JP2022056865A - 金属張積層板、その製造方法及び回路基板 - Google Patents

金属張積層板、その製造方法及び回路基板 Download PDF

Info

Publication number
JP2022056865A
JP2022056865A JP2020164841A JP2020164841A JP2022056865A JP 2022056865 A JP2022056865 A JP 2022056865A JP 2020164841 A JP2020164841 A JP 2020164841A JP 2020164841 A JP2020164841 A JP 2020164841A JP 2022056865 A JP2022056865 A JP 2022056865A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
polyimide
thermoplastic polyimide
metal
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020164841A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7486393B2 (ja
Inventor
智典 安藤
Tomonori Ando
康弘 安達
Yasuhiro Adachi
真輝 ▲高▼村
Masaki Takamura
栄吾 近藤
Eigo Kondo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd filed Critical Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Priority to JP2020164841A priority Critical patent/JP7486393B2/ja
Priority claimed from JP2020164841A external-priority patent/JP7486393B2/ja
Priority to KR1020210129097A priority patent/KR20220044147A/ko
Publication of JP2022056865A publication Critical patent/JP2022056865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7486393B2 publication Critical patent/JP7486393B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/28Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising synthetic resins not wholly covered by any one of the sub-groups B32B27/30 - B32B27/42
    • B32B27/281Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising synthetic resins not wholly covered by any one of the sub-groups B32B27/30 - B32B27/42 comprising polyimides
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2379/00Other polymers having nitrogen, with or without oxygen or carbon only, in the main chain
    • B32B2379/08Polyimides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2457/00Electrical equipment
    • B32B2457/08PCBs, i.e. printed circuit boards
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K2201/00Indexing scheme relating to printed circuits covered by H05K1/00
    • H05K2201/01Dielectrics
    • H05K2201/0137Materials
    • H05K2201/0154Polyimide

