JP2022066500A - 薬剤業務支援システム、薬剤業務支援プログラム及び薬剤業務支援方法 - Google Patents

薬剤業務支援システム、薬剤業務支援プログラム及び薬剤業務支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の薬品が一覧表示される画面において要注意薬品を容易に識別することが可能な薬剤業務支援システム、薬剤業務支援プログラム及び薬剤業務支援方法を提供すること。【解決手段】薬剤業務支援システム10は、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会明細情報D15及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方に基づいて、複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する判定処理部111と、前記複数の薬品の薬品名の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の薬品名と非要注意薬品の薬品名とを識別可能な表示形態で表示装置24又は表示装置14に表示させる表示処理部112とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、薬剤業務支援システム、薬剤業務支援プログラム及び薬剤業務支援方法
に関する。
患者に処方すべき薬品を医師が選択して指示情報として登録すると、前記薬品に関連するインシデントが検索され、前記インシデントの発生頻度が多い場合に、前記インシデントの発生件数を示すメッセージと前記薬品と同じ薬効の代替薬品とが表示される医療事故防止支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-323620号公報
しかしながら、前記医療事故防止支援システムは、医師によって選択された特定の薬品に関連するインシデントの発生件数等を表示するに過ぎず、例えば処方鑑査画面又は薬歴画面のように複数の薬品が一覧表示される画面において要注意薬品を容易に識別可能とするものではない。
本発明の目的は、複数の薬品が一覧表示される画面において要注意薬品を容易に識別することが可能な薬剤業務支援システム、薬剤業務支援プログラム及び薬剤業務支援方法を提供することにある。
本発明の薬剤業務支援システムは、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する判定処理部と、前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させる表示処理部とを備える。
本発明の他の薬剤業務支援システムは、特定の患者に対する処方内容を示す処方データに含まれる複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を表示部に表示させる表示処理部と、過去に疑義照会が行われた薬品が登録されている疑義照会事例データ及び過去にインシデントが発生した薬品が登録されているインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、前記複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する判定処理部とを備え、前記表示処理部は、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で前記画面を前記表示部に表示させる。
本発明の薬剤業務支援プログラムは、一又は複数のコンピュータに、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する処理と、前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させる処理とを実行させるためのプログラムである。
本発明の薬剤業務支援方法は、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定することと、前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させることとを含む。
本発明によれば、複数の薬品が一覧表示される画面において要注意薬品を容易に識別することが可能な薬剤業務支援システム、薬剤業務支援プログラム及び薬剤業務支援方法が実現される。
図1は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムの構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで使用されるチェック種別マスターの一例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで使用される患者情報の一例を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで使用される処方チェックエラー情報の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで使用される疑義照会記録情報の一例を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで使用される疑義照会明細情報の一例を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで実行される報知画像表示処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで表示される処方鑑査画面の一例を示す図である。 図9は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで表示される薬歴画面の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで表示される疑義照会件数画面の一例を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで表示される疑義照会一覧画面の一例を示す図である。 図12は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで表示される疑義照会記録画面の一例を示す図である。 図13は、本発明の実施形態に係る薬剤業務支援システムで表示されるインシデント件数画面の一例を示す図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[薬剤業務支援システム10]
図1に示されるように、本発明の実施の形態に係る薬剤業務支援システム10は、サーバー1、クライアント端末2、調剤機器3、及びプリンター4を備える。前記クライアント端末2は、調剤薬剤師により処方データに基づく調剤が行われる調剤室100、病棟薬剤師により薬剤の服薬に関する指導又は確認が行われる病棟200などに設けられる。
前記サーバー1、前記クライアント端末2、前記調剤機器3、及び前記プリンター4は、通信網5を介して無線又は有線で通信可能に接続される。前記通信網5は、LAN、WAN、インターネット、又はイントラネットなどである。また、前記サーバー1には、処方内容を示す処方データ及び患者の情報を示す患者データなどを前記サーバー1に入力する電子カルテシステム、オーダーリングシステム、又はレセプトシステムなどの上位システム6が前記通信網5を介して接続される。前記処方データには、例えば患者の氏名、性別、年齢、病棟、担当医師、担当薬剤師などの基本情報、及び患者に処方する薬品の種類、用量、用法などの情報が含まれる。なお、前記サーバー1が前記上位システム6から前記処方データ及び前記患者データを読み出す構成であってもよい。例えば、前記サーバー1は、前記上位システム6の予め設定された記憶装置内の処方データ記憶領域に前記処方データが記憶されたか否かを監視しており、前記処方データ記憶領域に前記処方データが記憶された場合に前記処方データを取得する。
[調剤機器3]
前記調剤機器3各々は、前記薬剤業務支援システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関において、薬品の調剤作業で使用される。例えば、前記調剤機器3各々は、錠剤分包機、散薬分包機、水剤分注機、PTPシート払出装置、又は混注装置などである。
[プリンター4]
前記プリンター4は、前記サーバー1、前記クライアント端末2から前記通信網5を介して入力される印刷データに含まれる情報を紙などのシートに印刷する。例えば、前記プリンター4は、前記薬剤業務支援システム10における処方箋又は薬袋の印刷などに用いられる。
