JP2022057796A - 水性組成物、研磨スラリー、および研磨スラリー調製用キット - Google Patents
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Abstract
【課題】酸を含む水性組成物であって、菌の繁殖が抑制され、かつ保存による着色が生じにくい水性組成物を提供すること。【解決手段】研磨対象物の研磨に用いられる水性組成物が提供される。上記水性組成物は、酸と、防腐剤と、水とを含む。上記水性組成物は、上記防腐剤として、硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない化合物Qを含む。【選択図】なし
Description
本発明は、水性組成物、該水性組成物を含む研磨スラリー、および該水性組成物を構成要素として含む研磨スラリー調製用キットに関する。
金属や半金属、非金属、その酸化物等の材料表面に対し、砥粒を含む研磨スラリーを用いた研磨加工が行われている。研磨スラリーは、砥粒が水に分散した砥粒分散液と、砥粒以外の成分(以下、副成分ともいう。)のうち少なくとも一部の成分と水とを含む水性組成物(以下、副組成物ともいう。)とに分けられた形態で、流通や保存が行われ得る。上記副組成物は、例えば、砥粒分散液および希釈用の水と混合して研磨スラリーを調製し、その研磨スラリーを研磨対象物に供給する態様で、研磨対象物の研磨に用いられ得る。
上記砥粒分散液には、流通や保存の際の腐敗を防止するために、防腐剤が添加されることがある。この種の技術に関する技術文献として特許文献1~3が挙げられる。特許文献2、3は、特定の構造を有する有機防腐剤を含むpH7以上のシリカ分散液を開示している(特許文献2の[0030]、特許文献3の[0030])。上記シリカ分散液には酸は含まれていない。一方、特許文献4、5は、アルミナと防腐剤を含有する研磨液組成物に特有の課題である容器の着色(特許文献4の[0004]、[0013]、特許文献5の[0004]、[0020])を解決し得る化合物として、所定の式で表されるイソチアゾロン基を有する化合物、ジスルフィド化合物、イミダゾリン化合物を提案している。
砥粒分散液と混合して酸性の研磨スラリーを調製するための水性組成物は、酸を比較的高濃度で含むため、菌は繁殖しにくいものと認識されてきた。しかし、このような水性組成物中においても、ある種の菌は生存、生育することに本発明者らは着目した。酸を含む水性組成物中での菌の繁殖は、研磨スラリーとして使用したときに、繁殖した菌が濾過フィルターを閉塞させる問題、および繁殖した菌が研磨基板に付着する問題などを発生させる。
そこで本発明は、酸を含む水性組成物であって、菌の繁殖が抑制され、かつ保存による着色が生じにくい水性組成物を提供することを目的とする。関連する他の目的は、上記水性組成物を含む研磨スラリーおよび研磨スラリー調製用キットを提供することである。
この明細書によると、研磨対象物の研磨に用いられる水性組成物が提供される。その水性組成物は、酸と、防腐剤と、水とを含む、上記水性組成物は、前記防腐剤として、硫黄原子(S)および窒素原子(N)のいずれも含まない化合物Qを含む。かかる化合物Qを防腐剤として用いることにより、菌の繁殖を抑制でき、保存による着色を抑制することができる。また、上記化合物Qは、水性組成物を長期間保存した後に使用しても、上記水性組成物を含む研磨スラリーによる研磨性能(例えば、研磨レート、シリカ残渣)の劣化が起こりにくい。
ここに開示される技術(水性組成物、該水性組成物を用いて調製された研磨スラリー、上記水性組成物を含む研磨スラリー調製用キット等を包含する。以下同じ。)のいくつかの態様において、化合物Qとしては、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含む化合物を好ましく使用し得る。かかる構造を有することにより、S,Nのいずれも含まない化合物Qにおいて、酸を含む水性組成物中での菌繁殖を抑制する効果が好適に発揮され得る。上記水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造は、例えば-O-CH2OH基であり得る。上記-O-CH2OH基は、-CH2-O-CH2OH基を構成していてもよい。
化合物Qは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。例えば、水酸基を2以上有する脂肪族鎖状化合物Q1と、芳香環上に前記水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含む置換基を有する化合物Q2と、を組み合わせて用いることができる。かかる組合せによると、より高い防腐効果が発揮され得る。
いくつかの態様では、上記水性組成物のpHは0.5~4.0の範囲である。このような範囲のpHを有する水性組成物において、化合物Qによる防腐作用は好ましく発揮され得る。
ここに開示される技術における研磨対象物の好適例として、磁気ディスク基板が挙げられる。なかでも、ガラス基板や表面にニッケルリンメッキ層を有する磁気ディスク基板が好ましい。以下、表面にニッケルリンメッキ層を有する磁気ディスク基板のことを略して「Ni-P基板」ともいう。ここに開示される水性組成物は、磁気ディスク基板の製造過程で実施される研磨において、研磨対象基板に供給される研磨スラリーまたは該研磨スラリーを調製するための原料として用いられて、高品位の基板表面を実現するために役立ち得る。例えば、水性組成物を長期間保存した後に使用しても、上記水性組成物を含む研磨スラリーによる研磨性能(たとえば、研磨レート、シリカ残渣)の劣化を抑制することができる。
いくつかの態様に係る上記水性組成物は、酸、防腐剤および水に加えて、さらに砥粒を含む。砥粒を含む水性組成物は、そのまま、または添加剤(例えば、過酸化水素等の揮発性成分)、希釈用の水、pH調整剤、追加の砥粒等を必要に応じて加えることにより、研磨対象物の表面に供給される研磨スラリーとして用いることができる。
ここに開示される水性組成物は、砥粒と混合して、上記研磨対象物に供給される研磨スラリーを調製するために好ましく用いることができる。水性組成物に混合される砥粒は、砥粒分散液の形態であり得る。上記水性組成物は、化合物Qにより防腐されているので、菌の繁殖が抑制され、かつ保存による着色が生じにくい。また、長期間保存した後に使用しても、上記水性組成物を含む研磨スラリーによる研磨性能(例えば、研磨レート、シリカ残渣)の劣化を抑制することができる。
この明細書によると、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨スラリーであって、ここに開示されるいずれかの水性組成物を含む研磨スラリーが提供される。かかる研磨スラリーを用いた研磨によると、菌の繁殖が抑制され、さらに、保存による着色が生じにくい。また、長期間保存した後に使用しても、研磨性能(例えば、研磨レート、シリカ残渣)の劣化を抑制できる。
この明細書によると、例えば、砥粒および水を含む砥粒分散液と、ここに開示されるいずれかの水性組成物からなる副組成物と、を含む、研磨スラリー調製用キットが提供可能である。上記キットにおいて、上記砥粒分散液と上記副組成物とは、互いに分けて保管されている。このように構成された研磨スラリー調製用キットは、該キットの流通時や保存時において、上記副組成物の防腐性がよく、着色が生じにくい。また該キットを長期間保管した後に研磨スラリーを調液して使用しても、研磨性能の劣化を防止できる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
<水性組成物>
ここに開示される水性組成物は、研磨対象物の研磨に用いられる組成物であって、酸、水、および所定の防腐剤を少なくとも含有する。上記水性組成物は、砥粒を含む形態であってもよく、砥粒を含まない形態であってもよい。砥粒を含まない形態の水性組成物は、典型的には砥粒と混合して研磨スラリーを調製し、該研磨スラリーを研磨対象物に供給する態様で用いられ得る。水性組成物に混合される砥粒は、該砥粒が水に分散した砥粒分散液の形態であり得る。砥粒を含む形態の水性組成物は、そのまま研磨対象物に供給して研磨スラリーとして用いられてもよく、必要に応じて希釈用の水、添加剤(例えば、過酸化水素等の揮発性成分)、pH調整剤、追加の砥粒等を加えて研磨スラリーを調製し、該研磨スラリーを研磨対象物に供給する態様で用いられてもよい。すなわち、ここに開示される水性組成物は、そのまま研磨対象物に供給される研磨スラリーの形態であってもよく、希釈して研磨対象物に供給される研磨スラリー濃縮液の形態であってもよく、砥粒および必要に応じて用いられ得る他の成分や希釈用の水と混合して研磨スラリーの調製に用いられる副組成物の形態であってもよい。これらの1または2以上の形態の水性組成物において、本発明の構成を採用することによる効果は適切に発揮され得る。上記スラリー濃縮液または上記副組成物の形態の水性組成物は、研磨対象物に供給される際(POU;Point of Use)の研磨スラリーに比べて、例えば1.5~50倍程度に濃縮された形態であり得る。いくつかの態様において、上記濃縮倍率は、輸送や貯蔵等における利便性および水性組成物の貯蔵安定性等を考慮して、2~20倍程度が適当であり、5~15倍程度でもよい。ここに開示される水性組成物は、上記濃縮倍率に応じて希釈して、研磨スラリーの調製に用いられ得る。
ここに開示される水性組成物は、研磨対象物の研磨に用いられる組成物であって、酸、水、および所定の防腐剤を少なくとも含有する。上記水性組成物は、砥粒を含む形態であってもよく、砥粒を含まない形態であってもよい。砥粒を含まない形態の水性組成物は、典型的には砥粒と混合して研磨スラリーを調製し、該研磨スラリーを研磨対象物に供給する態様で用いられ得る。水性組成物に混合される砥粒は、該砥粒が水に分散した砥粒分散液の形態であり得る。砥粒を含む形態の水性組成物は、そのまま研磨対象物に供給して研磨スラリーとして用いられてもよく、必要に応じて希釈用の水、添加剤(例えば、過酸化水素等の揮発性成分)、pH調整剤、追加の砥粒等を加えて研磨スラリーを調製し、該研磨スラリーを研磨対象物に供給する態様で用いられてもよい。すなわち、ここに開示される水性組成物は、そのまま研磨対象物に供給される研磨スラリーの形態であってもよく、希釈して研磨対象物に供給される研磨スラリー濃縮液の形態であってもよく、砥粒および必要に応じて用いられ得る他の成分や希釈用の水と混合して研磨スラリーの調製に用いられる副組成物の形態であってもよい。これらの1または2以上の形態の水性組成物において、本発明の構成を採用することによる効果は適切に発揮され得る。上記スラリー濃縮液または上記副組成物の形態の水性組成物は、研磨対象物に供給される際(POU;Point of Use)の研磨スラリーに比べて、例えば1.5~50倍程度に濃縮された形態であり得る。いくつかの態様において、上記濃縮倍率は、輸送や貯蔵等における利便性および水性組成物の貯蔵安定性等を考慮して、2~20倍程度が適当であり、5~15倍程度でもよい。ここに開示される水性組成物は、上記濃縮倍率に応じて希釈して、研磨スラリーの調製に用いられ得る。
(酸)
