JP2022061787A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】画像の所望する領域にのみ金属光沢を有する加飾を行うことができる画像形成装置を提供すること。【解決手段】本発明の画像形成装置は、画像を担持する記録媒体を搬送する搬送部と、前記画像を軟化させる軟化部と、前記軟化された画像の表面に粉体を付与する粉体付与部と、を有する画像形成装置である。前記搬送部による前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向における、前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭い範囲に、前記付与された粉体を付着させる。【選択図】図１

Description

本発明は、画像形成装置に関する。

近年、オンデマンド印刷市場において、特色印刷、メタリック印刷およびパール印刷を含む加飾印刷、高付加価値印刷などの需要が高まっている。特に、加飾印刷に関する要望は大きく、様々な印刷方法が検討されている。

たとえば、特許文献１には、トナー画像を形成し、着色剤層と粘着剤層を有する箔体を、トナー画像に重ね合わせて加熱および加圧し、トナーの加熱による溶着を利用することで、トナー画像を加飾する方法が記載されている。特許文献１によると、箔体にしわを生じさせることなく箔付け転写ができると記載されている。

特開平０１－２００９８５号公報

本発明者が検討したところ、特許文献１に記載の方法では、箔体をトナー画像が形成されている領域に付与するため、加飾したい領域がトナー画像の一部である場合においては、加飾したい部分にのみ箔体を付与することは困難であった。

本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、画像の所望する領域にのみ金属光沢を有する加飾を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。

本発明の画像形成装置は、画像を担持する記録媒体を搬送する搬送部と、前記画像を軟化させる軟化部と、前記軟化された画像の表面に粉体を付与する粉体付与部と、を有し、前記搬送部による前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向における、前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭い範囲に、前記付与された粉体を付着させる。

本発明により、画像の所望する領域にのみ金属光沢を有する加飾を行うことができる画像形成装置を提供することができる。

図１は、実施の形態１に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図２は、実施の形態１に係る画像形成装置の平面図である。 図３は、記録媒体の表面に担持された画像の温度の変化と、粉体付与部から付与される粉体の画像への転写性との関係を示すグラフである。 図４Ａおよび図４Ｂは、実施の形態１に係る画像形成装置の平面図である。 図５は、ローラユニットの構成を示す正面図である。 図６Ａ～６Ｃは、実施の形態１の変形例に係る画像形成装置の平面図である。 図７は、実施の形態２に係る画像形成装置の平面図である。 図８Ａおよび図８Ｂは、実施の形態２に係る画像形成装置の平面図である。 図９は、図８ＡをＡ方向からみた正面図である。 図１０Ａ～１０Ｃは、実施の形態２の変形例に係る画像形成装置の平面図である。 図１１は、実施の形態３に係る画像形成装置の平面図である。 図１２Ａおよび図１２Ｂは、実施の形態３に係る画像形成装置の平面図である。 図１３は、図１２ＡをＣ方向からみた正面図である。 図１４は、実施の形態４に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図１５Ａおよび図１５Ｂは、実施の形態５に係る画像形成装置の平面図である。 図１６は、変形例１に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。 図１７は、変形例２に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。

［実施の形態１］
（画像形成装置の構成）
図１は、実施の形態１に係る画像形成装置１００の全体構成を概略的に示す模式図であり、図２は、実施の形態１に係る画像形成装置１００の平面図である。

画像形成装置１００は、記録媒体Ｍの表面に担持された画像Ｒに粉体Ｐを供給して付着させ、画像Ｒの表面に粉体Ｐが付着してなる加飾画像を形成する画像形成装置である。

図１に示されるように、画像形成装置１００は、画像Ｒが形成された記録媒体Ｍを、搬送方向Ａに向かって搬送するための搬送部１１０と、画像Ｒを軟化させるための軟化部１２０と、粉体Ｐを供給する粉体供給部１３０と、粉体供給部１３０から供給された粉体Ｐを一時的に保持するための粉体保持面１４１に付着させて搬送し、画像Ｒに粉体Ｐを付与する粉体付与部１４０と、粉体供給部１３０から粉体付与部１４０に供給された粉体Ｐを粉体付与部１４０の表面で配向させる摺擦部１５０と、粉体付与部１４０の記録媒体Ｍを挟んで粉体保持面１４１と対向する位置に設けられ、粉体付与部１４０との間にニップ部ＮＰを形成して、ニップ部ＮＰにおいて記録媒体Ｍおよび粉体Ｐを加圧する対向部材１６０と、記録媒体Ｍ上の画像Ｒ以外の領域や搬送部１１０に付着した粉体Ｐを回収する粉体回収部１７０とを有する。

本実施の形態において、画像Ｒは、トナーやインクなどにより記録媒体Ｍの表面に形成された、熱可塑性樹脂により形成された画像である。本実施の形態では、軟化部１２０により軟化された画像Ｒに、粉体供給部１３０から粉体付与部１４０に粉体Ｐを供給することにより、軟化した画像Ｒの表面に粉体Ｐを付着させて、画像Ｒが粉体Ｐにより加飾された加飾画像を作製する。

また、本実施の形態において、粉体Ｐは粉体粒子が集合したものである。粉体粒子の例には、金属粒子、樹脂粒子、熱応答性材料を含む粒子、磁性粒子、非磁性粒子などが含まれる。粉体Ｐは、例えば、メタリック感のある加飾効果を得たい場合、金属粉または金属酸化物粉を含む粉体粒子であることが好ましい。また、粉体粒子は、異なる２種以上の材料からなるものであってもよい。粉体粒子の形状は、球形粒子であってもよいし、非球形粒子であってもよい。粉体は、合成品であってもよいし市販品であってもよい。粉体は、異なる２種以上の粉体粒子の混合品であってもよい。なお、粉体はトナーではない。

また、上述の粉体粒子は、被覆されていてもよい。たとえば、金属粒子は、当該金属とは異なる金属、金属酸化物または樹脂で被覆されたものでもよいし、樹脂またはガラス等の表面を金属、金属酸化物で被覆したものでもよい。また、金属粒子は金属酸化物粒子であってもよく、当該金属酸化物とは異なる金属酸化物、金属または樹脂で被覆されたものでもよい。また、金属粒子は、金属または金属酸化物を板状に延展させて粉砕したものやそれを種々の材料で被覆したもの、フィルムやガラスに金属または金属酸化物を蒸着または湿式コーティングしたものでもよい。メタリック画像を得るためには、金属粒子は金属または金属酸化物を含有することが好ましく、金属または金属酸化物の含有量は０．２～１００質量％であることが好ましい。

