明は、定常時の電力損失が小さく、双方向の直流電流を遮断できる直流遮断装置に関する。
交流電流を遮断する交流遮断装置は、機械遮断器閉極時(定常時)は導体として機能するため通電しており、事故発生時は機械遮断器を開極する。機械遮断器開極時はアークが発生するが、電流零点でアークを消弧できるため電流遮断が可能となる。
また、遮断状態は絶縁体として機能するため電流は流れない。この交流遮断装置は主にガス遮断器や真空遮断器が利用されており、アークを消弧する媒体は異なるものの、どちらも電流零点でアークを消弧する方式が採用されている。
しかし、直流電流を遮断する直流遮断装置の場合は交流電流と異なり電流零点が生じないため、機械遮断器開極時に発生するアークを消弧できず、接点の損傷または遮断失敗となる。
そのため、直流遮断装置は電流零点を生じさせる補助回路等が必要となる。このような補助回路を備えた遮断方式として、特許文献1が開示されている。特許文献1の装置は単方向の電流遮断に対応した構成である。
再生可能エネルギーの活用や安定した電力の需給など、ネットワーク化された直流送配電システムにおいては、一本の経路に双方向の電流が流れるケースが考えられるため、双方向電流遮断技術が必要となる。
特開2016−28378号公報 特許第6049957号公報
特許文献1において電流を迂回させる補助回路の構成は、コンデンサとダイオードである。しかし、電流がダイオードを通過する際には電圧降下が生じる。この電圧降下がアーク維持電圧よりも大きい場合、電流は開極した機械遮断器を流れ続けアークを消弧できず電流遮断に失敗してしまう。
特に高圧系統に適用する場合、耐圧の高いダイオードや複数のダイオードを直列接続して用いると、ダイオードでの電圧降下が大きくなり、電流遮断に失敗する恐れが増大する。
さらに、ダイオードの他にも補助回路には寄生抵抗や寄生インダクタンス成分があり、機械遮断器の開極と同時にすべての電流を補助回路に迂回させるのは困難である。開極から少しでも時間がたつと、機械遮断器から一部だけ迂回した電流が補助回路に流れコンデンサを充電してしまい、コンデンサ電圧とダイオード電圧降下分の電圧の和が機械遮断器に印加され、アーク消弧が困難になってしまう。
図26に問題となる動作を示す。図26(a)は直流遮断装置から、第2直流系統2の短絡電流を遮断する際に関係する素子のみを抽出し、補助回路に寄生インダクタンスを加えた回路図である。
図26(b)は補助回路におけるダイオードの電圧降下やインダクタンスを無視した時の各波形を示すタイムチャートである。時刻t1で機械遮断器CBを開極すると、機械遮断器両端電圧Vcbにはコンデンサ電圧のみが印加され、時刻t1では零である。そのため、アークは発生せず電流はすべて補助回路に迂回され、電流を遮断することができる。
図26(c)は補助回路におけるダイオードの電圧降下やインダクタンスを考慮したときの各波形を示すタイムチャートである。時刻t1において、機械遮断器両端電圧Vcbには補助回路のコンデンサ電圧の他にダイオードの電圧降下と寄生インダクタンス電圧の和が印加される。また、寄生インダクタンスにより補助回路電流Iauxは有限の傾きで増加し、機械遮断器通過電流Icbも同じ傾きで減少する。
時刻t1以降は補助回路電流IauxによりコンデンサCが充電され、機械遮断器両端電圧Vcbはさらに増加する。ここで、機械遮断器通過電流Icbが十分小さくなる前に機械遮断器両端電圧Vcbがアーク保持電圧を超えてしまうと(図26では時刻t2)、アークを消弧できなくなり電流は機械遮断器CBを通過し続け、遮断に失敗してしまう。
対策として、補助回路のコンデンサ容量を増加し、機械遮断器開極時の両端電圧を緩やかに上昇させる方法がある。しかし、これは図26において時刻t1以降の機械遮断器両端電圧Vcb増加量を低減するだけであり、時刻t1における機械遮断器両端電圧Vcb増加を低減する効果はない。また、コンデンサ容量を増加すると、コスト・装置容積が増加してしまう問題点もある。
以上示したようなことから、直流遮断装置において、コンデンサ容量を増加させずにより確実に双方向の電流を遮断することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、第1直流系統の+端子と第2直流系統の+端子との間に直列接続された第1,第2機械遮断器と、第1半導体スイッチング素子を有し、前記第1直流系統の+端子と前記第1機械遮断器の共通接続点に一端が接続された第1補助回路電流スイッチ部と、第2半導体スイッチング素子を有し、前記第1補助回路電流スイッチ部の他端に一端が接続され、他端が前記第2直流系統の+端子と前記第2機械遮断器の共通接続点に接続された第2補助回路電流スイッチ部と、前記第1,第2機械遮断器の共通接続点と前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点との間に接続されたコンデンサと、前記コンデンサに直列接続された第1リアクトルと、前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点と前記第1,第2直流系統の−端子との間に接続されたインピーダンスと、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記インピーダンスは、抵抗であることを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1,第2半導体スイッチング素子はサイリスタであることを特徴とする。
また、他の態様として、前記第1,第2補助回路電流スイッチ部は、前記第1,第2半導体スイッチング素子に直列接続されたダイオードを有し、前記第1,第2半導体スイッチング素子は、自己消弧能力を有することを特徴とする。
また、その一態様として、前記抵抗と、前記第1,第2直流系統の−端子との間にツェナーダイオードが接続されたことを特徴とする。
また、他の態様として、前記抵抗と、前記第1,第2直流系統の−端子との間に第3半導体スイッチング素子が接続されたことを特徴とする。
また、他の態様として、前記インピーダンスは第2リアクトルであり、前記第2リアクトルに対して並列接続されたダイオードと、前記第2リアクトルと前記第1,第2直流系統の−端子との間に接続された第3半導体スイッチング素子と、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、第1直流系統の−端子と第2直流系統の−端子との間に直列接続された第1,第2機械遮断器と、第1半導体スイッチング素子を有し、前記第1直流系統の−端子と前記第1機械遮断器の共通接続点に一端が接続された第1補助回路電流スイッチ部と、第2半導体スイッチング素子を有し、前記第1補助回路電流スイッチ部の他端に一端が接続され、他端が前記第2直流系統の−端子と前記第2機械遮断器の共通接続点に接続された第2補助回路電流スイッチ部と、前記第1,第2機械遮断器の共通接続点と前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点との間に接続されたコンデンサと、前記コンデンサに直列接続された第1リアクトルと、前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点と前記第1,第2直流系統の+端子との間に接続されたインピーダンスと、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記第1半導体スイッチング素子をオンし、前記第1機械遮断器に流れる電流が所定値以下になった後、前記第1機械遮断器を遮断し、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記第2半導体スイッチング素子をオンし、前記第2機械遮断器に流れる電流が所定値以下になった後、前記第2機械遮断器を遮断することを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にアノードが接続され、前記第1機械遮断器と前記第1補助回路電流スイッチ部の共通接続点にカソードが接続された第3ダイオードと、前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にアノードが接続され、前記第2機械遮断器と前記第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点にカソードが接続された第4ダイオードと、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で短絡が発生した場合は、前記第1半導体スイッチング素子をONして補助回路電流を流し、前記補助回路電流が短絡電流より大きい期間に、前記第1機械遮断器を遮断し、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で短絡が発生した場合は、前記第2半導体スイッチング素子をONして補助回路電流を流し、前記補助回路電流が短絡電流より大きい期間に、前記第2機械遮断器を遮断することを特徴とする。
