JP2022056860A - デファレンシャルの過昇温防止装置 - Google Patents

デファレンシャルの過昇温防止装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022056860A
JP2022056860A JP2020164833A JP2020164833A JP2022056860A JP 2022056860 A JP2022056860 A JP 2022056860A JP 2020164833 A JP2020164833 A JP 2020164833A JP 2020164833 A JP2020164833 A JP 2020164833A JP 2022056860 A JP2022056860 A JP 2022056860A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil temperature
threshold value
differential
value
threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020164833A
Other languages
English (en)
Inventor
裕樹 平脇
Yuki Hirawaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2020164833A priority Critical patent/JP2022056860A/ja
Publication of JP2022056860A publication Critical patent/JP2022056860A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】運転者に煩わしさを与えることなく、デファレンシャルの過昇温を確実に防止することが可能なデファレンシャルの過昇温防止装置を提供する。【解決手段】デファレンシャルの過昇温防止装置1を構成するTCU70は、リヤデフ47の油温が第1しきい値を超えている場合に、該油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値を積算して該乗算値の積算値(消費寿命)を取得する積算部701と、上記積算値が所定値(有限寿命)を超えたか否かを判定する判定部702と、上記積算値が所定値を超えていない場合には、第1しきい値よりも高い第2しきい値を選択し、上記積算値が所定値を超えている場合には、第2しきい値を、第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替える持替部703と、油温が第2しきい値以上である場合、及び、油温が第3しきい値以上である場合に、油温が上昇していることを提示する提示部704とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、デファレンシャルの過昇温防止装置に関する。
エンジン等で発生した駆動力は変速機によって変換された後、デファレンシャルを介して車両の駆動輪に伝達される。デファレンシャルは、ハイポイドギヤ等を含んで構成され、駆動軸の回転数を減速するとともに、車両旋回時に、内側の車輪(旋回内輪)と外側の車輪(旋回外輪)との速度差(回転差)を許容しつつ内外輪に駆動力を振り分けることにより、車両の操縦性を向上させる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、デファレンシャルを構成するギヤ(特にハイポイドギヤ)は、組み立て時や工場出荷時等の新品状態では歯面の慣らしや馴染みが付いていないため、ギヤ摺動部の発熱による昇温が大きく、連続して高負荷の運転状態(例えばトーイング等)が続くと高温になりやすい。
デファレンシャルが高温になり、オイルも高温になると、オイルの粘度が低下して油膜切れが起こり、ギヤ歯面の異常摩耗やスコーリングが発生するとともに、オイルの早期劣化による潤滑性能の低下や樹脂・ゴム部品の高温劣化による寿命低下を招くおそれがある。
そのため、デファレンシャルの油温をモニタリング(測定)するための油温センサを設け、油温が予め定められたしきい値を超えた場合に(すなわち高油温時に)、デファレンシャルを保護する観点から、警告灯を点灯させて運転者に注意を促す機能を有するものが知られている。
特開2003-28279号公報
上述したように、使用開始後、デファレンシャル(特にハイポイドギヤ歯面)の初期馴染みが付くまでは、デファレンシャル(特にギヤ摺動部)の発熱による昇温が大きく、連続して高負荷の運転状態が続くと高温になりやすい。しかしながら、デファレンシャル(各部品)は、高油温環境化での熱劣化に対する有限寿命を有しており、高油温になったとしても即故障・破損に至るわけではない。
そのため、特に、使用開始後、例えば、初期馴染みが付くまでに、警告灯の不必要な点灯が生じるおそれがあった。また、不必要な点灯にもかかわらず、例えば、トーイング等の高負荷運転を控える必要や、停車して油温が下がるのを待つ必要が生じるおそれ、すなわち、運転者に煩わしさを与えるおそれがあった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、運転者に煩わしさを与えることなく、デファレンシャルの過昇温を確実に防止することが可能なデファレンシャルの過昇温防止装置を提供することを目的とする。