粉体粒子の形状は、粉体保持面に沿って粉体を配向させてから、画像の表面に転写させるという観点から、真球ではない形状を有する粉体（非球形粉体）、例えば、扁平な粒子形状であることが好ましい。「扁平な粒子形状」とは、粉体の粒子における最大長さを長径、当該長径に直交する方向における最大長さを短径、上記長径に直交する方向の最少長さを厚み、とするときに、厚みに対する短径の比率が５以上である形状のことをいう。

粉体の厚みは、配向した粉体の付着による外観効果を十分に発現させる観点から、０．２～１０μｍであることが好ましく、０．２～３．０μｍであることがより好ましい。粉体の厚みが小さすぎると、樹脂層の表面に付着した粉体の長径方向および短径方向を含む粉体の平面方向が上記樹脂層の表面方向に実質的に沿う粉体の良好な配向状態が十分に形成されないことがある。上記厚みが大きすぎると、画像をこすった時に粉体が取れてしまうことがある。

また、上記粉体の市販品の例には、メタシャイン（日本板硝子株式会社製、「メタシャイン」は同社の登録商標）、サンシャインベビー クロムパウダー、オーロラパウダー、パールパウダー（いずれも株式会社ＧＧコーポレーション製）、ＩＣＥＧＥＬ ミラーメタルパウダー（株式会社ＴＡＴ製）、ピカエース ＭＣシャインダスト、エフェクトＣ（株式会社クラチ製、「ピカエース」は同社の登録商標）、ＰＲＥＧＥＬ マジックパウダー、ミラーシリーズ（有限会社プリアンファ製、「ＰＲＥＧＥＬ」は同社の登録商標）、ＢＯＮＮＡＩＬシャインパウダー（株式会社ケイズプランイング製、「ＢＯＮＮＡＩＬ」は同社の登録商標）、エルジーｎｅｏ（尾池工業株式会社製、「エルジーｎｅｏ」は同社の登録商標）、アストロフレーク（日本防湿工業株式会社製）、アルミニウム顔料（東洋アルミニウム株式会社製）が含まれる。

熱応答性材料は、熱による刺激をきっかけに膨張、収縮、変形などの形状の変化、顕色、消色、変色などの色の変化を起こす材料である。熱応答性材料を含む粒子の例には、熱膨張性マイクロカプセル、感温カプセルなどが含まれる。熱膨張性マイクロカプセルの例には、マツモトマイクロスフェアー（松本油脂製薬株式会社製）、クレハマイクロスフェアー（株式会社クレハ製）などが、感温カプセルの例には、感温染料カプセル（株式会社日本カプセルプロダクツ製）などが含まれる。

本実施の形態においては、粉体Ｐとして、金属粒子の集合体を用いる。

なお、本実施の形態において、記録媒体Ｍは、その表面（主面）に画像を形成することができれば特に制限されない。記録媒体の例には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙およびコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、プラスチックフィルム、樹脂製フィルム、布などが含まれる。また、上記記録媒体の形状および色は特に限定されず、形成すべき加飾画像に応じて適宜選択することができる。

搬送部１１０は、画像Ｒが表面に担持された記録媒体Ｍを粉体付与部１４０に搬送するための装置である。搬送部１１０の例には、ベルトコンベアが含まれる。

図２に示されるように、軟化部１２０は、記録媒体Ｍが担持できる画像Ｒの最大幅（Ｗ）（以下、単に、「画像Ｒの最大幅（Ｗ）」ともいう）よりも狭い範囲において、画像Ｒを軟化させる。本実施の形態では、軟化部１２０は、画像Ｒが粉体付与部１４０側になるように配置された記録媒体Ｍをヒートローラなどの接触式の方法により画像Ｒを構成する樹脂を加熱して軟化（溶融）させることで画像Ｒを軟化させる。なお、軟化部１２０は、オーブンで加熱して、画像Ｒを構成する樹脂を軟化（溶融）させ、これにより画像Ｒを軟化させてもよいし、ハロゲンランプ、温風送風機などの非接触式の方法により画像Ｒを加熱してもよい。また、画像Ｒがより高い温度であるときは、軟化部１２０は、加飾に適した温度にまで画像Ｒを冷却してもよいし、薬剤などの付与により画像Ｒを軟化させてもよい。

また、図２に示されるように、軟化部１２０は、幅方向における、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’）を有する。軟化部１２０の幅（Ｗ’）は、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’）であれば、特に限定されず、画像Ｒの表面において、粉末Ｐを付着させたい領域（Ｄ）に合わせて任意に変更することができる。軟化部１２０により軟化させる画像Ｒの幅（粉末Ｐを付着させる領域（Ｄ））は、画像Ｒの最大幅（Ｗ）に対して１０％以上９０％以下であることが好ましく、２０％以上６０％以下であることがより好ましい。粉末Ｐを付着させる領域（Ｄ）を、画像Ｒの最大幅（Ｗ）の１０％以上とすることにより、粉体Ｐを付着させた加飾領域を目立たせることができ、９０％以下とすることにより、画像Ｒ全体が加飾されているように見えるのを抑制できる。

なお、図１では、搬送部１１０を介して、画像Ｒを上下方向から加熱できるように、２つの軟化部１２０を配置しているが、これに限定されない。たとえば、軟化部１２０を搬送部１１０の裏面側にのみに配置してもよい。

粉体供給部１３０は、粉体付与部１４０の粉体保持面１４１に粉体Ｐを供給する。粉体供給部１３０は、粉体Ｐを貯蔵する貯蔵容器１３１と、貯蔵容器１３１内に収容された搬送部材１３２とを有する。なお、粉体供給部１３０は、粉体Ｐが落下または飛散することを抑制するための飛散防止部材、またはエアー吸引によって粉体Ｐを吸引する回収部材（いずれも不図示）を配置してもよい。

貯蔵容器１３１は、円筒状の粉体付与部１４０の粉体保持面１４１の軸方向に沿って配置された開口部を有する。

搬送部材１３２は、回転する円柱形状のブラシやスポンジであり、貯蔵容器１３１の内部で粉体付与部１４０とは逆方向に回転することにより、貯蔵容器１３１内に貯蔵された粉体Ｐを貯蔵容器１３１の開口部にまで搬送し、粉体付与部１４０の粉体保持面１４１に供給する。

粉体付与部１４０は、駆動モータによって円筒状の軸を中心として、記録媒体Ｍの搬送方向Ａに沿った方向に回転する円筒状の部材であり、円筒状の側周表面を、粘着性を有する粉体保持面１４１としている。粉体付与部１４０は、上記粘着性を有する粉体保持面１４１に粉体Ｐを粘着によって保持し、ニップ部ＮＰに粉体Ｐを搬送する。本実施の形態では、粉体付与部１４０は、外径が１００ｍｍのローラの表面に、厚さが２ｍｍ、ショアＡ硬度５３のシリコーンゴム「ＲＢＡＭ２－１００」（株式会社ミスミ製）を設置した、円筒状の部材である。

