JP2022064213A - 梁材の耐火被覆構造 - Google Patents

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健夫 小西
Takeo Konishi
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【課題】無機質繊維フェルト材と熱膨張耐火シートとを合理的に併用することで、H形鋼、I形鋼、溝形鋼等からなる梁材の周囲を効率よく、かつ低コストで包囲することのできる耐火被覆構造を提供する。【解決手段】梁材1の下フランジ11の下面および縁端面は、可撓性を有する熱膨張耐火シート3を張着して被覆する。熱膨張耐火シート3は下フランジ11よりも幅広に形成されて、その縁部が下フランジ11の上面側に折り返されて張着される。梁材1の上フランジ12と下フランジ11とウェブ13とによって囲まれる凹部内には、マット状の無機質繊維フェルト材4が圧縮状態で挿入される。【選択図】図1

Description

本願は、形鋼材からなる梁材の周囲を無機質繊維フェルト材と熱膨張耐火シートとを併用して包囲する耐火被覆構造に関する。
鉄骨造建築物については、火災時の熱によって躯体の強度が低下することを遅延させるために、梁や柱を構成する形鋼材の周囲に適切な耐火被覆を施すことが法令等によって義務付けられている。
かかる耐火被覆工法としては、ロックウール、セラミックファイバー、グラスウール、石綿等の無機質繊維を層状に形成した無機質繊維フェルト材を用いて形鋼材を包囲する工法が公知である(例えば、特許文献1、2等)。無機質繊維フェルト材は、形鋼材の縁部等にピンまたはボルト状の取付部材を溶接して、その取付部材に突き刺すか、あるいは無機質接着剤を用いて形鋼材の表面に張着するなどの手段により止め付けられる。
また、他の耐火被覆工法としては、火熱により発泡・膨張して断熱性を発揮する可撓性の熱膨張耐火シートを用いて形鋼材を包囲する工法も公知である(例えば、特許文献3、4等)。かかる熱膨張耐火シートは、エポキシ樹脂またはブチルゴムに、リン化合物、熱膨張性黒鉛、無機充填材等を混合した熱膨張性樹脂組成物からなるシート状成形物の表面に、ガラスクロス、炭素繊維等の無機繊維シートやアルミニウム箔、銅箔等の金属箔からなる不燃材層を積層するなどして形成されており、例えば積水化学工業社製の「フィブロック(登録商標)」が代表的である。
この熱膨張性耐火シートを形鋼材の表面に止め付ける手段としては、
(1)形鋼材の縁部等に溶接した取付ピンに突き刺す。
(2)形鋼材の周囲に適宜の取付具や耐火接着剤等を用いて、珪酸カルシウム板や石膏ボード、ロックウールボード等からなる不燃性板材を取り付け、その不燃性板材の外側に熱膨張耐火シートを重ねて、釘、ビス、タッカー等で不燃性板材に止め付ける。
(3)発泡軽量コンクリート(ALC)製の床版や壁パネルを形鋼材に添設し、形鋼材を包むように展張した熱膨張耐火シートの縁部を床版や壁パネルにビスやタッカー等で止め付ける。
等がある。
特開昭57-197349号公報 特開昭62-072846号公報 特開2013-185419号公報 特開2014-025213号公報
前記従来の耐火被覆工法に用いられる無機質繊維フェルト材は、厚さ数十mmのマット状に形成されているため、形鋼材の縁部や隅部に添わせて綺麗に屈曲させながら取り付けるのが難しい。形鋼材全体を包囲したときの施工厚さも嵩張るので、形鋼材の周囲に配設される他部材の納まりにも制約を与えかねない。また、施工部位に合わせて切断する際に多少の粉塵が発生するので、安全のために防塵対策を講じることも求められる。
熱膨張耐火シートは、膨張前の厚さが1~2mmと薄いため、形鋼材の断面形状に合わせて屈曲させるのが容易であり、形鋼材全体を包囲したときの納まりもコンパクトになる。しかし、無機質繊維フェルト材に比べるとコストが高いので、梁や柱の全周を包囲するのは採算的に厳しいものがある。
また、いずれの工法においても、あらかじめ形鋼材にピンまたはボルト状の取付部材を溶接するためには専門の技術者と工具が必要になるので、工程面でも改善の余地がある。
本願が開示する発明は前述の事情に鑑みてなされたものであり、無機質繊維フェルト材と熱膨張耐火シートとを合理的に併用することで、形鋼材、特にH形鋼、I形鋼、溝形鋼等からなる梁材の周囲を効率よく、かつ低コストで包囲することのできる耐火被覆構造を提供することを目的としている。
前述の目的を達成するために、本願が開示する耐火被覆構造は、H形鋼、I形鋼または溝形鋼からなる梁材の下フランジの下面および縁端面が、可撓性を有する熱膨張耐火シートを張着して被覆されるとともに、前記梁材の上フランジと下フランジとウェブとによって囲まれる凹部内にマット状の無機質繊維フェルト材が挿入されて、前記梁材の側面が被覆されている、との基本的構成を採用する。