ここに開示される水性組成物に用いられる酸としては、無機酸および有機酸のいずれも使用可能である。有機酸としては、例えば、炭素原子数が1~18程度、典型的には1~10程度の有機カルボン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等が挙げられる。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される水性組成物に用いられる酸としては、無機酸および有機酸のいずれも使用可能である。有機酸としては、例えば、炭素原子数が1~18程度、典型的には1~10程度の有機カルボン酸、有機スルホン酸、アミノ酸等が挙げられる。酸は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機酸の具体例としては、リン酸(オルトリン酸)、硝酸、硫酸、塩酸、ホウ酸、スルファミン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、ヘキサメタリン酸、炭酸、フッ化水素酸、亜硫酸、チオ硫酸、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、ヨウ化水素酸、過ヨウ素酸、ヨウ素酸、臭化水素酸、過臭素酸、臭素酸、クロム酸、亜硝酸等が挙げられる。
有機酸の具体例としては、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸、グリコール酸、コハク酸、イタコン酸、マロン酸、イミノ二酢酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、酒石酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アジピン酸、シュウ酸、吉草酸、エナント酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、シクロヘキサンカルボン酸、フェニル酢酸、安息香酸、クロトン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸、メタクリル酸、グルタル酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、イソクエン酸、メチレンコハク酸、没食子酸、アスコルビン酸、ニトロ酢酸、オキサロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸等の有機カルボン酸;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン等のアミノ酸;ニコチン酸;ピクリン酸;ピコリン酸;フィチン酸;1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン-1,1-ジホスホン酸、エタン-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸、エタンヒドロキシ-1,1,2-トリホスホン酸、エタン-1,2-ジカルボキシ-1,2-ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2-ジカルボン酸、1-ホスホノブタン-2,3,4-トリカルボン酸、α-メチルホスホノコハク酸、アミノポリ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、スルホコハク酸、10-カンファースルホン酸、イセチオン酸、タウリン等の有機スルホン酸等が挙げられる。
酸は、該酸の塩の形態で用いられてもよい。塩の例としては、上述した無機酸や有機酸の、金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。金属塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩が挙げられる。アルカノールアミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩が挙げられる。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
塩の具体例としては、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属リン酸水素塩;上記で例示した有機酸のアルカリ金属塩;その他、グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、ジエチレントリアミン五酢酸のアルカリ金属塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸のアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミン六酢酸のアルカリ金属塩;等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩におけるアルカリ金属は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等であり得る。
酸およびその塩は、1種を単独でまたは2種以上(例えば2種または3種)を組み合わせて用いることができる。いくつかの好ましい態様において、酸と、該酸とは異なる酸の塩とを組み合わせて用いることができる。上記酸は、好ましくは無機酸である。上記酸の塩は、好ましくは無機酸の塩である。
水性組成物における酸の含有量(2種以上の酸を使用する場合は、それらの合計量。特記しない限り、以下同様。)は、本発明の適用による効果を好適に発揮する観点から、例えば1g/L以上であってよく、3g/L以上であることが好ましく、5g/L以上(例えば10g/L以上)であることがより好ましい。水性組成物における酸の含有量の上限は特に制限されないが、該水性組成物の取扱い性や防腐剤の溶解性等の観点から、例えば700g/L以下であってよく、500g/L以下であることが好ましく、350g/L以下(例えば250g/L以下)であることがより好ましい。
水性組成物における酸の好ましい含有量は、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。例えば、希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨除去レートを高めやすくする観点から、酸の含有量の下限は、10g/L以上であることが有利であり、30g/L以上であることが好ましく、50g/L以上でもよく、100g/L以上でもよく、125g/L以上でもよく、150g/L以上でもよい。また、そのままで、または酸の濃度が大きく低下しない程度の処理(例えば、酸化剤等の追加成分の添加、pH調整等)を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨後の表面品位を高めやすくする観点から、酸の含有量の上限は、例えば100g/L以下であってよく、70g/L以下でもよく、50g/L以下でもよく、35g/L以下でもよく、15g/L以下でもよい。
水性組成物における酸の好ましい含有量は、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。例えば、希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨除去レートを高めやすくする観点から、酸の含有量の下限は、10g/L以上であることが有利であり、30g/L以上であることが好ましく、50g/L以上でもよく、100g/L以上でもよく、125g/L以上でもよく、150g/L以上でもよい。また、そのままで、または酸の濃度が大きく低下しない程度の処理(例えば、酸化剤等の追加成分の添加、pH調整等)を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨後の表面品位を高めやすくする観点から、酸の含有量の上限は、例えば100g/L以下であってよく、70g/L以下でもよく、50g/L以下でもよく、35g/L以下でもよく、15g/L以下でもよい。
(防腐剤)
ここに開示される水性組成物は、防腐剤として、硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない化合物Qを含むことによって特徴づけられる。化合物Qは、1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
ここに開示される水性組成物は、防腐剤として、硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない化合物Qを含むことによって特徴づけられる。化合物Qは、1種を単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
化合物Qを含む防腐剤を水性組成物に含有させることにより、該水性組成物中での菌の繁殖を抑制できる。また、保管したときの容器変色を防止することができる。防腐剤として硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない化合物Qを用いることにより、防腐剤の使用に伴う水性組成物または該水性組成物を収容した容器の着色を抑制しつつ、酸を含む水性組成物に防腐性を付与することができる。化合物Qが硫黄原子も窒素原子も有しないことは、該化合物Qを含む水性組成物を含有する研磨スラリーによる研磨後の表面への砥粒の残留を抑制する観点からも好ましい。そのような効果が得られる理由として、化合物Qによると、硫黄原子や窒素原子の有する非共有電子対による上記砥粒の残留促進が回避されることが考えられる。ただし、本発明はこのメカニズムに限定されるものではない。
化合物Qとしては、酸を含む水性組成物において、所望の防腐効果を発揮することのできる化合物が用いられる。ここに開示される水性組成物における化合物Qとしては、例えば、評価対象の化合物0.50g/Lと酸175g/Lとを含み残部が水からなる試験液を調製し、この試験液を用いて後述の実施例に記載の方法で行われる防腐性能評価において、少なくとも2回目(好ましくは3回目、さらに好ましくは4回目)の供試菌液を添加して2日後の測定サンプルから求められる生菌数が、Penicillium chermesinum、Teratosphaeria acidothermaおよびRhinocladiellaのいずれについても10cfu/mL以下である化合物を用いることができる。
ここに開示される技術における化合物Qは、有機化合物であることが好ましい。硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない有機化合物である化合物Qによると、酸を含む水性組成物の保存による着色を抑えつつ該水性組成物を防腐する効果と、上記水性組成物を含む研磨スラリーによる研磨において該水性組成物の保存劣化による残留砥粒数の増加を抑制する効果と、研磨レートの低下を抑制する効果とを好ましく両立し得る。
いくつかの態様では、化合物Qは非イオン性の有機化合物である。かかる化合物Qは、ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーによる研磨において、砥粒や研磨対象物への過度の吸着を生じにくい傾向にあるので好ましい。このことは、研磨除去レートの低下抑制や残留砥粒低減の観点から有利となり得る。
