JP2022062627A - 射出成形用金型及び成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができる射出成形用金型及び成形品の製造方法を提供する。【解決手段】棒状又は帯状の成型品を成形する射出成形用金型であって、前記成形品を成形するための複数の空洞部と、成形材料を流動させる第一の流路と、前記複数の空洞部と前記第一の流路とを連通する第二の流路と、を備え、前記第一の流路は、前記複数の空洞部の長手方向と立体的に交差し、前記成形材料は、前記第一の流路及び前記第二の流路を介して、前記複数の空洞部に同時に注入されることを特徴とする、射出成形用金型。【選択図】図3
Description
本発明は射出成形用金型及びこの射出成形用金型を用いて成形する成形品の製造方法に関するものである。
射出成形は、複雑な形状を有する部品を大量に生産するのに適した加工法として広く用いられている。一般に、射出成形に用いる金型では、成形品を成形するための空洞部と、空洞部に材料を注入する流路を備えている。
このような射出成形用金型には、複数の成形品を同時に成形するため、一つの金型内に複数の成形品を成形するための空洞部を備えたものが存在する。例えば、特許文献1には、複数の成形品を成形するための空洞部に、成形材料を流動させる流路を繰り返し分岐させて材料を注入する、樹脂製品の製造方法が開示されている。
一般に、成形材料を流動させる流路の長さは、成形品の大きさや樹脂等の成形品の材料が流路を流れる速度に応じて決定される。しかし、複数の成形品を成形する場合や、成形品が大きい場合などは、流路が長くなりすぎる場合がある。この場合、成形品を成形するための空洞部を成形材料が完全に満たす前に、成形材料が流路上で硬化してしまい、空洞部が十分に成形材料で満たされず不完全な成形品が成形されるショート不良が生じるといった問題がある。
また、特許文献1に開示された製造方法では、流路を複雑に分岐させているため、射出成形用金型の設計が複雑になるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、複数の成形品の射出成形においてショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができる射出成形用金型を提供することである。
そこで、本発明の課題は、複数の成形品の射出成形においてショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができる射出成形用金型を提供することである。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、成形品を成形するための複数の空洞部に対し、成形材料を流動させる流路を立体的に交差するように配置することで、同時、かつ均一に成形材料を空洞部に注入することができ、ショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の射出成形用金型及び成形品の製造方法である。
すなわち、本発明は、以下の射出成形用金型及び成形品の製造方法である。
上記課題を解決するための、本発明の射出成形用金型は、棒状又は帯状の成型品を成形する射出成形用金型であって、前記成形品を成形するための複数の空洞部と、成形材料を流動させる第一の流路と、前記複数の空洞部と前記第一の流路とを連通する第二の流路と、を備え、前記第一の流路は、前記複数の空洞部の長手方向と立体的に交差し、前記成形材料は、前記第一の流路及び前記第二の流路を介して、前記複数の空洞部に同時に注入される、という特徴を有する。
この特徴によれば、成形品を成形するための複数の空洞部と立体交差し、成形材料を流動させる第一の流路と、複数の空洞部との距離を短く、しかも等距離とすることができ、第一の流路から空洞部に至る第二の流路の長さを同一とすることができる。よって、いわゆるキャビティバランスの調整が容易となり、複数の空洞部に対し、同時、かつ均一に成形材料を注入することができるため、ショート不良など成形不良を防止することが可能となる。
この特徴によれば、成形品を成形するための複数の空洞部と立体交差し、成形材料を流動させる第一の流路と、複数の空洞部との距離を短く、しかも等距離とすることができ、第一の流路から空洞部に至る第二の流路の長さを同一とすることができる。よって、いわゆるキャビティバランスの調整が容易となり、複数の空洞部に対し、同時、かつ均一に成形材料を注入することができるため、ショート不良など成形不良を防止することが可能となる。
さらに、本発明の射出成形用金型の一実施態様としては、凸部を有する第一の金型、及び、凹部を有する第二の金型を備え、前記第一の金型及び前記第二の金型は、成形品を成形するための複数の空洞部を形成し、前記第二の金型は、ベース部とスライド部に分割され、前記ベース部及び前記スライド部は、前記複数の空洞部と立体的に交差する第一の流路を形成し、前記凸部及び前記凹部は、前記複数の空洞部と前記第一の流路とを連通する第二の流路を形成し、前記スライド部が前記空洞部の長手方向に移動することにより、前記複数の空洞部に成形された成型品と、前記第一の流路の内部に形成された第一の樹脂体と、前記第二の流路の内部に形成された第二の樹脂体とを連結した状態で抜出す、という特徴を有する。
この特徴によれば、第一の樹脂体と、金型の一部に発生したアンダーカットを無くし、型開き時に、第一の樹脂体と第二の樹脂体及び成形品とを連結した状態で抜出すことで、効率よく離型することができる。
なお、スライド部とはスライドする金型の一部のことであり、また、スライド部が移動をする態様を限定するベースとなる金型の一部をベース部という。
この特徴によれば、第一の樹脂体と、金型の一部に発生したアンダーカットを無くし、型開き時に、第一の樹脂体と第二の樹脂体及び成形品とを連結した状態で抜出すことで、効率よく離型することができる。
なお、スライド部とはスライドする金型の一部のことであり、また、スライド部が移動をする態様を限定するベースとなる金型の一部をベース部という。
さらに、本発明の射出成形用金型の一実施態様としては、前記成形品は、棒状又は帯状である、という特徴を有する。
この特徴によれば、より効率的に複数の棒状又は帯状の成形品を製造することができる。
この特徴によれば、より効率的に複数の棒状又は帯状の成形品を製造することができる。
さらに、本発明の射出成形用金型の一実施態様としては、前記第一の流路は、前記空洞部の長手方向の長さに対して、略中央に位置する、という特徴を有する。