[サーバー1]
前記サーバー1は、制御部11、記憶部12、通信I/F13、表示装置14、操作装置15、及びドライブ装置16などを備えるコンピュータである。なお、前記サーバー1は、前記薬剤業務支援システム10が使用される病院又は薬局等の医療機関の内部又は外部に設けられる。また、前記サーバー1は、スマートフォン又はタブレット端末などのモバイル端末であってもよい。
前記制御部11は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部11は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
前記記憶部12は、前記制御部11によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部12には、プログラム記憶部121、マスター記憶部122、及び情報記憶部123が含まれる。
前記プログラム記憶部121は、後述の報知画像表示処理(図7参照)を前記制御部11に実行させるための薬剤業務支援プログラムが記憶される記憶領域である。なお、前記プログラム記憶部121には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムも記憶される。
前記マスター記憶部122は、薬品マスター、患者マスター、薬剤師マスター、処方箋区分マスター、診療科マスター、病棟マスター、チェック種別マスターD11などの各種のマスター情報が記憶される記憶領域である。例えば、前記薬品マスターには、各種の薬品について、薬品コード(YJコード等)、薬品名、JANコード、RSSコード、薬瓶コード、剤形、単位、比重、薬品種、配合変化、賦形薬品、注意事項などの情報が含まれる。前記患者マスターには、各患者について、例えば患者名、患者ID、性別、年齢、飲酒有無、及び喫煙有無、及び病名などの情報が含まれる。前記薬剤師マスターには、前記医療機関で業務を行う薬剤師の薬剤師コード、薬剤師名、担当病棟、及び管理者権限の有無などの情報が含まれる。
ここに、図2は、前記チェック種別マスターD11の一例を示す図である。図2に示されるように、前記チェック種別マスターD11には、前記薬剤業務支援システム10において実施される各種のチェックの種別ごとに、チェックすべきチェック内容が記憶されている。具体的に、図2に示される前記チェック種別マスターD11には、前記処方データについて調剤前に実施される処方チェックの際にチェックされるべきチェック内容として、「同薬品」、「同薬効」、「同成分」、「相互作用(警告)」、「相互作用(禁忌)」、「簡易懸濁不可」、「禁忌症」などが、それらのチェック内容に対応する「区分値」と共に記憶されている。例えば、「相互作用」は、前記処方データにおける薬品の組み合わせに関するチェックである。また、「禁忌症」は、前記処方データに含まれる薬品が患者に処方してよい薬品であるか否かのチェックであって、患者の病名などに基づいて行われる。なお、前記処方チェックは、例えば前記サーバー1が前記上位システム6から前記処方データを取得した際、前記処方データについて調剤が開始される際、又はユーザーによる処方チェック要求時などに、前記制御部11によって実行される。なお、前記処方チェックについては従来周知の各種手法を用いればよいため、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、前記制御部11は、前記マスター記憶部122に記憶されている各種のマスター情報を、前記上位システム6から取得する情報に基づいて随時更新可能である。また、前記制御部11は、前記サーバー1、前記クライアント端末2を用いたユーザー操作に応じて前記各種のマスター情報を編集することも可能である。
前記情報記憶部123は、前記処方データ、患者情報D12、処方チェックエラー情報D13、疑義照会記録情報D14、疑義照会明細情報D15などの各種の情報が記憶される記憶領域である。前記処方データは、前記制御部11により前記上位システム6から取得されて前記情報記憶部123に記憶される。
ここに、図3は前記患者情報D12の一例を示す図、図4は処方チェックエラー情報D13の一例を示す図、図5は前記疑義照会記録情報D14の一例を示す図、図6は前記疑義照会明細情報D15の一例を示す図である。
図3に示されるように、前記患者情報D12には、患者ごとに「病名コード」、「病名」などの疾患情報が記憶されている。「病名コード」は、疾患を識別するための識別コードである。
前記処方チェックエラー情報D13は、前記処方チェックにおいてエラーが検出された場合に随時に保存される情報である。図4に示されるように、前記処方チェックエラー情報D13では、前記処方チェックの際に検出されたエラー内容が、前記処方データに対応付けて記憶されている。具体的に、図4に示される前記処方チェックエラー情報D13には、「処方番号」、「オーダー番号」、「患者ID」、「薬品コード」、「薬品名」、「疑義」、「処方チェック種別区分」、「エラー内容」などの情報が記憶されている。「処方番号」及び「オーダー番号」は、前記エラーが検出された前記処方データを示す情報である。「薬品コード」及び「薬品名」は、前記エラーに関連する薬品を示す情報である。「疑義」は、前記エラーに対して疑義照会が行われたか否かを示す情報であり、「1」の値は疑義照会が行われたことを示し、「0」の値は疑義照会が行われていないことを示す。「処方チェック種別区分」は、前記処方チェックに含まれるどのチェック内容で前記エラーが検出されたかを示す情報であり、前記チェック種別マスターD11における「区分値」のいずれかの値が設定される。「エラー内容」は、前記エラーの内容を示す情報である。
前記疑義照会記録情報D14は、前記処方データについての疑義照会が行われた場合に随時に保存される情報である。図5に示される前記疑義照会記録情報D14には、「疑義番号」、「処方番号」、「オーダー番号」、「患者ID」などの情報が記憶されている。「疑義番号」は、個々の疑義照会を識別するための番号である。
前記疑義照会明細情報D15では、前記疑義照会の対象となった前記エラーごとに、前記エラーに対する対処方法などの情報が記憶されている。図6に示される前記疑義照会明細情報D15には、前記エラーごとに、「疑義番号」、「疑義明細番号」、「薬品コード」、「薬品名」、「エラー内容」、「報告者コメント」などの情報が記憶されている。「疑義明細番号」は、前記疑義照会の対象となった複数の前記エラーを相互に識別するための番号である。「エラー内容」は、前記処方チェックエラー情報D13における「エラー内容」と同じ情報である。「報告者コメント」は、前記疑義照会を行った報告者のコメント内容(具体的には、前記エラーに対する対処方法)を示す情報であって、後述の疑義照会記録画面P5(図12参照)のコメント欄R15に入力された内容を示している。前記疑義照会明細情報D15は、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データの一例である。なお、前記疑義照会明細情報D15には、前記エラーごとに危険度又は重要度を示す情報が含まれてもよい。また、前記疑義照会明細情報D15には、他の医療機関において行われた疑義照会の事例の情報が含まれていてもよい。
なお、図示は省略するが、前記情報記憶部123には、過去のインシデント(ヒヤリハットとも呼ばれる)の事例の情報が蓄積されたインシデント事例データが記憶される。前記インシデント事例データには、例えば、前記インシデントごとに、「インシデント番号」、「薬品コード」、「薬品名」、「エラー内容」、「報告者コメント」などの情報が記憶されている。「インシデント番号」は、個々のインシデントを識別するための番号である。「エラー内容」は、前記インシデントの内容を示す情報であり、例えば、「規格量違い薬品を投薬」、「類似薬品名を投薬」、「患者間違い(同姓同名)」、「曜日指定の間違い」などのエラーが含まれる。「報告者コメント」は、前記インシデントを報告した報告者のコメントを示す情報である。なお、前記インシデント事例データには、前記インシデントごとに危険度又は重要度を示す情報が含まれてもよい。また、前記インシデント事例データには、他の医療機関において報告されたインシデントの事例の情報が含まれていてもよい。
前記通信I/F13は、前記通信網5を介して前記クライアント端末2、前記調剤機器3、及び前記プリンター4などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