この基本的構成に係る梁材の耐火被覆構造において、前記熱膨張耐火シートは前記梁材の下フランジよりも幅広に形成され、その縁部が前記下フランジの上面側に折り返されて前記下フランジに張着されている、ものとすることができる。
さらに、前記熱膨張耐火シートの折り返し部分には前記無機質繊維フェルト材が載置される、ものとすることができる。
また、前記梁材の下フランジに下方から嵌装される抱着金具によって前記熱膨張耐火シートおよび前記無機質繊維フェルト材が前記下フランジに固定されている、との付加的構成を採用することもできる。
また、前述の基本的構成に係る梁材の耐火被覆構造において、前記梁材の下フランジの縁部に起立片を有するフランジ挟持金具が取り付けられ、前記下フランジよりも幅広に形成された前記熱膨張耐火シートの縁部が前記起立片に止め付けられて前記無機質繊維フェルト材の側面に被せられている、との付加的構成を採用することもできる。
また、前述の基本的構成に係る梁材の耐火被覆構造において、前記梁材の上フランジの下面および縁端面が熱膨張耐火シートによって被覆されている、との付加的構成を採用することもできる。
その場合、前記上フランジを被覆する熱膨張耐火シートの縁部は、前記梁材の上フランジに側方から嵌装されるフランジ挟持金具を介して前記上フランジの縁部に固定される、ものとすることができる。
あるいは、前記梁材の上フランジの縁部に垂下片を有するフランジ挟持金具が取り付けられ、前記フランジ挟持金具に止め付けられた熱膨張耐火シートによって前記上フランジの縁端面が被覆されるとともに、前記フランジ挟持金具の垂下片に止め付けられた熱膨張耐火シートが前記無機質繊維フェルト材の側面に被せられる、ものとすることができる。
前述のように構成される梁材の耐火被覆構造は、梁材の下面を熱膨張耐火シートによって被覆し、梁材の幅よりも高さのある梁材の側面を無機質繊維フェルト材によって被覆するように構成されているので、全体としては耐火被覆材のコストを抑えながら、梁材の周囲をコンパクトに包囲することができる。
さらに、可撓性を有する熱膨張耐火シートを屈曲させて梁材のフランジの縁端部を被覆する一方、厚みのある無機質繊維フェルト材は梁せいに合わせて切断し、上下のフランジとウェブとによって囲まれる凹部内に押し込んで止め付けることができる。したがって、熱膨張耐火シートや無機質繊維フェルト材を梁材に止め付けるためのピンやボルトを梁材に溶接する工程は不要になって、施工効率が大きく向上する。無機質繊維フェルト材の複雑な切り込みや折り曲げ加工も不要になるので、粉塵の発生も抑制することができる。
本願が開示する発明の第1実施形態に係る梁材の耐火被覆構造を、施工手順に沿って説明する断面略図である。 前記第1実施形態に係る梁材の耐火被覆構造の変形例を示す断面略図である。 本願が開示する発明の第2実施形態に係る梁材の耐火被覆構造を、施工手順に沿って説明する断面略図である。 本願が開示する発明の第3実施形態に係る梁材の耐火被覆構造を、施工手順に沿って説明する断面略図である。 前記第2実施形態に係る梁材の耐火被覆構造において使用するフランジ挟持金具6Aの詳細な構成を例示する斜視図である。 前記第3実施形態に係る梁材の耐火被覆構造において使用するフランジ挟持金具6B、6Cの詳細な構成を例示する斜視図である。
本願が開示する発明に係る梁材の耐火被覆構造は、主としてH形鋼、またはこれに類似するI形鋼や溝形鋼(2本の溝形鋼を背合わせに結合したものも含む。)等、垂直なウェブと、その上下から水平に張り出すフランジとを有する形鋼材への適用を想定したものである。そして、この耐火被覆構造に用いる耐火被覆材は、背景技術欄に記載したものと同等の無機質繊維フェルト材と熱膨張耐火シートとを、梁材の断面形状に合わせて組み合わせることを特徴としている。以下、それらの組み合わせ形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、以下に例示する複数の実施形態について、先述の実施形態と機能や作用が実質的に共通する構成要素には同一の数字符号を付すことにより、後述の実施形態における重複説明を省略する。また、先述の実施形態における特定の構成要素と、それに対応する後述の実施形態の構成要素との相違点や共通点を説明する場合には、それらの構成要素に対応する数字符号の後にアルファベット(A、B、…)を付加して両者を区別する。ただし、同一の数字符号を付した構成要素についての名称および基本的概念は、各実施形態を通じて共通である。