この特徴によれば、成形品を成形するための複数の空洞部の長手方向の略中央に立体交差する成形材料を流動させる第一の流路が配置されることで、成形品に至るまでの流路全体の長さを短くすることができるため、第一の流路から遠い部位の空洞部まで、均一に成形材料を充填することが可能となり、ショート不良などの成形不良を防止することができる。
この特徴によれば、成形品を成形するための複数の空洞部の長手方向の略中央に立体交差する成形材料を流動させる第一の流路が配置されることで、成形品に至るまでの流路全体の長さを短くすることができるため、第一の流路から遠い部位の空洞部まで、均一に成形材料を充填することが可能となり、ショート不良などの成形不良を防止することができる。
また、上記課題を解決するための、本発明の成形品の製造方法は、上記射出成型用金型を用いて、前記成形品を製造するという特徴を有する。
この特徴によれば、上記射出成型用金型の有する特徴により、効率よく成形品を成形することができる。
この特徴によれば、上記射出成型用金型の有する特徴により、効率よく成形品を成形することができる。
本発明によれば、ショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができる射出成形用金型及び成形品の製造方法を提供することができる。
本発明の射出成形用金型は、成形品を成形するための複数の空洞部に対して、成形材料を同時に注入する射出成形用金型である。これにより、棒状又は帯状の成型品の製造において、複数の空洞部に対して均等に成形材料が注入されるため、ショート不良などの成形不良の発生を抑制することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る射出成形用金型の実施態様を詳細に説明する。なお、実施態様に記載する射出成形用金型については、本発明に係る射出成形用金型を説明するために例示したに過ぎず、これに限定されるものではない。
また、本発明に係る成形品の製造方法は、本発明における射出成形用金型の動作に係る説明に置き換えるものとする。
また、本発明に係る成形品の製造方法は、本発明における射出成形用金型の動作に係る説明に置き換えるものとする。
ここで、成形品を、型から抜出す(以下、「離型」という)場合に、形成された樹脂体及び成形された成形品がその凹凸形状が入り組んでいることにより、型を二方向(例えば、上下方向)に開くのみでは、離型できない場合がある。
そのような、離型の際に型と干渉する樹脂体及び成形品の一部の形状をアンダーカットという。
さらに、形成された樹脂体と干渉する型の一部を干渉部という。
そして、型を二方向(例えば、上下方向)以外の方向に移動させることで、干渉部を無くし、離型を行うことをアンダーカット処理という。
そのような、離型の際に型と干渉する樹脂体及び成形品の一部の形状をアンダーカットという。
さらに、形成された樹脂体と干渉する型の一部を干渉部という。
そして、型を二方向(例えば、上下方向)以外の方向に移動させることで、干渉部を無くし、離型を行うことをアンダーカット処理という。
「樹脂成形体」
まず、本発明に係る射出成形用金型によって、得られる樹脂成形体20aについて説明する。
図1は、後述する射出成形用金型20を用いた射出成形により得られる、樹脂成形体20aの概略斜視図である。樹脂成形体20aは、第一の樹脂体1a、第二の樹脂体2a、第三の樹脂体3a、第四の樹脂体4a、成形品5aから構成される。
また、図2は、図1の樹脂成形体20aの一部を拡大して示した概略斜視図である。なお、図2は、図1を紙面鉛直方向下側から見たときの図である。
まず、本発明に係る射出成形用金型によって、得られる樹脂成形体20aについて説明する。
図1は、後述する射出成形用金型20を用いた射出成形により得られる、樹脂成形体20aの概略斜視図である。樹脂成形体20aは、第一の樹脂体1a、第二の樹脂体2a、第三の樹脂体3a、第四の樹脂体4a、成形品5aから構成される。
また、図2は、図1の樹脂成形体20aの一部を拡大して示した概略斜視図である。なお、図2は、図1を紙面鉛直方向下側から見たときの図である。
(第一の樹脂体)
図1に示すように、第一の樹脂体1aは、成形品5aと直交、かつ立体交差するように配置されている。このとき、図2に示すように、第一の樹脂体1aと成形品5aとが交差する空間(図2中の斜線部分)が、後述する射出成形用金型20の干渉部14となる。
図1に示すように、第一の樹脂体1aは、成形品5aと直交、かつ立体交差するように配置されている。このとき、図2に示すように、第一の樹脂体1aと成形品5aとが交差する空間(図2中の斜線部分)が、後述する射出成形用金型20の干渉部14となる。
(第二の樹脂体)
図2に示すように、第二の樹脂体2aは、第一の樹脂体1a及び成形品5aと接している。また、第二の樹脂体2aは成形品5aとの接続部分に、ゲート部24aを備えている。さらに、第二の樹脂体2aには、第一の樹脂体1aからの流入口の反対側に樹脂溜まり部25aが設けられている。
図2に示すように、第二の樹脂体2aは、第一の樹脂体1a及び成形品5aと接している。また、第二の樹脂体2aは成形品5aとの接続部分に、ゲート部24aを備えている。さらに、第二の樹脂体2aには、第一の樹脂体1aからの流入口の反対側に樹脂溜まり部25aが設けられている。
(第三の樹脂体)
第三の樹脂体3aは図1に示すように、成形品5aの長手方向の略中央において鉛直方向に延びる円筒状の形状を有しており、第四の樹脂体4aと接している。また、第三の樹脂体3aは、第四の樹脂体4a、第一の樹脂体1a、第二の樹脂体2aを介して成形品5aと連結している。
第三の樹脂体3aは図1に示すように、成形品5aの長手方向の略中央において鉛直方向に延びる円筒状の形状を有しており、第四の樹脂体4aと接している。また、第三の樹脂体3aは、第四の樹脂体4a、第一の樹脂体1a、第二の樹脂体2aを介して成形品5aと連結している。
(第四の樹脂体)
第四の樹脂体4aは、第三の樹脂体3aと直行し、かつ、成形品5aと平行する形で、第三の樹脂体3aと第一の樹脂体1aとを連結するように配置されている。
また、第四の樹脂体4aには、第一の樹脂体1aへの流入口の近傍に樹脂溜まり部45aが設けられている。
第四の樹脂体4aは、第三の樹脂体3aと直行し、かつ、成形品5aと平行する形で、第三の樹脂体3aと第一の樹脂体1aとを連結するように配置されている。
また、第四の樹脂体4aには、第一の樹脂体1aへの流入口の近傍に樹脂溜まり部45aが設けられている。
(成形品)