いくつかの態様では、化合物Qは、塩素や臭素等のハロゲン原子を含まない化合物である。硫黄原子、窒素原子およびハロゲン原子のいずれも含まない化合物Qは、水性組成物の着色原因となりにくく、かつ該化合物Qを含む水性組成物を用いた研磨スラリーにおいて砥粒の残留を抑制しやすい傾向にある。
いくつかの態様では、化合物Qは、多重結合を有しない化合物であることが好ましい。上記多重結合における多重とは、二重以上を意味する。したがって、ベンゼン環等のアリール基を有する化合物は、該アリール基とは別に多重結合を有するものを除き、多重結合を有しない化合物の概念に包含される。ここでいう多重結合の具体例には、炭素-炭素二重結合、炭素-酸素二重結合、炭素-窒素二重結合、炭素-窒素三重結合等が含まれるが、これらに限定されない。多重結合を有しない化合物Qは、水性組成物の着色原因となりにくく、かつ該化合物Qを含む水性組成物を用いた研磨スラリーにおいて砥粒の残留を抑制しやすい傾向にある。
いくつかの態様において、化合物Qの分子量(分子構造に基づく化学式量)は、例えば2000以下であってよく、少量(重量基準)の使用で良好な防腐効果を発揮しやすくする観点から1000以下であることが好ましく、500以下でもよく、300以下でもよく、200以下でもよい。また、化合物Qの分子量は、適切な防腐効果を発揮しやすくする観点から、50以上であることが適当であり、70以上であることが好ましく、100以上でもよく、120以上でもよい。
いくつかの態様において、化合物Qは、下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物であり得る。
上記一般式(1)において、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、脂肪族飽和炭化水素基および芳香族基からなる群から選択される。上記脂肪族飽和炭化水素基は、直鎖状でもよく、分岐を有する鎖状でもよく、環状でもよい。R1、R2、R3のうち2つ以上が互いに結合して環構造を形成していてもよい。いくつかの態様において、R1の炭素原子数は、好ましくは1~3であり、より好ましくは1~2(例えば1)である。R2の炭素原子数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3(例えば2)である。R3の炭素原子数は、好ましくは1~3であり、より好ましくは1~2(例えば1)である。また、上記一般式(1)において、nは1~3であり、好ましくは1~2(例えば1)である。
上記一般式(2)において、R4、R5は、それぞれ独立に、脂肪族飽和炭化水素基および芳香族基からなる群から選択される。上記脂肪族飽和炭化水素基は、直鎖状でもよく、分岐を有する鎖状でもよく、環状でもよい。R4とR5とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。いくつかの態様において、R4の炭素原子数は、例えば1~3であり、好ましくは1~2(例えば1)である。R5の炭素原子数は、例えば1~3であり、好ましくは1~2(例えば1)である。
上記一般式(2)において、R4、R5は、それぞれ独立に、脂肪族飽和炭化水素基および芳香族基からなる群から選択される。上記脂肪族飽和炭化水素基は、直鎖状でもよく、分岐を有する鎖状でもよく、環状でもよい。R4とR5とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。いくつかの態様において、R4の炭素原子数は、例えば1~3であり、好ましくは1~2(例えば1)である。R5の炭素原子数は、例えば1~3であり、好ましくは1~2(例えば1)である。
いくつかの態様において、化合物Qとしては、上記一般式(1)で表される化合物(以下、化合物(1)ともいう。)の1種または2種以上と、上記一般式(2)で表される化合物(以下、化合物(2)ともいう。)の1種または2種以上とを、任意の重量比で組み合わせて用いることができる。かかる組合せ使用により、より高い防腐効果が発揮され得る。その理由としては、化合物(2)の方が化合物(1)よりも防腐性能が強いと考えられるが、化合物(2)は芳香環を有するため水和し難いこと、化合物(1)と化合物(2)とを併用することにより、化合物(1)が化合物(2)の水和を促進し、防腐性能が高い化合物(2)の液中での活性が高まり、防腐性能が改善することなどが考えられる。上記のメカニズムは、本発明者らの考察によるものであり、ここに開示される技術は、上記のメカニズムに限定して解釈されるものではない。上記組合せ使用の場合、化合物(1)および化合物(2)の合計使用量100重量部に対する化合物(2)の使用量は、例えば10重量部以上とすることができ、また、90重量部以下とすることができる。
いくつかの態様において、化合物Qとしては、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含む化合物を好ましく使用し得る。かかる構造を有することにより、硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない化合物Qにおいて、酸を含む水性組成物中での菌繁殖を抑制する効果が好適に発揮され得る。水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を有する化合物Qは、上記一般式(1)または(2)に該当する化合物であり得る。水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を有する化合物Qの非限定的な例には、上記一般式(1)においてR1およびR3の一方または両方がCR6R7基である化合物や、上記一般式(2)においてR5がCR6R7基である化合物等が含まれる。ここで、R6およびR7は、それぞれ独立に、水素原子およびアルキル基(例えばメチル基)から選択される。好ましくは、R6およびR7がいずれも水素原子である。あるいは、化合物Qは、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を有し、かつ上記一般式(1)または(2)のいずれにも該当しない化合物であってもよい。
水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造の一好適例として、-O-CH2OH基が挙げられる。上記-O-CH2OH基は、-CH2-O-CH2OH基を構成していてもよい。かかる基を1または2以上(好ましくは1つまたは2つ)有する化合物Qを、ここに開示される水性組成物における防腐剤として好ましく採用し得る。
化合物Qの好適例として、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含み、かつ水酸基を2つ以上有する脂肪族鎖状化合物Q1が挙げられる。上記2つ以上の水酸基のうち少なくとも1つは、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造に含まれる水酸基である。化合物Q1は、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を1つ有する化合物であってもよく、上記構造を2つ以上(例えば2つ)有する化合物であってもよい。化合物Q1の好ましい具体例として、上記一般式(1)においてR1およびR3がいずれもCR6R7基(例えばCH2基)である化合物が挙げられる。
化合物Qの他の好適例として、芳香環上に前記水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含む置換基を1つまたは2つ以上(例えば、1つまたは2つ)有する化合物Q2が挙げられる。上記化合物Q2の好適例として、上記一般式(2)においてR5がCR6R7基(例えばCH2基)である化合物が挙げられる。
いくつかの態様において、化合物Qとしては、化合物Q1の1種または2種以上と、化合物Q2の1種または2種以上とを、任意の重量比で組み合わせて用いることができる。かかる組合せ使用により、より高い防腐効果が発揮され得る。化合物Q1および化合物Q2の合計使用量100重量部に対する化合物Q2の合計使用量は、例えば10重量部以上とすることができ、また、例えば90重量部以下とすることができる。
水性組成物における化合物Qの含有量は、防腐効果を適切に発揮しやすくする観点から、例えば0.001g/L以上とすることが適当であり、0.005g/L以上とすることが好ましく、0.010g/L以上としてもよく、0.025g/L以上としてもよい。また、水性組成物における化合物Qの含有量は、着色防止や残留砥粒抑制の観点から、10g/L以下とすることが適当であり、5g/L以下とすることが好ましく、2g/L以下(例えば1g/L以下)とすることがより好ましい。
水性組成物における化合物Qの好ましい含有量は、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、防腐効果を高める観点から、化合物Qの含有量の下限は、例えば0.01g/L以上とすることができ、0.05g/L以上であってでもよく、0.10g/L以上(例えば0.25g/L以上)であってもよい。また、そのままで、または化合物Qの濃度が大きく低下しない程度の処理(例えば、酸化剤等の追加成分の添加、pH調整等)を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨除去レートや残留砥粒数への影響を考慮して、化合物Qの含有量の上限は、例えば1g/L以下とすることが適当であり、0.5g/L以下とすることが好ましく、0.2g/L以下(例えば0.1g/L以下)とすることがより好ましい。
水性組成物における化合物Qの好ましい含有量は、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、防腐効果を高める観点から、化合物Qの含有量の下限は、例えば0.01g/L以上とすることができ、0.05g/L以上であってでもよく、0.10g/L以上(例えば0.25g/L以上)であってもよい。また、そのままで、または化合物Qの濃度が大きく低下しない程度の処理(例えば、酸化剤等の追加成分の添加、pH調整等)を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨除去レートや残留砥粒数への影響を考慮して、化合物Qの含有量の上限は、例えば1g/L以下とすることが適当であり、0.5g/L以下とすることが好ましく、0.2g/L以下(例えば0.1g/L以下)とすることがより好ましい。
(水)
ここに開示される技術において用いられる水としては、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を用いることができる。イオン交換水は、典型的には脱イオン水であり得る。
ここに開示される技術において用いられる水としては、イオン交換水、純水、超純水、蒸留水等を用いることができる。イオン交換水は、典型的には脱イオン水であり得る。
(pH)
ここに開示される水性組成物のpHは、典型的には7.0未満であり、6.0以下であることが好ましく、5.0以下でもよい。いくつかの態様において、水性組成物のpHは、4.5以下であることが適当であり、4.0以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよい。化合物Qによる防腐効果は、このようなpHを有する水性組成物において、より好ましく発揮され得る。水性組成物のpHの下限は特に限定されないが、水性組成物の取扱い性等の観点から、例えば0.5以上であってよく、0.8以上でもよく、1.0以上でもよい。
