JP2022063400A - 封止材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】形状及び体積のばらつきが少なく、またSUS304の熱膨張係数に整合し、しかも低温で封止可能な封止材料を提供する。【解決手段】本発明の封止材料は、金属製真空二重容器の排気口を真空封止するための封止材料であって、封止材料が、低融点ガラスを含む焼結体であり、低融点ガラスが、ガラス組成として、モル%で、TeO240~80%、MoO35~35%、Li2O+Na2O+K2O 5~30%、TiO2+Al2O30~10%、BaO 0~10%、Fe2O30~5%を含有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、魔法瓶、ポット、ジャー、真空断熱温水タンク、自動車用エンジン冷却水畜熱システム等に用いられる金属製真空二重容器の排気口を真空封止するための封止材料に関する。
一般に、魔法瓶、ポット、ジャー、真空断熱温水タンク、自動車用エンジン冷却水蓄熱システム等の保温容器には、例えば、図1に示すような金属製真空二重容器1が使用されている。同図に示す金属製真空二重容器1は、ステンレス鋼等の金属材からなる外容器2と内容器3とが重なり合うように配置されており、外容器2と内容器3の間に中空部4が形成されており、中空部4は真空状態に保たれている。
金属製真空二重容器1を作製する方法として、外容器2と内容器3の何れかの所定位置に排気口7を設け、封止材料8を用いて真空封止する方法が知られている。具体的には、図2に示すように、外容器2の底部5に、中空部4側に凹んだ凹部6を設けると共に、その凹部の一部に中空部4と容器外部とを連通させる排気口7を設け、凹部に封止材料8を載置し、排気口7を介して中空部4を真空排気した後、封止材料8を軟化変形させ、排気口7を真空封止する方法である(特許文献1、2参照)。
従来、排気口7を封止する封止材料8には、低温での軟化変形が可能で、成形が容易な液滴法で成形し得ることから、球状に成形したビスマス系ガラス、リン酸錫系ガラスが主に用いられている(特許文献3、4参照)。
特開平6-141989号公報 特開平7-289449号公報 特開2000-345655号公報 特開2012-46409号公報
しかしながら、液滴法は、溶融ガラスを滴下して固化させて球形状又はおはじき形状のガラスを得るものであり、溶融ガラスを滴下する際の溶融ガラスの温度、粘度、雰囲気温度等のばらつきにより、固化後の形状にばらつきが生じ、排気口を確実に封止できない虞があった。
封止材料の形状ばらつきを抑えるために、溶融ガラスを棒状に引き出した後、或いは塊状のガラスを作製した後、切断、研磨加工を施し、所望の形状とする方法が考えられるが、この場合、コストや手間が掛かるという問題がある。また、切断、研磨加工を施した封止材料は、機械加工面を有しており、機械加工面の端縁が直角又は鋭角なエッジ部になるため、搬送等の工程で、封止材料同士、又は封止材料と他の部材とが接触して擦れ合い、上記エッジ部に割れや欠けが発生することがある。その結果、封止材料は封止に必要な体積及び封止に適した形状を有しないものとなり、排気口を確実に封止できない可能性があった。
また、近年、金属製真空二重容器の材質として、SUS304が主流になりつつある。しかし、SUS304は、熱膨張係数が高いため、従来のビスマス系ガラスの熱膨張係数に整合させることが難しい。結果として、SUS304と封止材料の間で熱膨張係数の不整合が生じ、接着強度を十分に高めることができなかった。
更に、ビスマス系ガラス、リン酸錫系ガラスの軟化点は、一般的に400℃程度である。しかし、軟化点が低い程、封止に要するエネルギーコストが低く、製造効率が向上する。よって、封止材料の更なる低融点化が求められている。
本発明の目的は、形状及び体積のばらつきが少なく、またSUS304の熱膨張係数に整合し、しかも低温で封止可能な封止材料を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、TeO-MoO-RO(ROはLiO、NaO及びKOの一種又は二種以上)系ガラスを含む焼結体を封止材料に用いることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の封止材料は、金属製真空二重容器の排気口を真空封止するための封止材料であって、封止材料が、低融点ガラスを含む焼結体であり、低融点ガラスが、ガラス組成として、モル%で、TeO 40~80%、MoO 5~35%、LiO+NaO+KO 5~35%、TiO+Al 0~10%、BaO 0~10%、Fe 0~5%を含有することを特徴とする。ここで、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量である。「TiO+Al」は、TiOとAlの合量である。
また、本発明の封止材料では、30~300℃における熱膨張係数が130×10-7/℃以上であることが好ましい。ここで、「30~300℃における熱膨張係数」は、JIS R3102に基づいて、昇温速度10℃/分で測定した値を指す。
また、本発明の封止材料では、焼結体が低融点ガラスを80~100体積%、耐火性フィラーを0~20体積%含むことが好ましい。
本発明によれば、形状及び体積のばらつきが少なく、またSUS304の熱膨張係数に整合し、しかも低温で封止可能な封止材料を提供することができる。