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

【課題】 非熱可塑性ポリイミド層を金属層に直接積層した構造とすることにより、製造段階での発泡等の抑制を可能としながら、低誘電正接化され、かつ、金属層との接着性に優れたポリイミド絶縁層を有する金属張積層板を提供する。【解決手段】 ポリイミド絶縁層と金属層とを備えた金属張積層板であって、ポリイミド絶縁層が、金属層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層を有するとともに、(i)酸素透過度が5.5×10-14mol/(m2・s・Pa)以下、(ii)熱膨張係数が10~30ppm/Kの範囲内、(iii)10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下、(iv)厚みが20μm~100μmの範囲内であることを満たし、非熱可塑性ポリイミド層が、(1)全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が50mo1%以上、(2)厚みが20μm~60μmの範囲内、(3)ポリイミド絶縁層全体の厚みに対する厚みの比率が70%以上であることを満たす。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子材料分野、例えば回路基板を形成するために用いられる金属張積層板及びこれを加工してなる回路基板に関する。
フレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit Board;FPC)等の回路基板の製造に用いられる金属張積層板は、金属層と絶縁樹脂の積層体であって、微細な回路加工が可能であり、狭い空間での曲げが可能であるため、電子機器の小型化及び軽量化に伴って、その活用が増大している。また、電気、電子機器の高性能化、高機能化に伴い、情報の高速伝送化が要求されており、FPCの材料である金属張積層板の絶縁樹脂層についても、高速伝送化に対応した電気特性を有するように、低誘電率化、低誘電正接化を図る試みがなされている。例えば特許文献1では、金属張積層板の絶縁樹脂層を形成する非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の原料モノマー構成を工夫することによって、誘電特性の改善を図り、高周波用回路基板への対応を図ること提案されている。
また、近年では、150℃を超える環境でのFPCの使用も想定されるようになってきている。例えば、車載用電子機器に用いられるFPCは、150℃程度の高温環境に繰り返し晒されることがある。車載用電子機器以外のデバイスについても、例えば、高速処理を行うことができるCPU(Central Processing Unit)を有するノートパソコンやスーパーコンピュータ等において、さらなる小型化、軽量化を図るためFPCの使用が増えている。このようなデバイスにおいても、CPUが発する熱により、FPCは高温環境に繰り返し晒される。高温環境での使用に起因するFPCの劣化の代表的な要因は、配線層と絶縁樹脂層との接着性の低下による配線層の浮きや剥がれである。
以上のような背景から、今後、FPCの材料である金属張積層板は、絶縁樹脂層の低誘電正接化と、高温環境下での耐熱接着性(ピール強度保持率の維持)の両立が必要になることが予想され、特に、使用環境の変化に応じて、従来よりもさらに長期間に亘って耐熱接着性の維持が要求されると考えられる。
ところで、絶縁樹脂としてポリイミドを用いる金属張積層板の製造方法として、金属箔上にポリアミド酸溶液を塗布・乾燥することを繰り返して作製した積層体を、高温で熱処理してイミド化することによって、複数のポリイミド層を形成するキャスト法が知られている。この場合、金属層に接する層を接着性の高い熱可塑性ポリイミド層とし、その上に、非熱可塑性ポリイミド層を積層する構成が一般的である。しかし、キャスト法では、溶媒の沸点を超える温度で熱処理が行われることから、ポリアミド酸層の乾燥状態や残溶媒量などによって、金属層に接する熱可塑性ポリイミド層と隣接する非熱可塑性ポリイミド層との間で、気化した溶媒や、イミド化によって発生した水(イミド化水)の体積膨張に起因する膨れや剥がれ、発泡などの現象(以下、「発泡等)と記す)が発生することがある。この発泡等を抑制するため、特許文献2では、フッ素原子を含む原料モノマーを用いて非熱可塑性ポリイミド層のガス透過性を高めるとともに、金属層に接する熱可塑性ポリイミド層を、350℃における貯蔵弾性率が1×10Pa以上であり、かつ、ガラス転移温度(Tg)が280℃以上のポリイミドによって形成することが提案されている。
国際公開WO2018/061727 特開2019-186534号公報
イミド化のための熱処理に伴って発生する発泡等は、金属層に接する熱可塑性ポリイミド層の溶剤透過性が、非熱可塑性ポリイミド層に比較して高いことが原因の一つであると推定される。つまり、熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層と間の溶剤透過性差が大きいほど、発泡等が生じやすくなる。特に、低誘電正接化を目的として、特許文献1のように非熱可塑性ポリイミドの秩序構造を高め得る原料モノマーの比率を増加させた場合、分子の運動が抑制されて溶剤透過性が低下し、金属層に接する熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層との界面に溶剤やイミド化水が滞留し、発泡等が生じやすくなると考えられる。
発泡等の発生を抑制するための一つの解決策として、金属張積層板において、金属層に接する熱可塑性ポリイミド層を設けず、金属層に、直接、非熱可塑性ポリイミド層を形成することが有効であると考えられる。しかし、金属層/非熱可塑性ポリイミド層という積層構造とした場合、接着性の高い熱可塑性ポリイミド層が存在しないことによって、金属層と非熱可塑性ポリイミド層との接着性(特に高温環境下での耐熱接着性)が低下し、回路基板の信頼性を低下させることが懸念される。
従って、本発明の目的は、非熱可塑性ポリイミド層を金属層に直接積層した構造とすることにより、製造段階での発泡等の抑制を可能としながら、低誘電正接であり、かつ、金属層との接着性に優れたポリイミド絶縁層を有する金属張積層板を提供することである。
本発明者らは鋭意研究の結果、金属層に直接積層する非熱可塑性ポリイミド層の厚みと、その中に含まれるビフェニル骨格を有するモノマー残基の比率を制御することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の金属張積層板は、単層又は複数層からなるポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも片側の面に設けられている金属層と、を備えた金属張積層板である。本発明の金属張積層板は、前記ポリイミド絶縁層が、前記金属層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層を有するとともに、ポリイミド絶縁層全体として下記の条件(i)~(iv);
(i)酸素透過度が5.5×10-14mol/(m・s・Pa)以下であること;
(ii)熱膨張係数が10~30ppm/Kの範囲内であること;
(iii)10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下であること;
(iv)厚みが20μm~100μmの範囲内であること;
を満たすものである。そして、本発明の金属張積層板は、前記非熱可塑性ポリイミド層が、下記の条件(1)~(3);
(1)前記非熱可塑性ポリイミドを構成する全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が50mo1%以上であること;
(2)厚みが20μm~60μmの範囲内であること;
(3)前記ポリイミド絶縁層全体の厚みに対する厚みの比率が70%以上であること;
を満たすことを特徴とする。
本発明の金属張積層板において、前記非熱可塑性ポリイミド層は、更に、前記ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が、前記非熱可塑性ポリイミドを構成するジアミン成分から誘導される全ジアミン残基及び酸二無水物成分から誘導される全酸二無水物残基のそれぞれに対して20mo1%以上であってもよい。
本発明の金属張積層板において、前記非熱可塑性ポリイミド層は、更に、前記金属層との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内における平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)が0.147以下であってもよい。
本発明の金属張積層板は、前記金属層の前記非熱可塑性ポリイミド層に接する面の十点平均粗さ(Rzjis)が1.2μm以下であってもよい。
本発明の金属張積層板は、さらに、熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を有していてもよく、前記金属層と、前記非熱可塑性ポリイミド層と、前記熱可塑性ポリイミド層とがこの順に積層されていてもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、上記いずれかの金属張積層板を製造する方法であって、
金属箔上に、前記非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を直接塗布し、乾燥して塗布膜を形成する工程と、
前記塗布膜を熱処理することによって前記ポリアミド酸をイミド化し、前記非熱可塑性ポリイミド層を形成する工程と、
を含んでいる。そして、本発明の金属張積層板の製造方法は、前記熱処理の開始温度が125℃以上155℃以下の範囲内であり、最高温度が400℃以下であって、前記ポリイミド絶縁層全体の厚み(T)[μm]、全熱処理時間(M)[分]としたとき、T/Mが1.5~3.0の範囲内にあり、前記開始温度から145℃までの熱処理時間の割合が、前記全熱処理時間に対して35%以下であることを特徴とする。
本発明の回路基板は、単層又は複数層からなるポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも片側の面に設けられている配線層と、を備えた回路基板である。本発明の回路基板は、前記ポリイミド絶縁層が、前記配線層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層を有するとともに、ポリイミド絶縁層全体として下記の条件(i)~(iv);
(i)酸素透過度が5.5×10-14mol/(m・s・Pa)以下であること;
(ii)熱膨張係数が10~30ppm/Kの範囲内であること;
(iii)10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下であること;
(iv)厚みが20μm~100μmの範囲内であること;
を満たすものである。そして、本発明の回路基板は、前記非熱可塑性ポリイミド層が、下記の条件(1)~(3);
(1)前記非熱可塑性ポリイミドを構成する全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が50mo1%以上であること;
(2)厚みが20μm~60μmの範囲内であること;
(3)前記ポリイミド絶縁層全体の厚みに対する厚みの比率が70%以上であること;
を満たすことを特徴とする。
本発明の金属張積層板は、非熱可塑性ポリイミド層が条件(1)~(3)を満たすことによって、製造段階での発泡等の発生が抑制されており、さらに、低誘電正接化と長期耐熱接着性の向上との両立が図られている。そのため、本発明の金属張積層板を回路基板材料として利用することによって、高速伝送への対応とともに、繰り返し高温環境に晒される使用環境であっても、長期間にわたり絶縁樹脂層と配線層との接着性が維持された回路基板を提供できる。
本発明の実施の形態に係る金属張積層板の構成を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係る金属張積層板の別の構成例を示す模式的断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
[金属張積層板]
本実施の形態の金属張積層板は、単層又は複数層からなるポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも片側の面に設けられている金属層と、を備えている。ポリイミド絶縁層は、金属層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層を含んでいる。
図1及び図2は、本実施の形態に係る金属張積層板の構成例を示している。図1は、本発明の一実施の形態に係る金属張積層板30の概略構成を示す厚み方向の断面図である。また、図2は、本発明の別の実施の形態に係る金属張積層板30の概略構成を示す厚み方向の断面図である。金属張積層板30は、金属層10と、この金属層10の片面に積層されたポリイミド絶縁層20と、を備えている。図1に示すように、ポリイミド絶縁層20は単層のポリイミド層でもよいし、図2に示すように、複数層のポリイミド層からなっていてもよい。図1に示す金属張積層板30は、ポリイミド絶縁層20が、金属層10に接する非熱可塑性ポリイミド層21からなる単層構造である。図2に示す金属張積層板30は、ポリイミド絶縁層20が、金属層10に接する非熱可塑性ポリイミド層21と、この非熱可塑性ポリイミド層21に積層された熱可塑性ポリイミド層23からなる2層構造である。つまり、金属張積層板30の好ましい積層構造例として、金属層10と非熱可塑性ポリイミド層21とがこの順に積層された構造や、金属層10と非熱可塑性ポリイミド層21と熱可塑性ポリイミド層23とがこの順に積層された構造を挙げることができる。なお、金属張積層板30は、図1、図2に例示する積層構造に限るものではなく、例えば、ポリイミド絶縁層20が3層以上のポリイミド層を備えていてもよし、ポリイミド絶縁層20における金属層10とは反対側の面に別の金属層を備えていてもよい。
<ポリイミド絶縁層>
非熱可塑性ポリイミド層21の樹脂成分は、非熱可塑性ポリイミドからなることが好ましく、熱可塑性ポリイミド層23の樹脂成分は、熱可塑性ポリイミドからなることが好ましい。ここで、「非熱可塑性ポリイミド」とは、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定された30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、かつ、ガラス転移温度+30℃以内の温度域での貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上を示すものを意味する。また、「熱可塑性ポリイミド」とは、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定された30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、かつ、ガラス転移温度+30℃以内の温度域での貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満を示すものを意味する。また、非熱可塑性ポリイミド及び熱可塑性ポリイミドは、いずれも、「モノマー残基」として、酸二無水物残基及びジアミン残基を含むものである。「酸二無水物残基」とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基を意味し、「ジアミン残基」とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基を意味する。なお、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミド及び熱可塑性ポリイミド層23を構成する熱可塑性ポリイミドのモノマー残基の構成などの詳細については後述する。
ポリイミド絶縁層20において、非熱可塑性ポリイミド層21は低熱膨張性のポリイミド層を構成し、熱可塑性ポリイミド層23は高熱膨張性のポリイミド層を構成する。
