JP2022065278A - エンジン - Google Patents

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浩之 紺野
Hiroyuki Konno
一彦 小野
Kazuhiko Ono
侑貴 反町
Yuki Sorimachi
遙奈 我那覇
Haruna Ganaha
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Abstract

【課題】オイルシールの密封機能を確保しつつ、オイルシールの摩擦力を低減する。【解決手段】エンジン本体に取り付けられ、機関出力軸の先端部が挿入される開口部を備えるカバー部材と、エンジン本体とカバー部材とに取り付けられ、機関出力軸の先端部に装着されるオイルシールを保持するシールハウジング52と、を有し、シールハウジング52は、カバー部材に取り付けられ、かつオイルシールを保持する環状本体部71と、エンジン本体に取り付けられ、かつ環状本体部71から径方向外方に延びる複数のアーム部72と、を備え、複数のアーム部72のそれぞれにおいて、環状本体部71とアーム部72との境界である境界部83の中心を第1中心C1とし、アーム部72の端に設けられてエンジン本体に取り付けられる取付部78の中心を第2中心C2としたとき、第1中心C1と第2中心C2とを通過する直線L1は、環状本体部71の中心線CLに対して交差していない。【選択図】図7

Description

本発明は、機関出力軸を備えるエンジンに関する。
自動車等の車両に搭載されるエンジンには、機関出力軸であるクランク軸が回転自在に設けられている。また、クランク軸の先端部は、シリンダブロックおよびチェーンカバーを貫通して外部に突出している。このようなクランク軸の先端部には、補機類を駆動するためのクランクプーリが取り付けられている。また、チェーンカバーの内側においてはタイミングチェーンを潤滑するためのオイルが飛散することから、チェーンカバーの開口部とこれを貫通するクランク軸の先端部との間にはオイルシールが組み付けられている(特許文献1~3参照)。
特開2016-191349号公報 特開2017-72084号公報 特開2018-80668号公報
ところで、クランク軸には様々な方向から燃焼圧力や慣性力等が作用するため、クランク軸には軸中心に対して回転中心がずれる軸偏心が生じていた。このように、クランク軸に対して軸偏心が発生する場合であっても、オイルシールをクランク軸の表面に密着させて密封機能を確保するため、オイルシールにはシールリップをクランク軸に押し付ける環状コイルバネが組み付けられている。しかしながら、オイルシールの密封機能を確保するため、環状コイルバネのバネ力を大きく設定することは、オイルシールとクランク軸との間に生じる摩擦力を増加させる要因であった。このため、オイルシールの密封機能を確保しつつ、オイルシールの摩擦力を低減することが求められている。
本発明の目的は、オイルシールの密封機能を確保しつつ、オイルシールの摩擦力を低減することにある。
本発明のエンジンは、機関出力軸を備えるエンジンであって、前記機関出力軸を回転自在に支持するエンジン本体と、前記エンジン本体に取り付けられ、前記機関出力軸の先端部が挿入される開口部を備えるカバー部材と、前記エンジン本体と前記カバー部材との双方に取り付けられ、前記機関出力軸の先端部に装着されるオイルシールを保持する保持部材と、を有し、前記保持部材は、前記カバー部材に取り付けられ、かつ前記オイルシールを保持する環状本体部と、前記エンジン本体に取り付けられ、かつ前記環状本体部から径方向外方に延びる複数のアーム部と、を備え、前記複数のアーム部のそれぞれにおいて、前記環状本体部と前記アーム部との境界である境界部の中心を第1中心とし、前記アーム部の端に設けられて前記エンジン本体に取り付けられる取付部の中心を第2中心としたとき、前記第1中心と前記第2中心との双方を通過する直線は、前記環状本体部の中心線に対して交差していない。
本発明によれば、複数のアーム部のそれぞれにおいて、環状本体部とアーム部との境界である境界部の中心を第1中心とし、アーム部の端に設けられてエンジン本体に取り付けられる取付部の中心を第2中心としたとき、第1中心と第2中心との双方を通過する直線は、環状本体部の中心線に対して交差していない。これにより、全てのアーム部を撓ませることができるため、オイルシールを保持する環状本体部を径方向に変位させることができ、オイルシールの密封機能を確保しつつ、オイルシールの摩擦力を低減することができる。