金属製真空二重容器の一例を示す一部破断断面図である。 金属製真空二重容器の封止箇所の周辺の一例を示す部分拡大断面図である。
本発明の封止材料は、金属製真空二重容器の排気口を真空封止するための封止材料であって、金属製真空二重容器の排気口を真空封止するための封止材料であって、封止材料が、低融点ガラスを含む焼結体であることを特徴とする。低融点ガラスを含む焼結体は、低融点ガラス粉末をバインダーと混合して造粒し、顆粒を作製した後、得られた顆粒を所望の形状にプレス成形して圧粉体を作製し焼結したものである。そのため、低融点ガラス粉末を含む焼結体は、成形時の溶融ガラスの温度、溶融ガラスの粘度、雰囲気温度等の影響により、形状にばらつきが生じ難く、液滴法による成形方法とは異なり、形状のばらつきを抑えることができる。よって、低融点ガラスを含む焼結体を封止材料とした場合、金属製真空二重容器の封止を確実に行うことができる。更に、低融点ガラスを含む焼結体は、焼成時に低融点ガラスが溶けてエッジ部が丸くなり、鋭角な部分を有さないことになるため、封止材料の割れや欠けを抑えることが可能となると共に、金属製真空二重容器の内容器又は外容器の何れかに形成された凹部内に封止材料を安定して配置することができる。
本発明の封止材料は、低融点ガラス粉末を焼結させた焼結体であることが好ましく、低融点ガラス粉末の軟化点は400℃未満が好ましい。低融点ガラス粉末の軟化点が高過ぎると、金属製真空二重容器を封止する際に、封止温度を上げなければならず、SUS304等からなる外容器や内容器が熱によるダメージを受け易くなる。
本発明の封止材料は、封止の際の熱処理によって、結晶を析出する結晶性の封止材料、結晶を析出しない非晶質の封止材料のどちらであってもよいが、焼成温度による熱膨張係数の変化が小さい非晶質の封止材料であることが好ましい。
本発明の封止材料では、気孔率が20%以下であることが好ましい。気孔率が高過ぎると、封止後の封止材料に泡が多く残存することになり、長期間の使用でリークするおそれがある。気孔率のより好ましい範囲は18%以下である。
本発明の封止材料において、30~300℃における熱膨張係数は、好ましくは130×10-7/℃以上、140×10-7/℃以上、特に150×10-7/℃~180×10-7/℃である。熱膨張係数が低過ぎると、SUS304等からなる外容器や内容器の熱膨張係数との差が大きくなり、接着強度を確保し難くなる。
本発明に係る低融点ガラスは、ガラス組成として、モル%で、TeO 40~80%、MoO 5~35%、LiO+NaO+KO 5~35%、TiO+Al 0~10%、BaO 0~10%、Fe 0~5%を含有する。上記のようにガラス組成を限定した理由を以下に示す。なお、以下の各成分の含有量に関する説明において、特に断りのない限り、「%」は「モル%」を意味する。
TeOは、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスを低温化する成分である。TeOの含有量は40~80%であり、好ましくは45~60%、特に好ましくは50~55%である。TeOの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。また熱膨張係数が低下し易くなる。一方、TeOの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
MoOは、ガラスネットワークを形成すると共に、低融点化に効果的な成分である。MoOの含有量は5~35%であり、好ましくは10~33%、特に好ましくは20~30%である。MoOの含有量が少な過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また熱膨張係数が低下し易くなる。一方、MoOの含有量が多過ぎると、耐水性が低下し易くなる。
LiO、NaO及びKOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。LiO+NaO+KOは5~35%であり、好ましくは10~30%、好ましくは12~25%、特に好ましくは15~20%である。LiO+NaO+KOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が上昇し易くなる。また熱膨張係数が低下し易くなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また耐水性が低下し易くなる。
LiOは、NaO及びKOに比べ、ガラスの粘性(軟化点等)を顕著に低下させる成分である。LiOの含有量は、好ましくは0~30%、より好ましくは1~25%、更に好ましくは3~20%、特に好ましくは5~18%である。LiOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。また熱膨張係数が低下し易くなる。一方、LiOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
NaOは、KOに比べ、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。NaOの含有量は、好ましくは0~20%、より好ましくは1~15%、更に好ましくは3~12%、特に好ましくは5~10%である。NaOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。また熱膨張係数が低下し易くなる。一方、NaOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