低熱膨張性のポリイミド層は、熱膨張係数(CTE)が好ましくは1ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内、より好ましくは3ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内のポリイミド層をいう。ただし、図1に示すように、ポリイミド絶縁層20が非熱可塑性ポリイミド層21からなる場合は、熱膨張係数(CTE)の下限を10ppm/K以上とすることが好ましい。
また、高熱膨張性のポリイミド層は、CTEが好ましくは35ppm/K以上、より好ましくは35ppm/K以上80ppm/K以下の範囲内、更に好ましくは35ppm/K以上70ppm/K以下の範囲内のポリイミド層をいう。
使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望のCTEを有するポリイミド層とすることができる。
本実施の形態の金属張積層板30は、ポリイミド絶縁層20が、全体として下記の条件(i)~(iv)を満たしている。
(i)酸素透過度が5.5×10-14mol/(m・s・Pa)以下であること。
ポリイミド絶縁層20の酸素透過度を5.5×10-14mol/(m・s・Pa)以下に制御することによって、例えば、金属張積層板30の金属層10を回路加工し、ポリイミド絶縁層20を回路基板の絶縁樹脂層として適用する場合において、繰り返し高温に晒される環境であっても、長期間に亘って配線層との接着性が維持され、優れた長期耐熱接着性が得られる。ポリイミド絶縁層20の酸素透過度が5.5×10-14mol/(m・s・Pa)を超える場合は、例えば回路基板の絶縁樹脂層として適用し、繰り返し高温に晒された場合に、絶縁樹脂層を透過した酸素によって配線層の酸化が進み、配線層と絶縁樹脂層との接着性が低下してしまう。
ポリイミド絶縁層20の酸素透過度は、主に、非熱可塑性ポリイミド層21の厚みや厚み比率のほか、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミド中のビフェニル骨格含有残基の比率、脂肪族骨格残基の有無、ジアミン残基及び酸二無水物残基の置換基の種類によって調節することができる。
(ii)熱膨張係数(CTE)が10~30ppm/Kの範囲内であること。
金属張積層板30は、反りの発生や寸法安定性の低下を防止するために、ポリイミド絶縁層20全体の熱膨張係数(CTE)が10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内であることが重要であり、好ましくは10ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内がよく、15~25ppm/Kの範囲内がより好ましい。ポリイミド絶縁層20全体のCTEが10ppm/K未満であるか、又は30ppm/Kを超えると、反りが発生したり、寸法安定性が低下したりする。
ポリイミド絶縁層20の熱膨張係数(CTE)は、主に、非熱可塑性ポリイミド層21の厚み比率のほか、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミド中のフェニル骨格含有残基やナフタレン骨格含有残基、ビフェニル骨格含有残基といった剛直モノマー残基の比率と、イミド化工程における熱処理条件によって調節することができる。
(iii)10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下であること。
ポリイミド絶縁層20は、例えば、回路基板の絶縁樹脂層として適用する場合において、高周波信号の伝送時における誘電損失を低減するために、ポリイミド絶縁層20全体として、スプリットポスト誘電体共振器(SPDR)により測定した10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下であることが好ましい。回路基板の伝送損失を改善するためには、特に絶縁樹脂層の誘電正接を制御することが重要であり、ポリイミド絶縁層20全体の誘電正接を上記範囲内とすることで、伝送損失を下げる効果が増大する。従って、ポリイミド絶縁層20を、例えば高周波回路基板の絶縁樹脂層として適用する場合、伝送損失を効率よく低減できる。10GHzにおける誘電正接が0.004を超えると、ポリイミド絶縁層20を回路基板の絶縁樹脂層として適用した際に、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスが大きくなるなどの不都合が生じやすくなる。10GHzにおける誘電正接の下限値は特に制限されないが、ポリイミド絶縁層20を回路基板の絶縁樹脂層として適用する場合の物性制御を考慮する必要がある。
ポリイミド絶縁層20の誘電正接(Tanδ)は、主に、非熱可塑性ポリイミド層21の厚み比率のほか、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミド中のビフェニル骨格含有残基の比率やイミド基割合によって調節することができる。
なお、ポリイミド絶縁層20は、例えば回路基板の絶縁樹脂層として適用する場合において、インピーダンス整合性を確保するために、ポリイミド絶縁層20全体として、スプリットポスト誘電体共振器(SPDR)により測定した10GHzにおける誘電率が4.0以下であることが好ましい。10GHzにおける誘電率が4.0を超えると、ポリイミド絶縁層20を回路基板の絶縁樹脂層として適用した際に、誘電損失の悪化に繋がり、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスが大きくなるなどの不都合が生じやすくなる。またポリイミド絶縁層20の厚みを一定とした場合、誘電率が高くなるほどインピーダンス整合した際の回路配線幅が狭くなるため、導体損失が増加する原因になる。
(iv)厚みが20μm~100μmの範囲内であること。
ポリイミド絶縁層20全体の厚みは、20μm~100μmの範囲内において使用する目的に応じて所定の厚みに設定することが可能であり、例えば30~60μmの範囲内が好ましく、35~50μmの範囲内がより好ましい。厚みが上記下限値に満たないと、酸素透過度を十分に下げることが困難となり、繰り返し高温に晒された場合に配線層と絶縁樹脂層との接着性が低下してしまう懸念がある。一方、厚みが上記上限値を超えると、金属張積層板30を曲げた際にクラックが生じ破れるなどの不具合が生じる。
上記のとおり、ポリイミド絶縁層20は、非熱可塑性ポリイミド層21に積層されている任意の樹脂層を含んでいてもよく、例えば図2に示すように、熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層23を含んでいてもよい。この場合、ポリイミド絶縁層20の全体で条件(i)~(iv)を満たしていればよい。
また、金属張積層板30のポリイミド絶縁層20において、非熱可塑性ポリイミド層21は、さらに下記の条件(1)~(3)を満たしている。
(1)非熱可塑性ポリイミドを構成する全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格を有するモノマー残基(以下、「ビフェニル骨格含有残基」と記すことがある)の占める割合が50mo1%以上であること。
ポリイミド絶縁層20において、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミドは、酸二無水物残基及びジアミン残基を含むものである。そして、非熱可塑性ポリイミド中のビフェニル骨格含有残基を50mo1%以上とすることによって、ポリイミド絶縁層20を構成するポリイミド全体におけるビフェニル骨格含有残基の含有比率を高め、酸素透過度を下げ、低誘電正接化を図ることができる。ここで、ビフェニル骨格とは、下記の式(a)に示すように、2つのフェニル基が単結合した骨格である。従って、ビフェニル骨格含有残基とは、例えば、ビフェニルジイル基、ビフェニルテトライル基などを挙げることができる。これらの残基に含まれる芳香環は、任意の置換基を有していてもよい。
ビフェニルジイル基の代表例としては、下記の式(b)で表されるものを挙げることができる。ビフェニルテトライル基の代表例としては、下記の式(c)で表されるものを挙げることができる。なお、ビフェニルジイル基及びビフェニルテトライル基において、芳香環における結合手は、式(b)及び式(c)に示す位置に限定されるものではなく、また、上記のとおり、これらの残基に含まれる芳香環は、任意の置換基を有していてもよい。
Figure 2022056865000001
ビフェニル骨格含有残基は、原料モノマーに由来する構造であり、酸二無水物から誘導されるものでもよいし、ジアミン化合物から誘導されるものでもよい。
ビフェニル骨格を有する酸二無水物残基の代表例としては、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3',3,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-ビフェノール-ビス(トリメリテート無水物)などの酸二無水物から誘導される残基を挙げることができる。これらの中でも、特に、BPDAから誘導される酸二無水物残基(以下、「BPDA残基」ともいう。)は、ポリマーの秩序構造を形成しやすく、分子の運動抑制により誘電正接や吸湿性を低下させることができるため好ましい。また、BPDA残基は、ポリイミド前駆体のポリアミド酸としてのゲル膜の自己支持性を付与できる。
ビフェニル骨格を有するジアミン化合物の代表例としては、芳香環を2つのみ有するジアミン化合物が挙げられ、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-TB)、2,2’-ジエチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-EB)、2,2’-ジエトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル(m-EOB)、2,2’-ジプロポキシ-4,4’-ジアミノビフェニル(m-POB)、2,2’-ジ-n-プロピル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-NPB)、2,2’-ジビニル-4,4’-ジアミノビフェニル(VAB)、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)などを挙げることができる。これらのジアミン化合物から誘導される残基は、剛直構造を有しているため、ポリマー全体に秩序構造を付与する作用を有している。これらのジアミン化合物から誘導される残基を含有することによって、酸素透過度が低く、低吸湿性のポリイミドが得られ、分子鎖内部の水分を低減できるため、誘電正接を下げることができる。
非熱可塑性ポリイミド層21を構成するポリイミドの全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格含有残基の割合が50mo1%以上であることによって、モノマー由来の剛直構造によりポリマー全体に秩序構造が形成されやすくなり、酸素透過度を低下させるとともに、分子の運動抑制により誘電正接を低下させることができる。非熱可塑性ポリイミド層21におけるビフェニル骨格含有残基の割合が50mo1%未満では、誘電正接が十分に低下せず、また、非熱可塑性ポリイミド層21の厚みが薄い場合に酸素透過度が十分に低下しない。このため、例えば回路基板に使用したときに、長期耐熱接着性が不十分になるとともに、高速伝送への適応が困難となる。かかる観点から、ビフェニル骨格含有残基の割合は、全モノマー残基に対し、60mo1%以上であることが好ましく、65mo1%以上であることがより好ましい。一方、回路基板材料として用いられる金属張積層板30のポリイミド絶縁層20に必要な物性を維持するため、ビフェニル骨格含有残基の割合は、全モノマー残基に対し、80mo1%以下とすることが好ましい。
また、非熱可塑性ポリイミド層21は、ビフェニル骨格含有残基の占める割合が、全ジアミン残基及び全酸二無水物残基のそれぞれに対して20mo1%以上であることが好ましい。全ジアミン残基及び全酸二無水物残基のそれぞれに対して、ビフェニル骨格含有残基を20mol%以上含むようにすることによって、ビフェニル骨格含有残基がジアミン残基又は酸二無水物残基のいずれか片方に偏って存在する場合に比べて、ポリマー全体の秩序構造の形成がより促進され、酸素透過度と誘電正接を低下させる効果が増大する。
(2)厚みが20μm~60μmの範囲内であること。
非熱可塑性ポリイミド層21の厚みは、使用する目的に応じて、所定の範囲内に設定することが可能であるが、20μm~60μmの範囲内であることが重要であり、25~49μmの範囲内にあることが好ましく、30~49μmの範囲内にあることがより好ましい。非熱可塑性ポリイミド層21の厚みが上記下限値に満たないと、ポリイミド絶縁層20の誘電特性の改善効果が小さくなるとともに、酸素透過度が大きくなり、繰り返し高温に晒された場合に配線層と絶縁樹脂層との接着性が低下してしまう懸念がある。
(3)ポリイミド絶縁層20全体の厚みに対する厚みの比率が70%以上であること。
ポリイミド絶縁層20の全体の厚みT1に対する非熱可塑性ポリイミド層21の厚みT2の比率[(T2/T1)×100]は、70%以上であることが好ましく、70~90%の範囲内であることがより好ましい。この比率が70%より小さいと、酸素透過度が大きくなるとともに、CTE制御が困難となり、また、誘電正接の低下を考慮した際に使用できる熱可塑性ポリイミド層が限定される。そのため、例えば回路基板に使用したときに、長期耐熱接着性が不十分になるとともに、寸法変化率の制御や高速伝送への適応が困難となる。この比率の上限は特に限定されない。比率T2/T1が大きくなるほど、酸素透過度及び寸法変化率制御、誘電正接の低減が図りやすくなるからである。
上記(1)~(3)の条件に加え、非熱可塑性ポリイミド層21は、更に、金属層10近傍の面内配向状態を制御して金属層10との剥離強度を向上させる観点から、金属層10との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内における平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)が0.147以下であることが好ましい。なお、Δnxy-zは、非熱可塑性ポリイミド層21の平面(XY)方向の屈折率と厚み(Z)方向の屈折率の差を意味する。
非熱可塑性ポリイミド層21は、ビフェニル骨格を50mo1%以上含むことから、ポリイミド分子鎖の剛性が高く、分子鎖間の絡み合いが減少し易い傾向がある。特に、ポリイミド分子鎖の配向状態の指標である平均複屈折率(Δnxy-z)が大きすぎると、面内配向が過度に促進することで分子鎖間の絡み合いが減少し、分子間の剥離強度が低下する。この際、金属層10近傍の平均複屈折率(Δnxy-z)まで大きくなると、金属層10近傍のポリイミドの分子間の剥離強度まで低下するため、金属層をポリイミド層から剥離したときの強度が低下する。そこで、非熱可塑性ポリイミド層21における金属層10近傍の面内配向が過度に進むことを抑制することで、ポリイミドの芳香環同士が面方向にスタックし難くなり、また分子鎖間の絡み合いを増加させることができるため、ポリイミド層における面方向の分子鎖間の剥離強度を増加させることが可能となる。かかる観点から、金属層10との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内における平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)は、0.125~0.147の範囲内にあることがより好ましい。この厚み範囲の平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)が0.125未満になると、金属層10近傍のみならず、非熱可塑性ポリイミド層21全体の面内配向状態が低下してしまい、熱膨張係数(CTE)を制御することが困難となる。また、この厚み範囲の平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)が0.147を超えると、金属層10近傍の面内配向が進むことで、面方向の分子鎖間の剥離強度が低下する可能性が高い。