本発明の一実施の形態であるエンジンの構造を簡単に示す概略図である。 図1のA-A線に沿ってエンジンを示す断面図である。 図2の矢印B方向からエンジンを示す正面図である。 図3のC-C線に沿って機関出力軸の先端部を示す断面図である。 オイルシールを保持するシールハウジングの一例を示す斜視図である。 (A)は図5の矢印D方向からシールハウジングを示す平面図であり、(B)は図6(A)のE-E線に沿ってシールハウジングを示す断面図である。 (A)は図5の矢印D方向からシールハウジングを示す平面図であり、(B)は図7(A)のF-F線に沿ってシールハウジングを示す断面図である。 (A)および(B)は、シールハウジングの変形動作を簡単に示した概略図である。 (A)および(B)は、比較例としてのシールハウジングを示す概略図である。 (A)および(B)は、他の実施例であるシールハウジングを示す概略図である。 (A)および(B)は、他の実施例であるシールハウジングを示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[エンジン構造]
図1は本発明の一実施の形態であるエンジン10の構造を簡単に示す概略図である。図2は図1のA-A線に沿ってエンジン10を示す断面図であり、図3は図2の矢印B方向からエンジン10を示す正面図である。図2にはエンジン10の一部を切り欠くことによってエンジン中央のクランク軸11が示されており、図3にはチェーンカバー12の一部が切り欠かれた状態のエンジン10が示されている。なお、図示するエンジン10は水平対向エンジンであるが、これに限られることはなく、直列エンジンやV型エンジン等に本発明を適用しても良い。
図1に示すように、エンジン10は、シリンダブロック13,14およびシリンダヘッド15,16からなるエンジン本体17と、エンジン本体17に回転自在に支持されるクランク軸11と、を有している。つまり、エンジン10は、一方のシリンダバンクに設けられるシリンダブロック13と、他方のシリンダバンクに設けられるシリンダブロック14と、一対のシリンダブロック13,14に回転自在に支持されるクランク軸11と、を有している。また、シリンダブロック13,14に形成されるシリンダボア18にはピストン19が収容されており、ピストン19にはコネクティングロッド20を介してクランク軸11が連結されている。なお、図2に示すように、クランク軸11の先端にはクランクプーリ21が一体に取り付けられており、クランク軸11およびクランクプーリ21によってエンジン10の機関出力軸22が構成されている。
図1に示すように、エンジン本体17を構成するシリンダヘッド15,16には、吸気ポート30および排気ポート31が形成されている。また、シリンダヘッド15,16には、吸気ポート30を開閉する吸気バルブ32が組み付けられるとともに、吸気バルブ32を駆動する吸気カム軸33,34が組み付けられている。さらに、シリンダヘッド15,16には、排気ポート31を開閉する排気バルブ35が組み付けられるとともに、排気バルブ35を駆動する排気カム軸36,37が組み付けられている。なお、シリンダブロック13,14の下部には、オイルを貯留するオイルパン38が取り付けられている。
図2および図3に示すように、クランク軸11やカム軸33,34,36,37が突出するエンジン本体17の前面17aには、図示しないガスケットを挟んで樹脂製のチェーンカバー(カバー部材)12が取り付けられている。チェーンカバー12の内側に区画されるチェーン室40には、タイミングチェーン44,48や各種スプロケット41~43,45~47が収容されている。つまり、チェーン室40には、クランク軸11の先端に連結されたクランクスプロケット41が収容されており、吸気カム軸33の先端に連結されたカムスプロケット42が収容されており、排気カム軸36の先端に連結されたカムスプロケット43が収容されている。これらのスプロケット41~43には、タイミングチェーン44が巻き掛けられている。同様に、チェーン室40には、クランク軸11の先端に連結されたクランクスプロケット45が収容されており、吸気カム軸34の先端に連結されたカムスプロケット46が収容されており、排気カム軸37の先端に連結されたカムスプロケット47が収容されている。これらのスプロケット45~47には、タイミングチェーン48が巻き掛けられている。
