JP2022059357A - 回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法 - Google Patents

回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022059357A
JP2022059357A JP2020167047A JP2020167047A JP2022059357A JP 2022059357 A JP2022059357 A JP 2022059357A JP 2020167047 A JP2020167047 A JP 2020167047A JP 2020167047 A JP2020167047 A JP 2020167047A JP 2022059357 A JP2022059357 A JP 2022059357A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotating
fixed
ray tube
radial bearing
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020167047A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7374874B2 (ja
Inventor
雅敬 植木
Masataka Ueki
秀樹 井手
Hideki Ide
光央 岩瀬
Mitsuhisa Iwase
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Electron Tubes and Devices Co Ltd
Original Assignee
Canon Electron Tubes and Devices Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Electron Tubes and Devices Co Ltd filed Critical Canon Electron Tubes and Devices Co Ltd
Priority to JP2020167047A priority Critical patent/JP7374874B2/ja
Publication of JP2022059357A publication Critical patent/JP2022059357A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7374874B2 publication Critical patent/JP7374874B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Abstract

【課題】 安定した回転を得ることができる回転陽極X線管及び回転陽極X線管の製造方法を提供する。【解決手段】 回転陽極X線管は、真空外囲器と、真空外囲器内に収納された陰極及び回転陽極構体と、を備え、回転陽極構体は、真空外囲器に固定された固定軸と、固定軸の外周側に設けた回転軸と、回転軸と一体に回転すると共に陰極から照射された電子ビームを受けてX線を発生するターゲットと、すべり軸受と、を有し、固定軸は、内部に導入された冷却媒体を介して放熱しており、すべり軸受は、固定軸の外周面に設けた固定側ラジアル軸受面と回転軸の内周面に設けた回転側ラジアル軸受面と、固定側ラジアル軸受面と回転側ラジアル軸受面との間の軸受隙間に充填した液体金属とで構成してあり、すべり軸受において、ターゲットに対応する領域には、回転側ラジアル軸受面の直径を大きくした回転側直径膨大部を有し、回転側直径膨大部は管軸線方向に間隔をあけて設けている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、回転陽極X線管及び回転陽極X線管の製造方法に関する。
すべり軸受を有する回転陽極X線管が公知である。かかる回転陽極X線管では、固定軸と回転軸との間にわずかな隙間(軸受隙間)を保ちながら、液体金属を封止することで、すべり軸受を構成している。
特開2010-257649号公報
一方、すべり軸受を備える回転陽極X線管では、ターゲットで生じる熱により熱応力が発生し、軸受隙間が変化し、これにより回転軸の回転が不安定になるという問題があった。
本発明の実施形態は、安定した回転を得ることができる回転陽極X線管及び回転陽極X線管の製造方法を提供する。