金属層10との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内の平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)を制御する理由は、金属層10と非熱可塑性ポリイミド層21との間を剥離する力を加えた場合に、金属層10との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内に応力が集中しやすいためである。したがって、この厚み範囲内における面内配向を乱し、ポリイミドの芳香環同士が面方向にスタックし難くすること、また、ポリイミド分子鎖間の絡み合いを増加させることが、剥離強度の向上に効果的である。なお、剥離強度の向上という観点からすれば、非熱可塑性ポリイミド層21の厚み方向の全体における平均複屈折率(Δnxy-z)を0.147以下とすることも可能であるが、この場合、非熱可塑性ポリイミド層21の厚み方向全域の面内配向が低下することから、熱膨張係数(CTE)の制御が困難になるため、好ましくない。
金属層10との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内における平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)を0.147以下に制御する手段として、例えば、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸をイミド化するための熱処理条件、金属箔へのポリアミド酸の塗布厚み制御、ポリアミド酸へのフィラー添加などを利用することが可能である。なお、ポリアミド酸をイミド化するための熱処理条件については後述する。
次に、非熱可塑性ポリイミド層21を構成する非熱可塑性ポリイミド及び熱可塑性ポリイミド層23を構成する熱可塑性ポリイミドについて、より具体的に説明する。一般にポリイミドは、酸二無水物とジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環(イミド化)させることにより製造できる。例えば、酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0~100℃の範囲内の温度で30分~24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5~30重量%の範囲内、好ましくは10~20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、2-ブタノン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N-メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5~30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cps~100,000cpsの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80~400℃の範囲内の温度条件で1~24時間かけて加熱するといった熱処理や金属箔へ塗布後に80~400℃の範囲内で段階的に熱処理することで、溶媒の蒸発と同時に行う方法が好適に採用される。
<非熱可塑性ポリイミド>
(酸二無水物残基)
上記のとおり、非熱可塑性ポリイミドは、全酸二無水物残基のうち、ビフェニル骨格含有残基を20mo1%以上含有することが好ましく、30mo1%以上含有することより好ましく、40mo1%以上含有することがさらに好ましい。最も好ましくは、式(c)で表されるビフェニルテトライル基を上記の量で含有することがよい。
非熱可塑性ポリイミドは、上記のビフェニル骨格含有残基のほかに、発明の効果を損なわない範囲で、一般にポリイミドの原料として用いられる酸二無水物の残基を含有することができる。そのような酸二無水物残基として、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、1,4-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル)二無水物(TAHQ)、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTCDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール ビスアンヒドロトリメリテート等の芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される酸二無水物残基が挙げられる。
(ジアミン残基)
非熱可塑性ポリイミドは、全ジアミン残基のうち、ビフェニル骨格含有残基を20mo1%以上含有することが好ましく、50mo1%以上含有することがより好ましく、70mo1%以上含有することがさらに好ましい。最も好ましくは、式(b)で表されるビフェニルジイル基を上記の量で含有することがよい。式(b)で表されるビフェニルジイル基は、剛直構造を有し、ポリマー全体に秩序構造を付与する作用を有しているため、酸素透過度を下げるとともに、分子の運動抑制により誘電正接を低下させることができる。
非熱可塑性ポリイミドは、上記のビフェニル骨格含有残基のほかに、発明の効果を損なわない範囲で、一般にポリイミドの原料として用いられるジアミン化合物の残基を含有することができる。そのようなジアミン残基として、例えば、1,4-ジアミノベンゼン(p-PDA;パラフェニレンジアミン)、4-アミノフェニル-4’-アミノベンゾエート(APAB)、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、4,4'-[2-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[4-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[5-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、4-[3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]アニリン、4,4’-[オキシビス(3,1-フェニレンオキシ)]ビスアニリン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン(BAPK)、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2-ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,5-ジ-tert-ブチルベンゼン、6-アミノ-2-(4-アミノフェノキシ)ベンゾオキサゾール、2,6-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン、2,4-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン、2,4-ジアミノ-3,3’-ジエチル-5,5’-ジメチルジフェニルメタン、ビス(4-アミノ-3-エチル-5-メチルフェニル)メタン等の芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマー酸型ジアミン等の脂肪族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基などが挙げられる。
非熱可塑性ポリイミドにおいて、上記酸二無水物残基及びジアミン残基の種類や、2種以上の酸二無水物残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、酸素透過度、誘電特性、熱膨張係数、貯蔵弾性率、引張弾性率等を制御することができる。また、非熱可塑性ポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、ランダムに存在することが好ましい。なお、非熱可塑性ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される芳香族テトラカルボン酸残基及び芳香族ジアミンから誘導される芳香族ジアミン残基からなることが好ましい。非熱可塑性ポリイミドに含まれる酸二無水物残基及びジアミン残基を、いずれも芳香族基とすることで、ポリイミド絶縁層20の高温環境下での寸法精度を向上させることができる。
非熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度は、33重量%以下であることが好ましい。ここで、「イミド基濃度」は、ポリイミド中のイミド基部(-(CO)-N-)の分子量を、ポリイミドの構造全体の分子量で除した値を意味する。イミド基濃度が33重量%を超えると、極性基の増加によって吸湿性が増加する。上記酸二無水物とジアミン化合物の組み合わせを選択することによって、非熱可塑性ポリイミド中の分子の配向性を制御することで、イミド基濃度低下に伴うCTEの増加を抑制し、低吸湿性を担保することができる。
非熱可塑性ポリイミドの重量平均分子量は、例えば10,000~400,000の範囲内が好ましく、50,000~350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、フィルムの強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際にフィルム厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
<熱可塑性ポリイミド>
ポリイミド絶縁層20において、熱可塑性ポリイミド層23を構成する熱可塑性ポリイミドは、酸二無水物残基及びジアミン残基を含むものである。熱可塑性ポリイミド層23は任意の層であることから、熱可塑性ポリイミドのモノマー残基の構成比率は特に限定されないが、全モノマー成分から誘導される全モノマー残基のうち、ビフェニル骨格含有残基を30mo1%以上含有することが好ましく、30~50mo1%の範囲内で含有することがより好ましい。熱可塑性ポリイミド中のビフェニル骨格含有残基を30mo1%以上とすることによって、ポリイミド絶縁層20を構成するポリイミド全体におけるビフェニル骨格含有残基の含有比率を高め、酸素透過度を低減するとともに、低誘電正接化を図ることができる。また、熱処理時の発泡を抑制する観点では、熱可塑性ポリイミド層23を構成する熱可塑性ポリイミドのビフェニル骨格含有残基の割合は、非熱可塑性ポリイミド層21構成する非熱可塑性ポリイミドのビフェニル骨格含有残基の割合より低いことが好ましい。
(酸二無水物残基)
熱可塑性ポリイミドは、上記のビフェニル骨格含有残基のほかに、発明の効果を損なわない範囲で、一般にポリイミドの原料として用いられる酸二無水物の残基を含有することができる。そのような酸二無水物残基として、非熱可塑性ポリイミドについて例示した酸二無水物の残基が挙げられる。
(ジアミン残基)
熱可塑性ポリイミドは、上記のビフェニル骨格含有残基のほかに、発明の効果を損なわない範囲で、一般にポリイミドの原料として用いられるジアミン化合物の残基を含有することができる。そのようなジアミン残基として、非熱可塑性ポリイミドについて例示したジアミン化合物の残基が挙げられる。
熱可塑性ポリイミドにおいて、上記酸二無水物残基及びジアミン残基の種類や、2種以上の酸二無水物残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、引張弾性率、ガラス転移温度等を制御することができる。また、熱可塑性ポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、ランダムに存在することが好ましい。なお、熱可塑性ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導される芳香族テトラカルボン酸残基及び芳香族ジアミンから誘導される芳香族ジアミン残基を含むことが好ましい。熱可塑性ポリイミドに含まれる酸二無水物残基及びジアミン残基を、いずれも芳香族基とすることで、ポリイミド絶縁層20の高温環境下でのポリイミドの劣化を抑制することができる。
熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度は、30重量%以下であることが好ましい。ここで、「イミド基濃度」は、ポリイミド中のイミド基部(-(CO)-N-)の分子量を、ポリイミドの構造全体の分子量で除した値を意味する。イミド基濃度が30重量%を超えると、ガラス転移温度以上の温度での弾性率が低下しにくくなり、また極性基の増加によって低吸湿性も悪化する。
熱可塑性ポリイミドの重量平均分子量は、例えば10,000~400,000の範囲内が好ましく、50,000~350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、フィルムの強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際にフィルム厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
図2に示すポリイミド絶縁層20において、熱可塑性ポリイミド層23上にさらに金属層(図示せず)を積層することにより熱可塑性ポリイミド層23を接着層として機能させる場合、熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度は、200℃以上350℃以下の範囲内が好ましく、200℃以上320℃以下の範囲内がより好ましい。このような態様において、熱可塑性ポリイミドは、銅の拡散を抑制するために完全にイミド化された構造が最も好ましい。但し、ポリイミドの一部がアミド酸となっていてもよい。そのイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(市販品:日本分光製FT/IR620)を用い、1回反射ATR法にてポリイミド薄膜の赤外線吸収スペクトルを測定することによって、1015cm-1付近のベンゼン環吸収体を基準とし、1780cm-1のイミド基に由来するC=O伸縮の吸光度から算出される。
本実施の形態のポリイミド絶縁層20は、必要に応じて、非熱可塑性ポリイミド層21又は熱可塑性ポリイミド層23中に、無機フィラーや有機フィラーを含有してもよい。具体的には、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等の無機フィラーやフッ素系ポリマー粒子や液晶ポリマー粒子等の有機フィラーが挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。なお、有機フィラーを含有する場合、有機フィラーは非熱可塑性ポリイミド層21又は熱可塑性ポリイミド層23を構成する全モノマー成分に該当しないものとする。
<金属層>
金属層10の材質としては、特に制限はないが、例えば、銅、ステンレス、鉄、ニッケル、ベリリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム、銀、金、スズ、ジルコニウム、タンタル、チタン、鉛、マグネシウム、マンガン及びこれらの合金等が挙げられる。この中でも、特に銅又は銅合金が好ましい。なお、後述する回路基板における配線層の材質も金属層10と同様である。
金属層10の厚みは特に限定されるものではないが、例えば銅箔に代表される金属箔を用いる場合、好ましくは35μm以下であり、より好ましくは5~25μmの範囲内がよい。生産安定性及びハンドリング性の観点から金属箔の厚みの下限値は5μmとすることが好ましい。なお、銅箔を用いる場合は、圧延銅箔でも電解銅箔でもよい。また、銅箔としては、市販されている銅箔を用いることができる。
また、金属層10における非熱可塑性ポリイミド層21に接する面の十点平均粗さ(Rzjis)は、1.2μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましい。金属層10が金属箔を原料とする場合、表面粗さRzjisを1.2μm以下にすることで、高密度実装に対応する微細配線加工が可能となり、また、高周波信号伝送時の導体損失を低減できるため、高周波信号伝送用の回路基板への適用が可能となる。表面粗さRzjisが1.2μmを超える場合、微細配線加工時の配線形状が悪化して加工が困難になり、また、導体損失が増大して高周波信号伝送に不向きとなる。