前記表示装置14は、前記制御部11からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作装置15は、前記サーバー1に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作装置15は、前記表示装置14に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。また、前記操作装置15は、前記表示装置14に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。
前記ドライブ装置16は、前記薬剤業務支援プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体161から前記薬剤業務支援プログラムを読み取ることが可能である。前記記録媒体161は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置16は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。そして、前記サーバー1では、前記制御部11により、前記ドライブ装置16を用いて前記記録媒体161から読み取られた前記薬剤業務支援プログラムが前記記憶部12の前記プログラム記憶部121に記憶され、前記サーバー1にインストールされる。これにより、前記制御部11では、前記CPUが、前記プログラム記憶部121に記憶されている前記薬剤業務支援プログラムを前記RAMに展開しつつ実行することが可能となる。
そして、前記サーバー1の前記制御部11は、判定処理部111及び表示処理部112を含む。具体的に、前記制御部11は、前記薬剤業務支援プログラムに従って各種の処理を実行することにより、前記判定処理部111及び前記表示処理部112として機能する。
前記判定処理部111は、複数の薬品の各々について、前記疑義照会明細情報D15(すなわち、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ)及び前記インシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、前記薬品が要注意薬品であるか否かを判定する。例えば、前記判定処理部111は、後述の処方鑑査画面P1(図8参照)又は後述の薬歴画面P2(図9参照)に表示される複数の薬品の各々について、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定する。前記処方鑑査画面P1は、特定の患者に処方された薬品(すなわち、特定の患者に対する処方内容を示す処方データに含まれる薬品)の薬品識別情報の一覧が表示される画面である。前記薬歴画面P2は、特定の患者に投与される薬品の薬品識別情報の一覧が表示される画面である。
前記判定処理部111による前記要注意薬品の判定方法としては、種々の判定方法が考えられる。例えば、前記判定処理部111は、前記事例データに含まれる前記薬品に関連する事例の件数に基づいて、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定してもよい。例えば、前記判定処理部111は、前記疑義照会明細情報D15に含まれる前記薬品に関連する疑義照会の事例の件数が予め定められた判定閾値(例えば、2件)以上である場合に、前記薬品が前記要注意薬品であると判定してもよい。また、前記判定処理部111は、前記インシデント事例データに含まれる前記薬品に関連するインシデントの事例の件数が前記判定閾値以上である場合に、前記薬品が前記要注意薬品であると判定してもよい。なお、前記判定閾値は、1件であってもよいし、3件以上であってもよい。また、前記判定閾値は、ユーザーが任意の値に変更可能であってもよい。
前記判定処理部111による前記要注意薬品の判定方法の他の例として、前記判定処理部111は、前記事例データに含まれる前記薬品を処方した医師に関連する事例の件数に基づいて、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定してもよい。例えば、前記判定処理部111は、前記疑義照会明細情報D15に含まれる前記医師に関連する疑義照会の事例の件数が多いほど、前記判定閾値を小さくしてもよい。これにより、疑義照会の件数が多い医師によって処方された薬品ほど、前記要注意薬品であると判定されやすくなる。
前記判定処理部111による前記要注意薬品の判定方法のさらに他の例として、前記判定処理部111は、前記事例データに含まれる事例ごとの危険度を示す情報に基づいて前記要注意薬品を判定してもよい。例えば、前記判定処理部111は、前記疑義照会明細情報D15に含まれる前記薬品に関連する疑義照会の事例うちの前記危険度が特定レベル以上(例えば、「中」又は「高」)の事例の件数に基づいて、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定してもよい。
前記表示処理部112は、前記複数の薬品の薬品識別情報(例えば、薬品名、薬品コード、薬品画像など)の一覧を含む画面(例えば、前記処方鑑査画面P1、前記薬歴画面P2など)を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報とその他の薬品(非要注意薬品)の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で、前記クライアント端末2の後述の表示装置24に表示させる。他の実施形態では、前記表示処理部112は、前記画面を前記表示装置14に表示させてもよい。前記表示装置24又は前記表示装置14は表示部の一例である。
前記表示処理部112による前記薬品識別情報の表示態様としては、種々の表示態様が考えられる。例えば、前記表示処理部112は、前記要注意薬品の前記薬品識別情報を強調表示させてもよい。例えば、前記表示処理部112は、図8に示される前記処方鑑査画面P1のように、前記要注意薬品(ここでは、「A薬品」、「マイスリー5mg」、及び「E薬品」)の薬品名の背景色を、通常の背景色(例えば、白色)とは異なる色(例えば、赤色)に変更してもよい。また、前記表示処理部112は、前記要注意薬品の前記薬品識別情報を示す文字の色、太さ、又はサイズを、通常とは異なる色、太さ、又はサイズに変更してもよい。また、前記表示処理部112は、前記画面において前記要注意薬品の前記薬品識別情報を識別可能に表示させるために、前記要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記要注意薬品であることを示す報知画像を表示させてもよい。前記報知画像は、例えば、アイコン、記号、図形などである。例えば、前記表示処理部112は、前記処方鑑査画面P1に表示される前記要注意薬品の薬品名に対応する位置に、図8に示される第1アイコンK11及び第2アイコンK12のようなアイコンを表示させてもよい。
なお、前記判定処理部111は、前記疑義照会明細情報D15(前記疑義照会事例データ)に基づいて第1要注意薬品を判定すると共に、前記インシデント事例データに基づいて第2要注意薬品を判定してもよい。前記第1要注意薬品は、関連する疑義照会事例が前記疑義照会明細情報D15に含まれている前記要注意薬品であり、前記第2要注意薬品は、関連するインシデント事例が前記インシデント事例データに含まれている前記要注意薬品である。そして、前記表示処理部112は、前記第1要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記第1要注意薬品であることを示す第1報知画像(例えば、図8に示される第1アイコンK11)を表示させると共に、前記第2要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記第2要注意薬品であることを示す第2報知画像(例えば、図8に示される第2アイコンK12)を表示させてもよい。なお、図8に示される「マイスリー5mg」には第1アイコンK11及び第2アイコンK12の両方のアイコンが表示されているが、これは、「マイスリー5mg」が前記第1要注意薬品及び前記第2要注意薬品の両方に該当することを示している。