図1は、本願が開示する発明の第1実施形態に係る梁材の耐火被覆構造を示す。例示の梁材1は、床版2を支持する床梁として用いられているH形鋼である。床版2は、ALC(軽量気泡コンクリート)パネルや鉄筋コンクリート等により形成されている。
この形態では、まず、(a)図に示すように、梁材1の下フランジ11よりもやや幅広に形成された熱膨張耐火シート3が、その表面に加工された粘着層(例えばブチルゴム層の粘着面等)を介して下フランジ11の下面に張着される。熱膨張耐火シート3の両縁部は、下フランジ11の縁端面を包むようにして下フランジ11の縁部の上面側に折り返され、下フランジ11に張着される。このとき、下フランジ11の上面側に折り返された熱膨張耐火シート3の縁部が下フランジ11から剥がれそうな場合は、必要に応じて適宜形状のクリップ金具を下フランジ11の側方から嵌装するなどにより熱膨張耐火シート3が固定される。
続いて(b)図に示すように、梁材1の上フランジ12と下フランジ11とウェブ13とによって囲まれる凹部内に、凹部の高さよりもやや大きめに切断されたマット状の無機質繊維フェルト材4が挿入される。無機質繊維フェルト材4の上側の縁端面には、上フランジ12の縁端面に被さる切欠段部41が形成されている。この無機質繊維フェルト材4が梁材1の側方の凹部内で上下方向にやや圧縮されることにより、ほぼ自立的に梁材1の側方に保持されて、梁材1の側面全体を被覆する。
さらに(b)図~(c)図に示すように、両端部に爪片51を対向させた抱着金具5が下フランジ11の下方から弾性的に嵌装されて、熱膨張耐火シート3および無機質繊維フェルト材4が両側からしっかりと固定される。かくして、梁材1の下面が熱膨張耐火シート3によって被覆され、梁材1の側面が無機質繊維フェルト材4によって被覆されたコンパクトな耐火被覆構造を容易に実現することができる。火災時には、下フランジ11を被覆する熱膨張耐火シート3が膨張するが、その際、下フランジ11の縁部の上面側に折り返された部分も膨張して、その上に載置されている無機質繊維フェルト材4の下側の縁端面を押圧する。この作用によって、無機質繊維フェルト材4が梁材1の側面から一層、脱落しにくくなる。
図2は、前記第1実施形態に係る梁材1の耐火被覆構造の変形例を示す。この変形例では梁材1の側方の凹部に、第1実施形態よりも厚みのある無機質繊維フェルト材4が挿入されて、凹部内の略一杯に充填されている。また、無機質繊維フェルト材4の下側の縁端面にも、下フランジ11の縁端面に被さる切欠段部41が形成されている。これらの構成により、梁材1の側面に対する耐火性能がさらに向上する。その他の構成は、第1実施形態とほぼ同じである。
図3は、本願が開示する発明の第2実施形態に係る梁材の耐火被覆構造を示す。この形態では、まず(a)図に示すように、梁材1の上フランジ12の両縁部に、その側方からフランジ挟持金具6Aが適宜間隔で嵌装される。このフランジ挟持金具6Aは、薄い金属板を折曲賦形するなどして形成された部材であり、上フランジ12を弾性的に挟持するクリップ部61の外側に、熱膨張耐火シート3の縁部を挟み込んで支持するシート保持片62を具備している。より詳細には、例えば図5に示すように、水平に保持される平坦な挿込片611と、挿込片611の外側の縁部近傍を残して帯状に切開した部分を下向きに屈折させた一対の折下部612と、各折下部612から斜め上向きに折り返された一対の挟持片613と、各挟持片613から斜め下向きに折り返された一対の迎え片614とによって、上フランジ12側に開口するクリップ部61が形成されている。挿込片611と挟持片613との間に設けられた隙間が金属板自体の曲げ弾性によって接離し、その間に上フランジ12の縁部が挿し込まれて挟持される。シート保持片62は、挿込片611の外側の縁端から、折下部612との間に所定の隙間を設けるようにして下向きに延設されている。
そして図3の(b)図に示すように、熱膨張耐火シート3が、ウェブ13の上部から上フランジ12の下面にかけて張着され、さらにその縁部がフランジ挟持金具6Aのシート保持片62に止め付けられて、上フランジ12の縁端面までが被覆される。また、前記第1実施形態と同様に、下フランジ11の下面にも熱膨張耐火シート3が張着され、その両縁部が下フランジ11の縁端面を包むようにして下フランジ11の上面側に折り返される。
続いて図3の(c)図に示すように、梁材1の上フランジ12と下フランジ11とウェブ13とによって囲まれる凹部内にマット状の無機質繊維フェルト材4が圧縮状態で挿入される。さらに、両端部に爪片51を有する抱着金具5が下フランジ11の下方から弾性的に嵌装されて、熱膨張耐火シート3および無機質繊維フェルト材4が固定される。これらウェブ13および下フランジ11周りの耐火被覆は前記第1実施形態と同様である。かくして、梁材1の下面が熱膨張耐火シート3によって被覆され、梁材1の側面が無機質繊維フェルト材4によって被覆された耐火被覆構造を容易に実現することができる。