水性組成物の好ましいpHは、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。例えば、希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、上記研磨スラリーの研磨除去効率等の観点から、該水性組成物のpHの上限は、4.0以下であることが好ましく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよく、2.0未満でもよく、1.7未満でもよく、1.5未満でもよい。上記水性組成物のpHは、例えば0.5以上または0.8以上であり得る。また、そのままで、またはpHが大きく変化しない程度の処理を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、該研磨スラリーによる研磨後の表面品位を高めやすくする観点から、水性組成物のpHの下限は、1.0以上とすることが適当であり、1.5以上でもよく、1.7以上でもよく、2.0以上でもよい。また、上記研磨スラリーの研磨除去効率等の観点から、水性組成物のpHは、5.0以下であることが適当であり、4.0以下であることが好ましく、3.5以下でもよく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよい。
ここに開示される水性組成物のpHは、典型的には7.0未満であり、6.0以下であることが好ましく、5.0以下でもよい。いくつかの態様において、水性組成物のpHは、4.5以下であることが適当であり、4.0以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよい。化合物Qによる防腐効果は、このようなpHを有する水性組成物において、より好ましく発揮され得る。水性組成物のpHの下限は特に限定されないが、水性組成物の取扱い性等の観点から、例えば0.5以上であってよく、0.8以上でもよく、1.0以上でもよい。
水性組成物の好ましいpHは、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。例えば、希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、上記研磨スラリーの研磨除去効率等の観点から、該水性組成物のpHの上限は、4.0以下であることが好ましく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよく、2.0未満でもよく、1.7未満でもよく、1.5未満でもよい。上記水性組成物のpHは、例えば0.5以上または0.8以上であり得る。また、そのままで、またはpHが大きく変化しない程度の処理を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、該研磨スラリーによる研磨後の表面品位を高めやすくする観点から、水性組成物のpHの下限は、1.0以上とすることが適当であり、1.5以上でもよく、1.7以上でもよく、2.0以上でもよい。また、上記研磨スラリーの研磨除去効率等の観点から、水性組成物のpHは、5.0以下であることが適当であり、4.0以下であることが好ましく、3.5以下でもよく、3.0以下でもよく、2.5以下でもよい。
なお、ここに開示される技術において、液状物(水性組成物、砥粒分散液、研磨スラリー等であり得る。)のpHは、pHメーターを用いて3点校正した後で、ガラス電極を測定対象の液に入れて測定することにより把握することができる。標準緩衝液は、例えば、フタル酸塩pH緩衝液:pH4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液:pH6.86(25℃)、炭酸塩pH緩衝液:pH10.01(25℃)である。
(砥粒)
ここに開示される水性組成物は、砥粒を含む形態であってもよい。砥粒を含む水性組成物は、そのままで、または希釈して、あるいは添加剤(例えば、過酸化水素等の揮発性成分)、pH調整剤、追加の砥粒等を必要に応じて加えることにより、研磨対象物の表面に供給される研磨スラリーとして用いることができる。
ここに開示される水性組成物は、砥粒を含む形態であってもよい。砥粒を含む水性組成物は、そのままで、または希釈して、あるいは添加剤(例えば、過酸化水素等の揮発性成分)、pH調整剤、追加の砥粒等を必要に応じて加えることにより、研磨対象物の表面に供給される研磨スラリーとして用いることができる。
水性組成物に含まれ得る砥粒の種類は、後述する砥粒分散液に含まれる砥粒と同様のものから選択し得るので、重複する説明は省略する。
砥粒を含む形態の水性組成物において、砥粒の含有量は特に制限されないが、典型的には5g/L以上であり、10g/L以上であることが好ましく、20g/L以上(例えば35g/L以上)であることがより好ましい。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨レートが実現される傾向にある。また、砥粒の分散安定性等の観点から、通常、上記含有量は、800g/L以下であることが適当であり、700g/L以下(例えば600g/L以下)であることが好ましい。
砥粒を含む形態の水性組成物における砥粒の好ましい含有量は、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、該研磨スラリーにおいて好適な研磨除去レートを実現しやすくする観点から、砥粒の含有量の下限は、20g/L以上であることが好ましく、50g/L以上であることがより好ましく、100g/L以上でもよく、200g/L以上でもよい。また、そのままで、または砥粒の濃度が大きく低下しない程度の処理を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨後の表面品位を高めやすくする観点から、砥粒の含有量の上限は、例えば300g/L以下であってよく、200g/L以下でもよく、100g/L以下でもよく、70g/L以下でもよい。」
砥粒を含む形態の水性組成物における砥粒の好ましい含有量は、該水性組成物の使用目的や使用態様によっても異なり得る。希釈して研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、該研磨スラリーにおいて好適な研磨除去レートを実現しやすくする観点から、砥粒の含有量の下限は、20g/L以上であることが好ましく、50g/L以上であることがより好ましく、100g/L以上でもよく、200g/L以上でもよい。また、そのままで、または砥粒の濃度が大きく低下しない程度の処理を行って研磨スラリーまたはその構成成分として用いられる水性組成物では、研磨後の表面品位を高めやすくする観点から、砥粒の含有量の上限は、例えば300g/L以下であってよく、200g/L以下でもよく、100g/L以下でもよく、70g/L以下でもよい。」
<砥粒分散液>
ここに開示される水性組成物は、いくつかの態様において、砥粒分散液と混合して研磨スラリーまたはその濃縮液の調製に利用され得る。上記砥粒分散液は、典型的には、砥粒およびそれを分散させる水を含む。水としては、水性組成物に用いられる水と同様のものを使用し得る。
ここに開示される水性組成物は、いくつかの態様において、砥粒分散液と混合して研磨スラリーまたはその濃縮液の調製に利用され得る。上記砥粒分散液は、典型的には、砥粒およびそれを分散させる水を含む。水としては、水性組成物に用いられる水と同様のものを使用し得る。
砥粒の材質や性状は特に制限されず、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれも利用可能である。無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩;等が挙げられる。上記アルミナ粒子としては、α-アルミナ、α-アルミナ以外の中間アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。中間アルミナとは、α-アルミナ以外のアルミナ粒子の総称であり、具体例としてはγ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナ、η-アルミナ、κ-アルミナおよびこれらの複合物が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。砥粒は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここに開示される技術において使用し得る砥粒の好適例としてシリカ粒子が挙げられる。シリカ粒子は、シリカを主成分とする各種のシリカ粒子であり得る。ここで、シリカを主成分とするシリカ粒子とは、該粒子の90重量%以上、例えば95重量%以上、典型的には98重量%以上がシリカである粒子をいう。使用し得るシリカ粒子の例としては、特に限定されず、コロイダルシリカ、凝結粒シリカ、沈降シリカ(沈殿シリカともいう。)、ケイ酸ソーダ法シリカ、アルコキシド法シリカ、フュームドシリカ、乾燥シリカ、爆発法シリカ等が挙げられる。さらに、上記シリカ粒子を原材料として得られたシリカ粒子を用いることもできる。そのようなシリカ粒子の例には、上記原材料のシリカ粒子(以下「原料シリカ」ともいう。)に、加温、乾燥、焼成等の熱処理、オートクレーブ処理等の加圧処理、解砕や粉砕等の機械的処理、表面改質等から選択される1または2以上の処理を適用して得られたシリカ粒子が含まれ得る。表面改質としては、例えば、官能基の導入、金属修飾等の化学的修飾が挙げられる。ここに開示される技術におけるシリカ粒子は、上記のようなシリカ粒子の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含むものであり得る。
シリカ粒子の好適例として、コロイダルシリカが挙げられる。なかでも、ケイ酸ソーダ法シリカやアルコキシド法シリカのように、水相での粒子成長を経て合成されたコロイダルシリカの使用が好ましい。この種のコロイダルシリカを含むシリカ砥粒によると、良好な面品質が好適に達成され得る。ここに開示されるシリカ砥粒がコロイダルシリカを含む場合、該シリカ砥粒に含まれるコロイダルシリカは、1種であってもよく、製造条件および/または物性の異なる2種以上であってもよい。また、上記シリカ砥粒は、1種または2種以上のコロイダルシリカからなる構成であってもよく、コロイダルシリカと、コロイダルシリカ以外のシリカ粒子とを組み合わせて含む構成であってもよい。いくつかの態様では、研磨スラリーに含まれる砥粒が、コロイダルシリカを単独で含む。コロイダルシリカを単独で用いることにより、より良好な面品質が実現され得る。
コロイダルシリカの粒子形状は特に限定されず、例えば球形であってもよく、非球形であってもよい。非球形の具体例としては、ピーナッツ形状、繭形状、突起付き形状、ラグビーボール形状等が挙げられる。ピーナッツ形状は、例えば落花生の殻の形状であり得る。突起付き形状は、例えば金平糖形状であり得る。