粉体保持面１４１は、粘着力（凝着力ともいう）が２８ｋＰａ以上であることが好ましい。また、粉体保持面１４１の粘着力は、付着した粉体Ｐが軟化した画像Ｒに接触したときに、粉体保持面１４１から画像Ｒへと粉体Ｐが転写される程度であることが好ましい。この観点から、粉体保持面１４１の粘着力は、４７０ｋＰａ以下であることが好ましく、３５０ｋＰａ以下であることがより好ましい。このような粉体保持面１４１を構成する材料の例には、フッ素ゴム、シリコーンゴム、およびウレタンゴムなどが含まれる。なお、粉体保持面１４１を構成する材料はゴム材料に限定されることはなく、粉体を保持することが可能な粘着力を有していれば、他の樹脂材料や金属材料であってもよい。

上記粘着力は、タッキング試験機「ＦＳＲ－１０００」（株式会社レスカ製）を用いて測定することができる。粘着力は、試料表面にプローブの先端を押しつけて引き剥がす際に必要な力を粘着力として測定することができる。たとえば、上記粘着力の測定は、以下の条件で測定することができる。なお、粘着力は、プローブの先端の面積を元に、圧力に換算することができる。

（測定条件）
（１）プローブ径：直径１０ｍｍ
（２）押しつけ速度：５ｍｍ／秒
（３）押しつけ圧力：５０ｋＰａ
（４）押し付け保持時間：１秒
（５）プローブ引き上げ速度：５ｍｍ／秒
（６）測定温度：２０℃

粉体付与部１４０は、記録媒体Ｍの搬送部１１０上における軟化部１２０の下流側、かつ記録媒体Ｍに対して画像Ｒが形成された主面側に配置されている。なお、軟化部１２０が加熱によって画像Ｒを軟化させるときは、画像Ｒからの熱が粉体付与部１４０にも伝わるため、粉体保持面１４１を構成する材料は、耐熱性を有することが好ましく、このような観点からは、上述したゴム材料のうち、シリコーンゴムが好ましい。

なお、粉体Ｐを画像Ｒに付着させる粉体付与部１４０は移動せず、所定の位置に配置されている。粉体付与部１４０は、搬送部１１０により粉体付与部１４０に搬送されてくる記録媒体Ｍの表面に担持された画像Ｒの表面に粉体Ｐを付与する。

摺擦部１５０は、粉体付与部１４０の回転方向に対して粉体供給部１３０の下流側に配置されており、粉体付与部１４０の粉体保持面１４１に接触しつつ、円筒状の軸を中心にして回転することにより、粉体保持面１４１を摺擦する。摺擦部１５０の形状は、円筒状、楕円筒状、多角柱状などであればよいが、円筒状であることが好ましい。

摺擦部１５０は、粉体付与部１４０の粉体保持面１４１に当接しつつ、粉体付与部１４０と同じ方向に回転することにより、粉体保持面１４１を摺擦する。なお、摺擦部１５０の、粉体保持面１４１を摺擦する側周表面は、粉体Ｐを収容するための空隙を有する材料で構成されていることが好ましい。上記材料の例には、ブラシ、スポンジおよび不織布などの多孔質材料が含まれる。上記空隙を有する摺擦部１５０は、回転する粉体付与部１４０の粉体保持面１４１を摺擦したときに、粉体保持面１４１に付着していない余分な粉体Ｐを上記空隙に捕捉して除去することができる。上記観点から、摺擦部１５０は、除去した粉体を回収する粉体回収部（不図示）を有していてもよい。粉体回収部は、エアー吸引方式のものでもよいし、ローラやブレード形態の部材を摺擦部１５０の側周表面に当接させ、摺擦部１５０の側周表面を構成する材料の復元力によって上記空隙から粉体Ｐをはじき出す構成のものであってもよい。

このとき、摺擦部１５０は、円筒状の軸を中心にして回転する構成であり、空隙に捕捉されて収容された粉体Ｐを回転方向に運搬し続けることができるため、粉体保持面１４１と摺擦部１５０とのニップ部ＮＰに粉体Ｐを堆積させることなく、粉体保持面１４１から余分な粉体Ｐを除去することができる。また、これにより、摺擦部１５０による粉体保持面１４１の摺擦性を安定化させることができる。

摺擦部１５０の摺擦により、粉体保持面１４１には、１層分の粉体Ｐが直接粘着された状態で残される。このとき、粉体Ｐが非球形状であれば、摺擦部１５０の摺擦により、粉体保持面１４１に対する粉体Ｐの方向性を揃える（配向させる）こともできる。これにより、粉体保持面１４１から画像Ｒに配向した状態で粉体Ｐを転写させることができる。特に、粉体Ｐが金属粒子や金属酸化物粒子であるときは画像Ｒに転写した粉体Ｐを配向させることにより、加飾画像の光沢感を高めることができる。また、粉体Ｐが配向していると、画像Ｒと粉体Ｐとの接触面積をより大きくして、画像Ｒからの粉体Ｐの剥離が生じにくい。

このとき、摺擦部１５０の回転方向が粉体付与部１４０の回転方向と同じ方向であるため、粉体付与部１４０に対する摺擦部１５０の相対速度（摺擦速度）をより高速化して、摺擦効果をより高めることができる。ただし、回転する粉体付与部１４０との相対速度差により粉体保持面１４１を摺擦できる限りにおいて、摺擦部１５０は回転していなくてもよいし、粉体付与部１４０と逆方向に異なる速度で回転していてもよい。

粉体付与部１４０の粉体保持面１４１に対する摺擦部１５０の押圧力は、１ｋＰａ以上１０ｋＰａ以下であることが好ましく、１ｋＰａ以上５ｋＰａ以下であることがより好ましい。摺擦部１５０の押圧力が１ｋＰａ以上であることにより、粉体付与部１４０の粉体保持面１４１を安定して摺擦することができ、１０ｋＰａ以下であることにより、摺擦部１５０を回転させるためのトルクが過剰になることによる、摺擦部１５０の駆動ムラの発生や、摺擦部１５０および粉体付与部１４０の材料劣化を抑制することができる。

対向部材１６０は、ニップ部ＮＰにおいて記録媒体Ｍと粉体付与部１４０とを互いの方向に押圧することにより、粉体付与部１４０の粉体保持面１４１に保持された粉体Ｐを、記録媒体Ｍの主面上に形成された画像Ｒに転写させる。このとき、画像Ｒは、軟化部１２０によって軟化されて接着性を発現しているため、ニップ部ＮＰを通過するときの押圧によって、粉体Ｐを転写される。