[シール構造]
続いて、チェーンカバー12と機関出力軸22との間のシール構造について説明する。図4は図3のC-C線に沿って機関出力軸22の先端部50を示す断面図である。また、図5はオイルシール51を保持するシールハウジング52の一例を示す斜視図である。
図4に示すように、エンジン本体17の前面17aから突出するクランク軸11の先端には、クランクスプロケット41,45およびクランクプーリ21が組み付けられている。また、クランク軸11の先端には締結ボルト53が締め付けられており、締結ボルト53によってクランクスプロケット41,45およびクランクプーリ21がクランク軸11に固定されている。このように、クランク軸11にはクランクプーリ21が一体となって固定されており、クランク軸11およびクランクプーリ21によって機関出力軸22が構成されている。また、クランク軸11の先端に固定されるクランクプーリ21によって、機関出力軸22の先端部50が構成されている。さらに、チェーンカバー12には開口部54が形成されており、チェーンカバー12の開口部54を貫通する位置にクランクプーリ21の軸部21a(以下、プーリ軸部と記載する。)が配置されている。つまり、チェーンカバー12の開口部54にはプーリ軸部21aが挿入されており、チェーンカバー12の外側にクランクプーリ21が配置されている。
機関出力軸22の先端部50を構成するプーリ軸部21aには、チェーンカバー12からのオイル漏れを防止するオイルシール51が装着されている。図4の拡大部分に示すように、オイルシール51は、金属製の環状部材60が組み込まれたゴム製のシール本体61を有している。シール本体61の内周面には、プーリ軸部21aに接触するシールリップ部62およびダストリップ部63が形成されている。また、オイルシール51には環状コイルバネ64が組み付けられており、環状コイルバネ64のバネ力によってシールリップ部62がプーリ軸部21aの表面に押し付けられている。このように、オイルシール51に対して環状コイルバネ64を組み付けることにより、シールリップ部62をプーリ軸部21aに対して押し付けることができ、オイルシール51の密封機能を確保することができる。
また、エンジン本体17およびチェーンカバー12には、オイルシール51を保持するシールハウジング(保持部材)52が取り付けられている。図5に示すように、アルミニウム合金等の金属材料からなるシールハウジング52は、オイルシール51を保持する保持穴70が形成される環状本体部71と、環状本体部71から径方向外方αに延びる複数のアーム部72と、を有している。図4に示すように、シールハウジング52の環状本体部71にはネジ孔73が形成されており、チェーンカバー12の貫通孔74を貫通する締結ボルト75がネジ孔73に対して締め付けられる。このように、シールハウジング52の環状本体部71は、締結ボルト75を用いてチェーンカバー12に取り付けられている。なお、チェーンカバー12と環状本体部71との間には、オイル漏れを防止するゴムガスケット84が設けられている。
図5に示すように、シールハウジング52のアーム部72は、環状本体部71から径方向外方αに湾曲しつつ延びる弾性変形部76と、弾性変形部76からエンジン本体17に向けて延びる支柱部77と、支柱部77の先端に設けられる取付部78と、を有している。図4に示すように、エンジン本体17を構成するシリンダブロック13,14にはネジ孔79が形成されており、このネジ孔79に対向するようにアーム部72の取付部78には貫通孔80が形成されている。また、アーム部72の貫通孔80を貫通する締結ボルト81は、エンジン本体17のネジ孔79に対して締め付けられる。このように、シールハウジング52のアーム部72は、締結ボルト81を用いてエンジン本体17に取り付けられている。
ここで、図6(A)は図5の矢印D方向からシールハウジング52を示す平面図であり、図6(B)は図6(A)のE-E線に沿ってシールハウジング52を示す断面図である。また、図7(A)は図5の矢印D方向からシールハウジング52を示す平面図であり、図7(B)は図7(A)のF-F線に沿ってシールハウジング52を示す断面図である。