第1実施形態は、真空外囲器と、前記真空外囲器内に収納された陰極及び回転陽極構体と、を備え、前記回転陽極構体は、前記真空外囲器に固定された固定軸と、前記固定軸の外周側に設けた回転軸と、前記回転軸と一体に回転すると共に前記陰極から照射された電子ビームを受けてX線を発生するターゲットと、すべり軸受と、を有し、前記固定軸は、内部に導入された冷却媒体を介して放熱しており、前記すべり軸受は、前記固定軸の外周面に設けた固定側ラジアル軸受面と前記回転軸の内周面に設けた回転側ラジアル軸受面と、前記固定側ラジアル軸受面と前記回転側ラジアル軸受面との間の軸受隙間に充填した液体金属とで構成してあり、前記すべり軸受において、前記ターゲットに対応する領域には、前記回転側ラジアル軸受面の直径を大きくした回転側直径膨大部を有し、前記回転側直径膨大部は管軸線方向に間隔をあけて設けている回転陽極X線管である。
第2実施形態は、真空外囲器と、前記真空外囲器内に収納された陰極及び回転陽極構体と、を備え、前記回転陽極構体は、前記真空外囲器に固定された固定軸と、前記固定軸の外周側に設けた回転軸と、前記回転軸と一体に回転すると共に前記陰極から照射された電子ビームを受けてX線を発生するターゲットと、すべり軸受と、を有し、前記固定軸は、内部に導入された冷却媒体を介して放熱しており、前記すべり軸受は、前記固定軸の外周面に設けた固定側ラジアル軸受面と前記回転軸の内周面に設けた回転側ラジアル軸受面と、前記固定側ラジアル軸受面と前記回転側ラジアル軸受面との間の軸受隙間に充填した液体金属とで構成してあり、前記固定軸には、前記ターゲットに対応する領域を含む部分に、前記固定側ラジアル軸受面を印加する圧力により膨出する圧力発生空間部を有し、前記圧力発生空間部には液体が充填してあると共に圧力伝搬通路を介して前記真空外囲器外に設けた圧力調整部で印加圧力を調整している回転陽極X線管である。
第3実施形態は、第2実施形態に係る回転陽極X線管の製造方法であって、固定軸は鉄を主成分とする素材であり、前記圧力発生空間部は、内周面に凹みを形成してあり外周面はモリブデンを主成分とする円筒形状の外筒を、前記固定軸に摩擦圧接又は電子ビーム溶接により接合して形成し、前記真空外囲器内に前記陰極及び前記回転陽極構体を組み立て後、前記真空外囲器内を真空引きして排気すると共にベーキングした後、前記圧力調整部から前記圧力発生空間部に圧力を印加する回転陽極X線管の製造方法である。
図1は、第1実施形態に係る回転陽極X線管の断面図である。 図2は、図1に示すA1領域を拡大して示す断面図である。 図3は、第2実施形態に係る回転陽極X線管の断面図である。 図4は、図3に示すA2領域を拡大して示す断面図である。 図5は、第3実施形態に係る回転陽極X線管の断面図である。 図6は、第4実施形態に係る回転陽極X線管の断面図である。 図7は、第5実施形態に係る回転陽極X線管であって、図4に対応する部分の断面図である。
以下に、図面を参照しながら、一実施形態に係る回転陽極X線管及び回転陽極X線管の製造方法について詳細に説明する。なお、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
(第1実施形態)
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態について説明する。
図1に示すように、回転陽極X線管1は、真空外囲器3と、真空外囲器3内に収納された回転陽極構体5及び陰極6とを備えている。真空外囲器3の外側にはステータコイル7が設けられている。
回転陽極構体5は、ターゲット13と、固定軸15と、回転軸17と、固定軸15と回転軸17との間に形成したすべり軸受19とを備えている。
ターゲット13は、円盤状に形成され且つ回転軸17の外周面に固定されている。ターゲット13は、固定軸15及び回転軸17と同軸的に設けられている。
ターゲット13は、ターゲット本体13aと、ターゲット本体13aの外面の一部に設けられたターゲット層13bとを有している。ターゲット13は、回転軸17と共に回転可能であり、ターゲット層13bに電子が入射されることによりX線を放出するものである。
固定軸15は、円柱状に形成され、管軸線a方向の一端側に位置する一端側部15aと、管軸方向の他端側に位置する他端側部15bとを具備し、固定軸15の一端側部15aと他端側部15bとは、それぞれ固定部材(図示せず)を介して真空外囲器3に固定されている。
固定軸15は、内部に冷媒通路15cが設けてあり、冷媒通路15cに導入された冷却媒体を介して放熱されている。
固定軸15は、回転軸17を回転可能に支持している。
固定軸15は、Fe(鉄)合金やMo(モリブデン)合金等の金属で形成されている。
回転軸17は、固定軸15の外周に固定軸15と同軸的に配置してある。回転軸17は、有底円筒状の本体17aと、本体17aの開口側に取り外し可能に固定された円環状の蓋部17cとを備えている。回転軸17は、Fe合金やMo合金等の金属で形成されている。
本体17aの外周面において、ステータコイル7に対向した位置には、駆動ローター31が設けてある。駆動ローター31は筒状であり、本体17aの外周面に固定されている。
駆動ローター31は、例えばCu(銅)で形成されている。
すべり軸受19は、動圧すべり軸受であり、固定軸15の外周面に設けた固定側ラジアル軸受面21と、回転軸17の内周面に設けた回転側ラジアル軸受面23と、固定側ラジアル軸受面21と回転側ラジアル軸受面23との間の軸受隙間25に充填した液体金属LMとで構成してある。