粉体回収部１７０は、ニップ部ＮＰにおいて粉体付与部１４０から記録媒体Ｍまたは搬送部１１０に付与された粉体Ｐであって、画像Ｒに接着保持されなかった余剰の粉体Ｐを回収する。粉体回収部１７０は、搬送部１１０による記録媒体Ｍの搬送方向におけるニップ部ＮＰの下流側、かつ記録媒体Ｍに画像Ｒが形成された表面（主面）側に配置される。

粉体回収部１７０は、たとえば、エアー吸引によって粉体Ｐを吸引する構成であればよいが、これに限定されることはない。

（画像Ｒの表面に対する粉体Ｐの転写性について）
図３は、記録媒体Ｍの表面に担持された画像Ｒ（ここではトナー画像）の温度の変化と、粉体付与部１４０から付与される粉体Ｐの画像Ｒへの転写性との関係を示すグラフである。

粉体付与部１４０には、外径が１００ｍｍのローラの表面に、厚さが２ｍｍ、ショアＡ硬度５３、粘着力８２ｋＰａのシリコーンゴム「ＲＢＡＭ２－１００」（株式会社ミスミ製）を用いた。粉体付与部１４０の表面に粉体Ｐ（エルジーｎｅｏ＃３２５）を付与した後、摺擦部１５０（外径２０ｍｍ、厚み３ｍｍのルビーセルＵ４Ａ１、トーヨーポリマー株式会社、「ルビーセル」は同社の登録商標）で、粉体Ｐの表面を摺擦した。粉体付与部１４０の表面に付与された粉体Ｐの付着状態をデジタルマイクロスコープ「ＶＦＸ－６０００」（株式会社キーエンス製）を用いて倍率２００倍で表面を観察し、撮像された画像を上記デジタルマイクロスコープに付属されている画像処理ソフトにより２値化し、画像Ｒ中の粉末Ｐの面積率を算出した。

記録媒体Ｍとして、ＯＫトップコート（米坪１５７ｇ／ｍ^２、王子製紙株式会社製）を用い、Ａｃｃｕｒｉｏ Ｐｒｅｓｓ Ｃ２０６０（コニカミノルタ株式会社製）で、記録媒体Ｍの表面に画像Ｒ（黒ベタ画像）を形成した。粉体付与部１４０および記録媒体Ｍの表面に形成された画像Ｒ（黒ベタ画像）を加熱し、その後、２００ｋＰａの圧力で０．５秒間圧接した後、記録媒体Ｍと粉体付与部１４０とを分離した。分離後の画像Ｒ（黒ベタ画像）の表面に付着した粉体Ｐの状態を上述のデジタルマイクロスコープで観察し、画像中の粉末Ｐの面積率を算出した。そして、画像表面の粉末Ｐの面積率を粉体付与部１４０の表面の粉体Ｐの面積率で割ったものを粉末Ｐの転写率とした。

図３に示されるように、画像Ｒの温度が２０～８０℃までは、粉体Ｐは画像Ｒの表面に付着しないが、１００℃以上になると、画像Ｒの接着性が発現し、画像Ｒの表面に粉体Ｐが付着し始める。これにより、画像Ｒにおいて、粉体Ｐを付着させたい領域を一定の温度以上（例えば１００℃）に加熱し、粉体Ｐを付着させたくない領域を一定の温度以下（例えば２０℃）に保つことで、画像Ｒの加飾される範囲を調整できることがわかる。

また、図４Ａおよび図４Ｂに示されるように、実施の形態１に係る画像形成装置１００は、軟化部１２０の、幅方向における、画像Ｒを軟化させる位置（粉末Ｐを付着させる領域（Ｄ））を変更できる。たとえば、軟化部１２０が、図５で示されるようなローラユニット２００から構成されている場合には、ローラユニット２００内のヒートローラおよび加圧ローラ（いずれも後述）の位置を移動させることにより、軟化部１２０の位置を変更または移動することができる。

ローラユニット２００は、ヒートローラ２１０および加圧ローラ２２０を有する。ヒートローラ２１０および加圧ローラ２２０はベアリング（不図示）を介して保持フレーム２３０、２３１にそれぞれ取り付けられている。また、ヒートローラ２１０および加圧ローラ２２０は、中空の芯金で構成されており、上記中空部分にハロゲンランプなどの加熱部材（不図示）が配置されている。保持フレーム２３０は上支持板２４０に、保持フレーム２３１は下支持板２５０に固定される。また、上支持板２４０の両方の上端部には上側板２４１が配置され、下支持板２５０の両方の下端部には下側板２５１が配置され、上側板２４１と、下側板２５１とが、回転ピン２６０で回転可能に結合される。上側板２４１の下端部には、加圧バネ２７０が配置されており、加圧バネ２７０の力でヒートローラ２１０を加圧ローラ２２０側に圧接する。ヒートローラ２１０の一方の端部にはギヤ２８０が取り付けられ、駆動モータ２９０に固定されたギヤ２８１と、ヒートローラ２１０とを連結して、ヒートローラ２１０を回転させる。加圧ローラ２２０は、ヒートローラ２１０に従動してもよい。なお、上支持板２４０には、駆動モータ２９０に固定されたギヤ２８０を通すための穴（不図示）が設けられ、ギヤ２８０とヒートローラ２１０に取り付けられているギヤ２８１と、を連結可能とする。

軟化部１２０として、ローラユニット２００を用いる場合には、上支持板２４０および下支持板２５０に対する保持フレーム２３０、２３１の取り付け位置、および駆動モータ２９０の取り付け位置を変更することで、画像Ｒの軟化させる領域（粉末Ｐを付着させる領域（Ｄ））を変更できる。また、駆動モータ２９０を保持フレーム２３０に取り付けている場合には、保持フレームの取り付け位置を変更することにより、画像Ｒの軟化させる領域を変更できる。

また、図６Ａ～６Ｃに示されるように、実施の形態１に係る画像形成装置１００は、幅方向における、配置位置が異なる複数の軟化部１２１～１２４を有していてもよい。軟化部１２１～１２４は、それぞれ画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’）であれば、特に限定されない。また、図６Ａ～６Ｃでは、軟化部１２１～１２４が４個配置されているが、特に限定されない。また、軟化部１２１～１２４は、それぞれ加熱部材１２５を有する。加熱部材１２５としては、例えば、ハロゲンランプおよび反射板を用いることができる。なお、ハロゲンランプは複数個配置してもよい。