Oは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。KOの含有量は、好ましくは0~30%、より好ましくは1~25%、更に好ましくは3~20%、特に好ましくは5~18%である。KOの含有量が少な過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が高くなり、低温封着が困難になる。また熱膨張係数が低下し易くなる。一方、KOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
TiO及びAlは、耐水性を高める成分である。TiO+Alの含有量は0~10%であり、好ましくは3~8%、特に好ましくは5~7%である。TiO+Alの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が上昇し易くなる。なお、TiO及びAlの含有量の好ましい範囲は以下の通りである。TiOの含有量は、好ましくは0~8%、より好ましくは0.1~6%、更に好ましくは1~5%、特に好ましくは2~4%である。Alの含有量は、好ましくは0~8%、より好ましくは0.1~5%、更に好ましくは0.5~3%、特に好ましくは1~2%である。
BaOは、MgO、CaO、SrO及びZnOに比べ、ガラス化範囲を顕著に広げ、軟化点を下げつつ、耐水性を顕著に高める成分である。BaOの含有量は0~10%であり、好ましくは2~8%、特に好ましくは4~6%である。BaOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
Feは、接着性を高める成分である。Feは0~5%であり、好ましくは1~2%である。Feが多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が上昇し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
MgOは、ガラス化範囲を広げ、ガラスの軟化点の過度な上昇を抑えつつ、ガラスの耐水性を改善する成分である。MgOの含有量は、好ましくは0~15%、より好ましくは0~10%、更に好ましくは0~8%、特に好ましくは0~5%である。MgOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になり、耐水性が悪化すると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎても、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
CaOは、ガラス化範囲を広げ、軟化点の過度な上昇を抑えつつ、耐水性を改善する成分である。CaOの含有量は、好ましくは0~15%、より好ましくは0~10%、更に好ましくは0~8%、特に好ましくは0~5%である。CaOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になり、ガラスの耐水性が悪化すると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎても、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
SrOは、ガラス化範囲を広げ、軟化点の過度な上昇を抑えつつ、耐水性を改善する成分である。SrOの含有量は、好ましくは0~15%、より好ましくは0~10%、更に好ましくは0~8%、特に好ましくは0~5%である。SrOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になり、耐水性が悪化すると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、SrOの含有量が多過ぎても、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
ZnOは、ガラス化範囲を広げ、軟化点の過度な上昇を抑えつつ、耐水性を改善する成分である。ZnOの含有量は、好ましくは0~15%、より好ましくは0~10%、更に好ましくは0~8%、特に好ましくは0~5%である。ZnOの含有量が少な過ぎると、ガラス化が困難になり、耐水性が悪化すると共に、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。一方、ZnOの含有量が多過ぎても、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
CuOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させると共に、熱膨張係数を低下させる成分である。CuOの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~3%、特に好ましくは0~1%である。CuOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になる。
WOは、熱膨張係数を低下させる成分である。WOの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~3%、特に好ましくは0~1%である。WOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、ガラスの粘性(軟化点等)が上昇し易くなる。