固定側ラジアル軸受面21は、ターゲット13に対向する領域にヘリングボーンパターン27を有する。
回転側ラジアル軸受面23は、ターゲット13に対向する領域には、回転側ラジアル軸受面23の直径を大きくした回転側直径膨大部29が形成してあり、この回転側直径膨大部29は管軸線aの方向に間隔をあけて設けている。
回転側直径膨大部29は、液体金属LMを溜めるリザーバ空間として機能するものであり、本実施の形態では、直径が0.01mm~0.3mmの範囲で膨大している。
また、回転側直径膨大部29は、管軸線方向に間隔をあけて2つ設けてあり、各回転側直径膨大部29は、それぞれ一部が、ヘリングボーンパターン27に対向している。
液体金属LMは、GaIn(ガリウム・インジウム)合金又はGaInSn(ガリウム・インジウム・錫)合金等の材料を利用することができる。
図1に示すように、陰極6は、ターゲット13のターゲット層13bに間隔を置いて対向配置されている。陰極6は、真空外囲器3の内壁に取付けられている。陰極6は、ターゲット層13bに照射する電子を放出する電子放出源としてのフィラメント6aを有している。
真空外囲器3は、円筒状に形成されている。真空外囲器3は、ガラス及び金属で形成されている。真空外囲器3において、ターゲット13と対向した個所の径は、回転軸17と対向した個所の径より大きい。
次に、第1実施形態に係る回転陽極X線管の作用効果について、説明する。
図1に示すように、回転陽極X線管1の動作状態では、ステータコイル7は回転軸17(特に駆動ローター31)に与える磁界を発生し、回転軸17は回転する。これにより、ターゲット13は回転する。また、陰極6に相対的に負の電圧が印加され、ターゲット13に相対的に正の電圧が印加される。
これにより、陰極6及びターゲット13間に電位差が生じる。このため、フィラメント45は、電子を放出すると、この電子は、加速され、ターゲット層43に衝突する。これにより、ターゲット層43は、電子と衝突するときにX線を放出し、放出されたX線は真空外囲器3を透過して放出される。
X線放射時に、電子衝撃によりターゲット13では高熱を発生する。
電子衝撃によりターゲット13に発生する熱は、すべり軸受19の回転側ラジアル軸受面23、液体金属LMを介して、固定側ラジアル軸受面21に伝導し、固定軸15からその冷媒通路15cの冷却冷媒に熱を逃がして冷却する。
一方、ターゲット13では、電子衝撃を受けて高温になるが、例えば、ターゲット電子衝撃面は、1000℃以上の高温となり、ターゲットが固定されている回転軸17では、熱応力を受けて、変形する場合がある。
例えば、回転側ラジアル軸受面23では、ターゲット13が固定されている領域では、図2に二点鎖線で示すように、ターゲット13の遠心力が作用して、ターゲット13側に凹む変形(熱応力変形)32が生じる。
しかし、ターゲット13に対応する領域では、管軸線aに沿う方向に回転側直径膨大部29を形成して、この回転側直径膨大部29を液体金属LMのリザーブ空間としているから、回転側ラジアル軸受面23の熱応力変形32の部分を、回転側直径膨大部29でリザーブしている液体金属LMで補うことができる。これにより、回転軸の回転を安定にできる。
固定側ラジアル軸受面21は、ヘリングボーンパターン27を有し、各回転側直径膨大部29、29の一部は、ヘリングボーンパターン27に対向している構成としているので、ヘリングボーンパターン27が付与する動圧により、熱応力変形32が生じたときに、回転側直径膨大部29でリザーブしている液体金属LMの補給を促進できる。
回転側直径膨大部29は、0.01mm~0.3mmの範囲で膨大することで、熱応力変形32した部分に対して、回転側直径膨大部29でリザーブしている液体金属LMの補給を十分におこなうことができる。
以下に他の実施の形態について説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付して、その部分の詳細な説明を省略する。
(第2実施形態)
図3及び図4を参照して、第2実施の形態について説明する。
図3に示すように、この第2実施の形態では、回転軸17には、回転側ラジアル軸受面23に回転側直径膨大部29が形成されていないことが第1実施形態と異なっている。
一方、第2実施形態では、固定軸15には、ターゲット13に対向する領域を含む部分に、固定側ラジアル軸受面21を膨出する圧力発生空間部35と、圧力発生空間部35に連通する圧力伝搬通路37と、圧力伝搬通路37に接続した圧力調整部39と、が設けてある。
圧力発生空間部35は、固定軸15の周囲に沿って環状に形成された空間であり、液体ALが充填されている。更に、圧力発生空間部35は、固定軸15の管軸線a方向において、ターゲット13に対向した領域に設けてある。
図4に示すように、圧力発生空間部35には、ターゲット側の外周側面35aと、ターゲット13と反対側の内周側面35bとを有している。外周側面35aは、管軸線a方向に沿って湾曲している。