また、金属箔は、例えば、防錆処理や、接着力の向上を目的として、例えばサイディング、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等による表面処理を施しておいてもよい。
[金属張積層板の製造方法]
本実施の形態の金属張積層板30の製造方法の好ましい態様として、例えば、以下の[1]、[2]の方法を例示することができる。
[1]金属層10となる金属箔に、ポリアミド酸溶液を塗布・乾燥することを、1回もしくは複数回繰り返した後、イミド化してポリイミド絶縁層20を形成した金属張積層板30を製造する方法。
[2]金属層10となる金属箔に、多層押出により同時にポリアミド酸溶液を多層に積層した状態で塗布・乾燥した後、イミド化を行うことによってポリイミド絶縁層20を形成した金属張積層板30を製造する方法(以下、多層押出法)。
上記[1]の方法は、例えば、次の工程1a~1b;
(1a)金属箔にポリアミド酸溶液を塗布し、乾燥させる工程と、
(1b)金属箔上でポリアミド酸を熱処理してイミド化することによりポリイミド絶縁層20を形成する工程と、
を含むことができる。
上記[1]の方法において、非熱可塑性ポリイミドの前駆体のポリアミド酸溶液と熱可塑性ポリイミドの前駆体のポリアミド酸溶液について、工程1aを繰り返し行うことによって、金属箔上にポリアミド酸の積層構造体を形成することができる。なお、ポリアミド酸溶液を金属箔上に塗布する方法としては特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
上記[2]の方法は、上記[1]の方法の工程1aにおいて、多層押出により、非熱可塑性ポリイミドの前駆体のポリアミド酸溶液と熱可塑性ポリイミドの前駆体のポリアミド酸溶液を同時に塗布し、乾燥させる以外は、上記[1]の方法と同様に実施できる。
本実施の形態で製造される金属張積層板30は、金属箔上でポリアミド酸のイミド化を完結させることによって、ポリアミド酸の樹脂層が金属箔に固定された状態でイミド化されるので、イミド化過程におけるポリイミド絶縁層20の伸縮変化を抑制して、ポリイミド絶縁層20の厚みや寸法精度を維持することができる。
上記方法[1]及び[2]において、金属層10となる金属箔上には、直接、非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液が塗布される。そして、ポリアミド酸を熱処理してイミド化する工程1b(第2の熱処理工程)では、非熱可塑性ポリイミド層21におけるポリイミド分子鎖の秩序構造を適切に制御する観点から、以下に示す熱処理条件(A)~(D)を採用することがよい。ここで、第2の熱処理工程の熱処理時間とは、熱処理の開始温度から昇温し、最高温度までの時間(最高温度に保持する時間を含む)を意味する。最高温度からの降温時間は、第2の熱処理工程の熱処理時間には含めない。また、工程1aにおける乾燥のための加熱(第1の熱処理工程)も第2の熱処理工程には含めない。なお、熱処理の昇温過程は段階的に実施してもよい。
(A)熱処理の開始温度が125℃以上155℃以下の範囲内、好ましくは125℃~145℃の範囲内であること。
熱処理の開始温度を125℃以上155℃以下の範囲内とすることによって、非熱可塑性ポリイミド層21のCTE制御を容易にすることが可能になる。熱処理の開始温度が125℃未満では、CTE制御が困難となるか、もしくはCTE制御に長時間を要することとなり、155℃を超えると、非熱可塑性ポリイミド層21のCTE制御は可能となるが、金属層10近傍の面内配向まで促進し、金属層10を非熱可塑性ポリイミド層21から剥離する時の強度が低下し易くなる。
(B)最高温度が400℃以下、好ましくは300℃~400℃の範囲内であること。
熱処理の最高温度が400℃を超えると、非熱可塑性ポリイミド層21の劣化や変性、変色が生じることがある。
(C)ポリイミド絶縁層20全体の厚み(T)[μm]、全熱処理時間(M)[分]としたとき、T/M=1.5~3.0の範囲内、好ましくは2.0~3.0の範囲内であること。
T/Mを1.5~3.0の範囲内とすることによって、CTE制御と金属層10を非熱可塑性ポリイミド層21から剥離する時の強度担保の両立を可能とするとともに、発泡についても抑制することが可能になる。T/Mが1.5未満では、発泡抑制は可能であるが、非熱可塑性ポリイミド層21のCTEが低下し易くなることで、金属層10近傍のポリイミドの複屈折率であるΔnxy-z_0.5-3.0が高くなり、金属層10を非熱可塑性ポリイミド層21から剥離する時の強度が低下し、3.0を超えると、非熱可塑性ポリイミド層21のCTE制御が困難になり、また発泡を生じやすくなる。
(D)熱処理の開始温度から145℃までの熱処理時間の割合が、全熱処理時間(M)に対して35%以下、好ましくは20~35の範囲内であること。
全熱処理時間(M)に対する熱処理の開始温度から145℃までの熱処理時間の割合を35%以下とすることによって、非熱可塑性ポリイミド層21のCTE制御が可能となり、また、金属層10近傍のポリイミドの複屈折率であるΔnxy-z_0.5-3.0の増加を抑制することができるため、CTE制御と、金属層10を非熱可塑性ポリイミド層21から剥離する時の強度担保を両立することが可能になる。この割合が35%を超えると、非熱可塑性ポリイミド層21のCTEが低下し易くなることで、金属層10近傍のポリイミドの複屈折率であるΔnxy-z_0.5-3.0が高くなり、金属層10を非熱可塑性ポリイミド層21から剥離する時の強度が低下することとなる。
上記の熱処理条件(A)~(D)に従って熱処理を行うことによって、非熱可塑性ポリイミド層21における金属層10近傍の面内配向が過度に進むことを抑制することで、ポリイミドの芳香環同士が面方向にスタックし難くなり、またポリイミド分子鎖間の絡み合いを増加させることができるため、分子鎖間の剥離強度を増加させることが可能となる。具体的には、非熱可塑性ポリイミド層21全体で一定レベルの秩序構造を形成しながら、金属層10との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内における秩序構造を乱すことによって、この範囲の平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)を0.147以下に制御することが可能となる。その結果、非熱可塑性ポリイミド層21について、金属層10との剥離強度を高めながら、熱膨張係数(CTE)の維持、酸素透過度の低下、及び、分子の運動抑制による誘電正接の低下を実現することが可能となる。
[回路基板]
金属張積層板30は、主にFPCなどの回路基板材料として有用である。金属張積層板30の金属層10を常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態である回路基板を製造できる。
すなわち、図示は省略するが、本実施の形態の回路基板は、単層又は複数層からなるポリイミド絶縁層20と、該ポリイミド絶縁層20の少なくとも片側の面に設けられている配線層と、を備えており、ポリイミド絶縁層20が、配線層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層21を有するとともに、ポリイミド絶縁層20全体として条件(i)~(iv)を満たすものであり、非熱可塑性ポリイミド層21が、条件(1)~(3)を満たすものである。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[粘度の測定]
E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV-II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%~90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
[非熱可塑性、熱可塑性の分類]
ガラス転移温度は、5mm×70mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:TAインスツルメント社製、商品名;RSA G2)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数10Hzで測定を行い、弾性率変化(tanδ)が最大となる温度をガラス転移温度とした。なお、DMAを用いて測定された30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、ガラス転移温度+30℃以内の温度域での貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満を示すものを「熱可塑性」とし、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、ガラス転移温度+30℃以内の温度域での貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上を示すものを「非熱可塑性」とした。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(日立ハイテクテクノロジー社(旧セイコーインスツルメンツ社製)、商品名;TMA/SS6100)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から260℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱膨張係数)を求めた。
[誘電率及び誘電正接の測定]
ベクトルネットワークアナライザ(Agilent社製、商品名;E8363C)及びスプリットポスト誘電体共振器(SPDR共振器)を用いて、周波数10GHzにおけるポリイミドフィルムの誘電率および誘電正接を測定した。なお、測定に使用した材料は、温度;24~26℃、湿度;45~55%の条件下で、24時間放置したものである。
[銅箔の表面粗度の測定]
銅箔の表面粗度は、AFM(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名;Dimension Icon型SPM)、プローブ(ブルカー・エイエックスエス社製、商品名;TESPA(NCHV)、先端曲率半径10nm、ばね定数42N/m)を用いて、タッピングモードで、銅箔表面の80μm×80μmの範囲で測定し、十点平均粗さ(Rzjis)を求めた。
[酸素透過度の測定]
温度23℃±2℃、湿度65%RH±5%RHの条件下でJIS K7126-1の差圧法に準拠し、酸素ガスの透過度の測定を実施した。なお、蒸気透過率測定装置として、GTRテック社製、GTR-30XAD2及びヤナコテクニカルサイエンス社製、G2700T・Fを用いた。
[初期ピール強度の測定]
銅張積層板(銅箔/多層ポリイミド層)の銅箔を10mm間隔で樹脂の塗工方向に幅1mmに回路加工した後、幅;8cm×長さ;4cmに切断した。ピール強度は、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製、商品名;ストログラフVE-1D)を用いて、切断した測定サンプルのポリイミド層面を両面テープによりアルミ板に固定し、回路加工された銅箔を180°方向に50mm/分の速度で剥離していき、ポリイミド層から10mm剥離したときの中央値強度を求め、初期ピール強度とした。
[加熱後ピール強度の測定]
銅張積層板(銅箔/多層ポリイミド層)の銅箔を10mm間隔で樹脂の塗工方向に幅1mmに回路加工した後、幅;8cm×長さ;4cmに切断した。切断したサンプルを150℃に設定させた熱風オーブン(大気雰囲気下)に保管し、1000時間後に取り出しを行った。ピール強度は、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製、商品名;ストログラフVE-1D)を用いて、取り出した測定サンプルのポリイミド層面を両面テープによりアルミ板に固定し、回路加工された銅箔を180°方向に50mm/分の速度で剥離していき、ポリイミド層から10mm剥離したときの中央値強度を求めた。
[ポリイミド層の厚みの測定]
銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルムを得た。得られたポリイミドフィルムを短冊状に切り出し、樹脂包埋した後、ミクロトームにてフィルム厚み方向の切断を行い約100nmの超薄切片を作製した。作製した超薄切片について、日立ハイテクテクノロジー社製SEM(SU9000)のSTEM機能を用いて、加速電圧30kVで観察を行い、ポリイミド各層の厚みを各5点測定し、その平均値を各ポリイミド層の厚みとし、各層の和を多層ポリイミドフィルムの厚みとした。
[第1層の銅箔からの厚み方向距離0.5~3.0(μm)の平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)]
多層ポリイミドフィルムをエポキシ樹脂(ビューラー社製エポキシキュア主剤と硬化剤)に含侵させ、脱気後に35℃、5時間の条件で硬化・包埋した。次にウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製EM UC6)を用いて、ガラスナイフでエポキシ樹脂部分のトリミングを行い、サンプルサイズを縦300μm、横50μm程度にした。
次に、トリミング後のサンプルについて、多層ポリイミドフィルムの厚み方向への切削を行った。
この際、ボード内に蒸留水を入れたダイヤモンドナイフボート(DiATOME社製ultra 35°)を使用し、切削厚さ500nm、切削速度0.8mm/secに設定を行った。
次に、水面上に浮かんだ切削後のサンプルをアセトンで超音波洗浄したカバーガラス上にすくい取った後に、顕微鏡型複屈折率計(フォトニックラティス社、WPA-micro)を用いて、多層ポリイミドフィルム断面のリタデーションの測定を行った。この際、干渉縞抑制のために屈折液(n=1.58)をサンプル上に滴下後に、ポリイミドフィルム厚み100nm毎に1点の測定を実施する操作を多層ポリイミドフィルム全厚みに対して行った。この操作を同一サンプルで測定位置をずらして計5回行った後に、断面厚み100nm毎のリタデーションの平均値を算出した。
算出したリタデーションの平均値を切削厚さで除することで、100nm毎の複屈折率(Δnxy-z)を算出した。このうち、多層ポリイミドフィルムの銅箔エッチング面から厚み方向に0.5μmから3.0μmのΔnxy-zの平均値をΔnxy-z_0.5-3.0とした。ここで、Δnxy-zは多層フィルムの平面(xy)方向の屈折率と厚み(z)方向の屈折率の差を意味する。
なお、多層ポリイミドフィルムの切削厚みは、カバーガラス上にすくい取った切削後のサンプルとカバーガラスとの段差を原子間力顕微鏡(ブルカー社、Dimension Icon)で測定することにより測定した。
[銅張積層板の発泡確認]
得られた銅張積層板の外観を目視で観察した際に発泡が生じるか確認を実施した。
[吸湿率の測定]
ポリイミドフィルムの試験片(幅;4cm×長さ;25cm)を2枚用意し、80℃で1時間乾燥した。乾燥後直ちに23℃/50%RHの恒温恒湿室に入れ、24時間以上静置し、その前後の重量減かから次式より求めた。
吸湿率(重量%)=[(吸湿後重量―乾燥後重量)/乾燥後重量]×100
実施例及び参考例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
TPE-Q:1,4-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
BAPP:2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
ビスアニリン-P:1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(三井化学ファイン社製、商品名;ビスアニリン-P)
DDA:炭素数36の脂肪族ジアミン(クローダジャパン社製、商品名;PRIAMINE1074、アミン価;210mgKOH/g、環状構造及び鎖状構造のダイマージアミンの混合物、ダイマー成分の含有量;95重量%以上)
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
(合成例1)
