JP2003223512A - 電子薬歴管理ソフトウェア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多岐にわたる患者の個人情報に関する項目に
つき、当該患者に関して、例えば処方薬剤の安全性をチ
ェックする際に、注意を要する情報がどの項目に記憶さ
れているかが、画面上のアイコンを見るだけで確認で
き、従って、一人の患者に関する情報を照合するのに時
間と手間を要することなく、極めて効率の良い作業を行
える。 【解決手段】 表示画面に、記憶装置に記憶される情報
の項目を示すアイコンメニュが表示され、それらの各ア
イコンが示す項目に記憶された情報の有無によってアイ
コンの色が変化するような表示制御手段を備えることに
より、それぞれの項目に照合を要する情報が記憶されて
いるかどうかを他のアイコンと区別した色によって視認
できるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、患者毎の電子薬歴
管理を行うコンピュータ用ソフトウェアにおいて、記憶
されている情報の項目を表すアイコンの表示方法に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】病院や診療所で受診した患者は、医師に
よって薬剤を処方され、その処方箋に基づいて、院内ま
たは院外の調剤薬局で薬剤が与えられる。

【０００３】患者は、問診時に、過去の主な病歴や他に
現在使用中の薬剤があるか、過去にアレルギー等の不適
合を起こした薬剤や食品等があるかどうかなどを、個人
情報として申告し、医師または薬剤師は、処方された薬
剤が患者にとって不適合となる成分を含んでいないか、
また、患者が複数の薬剤を処方されている場合には、処
方された薬剤同士の相互作用によって患者に悪影響を及
ぼすことがないかどうかを確認しなければならない。

【０００４】これらの薬剤情報および患者の個人情報等
の情報量は膨大なものであるため、近年では、医療機関
や薬局において、電子薬歴管理ソフトウェアを用いて薬
剤の副作用や禁忌等のチェックを行うようになってい
る。

【０００５】電子薬歴管理ソフトウェアとは、パソコン
を使用して、薬剤情報や患者の薬歴、治療経過等の個人
情報を入力して記憶させ、それらの情報を管理するとと
もに、個人情報と薬剤情報とを検索して照合することに
よって、処方薬剤に関する安全性をチェックするもので
ある。

【０００６】そして、電子薬歴管理ソフトウェアでは、
例えば図２に示すように、パソコンの表示画面に、情報
の項目を示すアイコンが一覧表示され、いずれかのアイ
コンをクリックすると、その項目に記憶されている情報
の内容が表示画面に表示されるようになっている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、患者の
個人情報に関する項目は多岐にわたり、当該患者に関し
て、例えば処方薬剤の安全性をチェックする際に、注意
を要する情報がどの項目に記憶されているかが、画面上
のアイコンを見るだけではわからないため、順次全ての
アイコンをクリックして、その内容の有無を確認しなけ
ればならなかった。従って、一人の患者に関する情報を
照合するのに多くの時間と手間を要し、極めて効率の悪
い作業となっていた。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、薬剤
の副作用や注意事項等の薬剤情報および患者の薬歴や病
歴等複数の項目からなる個人情報が記憶装置に記憶さ
れ、薬剤情報および個人情報の内容が検索可能である電
子薬歴管理ソフトウェアにおいて、表示画面に、記憶装
置に記憶される情報の項目を示すアイコンメニュが表示
され、それらの各アイコンが示す項目に記憶された情報
の有無によってアイコンの色が変化するような表示制御
手段を備えることにより、それぞれの項目に照合を要す
る情報が記憶されているかどうかを他のアイコンと区別
した色によって視認できるものとした。

【０００９】当該患者に関して、照合する必要がある項
目かどうかは、アイコンの色によって一見して他のアイ
コンと見分けることができるので、照合する必要のある
項目のアイコンだけをクリックすれば、迅速に且つ漏れ
なく必要な情報を照合することができる。また、必要な
情報の登録漏れがある場合にも、アイコンの色によっ
て、すぐに見つけることができる。

【００１０】更に、情報内容が適宜変更、追加される可
能性のある問診情報と、薬剤情報や患者の住所、保険証
等の基本情報とを色分けしたり、問診情報に関しては、
入力の有無に加えて、最終入力時から例えば３か月を経
過したときに色が変化するような表示制御手段を備える
ことによって、情報内容が更に判別しやすくなり、処方
および投薬業務の効率を向上させることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。

【００１２】電子薬歴管理ソフトウェアは、通常、医療
機関や薬局等に設置される図１に示すようなコンピュー
タ２のハードディスクに組み込んで使用され、入力した
情報は、ハードディスク等の記憶装置２２に記憶される
とともに、光磁気ディスク等の大容量の記憶メディアに
もバックアップデータとして登録する。また、コンピュ
ータ２の制御装置２１には、キーボードやマウス等の入
力装置２３、表示装置２４、および印刷装置２５等が接
続される。

【００１３】電子薬歴管理ソフトウェアには、処方薬剤
に関する効能や副作用、併用禁忌や不適合となる対象等
の注意事項などからなる薬剤情報が記憶された薬剤情報
ファイルが設けられていて、必要に応じて新規の薬剤情
報を追加登録できるようにされている。また、個人情報
ファイルが設けられ、患者の住所や保険証番号等の識別
情報と、問診によって患者から申告された問診情報とか
らなる個人情報が患者毎に入力され、記憶される。

【００１４】更に、薬剤情報には、薬剤を服用する際の
注意事項等が記載された服薬指導文が登録されていて、
服薬指導書を作成することができる。

【００１５】個人情報の識別情報には、患者の識別コー
ド、氏名、住所、生年月日、血液型、保険証番号、身
長、体重等が初回時に入力され、医師や薬剤師等による
申し送り事項があれば入力される。電子薬歴管理ソフト
ウェアを使用する際、通常は、識別コード、氏名、生年
月日のいずれかによって患者を検索するが、その他の基
本情報を利用して、患者を検索して特定することもでき
る。