また、他の態様として、前記第1,第2機械遮断器に自己消弧能力を有する第4,第5半導体スイッチング素子を並列接続したことを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で短絡が発生した場合は、前記第4半導体スイッチング素子をONした後、前記第1機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第1半導体スイッチング素子をONし、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で短絡が発生した場合は、前記第5半導体スイッチング素子をONした後、前記第2機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第2半導体スイッチング素子をONすることを特徴とする。
また、他の態様として、前記第3ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第6半導体スイッチング素子と、前記第4ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第7半導体スイッチング素子と、を有することを特徴とする。
また、その一態様として、前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で短絡が発生した場合は、前記第6半導体スイッチング素子をONした後、前記第1機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第6半導体スイッチング素子のオフ指令を行い、その後、前記第1半導体スイッチング素子をONし、前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で短絡が発生した場合は、前記第7半導体スイッチング素子をONした後、前記第2機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第7半導体スイッチング素子のオフ指令を行い、その後、前記第2半導体スイッチング素子をONすることを特徴とする。
また、他の態様として、前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にカソードが接続され、前記第1機械遮断器と前記第1補助回路電流スイッチ部の共通接続点にアノードが接続された第3ダイオードと、前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にカソードが接続され、前記第2機械遮断器と前記第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点にアノードが接続された第4ダイオードと、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、前記第1,第2機械遮断器に自己消弧能力を有する第4,第5半導体スイッチング素子を並列接続したことを特徴とする。
また、他の態様として、前記第3ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第6半導体スイッチング素子と、前記第4ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第7半導体スイッチング素子と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、直流遮断装置において、コンデンサ容量を増加させずにより確実に双方向の電流を遮断することが可能となる。
実施形態1における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態1における定常時の直流遮断装置を示す図。 実施形態1におけるコンデンサ放電時の直流遮断装置を示す図。 実施形態1における第1機械遮断器アーク消弧後の直流遮断装置を示す図。 実施形態1における系統再投入時の直流遮断装置を示す図。 実施形態1における第2直流系統短絡時の各波形を示すタイムチャート。 実施形態2における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態3における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態4における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態4における定常時の直流遮断装置を示す図。 実施形態4におけるコンデンサ放電時の直流遮断装置を示す図。 実施形態4における第1機械遮断器アーク消弧後の直流遮断装置を示す図。 実施形態4における系統再投入時の直流遮断装置を示す図。 特許文献1における遮断失敗時の電流波形を示すタイムチャート。 実施形態5における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態5における各部の動作および電流波形を示すタイムチャート。 実施形態6における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態6における各部の動作および電流波形を示すタイムチャート。 実施形態6における実験結果を示すタイムチャート。 実験波形の測定箇所を示す図。 実施形態7における直流遮断装置を示す回路図。 実施形態7における各部の動作および電流波形を示すタイムチャート。 第1,第2直流系統1,2の−端子間に実施形態5の直流遮断装置を接続した構成を示す図。 第1,第2直流系統1,2の−端子間に実施形態6の直流遮断装置を接続した構成を示す図。 第1,第2直流系統1,2の−端子間に実施形態7の直流遮断装置を接続した構成を示す図。 従来の直流遮断装置の各波形を示す図。
以下、本願発明における直流遮断装置の実施形態1〜7を図1〜図25に基づいて詳述する。
[実施形態1]
図1に本実施形態1における直流遮断装置を示す。図1に示すように、直流遮断装置3は、第1直流系統1及び第2直流系統2に接続される。直流遮断装置3は、第1機械遮断器CB1及び第2機械遮断器CB2と、コンデンサCと、第1リアクトルL1と、第1,第2補助回路電流スイッチ部4,5と、抵抗(インピーダンス)Rと、を備える。
第1,第2補助回路電流スイッチ部4,5は、第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2を有する。図1では、第1,2半導体スイッチング素子T1,T2としてサイリスタを示しているが、サイリスタ以外の半導体スイッチング素子でも良い。また、第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2にダイオードを直列接続しても良い。
第1直流系統1の+端子と第2直流系統2の+端子との間には第1,第2機械遮断器CB1,CB2が直列接続される。
第1直流系統1の+端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に第1半導体スイッチング素子T1の一端(アノード)が接続される。第1半導体スイッチング素子T1の他端(カソード)には、第2半導体スイッチング素子T2の一端(カソード)が接続される。第2半導体スイッチング素子T2の他端(アノード)は第2直流系統2の+端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。
第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点と第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2の共通接続点との間にはコンデンサCが接続される。また、コンデンサCには第1リアクトルL1が直列接続される。ここで、コンデンサCと第1リアクトルL1との接続順序はどちらでも良い。
また、第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2の共通接続点と第1,第2直流系統1,2の−端子との間には抵抗(インピーダンス)Rが接続される。
図2に、本実施形態1の定常状態における直流遮断装置3を示す。定常状態では第1機械遮断器CB1及び第2機械遮断器CB2が閉極状態であり、電流は双方向に流れる。このとき、第1半導体スイッチング素子T1及び第2半導体スイッチング素子T2はオフ状態である。コンデンサCは第1リアクトルL1,抵抗Rを介して充電電流が流れ系統電圧まで充電されるとコンデンサCに流れる電流が零になる。また、定常時は、第1機械遮断器CB1及び第2機械遮断器CB2に電流が流れるため、電力損失はほとんどない。