生産物である成形品5aは複数の棒状、又は帯状の樹脂製品であり、ゲート部24aを介して第二の樹脂体2aと連結している。
生産物である成形品5aは複数の棒状、又は帯状の樹脂製品であり、ゲート部24aを介して第二の樹脂体2aと連結している。
「成形材料」
本実施態様における成形材料は、溶解された後、射出成形用金型に圧入されることで成形品に成形されるものである。
成形材料は、樹脂成形体に成形できればよく、種類等は特に限定されない。本実施態様における成形材料としては、例えば、プラスチック等の樹脂が挙げられ、より具体的には、ポリカーボネート、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
本実施態様における成形材料は、溶解された後、射出成形用金型に圧入されることで成形品に成形されるものである。
成形材料は、樹脂成形体に成形できればよく、種類等は特に限定されない。本実施態様における成形材料としては、例えば、プラスチック等の樹脂が挙げられ、より具体的には、ポリカーボネート、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
[第1の実施態様]
「射出成形用金型」
図3は、本実施態様における射出成形用金型の構造を示す模式図である。
図3に示すように、本実施態様の射出成形用金型20は、第一金型21と第二金型22によって構成されている。
射出成形用金型20は、上方から第一金型21、第二金型22の順に重ねられており、第二金型22は、スライド部22Aとスライド部22A以外の部分であるベース部22Bに分割され、スライド部22Aとベース部22Bは互いに篏合するように構成されている。以下、図3に示す構造のうち、紙面上方側を「天面側」、紙面下方側を「底面側」とも呼ぶ。
「射出成形用金型」
図3は、本実施態様における射出成形用金型の構造を示す模式図である。
図3に示すように、本実施態様の射出成形用金型20は、第一金型21と第二金型22によって構成されている。
射出成形用金型20は、上方から第一金型21、第二金型22の順に重ねられており、第二金型22は、スライド部22Aとスライド部22A以外の部分であるベース部22Bに分割され、スライド部22Aとベース部22Bは互いに篏合するように構成されている。以下、図3に示す構造のうち、紙面上方側を「天面側」、紙面下方側を「底面側」とも呼ぶ。
ここで、本実施態様の射出成形用金型20は、成形品5aを成形するための複数の空洞部に加え、成形材料を流動させる第一の流路と、複数の空洞部と第一の流路とを連通する第二の流路と、を備え、第一の流路は、複数の空洞部の長手方向と立体的に交差するように配置されるものである。そして、第一の流路及び第二の流路を介し、複数の空洞部に対して成形材料が同時に注入されることで、成形品5aにおけるショート不良などの成形不良の発生を防ぐことが可能となる。
このとき、射出成形用金型20における第一の流路及び第二の流路を形成するための構成については特に限定されない。第一の流路及び第二の流路を形成する具体的な構成については、後述する。
このとき、射出成形用金型20における第一の流路及び第二の流路を形成するための構成については特に限定されない。第一の流路及び第二の流路を形成する具体的な構成については、後述する。
上述した構成を備える本実施態様の射出成形用金型20としては、例えば、第二金型22におけるベース部22Bとスライド部22Aの間に、複数の空洞部と立体的に交差する第一の流路を設け、金型(第一金型21及び第二金型22)の凸部及び凹部の間に、複数の空洞部と第一の流路とを連通する第二の流路2を形成することが挙げられる。
また、本実施態様における射出成形用金型20としては、スライド部22Aの一部と第一の樹脂体1aが干渉することにより生じる干渉部14を無くすために、空洞部の長手方向に移動可能となるようにスライド部22Aをベース部22Bに載置する構成とすることが挙げられる。
このとき、スライド部22Aが移動することにより、複数の空洞部に成形された成型品5aと、第一の流路の内部に形成された第一の樹脂体1aと、第二の流路の内部に形成された第二の樹脂体2aとを連結した状態で離型することができるという効果を奏する。なお、スライド部22Aの移動による離型については、後述する。
このとき、スライド部22Aが移動することにより、複数の空洞部に成形された成型品5aと、第一の流路の内部に形成された第一の樹脂体1aと、第二の流路の内部に形成された第二の樹脂体2aとを連結した状態で離型することができるという効果を奏する。なお、スライド部22Aの移動による離型については、後述する。
なお、射出成形用金型20を構成する金型の個数、型開きの方向、及びスライド部22Aの移動方向は本発明の効果を奏する限り、特に限定されない。例えば、第一金型21、第二金型22が二以上の金型から構成されていてもよく、また、二以上のスライド部22Aが複数方向から移動可能に構成されていてもよい。
図4は、本実施態様の射出成形用金型における第一金型の構造の一例を示す概略説明図である。また、図5及び図6は、本実施態様の射出成形用金型における第二金型の構造の一例を示す概略説明図である。
図4に示すように、第一金型21は凸部を有している。一方、図5及び図6に示すように、第二金型22は凹部を有している。また、第一金型21及び第二金型22は、成形品5aを成形するための複数の空洞部5を形成している。
以下、図4~図6に基づき、本実施態様の射出成形用金型20における第一金型21及び第二金型22の具体的構造の一例について説明する。
図4に示すように、第一金型21は凸部を有している。一方、図5及び図6に示すように、第二金型22は凹部を有している。また、第一金型21及び第二金型22は、成形品5aを成形するための複数の空洞部5を形成している。
以下、図4~図6に基づき、本実施態様の射出成形用金型20における第一金型21及び第二金型22の具体的構造の一例について説明する。
(第一金型)
図4(A)は、第一金型21を底面側から見た概略斜視図である。また、図4(a)は、第一金型21の底面図であり、図4(b)は、第一金型21の背面図であり、図4(c)は、第一金型21の側面図を示している。
図4(a)に示すように、第一金型21の長手方向(図4(a)における右側から左側)には、成形品5aを成形するための帯状の空洞部5が複数形成されており、この複数の空洞部5は並列に配置されている。また、第一金型21の中央付近には前記複数の空洞部5の間に第一金型凸部6が形成され、さらに当該第一金型凸部6上に第一の流路1及び、第二の流路2を形成するための窪みが形成されている。さらに、第一金型21の中央付近には第三の流路3が配置されており、正面側長手方向の第四の流路4へ連通している。