固定軸15において、圧力発生空間部35の外周側には変形自在部41が設けてある。変形自在部41は、圧力発生空間部35の圧力を受けてターゲット13側(外側に)向けて突設するように変形(膨張)し又は圧力発生空間部35の減圧により収縮するように変形するものである。
固定軸15及び変形自在部41は共に鉄を主成分とする素材で形成しているが、変形自在部41の固定側ラジアル軸受面21は、モリブテンを主成分とする素材で形成されている。
圧力発生空間部35は、固定側ラジアル軸受面21から0.5mm~5mmの範囲で形成されている。
図3に示すように、圧力伝搬通路37は、圧力発生空間部35から固定軸15内を導通して、一端側部5aに設けた圧力調整部39に接続されている。
この圧力調整部39では、モータ等の駆動により、圧力発生空間部35に液体圧力を印加し又は減圧して圧力発生空間部35内の圧力を調整している。
圧力発生空間部35に充填する液体ALは、400℃で熱分解せず、作動中の印加圧力範囲では沸騰しない液体であり、具体的には、重質系炭化水素、フルオロカーボン化合物、水等が用いられる。
更に、この第2実施形態では、回転陽極X線管1は、制御部48と、回転数計測部49と、消費電力計測部55とを備えている。
制御部48は、圧力調整部39が印加する圧力を制御するものであり、圧力調整部39に接続されている。この制御部48には、最大応力発生データ部51と圧力演算部53を備えている。最大応力発生データ部51は、実験の結果、回転軸17の回転数と、ステータコイル7の消費電力との関係から、回転軸17についてターゲット13の固定領域における回転側ラジアル軸受面23で発生する最大応力のデータが格納されている。
回転数計測部49は、真空外囲器3の外側に設けてあり、回転軸17の回転数を計測している。
消費電力計測部55は、ステータコイル7が消費する電力を計測している。
圧力演算部53は、計測した回転軸17の回転数と、計測したステータコイル7の消費電力を、最大応力発生データ部51のデータと比較して、回転側ラジアル軸受面23で発生する応力値に基づいて、圧力調整部39で印加する圧力を決定し、その決定した圧力を印加するように、圧力調整部39に駆動信号をする。
ここで、回転陽極X線管1、特に圧力発生空間部35の製造方法について説明する。
図4に破線41aで示すように固定軸15に凹みを形成し、外周面はモリブデンを主成分とする円筒形状の外筒(変形自在部41)を用意する。変形自在部41は、内周側に圧力発生空間部35の外周側面35aとなる凹みを形成しておく。そして、変形自在部41を固定軸15の凹みに篏合し、摩擦圧接又は電子ビーム溶接により接合する。更に、図3に示すように、固定軸15にはその一端側部15a(図3参照)側から穿孔により圧力伝搬通路37を形成する。そして、真空外囲器内3に陰極6及び回転陽極構体5を組み立て後、真空外囲器3内を真空引きして排気すると共にベーキングした後、圧力調整部39から圧力発生空間部35に圧力を印加する。
この製造方法によれば、固定軸15は鉄を主成分とする素材であるから、簡易な摩擦圧接又は電子ビーム溶接を用いて変形自在部41を接合することにより、容易に圧力発生空間部35を形成できる。また、回転陽極X線管1の排気プロセスを利用して、圧力発生空間部35に圧力を印加することで、変形自在部41の固定側ラジアル軸受面21の直径を膨大させ、安定して回転する軸受隙間25に調整できる。
第2実施形態の作用効果について説明する。
この第2実施形態では、回転陽極X線管1の駆動により、ターゲット13が高温になり、回転側ラジアル軸受面23に熱応力が作用すると、図4に二点鎖線で示すように、熱応力変形32が生じる。
これに対して、図3に示すように、制御部48の圧力演算部53では、回転数計測部49が計測する回転軸17の回転数と、消費電力計測部55が計測する回転軸17を回転する消費電力とを、最大応力発生データ部51のデータと比較し、所定の最大熱応力発生データに基づく熱応力に対して、圧力調整部39から圧力発生空間部35に印加する圧力を増加する。
圧力発生空間部35に圧力調整部39から圧力が印加されると、図4に矢印M1で示すように、変形自在部41が回転側ラジアル軸受面23側に突設するように押圧されて変形することで、すべり軸受19における、軸受隙間25を維持し、回転軸17の安定な回転を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、図5を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施の形態では、第2実施の形態における回転数計測部49、消費電力計測部55がないと共に制御部48の構成が異なっている。
また、第3実施形態では、固定軸15に温度検出器57を設けており、制御部48では、温度検出部61を設けている。
温度検出器57は、軸受隙間25の液体金属LMの温度を検出するものであり、温度検出器57としては、熱電対やサーミスタ等が用いられる。