図3に、第2直流系統2側で事故が発生した場合の直流遮断装置3を示す。第2直流系統2側の事故発生時に第1半導体スイッチング素子T1をオンすることで、コンデンサCからの放電電流が補助回路電流として第1機械遮断器CB1→第1半導体スイッチング素子T1→第1リアクトルL1を経由して流れ、第1直流系統1から第1機械遮断器CB1に流れる短絡電流を打ち消す。
このとき、補助回路電流(放電電流)はコンデンサC、第1リアクトルL1により決定する周波数の共振電流となる。共振周波数が高すぎると第1機械遮断器CB1開極前に共振が終わり、第1機械遮断器CB1に流れる短絡電流が元の大きさに戻ってしまう。共振周波数が低すぎると補助回路電流(放電電流)の増加速度よりも短絡による第1機械遮断器通過電流Icb1の増加速度の方が大きくなり、短絡電流を打ち消すことができなくなる。そのため、共振周波数は第1機械遮断器CB1動作時間と同程度か少し長めに設定する必要がある。
機械遮断器通過電流が所定値よりも小さくなったら、第1機械遮断器CB1を開極する。なお、第1,第2機械遮断器CB1,CB2が遮断指定を受けてから実際に開極となるまでは時間遅れがある。本明細書で遮断、または、開極すると記載している場合、実際に開極した時を示すものとする。
図4に、第1機械遮断器CB1のアーク消弧後の直流遮断装置3を示す。アーク消弧後は第1半導体スイッチング素子T1→第1リアクトルL1→コンデンサC→第2機械遮断器CB2を介して補助回路電流が流れ、コンデンサCが図2に示す場合とは逆向きに充電される。
コンデンサCの充電が完了すると、第2直流系統2へ流れる電流が零となり、電流遮断が完了する。電流遮断が完了したら第1半導体スイッチング素子T1がオフとなる。第1半導体スイッチング素子T1をサイリスタとした場合、サイリスタには自己消弧能力はないが、図4に示すように、コンデンサCの充電が完了すると第2直流系統2に流れる電流が零となるため、サイリスタをオフにすることができる。
このとき、遮断に不必要な電流が第1半導体スイッチング素子T1と抵抗Rを介して第1,第2直流系統1,2の−端子側へ流れ損失が発生する。また、第1半導体スイッチング素子(サイリスタ)T1をオフするためには、ゲート電流零及び順方向電流を保持電流より小さくする必要がある。そのため、損失を小さくする、第1半導体スイッチング素子T1をオフするためには、抵抗Rに流れる電流が十分小さくなるように抵抗Rの抵抗値を大きくしなければならない。
図5に系統再投入時の直流遮断装置3を示す。再投入時は、第1機械遮断器CB1を閉極することで第1直流系統1側から第1機械遮断器CB1→第2機械遮断器CB2を介し第2直流系統2側へ電流が流れる。また、第1機械遮断器CB1→コンデンサC→第1リアクトルL1→抵抗Rを介して充電電流が流れ、図4において逆向きに充電されていたコンデンサCを元の向きに充電し直す。充電が完了すると、図2の状態になり再投入が完了する。
なお、電流の流れる方向や事故発生時の電流値は上位コントローラを用いて監視し、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の開閉と第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2のオン及びオフを行う。
図6に第2直流系統2側の短絡電流を遮断する際の波形を示す。時刻t1で短絡が発生し、第1機械遮断器通過電流Icb1が増加する。時刻t2で第1半導体スイッチング素子T1をオンすると、コンデンサCから放電電流が補助回路電流Iauxとして流れ、第1機械遮断器通過電流Icb1を打ち消す。
第1機械遮断器通過電流Icb1が所定値よりも小さくなったら、第1機械遮断器CB1を開極する。図6では時刻t3で開極している。時刻t3では第1機械遮断器通過電流Icb1が残っているため多少のアークが発生するが、第1機械遮断器通過電流Icb1は補助回路電流Iauxにより零となるため、アークを消弧できる。
その後、コンデンサCの電圧Vcは補助回路電流Iauxおよび短絡電流により逆向きに充電され、−の第1系統電圧−Vdcを超えると充電が完了し補助回路電流Iauxは零になり遮断が完了する。
本実施形態1では、第2直流系統2側で事故が発生した場合の遮断方法を記載したが、第1直流系統1側で事故が発生した場合も同様な原理及び対象の動作で遮断が可能である。この場合、第2機械遮断器CB2及び第2半導体スイッチング素子T2を開極、オン動作させることで第2機械遮断器CB2のアークを消弧し遮断を行う。
以上示したように、本実施形態1によれば、双方向の直流電流を遮断することができ、再投入動作により繰り返し直流電流の遮断が可能である。また、補助回路のコンデンサ放電電流により第1機械遮断器通過電流Icb1に零点を作り、より確実に電流を遮断することができる。さらに、定常時は常に第1,第2機械遮断器CB1,CB2を通電するため、電力損失がほとんどない。
また、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の開極時の両端電圧を緩やかに上昇させる必要がないため、補助回路のコンデンサ容量が小さくてもよく、装置の小型化を図ることが可能となる。また、補助回路の寄生インピーダンス成分の多少の増加を許容できる。
[実施形態2]
図7に本実施形態2の直流遮断装置3を示す。本実施形態2の直流遮断装置3は実施形態1に対し、抵抗Rと第1,第2直流系統1,2の−端子との間にツェナーダイオードZDなどの電圧を制限できる素子を追加したものである。
ツェナーダイオードZDを接続することにより、抵抗Rの両端電圧が下がる。そのため、本実施形態2における直流遮断装置3によれば、コンデンサC充電時の不要電流による損失が低減することが可能となる。
[実施形態3]
図8に本実施形態3の直流遮断装置3を示す。本実施形態3は、実施形態2のツェナーダイオードZDを自己消弧可能な第3半導体スイッチング素子T3に置き換え、不要電流をブロックできるようにしたものである。第3半導体スイッチング素子T3は自己消弧可能な半導体スイッチング素子以外のスイッチでもよい。
定常状態では第3半導体スイッチング素子T3をオンし、図2と同様に示すようにコンデンサCを充電する。
コンデンサCの充電が完了するか短絡事故などにより遮断指令が来たら、第3半導体スイッチング素子T3をオフする。コンデンサCの充電完了は、コンデンサCの両端電圧を検出し、系統電圧に等しくなったことを条件とする。または、コンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値と第1リアクトルL1のインダクタンス値よりコンデンサCの充電が完了する時間を事前に計算しておき、その計算値の時間の経過をもって充電完了と判定してもよい。
アーク消弧後は第3半導体スイッチング素子T3がオフであり、図4とは異なり、第1半導体スイッチング素子T1→抵抗Rを経由して流れる不要電流は第3半導体スイッチング素子T3によりブロックされる。そのため、損失を小さくすることができる。
また、抵抗Rの抵抗値が小さくても不要電流は流れないため、第1半導体スイッチング素子(サイリスタ)T1を確実にオフすることができる。抵抗Rの抵抗値を小さくするメリットとして、図5における系統再投入時のコンデンサC再充電速度が向上する。よって、遮断準備完了までにかかる時間を短縮できる。
再投入時は第1機械遮断器CB1を閉極するとともに第3半導体スイッチング素子T3をオンすることで、実施形態1と同様にコンデンサCを充電し再投入完了となる。
以上示したように、本実施形態3の直流遮断装置3によれば、実施形態1,2と同様の作用効果を奏する。また、電流遮断後の抵抗Rに生じる損失を零にすることができる。
[実施形態4]
図9に本実施形態4の直流遮断装置3を示す。本実施形態4の直流遮断装置3は、実施形態3の抵抗Rの代わりに、第2リアクトル(インピーダンス)L2と、第2リアクトルL2に並列接続したダイオードDと、を設けたものである。
図10に、本実施形態4の定常状態における直流遮断装置3を示す。定常状態では第1機械遮断器CB1及び第2機械遮断器CB2が閉極状態であり、電流は双方向に流れる。なお、定常時は第1機械遮断器CB1,CB2に電流が流れるため、電力損失はほとんどない。
このとき、第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2はオフ状態であるため、第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2に電流は流れない。また、第3半導体スイッチング素子T3はオン状態であり、コンデンサC→第1リアクトルL1→第2リアクトルL2→第3半導体スイッチング素子T3を介して充電電流が流れ、系統電圧まで充電されるとコンデンサCに流れる電流が零になる。