は、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスを熱的に安定化させる成分である。Pの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~2%、特に好ましくは0~1%である。Pの含有量が多過ぎると、ガラスの粘性(軟化点等)が上昇し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。
AgOは、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。AgOの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0.1~5%、更に好ましくは0.2~3%、特に好ましくは0.5~2%である。AgOの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。また焼成雰囲気により、ガラス中から金属Agが析出する虞がある。
は、ガラスネットワークを形成すると共に、ガラスの粘性(軟化点等)を低下させる成分である。Vの含有量は、好ましくは0~10%、より好ましくは0~5%、更に好ましくは0~3%、更に好ましくは0~1%である。Vの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなると共に、耐水性が低下し易くなる。
Gaは、ガラスを熱的に安定化させると共に、耐水性を向上させる成分であるが、非常に高価であることから、その含有量は0.01%未満、特に含有しないことが好ましい。
SiO、GeO、Fe、NiO、CeO、B、Sb、ZrOはガラスを熱的に安定化させて、失透を抑制する成分であり、各々2%未満まで添加可能である。これらの含有量が多過ぎると、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又は焼成時にガラスが失透し易くなる。
本発明に係る低融点ガラスは、環境上の理由から、実質的にPbOを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にPbOを含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1%以下の場合を指す。
本発明に係る低融点ガラスは、環境上の理由から、実質的にBiを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にBiを含有しない」とは、ガラス組成中のBiの含有量が1%以下の場合を指す。
本発明の封止材料は、熱膨張係数、流動性の調整、耐水性等を高めるために、上記の低融点ガラス粉末に、更に耐火性フィラーを添加して、焼結体としてもよい。耐火性フィラーとしては、SiO含有耐火性フィラー、特にウイレマイト、ZnO・Al・SiO、コーディエライト、LiO・Al・SiOの群より選ばれた一種又は二種以上を用いることができる。耐火性フィラーを添加する場合、低融点ガラスを80~100体積%、耐火性フィラーを0~20体積%含有することが好ましく、低融点ガラスを95~100体積%、耐火性フィラーを0~5体積%含有することが更に好ましい。耐火性フィラーの含有量が多くなる(ガラス粉末の含有量が少なくなる)と、気孔率の小さい封止材料を得難くなる。また流動性が低下し易くなり、接着強度が低下し易くなる虞がある。更に長期間の使用で気密リークが発生する虞がある。
本発明の封止材料は、金属製真空二重容器の内容器又は外容器の何れかに形成された凹部内に配置できるものであれば、どのような形状であっても使用可能であるが、特に円柱状、球状、半球状、卵型状、楕円球状、おはじき形状等に成形することが望ましい。
本発明の封止材料は、次のようにして製造することができる。まず、上記のガラス組成となるようにガラス原料を調合し、溶融して溶融ガラスを作製し、溶融ガラスをフィルム形状に成形した後、粉砕、分級して、低融点ガラス粉末を作製する。次に、作製した低融点ガラス粉末(必要に応じて耐火性フィラーを添加する)に、バインダーや溶剤を添加し、スラリーを形成する。続けて、このスラリーをスプレードライヤー等の造粒装置に投入し、低融点ガラス粉末の顆粒を作製する。その際、顆粒は溶剤が揮発する程度の温度(100~200℃程度)で熱処理される。なお、顆粒の粒度は、20~250μm程度とすることが好ましい。このようにすれば、流動性が増して、金型への充填性を高めることができる。次に、作製した低融点ガラス粉末の顆粒を所定の形状及び寸法に設計された金型に投入しプレス成形する。その後、成形したプレス成形体を、200~300℃程度の温度まで昇温して、プレス成形体に残存するバインダーを分解揮発させた後、低融点ガラスの軟化点付近の温度で保持し焼結させる。このようにして封止材料を製造することができる。
低融点ガラス粉末に添加するバインダーとしては、アクリル樹脂、エチルセルロ-ス、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。特に、アクリル樹脂、低分子量のポリエチレングリコールは、熱分解性が良好であるため、好ましい。