その他の構成は、第2実施形態と同様である。
回転陽極X線管1の駆動時には、ターゲット13から回転軸17への熱入力の度に、熱応力により回転側ラジアル軸受面23が膨張して、軸受隙間25が膨大する。また、ターゲット13から回転軸17への熱入力が終了して冷却すると、回転側ラジアル軸受面23が収縮し、軸受隙間25が縮小する。
この第3実施形態では、このような軸受隙間25の熱膨張による変化を温度検出器57で検出する。
そして、圧力演算部53では、予めシミュレーションにより算出した温度と軸受隙間25の熱膨張量との関係から、熱膨張量に応じて必要な圧力で圧力調整部39の吐出圧力を調整する。このように、固定軸15の内部に設けた圧力発生空間部35に圧力を任意に調整する事で固定側ラジアル軸受面21の直径を膨大、収縮させ、安定して回転する軸受隙間に制御する。
(第4実施形態)
次に、図6を参照して、第4実施形態について説明する。第4実施の形態では、第2実施の形態における回転数計測部49、消費電力計測部55がないと共に制御部48の構成が異なっている。
また、第4実施形態では、固定軸15に乱流遷移計測器59が設けてあり、制御部48では、振動加速度の増加検出部63を設けている。
乱流遷移計測器59は、軸受隙間25の液体金属LMの層流から乱流への遷移を検出するものであり、乱流強度計や熱線流速計が用いられる。
その他の構成は、第2実施形態と同様である。
回転陽極X線管1の駆動時には、ターゲット13から回転軸17への熱入力の度に、熱応力により回転側ラジアル軸受面23が膨張して、軸受隙間25が膨大する。また、ターゲット13から回転軸17への熱入力が終了して冷却すると、回転側ラジアル軸受面23が収縮し、軸受隙間25が縮小する。
この第4実施形態では、このような軸受隙間25の熱膨張による変化を乱流遷移計測器59により計測し、特に、軸受隙間25が増大した場合に発生する動圧滑り軸受の潤滑材の乱流遷移を計測することにより、振動加速度の増加検出部63により軸受隙間増大量を、事前に測定したデータとの比較により、または予めシミュレーションにより算出した乱流遷移の値と軸受隙間25の熱膨張量との関係から、演算する。
そして、圧力演算部53では、振動加速度の増加検出部63により軸受隙間増大量から、予めシミュレーションにより算出した隙間増大量に応じて必要な圧力で圧力調整部39の吐出圧力を調整する。このように、固定軸15の内部に設けた圧力発生空間部35に圧力を任意に調整する事で固定側ラジアル軸受面21の直径を膨大、収縮させ、即ち変形自在部41を突出させ又は収縮させて、軸受隙間25を維持することで、安定して回転する軸受隙間に制御する。
(第5実施形態)
図7を参照して、第5実施形態について説明する。
この第5実施形態では、図4に示す第2実施形態において、回転側ラジアル軸受面23に、図2に示す第1実施形態と同様に、回転側直径膨大部29を設けたことが上述した実施形態と異なっている。
その他の構成は第2実施形態と同様である。
この第5実施形態によれば、第2実施形態に加えて第1実施形態の効果を相乗して得ることができ、より効果的に軸受隙間25を維持することで、回転軸17を安定して回転することができる。
この第5実施形態では、更に、圧力発生空間部35の圧力調整を第3~第4実施形態と同様に調整しても良い。
上述した一実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第2~第5実施形態において、第1実施形態と同様に、固定軸15の固定側ラジアル軸受面21に、ヘリングボーンパターン27を設けて良い。
1…回転陽極X線管、3…真空外囲器、5…回転陽極構体、15…固定軸、17…回転軸、13…ターゲット、19…すべり軸受、21…固定側ラジアル軸受面、23…回転側ラジアル軸受面、25…軸受隙間、27…ヘリングボーンパターン、29…回転側直径膨大部、35…圧力発生空間部、37…圧力伝搬通路、39…圧力調整部、41…変形自在部、45…温度計、49…回転数計測器、a…管軸線、LM…液体金属。

Claims (11)

  1. 真空外囲器と、
    前記真空外囲器内に収納された陰極及び回転陽極構体と、を備え、
    前記回転陽極構体は、前記真空外囲器に固定された固定軸と、前記固定軸の外周側に設けた回転軸と、前記回転軸と一体に回転すると共に前記陰極から照射された電子ビームを受けてX線を発生するターゲットと、すべり軸受と、を有し、
    前記固定軸は、内部に導入された冷却媒体を介して放熱しており、
    前記すべり軸受は、前記固定軸の外周面に設けた固定側ラジアル軸受面と前記回転軸の内周面に設けた回転側ラジアル軸受面と、前記固定側ラジアル軸受面と前記回転側ラジアル軸受面との間の軸受隙間に充填した液体金属とで構成してあり、
    前記すべり軸受において、前記ターゲットに対応する領域には、前記回転側ラジアル軸受面の直径を大きくした回転側直径膨大部を有し、前記回転側直径膨大部は管軸線方向に間隔をあけて設けている回転陽極X線管。