充電が完了したら、第3半導体スイッチング素子T3をオフする。充電完了は、コンデンサCの両端電圧を検出し、系統電圧に等しくなったことを条件とする。
第2リアクトルL2に蓄えられたエネルギーは、第3半導体スイッチング素子T3オフ後、第2リアクトルL2とダイオードDとを循環して流れることにより、エネルギーが消費される。
図11に、第2直流系統2側で事故が発生した場合の直流遮断装置3を示す。第2直流系統2側の事故発生時に第1半導体スイッチング素子T1をオンすることで、コンデンサCからの放電電流が補助回路電流として第1機械遮断器CB1→第1半導体スイッチング素子T1→第1リアクトルL1を経由して流れ、第1直流系統1から第1機械遮断器CB1に流れる短絡電流を打ち消す。
このとき、補助回路電流(放電電流)はコンデンサC、第1リアクトルL1により決定する周波数の共振電流となる。共振周波数が高すぎると第1機械遮断器CB1の開極前に共振が終わり、第1機械遮断器CB1に流れる短絡電流が元の大きさに戻ってしまう。共振周波数が低すぎると補助回路電流の増加速度よりも短絡による第1機械遮断器通過電流Icb1の増加速度の方が大きくなり、短絡電流を打ち消すことができなくなる。そのため、共振周波数は第1機械遮断器CB1の動作時間と同程度か少し長めに設定する必要がある。
第1機械遮断器通過電流が所定値よりも小さくなったら、第1機械遮断器CB1を開極する。図12に、第1機械遮断器CB1のアーク消弧後の直流遮断装置3を示す。アーク消弧後は第1半導体スイッチング素子T1→第1リアクトルL1→コンデンサC→第2機械遮断器CB2を介して短絡電流が流れ、コンデンサCが図10とは逆向きに充電される。コンデンサCの充電が完了すると、第2直流系統2へ流れる電流が零となり、電流遮断が完了する。電流遮断が完了したら第1半導体スイッチング素子T1がオフとなる。
図13に系統再投入時の直流遮断装置3を示す。再投入時は、第1機械遮断器CB1を閉極することで第1直流系統1側から第1機械遮断器CB1→第2機械遮断器CB2を介し第2直流系統2側へ電流が流れる。
また、第3半導体スイッチング素子T3をオンすることで、第1機械遮断器CB1→コンデンサC→第1リアクトルL1→第2リアクトルL2→第3半導体スイッチング素子T3を介して充電電流が流れ、図12で逆向きに充電されていたコンデンサCを元の向きに充電し直す。
充電が完了すると、図10の状態になり再投入が完了する。なお、本実施形態4は第2リアクトルL2とダイオードDを第3半導体スイッチング素子T3に接続することにより、抵抗Rを必要としない。
そのため、コンデンサ充電電流が抵抗Rを流れないため、充電時の抵抗損失がなくなる。さらに、第1半導体スイッチング素子T1をオンしている期間は第3半導体スイッチング素子T3がオフしており、第1,第2直流系統2の−端子へ電流が流れない。そのため、自己消弧不可能な第1半導体スイッチング素子T1は確実にオフできる。また、抵抗によって電流が抑制されないため、容量が小さい系統へも適用が可能である。
本実施形態4では、電流の流れる方向や事故発生時の電流値は上位コントローラを用いて監視し、第1機械遮断器CB1の開閉と第1,第3半導体スイッチング素子T1,T3のオン及びオフを行う。
本実施形態4では、第2直流系統2側で事故が発生した場合の遮断方法を記載したが、第1直流系統1側で事故が発生した場合も同様な原理及び対象の動作で遮断が可能である。この場合、第2機械遮断器CB2及び第2半導体スイッチング素子T2を開極、オン動作させることで第2機械遮断器CB2のアークを消弧し遮断を行う。
[実施形態5]
実施形態1は、第1機械遮断器通過電流Icb1に対して補助回路電流Iauxを逆方向に流すことで零点を作りだし第1,第2機械遮断器CB1,CB2を開極するものである。第1,第2機械遮断器CB1,CB2は機械遮断器通過電流を零にしたタイミングを狙って開極する。
第1機械遮断器CB1では開極直後にいったんアークが発生する場合もあるが、その時第1機械遮断器CB1の接点間に発生するアーク電圧は大きくない。そして第1機械遮断器CB1の接点間距離が開いていくとともにアークが消弧され、アークのない第1機械遮断器通過電流Icb1=0の状態で第1機械遮断器CB1の接点が完全に開いて、遮断が完了する。
しかし、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の開極時にある程度の大きさのアークが一旦発生すると、その後アークを消弧できずに第1,第2機械遮断器CB1,CB2に電流が流れ続け遮断に失敗してしまう場合がある。図14に実施形態1で遮断に失敗した場合の電流波形を示す。実施形態1の回路でアークを消弧できない要因として、以下の(1),(2)が考えられる。
(1)第1,第2機械遮断器CB1,CB2は、開極指令を出してから実際に開極を開始するまでに遅延とばらつきがある。よって、図14の時刻t3(第1機械遮断器CB1の開極開始時)のタイミングにおける第1機械遮断器通過電流Icb1にもばらつきが生じる。この時刻t3時の第1機械遮断器通過電流Icb1の電流傾きが大きいときには第1機械遮断器CB1の接点間に印加されるアーク電圧も大きくなるため、アークを消弧しにくくなる。
(2)第1,第2機械遮断器CB1,CB2は、開極を開始してから接点間距離が十分開ききるまで時間がかかる。また、その時間もばらつきがある。開極を開始してから接点間距離が十分開ききるまでの時間が長い場合には、アークを消弧しにくくなる。
対策として、LC共振周波数を下げて第1,第2機械遮断器CB1,CB2の開極開始時の電流の傾きを緩やかにすることで発生するアーク電圧を抑制し、アークの消弧をしやすくする方法がある。しかし、これは第1リアクトルL1,コンデンサCの容積・重量・コスト増加につながる。
そこで、本実施形態5では、以上の問題点を解決することができる直流遮断装置を説明する。図15に本実施形態5の直流遮断装置を示す。本実施形態5は実施形態1の回路構成に第3,第4ダイオードD3,D4を追加したものである。
第3ダイオードD3は、第1機械遮断器CB1に並列接続される。第3ダイオードD3のアノードは第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続され、カソードは第1半導体スイッチング素子T1と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。第4ダイオードD4は、第2機械遮断器CB2に並列接続される。第4ダイオードD4のアノードは第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続され、カソードは第2半導体スイッチング素子T2と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。
また、本実施形態5の第1補助回路電流スイッチ部4は、第1半導体スイッチング素子T1と第1ダイオードD1の直列接続とする。第1半導体スイッチング素子T1は自己消弧能力を有する素子とし、例えば、IGBTが用いられる。第1半導体スイッチング素子T1のコレクタ端子は第1直流系統1の+端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。第1半導体スイッチング素子T1のエミッタ端子側には、第1ダイオードD1のアノード端子が接続される。第1ダイオードD1のカソード端子は第1リアクトルL1と抵抗Rの共通接続点に接続される。なお、第1半導体スイッチング素子T1と第1ダイオードD1の接続順序は逆でも良い。
また、第2補助回路電流スイッチ部5は、第2半導体スイッチング素子T2と第2ダイオードD2の直列接続とする。第2半導体スイッチング素子T2は自己消弧能力を有する素子とし、例えば、IGBTが用いられる。第2半導体スイッチング素子T2のコレクタ端子は第2直流系統2の+端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。第2半導体スイッチング素子T2のエミッタ端子側には、第2ダイオードD2のアノード端子が接続される。第2ダイオードD2のカソード端子は第1リアクトルL1と抵抗Rの共通接続点に接続される。なお、第2半導体スイッチング素子T2と第2ダイオードD2の接続順序は逆でも良い。
なお、第1,第2補助回路電流スイッチ部4,5は、実施形態1と同様にサイリスタとしても良い。
本実施形態5の作用・動作は以下の通りである。実施形態1との差異を説明する。本実施形態5の直流遮断装置の動作および各部に流れる電流を図16にまとめた。
動作は実施形態1と変わらない。第1機械遮断器CB1を開極後、第1半導体スイッチング素子T1をオンすると短絡電流とは逆向きに補助回路電流Iauxが流れ、短絡電流を打ち消す。