ここに開示される技術は、研磨対象物に供給される研磨スラリーがアルミナ粒子を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。このような研磨スラリーによると、アルミナ粒子の使用に起因する品質低下が防止される。ここでいう品質低下としては、例えば、スクラッチや窪みの発生、アルミナの残留、突き刺さり欠陥等が挙げられる。なお、本明細書においてアルミナ粒子を実質的に含まないとは、研磨スラリーに含まれる固形分全量のうちアルミナ粒子の割合が1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下(例えば0.1重量%以下)であることをいう。アルミナ粒子の割合が0重量%である研磨スラリー、すなわちアルミナ粒子を含まない研磨スラリーが特に好ましい。また、ここに開示される研磨スラリーは、α-アルミナ粒子を実質的に含まない態様で好ましく実施され得る。
ここに開示される技術は、研磨対象物に供給される研磨スラリーが砥粒としてシリカ粒子を含み、かつシリカ粒子以外の粒子、すなわち非シリカ粒子を実質的に含まない態様でも好ましく実施され得る。ここで、非シリカ粒子を実質的に含まないとは、研磨スラリーに含まれる固形分全量のうち非シリカ粒子の割合が1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、典型的には0.1重量%以下であることをいう。このような態様において、ここに開示される技術の適用効果が好適に発揮され得る。
いくつかの態様において、砥粒(例えばシリカ粒子)の平均二次粒子径は、例えば、10nm~500nm程度であり得る。研磨効率等の観点から、いくつかの態様において、上記平均二次粒子径は、例えば25nm以上であってよく、40nm以上であってもよい。ここに開示される技術は、砥粒の平均二次粒子径が50nm以上、60nm以上、または70nm以上である態様でも好適に実施され得る。一方、研磨後の表面品位を高める観点から、上記平均二次粒子径は、例えば300nm以下であることが適当であり、200nm以下でもよく、150nm以下でもよく、120nm以下でもよく、100nm以下でもよい。上述した平均二次粒子径は、例えば、Ni-P基板やガラス基板等の磁気ディスク基板の研磨に用いられる砥粒に好ましく適用され得る。
なお、上記砥粒の平均二次粒子径(体積平均粒子径)は、砥粒を含む砥粒含有液を測定サンプルに用いて動的光散乱法に基づく粒子径測定を行うことによって把握することができる。この粒子径測定は、例えば、日機装社製の型式「UPA-UT151」を用いて行うことができる。後述の実施例についても同様である。
砥粒分散液における砥粒の含有量は特に制限されない。砥粒分散液の保存や流通をコンパクトに行い得ることから、砥粒の含有量は、例えば10g/L以上であってよく、20g/L以上であることが好ましく、50g/L以上であることがより好ましく、100g/L以上でもよく、200g/L以上でもよく、300g/L以上でもよい。砥粒の分散安定性等の観点から、通常、上記含有量は、800g/L以下であることが適当であり、700g/L以下(例えば600g/L以下)であることが好ましい。
砥粒分散液のpHは、特に制限されず、砥粒の材質や砥粒分散液の用途等に応じて選択し得る。砥粒分散液のpHは、例えば2.0~12.5の範囲から選択し得る。砥粒としてシリカ粒子を含む砥粒分散液では、該砥粒分散液(シリカ分散液)のpHは、例えば5.0以上であってよく、7.0以上であってもよく、8.0以上であってもよく、9.0以上であってもよい。シリカ分散液のpHが高くなると、該シリカ分散液の分散安定性が向上する傾向にある。また、シリカ粒子の溶解を防ぐ観点から、シリカ分散液のpHは、通常、12.0以下であることが適当であり、11.0以下であることが好ましく、10.5以下であってもよく、例えば10.0以下であってもよい。
<研磨スラリー>
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーは、上記水性組成物に対して新たに混合される成分(水性組成物に混合される砥粒分散液に含まれる成分であり得る。)として、例えば、以下に例示する成分の1種または2種以上を必要に応じて含有し得る。
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーは、上記水性組成物に対して新たに混合される成分(水性組成物に混合される砥粒分散液に含まれる成分であり得る。)として、例えば、以下に例示する成分の1種または2種以上を必要に応じて含有し得る。
ここに開示される研磨スラリーには、必要に応じて酸化剤を含有させることができる。酸化剤の例としては、過酸化物、硝酸またはその塩、過ヨウ素酸またはその塩、ペルオキソ酸またはその塩、過マンガン酸またはその塩、クロム酸またはその塩、酸素酸またはその塩、金属塩類、硫酸類等が挙げられるが、これらに限定されない。酸化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、硝酸、硝酸鉄、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ一硫酸アンモニウム、ペルオキソ一硫酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過マンガン酸カリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、塩化鉄、硫酸鉄、クエン酸鉄、硫酸アンモニウム鉄等が挙げられる。好ましい酸化剤として、過酸化水素、硝酸鉄、過ヨウ素酸、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸および硝酸が例示される。少なくとも過酸化水素を含むことが好ましく、過酸化水素からなることがより好ましい。
研磨スラリー中に酸化剤を含む場合、該酸化剤の含有量は特に限定されず、所望の使用効果が発揮されるように設定し得る。いくつかの態様において、酸化剤の含有量は、1g/L以上であることが好ましく、より好ましくは3g/L以上、さらに好ましくは4g/L以上である。酸化剤の増大により、研磨対象物(例えば、Ni-P基板等の磁気ディスク基板)を酸化する速度が高くなり、研磨除去レートが向上し得る。また、研磨スラリー中における酸化剤の含有量は、研磨後の表面品位等を考慮して、例えば50g/L以下とすることができ、30g/L以下であることが好ましく、20g2/L以下でもよく、15g/L以下でもよい。
ここに開示される研磨スラリーは、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、界面活性剤、水溶性高分子、分散剤、キレート剤、塩基性化合物等の、研磨スラリーに使用され得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用可能である。界面活性剤の使用により、研磨スラリーの分散安定性が向上し得る。界面活性剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。上記界面活性剤は、典型的には、分子量1×104未満の水溶性有機化合物であり得る。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型、アルキルアミンオキシド型等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、アルキル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、ポリアクリル酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、およびこれらの塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の他の具体例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型、アルキルアミンオキシド型等が挙げられる。
界面活性剤を含む態様の研磨スラリーにおいて、界面活性剤の含有量は、例えば0.005g/L以上であり得る。上記含有量は、研磨後の表面の平滑性等の観点から、好ましくは0.01g/L以上、より好ましくは0.1g/L以上である。また、研磨除去レート等を考慮して、上記含有量は、100g/L以下とすることが適当であり、好ましくは50g/L以下、例えば10g/L以下である。ここに開示される技術は、界面活性剤を実質的に使用しない態様でも好ましく実施され得る。ここで、実質的に使用しないとは、少なくとも意図的には使用しないことをいう。
ここに開示される研磨スラリーには、水溶性高分子を含有させてもよい。水溶性高分子を含有させることにより、研磨後の面精度が向上し得る。水溶性高分子の例としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メチルナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、アントラセンスルホン酸ホルムアルデヒド等のポリアルキルアリールスルホン酸系化合物;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸系化合物;リグニンスルホン酸、変成リグニンスルホン酸等のリグニンスルホン酸系化合物;アミノアリールスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸系化合物;その他、ポリイソプレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリイソアミレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリ酢酸ビニル、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリグリセリン、ポリビニルピロリドン、イソプレンスルホン酸とアクリル酸の共重合体、ポリビニルピロリドンポリアクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、ジアリルアミン塩酸塩二酸化硫黄共重合体、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、キトサン、キトサン塩類等が挙げられる。水溶性高分子は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子を含む態様の研磨スラリーでは、該研磨スラリー中における該水溶性高分子の含有量を、例えば0.01g/L以上とすることが適当である。上記含有量は、研磨後の表面平滑性等の観点から、好ましくは0.05g/L以上、より好ましくは0.08g/L以上、さらに好ましくは0.1g/L以上である。また、研磨除去レート等の観点から、上記含有量は、10g/L以下とすることが適当であり、好ましくは5g/L以下、例えば1g/L以下である。ここに開示される技術は、水溶性高分子を実質的に使用しない態様でも好ましく実施され得る。ここで、実質的に使用しないとは、少なくとも意図的には使用しないことをいう。