（効果）
以上のように構成された本実施の形態１によれば、幅方向における、記録媒体Ｍが担持できる画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’）を有する軟化部１２０を用いることにより、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲を加飾することができる。また、軟化部１２０の、幅方向における配置位置の変更、または配置位置が異なる複数の軟化部１２０を有することにより、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲を軟化させて、加飾することができる。

［実施の形態２］
（画像形成装置の構成）
図７は、第２の実施形態に係る画像形成装置３００の平面図である。

実施の形態２に係る画像形成装置３００は、軟化部３１０の、搬送方向Ａにおける幅方向の大きさ、および粉体付与部３２０の、搬送方向Ａにおける幅方向の大きさが実施の形態１と異なる。そこで、第１の実施の形態に係る画像形成装置１００と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

図７に示されるように、画像形成装置３００は、画像Ｒが担持された記録媒体Ｍを、搬送方向Ａに向かって搬送する搬送部１１０と、画像Ｒを軟化させる軟化部３１０と、粉体Ｐを供給する粉体供給部１３０と、粉体供給部１３０から供給された粉体Ｐを粉体保持面３２１に付着させて搬送し、画像Ｒに粉体Ｐを付与する粉体付与部３２０と、粉体供給部１３０から粉体付与部３２０に供給された粉体Ｐを粉体付与部３２０表面で配向させる摺擦部１５０（不図示）と、粉体付与部３２０の記録媒体Ｍを挟んで粉体保持面３２１と対向する位置に設けられ、粉体付与部３２０との間で、記録媒体Ｍおよび粉体Ｐを加圧する対向部材１６０（不図示）と、記録媒体Ｍ上の画像Ｒ以外の領域や搬送部１１０に付着した粉体Ｐを回収する粉体回収部１７０と、を有する。

図７に示されるように、軟化部３１０は、幅方向における、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも大きい幅（Ｗ’）を有する。

粉体付与部３２０は、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’’）を有する。粉体付与部３２０の粉体保持面３２１には、搬送部１１０による記録媒体Ｍの搬送方向Ａに直交する幅方向における、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲に粉体Ｐが付着する。なお、実施の形態２において、粉体供給部１３０は、粉体付与部３２０よりも大きい幅を有するため、粉体Ｐの飛散防止部材、またはエアー吸引によって粉体Ｐを吸引する回収部材（いずれも不図示）を配置することにより、搬送部材１３２（不図示）から粉体Ｐが落下または飛散することを抑制することができる。

また、実施の形態２に係る画像形成装置３００は、図８Ａおよび図８Ｂのように、粉体付与部３２０の配置位置を、幅方向における、画像Ｒを軟化させたい位置（粉末Ｐを付着させたい領域（Ｄ））に合わせて変更してもよい。

たとえば、粉体付与部３２０の配置位置の変更は、図９に示されるような構成を取り入れることで行うことができる。なお、図９は、図８ＡのＢ方向からみた正面図であり、軟化部３１０の記載は省略している。粉体付与部３２０は、ベアリング（不図示）を介して、保持フレーム３３０に取り付けられている。保持フレーム３３０は、支持板３４０に取り付けられており、支持板３４０は、側板３５０、３５１間に配置されている。粉体供給部１３０は、ベアリング（不図示）を介して側板３５０と３５１との間に取り付けられる。粉体付与部３２０の一方の端部には、ギヤ３６０が取り付けられ、駆動モータ３７０に固定されたギヤ３６１と連結して、粉体付与部３２０を図中の矢印方向に移動可能とする。なお、支持板３４０には、駆動モータ３７０に固定されたギヤ３６１を通すための穴（不図示）が設けられ、粉体付与部３２０に取り付けられているギヤ３６０と、を連結可能とする。このようにして、画像Ｒの粉体Ｐを付着させたい領域（Ｄ）（図７～８Ｂ図参照）に粉体付与部３２０を移動させることにより、粉体供給部１３０から粉体Ｐが供給された粉体Ｐを画像Ｒに付与できる。なお、粉体付与部３２０の取り付け位置を変更する場合には、駆動モータ３７０の取り付け位置も変更する必要があるが、駆動モータ３７０を保持フレーム３３０に取り付けている場合には、保持フレーム３３０の位置を変えるだけで粉体付与部３２０の位置を変更することができる。

また、実施の形態２に係る画像形成装置３００は、図１０Ａ～１０Ｃに示されるように、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲に粉体Ｐを付着させるために、粉体供給部１３０’の幅を、粉体付与部３２０の幅（Ｗ’’）と同じ幅（Ｗ’’’）にしてもよい。また、粉体付与部３２０および粉体供給部１３０’の配置位置を、幅方向における、画像Ｒを軟化させたい位置（粉末Ｐを付着させたい領域（Ｄ））に合わせて変更してもよい。

（効果）
以上のように構成された本実施の形態２によれば、幅方向における、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’’）を有する粉体付与部３２０を用いることにより、画像Ｒの全体が軟化している場合であっても、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲を加飾することができる。また、粉体付与部３２０が、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’’）を有しているので画像Ｒの表面に余剰な粉体Ｐが付着することを抑制できる。

［実施の形態３］
（画像形成装置の構成）
図１１は、実施の形態３に係る画像形成装置４００の平面図である。

実施の形態３に係る画像形成装置４００は、軟化部４１０の、搬送方向Ａにおける幅方向の大きさ、および粉体供給部４２０の搬送方向Ａにおける幅方向の大きさが実施の形態１と異なる。そこで、実施の形態１に係る画像形成装置１００と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

図１１に示されるように、画像形成装置４００は、画像Ｒが担持された記録媒体Ｍを、搬送方向Ａに向かって搬送する搬送部１１０と、画像Ｒを軟化させる軟化部４１０と、粉体Ｐを供給する粉体供給部４２０と、粉体供給部４２０から供給された粉体Ｐを粉体保持面１４１に付着させて搬送し、画像Ｒに粉体Ｐを付与する粉体付与部１４０と、粉体供給部４２０から粉体付与部１４０に供給された粉体Ｐを粉体付与部１４０の表面で配向させる摺擦部１５０（不図示）と、粉体付与部１４０の記録媒体Ｍを挟んで粉体保持面１４１対向する位置に設けられ、粉体供給部４２０との間で、記録媒体Ｍおよび粉体Ｐを加圧する対向部材１６０（不図示）と、記録媒体Ｍ上の画像Ｒ以外の領域や搬送部１１０に付着した粉体Ｐを回収する粉体回収部１７０と、を有する。

粉体供給部４２０は、粉体保持面１４１のうち、幅方向における画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲に、粉体Ｐを供給する。粉体Ｐが供給された粉体付与部１４０は、供給された範囲で粉体Ｐを画像Ｒの表面に付着させる。