本発明に係るデファレンシャルの過昇温防止装置は、デファレンシャルの油温を検出する油温検出手段と、油温検出手段により検出された油温が第1しきい値を超えている場合に、該油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値を積算して該乗算値の積算値を取得する積算手段と、積算手段により取得された上記積算値が所定値を超えたか否かを判定する判定手段と、判定手段により上記積算値が所定値を超えていないと判定された場合には、第1しきい値よりも高い第2しきい値を選択し、上記積算値が所定値を超えていると判定された場合には、第2しきい値を、第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替える持替手段と、持替手段により、第2しきい値が選択された場合には、油温が第2しきい値以上である場合に、油温が上昇していることを提示し、持替手段により、第3しきい値に持ち替えられた場合には、油温が第3しきい値以上である場合に、油温が上昇していることを提示する提示手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るデファレンシャルの過昇温防止装置によれば、デファレンシャルの油温が第1しきい値を超えている場合に、該油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値が積算されて該乗算値の積算値が取得されるとともに、上記積算値が所定値を超えたか否かが判定され、上記積算値が所定値を超えていないと判定された場合には、第1しきい値よりも高い第2しきい値が選択され、上記積算値が所定値を超えていると判定された場合には、第2しきい値が、第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替えられる。そして、第2しきい値が選択された場合には、油温が第2しきい値以上である場合に、油温が上昇していることが提示され、第3しきい値に持ち替えられた場合には、油温が第3しきい値以上である場合に、油温が上昇していることが提示される。そのため、上記積算値が所定値を超えるまでは、第1しきい値よりも高い第2しきい値が選択されることにより、不必要な情報提示(警告)が行われることを防止することができ(すなわち、真に必要なときに限り運転者にその旨を提示することができ)、運転者に煩わしさを与えることを防止することができる。一方、上記積算値が所定値を超えた後は、第2しきい値が、第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替えられるため、より確実に、油温(すなわちデファレンシャルの温度)が過度に上昇していること(又は、油温が過度に上昇するおそれがあること)を運転者に認識させることができる。その結果、運転者に煩わしさを与えることなく、デファレンシャルの過昇温を確実に防止することが可能となる。
また、本発明に係るデファレンシャルの過昇温防止装置は、油温が第2しきい値以上である場合、及び、油温が第3しきい値以上である場合に、パワーユニットの出力を低減するように指示を出す出力低減指示手段をさらに備えることが好ましい。
この場合、油温が第2しきい値以上である場合、及び、油温が第3しきい値以上である場合に、パワーユニットの出力が低減される。すなわち、デファレンシャルの使用状況に応じて、真に必要なときに限り、パワーユニットの出力が低減される。そのため、運転者に煩わしさを与えることなく、デファレンシャルの過昇温をより確実に防止することが可能となる。
本発明に係るデファレンシャルの過昇温防止装置は、デファレンシャルが新品に交換されたときに上記積算値をリセットするリセット手段をさらに備えることが好ましい。
このようにすれば、デファレンシャルが新品に交換されたときに上記積算値をリセットすること(すなわち初期状態に戻すこと)ができる。よって、デファレンシャルの交換後も、デファレンシャルの過昇温を防止することが可能となる。
本発明に係るデファレンシャルの過昇温防止装置では、上記デファレンシャルが、リヤデファレンシャルであることが好ましい。
このようにすれば、リヤデファレンシャルに好適に適用することができ、運転者に煩わしさを与えることなく、リヤデファレンシャルの過昇温を確実に防止することができる。
本発明によれば、運転者に煩わしさを与えることなく、デファレンシャルの過昇温を確実に防止することが可能となる。
実施形態に係るデファレンシャルの過昇温防止装置、及び、該デファレンシャルの過昇温防止装置が適用されたリヤデファレンシャルを備える車両の構成を示すブロック図である。 実施形態に係るデファレンシャルの過昇温防止装置による、リヤデファレンシャルの過昇温防止処理の処理手順を示すフローチャートである。 実施形態に係るデファレンシャルの過昇温防止装置の動作(油温と、各しきい値と、油温と時間との乗算値の積算値(消費寿命)との関係)を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、特に区別する必要がある場合を除いて、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、第1実施形態に係るデファレンシャルの過昇温防止装置1の構成について説明する。図1は、デファレンシャルの過昇温防止装置1、及び、該デファレンシャルの過昇温防止装置1が適用されたリヤデファレンシャル47を備えるAWD(All Wheel Drive:全輪駆動)車4の構成を示すブロック図である。
エンジン20(特許請求の範囲に記載のパワーユニットに相当)は、どのような形式のものでもよいが、例えば水平対向型の筒内噴射式4気筒ガソリンエンジンである。エンジン20では、エアクリーナ(図示省略)から吸入された空気が、吸気管に設けられた電子制御式スロットルバルブ(以下、単に「スロットルバルブ」ともいう)85により絞られ、インテークマニホールドを通り、エンジン20に形成された各気筒に吸入される。ここで、エアクリーナから吸入された空気の量はエアフローメータにより検出される。さらに、スロットルバルブ85には、該スロットルバルブ85の開度を検出するスロットル開度センサ83が配設されている。各気筒には、燃料を噴射するインジェクタが取り付けられている。また、各気筒には混合気に点火する点火プラグ、及び該点火プラグに高電圧を印加するイグナイタ内蔵型コイルが取り付けられている。エンジン20の各気筒では、吸入された空気とインジェクタによって噴射された燃料との混合気が点火プラグにより点火されて燃焼する。燃焼後の排気ガスは排気管を通して排出される。