窒素気流下で、5000mlのセパラブルフラスコに、211.071gのm-TB(0.9943モル)、16.147gのTPE-Q(0.0552モル)及び19.029gのビスアニリン-P(0.0552モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、118.674gのPMDA(0.5441モル)及び160.079gのBPDA(0.5441モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液1を得た。ポリアミド酸溶液1の溶液粘度は29,400cpsであった。
次に、銅箔1(電解銅箔、厚み;12μm、樹脂側の表面粗さRzjis;0.6μm)の上に、ポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を10分以内で行い、イミド化を完結した。得られた銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム1(非熱可塑性、Tg;316℃、吸湿率;0.61重量%)を調製した。また、ポリイミドフィルム1を構成するポリイミドのイミド基濃度は31.6重量%であった。
(合成例2)
窒素気流下で、5000mlのセパラブルフラスコに、206.938gのm-TB(0.9748モル)、15.831gのTPE-Q(0.0542モル)及び28.934gのDDA(0.0542モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、116.351gのPMDA(0.5334モル)及び156.945gのBPDA(0.5334モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液2を得た。ポリアミド酸溶液2の溶液粘度は27,900cpsであった。
次に、銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液2を硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を10分以内で行い、イミド化を完結した。得られた銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム2(非熱可塑性、Tg;258℃、吸湿率;0.54重量%)を調製した。また、ポリイミドフィルム2を構成するポリイミドのイミド基濃度は30.9重量%であった。
(合成例3)
窒素気流下で、5000mlのセパラブルフラスコに、32.318gのm-TB(0.1522モル)及び178.010gのTPE-R(0.6089モル)並びに重合後の固形分濃度が12重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、50.555gのPMDA(0.2318モル)及び159.117gのBPDA(0.5408モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液3を得た。ポリアミド酸溶液3の溶液粘度は2,250cpsであった。
次に、銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液3を硬化後の厚みが約10μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を10分以内で行い、イミド化を完結した。得られた銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム3(熱可塑性、Tg;226℃、吸湿率;0.41重量%)を調製した。また、ポリイミドフィルム3を構成するポリイミドのイミド基濃度は27.4重量%であった。
(合成例4)
窒素気流下で、5000mlのセパラブルフラスコに、272.850gのBAPP(0.6647モル)並びに重合後の固形分濃度が12重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、147.150gのPMDA(0.6746モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液4を得た。ポリアミド酸溶液4の溶液粘度は2,570cpsであった。
次に、銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液4を硬化後の厚みが約10μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を10分以内で行い、イミド化を完結した。得られた銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム4(熱可塑性、Tg;324℃、吸湿率;0.55重量%)を調製した。また、ポリイミドフィルム4を構成するポリイミドのイミド基濃度は23.6重量%であった。
(合成例5)
窒素気流下で、5000mlのセパラブルフラスコに、231.095gのm-TB(1.0886モル)及び35.358gのTPE-R(0.1210モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、258.547gのPMDA(1.1853モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液5を得た。ポリアミド酸溶液5の溶液粘度は28,800cpsであった。
次に、銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液5を硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を10分以内で行い、イミド化を完結した。得られた銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム5(非熱可塑性、Tg;400℃以上、吸湿率;1.12重量%)を調製した。また、ポリイミドフィルム5を構成するポリイミドのイミド基濃度は34.8重量%であった。
(合成例6)
窒素気流下で、5000mlのセパラブルフラスコに、223.126gのm-TB(1.0510モル)及び22.709gのBAPP(0.0553モル)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、118.850gのPMDA(0.5449モル)及び160.316gのBPDA(0.5449モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液6を得た。ポリアミド酸溶液6の溶液粘度は26,500cpsであった。
次に、銅箔1の上に、ポリアミド酸溶液6を硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を10分以内で行い、イミド化を完結した。得られた銅張積層板について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム6(非熱可塑性、Tg;303℃、吸湿率;0.59重量%)を調製した。また、ポリイミドフィルム6を構成するポリイミドのイミド基濃度は31.6重量%であった。
[実施例1]
銅箔1上に、銅箔と接する第1層としてポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが27.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃で2分間加熱乾燥して溶媒を除去した。第1層上に第2層であるポリアミド酸溶液3を硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃で1分間加熱乾燥して溶媒を除去した。この際、ポリアミド酸の塗布、加熱処理に用いた上記工程を第1の熱処理工程とした。その後、140℃から360℃まで段階的な熱処理を行うことでイミド化を完結させる第2の熱処理工程を得て、銅張積層板a-1を調整した。この際、第2の熱処理工程はトータル熱処理時間を20分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を30%とした(熱処理条件1)。
得られた銅張積層板a-1を用いて初期ピール強度及び加熱後ピール強度を測定した結果、それぞれ0.72kN/m及び0.65kN/mであり、銅箔からの厚み方向の距離0.5μmから3.0μm間のポリイミドの複屈折率(Δnxy-z)は0.152であった。また外観観察をした結果、発泡は見られなかった。各測定結果を表1に示す。
銅張積層板a-1について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、多層ポリイミドフィルムa-1を得た。得られた多層ポリイミドフィルムa-1について、CTE及び誘電特性、酸素透過度の評価を実施した結果、CTE;17.4ppm/K、誘電率;3.53、誘電正接;0.0035、酸素透過度;4.49×10-14 mol/(m・s・Pa)であった。各測定結果を表1及び表4に示す。
[実施例2]
第2の熱処理工程が、140℃から360℃まで段階的な熱処理であり、トータル熱処理時間を10分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を30%としたこと(熱処理条件2)以外は、実施例1と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-2並びに多層ポリイミドフィルムa-2を得た。各測定結果を表1及び表4に示す。
[実施例3]
第2の熱処理工程が、155℃から360℃まで段階的な熱処理を行った。この際、トータル熱処理時間を10分としたこと(熱処理条件3)以外は、実施例1と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-3並びに多層ポリイミドフィルムa-3を得た。各測定結果を表1及び表4に示す。
[実施例4]
第2の熱処理工程が、125℃から360℃まで段階的な熱処理であり、トータル熱処理時間を10分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を20%としたこと(熱処理条件4)以外は、実施例1と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-4並びに多層ポリイミドフィルムa-4を得た。各測定結果を表1及び表4に示す。
[実施例5]
第2の熱処理工程が、135℃から360℃まで段階的な熱処理であり、トータル熱処理時間を10分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を20%としたこと(熱処理条件5)以外は、実施例1と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-5並びに多層ポリイミドフィルムa-5を得た。各測定結果を表1及び表4に示す。
[実施例6]
第2層であるポリアミド酸溶液にポリアミド酸溶液4を使用したこと以外は、実施例2と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板b-1並びに多層ポリイミドフィルムb-1を得た。各測定結果を表1及び表4に示す。
[実施例7]
銅箔と接する第1層の硬化後の厚みが22.5μmであること以外は、実施例2と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-6並びに多層ポリイミドフィルムa-6を得た。各測定結果を表2及び表5に示す。
[実施例8]
銅箔と接する第1層としてポリアミド酸溶液としてポリアミド酸溶液6を使用したこと以外は、実施例2と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板c-1並びに多層ポリイミドフィルムc-1を得た。各測定結果を表2及び表5に示す。
[実施例9]
銅箔と接する第1層の硬化後の厚みが47.5μmであること、第2の熱処理工程が、
140℃から360℃まで段階的な熱処理であり、トータル熱処理時間を20分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を30%としたこと(熱処理条件6)以外は、実施例8と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板c-2並びに多層ポリイミドフィルムc-2を得た。各測定結果を表2及び表5に示す。
[参考例1]
第2の熱処理工程が、125℃から360℃まで段階的な熱処理であり、トータル熱処理時間を10分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を30%としたこと(熱処理条件7)以外は、実施例1と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-7並びに多層ポリイミドフィルムa-7を得た。各測定結果を表2及び表5に示す。
[参考例2]
第2の熱処理工程が、135℃から360℃まで段階的な熱処理であり、トータル熱処理時間を10分、トータル熱処理時間に対する熱処理開始温度から145℃までの熱処理時間割合を30%としたこと(熱処理条件8)以外は、実施例1と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-8並びに多層ポリイミドフィルムa-8を得た。各測定結果を表2及び表5に示す。
[参考例3]
銅箔と接する第1層に、ポリアミド酸溶液としてポリアミド酸溶液2を使用したこと以外は、実施例2と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板d-1並びに多層ポリイミドフィルムd-1を得た。各測定結果を表2及び表5に示す。
[比較例1]
銅箔1上に、銅箔と接する第1層としてポリアミド酸溶液3を硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一に塗布した後、120℃で1分間加熱乾燥して溶媒を除去した。第1層上に第2層であるポリアミド酸溶液1を硬化後の厚みが25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で2分間加熱乾燥して溶媒を除去した。さらに第2層上に第3層であるポリアミド酸溶液3を硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一に塗布を行い、第1の熱処理工程を実施した。
それ以降工程は、実施例2と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板e-1並びに多層ポリイミドフィルムe-1を得た。各測定結果を表3及び表6に示す。
[参考例4]
銅箔と接する第1層の硬化後の厚みが20μm、第2層の硬化後厚みを10μmとしたこと以外は、実施例6と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板b-2並びに多層ポリイミドフィルムb-2を得た。各測定結果を表3及び表6に示す。
[参考例5]
銅箔と接する第1層の硬化後の厚みが20μm、第2層の硬化後厚みを10μmとしたこと以外は、実施例2と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板a-9並びに多層ポリイミドフィルムa-9を得た。各測定結果を表3及び表6に示す。
[比較例2]
銅箔と接する第1層としてポリアミド酸溶液としてポリアミド酸溶液5を使用したこと以外は、実施例3と同様に銅張積層板、多層ポリイミドフィルムの作製を行い、銅張積層板f-1並びに多層ポリイミドフィルムf-1を得た。各測定結果を表3及び表6に示す。
なお、実施例2~実施例9、比較例1~比較例2及び参考例1~参考例5で作製した銅張積層板の評価結果を表1~表3に記載する。また多層ポリイミドフィルムの評価結果を表4~表6に記載する。
Figure 2022056865000002
Figure 2022056865000003
Figure 2022056865000004
Figure 2022056865000005
Figure 2022056865000006
Figure 2022056865000007
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。
10…金属層、20…ポリイミド絶縁層、21…非熱可塑性ポリイミド層,23…熱可塑性ポリイミド層、30…金属張積層板