また、実施の形態３に係る画像形成装置４００は、図１２Ａおよび図１２Ｂに示されるように、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲に粉体Ｐを付着させるために、粉体供給部４２０の配置位置を、幅方向における、画像Ｒを軟化させたい位置（粉末Ｐを付着させたい領域（Ｄ））に合わせて変更してもよい。

たとえば、粉体供給部４２０の配置位置の変更は、図１３に示されるような構成を取り入れることで行うことができる。なお、図１３は、図１２ＡのＣ方向からみた正面図であり、粉体回収部１７０の記載は省略している。粉体供給部４２０は、ベアリング（不図示）を介して、保持フレーム４３０に取り付けられている。保持フレーム４３０は、支持板４４０に取り付けられており、支持板４４０は、側板４５０、４５１間に配置されている。粉体付与部１４０は、ベアリング（不図示）を介して側板４５０と４５１との間に取り付けられる。粉体供給部４２０の一方の端部には、ギヤ４６０が取り付けられ、駆動モータ４７０に固定されたギヤ４６１と連結して、粉体供給部４２０を図中の矢印方向に移動可能とする。このようにして、画像Ｒの粉体Ｐを付着させたい領域（Ｄ）（図１１～１２Ｂ図参照）に、粉体Ｐが付与された粉体供給部４２０を移動させることにより、粉体Ｐを画像Ｒに付与することができる。なお、粉体供給部４２０の取り付け位置を変更する場合には、駆動モータ４７０の取り付け位置も変更する必要があるが、駆動モータ４７０を保持フレーム４３０に取り付けている場合には、保持フレーム４３０の位置を変えるだけで粉体供給部４２０の位置を変更することができる。

（効果）
以上のように構成された本実施の形態３によれば、幅方向における、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’’’）を有する粉体供給部４２０を用いることにより、画像Ｒの全体が軟化している場合であっても、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲を加飾することができる。また、粉体供給部４２０が、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅（Ｗ’’’）を有しているので画像Ｒの表面に余剰な粉体Ｐが付着することを抑制できる。

［実施の形態４］
（画像形成装置の構成）
図１４は、実施の形態４に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。

実施の形態４に係る画像形成装置５００は、記録媒体Ｍを挟んだ粉体付与部１４０の反対側に配置され、粉体付与部１４０とともに記録媒体Ｍを加圧する対向部材５１０が軟化部１２０を兼ねていることが実施の形態１と異なる。そこで、実施の形態１に係る画像形成装置１００と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

図１４に示されるように、画像形成装置５００は、画像Ｒが担持された記録媒体Ｍを搬送する搬送部１１０と、画像Ｒを軟化させる軟化部１２０と、粉体Ｐを供給する粉体供給部１３０と、粉体供給部１３０から供給された粉体Ｐを粉体保持面１４１に付着させて搬送し、画像Ｒに粉体Ｐを付与する粉体付与部１４０と、粉体供給部１３０から粉体付与部１４０に供給された粉体Ｐを粉体付与部１４０の表面で配向させる摺擦部１５０と、粉体付与部１４０の記録媒体Ｍを挟んで粉体保持面１４１と対向する位置に設けられ、粉体付与部１４０との間で、記録媒体Ｍおよび粉体Ｐを加圧する対向部材５１０と、記録媒体Ｍ上の画像Ｒ以外の領域や搬送部１１０に付着した粉体Ｐを回収する粉体回収部１７０と、を有する。

粉体付与部１４０は、回転しつつ粉体Ｐを画像Ｒに付与するローラであり、対向部材５１０は、記録媒体Ｍを挟んだローラ（粉体付与部１４０）の反対側に配置され、粉体付与部１４０とともに記録媒体Ｍを加圧する。また、対向部材５１０は、搬送部１１０からニップ部ＮＰまで搬送されてきた記録媒体Ｍの表面に担持された画像Ｒを、搬送部１１０を介して記録媒体Ｍの裏面側から加熱して軟化させる。

対向部材５１０は、記録媒体Ｍの搬送方向Ａに直交する幅方向における、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭い範囲に、粉体Ｐを付着させるために、記録媒体Ｍが担持できる画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい。また、対向部材５１０は、粉体付与部１４０とともに記録媒体Ｍを加圧し、画像Ｒを軟化させることができれば、その材料は特に制限されない。対向部材５１０は、例えば、中空の芯金で構成されている金属製のローラであってもよいし、芯金の外周面に弾性層を有するローラであってもよい。

なお、実施の形態４に係る画像形成装置５００では、対向部材５１０の幅を画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さくする代わりに、画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも小さい幅を有する粉体供給部１３０または粉体付与部１４０を配置してもよい。また、幅方向における、画像Ｒを軟化させたい位置（粉末Ｐを付着させたい領域（Ｄ））に合わせて、対向部材５１０、粉体供給部１３０、粉体付与部１４０の配置位置を変更してもよい。

（効果）
以上のように構成された本実施の形態４によれば、対向部材５１０が軟化部を兼ねることにより、画像Ｒの軟化と画像Ｒの表面への粉体Ｐの付与を同時に行えるため、軟化部の設定温度を低くしても十分に粉体Ｐを付着させることができる。また、対向部材５１０、粉体供給部１３０、および粉体付与部１４０の配置位置または幅を変更することにより、画像Ｒの所望する範囲に粉体Ｐを付着させることができ、また、画像Ｒの表面に余剰な粉体Ｐが付着することを抑制できる。

［実施の形態５］
（画像形成装置の構成）
図１５Ａおよび図１５Ｂは、実施の形態５に係る画像形成装置６００の平面図である。

実施の形態５に係る画像形成装置６００は、軟化部６１０の、搬送方向Ａにおける幅方向の大きさ、幅方向における搬送部６２０の大きさが、実施の形態１と異なる。そこで、実施の形態１に係る画像形成装置１００と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

図１５Ａおよび図１５Ｂに示されるように、画像形成装置６００は、画像Ｒが担持された記録媒体Ｍを、搬送方向Ａに向かって搬送する搬送部６２０と、画像Ｒを軟化させる軟化部６１０と、粉体Ｐを供給する粉体供給部１３０と、粉体供給部１３０から供給された粉体Ｐを粉体保持面１４１に付着させて搬送し、画像Ｒに粉体Ｐを付与する粉体付与部１４０と、粉体供給部１３０から粉体付与部１４０に供給された粉体Ｐを粉体付与部１４０の表面で配向させる摺擦部１５０（不図示）と、粉体付与部１４０の記録媒体Ｍを挟んで粉体保持面１４１対向する位置に設けられ、粉体付与部１４０との間で、記録媒体Ｍおよび粉体Ｐを加圧する対向部材１６０（不図示）と、記録媒体Ｍ上の画像Ｒ以外の領域や搬送部１１０に付着した粉体Ｐを回収する粉体回収部１７０と、を有する。