なお、第一金型凸部6の形状は、第一の流路1及び、第二の流路2を形成可能であれば特には限定されない。例えば、第一の流路1及び第二の流路2によって形成される第一の樹脂体1a及び第二の樹脂体2aの形状に応じて適宜設計変更することができる。
図4(A)は、第一金型21を底面側から見た概略斜視図である。また、図4(a)は、第一金型21の底面図であり、図4(b)は、第一金型21の背面図であり、図4(c)は、第一金型21の側面図を示している。
図4(a)に示すように、第一金型21の長手方向(図4(a)における右側から左側)には、成形品5aを成形するための帯状の空洞部5が複数形成されており、この複数の空洞部5は並列に配置されている。また、第一金型21の中央付近には前記複数の空洞部5の間に第一金型凸部6が形成され、さらに当該第一金型凸部6上に第一の流路1及び、第二の流路2を形成するための窪みが形成されている。さらに、第一金型21の中央付近には第三の流路3が配置されており、正面側長手方向の第四の流路4へ連通している。
なお、第一金型凸部6の形状は、第一の流路1及び、第二の流路2を形成可能であれば特には限定されない。例えば、第一の流路1及び第二の流路2によって形成される第一の樹脂体1a及び第二の樹脂体2aの形状に応じて適宜設計変更することができる。
(第二金型)
第二金型22は、図3に示すように、スライド部22Aとベース部22Bから構成されている。
以下、第二金型22を構成するスライド部22A及びベース部22Bの構造の一例について、詳細に説明する。
第二金型22は、図3に示すように、スライド部22Aとベース部22Bから構成されている。
以下、第二金型22を構成するスライド部22A及びベース部22Bの構造の一例について、詳細に説明する。
(ベース部)
図5(A)は、第二金型22を構成するベース部22Bの概略斜視図である。また、図5(a)は、ベース部22Bの平面図であり、図5(b)は、ベース部22Bの背面図であり、図5(c)は、ベース部22Bの側面図を示している。
図5(a)に示すように、長手方向背面側から中央付近(図5(a)における右側から中央付近)まで、成形品5aを成形するための帯状の空洞部5が複数形成されており、この複数の空洞部5は並列に配置されている。また、ベース部22Bの中央付近には第二金型凹部7が形成され、さらにその第二金型凹部7上に第二の流路2を形成するための窪みがさらに設けられている。そして、ベース部22Bの長手方向中央付近から背面側(図5(a)における中央付近から左側)までは、スライド部22Aが載置できるように滑面となっている。この滑面の端部(ベース部22Bの中央付近)には、第一の流路1の下側を形成する窪みが形成されている。
図5(A)は、第二金型22を構成するベース部22Bの概略斜視図である。また、図5(a)は、ベース部22Bの平面図であり、図5(b)は、ベース部22Bの背面図であり、図5(c)は、ベース部22Bの側面図を示している。
図5(a)に示すように、長手方向背面側から中央付近(図5(a)における右側から中央付近)まで、成形品5aを成形するための帯状の空洞部5が複数形成されており、この複数の空洞部5は並列に配置されている。また、ベース部22Bの中央付近には第二金型凹部7が形成され、さらにその第二金型凹部7上に第二の流路2を形成するための窪みがさらに設けられている。そして、ベース部22Bの長手方向中央付近から背面側(図5(a)における中央付近から左側)までは、スライド部22Aが載置できるように滑面となっている。この滑面の端部(ベース部22Bの中央付近)には、第一の流路1の下側を形成する窪みが形成されている。
(スライド部)
図6(A)は、スライド部22Aの概略斜視図である。また、図6(a)は、スライド部22Aの平面図であり、図6(b)は、スライド部22Aの背面図であり、図6(c)は、スライド部22Aの側面図を示している。
図6(a)に示すように、スライド部22Aの天面側には正面側から背面側方向(図6(a)における右側から左側)まで、成形品5aを成形するための帯状の空洞部5が複数形成されており、この複数の空洞部5は並列に配置されている。また、スライド部22Aの端部(図6(a)における右側端部)にはスライド部挿入部24が設けられ、さらにスライド部挿入部24には、第一の流路1の上部を形成する窪みが設けられている。
図6(A)は、スライド部22Aの概略斜視図である。また、図6(a)は、スライド部22Aの平面図であり、図6(b)は、スライド部22Aの背面図であり、図6(c)は、スライド部22Aの側面図を示している。
図6(a)に示すように、スライド部22Aの天面側には正面側から背面側方向(図6(a)における右側から左側)まで、成形品5aを成形するための帯状の空洞部5が複数形成されており、この複数の空洞部5は並列に配置されている。また、スライド部22Aの端部(図6(a)における右側端部)にはスライド部挿入部24が設けられ、さらにスライド部挿入部24には、第一の流路1の上部を形成する窪みが設けられている。
(干渉部)
干渉部14は、スライド部22Aのうち、スライド部挿入部24と第一の樹脂体1aが接する部分である。図5及び図6には干渉部14について図示していないが、図2における斜線部分が、樹脂成形体20aとの関係において、干渉部14が発生する位置を示している。
干渉部14は、第一の流路1と空洞部5との位置関係により発生するものであり、干渉部14が発生することで、上型(第一金型21)及び下型(第二金型22)を相対する方向に分離させることができない。そのため、スライド部22Aを上型及び下型の分離を行う方向とは違う方向に移動させることで、干渉部14を無くす必要がある。なお、干渉部14を無くす手段については、後述する。
干渉部14は、スライド部22Aのうち、スライド部挿入部24と第一の樹脂体1aが接する部分である。図5及び図6には干渉部14について図示していないが、図2における斜線部分が、樹脂成形体20aとの関係において、干渉部14が発生する位置を示している。
干渉部14は、第一の流路1と空洞部5との位置関係により発生するものであり、干渉部14が発生することで、上型(第一金型21)及び下型(第二金型22)を相対する方向に分離させることができない。そのため、スライド部22Aを上型及び下型の分離を行う方向とは違う方向に移動させることで、干渉部14を無くす必要がある。なお、干渉部14を無くす手段については、後述する。