図6(A)および(B)に示すように、シールハウジング52のアーム部72には、括れ部82が設けられている。つまり、環状本体部71から径方向外方に延びる弾性変形部76には、幅寸法が部分的に小さくなる括れ部82が形成されている。すなわち、矢印βで示すように、環状本体部71から支柱部77にかけて、弾性変形部76の幅寸法は「W1」から「W2」に狭められた後に、弾性変形部76の幅寸法は「W2」から「W3」に広げられる。また、図6(A)および(B)に示すように、アーム部72の括れ部82において最も狭い幅寸法W2は、括れ部82の厚み寸法T1よりも小さく設定されている。なお、図6(A)および(B)に示す幅寸法W2と厚み寸法T1とは、括れ部82の同一断面における幅寸法および厚み寸法である。また、図6(A)の拡大部分に示す幅寸法W1~W3は、アーム部72の中心線L2に直交する方向の幅寸法である。
図7(A)および(B)に示すように、シールハウジング52のアーム部72は、環状本体部71から径方向外方に湾曲しつつ延びる弾性変形部76を有している。また、環状本体部71とアーム部72との境界である境界部83の中心を第1中心C1とし、アーム部72の端に設けられる取付部78の中心を第2中心C2としたとき、第1中心C1と第2中心C2との双方を通過する直線L1は、環状本体部71の中心線CLに対して交差していない。つまり、中心C1,C2の双方を通過する直線L1は、環状本体部71の中心に交差するのではなく、環状本体部71の中心から外れるように傾斜している。換言すれば、中心線CLを含みかつ第2中心C2を含む平面に対し、第1中心C1が重ならないように環状本体部71に対してアーム部72が接続されている。なお、境界部83の中心C1とは、境界部83の幅方向および厚み方向における寸法上の中心であり、取付部78の中心C2とは、貫通孔80の径方向における寸法上の中心かつ取付部78の厚み方向における寸法上の中心である。また、環状本体部71の中心線CLとは、クランク軸11やプーリ軸部21aの中心線に一致する線である。
[シールハウジングの変形動作]
オイルシール51を保持するシールハウジング52の変形動作について説明する。前述の図7(A)に示したように、環状本体部71とアーム部72との境界である境界部83の中心を第1中心C1とし、アーム部72の端に設けられる取付部78の中心を第2中心C2としたとき、第1中心C1と第2中心C2との双方を通過する直線L1は、環状本体部71の中心線CLに対して交差していない。このように、環状本体部71に対してアーム部72を接続することにより、機関出力軸22であるクランク軸11に軸偏心が生じた場合であっても、アーム部72の弾性変形部76を撓ませることができ、環状本体部71をクランク軸11に追従させることができる。
図8(A)および(B)はシールハウジング52の変形動作を簡単に示した概略図である。図8(A)に矢印Xで示すように、クランク軸11に軸偏心が発生した場合には、図8(B)に破線から実線で示すように、各アーム部72の弾性変形部76を撓ませることができ、軸偏心に伴って径方向に移動するクランク軸11に追従するように、環状本体部71およびこれに保持されるオイルシール51を変位させることができる。なお、環状本体部71は樹脂製のチェーンカバー12に取り付けられるため、クランク軸11に軸偏心が発生する際にはチェーンカバー12を撓ませながら環状本体部71が変位することになる。
前述したように、クランク軸11に軸偏心が生じる場合であっても、オイルシール51と共に環状本体部71を移動させることができるため、オイルシール51のシールリップ部62をプーリ軸部21aに対して追従させることができ、オイルシール51の密封機能を確保することができる。しかも、軸偏心するクランク軸11にオイルシール51が追従することから、オイルシール51の密封機能を確保しつつ環状コイルバネ64のバネ力を弱めることができる。これにより、オイルシール51の密封機能を確保しつつ、オイルシール51とプーリ軸部21aとの間に生じる摩擦力を低減することができる。なお、図示する例では、矢印X方向に環状本体部71を移動させているが、これに限られることはなく、図8(A)に破線の矢印で示すように、あらゆる径方向に環状本体部71を移動させることができる。