補助回路電流Iauxは正弦波で、その振幅を短絡電流より大きく設計するため、短絡電流を打ち消した後の過剰な電流は負の値となる。そのため、過剰な負の電流は第1機械遮断器CB1に並列に接続した第3ダイオードD3を通って流れる。補助回路電流Iauxが小さくなると、短絡電流は第1半導体スイッチング素子T1→第1ダイオードD1→第1リアクトルL1→コンデンサCを介して電流が流れ、コンデンサCが逆向きに充電される。コンデンサCの充電が完了すると第2直流系統2に流れる電流は零となり遮断が完了する。
前述のように、第1機械遮断器CB1の開極指令を受信してから実際に第1機械遮断器CB1が開極するまでには時間遅れがある。この時間遅れが原因で、第1機械遮断器CB1の開極開始が第1半導体スイッチング素子T1オンよりも遅れ、短絡電流と補助回路電流Iauxの合成電流の1回目の零点(図16のA点:以下、第1零点Aと称する)よりも後となってしまった場合でも、第1機械遮断器CB1の開極開始を短絡電流と補助回路電流Iauxの合成電流の2回目の零点(図16のB点:以下、第2零点Bと称する)より早く行うことができれば、短絡電流と補助回路電流Iauxの合成電流はすぐに(100μs程度)第3ダイオードD3に転流する。よってアークは発生しない。その後の動作は実施形態1と同じである。
本実施形態5では、過剰な補助回路電流Iauxを第1機械遮断器CB1に並列接続された第3ダイオードD3に迂回させることができる。第1機械遮断器CB1の開極後第1零点Aの後は第3ダイオードD3に電流が転流される。印加される接点電圧はアーク電圧よりも低い第3ダイオードD3の電圧降下分のみであるため、第3ダイオードD3の導通中(つまり図16の第1零点A〜第2零点Bの期間)にはアークは発生しない。すなわち、第1零点A〜第2零点B(補助回路電流Iaux>短絡電流)の期間に第1機械遮断器CB1を開極することが望ましい。
第2零点Bでは第1機械遮断器CB1の接点距離が広がり、かつ、第1零点Aと第2零点Bの間はアークが発生していないため接点間の気体温度が下がり絶縁破壊を起こしにくくなるので、図16の第2零点B以降に第1機械遮断器CB1の接点間に電圧が印加されてもアークが発生するおそれはほとんどない。
そのため、(1)の問題であった第1零点Aにおける大きな電流の傾きを許容できるため、LC共振周波数を増加できる。このことは第1リアクトルL1とコンデンサCの小型化、さらに、直流遮断装置の小型化・低コスト化につながる。
また、過剰な補助回路電流Iauxの振幅も許容できるため、想定よりも小さな短絡電流(補助回路電流Iauxの振幅よりも小さい短絡電流)の遮断にも対応できる。
以上示したように、本実施形態5によれば、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の接点開極が第1零点Aに間に合わない場合、第1,第2機械遮断器CB1,CB2に並列接続した第3,第4ダイオードD3,D4の動作によってアークの発生を抑制できる。これにより、実施形態1と比較して、短絡電流を遮断できる確度を高めることができる。
アークは接点摩耗による定常損失増加、接点癒着による遮断失敗の原因となるため、アークを低減することにより第1,第2機械遮断器CB1,CB2の交換・メンテナンスの手間を削減することができる。
また、アークは接点間の温度上昇や絶縁破壊の原因となるため、アークを低減する本実施形態5はより確実な遮断を行うことができる。よって装置の信頼性を向上させることが可能となる。
[実施形態6]
実施形態5では、LC共振周波数を大きく設計して短絡電流と補助回路電流Iauxの合成電流の第1零点Aで開極すると、第1零点Aと第2零点B間の時間が短くなるため、第2零点Bでも接点間距離が不足する。また、接点間の気体温度の低下が不十分となる。そのため、開極中に絶縁破壊が起こり、再びアークが発生する危険性が残る。
さらに、第1機械遮断器CB1の開極が短絡電流と補助回路電流Iauxの合成電流の第1零点Aより前になった場合には、実施形態1と同様にアークが発生し消弧できないおそれがある。
そのため、実施形態5は、LC共振周波数や短絡事故検出から第1,第2機械遮断器CB1,CB2の開極指令までの遅れ時間の設計が容易ではない。
図17に本実施形態6の直流遮断装置を示す。本実施形態6は、実施形態5の第3,第4ダイオードD3,D4の代わりに、自己消弧能力のある第4,第5半導体スイッチング素子(例えば、IGBT)T4,T5を設けた回路構成である。すなわち、第4半導体スイッチング素子T4は、第1機械遮断器CB1に並列接続される。第4半導体スイッチング素子T4のエミッタ端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続され、コレクタ端子は第1半導体スイッチング素子T1と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。第5半導体スイッチング素子T5は、第2機械遮断器CB2に並列接続される。第5半導体スイッチング素子T5のエミッタ端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続され、コレクタ端子は第2半導体スイッチング素子T2と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。
なお、第4,第5半導体スイッチング素子T4,T5には、図17に示すようにダイオードが逆並列接続されている半導体スイッチを適用する。また、第1,第2補助回路電流スイッチ部4,5は実施形態1と同様にサイリスタとしても良い。
以下、本実施形態6の動作、作用について、実施形態1との差異を説明する。本実施形態6における直流遮断装置の動作および各部分に流れる電流を図18にまとめた。
定常状態では、第4,第5半導体スイッチング素子T4,T5はゲート指令によってオフしており、実施形態1と動作は変わらない。短絡事故などにより遮断指令が来た際の動作は、第1機械遮断器CB1の開極指令前にゲート指令によって第4半導体スイッチング素子T4をオンする(第2機械遮断器CB2を開極する場合は第5半導体スイッチング素子T5をオンする)。
その後、第1機械遮断器CB1の開極指令によって第1機械遮断器CB1を開極する。なお、第1機械遮断器CB1がオンしている場合、第4半導体スイッチング素子T4をオンしても半導体スイッチング素子のオン抵抗成分があるため第4半導体スイッチング素子T4には電流は転流しない。そのため、定常状態で第4半導体スイッチング素子T4は常時オンしていても問題ない。
第4半導体スイッチング素子T4がオンしている状態で第1機械遮断器CB1の開極を開始すると、第1機械遮断器CB1の接点間にアーク電圧が印加される。その電圧が第4半導体スイッチング素子T4のオン電圧(第4半導体スイッチング素子T4のゲート指令オン中のコレクタ−エミッタ間電圧)を超えると、第4半導体スイッチング素子T4に電流が転流される。
電流が完全に転流されると第1機械遮断器CB1のアークが消弧される。第4半導体スイッチング素子T4への転流が完了したら、ゲート指令によって第1半導体スイッチング素子T1をオンすることで、コンデンサCからの放電電流(補助回路電流Iaux)が第4半導体スイッチング素子T4→第1半導体スイッチング素子T1→第1ダイオードD1→第1リアクトルL1を経由して流れ、第1直流系統1から第4半導体スイッチング素子T4に流れる短絡電流(電流IT4)を打ち消す。
第4半導体スイッチング素子T4は補助回路電流Iauxがピークになるタイミングでゲート指令によってオフする。これは第1半導体スイッチング素子T1オンからLC共振周期の1/4経過後であるため、第4半導体スイッチング素子T4のオフ動作に通過電流や補助回路電流Iauxを検出する必要がない。
第1機械遮断器CB1開極後、第1半導体スイッチング素子T1→第1ダイオードD1→第1リアクトルL1→コンデンサCを介して短絡電流が流れ、コンデンサCが逆極性に充電される。コンデンサCの充電が完了すると、第2直流系統2へ流れる電流が零となり、電流遮断が完了する。その後、ゲート指令によって第1半導体スイッチング素子T1をオフする。電流遮断完了後の動作は、実施形態1と同じである。
本実施形態6では、第1機械遮断器CB1を開極後、すぐに(100μs程度)短絡電流が第4半導体スイッチング素子T4に転流されるのでアークがほとんど発生しない。そのため、第1機械遮断器CB1の開極指令を早め(第4半導体スイッチング素子T4オン指令の直後)に出すことができ、前述の実施形態5の留意点を気にする必要がなく、確実に遮断動作を行える。さらに、実施形態5よりもLC共振周波数・補助回路電流Iauxの振幅を高く設計することができる。