(第一の流路)
第一の流路1は、第一の樹脂体1aを形成することを目的とした流路である。
第一の流路1は、並列配置された成形品5aを成形する空洞部5と直交するように立体交差する配置となっている。第一の流路1と空洞部5とを立体交差させることで、第一の流路1から各空洞部5への成形材料の流路となる第二の流路2の長さを短くすることができると共に、第二の流路2の長さをそれぞれ等距離とすること、あるいは距離の調整を容易とすることができる。前述したように、複数の空洞部5をランナーによって直列につないだ場合には、順次、第三の樹脂体3aを形成する第三の流路3に近い空洞部5から成形材料が充填されるのに対し、本発明の場合、各空洞部5に対し、略同時、かつ均一に成形材料を注入することが可能となる。
この空洞部5と直交する第一の流路1の配置については、特に限定はされない。第一の流路1は第三の流路3の直下でもよいし、第三の流路3から離れた位置としてもよい。空洞部5の形状に応じて、その位置を調整することができる。例えば、空洞部5によって成型される成形品5aの片側末端に各種機能を有する形状を付与する場合、片側に流入する成形材料の必要量が多くなるため、当該片側末端側に第一の流路1を配置することもできる。空洞部5と立体的に交差する第一の流路1は、キャビティバランスの調整やアンダーカット処理の複雑化の観点から、一つであることが好ましいが、成形品の長さや大きさに応じて第三の流路3又は第四の流路4から分岐させて、二以上設けてもよい。
第一の流路1は、第一の樹脂体1aを形成することを目的とした流路である。
第一の流路1は、並列配置された成形品5aを成形する空洞部5と直交するように立体交差する配置となっている。第一の流路1と空洞部5とを立体交差させることで、第一の流路1から各空洞部5への成形材料の流路となる第二の流路2の長さを短くすることができると共に、第二の流路2の長さをそれぞれ等距離とすること、あるいは距離の調整を容易とすることができる。前述したように、複数の空洞部5をランナーによって直列につないだ場合には、順次、第三の樹脂体3aを形成する第三の流路3に近い空洞部5から成形材料が充填されるのに対し、本発明の場合、各空洞部5に対し、略同時、かつ均一に成形材料を注入することが可能となる。
この空洞部5と直交する第一の流路1の配置については、特に限定はされない。第一の流路1は第三の流路3の直下でもよいし、第三の流路3から離れた位置としてもよい。空洞部5の形状に応じて、その位置を調整することができる。例えば、空洞部5によって成型される成形品5aの片側末端に各種機能を有する形状を付与する場合、片側に流入する成形材料の必要量が多くなるため、当該片側末端側に第一の流路1を配置することもできる。空洞部5と立体的に交差する第一の流路1は、キャビティバランスの調整やアンダーカット処理の複雑化の観点から、一つであることが好ましいが、成形品の長さや大きさに応じて第三の流路3又は第四の流路4から分岐させて、二以上設けてもよい。
また、第一の流路1の断面形状については、形成される第一の樹脂体1aの形状に併せてどのようなものであってもよく、第一の樹脂体1aの断面積及び形状に応じて適宜変更可能である。また、第一の樹脂体1aの断面形状を第一の樹脂体1aとスライド部22Aと接する部分が曲線を描くように決定してもよい。この場合、スライド部22Aと第一の樹脂体1aとの分離が行い易くなり、その結果、アンダーカット処理が容易となる。
(第二の流路)
第二の流路2は、第二の樹脂体2aを形成することを目的とした流路である。ここで、第二の流路2は、第一の流路1と空洞部5を複数の分岐を経て連通させている。第二の流路2における第一の流路1からの分岐の個数や位置は、空洞部5の個数や形状に応じて変更できる。また、第二の流路2の形状は特に限定はされないが、2つに分岐する形状であることが金型設計上、複雑とならず好ましい。
第二の流路2は、第二の樹脂体2aを形成することを目的とした流路である。ここで、第二の流路2は、第一の流路1と空洞部5を複数の分岐を経て連通させている。第二の流路2における第一の流路1からの分岐の個数や位置は、空洞部5の個数や形状に応じて変更できる。また、第二の流路2の形状は特に限定はされないが、2つに分岐する形状であることが金型設計上、複雑とならず好ましい。
また、第二の流路2は、図2に示すように、第二の樹脂体2aと成形品5aとが接する箇所にゲート部24aを形成するような形状としてもよい。
ゲート部24aを設けることにより、成形材料の流入速度をコントロールすることができる。また、第二の流路2におけるゲート部24aは、断面積、形状、及び形成位置について、成形品5aの大きさや形状、樹脂体の長さなどに応じて変更することができる。
また、第二の流路2の形状としては、例えば、ゲート部24aをサイドゲート、ジャンプゲートとするように決定されてもよい。さらに、型開き時にゲート部分でカットされるサブマリンゲート、バナナゲート、ピンゲートとすることもできる。なお、樹脂成形体20aが一纏めの成形体として得られるサイドゲート、ジャンプゲートなどを用いることが、離型が煩雑とならず好ましい。
ゲート部24aを設けることにより、成形材料の流入速度をコントロールすることができる。また、第二の流路2におけるゲート部24aは、断面積、形状、及び形成位置について、成形品5aの大きさや形状、樹脂体の長さなどに応じて変更することができる。
また、第二の流路2の形状としては、例えば、ゲート部24aをサイドゲート、ジャンプゲートとするように決定されてもよい。さらに、型開き時にゲート部分でカットされるサブマリンゲート、バナナゲート、ピンゲートとすることもできる。なお、樹脂成形体20aが一纏めの成形体として得られるサイドゲート、ジャンプゲートなどを用いることが、離型が煩雑とならず好ましい。
(第三の流路)
第三の流路3は、第三の樹脂体3aを形成することを目的とした流路であり、空洞部5の近傍まで、成形材料を流し込むためのものである。なお、第三の流路3の態様はこれには限定されず、成形材料の流入する方向は下方からでもよく、又は側方から成形材料を流入させる構成であってもよい。また、射出成形用金型20長手方向の中央から離れた位置に第三の流路3を設けることもできるが、第三の流路3には、非常に高い圧力で成形材料が注入されるため、射出成形用金型20の安定性の観点から、第三の流路3は、射出成形用金型20の中央付近に上方向から配置されることが好ましい。