なお、前記画面が、患者に処方又は投与される一又は複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面(例えば、前記処方鑑査画面P1、前記薬歴画面P2など)である場合に、前記表示処理部112は、疑義照会済みの薬品については、前記薬品が前記第1要注意薬品であったとしても前記第1報知画像を表示させないようにしてもよい。例えば、図8に示される前記処方鑑査画面P1において、「C薬品」は前記第1要注意薬品及び前記第2要注意薬品の両方に該当するが、当該「C薬品」の所定欄(すなわち、図8において「疑」と表示されている欄)には疑義照会済みであることを示す「済」の文字が記載されている。この場合、「C薬品」については第1アイコンK11は表示されず、第2アイコンK12のみが表示されてもよい。なお、前記制御部11は、例えば、前記疑義照会記録情報D14及び前記疑義照会明細情報D15に基づいて、疑義照会済みの薬品と疑義照会されていない薬品とを判別してもよい。もしくは、前記制御部11は、前記処方データに含まれる薬品識別情報ごとに、疑義照会済みであるか否かを示すフラグを前記処方データと関連付けて情報記憶部123等に記憶させて随時に更新し、当該フラグに基づいて疑義照会済みの薬品と疑義照会されていない薬品とを判別してもよい。
また、前記制御部11は、前記処方鑑査画面P1における第1アイコンK11に対してマウスの右クリックなどの所定の操作が行われたことに応じて、各入力欄に何も入力されていない状態の前記疑義照会記録画面P5を表示してもよい。そして、前記制御部11は、前記疑義照会明細情報D15の各入力欄にデータが入力された後に「登録」キーが操作されたことに応じて、前記処方データにおける前記第1アイコンK11に対応する薬品に関する疑義照会済みフラグがセットされてもよい。そして、前記処方鑑査画面P1において、前記第1アイコンK11に対応する薬品の前記所定欄(すなわち、図8において「疑」と表示されている欄)に、疑義照会済みであることを示す「済」の文字が表示されてもよい。
また、前記表示処理部112は、前記報知画像が操作(例えば、クリック、タッチなど)されたことに応じて、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例に関する情報を前記表示装置24又は前記表示装置14に表示させてもよい。例えば、前記表示処理部112は、前記報知画像が操作されたことに応じて、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例の件数を表示させてもよい。また、前記表示処理部112は、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例の件数を予め定められた項目別に表示させてもよい。また、前記表示処理部112は、前記報知画像が操作されたことに応じて、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例に関する情報を前記表示装置24又は前記表示装置14に表示させると共に、当該操作された前記報知画像を非表示にしてもよい。例えば、各処方データの各薬品ごとに、前記報知画像を非表示にすべきか否かを示すフラグが設けられ、前記薬品に関する疑義照会が行われた場合、前記薬品に対応する前記報知画像が操作された場合、前記薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例に関する情報が表示された場合などに前記フラグがセットされてもよい。そして、前記表示処理部112は、前記フラグがセットされている場合には、前記薬品が前記要注意薬品であったとしても前記報知画像を表示させないようにしてもよい。また、前記表示処理部112は、前記報知画像が操作されたことに応じて、前記要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記報知画像が操作済みであることを示す画像を表示させてもよい。また、前記表示処理部112は、前記第1報知画像が操作されたことに応じて、前記第1要注意薬品に関連する疑義照会の事例において実施された対処方法を前記表示部に表示させてもよい。例えば、前記表示処理部112は、図8に示される「A薬品」に対応する第1アイコンK11が操作されたことに応じて、図10に示されるような疑義照会件数画面P3を表示させてもよい。図10に示されるような疑義照会件数画面P3では、「A薬品」に関連する疑義照会の事例の件数が、エラー内容と病名と対処方法の組み合わせごとに、件数が多い順に表示されている。なお、図10に示される疑義照会件数画面P3では「A薬品とB薬品で相互作用エラー」という1種類のエラー内容だけが表示されているが、疑義照会件数画面P3に複数種類のエラー内容が表示されてもよい。この場合、前記表示処理部112は、例えば、合計件数が多い順番にエラー内容を表示してもよい。もしくは、前記表示処理部112は、危険度が高い事例の件数が多い順番にエラー内容を表示してもよい。
[クライアント端末2]
一方、前記クライアント端末2は、制御部21、記憶部22、通信I/F23、表示装置24、操作装置25、及びドライブ装置26などを備えるコンピュータである。前記クライアント端末2は、例えば、調剤が行われる調剤室100、患者が入院する病棟200などに設けられ、薬剤師などによって用いられる操作端末である。なお、前記クライアント端末2は、スマートフォン又はタブレット端末などのモバイル端末であり、病院又は薬局等の医療機関において薬剤師などのユーザーによって持ち運ばれるものであってもよい。
前記制御部21は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは揮発性の記憶部、前記EEPROMは不揮発性の記憶部である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、前記制御部21は、前記CPUを用いて、前記ROM、前記EEPROM、又は前記記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
前記記憶部22は、前記制御部21によって実行される各種のアプリケーションプログラム及び各種のデータが記憶されるハードディスク又はSSD等の不揮発性の記憶部である。具体的に、前記記憶部22には、オペレーティングシステム(OS)及びブラウザソフトなどのアプリケーションプログラムが記憶されるプログラム記憶部221が含まれる。前記ブラウザソフトは、前記通信網5を介して前記サーバー1にアクセスすることにより前記表示装置24に各種の操作画面などを表示させると共に、前記操作装置25を用いた前記操作画面に対する入力操作を前記サーバー1に伝達するためのアプリケーションソフトウェアである。具体的に、前記制御部21は、前記ブラウザソフトにより表示される操作画面の所定位置に、前記サーバー1に対応するURL(Universal Resource Locator)などのアドレス情報が入力された場合に、該アドレス情報に基づいて前記サーバー1にアクセスする。
前記通信I/F23は、前記通信網5を介して前記サーバー1、前記調剤機器3、及び前記プリンター4などの外部機器との間で、予め定められた通信プロトコルに従って無線又は有線でデータ通信を実行するネットワークカード等を有する通信インターフェースである。
前記表示装置24は、前記制御部21からの制御指示に従って各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部である。前記操作装置25は、前記クライアント端末2に各種の情報を入力するためにユーザーによって操作される操作部である。具体的に、前記操作装置25は、前記表示装置24に表示される各種の操作画面における入力操作を受け付けるキーボード及びマウス(ポインティングデバイス)を含む。また、前記操作装置25は、前記表示装置24に表示される各種の操作画面に対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル、又は音声認識により各種情報の入力を受け付ける音声入力装置を含むものであってもよい。
前記ドライブ装置26は、前記OS又は前記ブラウザソフトなどが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体261から前記OS又は前記ブラウザソフトなどを読み取ることが可能である。前記記録媒体261は、CD、DVD、BD、又はUSBメモリなどであり、前記ドライブ装置26は、CDドライブ、DVDドライブ、BDドライブ、又はUSBポートなどである。前記クライアント端末2では、前記制御部21により、前記ドライブ装置26を用いて前記記録媒体261から読み取られた前記OS又は前記ブラウザソフトなどが前記記憶部22の前記プログラム記憶部221に記憶され、前記クライアント端末2にインストールされる。これにより、前記制御部21では、前記CPUが、前記プログラム記憶部221に記憶されている前記OS又は前記ブラウザソフトなどを前記RAMに展開しつつ実行することが可能となる。