また、第4,第5半導体スイッチング素子T4,T5内には逆並列ダイオードが接続されているため、実施形態5と同じ効果が得られ、第1機械遮断器CB1の開極開始時刻が第1零点Aから第2零点Bまでの間に遅延しても、アークがほとんど発生しない。
さらに、第4半導体スイッチング素子T4のターンオフは第1半導体スイッチング素子T1オンからLC共振周期の1/4経過後に固定する。そのため、「短絡電流<補助回路電流Iaux」の関係が成立しているならば、第4半導体スイッチング素子T4ターンオフ時の電流は、第4半導体スイッチング素子T4内の逆並列ダイオードを通過している。
そのため、第4半導体スイッチング素子T4は零電流スイッチングが成立する。よって、第4半導体スイッチング素子T4ではターンオフ時のスイッチング損失が発生しないため熱責務が小さく、ターンオフ時に第4半導体スイッチング素子T4のコレクタ−エミッタ間のサージ電圧もほとんど発生しない。
そのため、大電流の遮断を行う際に第4半導体スイッチング素子T4用のIGBT直並列数を少なくすることができ、サージ電圧抑制用のスナバ回路も不要となる。
また、「短絡電流>補助回路電流Iaux」の場合でも、本実施形態6ならば第4半導体スイッチング素子T4により短絡電流を遮断することができる。この場合でも第4半導体スイッチング素子T4は第1半導体スイッチング素子T1のターンオンからLC共振周期の1/4経過後のタイミング(すなわち、第4半導体スイッチング素子T4の電流が最小となるタイミング)でターンオフするため、スイッチング損失・サージ電圧を最小に抑えることができる。
図19に、本実施形態6の直流遮断装置で1kAの直流電流の遮断実験を行った際の波形を示す。図20に図19の波形測定箇所を示す。
実験条件は、第1機械遮断器CB1の最大アーク電圧30V、LC共振周波数2kHz、第1機械遮断器CB1の開極指令から第1半導体スイッチング素子T1オンのゲート指令までの設定時間を約3.6msとした。また、時刻0msですでに遮断電流(1kA)を第1機械遮断器CB1へ流し、時刻0.5msでほぼ同時に第4半導体スイッチング素子T4のゲートオン指令と第1機械遮断器CB1の開極指令を入力した。また、この実験条件では、第1機械遮断器CB1の開極指令後にほとんど遅延することなく第1機械遮断器CB1の開極動作を開始している。
第1機械遮断器CB1の開極開始直後の時刻0.5msで、第1機械遮断器CB1の両端に13Vが印加されているのでアークが発生しているのがわかる。しかし、このときのアーク電圧13Vは、第1機械遮断器CB1の最大アーク電圧30Vを大きく下回っている。
つまり、アーク消弧が容易な電圧レベルである。その直後、第4半導体スイッチング素子T4に流れる電流iT4が遮断電流1kAに一致するので、第1機械遮断器通過電流Icb1が零になっている。さらに、第1機械遮断器両端電圧Vcb1の波形もほぼ0Vに低下しているため、アークも消弧していることが確認できる。
(実施形態1や実施形態5では、転流用の回路の第4半導体スイッチング素子T4がないため第1零点Aまでの3.6ms間アークが発生し続けてしまう。)
また、第1半導体スイッチング素子T1オン後、補助回路電流Iauxによって第4半導体スイッチング素子T4に流れる短絡電流が打ち消され、第4半導体スイッチング素子T4を通過する電流iT4が逆向きになり、第4半導体スイッチング素子T4内の逆並列ダイオードに流れるようになった時点でゲート指令によって第4半導体スイッチング素子T4をオフする。
第4半導体スイッチング素子T4の第2零点B後に第1機械遮断器CB1に最大アーク電圧30Vを超える電圧が印加されている。そのため、第1機械遮断器CB1にアークが発生せずに第1機械遮断器CB1の開極動作が完了したことが確認でき、正常に遮断動作が行われたことがわかる。
なお、本実施形態6の類似先行技術として、特許文献2がある。しかし、特許文献2は単方向のみの電流遮断器の発明で、双方向の電流遮断器には対応していない。また、共振コンデンサに別途充電回路が必要である。
また、特許文献2の実施形態8では、段落[0038]より、半導体スイッチのターンOFFのタイミングを断路器3の接点距離が十分離れたときとしている。このタイミングでの半導体スイッチ通過電流は不明であり、大きな短絡電流を半導体スイッチで遮断しなければならない恐れがある。この場合、非常に大きなスイッチング損失・サージ電圧が発生し、素子が破損する恐れがある。これを防ぐため、半導体スイッチング素子を複数並列接続する、または、大容量のスナバ回路を接続すると、装置のコスト・容積が増加してしまう。一方、本実施形態6では零電流スイッチングが成立するため、半導体スイッチング素子の並列接続数を低減でき、複数並列装置のコスト・容積を低減することができる。
以上示したように、本実施形態6によれば、実施形態5の効果に加えて、第1,第2機械遮断器CB1,CB2を開極した際、短絡電流が速やかに第4,第5半導体スイッチング素子T4,T5に転流するため、よりアークを抑制することができる。よって、装置の信頼性がさらに高まる。
また、第1,第2機械遮断器CB1,CB2を第1零点Aに対して早めに開極することができ、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の特性(開極指令から開極動作開始までの遅延時間など)にばらつきがある場合でも、電流を確実に遮断することができる。
また、実施形態5よりもLC共振回路の設計の余裕度が拡がるため、LC共振周波数の増加、ひいては第1リアクトルL1とコンデンサCの小型化が可能となる。よって、直流遮断装置の小型化を図ることが可能となる。
また、本実施形態6により、後述する実施形態7に対して以下の効果が生じる。短絡電流が補助回路電流Iauxより大きくても、電流を遮断することができる。この場合でもスイッチング損失・サージは発生するが最小であるため、第4,第5半導体スイッチング素子T4,T5の責務を抑制することができる。
[実施形態7]
図21に本実施形態7の直流遮断装置を示す。本実施形態7は、実施形態5の第3,第4ダイオードD3,D4に自己消弧能力のない第6,第7半導体スイッチング素子T6,T7(例えば、サイリスタ)を逆並列接続したものである。第6半導体スイッチング素子T6のカソード端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続され、アノード端子は第1半導体スイッチング素子T1と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。同様に、第7半導体スイッチング素子T7のカソード端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続され、アノード端子は第2半導体スイッチング素子T2と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。
また、本実施形態7では、第1,第2補助回路電流スイッチ部4,5は、自己消弧能力のない第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2(例えば、サイリスタ)としている。なお、実施形態5,6と同様にIGBTとダイオードの直列接続でも良い。
本実施形態7の作用・動作は以下のとおりである。実施形態6との差異を記載する。本実施形態7における直流遮断装置の動作および各部分に流れる電流を図22にまとめた。
短絡事故などにより遮断指令を受信すると、第6半導体スイッチング素子T6にON指令を出力する。第1機械遮断器CB1を開極後、第1機械遮断器CB1にアーク電圧が印加される。その電圧が第6半導体スイッチング素子T6のオン電圧を超えると、第6半導体スイッチング素子T6に電流が転流される。
第1機械遮断器CB1の電流が完全に第6半導体スイッチング素子T6に転流されると第1機械遮断器CB1のアークが消弧される。第6半導体スイッチング素子T6への転流が完了したら、ゲート指令によって第1半導体スイッチング素子T1をオンすることで、コンデンサCからの放電電流(補助回路電流Iaux)成分が第6半導体スイッチング素子T6→第1半導体スイッチング素子T1→第1リアクトルL1を経由して流れ、第1直流系統1から第6半導体スイッチング素子T6に流れる短絡電流を打ち消す。第6半導体スイッチング素子T6にあらかじめオフ指令を入れておけば、第6半導体スイッチング素子T6に流れる電流が零になった時点で第6半導体スイッチング素子T6がオフする。そのため、第1機械遮断器CB1開極後すぐに第6半導体スイッチング素子T6のオフ指令を出力する。
第1機械遮断器CB1に開極指令を出してから実際に開極が開始されるまでの時間にはばらつきがある。第1機械遮断器CB1が開極する前に第6半導体スイッチング素子T6がオフしないように、第6半導体スイッチング素子T6のオフ指令はそのばらつきを考慮し、例えば第1機械遮断器CB1の開極指令後1〜2msに設定する。