分散剤の例としては、ポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩等のポリカルボン酸系分散剤;ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸アンモニウム塩等のナフタレンスルホン酸系分散剤;アルキルスルホン酸系分散剤;ポリリン酸系分散剤;ポリアルキレンポリアミン系分散剤;第四級アンモニウム系分散剤;アルキルポリアミン系分散剤;アルキレンオキサイド系分散剤;多価アルコールエステル系分散剤;等が挙げられる。
キレート剤の例としては、アミノカルボン酸系キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。これらのうち有機ホスホン酸系キレート剤がより好ましく、なかでも好ましいものとしてエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。特に好ましいキレート剤として、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)が挙げられる。
研磨スラリーは、pH調整等の目的で、必要に応じて、1種または2種以上の塩基性化合物を含んでいてもよい。塩基性化合物の例としては、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩や炭酸水素塩;第四級アンモニウム化合物;アンモニア;等が挙げられる。研磨スラリーに含まれる塩基性化合物は、水性組成物または砥粒分散液に由来するものであってもよい。
研磨スラリーのpHは、特に制限されず、該研磨スラリーの使用目的や使用態様に応じて適切に設定し得る。研磨スラリーのpHは、例えば12.0以下、典型的には0.5~12.0とすることができ、10.0以下、典型的には0.5~10.0としてもよい。研磨除去レートや研磨後の面品質等の観点から、研磨スラリーのpHは、7.0以下、例えば0.5~7.0とすることができ、5.0以下、典型的には1.0~5.0とすることがより好ましく、4.0以下、例えば1.0~4.0とすることがさらに好ましい。研磨スラリーのpHは、例えば3.0以下、典型的には1.0~3.0、好ましくは1.0~2.5(例えば1.5~2.5)とすることができる。上記pHは、例えば、ニッケルリン基板の研磨に用いられる研磨スラリーに好ましく適用され得る。特に、ニッケルリン基板の一次研磨用の研磨スラリーに好ましく適用され得る。
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーは、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。多剤型の研磨スラリーは、例えば、上記砥粒分散液と、上記水性組成物からなる副組成物とを、水および必要に応じて用いられる他の成分とともに混合することで上記研磨スラリーが調製されるように構成され得る。
ここに開示される水性組成物は、研磨スラリー調製用キットの構成要素として好ましく用いられ得る。なかでも、上記水性組成物と砥粒分散液とを混合して研磨スラリーを調製するためのキットの構成要素として好適である。かかるキットは、上述のような砥粒分散液からなる第1組成物と、ここに開示されるいずれかの水性組成物からなる第2組成物と、を少なくとも備える構成とすることができる。ここで、第1組成物と上記第2組成物とは、互いに分けて保管されていることが好ましい。
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーは、例えば、ニッケルリン基板、ガラス基板、カーボン製基板等の研磨に好ましく適用され得る。また、めっき材質として、基材ディスクの表面にニッケルリンめっき層以外の金属層または金属化合物層を備えたディスク基板であってもよい。なかでも、アルミニウム合金製の基材ディスク上にニッケルリンめっき層を有するニッケルリンめっき基板用の研磨スラリーとして好適である。かかる用途では、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーは、研磨後の表面における残留砥粒数の抑制が望まれる用途において、特に有意義に使用され得る。そのような用途の一好適例として、仕上げ研磨工程後において高精度な表面が要求される磁気ディスク基板の製造プロセスにおいて、上記仕上げ研磨工程の前工程として行われる予備研磨工程が挙げられる。仕上げ研磨工程の前工程として複数の予備研磨工程を有する場合は、いずれの予備研磨工程にも使用可能であり、これらの予備研磨工程において同一のまたは異なる研磨スラリーを用いることができる。ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーは、例えば、磁気ディスク基板の一次研磨工程に用いられる研磨スラリーとして好適である。なかでも、ニッケルリン基板の製造プロセスにおいて、ニッケルリンめっき後の最初の研磨工程すなわち一次研磨工程において好ましく使用され得る。
ここに開示される研磨スラリーは、例えば、Schmitt Measurement System Inc.社製レーザースキャン式表面粗さ計「TMS-3000WRC」により測定される表面粗さが20Å~300Å程度の磁気ディスク基板を研磨して、該磁気ディスク基板を10Å以下の表面粗さに調整する用途に好適である。かかる用途では、ここに開示される技術を適用することが特に有意義である。ここでいう表面粗さとは、算術平均粗さ(Ra)のことをいう。
<研磨方法>
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリー(ここに開示される水性組成物を用いて調製された研磨スラリーであり得る。)は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨スラリーを用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な態様につき説明する。以下では、研磨対象物を研磨対象基板または単に基板ともいう。
すなわち、ここに開示されるいずれかの水性組成物を含む研磨スラリー(ワーキングスラリー)を用意する。次いで、その研磨スラリーを研磨対象物に供給し、常法により研磨する。例えば、一般的な研磨装置に研磨対象物をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記研磨対象物の表面すなわち研磨対象面に研磨スラリーを供給する。典型的には、上記研磨スラリーを連続的に供給しつつ、研磨対象物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動させる。上記移動は、例えば回転移動であり得る。このような研磨工程を経て研磨対象物の研磨が完了する。
ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリー(ここに開示される水性組成物を用いて調製された研磨スラリーであり得る。)は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨スラリーを用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な態様につき説明する。以下では、研磨対象物を研磨対象基板または単に基板ともいう。
すなわち、ここに開示されるいずれかの水性組成物を含む研磨スラリー(ワーキングスラリー)を用意する。次いで、その研磨スラリーを研磨対象物に供給し、常法により研磨する。例えば、一般的な研磨装置に研磨対象物をセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記研磨対象物の表面すなわち研磨対象面に研磨スラリーを供給する。典型的には、上記研磨スラリーを連続的に供給しつつ、研磨対象物の表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動させる。上記移動は、例えば回転移動であり得る。このような研磨工程を経て研磨対象物の研磨が完了する。
使用し得る研磨パッドは特に限定されない。例えば、硬質発泡ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の研磨パッドを用いることができる。スウェードタイプは、バフパッドであってもよく、表面をバフ加工していないノンバフ状態にある研磨パッド(いわゆるノンバフパッド)であってもよい。そのようなスウェードタイプの研磨パッド(典型的にはポリウレタン製研磨パッド)は、加工性に優れ、また基板表面の高品質化を実現しやすい。なお、ここに開示される技術で用いられる研磨パッドは、典型的には砥粒を含まない研磨パッドである。
研磨後(具体的には、磁気ディスク基板の一次研磨後)、基板を洗浄することが好ましい(洗浄工程)。洗浄工程は、典型的には洗浄機を用いて実施される。洗浄工程では、洗浄液を用いてもよく、洗浄液を用いず流水のみの洗浄としてもよい。洗浄液または水に浸漬した基板に超音波を付与する超音波処理を行ってもよい。このような洗浄工程を実施することにより、研磨後、基板上に残存する砥粒は効率よく除去され得る。
研磨工程に使用する研磨装置は、研磨対象物の両面を同時に研磨する両面研磨装置であってもよく、研磨対象物の片面のみを研磨する片面研磨装置であってもよい。上記研磨工程が予備研磨工程である場合、いくつかの態様において、該研磨工程を行う研磨装置として両面研磨装置を好ましく採用し得る。一次研磨工程の後に仕上げ研磨工程を行う場合、該仕上げ研磨工程を行う研磨装置としては、片面研磨装置を好ましく採用し得る。
上述のような研磨工程は、磁気ディスク基板、例えばニッケルリン基板の製造プロセスの一部であり得る。したがって、この明細書によると、上記研磨工程を含む磁気ディスク基板の製造方法および研磨方法が提供される。
ここに開示される水性組成物は、研磨対象物の予備研磨工程、例えば一次研磨工程に用いられる研磨スラリーまたはその構成成分として好ましく使用され得る。この明細書によると、上述したいずれかの水性組成物を含む研磨スラリーを用いて予備研磨を行う工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法および研磨方法が提供される。上記方法は、上記研磨スラリーを研磨対象物に供給して該研磨対象物を研磨する工程(1)を含む。上記方法は、上記予備研磨工程の後に仕上げ研磨工程を含み得る。仕上げ研磨工程に使用する研磨スラリーは特に限定されない。したがって、この明細書により開示される事項には、ここに開示される水性組成物を含む研磨スラリーで研磨対象物を研磨する工程(1)と、工程(1)で用いられる研磨スラリーとは異なる研磨スラリー(例えば仕上げ研磨用スラリー)で研磨対象物を研磨する工程(2)とをこの順で含む、磁気ディスク基板の製造方法および研磨方法が含まれる。かかる製造方法によると、磁気ディスク基板を効率よく製造することができる。
工程(2)で使用される砥粒としては、特に限定されず、例えばコロイダルシリカが好ましく用いられる。コロイダルシリカを用いることにより、面精度の高い研磨物を効率よく製造することができる。コロイダルシリカの粒子形状は特に限定されず、例えば球形であってもよく、非球形であってもよい。いくつかの態様では、球形のコロイダルシリカが好ましく用いられる。