第三の流路3は、第三の樹脂体3aを形成することを目的とした流路であり、空洞部5の近傍まで、成形材料を流し込むためのものである。なお、第三の流路3の態様はこれには限定されず、成形材料の流入する方向は下方からでもよく、又は側方から成形材料を流入させる構成であってもよい。また、射出成形用金型20長手方向の中央から離れた位置に第三の流路3を設けることもできるが、第三の流路3には、非常に高い圧力で成形材料が注入されるため、射出成形用金型20の安定性の観点から、第三の流路3は、射出成形用金型20の中央付近に上方向から配置されることが好ましい。
(第四の流路)
第四の流路4は、第四の樹脂体4aを形成することを目的とするものである。
第四の流路4は、第三の流路3から水平方向へ屈曲した成形材料を流動させる流路であり、第三の流路3から第一の流路1に連通する構造となっている。また、第三の流路3の直下に第一の流路1が配置される場合は、第四の流路4は設けなくてもよい。
また、第四の流路4の形状は、特には限定されず、第四の樹脂体4aの形状に合わせたものであればよい。なお、第四の流路4の断面形状は、高圧の成形材料を均一に流すため、円筒状であることが好ましい。
さらに、第四の流路4は、第四の樹脂体4aにおいて、第一の樹脂体1aへの流入口の近傍に樹脂溜まり部45aを形成するような形状としてもよい。なお、樹脂溜まり45aの位置や個数についても特に限定されない。
第四の流路4は、第四の樹脂体4aを形成することを目的とするものである。
第四の流路4は、第三の流路3から水平方向へ屈曲した成形材料を流動させる流路であり、第三の流路3から第一の流路1に連通する構造となっている。また、第三の流路3の直下に第一の流路1が配置される場合は、第四の流路4は設けなくてもよい。
また、第四の流路4の形状は、特には限定されず、第四の樹脂体4aの形状に合わせたものであればよい。なお、第四の流路4の断面形状は、高圧の成形材料を均一に流すため、円筒状であることが好ましい。
さらに、第四の流路4は、第四の樹脂体4aにおいて、第一の樹脂体1aへの流入口の近傍に樹脂溜まり部45aを形成するような形状としてもよい。なお、樹脂溜まり45aの位置や個数についても特に限定されない。
(空洞部)
空洞部5は、成形材料を充填して成形品5aを成形することを目的とするものである。
成形材料は、第三の流路3から第四の流路4、第一の流路1、第二の流路2を順に介し、空洞部5へ充填される。
空洞部5の形状は成形する成形品5aに応じて様々に変更可能であり、特に限定はされない。例えば、ショート不良などの成形不良を起こしやすい形状、より具体的には、例えば図1に示すような棒状又は帯状の成形品を成形するために、空洞部5の形状としては、図4~図6に示すように、細長い形状のものとすることが挙げられる。さらに、成形品5aの末端に各種機能を持たせるため、空洞部5の末端を所望の形状とすることができる。なお、空洞部5の数は限定されず、例えば成形品5aの形状や射出成形機の性能によって適宜変更することが可能である。
空洞部5は、成形材料を充填して成形品5aを成形することを目的とするものである。
成形材料は、第三の流路3から第四の流路4、第一の流路1、第二の流路2を順に介し、空洞部5へ充填される。
空洞部5の形状は成形する成形品5aに応じて様々に変更可能であり、特に限定はされない。例えば、ショート不良などの成形不良を起こしやすい形状、より具体的には、例えば図1に示すような棒状又は帯状の成形品を成形するために、空洞部5の形状としては、図4~図6に示すように、細長い形状のものとすることが挙げられる。さらに、成形品5aの末端に各種機能を持たせるため、空洞部5の末端を所望の形状とすることができる。なお、空洞部5の数は限定されず、例えば成形品5aの形状や射出成形機の性能によって適宜変更することが可能である。
次に、図7を参照しながらスライド部22Aの動作と第三の樹脂体3a、第一の樹脂体1a、第二の樹脂体2a、及び成形品5aが成形される態様について説明する。
図7は、射出成形用金型20を底面側から見た概略斜視図であり、説明のため、第二金型22を外した状態としており、形成された樹脂体は露出している。なお、図7において、スライド部22Aには、グレーの色を付している。
まず、第一金型21と第二金型22との間に形成された空間で成形材料が所望の形に成形される。スライド部22Aの端部には、スライド部挿入部24が設けられており、このスライド部挿入部24が、移動することで、干渉部14を無くしアンダーカット処理を行う。なお、図7においては、スライド部22Aは、型開き後の配置となっている。
図7は、射出成形用金型20を底面側から見た概略斜視図であり、説明のため、第二金型22を外した状態としており、形成された樹脂体は露出している。なお、図7において、スライド部22Aには、グレーの色を付している。
まず、第一金型21と第二金型22との間に形成された空間で成形材料が所望の形に成形される。スライド部22Aの端部には、スライド部挿入部24が設けられており、このスライド部挿入部24が、移動することで、干渉部14を無くしアンダーカット処理を行う。なお、図7においては、スライド部22Aは、型開き後の配置となっている。
図8は、本実施態様における干渉部14の一態様を示す概略説明図である。
前述したように、干渉部14はスライド部22Aのうち、スライド部挿入部24と第一の樹脂体1aが接する部分である。樹脂成形体20aのその他の部位は、第一金型21と第二金型22によって、それぞれ上方、下方から挟まれた空間によって成形され、容易に離型可能となっている。なお、ゲート部24aを容易に切断可能な形状とすれば、スライド部22Aを用いずに成形品5aを離型できるが、樹脂成形体20aのその後の処理が煩雑となる可能性がある。
前述したように、干渉部14はスライド部22Aのうち、スライド部挿入部24と第一の樹脂体1aが接する部分である。樹脂成形体20aのその他の部位は、第一金型21と第二金型22によって、それぞれ上方、下方から挟まれた空間によって成形され、容易に離型可能となっている。なお、ゲート部24aを容易に切断可能な形状とすれば、スライド部22Aを用いずに成形品5aを離型できるが、樹脂成形体20aのその後の処理が煩雑となる可能性がある。
図9は、本実施態様におけるアンダーカット処理に伴う、第一金型21とスライド部22Aの動作の概略説明図である。なお、図9は、図8におけるA-A′断面図である。
図9(A)は、型締め時の状態を示す概略説明図である。図9(A)に示すように、成形品5aと第一樹脂体1aとの間は、スライド部22Aのスライド部挿入部24が挿入された状態で型締めされており、干渉部14が発生している。