一般的にサイリスタはIGBTに比べ高耐圧・大電流に対応した部品がある。短時間(10ms)ならば定格電流の10倍の電流を流せるものも存在する。またサイリスタの方がIGBTに比べオン電圧が低く、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の開極時に転流させやすいといった利点がある。
なお、本実施形態7では、短絡電流が補助回路電流Iauxより大きくなると、第6半導体スイッチング素子T6の電流を0A以下にできないため、第6半導体スイッチング素子T6のターンオフはできない。すなわち、短絡電流の遮断はできない。よって、このような動作にならないようにLC共振回路の設計には留意する必要がある。
以上示したように、本実施形態7によれば、実施形態5,6と同様の作用効果を奏する。また、本実施形態7によれば、実施形態6に対して以下の効果が生じる。
実施形態6と異なり、第1,第2機械遮断器CB1,CB2と並列接続する第6,第7半導体スイッチング素子T6,T7(サイリスタ)のゲートオフ指令のタイミングをLC共振周期の1/4に設定する必要がない。よってゲート指令の設計が容易になる。
サイリスタならばIGBTに比べ高耐圧・大電流に対応した部品があるため、高圧・大容量の系統への装置の適用が容易となる。また、サイリスタはIGBTに比べオン電圧が低いので、複数直列に接続しても電圧降下が大きくならないため機械遮断器通過電流をサイリスタに転流させやすくなり、より高圧の系統に適用することができる。
また、本実施形態7は、特許文献2に対して以下の効果が生じる。双方向に流れる電流を遮断可能である。共振回路のコンデンサに外部電源を必要としない。追加した第6,第7半導体スイッチング素子T6,T7ではスイッチング損失が発生しないため、第6,第7半導体スイッチング素子T6,T7の熱責務が小さく直並列数を削減することができる。大容量のスナバ回路も不要である。よって、コスト・容積を抑えることができる。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
なお、実施形態1〜7では、第1直流系統1の+端子と第2直流系統2の+端子との間に第1,第2機械遮断器CB1,CB2を直列接続する構成について説明したが、第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子との間に第1,第2機械遮断器CB1,CB2を直列接続する構成としてもよい。
この場合、第1直流系統1の−端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に第1半導体スイッチング素子T1の一端(カソード)が接続される。第1半導体スイッチング素子T1の他端(アノード)には、第2半導体スイッチング素子T2の一端(アノード)が接続される。第2半導体スイッチング素子T2の他端(カソード)は第2直流系統2の−端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。
第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点と第1,第2半導体スイッチング素子T1,T2の共通接続点との間にはコンデンサCが接続される。また、コンデンサCには第1リアクトルL1が直列接続される。ここで、コンデンサCと第1リアクトルL1との接続順序はどちらでも良い。
さらに、実施形態1の抵抗R、実施形態2のツェナーダイオードZD、実施形態3,4の第3半導体スイッチング素子T3は、第1,第2直流系統1,2の+端子に接続される。
実施形態2〜7でも、第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子との間に直流遮断装置を接続する場合は、実施形態1と同様に接続すれば良い。
第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子との間に、実施形態5の直流遮断装置を接続した構成を図23に示す。図23に示すように、第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子との間に第1機械遮断器CB1と第2機械遮断器CB2が直列接続される。
第1直流系統1の−端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に第1半導体スイッチング素子T1のエミッタ端子が接続される。第1半導体スイッチング素子T1のコレクタ端子には、第1ダイオードD1のカソード端子が接続される。ここで、第1半導体スイッチング素子T1と第1ダイオードD1の接続順序は逆でも良い。
第2直流系統2の−端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点には第2半導体スイッチング素子T2のエミッタ端子が接続される。第2半導体スイッチング素子T2にコレクタ端子には第2ダイオードD2のカソード端子が接続される。第2ダイオードD2のアノード端子は第1ダイオードD1のアノード端子に接続される。ここで、第2半導体スイッチング素子T2と第2ダイオードD2の接続順序は逆でも良い。
第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点と第1,第2ダイオードD1,D2の共通接続点との間にコンデンサCが接続される。コンデンサCに第1リアクトルL1が直列接続される。ここで、コンデンサCと第1リアクトルL1との接続順序は逆でも良い。第1,第2ダイオードD1,D2の共通接続点と第1,第2直流系統1,2の+端子との間に抵抗Rが接続される。
第1機械遮断器CB1に第3ダイオードD3が並列接続される。第3ダイオードD3のアノード端子は第1直流系統1の−端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。第3ダイオードD3はカソード端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続される。第2機械遮断器CB2に第4ダイオードD4が並列接続される。第4ダイオードD4のアノード端子は第2直流系統2の−端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。第4ダイオードD4のカソード端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続される。
第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子との間に、実施形態6の直流遮断装置を接続した構成を図24に示す。図24は、図23の第3,第4ダイオードD3,D4を第4,第5半導体スイッチング素子(IGBT)T4,T5に置き換えたものである。第4半導体スイッチング素子T4のエミッタ端子は第1直流系統1の−端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。第4半導体スイッチング素子T4のコレクタ端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続される。第5半導体スイッチング素子T5のエミッタ端子は第2直流系統2の−端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。第5半導体スイッチング素子T5のコレクタ端子は第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続される。
第1直流系統1の−端子と第2直流系統2の−端子との間に、実施形態7の直流遮断装置を接続した構成を図25に示す。図25は、図23の第3,第4ダイオードD3,D4に第6,第7半導体スイッチング素子(サイリスタ)T6,T7を逆並列接続したものである。
第6半導体スイッチング素子T6のカソード端子は、第1直流系統1の−端子と第1機械遮断器CB1の共通接続点に接続される。第6半導体スイッチング素子T6のアノード端子は、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続される。第7半導体スイッチング素子T7のカソード端子は、第2直流系統2の−端子と第2機械遮断器CB2の共通接続点に接続される。第7半導体スイッチング素子T7のアノード端子は、第1,第2機械遮断器CB1,CB2の共通接続点に接続される。
1…第1直流系統
2…第2直流系統
3…直流遮断装置
CB1,CB2…第1,第2機械遮断器
C…コンデンサ
T1〜T3…第1〜第3半導体スイッチング素子
R…抵抗
ZD…ツェナーダイオード
L1,L2…第1,第2リアクトル

Claims (18)

  1. 第1直流系統の+端子と第2直流系統の+端子との間に直列接続された第1,第2機械遮断器と、