  2. 前記固定側ラジアル軸受は、ヘリングボーンパターンを有し、前記回転側直径膨大部の少なくとも一部は、前記ヘリングボーンパターンに対向している請求項1に記載の回転陽極X線管。
  3. 前記回転側直径膨大部は、0.01mm~0.3mmの範囲で膨大している請求項1又は2に記載の回転陽極X線管。
  4. 真空外囲器と、
    前記真空外囲器内に収納された陰極及び回転陽極構体と、を備え、
    前記回転陽極構体は、前記真空外囲器に固定された固定軸と、前記固定軸の外周側に設けた回転軸と、前記回転軸と一体に回転すると共に前記陰極から照射された電子ビームを受けてX線を発生するターゲットと、すべり軸受と、を有し、
    前記固定軸は、内部に導入された冷却媒体を介して放熱しており、
    前記すべり軸受は、前記固定軸の外周面に設けた固定側ラジアル軸受面と前記回転軸の内周面に設けた回転側ラジアル軸受面と、前記固定側ラジアル軸受面と前記回転側ラジアル軸受面との間の軸受隙間に充填した液体金属とで構成してあり、
    前記固定軸には、前記ターゲットに対応する領域を含む部分に、前記固定側ラジアル軸受面を印加する圧力により膨出する圧力発生空間部を有し、前記圧力発生空間部には液体が充填してあると共に圧力伝搬通路を介して前記真空外囲器外に設けた圧力調整部で印加圧力を調整している回転陽極X線管。
  5. 前記圧力発生空間部は、前記固定側ラジアル軸受面から0.5mm~5mmの深さの範囲に形成してある請求項4に記載の回転陽極X線管。
  6. 前記回転軸の回転数と、前記回転軸を回転する消費電力とから、前記回転側ラジアル軸受面に最大熱応力が発生する条件を予め計測してあり、前記回転数と前記消費電力の値が最大熱応力発生条件に合致したときに前記圧力調整部から前記圧力発生空間部に印加する圧力を増加する請求項4又は5に記載の回転陽極X線管。
  7. 前記固定側ラジアル軸受面に設けて、軸受隙間に充填した液体金属の温度を検出する温度計を備え、前記温度計で検出した温度と軸受隙間の増減量との関係をシミュレーションにより推定したデータに基づいて、前記圧力調整部で印加する圧力を調整する請求項4又は5に記載の回転陽極X線管。
  8. 前記滑り軸受の前記液体金属の乱流遷移を検出する乱流遷移検出器と、前記乱流遷移検出器で検出した乱流遷移から前記滑り軸受の振動加速度の増加を検出する振動加速度増加検出部を備え、前記振動加速度増加検出部で検出した振動加速度増加検出値に基づいて前記圧力調整部で印加する圧力を調整する請求項4又は5に記載の回転陽極X線管。
  9. 前記圧力発生空間部に充填する液体は、400℃で熱分解せず、作動中の印加圧力範囲では沸騰しない液体である請求項4~8のいずれか一項に記載の回転陽極X線管装置。
  10. 請求項4~9のいずれか一項に記載の回転陽極X線管において、
    前記すべり軸受において、前記ターゲットに対応する領域には、前記回転側ラジアル軸受面の直径を大きくした回転側直径膨大部を有し、前記回転側直径膨大部は管軸線方向に間隔をあけて設けてあり、
    前記固定軸は、外周面にヘリングボーンパターンを有し、前記回転側直径膨大部の少なくとも一部は、前記ヘリングボーンパターンに対向している回転陽極X線管。
  11. 請求項4~9のいずれか一項に記載の回転陽極X線管の製造方法であって、
    固定軸は鉄を主成分とする素材であり、
    前記圧力発生空間部は、内周面に凹みを形成してあり外周面はモリブデンを主成分とする円筒形状の外筒を、前記固定軸に摩擦圧接又は電子ビーム溶接により接合して形成し、
    前記真空外囲器内に前記陰極及び前記回転陽極構体を組み立て後、前記真空外囲器内を真空引きして排気すると共にベーキングした後、前記圧力調整部から前記圧力発生空間部に圧力を印加する回転陽極X線管の製造方法。
JP2020167047A 2020-10-01 2020-10-01 回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法 Active JP7374874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020167047A JP7374874B2 (ja) 2020-10-01 2020-10-01 回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020167047A JP7374874B2 (ja) 2020-10-01 2020-10-01 回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022059357A true JP2022059357A (ja) 2022-04-13
JP7374874B2 JP7374874B2 (ja) 2023-11-07

Family