そして、前記薬剤業務支援システム10では、ユーザーによる前記クライアント端末2の操作に応じて、薬剤業務に関する各種処理(例えば、薬剤業務に関する各種情報の表示、記録、及び印刷など)が実行可能である。具体的に、本実施形態では、前記サーバー1と前記クライアント端末2とによりサーバクライアントシステムが構成されており、前記サーバー1が前記クライアント端末2のユーザー操作に応じて後述の報知画像表示処理を実行する場合について説明する。そのため、以下に説明する「表示」、「操作」、「選択」、及び「入力」などは、前記クライアント端末2の前記表示装置24及び前記操作装置25を用いて行われる。
一方、前記サーバー1が、前記表示装置14及び前記操作装置15を用いて前記報知画像表示処理を実行することも可能であり、前記サーバー1単体を本発明に係る薬剤業務支援システムとして捉えてもよい。さらに、前記クライアント端末2を本発明に係る薬剤業務支援システムとして捉えてもよい。即ち、前記クライアント端末2に、前記薬剤業務支援プログラムの一部又は全部がインストールされており、前記クライアント端末2の前記制御部21が、前記サーバー1から必要な情報を適宜取得して、前記報知画像表示処理を実行することも考えられる。
[報知画像表示処理]
次に、図7を参照しつつ、前記サーバー1の前記制御部11によって実行される報知画像表示処理について説明する。前記報知画像表示処理は、例えば前記サーバー1又は前記クライアント端末2に対するユーザー操作に応じて開始され、前記薬剤業務支援プログラムに従って前記制御部11によって実行される。なお、本発明は、前記報知画像表示処理を実行することにより薬剤業務を支援するための薬剤業務支援方法の発明として捉えてもよい。
<ステップS10>
まず、ステップS10において、前記制御部11は、薬剤師などのユーザーの操作に応じて処方データを選択する。例えば、前記制御部11は、ユーザーによって入力される処方IDに基づいて処方データを選択してもよい。もしくは、前記制御部11は、ユーザーによって入力される患者名に基づいて当該患者に対応する処方データを一覧表示し、当該一覧表示された処方データの中からユーザーの操作に応じて1つの処方データを選択してもよい。
前記薬剤業務支援システム10では、前記処方データの内容を表示するための処方鑑査画面P1(図8参照)が表示される。また、前記薬剤業務支援システム10では、前記処方データに対する前記処方チェックが実施された後に、チェック結果を示すエラー画面(不図示)が表示される。前記エラー画面には、前記処方チェックで検出されたエラー項目の内容が表示される。また、前記エラー画面には、前記エラー項目について医師に対して疑義照会を行った結果を入力するための疑義照会キーと、前記処方データに対応する患者の薬歴を表示するための薬歴キーとが表示されている。前記疑義照会キーが操作されると、前記エラー項目について医師に対し疑義照会をした結果に関する疑義照会情報を入力するための疑義照会記録画面P5(図12参照)が表示される。そして、前記疑義照会記録画面P5に対するユーザー操作(例えば、「登録」キーの操作)に応じて、前記疑義照会明細情報D15が前記情報記憶部123に記録される。前記薬歴キーが操作されると、前記処方データに対応する患者の薬歴を表示する薬歴画面P2(図9参照)が表示される。
このように、前記薬剤業務支援システム10では、前記処方鑑査画面P1、前記エラー画面、前記疑義照会記録画面P5、前記薬歴画面P2などの各種画面をユーザー操作に応じて任意に切り替えて表示させることが可能である。
<ステップS11>
ステップS11において、前記制御部11は、画面切り替え操作が行われたか否かを判断する。例えば、前記疑義照会キー、前記薬歴キーなどの操作キーの操作が検知された場合に、前記制御部11は、前記画面切り替え操作が行われたと判断する。そして、前記画面切り替え操作が行われたと判断されると(S11:Yes)、処理がステップS12に移行する。一方、前記画面切り替え操作が行われていないと判断されると(S11:No)、前記画面切り替え操作が行われたと判断されるまで当該ステップS11の処理が繰り返される。
<ステップS12>
ステップS12において、前記制御部11は、前記画面切り替え操作による切り替え後の画面が特定画面であるか否かを判断する。前記特定画面は、複数の薬品の薬品識別情報(例えば、薬品名など)の一覧を含む画面であって、本実施形態では、前記処方鑑査画面P1又は前記薬歴画面P2である。そして、前記画面切り替え操作による切り替え後の画面が前記特定画面であると判断されると(S12:Yes)、処理がステップS13に移行する。一方、前記画面切り替え操作による切り替え後の画面が前記特定画面ではないと判断されると(S12:No)、処理が前記ステップS11に戻る。
本実施形態において前記特定画面として表示される前記処方鑑査画面P1及び前記薬歴画面P2は、前記マスター記憶部122に記憶されている各種のマスター情報、及び前記情報記憶部123に記憶されている前記処方データ、患者情報D12などの各種の情報に基づいて前記制御部11によって生成されて表示される。
図8は、前記処方鑑査画面P1の一例を示す図である。図8に示されるように、前記処方鑑査画面P1には、前記処方データの内容が表示されている。前記処方鑑査画面P1には、患者の情報が表示される患者情報表示領域A11、前記処方データに関する情報が表示される処方情報表示領域A12、及び前記患者に処方される薬品に関する情報が表示される処方薬品表示領域A13が含まれる。
前記患者情報表示領域A11には、例えば、患者コード、患者名、性別、生年月日、年齢、身長、体重、体表面積などの情報が表示される。前記処方情報表示領域A12には、例えば、処方箋区分、処方番号、オーダー番号、実施日、発行日時、診療科、病棟(病室)、医師氏名などの情報が表示される。前記処方薬品表示領域A13には、前記患者に処方される複数の薬品の薬品名が一覧表示される。すなわち、前記処方鑑査画面P1には、前記処方データごとに、前記患者に処方される複数の薬品の薬品名が一覧表示される。また、前記処方薬品表示領域A13には、前記薬品ごとに、例えば、用法、用量、日数、総量、パターン、形体、包装、薬袋、備考などの情報が表示される。なお、図8に示される前記処方鑑査画面P1に表示されている情報は単なる一例に過ぎず、他の実施形態では、これらの情報の一部のみが表示されてもよい。
図9は、前記薬歴画面P2の一例を示す図である。図9に示されるように、前記薬歴画面P2には、前記処方データに対応する患者の薬歴が表示されている。前記薬歴画面P2には、患者の情報が表示される患者情報表示領域A21、前記患者に投与された薬品に関する情報が表示される投与薬品表示領域A22、前記患者に実施した検査に関する情報が表示される検査情報表示領域A23、及び前記患者の予定等の情報が表示される予定情報表示領域A24が含まれる。
前記患者情報表示領域A21には、例えば、患者コード、患者名、性別、年齢、身長、体重、体表面積、BMI、妊婦・授乳婦、病棟、病室、診療科、入院日、退院日、担当薬剤師などの情報が表示される。前記投与薬品表示領域A22には、前記患者に投与された複数の薬品の薬品名が一覧表示される。すなわち、前記薬歴画面P2には、患者ごとに、前記患者に処方される複数の薬品の薬品名が一覧表示される。また、前記投与薬品表示領域A22には、前記薬品ごとに、例えば、用法、手法、一日量、単位、診療科、投与日、各投与日における投与回数などの情報が表示される。前記検査情報表示領域A23には、前記患者に実施した検査の検査項目が一覧表示される。また、前記検査情報表示領域A23には、前記検査項目ごとに、例えば、Min(検査値の正常範囲の下限値)、Max(検査値の正常範囲の上限値)、検査日、各検査日における検査値などの情報が表示される。前記予定情報表示領域A24には、患者予定、処方情報、指導予定などの予定を示す情報が表示される。なお、図9に示される前記薬歴画面P2に表示されている情報は単なる一例に過ぎず、他の実施形態では、これらの情報の一部のみが表示されてもよい。
<ステップS13>
ステップS13において、前記制御部11は、前記特定画面に一覧表示される複数の薬品の各々について、前記薬品に関連する疑義照会の事例の件数を取得する。具体的に、前記制御部11は、前記疑義照会明細情報D15を参照して、前記薬品に関連する疑義照会の事例の件数を前記薬品ごとに取得する。例えば、「A薬品」に関連する疑義照会の事例の件数を取得する場合、前記制御部11は、前記疑義照会明細情報D15の中から「A薬品」の薬品コードである「A01」を含むレコードを抽出し、抽出されたレコード数をカウントする。
<ステップS14>