図4は、本願が開示する発明の第3実施形態に係る梁材の耐火被覆構造を示す。この形態では、まず(a)図に示すように、梁材1の上フランジ12の両縁部に、その側方からフランジ挟持金具6Bが適宜間隔で嵌装される。このフランジ挟持金具6Bも薄い金属板を折曲賦形するなどして形成された部材であり、上フランジ12を弾性的に挟持するクリップ部61の外側に、熱膨張耐火シート3を止め付けるための水平張出片63と垂下片64とを具備している。より詳細には、例えば図6の(a)図に示すように、側面視L字形に折曲された金属板によって水平張出片63と垂下片64とが形成されている。クリップ部61は、水平張出片63の中央部分を切り起こして反転させることにより形成された挿込片611と、垂下片64の上部近傍を残して帯状に切開した部分を斜め上向きに屈折させた一対の挟持片613と、各挟持片613から斜め下向きに折り返された迎え片614とによって形成されており、挿込片611と挟持片613との間に上フランジ12の縁部が挿し込まれて弾性的に挟持される。
また、梁材1の下フランジ11の両縁部にも、側方からフランジ挟持金具6Cが適宜間隔で嵌装される。このフランジ挟持金具6Cも薄い金属板を折曲賦形するなどして形成された部材であり、下フランジ11を弾性的に挟持するクリップ部61の外側に、熱膨張耐火シート3を止め付けるための起立片65を具備している。より詳細には、例えば図6の(b)図に示すように、側面視L字形に折曲された金属板によって底板片615と起立片65とが形成されている。クリップ部61は、底板片615および起立片65の中央部分を切り起こして起立部65側から斜め下向きに延設させた挟持片616と、挟持片616から斜め上向きに折り返された迎え片617と、それらを切り抜いた底板片615の外枠部分とによって形成されており、底板片615と挟持片616との間に下フランジ11の縁部が挿し込まれて弾性的に挟持される。
そして図4の(b)図に示すように、上フランジ12に取り付けられたフランジ挟持金具6Bに対しては、その水平張出片63および垂下片64の外側に添わせるようにして熱膨張耐火シート3が張着される。水平張出片63側に張着された熱膨張耐火シート3の縁部は、さらに側方から嵌装されるクリップ金具7によって固定される。垂下片64側に張着された熱膨張耐火シート3の下縁部は垂下片64の内側に折り返されて垂下片64に張着され、さらに下方から嵌装されるクリップ金具7によって固定される。これらにより、上フランジ12の縁端面が、床版2の下面まで含めた形態で被覆される。
また、下フランジ11の下面にも熱膨張耐火シート3が張着されて、その両縁部が下フランジ11に取り付けられたフランジ挟持金具6Cの起立片65の外側に添うようにして立ち上げられる。立ち上げられた熱膨張耐火シート3の上縁部は、起立片65の内側に折り返されて起立片65に張着され、さらに上方から嵌装されるクリップ金具7によって起立片65に固定される。
続いて(c)図に示すように、梁材1の上フランジ12と下フランジ11とウェブ13とによって囲まれる凹部内にマット状の無機質繊維フェルト材4が圧縮状態で挿入される。この無機質繊維フェルト材4は、上フランジ12に取り付けられたフランジ挟持金具6Bの垂下片64と、下フランジ11に取り付けられたフランジ挟持金具6Cの起立片65とによって側面の上下が押えられることになるので、前記各実施形態に示した抱着金具5を取り付けなくても自立状態が安定する。かくして、梁材1の下面が熱膨張耐火シート3によって被覆され、梁材1の側面が無機質繊維フェルト材4によって被覆された耐火被覆構造を容易に実現することができる。
これらの実施形態に示したように、本願が開示する梁材の耐火被覆構造は、床版2を支持する梁材1の上面を除いた三方の周面のうち、幅の狭い下面とその縁端面近傍は厚みの小さい熱膨張耐火シート3を用いて被覆し、高さがあって容積が大きい側方の凹部には無機質繊維フェルト材4を押し込んで被覆するように構成したものである。これにより、全体として耐火被覆材のコストを抑えながら、梁材1の周囲をコンパクトに包囲することができる。また、上フランジ12の縁部近傍についても熱膨張耐火シート3を限定的に使用して被覆することにより、耐火性能をさらに高めることができる。
工程としては、まず熱膨張耐火シート3で下フランジ11(および上フランジ12の縁部近傍)を被覆し、続いて梁材1の側方の凹部内に無機質繊維フェルト材4を押し込む、という手順を採用することで、梁材1に耐火被覆材を止め付ける作業が格段に容易になる。熱膨張耐火シート3を梁材1の上下のフランジに止め付けるに際してフランジ挟持金具6A、6B、6Cやクリップ金具7等を利用すれば、梁材1にピンやボルト等を溶接しなくても済むので、溶接のための特殊技能や専用工具が不要になり、施工効率は大幅に向上する。無機質繊維フェルト材4の複雑な切り込みや折り曲げ加工も従来に比してはるかに少なくなるので、粉塵の発生も抑制することができる。