一方、図9(B)は、型開き時の第一金型21とスライド部22Aの動作の概略説明図を示している。図9(B)に示すように、型開き時には、第一金型21が上方に移動し、スライド部22Aが右方向、すなわち水平方向にスライドさせることで、干渉部14が無くなり、一纏めの状態で樹脂成形体20aの離型が可能となる。離型の方法は特に限定はされないが、押出ピン(不図示)などで、樹脂成形体20aを離型することが好ましい。
図9(A)は、型締め時の状態を示す概略説明図である。図9(A)に示すように、成形品5aと第一樹脂体1aとの間は、スライド部22Aのスライド部挿入部24が挿入された状態で型締めされており、干渉部14が発生している。
一方、図9(B)は、型開き時の第一金型21とスライド部22Aの動作の概略説明図を示している。図9(B)に示すように、型開き時には、第一金型21が上方に移動し、スライド部22Aが右方向、すなわち水平方向にスライドさせることで、干渉部14が無くなり、一纏めの状態で樹脂成形体20aの離型が可能となる。離型の方法は特に限定はされないが、押出ピン(不図示)などで、樹脂成形体20aを離型することが好ましい。
以上のように、本発明の第1実施態様における射出成形用金型20によれば、第一の樹脂体1aを形成する第一の流路1を、成形品5aを形成する空洞部5の長手方向に対して立体交差する配置とすることで、帯状又は棒状の成形品5aについてショート不良などの成形不良を防止し、型開き時に樹脂成形体20aを連結した状態で離型することができるため、効率よく複数の成形品を製造することが可能となる。
[第2の実施態様]
本発明の第2の実施態様における射出成形用金型40は、第1の実施態様の射出成形用金型20と同様に、成形品5aを射出成形により成形する金型であり、第一金型41と第二金型42によって構成されている。また、第二金型42はスライド部42Aとベース部42Bを備えている。
第1実施形態からの相違点は、第一金型41にスライドピン11、スライド金型43にピンホール12を設けたことであり、型開き時に第一金型41の動作により、スライドピン11を介してスライド部42Aが連動して水平方向にスライドする構成となっている。なお、その他の構成は第1の実施態様と同様であるため、説明を省略する。
本発明の第2の実施態様における射出成形用金型40は、第1の実施態様の射出成形用金型20と同様に、成形品5aを射出成形により成形する金型であり、第一金型41と第二金型42によって構成されている。また、第二金型42はスライド部42Aとベース部42Bを備えている。
第1実施形態からの相違点は、第一金型41にスライドピン11、スライド金型43にピンホール12を設けたことであり、型開き時に第一金型41の動作により、スライドピン11を介してスライド部42Aが連動して水平方向にスライドする構成となっている。なお、その他の構成は第1の実施態様と同様であるため、説明を省略する。
まず、図10は、本発明の第2の実施態様における第一金型の構造の一例を示す概略説明図である。図10(A)は、第一金型の底面側から見た概略斜視図である。また、図10(a)は、第一金型の底面図であり、図10(b)は、第一金型の背面図であり、図10(c)は、第一金型の側面図を示している。
図10(a)に示すように、第一金型41の背面側端部(図10(a)の左側端部)には、スライドピン11が設けられている。スライドピン11は柱状の形状を有し、第一金型41の底面から背面側に傾斜した突起となっている。なお、スライドピン11の本数、位置、長さ、形状については、成形品5aの個数や射出成形用金型40の大きさに応じて設計することができ、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
図10(a)に示すように、第一金型41の背面側端部(図10(a)の左側端部)には、スライドピン11が設けられている。スライドピン11は柱状の形状を有し、第一金型41の底面から背面側に傾斜した突起となっている。なお、スライドピン11の本数、位置、長さ、形状については、成形品5aの個数や射出成形用金型40の大きさに応じて設計することができ、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
次に、図11は、本発明の第2の実施態様におけるスライド部42Aの構造の一例を示す概略説明図である。図11(A)は、スライド部42Aの底面側から見た概略斜視図である。また、図11(a)は、スライド部42Aの底面図であり、図11(b)は、スライド部42Aの背面図であり、図11(c)は、スライド部42Aの側面図を示している。
図11(a)に示すように、スライド部42Aの背面側の端部(図11(a)における左側端部)には、スライドピン11が挿入可能なピンホール12が設けられている。図11(a)には、ピンホール12として、スライド部42Aの天面から底面側に向かって傾斜した断面円状の穿孔を示している。なお、ピンホール12は、スライドピン11に対応する本数、位置、長さ、形状を有していればよく、成形品5aの個数や射出成形用金型40の大きさに応じて設計することができ、特に限定されない。例えば、図11(a)に示すような穿孔としてもよいし、スライド部42Aの内部に底を有することとしてもよい。また、穿孔とした場合は、スライドピン11が第二金型42の天面にもピンホール12を設ける構成としてもよい。スライドピン11がスライド金型43を貫通してベース部42Bのピンホール12にも挿入されることとして、スライド部42Aとベース部42Bを同時に型締めできるように構成することもできる。
図11(a)に示すように、スライド部42Aの背面側の端部(図11(a)における左側端部)には、スライドピン11が挿入可能なピンホール12が設けられている。図11(a)には、ピンホール12として、スライド部42Aの天面から底面側に向かって傾斜した断面円状の穿孔を示している。なお、ピンホール12は、スライドピン11に対応する本数、位置、長さ、形状を有していればよく、成形品5aの個数や射出成形用金型40の大きさに応じて設計することができ、特に限定されない。例えば、図11(a)に示すような穿孔としてもよいし、スライド部42Aの内部に底を有することとしてもよい。また、穿孔とした場合は、スライドピン11が第二金型42の天面にもピンホール12を設ける構成としてもよい。スライドピン11がスライド金型43を貫通してベース部42Bのピンホール12にも挿入されることとして、スライド部42Aとベース部42Bを同時に型締めできるように構成することもできる。