また、図6に示すように、弾性変形部76に対して括れ部82が形成されることから、アルミニウム合金等を用いてシールハウジング52を製造した場合であっても、矢印S1方向に弾性変形部76を撓ませることができる。さらに、図6に示すように、括れ部82の幅寸法W2は厚み寸法T1よりも小さいことから、矢印S1方向に対する弾性変形部76の変形を許容する一方、矢印S2方向に対する弾性変形部76の変形を制限することができる。これにより、クランク軸11に対する環状本体部71つまりオイルシール51の傾きを抑えながら、環状本体部71つまりオイルシール51を径方向に移動させることができ、オイルシール51の密封機能を適切に維持することができる。また、矢印S2方向に対する弾性変形部76の変形が制限されることから、ゴムガスケット84の反力や締結ボルト75の締結軸力に耐える剛性を、シールハウジング52に対して与えることができる。
[比較例]
図9(A)および(B)は比較例としてのシールハウジング100を示す概略図である。図9(A)にはクランク軸11が回転する前の状況が示されており、図9(B)にはクランク軸11に軸偏心が発生した状況が示されている。図9(A)に示すように、シールハウジング100は、オイルシール51を保持する環状本体部101と、環状本体部101から径方向外方に延びる3つのアーム部102と、を有している。比較例のシールハウジング100においては、環状本体部101とアーム部102との境界である境界部103の中心を第1中心C1xとし、アーム部102の端に設けられる取付部104の中心を第2中心C2xとしたとき、第1中心C1xと第2中心C2xとの双方を通過する直線L1xは、環状本体部101の中心線CLxに対して交差している。
このように、比較例のシールハウジング100は、直線L1xと中心線CLxとが互いに交差する構造を有している。このため、図9(B)に矢印Xで示すように、クランク軸11に軸偏心が発生した場合であっても、一部のアーム部102の弾性変形部105を引張方向や圧縮方向に変形させる必要があるため、環状本体部101を径方向に移動させることが困難である。これに対し、図8(A)に示すように、本実施形態のシールハウジング52は、直線L1と中心線CLとが互いに交差しない構造を有している。このため、図8(B)に矢印Xで示すように、クランク軸11に軸偏心が発生した場合には、全てのアーム部72の弾性変形部76を曲げることができ、環状本体部71を径方向に変位させることができる。
[他の実施形態]
前述の説明では、シールハウジング52のアーム部72は、環状本体部71から径方向外方に湾曲しつつ延びる弾性変形部76を有しているが、これに限られることはなく、環状本体部71から径方向外方に直線状に延びる弾性変形部であっても良い。ここで、図10(A)および(B)は他の実施例であるシールハウジング110を示す概略図である。図10(A)にはクランク軸11が回転する前の状況が示されており、図10(B)にはクランク軸11に軸偏心が発生した状況が示されている。なお、図10において、図8に示した部材や部位と共通の部材や部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10(A)に示すように、シールハウジング(保持部材)110は、オイルシール51を保持する環状本体部71と、環状本体部71から径方向外方に直線状に延びる3つのアーム部111と、を有している。シールハウジング110においては、環状本体部71とアーム部111との境界である境界部112の中心を第1中心C1とし、アーム部111の端に設けられる取付部78の中心を第2中心C2としたとき、第1中心C1と第2中心C2との双方を通過する直線L1は、環状本体部71の中心線CLに対して交差していない。このように、アーム部111の弾性変形部113が直線状に延びる構造であっても、直線L1と中心線CLとが互いに交差しない構造を有することから、図10(B)に矢印Xで示すように、クランク軸11に軸偏心が発生した場合には、全てのアーム部111の弾性変形部113を曲げることができ、環状本体部71を径方向に変位させることができる。