ステップS14において、前記制御部11は、前記ステップS13で前記薬品ごとに取得された疑義照会の事例の件数に基づいて、前記薬品が前記第1要注意薬品であるか否かを前記薬品ごとに判定する。例えば、前記制御部11は、或る薬品に関連する疑義照会の事例の件数が前記判定閾値(例えば、2件)以上である場合に、前記薬品が前記第1要注意薬品であると判定する。なお、他の実施形態では、前記制御部11は、前記薬品を処方した医師、前記薬品に関連する疑義照会の事例の危険度などの情報に基づいて、前記薬品が前記第1要注意薬品であるか否かを判定してもよい。
<ステップS15>
ステップS15において、前記制御部11は、前記特定画面において、前記第1要注意薬品の薬品名に対応する位置に前記第1アイコンK11を表示する。例えば、図8に示される前記処方鑑査画面P1では、前記第1要注意薬品であると判定された「A薬品」、「マイスリー5mg」、及び「E薬品」の各々について、対応する「注意」欄に前記第1アイコンK11が表示されている。また、図9に示される前記薬歴画面P2では、前記第1要注意薬品であると判定された「A薬品」の「薬品名」欄に前記第1アイコンK11が表示されている。このように、本実施形態では、前記第1要注意薬品の薬品名に対応する位置に前記第1アイコンK11が表示される。したがって、例えば処方鑑査の場面において、薬剤師などの医療スタッフは、前記処方鑑査画面P1に含まれる複数の薬品の中から前記第1要注意薬品を容易に識別することができる。前記第1要注意薬品は、過去に疑義照会が行われた薬品であるため、当該第1要注意薬品を重点的にチェックすることによって、監査業務の精度を向上させることができると同時に、監査業務を効率良く実施することができる。また、例えば服役指導の場面において、看護師などの医療スタッフは、前記薬歴画面P2に含まれる複数の薬品の中から前記第1要注意薬品を容易に識別することができる。看護師などの医療スタッフにとって、前記第1アイコンK11は、例えば患者に投与すべき薬剤を変更すべきか否かの判断の助けとなる有益な情報である。なお、前記制御部11は、図8に示される「C薬品」のように、すでに疑義照会済みである薬品については、前記第1要注意薬品であると判定された場合であっても、前記第1アイコンK11の表示を省略してもよい。
<ステップS16>
ステップS16において、前記制御部11は、前記特定画面に一覧表示される複数の薬品の各々について、前記薬品に関連するインシデントの事例の件数を取得する。具体的に、前記制御部11は、前記インシデント事例データを参照して、前記薬品に関連するインシデントの事例の件数を前記薬品ごとに取得する。例えば、「A薬品」に関連する疑義照会の事例の件数を取得する場合、前記制御部11は、前記インシデント事例データの中から「A薬品」の薬品コードである「A01」を含むレコードを抽出し、抽出されたレコード数をカウントする。
<ステップS17>
ステップS17において、前記制御部11は、前記ステップS16で前記薬品ごとに取得されたインシデントの事例の件数に基づいて、前記薬品が前記第2要注意薬品であるか否かを前記薬品ごとに判定する。例えば、前記制御部11は、或る薬品に関連するインシデントの事例の件数が前記判定閾値(例えば、2件)以上である場合に、前記薬品が前記第2要注意薬品であると判定する。なお、他の実施形態では、前記制御部11は、前記薬品を処方した医師、前記薬品に関連するインシデントの事例の危険度などの情報に基づいて、前記薬品が前記第2要注意薬品であるか否かを判定してもよい。
<ステップS18>
ステップS18において、前記制御部11は、前記特定画面において、前記第2要注意薬品の薬品名に対応する位置に前記第2アイコンK12を表示する。例えば、図8に示される前記処方鑑査画面P1では、前記第2要注意薬品であると判定された「マイスリー5mg」、「C薬品」、及び「リューマトレックス」の各々について、対応する「注意」欄に前記第2アイコンK12が表示されている。また、図9に示される前記薬歴画面P2では、前記第2要注意薬品であると判定された「抗癌剤」の「薬品名」欄に前記第2アイコンK12が表示されている。このように、本実施形態では、前記第2要注意薬品の薬品名に対応する位置に前記第2アイコンK12が表示される。したがって、例えば薬品取り揃えの場面において、薬剤師又は看護師などの医療スタッフは、前記処方鑑査画面P1又は前記薬歴画面P2に含まれる複数の薬品の中から前記第2要注意薬品を容易に識別することができる。よって、薬剤師又は看護師などの医療スタッフは、例えば、名称が類似している薬品との取り間違いが過去に起こっている薬品を要注意薬品として容易に識別することができ、薬品の取り間違いを未然に防止することができる。
なお、前記制御部11は、前記特定画面に表示されている患者名に関連する「患者間違い(同姓同名)」のインシデントの事例が前記インシデント事例データに含まれている場合に、図8又は図9に示されるように前記患者名に対応する位置に前記第2アイコンK12を表示してもよい。これにより、例えば服薬指導の場面において、看護師などの医療スタッフは、前記薬歴画面P2を見たときに、前記薬歴画面P2に含まれる患者名に関連する「患者間違い(同姓同名)」のインシデントの事例が存在していることを容易に認識することができる。よって、看護師などの医療スタッフは、患者に薬品を手渡す際に、間違って同姓同名の別の患者に薬品を手渡すことがないように注意を払うことができ、患者間違いを未然に防止することができる。
<ステップS19>
ステップS19において、前記制御部11は、前記特定画面に表示されているいずれかの前記第1アイコンK11の操作(例えば、クリック、タッチなど)が検知されたか否かを判断する。そして、いずれかの前記第1アイコンK11の操作が検知されたと判断されると(S19:Yes)、処理がステップS20に移行する。一方、いずれの前記第1アイコンK11の操作も検知されていないと判断されると(S19:No)、処理がステップS21に移行する。
<ステップS20>
ステップS20において、前記制御部11は、操作された前記第1アイコンK11に対応する薬品(前記第1要注意薬品)に関連する疑義照会の事例に関する画面を表示させる。例えば、前記制御部11は、「A薬品」に対応する前記第1アイコンK11が操作されたことに応じて、図10に示されるような疑義照会件数画面P3を前記表示装置24又は前記表示装置14に表示させてもよい。図10に示される前記疑義照会件数画面P3には、「A薬品」に関連する疑義照会の事例の件数が、エラー内容と病名と対処方法の組み合わせごとに、件数が多い順に表示されている。これにより、薬剤師などのユーザーは、「A薬品」に関連して過去にどのようなエラー内容の疑義照会が行われたか、及び、そのエラー内容についてどの疾患の患者に対してどのような対処が行われたかを容易に確認することができる。また、件数が多い順に表示されるので、ユーザーは、どのような対処方法が多く採用されたのかを容易に把握することができる。
具体的に、前記制御部11は、前記疑義照会明細情報D15に基づいて前記疑義照会件数画面P3を表示させる。例えば、前記制御部11は、前記疑義照会明細情報D15の中から、操作された前記第1アイコンK11に対応する薬品の薬品コードを含むレコードを抽出し、抽出されたレコードの件数を、予め定められた項目別(条件別)にカウントする。なお、前記項目又は条件は、ユーザーが任意に変更可能であってもよい。そして、前記制御部11は、前記項目別の件数を、例えば件数が多い順に並べ替えた上で、前記疑義照会件数画面P3に表示する。
なお、前記疑義照会件数画面P3は、前記ステップS20で表示される画面の単なる一例に過ぎず、前記ステップS20において他の画面が表示されてもよい。例えば、前記制御部11は、操作された前記第1アイコンK11に対応する薬品(前記第1要注意薬品)に関連する疑義照会の全ての事例を一覧表示した画面を前記表示装置24又は前記表示装置14に表示させてもよい。
なお、前記ステップS20において、前記制御部11は、操作された前記第1アイコンK11に対応する薬品(前記第1要注意薬品)に関連する疑義照会の事例に関する画面として、ユーザー操作に応じて複数の画面を順次に表示させてもよい。例えば、前記制御部11は、前記疑義照会件数画面P3に表示されているいずれかの項目(条件)が選択されたことに応じて、図11に示されるような疑義照会一覧画面P4を表示させてもよい。図11に示される前記疑義照会一覧画面P4は、図10において上から1番目に表示されている項目(条件)、すなわち、エラー内容が「A薬品とB薬品で相互作用エラー」であり病名が「XXX疾患」であり対処方法が「A薬品をAA薬品に変更」である項目(条件)が選択された場合の前記疑義照会一覧画面P4の一例を示している。前記疑義照会一覧画面P4では、選択された項目(条件)に該当する疑義照会の事例が一覧表示されている。さらに、前記制御部11は、前記疑義照会一覧画面P4に一覧表示されている疑義照会の事例の中からいずれか1つの事例が選択されたことに応じて、選択された疑義照会の事例に対応する前記疑義照会記録画面P5を表示させてもよい。図12に示される前記疑義照会記録画面P5は、図11において上から2番目に表示されている疑義照会の事例が選択された場合の前記疑義照会記録画面P5の一例を示している。