図12は、本実施態様におけるアンダーカット処理に伴う、スライドピン11を介した、第一金型41とスライド部42Aの動作の概略説明図である。
図12(A)は、型開き前の状態を示す概略説明図である。図12(A)に示すように、成形品5aと第一の樹脂体1aの間には、スライド部42Aのスライド部挿入部44が挿入されて型締めされており、干渉部14が発生している。
一方、図12(B)は、型開き時の状態を示す概略説明図である。図12(B)に示すように、型開き時には、第一金型41が上方に移動すると共にスライドピン11が左斜め上方に抜出される。そうすると、スライドピン11の傾斜により、スライド部42Aが右方向に移動することとなる。これにより、干渉部14を無くし、アンダーカット処理を行うことができる。
図12(A)は、型開き前の状態を示す概略説明図である。図12(A)に示すように、成形品5aと第一の樹脂体1aの間には、スライド部42Aのスライド部挿入部44が挿入されて型締めされており、干渉部14が発生している。
一方、図12(B)は、型開き時の状態を示す概略説明図である。図12(B)に示すように、型開き時には、第一金型41が上方に移動すると共にスライドピン11が左斜め上方に抜出される。そうすると、スライドピン11の傾斜により、スライド部42Aが右方向に移動することとなる。これにより、干渉部14を無くし、アンダーカット処理を行うことができる。
本実施態様における射出成形用金型40は、第一金型41と第一金型42の動作に連動してスライド部42Aをベース部42B上で水平に移動させることができ、スライド部42Aを動かすための動力、その他機構を必要としないため製造コストを低く抑えることができる。また、型締め時にスライドピン11を介して、スライド部42Aを第一金型41とベース部42Bに強い力で嵌合することができるため好ましい。なお、アンダーカット処理については本態様に限定されず、適宜周知の方法により処理することができる。
以上のように、本発明の第2の実施態様における射出成形用金型によれば、スライドピン11を介してスライド部42Aを型開き時に第一金型41に連動して動作するよう構成することで、より低コスト、かつ効率的に複数の成形品の製造が可能となる。
なお、上述した実施態様は射出成形用金型の一例を示すものである。本発明に係わる射出成形用金型は、上述した実施態様に限られるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る射出成形用金型の構造を変更してもよい。
離型の際に、樹脂成型体20aから成形品5aを分離する構造を本発明の金型に設けてもよい。具体的には、離型の際に、ゲート部24aを切断する構造を本発明の金型に設けてもよい。
これにより、離型した樹脂成型体20aから成形品5aを分離させるために、作業員が分離作業を行う必要がないため、生産性を大幅に向上させることができる。
これにより、離型した樹脂成型体20aから成形品5aを分離させるために、作業員が分離作業を行う必要がないため、生産性を大幅に向上させることができる。
さらに、本発明の射出成形用金型を、射出成形ではなく、成形材料を第一金型と第二金型の間に配置し、圧縮して型締めを行う圧縮成形に用いてもよい。
これにより、圧縮成形においても、ショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができ、効率よく成形品を金型から離型することができる成形用金型及び成形品の製造方法を提供することができる。
また、その場合、第三の流路3及び第四の流路4、第三の樹脂体3a及び第四の樹脂体4aは用いる必要はない。
これにより、圧縮成形においても、ショート不良などの成形不良の発生を防ぐことができ、効率よく成形品を金型から離型することができる成形用金型及び成形品の製造方法を提供することができる。
また、その場合、第三の流路3及び第四の流路4、第三の樹脂体3a及び第四の樹脂体4aは用いる必要はない。
本発明の射出成形用金型及び成形品の製造方法は、樹脂成形品の製造に利用することができる。具体的には、帯状や棒状の成形品の大量製造に好適に利用できる。
1…第一の流路、1a…第一の樹脂体、2…第二の流路、2a…第二の樹脂体、3…第三の流路、3a…第三の樹脂体、4…第四の流路、4a…第四の樹脂体、5…空洞部、5a…成形品、6…第一金型凸部、7…第二金型凹部、11…スライドピン、12…ピンホール、14…干渉部、20,40…射出成形用金型、21,41…第一金型、22,42…第二金型、20a…樹脂成形体、22A,42A…スライド部、22B,42B…ベース部、24,44…スライド部挿入部、25a,45a…樹脂溜まり部
Claims (5)
- 棒状又は帯状の成型品を成形する射出成形用金型であって、
前記成形品を成形するための複数の空洞部と、
成形材料を流動させる第一の流路と、
前記複数の空洞部と前記第一の流路とを連通する第二の流路と、を備え、
前記第一の流路は、前記複数の空洞部の長手方向と立体的に交差し、
前記成形材料は、前記第一の流路及び前記第二の流路を介して、前記複数の空洞部に同時に注入されることを特徴とする、射出成形用金型。 - 凸部を有する第一の金型、及び、凹部を有する第二の金型を備え、
前記第一の金型及び前記第二の金型は、成形品を成形するための複数の空洞部を形成し、
前記第二の金型は、ベース部とスライド部に分割され、前記ベース部及び前記スライド部は、前記複数の空洞部と立体的に交差する第一の流路を形成し、
前記凸部及び前記凹部は、前記複数の空洞部と前記第一の流路とを連通する第二の流路を形成し、
前記スライド部が移動することにより、前記複数の空洞部に成形された成型品と、前記第一の流路の内部に形成された第一の樹脂体と、前記第二の流路の内部に形成された第二の樹脂体とを連結した状態で抜出すことを特徴とする、射出成型用金型。 - 前記成形品は、棒状又は帯状であることを特徴とする、請求項2に記載の射出成形用金型。
- 前記第一の流路は、前記空洞部の長手方向の長さに対して、略中央に位置することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の射出成形用金型。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の射出成形用金型を用いて、前記成形品を製造することを特徴とする、成形品の製造方法。
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