また、工程(2)で使用され得る仕上げ研磨用スラリーは、例えば砥粒の他に水を含む。その他、仕上げ研磨用スラリーには、上述した研磨用スラリーと同様の成分(酸、酸化剤、塩基性化合物、各種添加剤等)を、必要に応じて含有させることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実験例1:砥粒を含まない水性組成物の調製および評価>
(実施例A1~A11および比較例A2~A7)
酸と防腐剤と脱イオン水とを混合して、表1に示す組成およびpHの水性組成物を調製した。表1において、防腐剤の種類を示す略号a~gは、それぞれ表2に示す化合物を表す(以下同じ。)。
(実施例A1~A11および比較例A2~A7)
酸と防腐剤と脱イオン水とを混合して、表1に示す組成およびpHの水性組成物を調製した。表1において、防腐剤の種類を示す略号a~gは、それぞれ表2に示す化合物を表す(以下同じ。)。
(実施例A12~A14)
水酸化カリウムを用いてpHを調整した他は実施例A9の水性組成物の調製と同様にして、表1に示す組成およびpHの水性組成物を調製した。
水酸化カリウムを用いてpHを調整した他は実施例A9の水性組成物の調製と同様にして、表1に示す組成およびpHの水性組成物を調製した。
(比較例A1)
防腐剤を使用しない他は実施例A1の水性組成物の調製と同様にして、表1に示す組成およびpHの水性組成物を調製した。
防腐剤を使用しない他は実施例A1の水性組成物の調製と同様にして、表1に示す組成およびpHの水性組成物を調製した。
(保存変色防止性評価)
各例に係る水性組成物2000gを、容量2000mLの透明なポリプロピレン製の容器に収容し、70℃でそれぞれ168時間または336時間保存した。保存後、容器から水性組成物(内容物)を取り出し、容器内を水洗いし、未使用の容器との目視比較により変色の有無を判定した。また、容器から取り出した水性組成物(内容物)を、調製直後(具体的には、各材料を混合してから室温で3時間後。以下同じ。)の水性組成物と目視で比較して、変色の有無を判定した。得られた結果から、水性組成物の保存変色防止性を以下の3水準で評価し、表1に示した。点数が高いほど保存変色防止性がよい。
2点:168時間保存後および336時間保存後のいずれにおいても、容器および水性組成物のいずれにも変色は認められなかった。
1点:168時間後は容器および水性組成物のいずれにも変色は認められなかったが、336時間保存後は容器および水性組成物の少なくとも一方に変色が認められた。
0点:168時間保存後において、容器および水性組成物の少なくとも一方に変色が認められた。
各例に係る水性組成物2000gを、容量2000mLの透明なポリプロピレン製の容器に収容し、70℃でそれぞれ168時間または336時間保存した。保存後、容器から水性組成物(内容物)を取り出し、容器内を水洗いし、未使用の容器との目視比較により変色の有無を判定した。また、容器から取り出した水性組成物(内容物)を、調製直後(具体的には、各材料を混合してから室温で3時間後。以下同じ。)の水性組成物と目視で比較して、変色の有無を判定した。得られた結果から、水性組成物の保存変色防止性を以下の3水準で評価し、表1に示した。点数が高いほど保存変色防止性がよい。
2点:168時間保存後および336時間保存後のいずれにおいても、容器および水性組成物のいずれにも変色は認められなかった。
1点:168時間後は容器および水性組成物のいずれにも変色は認められなかったが、336時間保存後は容器および水性組成物の少なくとも一方に変色が認められた。
0点:168時間保存後において、容器および水性組成物の少なくとも一方に変色が認められた。
(防腐性能の評価方法)
3種類の菌(Penicillium chermesinum、Teratosphaeria acidotherma、Rhinocladiella)を、それぞれポテトデキストロース寒天培地に移植し、25℃±2℃で7日間培養した。培養した菌を、滅菌した0.005%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液を用いて胞子を抽出したのち、胞子数を105個/mL程度に調整して供試菌液を準備した。
各例に係る水性組成物を、清潔な容器に100gずつ分注し、それぞれに供試菌液を2日毎に1g添加し、28±2℃に調整した恒温槽に入れて培養したものを測定サンプルとした。培養後、2日毎に生菌数を計測した。生菌数の計測は、測定サンプルを、10、102・・・倍と順次希釈してシャーレに1mLずつ分注した後、ポテトデキストロース寒天培地を加えてよく攪拌したうえで放置し、培地が固化した後に、28℃±2℃に調整した恒温槽に入れて3~5日間培養し、生育したコロニー数を数えて生菌数を求めることにより行った。
上記2日毎の供試菌液添加を8回まで繰り返して、防腐性能を評価した。上記生菌数計測において、上記3種類の菌の生菌数がいずれも10cfu/mL以下であった場合は「2点」、上記3種類の菌の生菌数がいずれも100cfu/mL以下であり、かつ3種類のうち少なくとも1種類の菌の生菌数が10cfu/mLより多かった場合は「1点」、上記3種類のうち少なくとも1種類の菌の生菌数が100cfu/mLより多かった場合は「1点」と評価した。結果を表1に示した。点数が高いほど、また、供試菌液の添加回数がより多くなるまで高い点数が維持されているほど、防腐性能がよい。
3種類の菌(Penicillium chermesinum、Teratosphaeria acidotherma、Rhinocladiella)を、それぞれポテトデキストロース寒天培地に移植し、25℃±2℃で7日間培養した。培養した菌を、滅菌した0.005%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液を用いて胞子を抽出したのち、胞子数を105個/mL程度に調整して供試菌液を準備した。
各例に係る水性組成物を、清潔な容器に100gずつ分注し、それぞれに供試菌液を2日毎に1g添加し、28±2℃に調整した恒温槽に入れて培養したものを測定サンプルとした。培養後、2日毎に生菌数を計測した。生菌数の計測は、測定サンプルを、10、102・・・倍と順次希釈してシャーレに1mLずつ分注した後、ポテトデキストロース寒天培地を加えてよく攪拌したうえで放置し、培地が固化した後に、28℃±2℃に調整した恒温槽に入れて3~5日間培養し、生育したコロニー数を数えて生菌数を求めることにより行った。
上記2日毎の供試菌液添加を8回まで繰り返して、防腐性能を評価した。上記生菌数計測において、上記3種類の菌の生菌数がいずれも10cfu/mL以下であった場合は「2点」、上記3種類の菌の生菌数がいずれも100cfu/mL以下であり、かつ3種類のうち少なくとも1種類の菌の生菌数が10cfu/mLより多かった場合は「1点」、上記3種類のうち少なくとも1種類の菌の生菌数が100cfu/mLより多かった場合は「1点」と評価した。結果を表1に示した。点数が高いほど、また、供試菌液の添加回数がより多くなるまで高い点数が維持されているほど、防腐性能がよい。
<実験例2:研磨スラリーの調製および評価>
以下の実験例2では、実験例1で調製した水性組成物を、砥粒と混合して研磨スラリーを調製するための副組成物として使用した。
以下の実験例2では、実験例1で調製した水性組成物を、砥粒と混合して研磨スラリーを調製するための副組成物として使用した。
(実施例C1)
砥粒としてのシリカ粒子(平均二次粒子径80nmのコロイダルシリカ)と、防腐剤としての(エチレンジオキシ)ジメタノール(表2に示す防腐剤a)と、脱イオン水とを混合して、表3に示す組成の砥粒分散液を調製した。
上記砥粒分散液と、実験例1で調製した水性組成物A1とを、いずれも調製直後(すなわち、室温で3時間後)に使用して、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。研磨スラリーは、上記砥粒分散液100mLと、上記水性組成物(副組成物)100mLとを加え、さらに、過酸化水素水溶液を有効成分で12gと脱イオン水とを加えて総量1000mLとし、混合することにより調製した。
砥粒としてのシリカ粒子(平均二次粒子径80nmのコロイダルシリカ)と、防腐剤としての(エチレンジオキシ)ジメタノール(表2に示す防腐剤a)と、脱イオン水とを混合して、表3に示す組成の砥粒分散液を調製した。
上記砥粒分散液と、実験例1で調製した水性組成物A1とを、いずれも調製直後(すなわち、室温で3時間後)に使用して、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。研磨スラリーは、上記砥粒分散液100mLと、上記水性組成物(副組成物)100mLとを加え、さらに、過酸化水素水溶液を有効成分で12gと脱イオン水とを加えて総量1000mLとし、混合することにより調製した。
また、上記で調製した砥粒分散液と、実験例1で調製した水性組成物A1とを、それぞれ、容量2000mLの透明なポリプロピレン製の容器に収容し、70℃で168時間保存した。容器への収容量は、いずれも2000gとした。保存後の砥粒分散液および保存後の水性組成物の液温を23℃まで下げた後、上記砥粒分散液100mLと、上記水性組成物(副組成物)100mLとを加え、さらに、過酸化水素水溶液を有効成分で12gと脱イオン水とを加えて総量1000mLとし、混合することにより、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。
(実施例C2,C5、C10~C11および比較例C2~C7)
砥粒としてのシリカ粒子(平均二次粒子径80nmのコロイダルシリカ)と、防腐剤と、脱イオン水とを混合して、表3に示す組成の砥粒分散液を調製した。
この砥粒分散液と、表3に示す各水性組成物(実施例A2、A5、A10~A11、比較例A2~A7で調製した各水性組成物(副組成物))とを、いずれも調製直後または70℃で168時間保存後に使用し、その他の点は実施例C1と同様にして、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。
砥粒としてのシリカ粒子(平均二次粒子径80nmのコロイダルシリカ)と、防腐剤と、脱イオン水とを混合して、表3に示す組成の砥粒分散液を調製した。
この砥粒分散液と、表3に示す各水性組成物(実施例A2、A5、A10~A11、比較例A2~A7で調製した各水性組成物(副組成物))とを、いずれも調製直後または70℃で168時間保存後に使用し、その他の点は実施例C1と同様にして、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。
(比較例C1)
防腐剤を使用しない他は実施例C1の砥粒分散液の調製と同様にして、表3に示す組成の砥粒分散液を調製した。この砥粒分散液と、比較例A1で調製した水性組成物とを、いずれも調製直後または70℃で168時間保存後に使用し、その他の点は実施例C1と同様にして、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。
防腐剤を使用しない他は実施例C1の砥粒分散液の調製と同様にして、表3に示す組成の砥粒分散液を調製した。この砥粒分散液と、比較例A1で調製した水性組成物とを、いずれも調製直後または70℃で168時間保存後に使用し、その他の点は実施例C1と同様にして、表3に示す組成の研磨スラリーを調製した。