なお、本願が開示する発明の技術的範囲は、例示した実施形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて概念的に解釈されるべきものである。この発明の実施に際しては、特許請求の範囲において具体的に特定していない部材・部品の形状、位置関係、寸法、接合形態等を、例示形態と実質的に同様の作用効果が得られる範囲内で適宜、改変して実施することができる。
本願が開示する発明は、各種鉄骨造建築物の耐火被覆に幅広く利用することができる。
1 梁材
11 下フランジ
12 上フランジ
13 ウェブ
2 床版
3 熱膨張耐火シート
4 無機質繊維フェルト材
41 切欠段部
5 抱着金具
51 爪片
6A、6B、6C フランジ挟持金具
61 クリップ部
611 挿込片
612 折下部
613 挟持片
614 迎え片
615 底板片
616 挟持片
62 シート保持片
63 水平張出片
64 垂下片
65 起立片
7 クリップ金具

Claims (8)

  1. H形鋼、I形鋼または溝形鋼からなる梁材の下フランジの下面および縁端面が、可撓性を有する熱膨張耐火シートを張着して被覆されるとともに、
    前記梁材の上フランジと下フランジとウェブとによって囲まれる凹部内にマット状の無機質繊維フェルト材が挿入されて、前記梁材の側面が被覆されている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  2. 請求項1に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記熱膨張耐火シートは前記梁材の下フランジよりも幅広に形成され、その縁部が前記下フランジの上面側に折り返されて前記下フランジに張着されている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  3. 請求項2に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記熱膨張耐火シートの折り返し部分に前記無機質繊維フェルト材が載置される
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  4. 請求項1、2または3に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記梁材の下フランジに下方から嵌装される抱着金具によって前記熱膨張耐火シートおよび前記無機質繊維フェルト材が前記下フランジに固定されている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  5. 請求項1に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記梁材の下フランジの縁部に起立片を有するフランジ挟持金具が取り付けられ、
    前記下フランジよりも幅広に形成された前記熱膨張耐火シートの縁部が前記起立片に止め付けられて前記無機質繊維フェルト材の側面に被せられている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記梁材の上フランジの下面および縁端面が熱膨張耐火シートによって被覆されている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  7. 請求項6に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記梁材の上フランジに側方から嵌装されるフランジ挟持金具を介して前記熱膨張耐火シートの縁部が前記上フランジの縁部に固定されている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載された梁材の耐火被覆構造において、
    前記梁材の上フランジの縁部に垂下片を有するフランジ挟持金具が取り付けられ、
    前記フランジ挟持金具に止め付けられた熱膨張耐火シートによって前記上フランジの縁端面が被覆されるとともに、
    前記フランジ挟持金具の垂下片に止め付けられた熱膨張耐火シートが前記無機質繊維フェルト材の側面に被せられている
    ことを特徴とする梁材の耐火被覆構造。
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