【００１６】問診情報には、現在の症状、アレルギの有
無、体質、副作用歴、生活環境、病歴、診療歴、薬歴
等、患者の治療や投薬に関して必要と思われる複数の項
目が設けられ、それぞれの項目に、患者に関する情報が
詳細に記録される。

【００１７】以下、本発明の電子薬歴管理ソフトウェア
の使用手順を説明する。

【００１８】未処理の処方箋が受け付けられると、先ず
患者を検索し、再来患者の場合には、その患者の電子薬
歴画面を開く。新規の患者の場合には、識別情報画面を
開いて、識別コード、氏名、住所、生年月日、血液型、
保険証番号、身長、体重等の識別情報を入力した後、電
子薬歴画面を開く。

【００１９】電子薬歴画面１０は、例えば図２に示すよ
うに、上部に、登録された各情報の項目を示すアイコン
１１が一覧表示されていて、その下の識別フレーム１２
に患者の識別情報、左側の処方フレーム１３には処方箋
の内容、右側の情報フレーム１４には薬剤情報および問
診情報が表示される。処方フレーム１３および情報フレ
ーム１４は、いずれかをクリックすることで操作可能な
フレームを選択し、キーボードやマウス等の入力装置に
よって、入力や訂正等をすることができる。

【００２０】アイコン１１は、処方薬剤に関する薬剤情
報と患者の識別情報、更には医師や薬剤師などの入力者
が代わったときに引継時に必要事項を申し送る情報等か
らなる基本情報と、問診によって入力される問診情報と
が異なる色で表示されている。そして、基本情報のアイ
コン１１ａは、情報が登録されていない場合等のように
参照する必要がない場合が白色で、情報が登録されてい
たり必要な情報の入力漏れがある場合などのように参照
する必要があるときに青色に表示されるように制御され
ている。一方、問診情報のアイコン１１ｂに関しては、
入力履歴が無いものが水色、過去３か月以内に情報が入
力されたものが緑色、最後に情報が入力されてから３か
月を経過したものが赤色で表示されるように制御されて
いる。

【００２１】このようなアイコン１１の色分けは、通常
は、情報の有無を自動的に判別してアイコン１１の色が
変化するように制御されるが、それぞれの項目に情報を
入力するときに、例えばチェックボックス等をチェック
することによって、情報を入力したことを認識させて、
アイコン１１の色が変化するようにしてもよい。尚、表
示されるそれぞれの色は、上記の色に限らない。

【００２２】電子薬歴画面１０に一覧表示されたアイコ
ン１１のうち、参照する必要のあるものがその色によっ
て判別できるので、医師または看護婦は、照合したいも
のを選択してクリックし、情報フレーム１４に、そのア
イコン１１が示す項目に登録された情報を表示させて、
処方薬に関する安全性のチェック等を行ったり、服薬指
導書を作成したり、電子カルテや電子薬歴にも利用する
ことができる。

【００２３】尚、薬剤情報や患者の個人情報を記憶させ
る記憶装置２２は、上記のようにコンピュータ２のハー
ドディスクであってもよいが、薬剤情報等を統括管理す
る機関に設けたサーバ内に設置して、各医療機関や薬局
から、パソコンを用いてインターネット等の通信網を介
してサーバに接続し、情報を検索、照合できるようにし
てもよい。この場合には、医療機関や薬局においては、
パソコンを設置するだけで、全ての薬剤情報および患者
の個人情報の中から、必要な情報を利用することができ
るので、小規模なところでも実施しやすいうえ、携帯端
末機器等を用いて、どこからでも情報を利用することが
できる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によると、多くの項目からなる薬
剤情報や患者の個人情報のうち、投薬時等に照合する必
要のある項目が、色分けによって一目で判別できるの
で、迅速に且つ漏れなく情報を照合することができ、業
務の効率化が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施するためのハードウェア構成を示
す概略図である。

【図２】本発明による表示画面の一例を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

２ コンピュータ、１０ 電子薬歴画面、１１ アイコ
ン、１２ 識別フレーム、１３ 処方フレーム、１４
情報フレーム、２１ 制御装置、２２ 記憶装置、２３
入力装置、２４ 表示装置、２５ 印刷装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 薬剤の副作用や注意事項等の薬剤情報お
   よび患者の薬歴や病歴等複数の項目からなる個人情報が
   記憶装置に記憶され、前記薬剤情報および個人情報の内
   容が検索可能である電子薬歴管理ソフトウェアにおい
   て、表示画面に、前記記憶装置に記憶される情報の項目
   を示すアイコンメニュが表示され、それらの各アイコン
   が示す項目に記憶された情報の有無によって前記アイコ
   ンの色が変化するような表示制御手段を備えることによ
   り、それぞれの項目に照合を要する情報が記憶されてい
   るかどうかを前記アイコンの色によって視認できること
   を特徴とする電子薬歴管理ソフトウェア。
2. 【請求項２】 前記個人情報の複数の項目のうち、問診
   情報を示すアイコンとそれ以外の基本情報を示すアイコ
   ンとが異なる色で表示される請求項１記載の電子薬歴管
   理ソフトウェア。
3. 【請求項３】 前記個人情報のうち、問診情報の項目に
   関して、情報が最後に入力されてから所定の期間が経過
   したときに、当該アイコンの色が変化する表示制御手段
   を備えている請求項１または２記載の電子薬歴管理ソフ
   トウェア。