Claims (7)

  1. 単層又は複数層からなるポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも片側の面に設けられている金属層と、を備えた金属張積層板であって、
    前記ポリイミド絶縁層が、前記金属層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層を有するとともに、ポリイミド絶縁層全体として下記の条件(i)~(iv);
    (i)酸素透過度が5.5×10-14mol/(m・s・Pa)以下であること;
    (ii)熱膨張係数が10~30ppm/Kの範囲内であること;
    (iii)10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下であること;
    (iv)厚みが20μm~100μmの範囲内であること;
    を満たすものであり、
    前記非熱可塑性ポリイミド層が、下記の条件(1)~(3);
    (1)前記非熱可塑性ポリイミドを構成する全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が50mo1%以上であること;
    (2)厚みが20μm~60μmの範囲内であること;
    (3)前記ポリイミド絶縁層全体の厚みに対する厚みの比率が70%以上であること;
    を満たすことを特徴とする金属張積層板。
  2. 前記非熱可塑性ポリイミド層は、更に、前記ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が、前記非熱可塑性ポリイミドを構成するジアミン成分から誘導される全ジアミン残基及び酸二無水物成分から誘導される全酸二無水物残基のそれぞれに対して20mo1%以上である請求項1に記載の金属張積層板。
  3. 前記非熱可塑性ポリイミド層は、更に、前記金属層との界面から厚み方向に0.5μm~3μmの範囲内における平均複屈折率(Δnxy-z_0.5-3.0)が0.147以下である請求項1又は2に記載の金属張積層板。
  4. 前記金属層の前記非熱可塑性ポリイミド層に接する面の十点平均粗さ(Rzjis)が1.2μm以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の金属張積層板。
  5. さらに、熱可塑性ポリイミドを含む熱可塑性ポリイミド層を有し、
    前記金属層と、前記非熱可塑性ポリイミド層と、前記熱可塑性ポリイミド層とがこの順に積層されている請求項1から4のいずれか1項に記載の金属張積層板。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の金属張積層板を製造する金属張積層板の製造方法であって、
    金属箔上に、前記非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液を直接塗布し、乾燥して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を熱処理することによって前記ポリアミド酸をイミド化し、前記非熱可塑性ポリイミド層を形成する工程と、
    を含み、
    前記熱処理の開始温度が125℃以上155℃以下の範囲内であり、最高温度が400℃以下であって、
    前記ポリイミド絶縁層全体の厚み(T)[μm]、全熱処理時間(M)[分]としたとき、T/Mが1.5~3.0の範囲内にあり、前記開始温度から145℃までの熱処理時間の割合が、前記全熱処理時間に対して35%以下であることを特徴とする金属張積層板の製造方法。
  7. 単層又は複数層からなるポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも片側の面に設けられている配線層と、を備えた回路基板であって、
    前記ポリイミド絶縁層が、前記配線層の少なくとも一層に接している非熱可塑性ポリイミドを含む非熱可塑性ポリイミド層を有するとともに、ポリイミド絶縁層全体として下記の条件(i)~(iv);
    (i)酸素透過度が5.5×10-14mol/(m・s・Pa)以下であること;
    (ii)熱膨張係数が10~30ppm/Kの範囲内であること;
    (iii)10GHzにおける誘電正接(Tanδ)が、0.004以下であること;
    (iv)厚みが20μm~100μmの範囲内であること;
    を満たすものであり、
    前記非熱可塑性ポリイミド層が、下記の条件(1)~(3);
    (1)前記非熱可塑性ポリイミドを構成する全モノマー成分から誘導される全モノマー残基に対し、ビフェニル骨格を有するモノマー残基の占める割合が50mo1%以上であること;
    (2)厚みが20μm~60μmの範囲内であること;
    (3)前記ポリイミド絶縁層全体の厚みに対する厚みの比率が70%以上であること;
    を満たすことを特徴とする回路基板。