図１５Ａおよび図１５Ｂに示されるように、画像形成装置６００では、搬送部６２０は、粉体Ｐが付着する範囲が、幅方向における、記録媒体Ｍが担持できる画像Ｒの最大幅（Ｗ）よりも狭くなる位置に画像を搬送する。また、搬送部６２０は、幅方向における、画像Ｒを軟化させたい位置（粉末Ｐを付着させたい領域（Ｄ））に合わせて、画像Ｒを搬送する位置を変更してもよい。

（効果）
搬送部６２０が、記録媒体Ｍを搬送する位置を調整することにより、粉体Ｐが付着する範囲を変更することができる。また、画像Ｒが担持された記録媒体Ｍが搬送される位置を変更することにより、記録媒体Ｍの大きさにかかわらず、画像Ｒに粉体Ｐを付着させる領域を調整できる。

［その他の実施の形態］
なお、上記各実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、上記実施形態によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

［変形例１］
（画像形成装置の構成）
図１６は、変形例１に係る画像形成装置７００の全体構成を概略的に示す模式図である。

変形例１に係る画像形成装置７００は、粉体供給部、対向部材を有さない点が実施の形態１と異なる。そこで、実施の形態１に係る画像形成装置１００と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

図１６に示されるように、画像形成装置７００は、画像Ｒが担持された記録媒体Ｍを、搬送方向Ａに向かって搬送するための搬送部１１０と、画像Ｒを軟化させるための軟化部１２０と、粉体Ｐを供給する粉体付与部７１０と、記録媒体Ｍ上の画像Ｒ以外の領域や搬送部１１０に付着した粉体Ｐを回収する粉体回収部１７０とを有する。

粉体付与部７１０は、記録媒体Ｍの表面に粉体Ｐを散布する。粉体付与部７１０は、粉末Ｐを収容する貯蔵容器７１１と、貯蔵容器７１１の開口部まで粉末Ｐを搬送する搬送部材７１２と、搬送部材７１２に保持される粉末Ｐを弾き飛ばすためのフリッカー７１３とを有する。

フリッカー７１３は、板状の部材であり、搬送部材７１２と接触する位置に配置されている。このような構成によれば、反時計回りに回転する搬送部材７１２に保持されている粉末Ｐがフリッカー７１３により弾き飛ばされ、記録媒体Ｍの表面に担持された画像Ｒの上に散布される。このとき、画像Ｒは、粉体付与部７１０の上流に配置される軟化部１２０により軟化されており、軟化された画像Ｒのみに粉体Ｐが付着し、付着していない粉体Ｐは、粉体付与部７１０の下流に配置される粉体回収部１７０により回収される。

また、画像Ｒの一部分に粉体Ｐを供給するために、実施の形態１～５に示されるように、軟化部１２０、粉体付与部の幅方向における大きさ、および配置位置を変更してもよい。

［変形例２］
（画像形成装置の構成）
図１７は、変形例２に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。

画像形成装置１０は、上述した構成に加えて、画像Ｒを形成する画像形成部８００を有してもよい。図１７は、電子写真方式によりトナー画像としての画像Ｒを形成するトナー画像形成部６０を有する画像形成装置１０の全体構成を概略的に示す模式図である。

トナー画像形成部６０は、電子写真方式によりトナー画像を形成する公知のカラープリンタと同様の構成を有している。トナー画像形成部６０は、画像読取部、画像形成部、記録媒体搬送部、給記録媒体部、データ受付部、制御部および定着部２７を有する。

画像読取部は、光源１１、光学系１２、撮像素子１３、および画像処理部１４を有する。

画像読取部は、光源１１から照射された光は、読取面に載置された原稿に照射され、その反射光は光学系１２のレンズおよび反射鏡を介して、読取り位置に移動した撮像素子１３に結像する。撮像素子１３は、原稿からの反射光の強度に応じて電気信号を生成する。生成された電気信号は、画像処理部１４において、アナログ信号からデジタル信号に変換された後、補正処理、フィルター処理、画像圧縮処理等が施され、画像データとして画像処理部１４のメモリに記憶される。こうして、画像読取部は、原稿の画像を読み取り、画像データを記憶する。

画像形成部は、イエロー（Ｙ）トナーからなる画像を形成する画像形成部、マゼンタ（Ｍ）トナーからなる画像を形成する画像形成部、シアン（Ｃ）トナーからなる画像を形成する画像形成部、ブラック（Ｋ）トナーからなる画像を形成する画像形成部、および、中間転写ベルト２６を有する。なお、Ｙ、Ｍ、ＣおよびＫは、トナーの色を表している。

画像形成部は、回転体としての感光体ドラム２１、ならびにその周囲に配置された帯電部２２、光書込部２３、現像装置２４およびドラムクリーナー２５を有している。中間転写ベルト２６は、複数のローラにより巻回され、走行可能に支持されている。

感光体ドラム２１は、ドラムモーターにより所定の速度で回転する。帯電部２２は、感光体ドラム２１の表面を所望の電位に帯電させ、光書込部２３は、画像データに基づいて、画像情報信号を感光体ドラム２１に書き込み、感光体ドラム２１に画像情報信号に基づく潜像を形成する。そして潜像は現像装置２４により現像され、感光体ドラム２１上に可視画像であるトナー画像が形成される。このようにして、ＹＭＣＫの各画像形成部の感光体ドラム２１に、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの未定着のトナー画像が形成される。こうして、画像形成部は、電子写真方式の画像形成プロセスを用いてトナー画像を形成する。

ＹＭＣＫの各画像形成部により形成された各色のトナー画像は、走行する中間転写ベルト２６上に一次転写部により逐次転写される。こうして、中間転写ベルト２６上に、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色のトナー層が重畳したカラートナー画像が形成される。

記録媒体搬送部では、記録媒体Ｍは、送り出しローラ３１およびさばきローラ３２によって給記録媒体部の給記録媒体トレイ４１、４２、４３から一枚ずつ搬送経路に送り出される。搬送経路に送り出された記録媒体Ｍは、搬送ローラ３３によって搬送経路に沿ってループローラ３４およびレジストローラ３５を経て２次転写ローラに搬送される。そして、記録媒体Ｍ上に中間転写ベルト２６上のカラートナー画像が転写される。