図12は、前記疑義照会記録画面P5の一例を示す図である。前記疑義照会記録画面P5は、薬剤師が医師に対して疑義照会を行う際に各種情報を入力するための画面であるのと同時に、過去に行われた疑義照会の内容を確認するための画面でもある。図12に示されるように、前記疑義照会記録画面P5には、例えば、エラー内容欄R11、キーワード欄R12、危険度欄R13、因子欄R14、コメント欄R15、変更前薬品欄R16、変更後薬品欄R17などが含まれる。
前記エラー内容欄R11には、前記処方チェックおいて検出されたエラー内容が表示される。前記キーワード欄R12には、疑義照会時に薬剤師によって入力されたキーワードが表示される。前記キーワードは、疑義照会の事例の検索処理などで用いられる。前記危険度欄R13には、疑義照会が行われたエラーについての危険度(重要度)を示す数値が表示される。前記因子欄R14には、前記エラーの要因となった薬品の薬品名が表示される。前記コメント欄R15には、疑義照会を行った薬剤師のコメントが表示される。前記変更前薬品欄R16には、疑義照会の結果として薬品の変更が行われた場合に、変更前の薬品の薬品名が表示される。前記変更後薬品欄R17には、疑義照会の結果として薬品の変更が行われた場合に、変更後の薬品の薬品名が表示される。なお、これらの各欄に表示される各種情報は、例えば疑義照会明細情報D15に記憶されている。前記制御部11は、前記疑義照会明細情報D15に基づいて、前記疑義照会記録画面P5を表示させる。これにより、ユーザーは、過去に行われた疑義照会の内容を確認することができる。また、ユーザーは、前記疑義照会記録画面P5に含まれている各欄のデータを必要に応じてコピーして、新たな疑義照会のために利用することも可能である。これにより、新たな疑義照会のための前記疑義照会記録画面P5へのデータ入力の手間が大幅に軽減される。
<ステップS21>
ステップS21において、前記制御部11は、前記特定画面に表示されているいずれかの前記第2アイコンK12の操作(例えば、クリック、タッチなど)が検知されたか否かを判断する。そして、いずれかの前記第2アイコンK12の操作が検知されたと判断されると(S21:Yes)、処理がステップS22に移行する。一方、いずれの前記第2アイコンK12の操作も検知されていないと判断されると(S21:No)、処理がステップS23に移行する。
<ステップS22>
ステップS22において、前記制御部11は、操作された前記第2アイコンK12に対応する薬品(前記第2要注意薬品)に関連するインシデントの事例に関する画面を表示させる。例えば、前記制御部11は、「マイスリー5mg」に対応する前記第2アイコンK12が操作されたことに応じて、図13に示されるようなインシデント件数画面P6を前記表示装置24又は前記表示装置14に表示させてもよい。図13に示される前記インシデント件数画面P6には、「マイスリー5mg」に関連するインシデントの事例の件数が、エラー内容と危険度の組み合わせごとに、件数が多い順に表示されている。これにより、薬剤師などのユーザーは、「マイスリー5mg」に関連して過去にどのようなエラー内容及び危険度のインシデントが報告されているのかを容易に確認することができる。また、件数が多い順に表示されるので、ユーザーは、どのような危険度のインシデントが多く報告されているのかを容易に把握することができる。
具体的に、前記制御部11は、前記インシデント事例データに基づいて前記インシデント件数画面P6を表示させる。例えば、前記制御部11は、前記インシデント事例データの中から、操作された前記第2アイコンK12に対応する薬品の薬品コードを含むレコードを抽出し、抽出されたレコードの件数を、予め定められた項目別(条件別)にカウントする。なお、前記項目又は条件は、ユーザーが任意に変更可能であってもよい。そして、前記制御部11は、前記項目別の件数を、例えば件数が多い順に並べ替えた上で、前記インシデント件数画面P6に表示する。
なお、前記インシデント件数画面P6は、前記ステップS22で表示される画面の単なる一例に過ぎず、前記ステップS22において他の画面が表示されてもよい。例えば、前記制御部11は、操作された前記第2アイコンK12に対応する薬品(前記第2要注意薬品)に関連するインシデントの全ての事例を一覧表示した画面を前記表示装置24又は前記表示装置14に表示させてもよい。
なお、前記ステップS22において、前記制御部11は、操作された前記第2アイコンK12に対応する薬品(前記第2要注意薬品)に関連するインシデントの事例に関する画面として、ユーザー操作に応じて複数の画面を順次に表示させてもよい。例えば、前記制御部11は、前記インシデント件数画面P6に表示されているいずれかの項目(条件)が選択されたことに応じて、選択された項目(条件)に該当するインシデントの事例を一覧表示するインシデント一覧画面(不図示)を表示させてもよい。さらに、前記制御部11は、前記インシデント一覧画面に一覧表示されているインシデントの事例の中からいずれか1つの事例が選択されたことに応じて、選択されたインシデントの事例に対応するインシデント記録画面(不図示)を表示させてもよい。前記インシデント記録画面は、薬剤師又は看護師等がインシデントを報告する際に各種情報を入力するための画面であるのと同時に、過去に報告されたインシデントの内容を確認するための画面でもある。前記インシデント記録画面には、例えば、エラー内容、キーワード、危険度、報告者コメントなどの情報が表示される。
<ステップS23>
ステップS23において、前記制御部11は、他の画面(すなわち、前記特定画面以外の画面)への切り替え操作が検知されたか否かを判断する。そして、前記他の画面への切り替え操作が行われたと判断されると(S23:Yes)、処理が前記ステップS1に戻る。一方、前記他の画面への切り替え操作が行われていないと判断されると(S23:No)、処理が前記ステップS19に戻る。
以上説明したように、前記薬剤業務支援システム10では、前記疑義照会明細情報D15に基づいて前記第1要注意薬品が判定され、前記第1要注意薬品の薬品名に対応する位置に前記第1アイコンK11が表示される。したがって、薬剤師などのユーザーは、前記特定画面に含まれる複数の薬品の中から前記第1要注意薬品を容易に識別することができる。また、前記薬剤業務支援システム10では、前記インシデント事例データに基づいて前記第2要注意薬品が判定され、前記第2要注意薬品の薬品名に対応する位置に前記第2アイコンK12が表示される。したがって、薬剤師などのユーザーは、前記特定画面に含まれる複数の薬品の中から前記第2要注意薬品を容易に識別することができる。
また、前記薬剤業務支援システム10では、前記特定画面において、前記第1要注意薬品及び前記第2要注意薬品が小さいアイコン(例えば、薬品名を示す文字列の1文字分又は2文字分程度の大きさのアイコン)によって示される。よって、前記特定画面のように複数の薬品の情報を含むたくさんの情報が表示される画面においても視認性の低下が抑制され、薬剤業務の作業効率を良好に維持することができる。
また、前記薬剤業務支援システム10では、特定の患者に処方された薬品の薬品識別情報の一覧が表示される処方鑑査画面P1において、要注意薬品に対応する位置にアイコンが表示される。これにより、ユーザーは、患者に処方された全薬品の把握と要注意薬品の有無の確認とを一画面でできる。よって、ユーザーは、画面の切り替え等をしなくても、全薬品についての鑑査に加え、要注意薬品について特に気を配った鑑査を実施することができる。
また、前記薬剤業務支援システム10では、前記第1アイコンK11が操作されたことに応じて疑義照会の事例に関する情報が表示される。よって、薬剤師などのユーザーは、前記第1要注意薬品に関連する疑似照会の事例に関する情報を必要に応じて簡単に確認することができるので、薬剤業務の作業効率が向上する。また、前記薬剤業務支援システム10では、前記第2アイコンK12が操作されたことに応じてインシデントの事例に関する情報が表示される。よって、薬剤師などのユーザーは、前記第1要注意薬品に関連する疑似照会の事例に関する情報を必要に応じて簡単に確認することができるので、薬剤業務の作業効率が向上する。