JP2020164841A 2020-09-30 2020-09-30 金属張積層板、その製造方法及び回路基板 Active JP7486393B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020164841A JP7486393B2 (ja) 2020-09-30 金属張積層板、その製造方法及び回路基板
KR1020210129097A KR20220044147A (ko) 2020-09-30 2021-09-29 금속박 적층판, 그 제조방법 및 회로기판

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020164841A JP7486393B2 (ja) 2020-09-30 金属張積層板、その製造方法及び回路基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022056865A true JP2022056865A (ja) 2022-04-11
JP7486393B2 JP7486393B2 (ja) 2024-05-17

Family

ID=

Also Published As

Publication number Publication date
KR20220044147A (ko) 2022-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6936239B2 (ja) ポリイミドフィルム、銅張積層板及び回路基板
JP6908590B2 (ja) ポリアミド酸、熱可塑性ポリイミド、樹脂フィルム、金属張積層板及び回路基板
JP7053208B2 (ja) ポリイミドフィルム、金属張積層板及び回路基板
JP7453432B2 (ja) 金属張積層板及び回路基板
KR20230117670A (ko) 금속 피복 적층판 및 회로 기판
JP7248394B2 (ja) ポリイミドフィルム及び金属張積層体
JP2020104390A (ja) 金属張積層板、その製造方法及び回路基板
JP2022101484A (ja) ポリイミドフィルム、金属張積層板、その製造方法及び回路基板
JP7093282B2 (ja) 金属張積層板及び回路基板
JP7486393B2 (ja) 金属張積層板、その製造方法及び回路基板
JP2022056865A (ja) 金属張積層板、その製造方法及び回路基板
JP2021068847A (ja) 回路基板及びその製造方法
JP7453434B2 (ja) 金属張積層板及び回路基板
JP7453433B2 (ja) 金属張積層板及び回路基板
JP2023006387A (ja) ポリアミド酸、ポリイミド、ポリイミドフィルム、金属張積層板及び回路基板
JP2022149188A (ja) 金属張積層板及び回路基板
JP2022154637A (ja) ポリイミド、金属張積層板及び回路基板
JP2022151716A (ja) 回路基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230804

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240322

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240430