    第1半導体スイッチング素子を有し、前記第1直流系統の+端子と前記第1機械遮断器の共通接続点に一端が接続された第1補助回路電流スイッチ部と、
    第2半導体スイッチング素子を有し、前記第1補助回路電流スイッチ部の他端に一端が接続され、他端が前記第2直流系統の+端子と前記第2機械遮断器の共通接続点に接続された第2補助回路電流スイッチ部と、
    前記第1,第2機械遮断器の共通接続点と前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点との間に接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサに直列接続された第1リアクトルと、
    前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点と前記第1,第2直流系統の−端子との間に接続されたインピーダンスと、
    を備えたことを特徴とする直流遮断装置。
  2. 前記インピーダンスは、抵抗であることを特徴とする請求項1記載の直流遮断装置。
  3. 前記第1,第2半導体スイッチング素子はサイリスタであることを特徴とする請求項2記載の直流遮断装置。
  4. 前記第1,第2補助回路電流スイッチ部は、前記第1,第2半導体スイッチング素子に直列接続されたダイオードを有し、前記第1,第2半導体スイッチング素子は、自己消弧能力を有することを特徴とする請求項2記載の直流遮断装置。
  5. 前記抵抗と、前記第1,第2直流系統の−端子との間にツェナーダイオードが接続されたことを特徴とする請求項2〜4のうち何れかに記載の直流遮断装置。
  6. 前記抵抗と、前記第1,第2直流系統の−端子との間に第3半導体スイッチング素子が接続されたことを特徴とする請求項3記載の直流遮断装置。
  7. 前記インピーダンスは第2リアクトルであり、
    前記第2リアクトルに対して並列接続されたダイオードと、
    前記第2リアクトルと前記第1,第2直流系統の−端子との間に接続された第3半導体スイッチング素子と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の直流遮断装置。
  8. 第1直流系統の−端子と第2直流系統の−端子との間に直列接続された第1,第2機械遮断器と、
    第1半導体スイッチング素子を有し、前記第1直流系統の−端子と前記第1機械遮断器の共通接続点に一端が接続された第1補助回路電流スイッチ部と、
    第2半導体スイッチング素子を有し、前記第1補助回路電流スイッチ部の他端に一端が接続され、他端が前記第2直流系統の−端子と前記第2機械遮断器の共通接続点に接続された第2補助回路電流スイッチ部と、
    前記第1,第2機械遮断器の共通接続点と前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点との間に接続されたコンデンサと、
    前記コンデンサに直列接続された第1リアクトルと、
    前記第1,第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点と前記第1,第2直流系統の+端子との間に接続されたインピーダンスと、
    を備えたことを特徴とする直流遮断装置。
  9. 前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で事故が発生した場合は、前記第1半導体スイッチング素子をオンし、前記第1機械遮断器に流れる電流が所定値以下になった後、前記第1機械遮断器を遮断し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で事故が発生した場合は、前記第2半導体スイッチング素子をオンし、前記第2機械遮断器に流れる電流が所定値以下になった後、前記第2機械遮断器を遮断することを特徴とする請求項1〜7のうち何れかに記載の直流遮断装置。
  10. 前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にアノードが接続され、前記第1機械遮断器と前記第1補助回路電流スイッチ部の共通接続点にカソードが接続された第3ダイオードと、
    前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にアノードが接続され、前記第2機械遮断器と前記第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点にカソードが接続された第4ダイオードと、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の直流遮断装置。
  11. 前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で短絡が発生した場合は、前記第1半導体スイッチング素子をONして補助回路電流を流し、前記補助回路電流が短絡電流より大きい期間に、前記第1機械遮断器を遮断し、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で短絡が発生した場合は、前記第2半導体スイッチング素子をONして補助回路電流を流し、前記補助回路電流が短絡電流より大きい期間に、前記第2機械遮断器を遮断することを特徴とする請求項10記載の直流遮断装置。
  12. 前記第1,第2機械遮断器に自己消弧能力を有する第4,第5半導体スイッチング素子を並列接続したことを特徴とする請求項1記載の直流遮断装置。
  13. 前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で短絡が発生した場合は、前記第4半導体スイッチング素子をONした後、前記第1機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第1半導体スイッチング素子をONし、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で短絡が発生した場合は、前記第5半導体スイッチング素子をONした後、前記第2機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第2半導体スイッチング素子をONすることを特徴とする請求項12記載の直流遮断装置。
  14. 前記第3ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第6半導体スイッチング素子と、
    前記第4ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第7半導体スイッチング素子と、
    を有することを特徴とする請求項10記載の直流遮断装置。
  15. 前記第1直流系統から前記第2直流系統に電流が流れており、前記第2直流系統で短絡が発生した場合は、前記第6半導体スイッチング素子をONした後、前記第1機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第6半導体スイッチング素子のオフ指令を行い、その後、前記第1半導体スイッチング素子をONし、
    前記第2直流系統から前記第1直流系統に電流が流れており、前記第1直流系統で短絡が発生した場合は、前記第7半導体スイッチング素子をONした後、前記第2機械遮断器の開極指令を行い、その後、前記第7半導体スイッチング素子のオフ指令を行い、その後、前記第2半導体スイッチング素子をONすることを特徴とする請求項14記載の直流遮断装置。
  16. 前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にカソードが接続され、前記第1機械遮断器と前記第1補助回路電流スイッチ部の共通接続点にアノードが接続された第3ダイオードと、
    前記第1,第2機械遮断器の共通接続点にカソードが接続され、前記第2機械遮断器と前記第2補助回路電流スイッチ部の共通接続点にアノードが接続された第4ダイオードと、
    を備えたことを特徴とする請求項8記載の直流遮断装置。
  17. 前記第1,第2機械遮断器に自己消弧能力を有する第4,第5半導体スイッチング素子を並列接続したことを特徴とする請求項8記載の直流遮断装置。
  18. 前記第3ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第6半導体スイッチング素子と、
    前記第4ダイオードに逆並列接続された自己消弧能力を有さない第7半導体スイッチング素子と、
    を有することを特徴とする請求項16記載の直流遮断装置。
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