各研磨スラリーを調製した当日に下記の研磨試験を行い、残留シリカ粒子個数および研磨除去レートを評価することにより、研磨スラリーの調製に用いられる組成物(砥粒分散液および副組成物)を保存することによるシリカ残渣個数および研磨除去レートに及ぼす影響を調べた。残留シリカ粒子個数および研磨除去レートの評価は、下記の方法により行った。なお、研磨対象物に供給される時点(POU)での各研磨スラリーのpHは、いずれも2.2であった。
(研磨試験)
各例に係る研磨スラリーをそのまま研磨対象物に供給して、下記の条件で、研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板(研磨対象基板)を使用した。上記基板は、直径3.5インチ、外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRaは130Åであった。
[研磨条件]
研磨装置:スピードファム社製の両面研磨機、型式「9.0B-5P」
研磨パッド:FILWEL社製のスウェードパッド、商品名「CR200」(ベース層と表面層とを有し、表面層が発泡ポリウレタン製のパッド)
研磨対象基板の投入枚数:10枚(2枚/キャリア ×5キャリア)
研磨スラリーの供給レート:90mL/分
研磨荷重:100g/cm2
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約2.0μmの厚さ
上記研磨量は、下記の計算式に基づいて求めた。
研磨量[μm]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3])×104
各例に係る研磨スラリーをそのまま研磨対象物に供給して、下記の条件で、研磨対象物の研磨を行った。研磨対象物としては、表面に無電解ニッケルリンめっき層を備えたハードディスク用アルミニウム基板(研磨対象基板)を使用した。上記基板は、直径3.5インチ、外径約95mm、内径約25mmのドーナツ型、厚さは1.75mmであり、研磨前における表面粗さRaは130Åであった。
[研磨条件]
研磨装置:スピードファム社製の両面研磨機、型式「9.0B-5P」
研磨パッド:FILWEL社製のスウェードパッド、商品名「CR200」(ベース層と表面層とを有し、表面層が発泡ポリウレタン製のパッド)
研磨対象基板の投入枚数:10枚(2枚/キャリア ×5キャリア)
研磨スラリーの供給レート:90mL/分
研磨荷重:100g/cm2
上定盤回転数:27rpm
下定盤回転数:36rpm
サンギヤ(太陽ギヤ)回転数:8rpm
研磨量:各基板の両面の合計で約2.0μmの厚さ
上記研磨量は、下記の計算式に基づいて求めた。
研磨量[μm]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3])×104
(研磨除去レートの算出)
各例について、調製直後(室温3時間後)または70℃で168時間保存後の砥粒分散液と副組成物とを用いて調製した研磨スラリーにより上記研磨条件で研磨対象基板を研磨したときの両面における研磨除去レートを、下記の計算式に基づいて算出した。
研磨除去レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[min])×104
各例について、調製直後(室温3時間後)または70℃で168時間保存後の砥粒分散液と副組成物とを用いて調製した研磨スラリーにより上記研磨条件で研磨対象基板を研磨したときの両面における研磨除去レートを、下記の計算式に基づいて算出した。
研磨除去レート[μm/min]=研磨による基板の重量減少量[g]/(基板の面積[cm2]×ニッケルリンめっきの密度[g/cm3]×研磨時間[min])×104
得られた結果を、調製直後の砥粒分散液および副組成物を用いた研磨スラリーの研磨除去レートを100とした相対値に換算して、表3の「研磨除去レート」の欄に示した。70℃で168時間保存後の材料を用いて研磨スラリーを調製することによる研磨除去レートの低下が10%未満(相対値が90より大)であれば、防腐剤の使用による保存安定性の低下は許容範囲と判定される。上記研磨除去レートの低下が5%以下(相対値が95以上)であれば良好な保存安定性を示すと判定され、2%以下(相対値が98以上)であれば優れた保存安定性を示すと判定される。
(残留シリカ粒子個数の計測)
上記研磨レートの測定と同じ条件で研磨した基板をクレセン社製の洗浄機を用いて洗浄した後、基板表面に残留した粒子の個数を測定した。具体的には、ブラシおよび洗浄剤を使用せずに流水中で基板を洗浄し、基板に付着した水滴をスピンドライヤにより払い落として乾燥させた。具体的な洗浄条件は以下のとおりである。
(洗浄条件)
洗浄剤塗布時間:0秒
洗浄時ディスク基板回転数:40rpm
第1洗浄時間(流水のみ):15秒
第1洗浄流量:750 mL/分
第2洗浄時間(流水のみ):20秒
第2洗浄流量:900 mL/分
超音波洗浄時間(流水のみ):20秒
超音波洗浄流量:3000mL/分
スピンドライ乾燥時間:20秒
スピンドライ回転数:3000rpm
次に、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、洗浄後の基板表面(両面)を、50000倍の倍率で一面あたり10視野観察した。そして、三谷商事社製の画像解析ソフトウエア「WinROOF」を用いて、各視野における残留シリカ粒子個数を測定し、1視野あたりの残留シリカ粒子個数の平均値を算出した。得られた結果を、調製直後の砥粒分散液および副組成物を用いた研磨スラリーの研磨除去レートを100とした相対値に換算して、表3の「残留シリカ個数」の酸に示した。70℃で168時間保存後の材料を用いて研磨スラリーを調製することによる残留シリカ粒子個数の増加が10%未満(相対値が110未満)であれば、防腐剤の使用による残留シリカ個数の増加は許容範囲と判定される。
上記研磨レートの測定と同じ条件で研磨した基板をクレセン社製の洗浄機を用いて洗浄した後、基板表面に残留した粒子の個数を測定した。具体的には、ブラシおよび洗浄剤を使用せずに流水中で基板を洗浄し、基板に付着した水滴をスピンドライヤにより払い落として乾燥させた。具体的な洗浄条件は以下のとおりである。
(洗浄条件)
洗浄剤塗布時間:0秒
洗浄時ディスク基板回転数:40rpm
第1洗浄時間(流水のみ):15秒
第1洗浄流量:750 mL/分
第2洗浄時間(流水のみ):20秒
第2洗浄流量:900 mL/分
超音波洗浄時間(流水のみ):20秒
超音波洗浄流量:3000mL/分
スピンドライ乾燥時間:20秒
スピンドライ回転数:3000rpm
次に、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、洗浄後の基板表面(両面)を、50000倍の倍率で一面あたり10視野観察した。そして、三谷商事社製の画像解析ソフトウエア「WinROOF」を用いて、各視野における残留シリカ粒子個数を測定し、1視野あたりの残留シリカ粒子個数の平均値を算出した。得られた結果を、調製直後の砥粒分散液および副組成物を用いた研磨スラリーの研磨除去レートを100とした相対値に換算して、表3の「残留シリカ個数」の酸に示した。70℃で168時間保存後の材料を用いて研磨スラリーを調製することによる残留シリカ粒子個数の増加が10%未満(相対値が110未満)であれば、防腐剤の使用による残留シリカ個数の増加は許容範囲と判定される。
表1に示されるように、化合物Qに該当する防腐剤を用いた実施例A1~A14の水性組成物は、防腐剤を含まない比較例A1の水性組成物に比べて、明らかに高い防腐性を示し、かつ保存着色防止性にも優れていた。また、例えば実施例A1,A2と実施例A3との対比からわかるように、防腐剤aと防腐剤bとを組み合わせて用いることにより、防腐剤aまたは防腐剤bの単独使用に比べて、より高い防腐効果が得られた。そして、表3に示されるように、実施例A1、A2、A5、A10~A11の水性組成物は、保存後に研磨スラリーの調製に使用しても、残留シリカ粒子個数の増加および研磨除去レートの低下が少なく、保存安定性に優れていた。
一方、化合物Qに該当しない防腐剤のみを用いた比較例A1~A7の水性組成物は、防腐性、保存着色防止、保存後の使用による残留シリカ粒子個数の増加抑制および研磨除去レートの低下抑制のうち1または2以上の項目において、上記実施例の水性組成物に劣るものであった。
一方、化合物Qに該当しない防腐剤のみを用いた比較例A1~A7の水性組成物は、防腐性、保存着色防止、保存後の使用による残留シリカ粒子個数の増加抑制および研磨除去レートの低下抑制のうち1または2以上の項目において、上記実施例の水性組成物に劣るものであった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
Claims (10)
- 研磨対象物の研磨に用いられる水性組成物であって、
前記水性組成物は、酸と、防腐剤と、水とを含み、
前記防腐剤として、硫黄原子および窒素原子のいずれも含まない化合物Qを含む、水性組成物。 - 前記化合物Qは、水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含む、請求項1に記載の水性組成物。
- 前記化合物Qは、前記水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造として、-O-CH2OH基を含む、請求項2に記載の水性組成物。
- 前記化合物Qとして、
水酸基を2以上有する脂肪族鎖状化合物Q1と、
芳香環上に前記水酸基およびエーテル性酸素が同一炭素に結合した構造を含む置換基を有する化合物Q2と、
を組み合わせて含む、請求項2または3に記載の水性組成物。 - pHが0.5~4.0の範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 前記研磨対象物は磁気ディスク基板である、請求項1~5のいずれか一項に記載の水性組成物。
- さらに砥粒を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 砥粒と混合して、前記研磨対象物に供給される研磨スラリーを調製するために用いられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の水性組成物。
- 研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨スラリーであって、請求項1~8のいずれか一項に記載の水性組成物を含む、研磨スラリー。
- 砥粒および水を含む砥粒分散液と、
請求項1~6のいずれか一項に記載の水性組成物からなる副組成物と、
を含み、
前記砥粒分散液と前記副組成物とは互いに分けて保管されている、研磨スラリー調製用キット。
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JP2020166234A JP2022057796A (ja) | 2020-09-30 | 2020-09-30 | 水性組成物、研磨スラリー、および研磨スラリー調製用キット |
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- 2020-09-30 JP JP2020166234A patent/JP2022057796A/ja active Pending
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