カラートナー画像が転写された記録媒体Ｍに、定着部２７にて熱と圧力とが加えられることにより、記録媒体Ｍ上のカラートナー画像がカラートナー層として記録媒体Ｍに定着される。こうして、記録媒体Ｍ上に形成された樹脂層を含む樹脂製画像が作製される。記録媒体Ｍ上に形成された樹脂層を含む樹脂製画像は、排記録媒体ローラ３６を経て、第１の実施形態に関する画像形成装置１００（表面処理部）に送られる。

制御部は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ Ｕｎｉｔ）、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ Ａｃｃｅｓｓ Ｍｅｍｏｒｙ）、およびＲＯＭ（Ｒｅａｄ Ｏｎｌｙ Ｍｅｍｏｒｙ）を有する。ＣＰＵは、ＲＯＭに記憶されたプログラムにしたがって、画像読取部、画像形成部、記録媒体搬送部、給記録媒体部、および表面処理部を制御し、演算結果などをＲＡＭに記憶する。また、制御部は、外部から受信された印刷データを解析して、ビットマップ形式の画像データを生成し、画像データに基づく画像を記録媒体Ｍ上に形成する制御を行う。上記プログラムには、表面処理部における軟化剤供給量を調整するためのプログラム、および、摺擦条件を設定するためのプログラムが含まれている。

また、制御部は、不図示の通信部を介して、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＷＡＮ（Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）等の通信ネットワークに接続された外部の装置（例えばパーソナルコンピューター）との間で、各種データの送受信を行う。制御部は、例えば、外部の装置から送信された画像データ、または、データ受付部が受け付けた、形成すべき加飾画像に関する入力されたデータを受信し、この画像データ（入力画像データ）に基づいて記録媒体Ｍに画像を形成させる。通信部は、例えばＬＡＮカード等の通信制御カードで構成される。

トナー画像形成部６０によって形成された画像は、加飾画像形成部としての画像形成部８００に搬送され加飾される。

本発明は、加飾画像を形成するための粉体を適切に樹脂製画像の表面に付与できる。よって、本発明は、加飾画像を形成する画像形成装置として好適である。

１０ 画像形成装置
１１ 光源
１２ 光学系
１３ 撮像素子
１４ 画像処理部
２１ 感光体ドラム
２２ 帯電部
２３ 光書込部
２４ 現像装置
２５ ドラムクリーナー
２６ 中間転写ベルト
２７ 定着部
３１ 送り出しローラ
３２ さばきローラ
３３ 搬送ローラ
３４ ループローラ
３５ レジストローラ
３６ 排記録媒体ローラ
４１～４３ 給記録媒体トレイ
６０ トナー画像形成部
１００、３００、４００、５００、６００、７００ 画像形成装置
１１０、６２０ 搬送部
１２０～１２４、３１０、４１０、６１０ 軟化部
１２５ 加熱部材
１３０、１３０’、４２０ 粉体供給部
１３１、７１１ 貯蔵容器
１３２、７１２ 搬送部材
１４０、３２０、７１０ 粉体付与部
１４１、３２１ 粉体保持面
１５０ 摺擦部
１６０、５１０ 対向部材
１７０ 粉体回収部
２００ ローラユニット
２１０ ヒートローラ
２２０ 加圧ローラ
２３０、２３１、３３０、４３０ 保持フレーム
２４０ 上支持板
２４１ 上側板
２５０ 下支持板
２５１ 下側板
２６０ 回転ピン
２７０ 加圧バネ
２８０、２８１、３６０、３６１、４６０、４６１ ギヤ
２９０、３７０、４７０ 駆動モータ
３４０、４４０ 支持板
３５０、３５１、４５０、４５１ 側板
７１３ フリッカー
８００ 画像形成部
Ｍ 記録媒体
Ｐ 粉体
Ｒ 画像
ＮＰ ニップ部
Ｄ 領域

Claims (16)

1. 画像を担持する記録媒体を搬送する搬送部と、
   前記画像を軟化させる軟化部と、
   前記軟化された画像の表面に粉体を付与する粉体付与部と、
   を有し、
   前記搬送部による前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向における、前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭い範囲に、前記付与された粉体を付着させる、
   画像形成装置。
2. 前記軟化部は、前記幅方向における、前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭い範囲において、前記画像を軟化させる、請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記軟化部は、前記幅方向における、前記画像を軟化させる位置を変更可能である、請求項２に記載の画像形成装置。
4. 前記幅方向における配置位置が異なる複数の前記軟化部を有する、請求項２または請求項３に記載の画像形成装置。
5. 前記粉体付与部は、前記幅方向における、前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭い範囲に、前記粉体を付与する、請求項１～４のいずれか一項に記載の画像形成装置。
6. 前記粉体付与部は、前記幅方向における、前記粉体を付与する位置を変更可能である、請求項５に記載の画像形成装置。
7. 前記粉体付与部は、前記画像に付与する粉体を保持する粉体保持部材と、
   前記粉体保持部材に前記粉体を供給する粉体供給部と、
   を有し、
   前記粉体供給部は、前記粉体保持部材のうち、前記幅方向における前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭い範囲に、前記粉体を供給する、
   請求項５または６に記載の画像形成装置。
8. 前記搬送部は、前記粉体が付着する範囲が、前記幅方向における、前記記録媒体が担持できる前記画像の最大幅よりも狭くなる位置に、前記画像を搬送する、請求項１～７のいずれか一項に記載の画像形成装置。
9. 前記搬送部は、前記画像を搬送する位置を変更して、前記粉体が付着する範囲を変更する、請求項８に記載の画像形成装置。
10. 前記粉体付与部は、回転しつつ前記粉体を前記画像に付与するローラであり、
    前記記録媒体を挟んだ前記ローラの反対側に配置され、前記ローラとともに前記記録媒体を加圧する対向部材を有する、
    請求項１～９のいずれか一項に記載の画像形成装置。
11. 前記対向部材は、前記画像を加熱して軟化させる、請求項１０に記載の画像形成装置。
12. 前記粉体付与部は、前記粉体を前記画像の表面に散布する、請求項１～６のいずれか一項に記載の画像形成装置。
13. 前記画像に付着しなかった前記粉体を回収する粉体回収部を有する、請求項１～１２のいずれか一項に記載の画像形成装置。
14. 前記粉体を付着させるときに、前記粉体付与部は移動しない、請求項１～１３のいずれか一項に記載の画像形成装置。
15. 前記軟化部は、前記画像を加熱して軟化させる、請求項１～１４のいずれか一項に記載の画像形成装置。
16. 前記画像は、電子写真方式の画像形成プロセスで前記記録媒体の表面にトナーにより形成される、請求項１～１５のいずれか一項に記載の画像形成装置。

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