ID=81124133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020167047A Active JP7374874B2 (ja) 2020-10-01 2020-10-01 回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7374874B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349158A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Toshiba Corp 回転陽極型x線管
US20090080616A1 (en) * 2007-09-26 2009-03-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Rotary anode x-ray tube
US20140247922A1 (en) * 2013-03-04 2014-09-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Rotating anode x-ray tube

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004349158A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Toshiba Corp 回転陽極型x線管
US20090080616A1 (en) * 2007-09-26 2009-03-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Rotary anode x-ray tube
JP2009081069A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Toshiba Corp 回転陽極型x線管
US20140247922A1 (en) * 2013-03-04 2014-09-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Rotating anode x-ray tube
JP2014170677A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Toshiba Electron Tubes & Devices Co Ltd 回転陽極型x線管

Also Published As

Publication number Publication date
JP7374874B2 (ja) 2023-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7697665B2 (en) Rotating anode X-ray tube
JP6091930B2 (ja) 回転陽極型x線管
US20230018791A1 (en) Sliding bearing unit and rotary anode type x-ray tube
US11017976B2 (en) Spiral groove bearing assembly with minimized deflection
US20170084420A1 (en) Rotary-anode type x-ray tube
JP7134848B2 (ja) 内部冷却チャネルを有するx線管用のスラストフランジ
EP3358208B1 (en) Ring seal for liquid metal bearing assembly
JP2022059357A (ja) 回転陽極x線管及び回転陽極x線管の製造方法
JP2016009617A (ja) 回転陽極型x線管
JP6419587B2 (ja) 回転陽極型x線管
WO2023127184A1 (ja) すべり軸受ユニット及び回転陽極型x線管
JP6620348B2 (ja) 回転陽極型x線管
JP2010212088A (ja) 回転陽極型x線管
WO2024122614A1 (ja) 回転陽極型x線管
JP5532332B2 (ja) 回転陽極型x線管及びx線管装置
JP5370966B2 (ja) 回転陽極型x線管及びx線管装置
JP2023154827A (ja) 回転陽極型x線管
JP5284020B2 (ja) すべり軸受ユニット及び回転陽極型x線管装置
JP2012043555A (ja) 回転陽極型x線管及びx線管装置
JPS6039747A (ja) X線管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231017

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7374874

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150