また、低融点ガラス粉末に添加する溶媒としては、N、N’-ジメチルホルムアミド(DMF)、α-ターピネオール、高級アルコール、γ-ブチルラクトン(γ-BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3-メトキシ-3-メチルブタノール、水、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチル-2-ピロリドン等が使用可能である。特に、DMF、トルエンは、適度な沸点を有しており、バインダー等の溶解性も良好であるため好ましい。
本発明の封止材料は、例えば、図1及び図2に示すような金属製真空二重容器1を封止する場合、外容器2の底部5に排気口7が設けられた凹部6内に封止材料8を載置し、低融点ガラスの軟化点付近の温度で加熱しながら真空排気した後、封止材料8を軟化変形させることで、排気口を真空封止することができる。
以下、本発明の封止材料を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1は、本発明の実施例(試料No.1~10)及び比較例(試料No.11、12)を示している。
Figure 2022063400000002
次のようにして、表中の各試料を調製した。まず、表中に示すガラス組成となるように原料を調合し、均一に混合した。次いで、白金坩堝に入れて1100℃で2時間溶融した後、溶融ガラスをフィルム状に成形した。続いて、フィル状に成形したガラスを流体エネルギーミルにて粉砕し、気流分級して平均粒子径D50が3.0μm以下のガラス粉末を得た。
軟化点は、ガラス粉末を測定試料とし、マクロ型示差熱分析計で測定した時の第四の変曲点の温度である。
次に、試料No.12では、ZrWO(PO(ZWP:平均粒子径D5015μm)を用意し、表中に示す割合でガラス粉末と混合して複合粉末とした。
続いて、上記のようにして得た粉末試料100質量部に対して、バインダーとしてアクリル樹脂を約2質量部、溶剤としてアセトンを約18質量部添加した後、均一に混合してスラリーを形成し、そのスラリーをスプレードライヤーに投入して、粒径が約100μmの顆粒を作製した。
次に、上記の顆粒を金型に充填した後、プレス成形を行い、外径が約6mm、高さが約3mmの円柱状の前駆体を作製した。続いて、上記の前駆体を200~300℃で脱バインダー処理を行った後、ガラス粉末の軟化点の温度で焼結して各焼結体試料(封止材料)を作製した。
得られた各焼結体試料について、外形のばらつき、熱膨張係数、SUS接合性、落下試験、ガスリーク性及び耐水性の評価を行った。
熱膨張係数は、30~300℃の温度範囲において、JIS R3102に基づいて測定したものである。なお、測定時の昇温速度を10℃/分とした。
外形のばらつきは、各焼結体試料をそれぞれ1000個作製し、ノギスを用いて外形を測定し、最大値(Dmax)と最小値(Dmin)の差を、平均値(Dave)の値で除した値(外径変化率)で評価したものである。この値が0.5%以下のものを「○」、0.5%より大きいものを「×」として表中に示した。
SUS接合性は、直径2mmの穴を設けた板状のSUS304上に各焼結体試料を載置し、電気炉内で430℃、10分間加熱し、SUS304と封止材料が接着したか否かで評価した。SUS304と接着したものを「○」、接着しなかったものを「×」として表中に示した。SUS接合性の評価が「○」であった試料について、1mの高さからガラス板上に落とす、いわゆる落下試験を行った。落下試験で封止材料がSUS304から剥離しなかったものを「〇」、剥離したものを「×」として表中に示した。
ガスリーク性は、SUS接合性の評価試料をHeリークテスト機にセットし、Heガスがリークしたか否かで評価したものである。Heガスがリークしなかったものを「○」、リークしたものを「×」として表中に示した。
耐水性は、SUS接合性の評価試料を105℃の温水に30分間浸漬し、質量減を測定して評価したものである。質量減が0.1質量%以下のものを「○」、0.1質量%より大きいものを「×」として表中に示した。
表から明らかなように、試料No.1~10は、外形のばらつき、SUS接合性、落下試験、ガスリーク性及び耐水性の評価が良好であった。一方、試料No.11は、失透によりSUS接合性の評価が不良であった。試料No.12は、接着強度が不十分のため、落下試験の評価が不良であった。
1 金属製真空二重容器
2 外容器
3 内容器
4 中空部
5 底部
6 凹部
7 排気口
8 封止材料

Claims (3)

  1. 金属製真空二重容器の排気口を真空封止するための封止材料であって、
    封止材料が、低融点ガラスを含む焼結体であり、
    低融点ガラスが、ガラス組成として、モル%で、TeO 40~80%、MoO 5~35%、LiO+NaO+KO 5~35%、TiO+Al 0~10%、BaO 0~10%、Fe 0~5%を含有することを特徴とする封止材料。
  2. 30~300℃における熱膨張係数が130×10-7/℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の封止材料。
  3. 焼結体が低融点ガラスを80~100体積%、耐火性フィラーを0~20体積%含むこと特徴とする請求項1又は2に記載の封止材料。
JP2020171664A 2020-10-12 2020-10-12 封止材料 Pending JP2022063400A (ja)

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