なお、前記薬剤業務支援システム10では、前記第1要注意薬品を示す前記第1アイコンK11と前記第2要注意薬品を示す前記第2アイコンK12との両方が前記特定画面に表示されるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、前記第1アイコンK11及び前記第2アイコンK12のいずれか一方のみが前記特定画面に表示されてもよい。前記第1アイコンK11のみが前記特定画面に表示される場合には、前記ステップS16~S18、及び前記ステップS21~S22の処理は省略されてもよい。この場合、前記インシデント事例データは不要である。また、前記第2アイコンK12のみが前記特定画面に表示される場合には、前記ステップS13~S15、及び前記ステップS19~S20の処理は省略されてもよい。この場合、前記疑義照会明細情報D15は不要である。
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の技術的思想について付記する。また、以下に付記する各構成及び各処理機能を取捨選択して任意に組み合わせることも可能である。
<付記1>
過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する判定処理部と、
前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させる表示処理部と、
を備える薬剤業務支援システム。
<付記2>
前記判定処理部は、前記薬品に関連する事例の件数に基づいて、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定する、
付記1に記載の薬剤業務支援システム。
<付記3>
前記判定処理部は、前記薬品を処方した医師に関連する事例の件数に基づいて、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定する、
付記1又は付記2に記載の薬剤業務支援システム。
<付記4>
前記判定処理部は、前記事例データに含まれる事例ごとの危険度を示す情報に基づいて、前記薬品が前記要注意薬品であるか否かを判定する、
付記1~3のいずれかに記載の薬剤業務支援システム。
<付記5>
前記表示処理部は、前記要注意薬品の前記薬品識別情報を強調表示させる、
付記1~4のいずれかに記載の薬剤業務支援システム。
<付記6>
前記表示処理部は、前記要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記要注意薬品であることを示す報知画像を表示させる、
付記1~5のいずれかに記載の薬剤業務支援システム。
<付記7>
前記判定処理部は、前記疑義照会事例データに基づいて第1要注意薬品を判定すると共に、前記インシデント事例データに基づいて第2要注意薬品を判定し、
前記表示処理部は、前記第1要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記第1要注意薬品であることを示す第1報知画像を表示させると共に、前記第2要注意薬品の前記薬品識別情報に対応する位置に、前記第2要注意薬品であることを示す第2報知画像を表示させる、
付記6に記載の薬剤業務支援システム。
<付記8>
前記画面が、患者に処方又は投与される一又は複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面であり、
前記表示処理部は、疑義照会済みの薬品については、前記薬品が前記第1要注意薬品であったとしても前記第1報知画像を表示させない、
付記7に記載の薬剤業務支援システム。
<付記9>
前記表示処理部は、前記報知画像が操作されたことに応じて、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例に関する情報を前記表示部に表示させる、
付記6~8のいずれかに記載の薬剤業務支援システム。
<付記10>
前記表示処理部は、前記報知画像が操作されたことに応じて、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例の件数を表示させる、
付記9に記載の薬剤業務支援システム。
<付記11>
前記表示処理部は、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例の件数を予め定められた項目別に表示させる、
付記10に記載の薬剤業務支援システム。
<付記12>
前記表示処理部は、前記報知画像が操作されたことに応じて、前記要注意薬品に関連する疑義照会又はインシデントの事例に関する情報を前記表示部に表示させると共に、当該操作された前記報知画像を前記画面から削除する、
付記9~11のいずれかに記載の薬剤業務支援システム。
<付記13>
前記表示処理部は、前記第1報知画像が操作されたことに応じて、前記第1要注意薬品に関連する疑義照会の事例において実施された対処方法を前記表示部に表示させる、
付記7又は付記8に記載の薬剤業務支援システム。
<付記14>
前記画面が、特定の患者に処方された薬品の薬品識別情報の一覧が表示される処方鑑査画面、又は特定の患者に投与される薬品の薬品識別情報の一覧が表示される薬歴画面である、
付記1~13のいずれかに記載の薬剤業務支援システム。
<付記15>
特定の患者に対する処方内容を示す処方データに含まれる複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を表示部に表示させる表示処理部と、
過去に疑義照会が行われた薬品が登録されている疑義照会事例データ及び過去にインシデントが発生した薬品が登録されているインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、前記複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する判定処理部とを備え、
前記表示処理部は、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で前記画面を前記表示部に表示させる、
薬剤業務支援システム。
<付記16>
一又は複数のコンピュータに、
複数の薬品の各々について、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、前記薬品が要注意薬品であるか否かを判定する処理と、
前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させる処理と、
を実行させるための薬剤業務支援プログラム。
<付記17>
複数の薬品の各々について、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の事例データに基づいて、前記薬品が要注意薬品であるか否かを判定することと、
前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させることと、
を含む薬剤業務支援方法。
1 :サーバー
11:制御部
12:記憶部
13:通信I/F
14:操作装置
15:表示装置
16:ドライブ装置
2 :クライアント端末
21:制御部
22:記憶部
23:通信I/F
24:操作装置
25:表示装置
26:ドライブ装置
3 :調剤機器
4 :プリンター
5 :通信網
6 :上位システム
10:薬剤業務支援システム

Claims (1)

  1. ユーザー操作に応じて、疑義照会の事例の情報及びインシデントの事例の情報の少なくとも一方の情報であって当該事例に対応する薬品の薬品識別情報を含む情報を事例データとして記憶部に記録する制御部と、
    前記記憶部に記録された前記事例データであって、過去の疑義照会の事例の情報が蓄積された疑義照会事例データ及び過去のインシデントの事例の情報が蓄積されたインシデント事例データの少なくとも一方の前記事例データに基づいて、複数の薬品の各々が要注意薬品であるか否かを判定する判定処理部と、
    前記複数の薬品の薬品識別情報の一覧を含む画面を、前記要注意薬品の前記薬品識別情報と非要注意薬品の前記薬品識別情報とを識別可能な表示形態で表示部に表示させる表示処理部と、
    を備え、
    前記判定処理部は、前記記憶部に記憶された前記事例データに含まれる前記薬品に関連する前記事例の件数が判定閾値以上である場合に、当該薬品が前記要注意薬品であると判定する、
    薬剤業務支援システム。
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