また、図11(A)および(B)は他の実施例であるシールハウジング120,130を示す平面図である。なお、図11において、図7に示した部材や部位と共通の部材や部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。前述の説明では、シールハウジング52に3つのアーム部72を設けているが、これに限られることはなく、図11(A)に示すように、シールハウジング(保持部材)120に4つのアーム部72を設けても良い。なお、シールハウジング52,120に対して5つ以上のアーム部72を設けても良い。また、前述の説明では、シールハウジング52のアーム部72に括れ部82を形成しているが、これに限られることはなく、図11(B)に示すように、シールハウジング(保持部材)130のアーム部131に一定の幅寸法で延びる弾性変形部132を設けても良い。これらのシールハウジング120,130においても、直線L1と中心線CLとが互いに交差しない構造を有することから、クランク軸11に軸偏心が発生した場合には、全てのアーム部72,131の弾性変形部76,132を曲げることができ、環状本体部71を径方向に変位させるこができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、オイルシール51をプーリ軸部21aに装着しているが、これに限られることはなく、オイルシール51をクランク軸11の先端部に装着しても良い。この場合には、クランク軸11の先端部によって、機関出力軸22の先端部50が構成される。また、シールハウジング52,110,120,130を構成する環状本体部71やアーム部72,132の形状としては、図示する形状に限られることはなく、他の形状であっても良いことはいうまでもない。また、前述の説明では、アルミニウム合金を用いてシールハウジング52,110,120,130を作製しているが、これに限られることはなく、他の金属材料や樹脂材料を用いてシールハウジングを作製しても良い。なお、チェーンカバー12の材料としては、環状本体部71の変位を妨げない材料を用いることが好ましい。例えば、ポリアミドナイロン等の樹脂材料を用いてチェーンカバーを作製することができる。
10 エンジン
11 クランク軸
12 チェーンカバー(カバー部材)
17 エンジン本体
21 クランクプーリ(先端部)
21a 軸部(先端部)
22 機関出力軸
50 先端部
51 オイルシール
52 シールハウジング(保持部材)
54 開口部
71 環状本体部
72 アーム部
82 括れ部
83 境界部
110 シールハウジング(保持部材)
111 アーム部
112 境界部
120 シールハウジング(保持部材)
130 シールハウジング(保持部材)
131 アーム部
CL 中心線
L1 直線
C1 第1中心
C2 第2中心

Claims (4)

  1. 機関出力軸を備えるエンジンであって、
    前記機関出力軸を回転自在に支持するエンジン本体と、
    前記エンジン本体に取り付けられ、前記機関出力軸の先端部が挿入される開口部を備えるカバー部材と、
    前記エンジン本体と前記カバー部材との双方に取り付けられ、前記機関出力軸の先端部に装着されるオイルシールを保持する保持部材と、
    を有し、
    前記保持部材は、前記カバー部材に取り付けられ、かつ前記オイルシールを保持する環状本体部と、前記エンジン本体に取り付けられ、かつ前記環状本体部から径方向外方に延びる複数のアーム部と、を備え、
    前記複数のアーム部のそれぞれにおいて、
    前記環状本体部と前記アーム部との境界である境界部の中心を第1中心とし、前記アーム部の端に設けられて前記エンジン本体に取り付けられる取付部の中心を第2中心としたとき、
    前記第1中心と前記第2中心との双方を通過する直線は、前記環状本体部の中心線に対して交差していない、
    エンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記保持部材は、3つ以上の前記アーム部を備える、
    エンジン。
  3. 請求項1または2に記載のエンジンにおいて、
    前記アーム部は、前記環状本体部から径方向外方に湾曲しつつ延びる、
    エンジン。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載のエンジンにおいて、
    前記アーム部は、括れ部を有する、
    エンジン。
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