上述したエアフローメータ、スロットル開度センサ83に加え、エンジン20のカムシャフト近傍には、エンジン20の気筒判別を行うためのカム角センサ81が取り付けられている。また、エンジン20のクランクシャフト近傍には、クランクシャフトの位置を検出するクランク角センサ82が取り付けられている。これらのセンサは、後述するエンジン・コントロールユニット(以下「ECU」という)80に接続されている。また、ECU80には、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ84、及び、エンジン20の冷却水の温度を検出する水温センサ等の各種センサも接続されている。
エンジン20の出力軸(クランク軸)21には、クラッチ機能とトルク増幅機能を持つトルクコンバータ22、及び、前後進切替機構31を介して、エンジン20からの駆動力を変換して出力する無段変速機30が接続されている。
トルクコンバータ22は、主として、ポンプインペラ23、タービンランナ24、及びステータ25から構成されている。出力軸21に接続されたポンプインペラ23がオイルの流れを生み出し、ポンプインペラ23に対向して配置されたタービンランナ24がオイルを介してエンジン20の動力を受けて出力軸を駆動する。両者の間に位置するステータ25は、タービンランナ24からの排出流(戻り)を整流し、ポンプインペラ23に還元することでトルク増幅作用を発生させる。
また、トルクコンバータ22は、入力と出力とを直結状態にするロックアップクラッチ26を有している。トルクコンバータ22は、ロックアップクラッチ26が締結されていないとき(非ロックアップ状態のとき)はエンジン20の駆動力をトルク増幅して無段変速機30に伝達し、ロックアップクラッチ26が締結されているとき(ロックアップ時)はエンジン20の駆動力を無段変速機30に直接伝達する。トルクコンバータ22を構成するタービンランナ24の回転数(タービン回転数)は、タービン回転センサ79により検出される。検出されたタービン回転数は、後述するトランスミッション・コントロールユニット(以下「TCU」という)70に出力される。
前後進切替機構31は、駆動輪の正転と逆転(AWD車4の前進と後進)とを切り替えるものである。前後進切替機構31は、主として、ダブルピニオン式の遊星歯車列(図示省略)、前進クラッチ及び後進ブレーキを備えている。前後進切替機構31では、前進クラッチ、及び後進ブレーキそれぞれの状態を制御することにより、エンジン出力の伝達経路を切り替えることが可能に構成されている。
無段変速機30は、前後進切替機構31を介してトルクコンバータ22のタービン軸と接続されるプライマリ軸32と、該プライマリ軸32と平行に配設されたセカンダリ軸37とを有している。プライマリ軸32には、プライマリプーリ34が設けられている。プライマリプーリ34は、プライマリ軸32に接合された固定シーブ34aと、該固定シーブ34aに対向して、プライマリ軸32の軸方向に摺動自在に装着された可動シーブ34bとを有し、それぞれのシーブ34a,34bのコーン面間隔、すなわちプーリ溝幅を変更できるように構成されている。一方、セカンダリ軸37には、セカンダリプーリ35が設けられている。セカンダリプーリ35は、セカンダリ軸37に接合された固定シーブ35aと、該固定シーブ35aに対向して、セカンダリ軸37の軸方向に摺動自在に装着された可動シーブ35bとを有し、プーリ溝幅を変更できるように構成されている。
プライマリプーリ34とセカンダリプーリ35との間には駆動力を伝達するチェーン36が掛け渡されている。プライマリプーリ34及びセカンダリプーリ35の溝幅を変化させて、各プーリ34,35に対するチェーン36の巻き付け径の比率(プーリ比)を変化させることにより、変速比が無段階に変更される。ここで、チェーン36のプライマリプーリ34に対する巻き付け径をRpとし、セカンダリプーリ35に対する巻き付け径をRsとすると、変速比iは、i=Rs/Rpで表される。よって、変速比iは、プライマリプーリ回転数Npをセカンダリプーリ回転数Nsで除算する(i=Np/Ns)ことにより求められる。
ここでプライマリプーリ34(可動シーブ34b)には油圧室34cが形成されている。一方、セカンダリプーリ35(可動シーブ35b)には油圧室35cが形成されている。プライマリプーリ34、セカンダリプーリ35それぞれの溝幅は、プライマリプーリ34の油圧室34cに導入されるプライマリ油圧と、セカンダリプーリ35の油圧室35cに導入されるセカンダリ油圧とを調節することにより設定・変更される。
無段変速機30のセカンダリ軸37は、一対のギヤ(リダクションドライブギヤ、リダクションドリブンギヤ)からなるリダクションギヤ38を介して、カウンタ軸39につながれており、無段変速機30で変換された駆動力は、リダクションギヤ38を介して、カウンタ軸39に伝達される。カウンタ軸39は、一対のギヤ(カウンタドライブギヤ、カウンタドリブンギヤ)からなるカウンタギヤ40を介して、フロントドライブシャフト43につながれている。カウンタ軸39に伝達された駆動力は、カウンタギヤ40、及び、フロントドライブシャフト43を介してフロントデファレンシャル(以下「フロントデフ」ともいう)44に伝達される。
フロントデフ44は、例えば、ハイポイドギヤ44aを介して駆動力が入力されるベベルギヤ式の差動装置である。フロントデフ44からの駆動力は、左前輪ドライブシャフト45Lを介して左前輪10FLに伝達されるとともに、右前輪ドライブシャフト45Rを介して右前輪10FRに伝達される。
一方、上述したカウンタ軸39上のカウンタギヤ40(カウンタドライブギヤ)の後段には、リヤデファレンシャル47に伝達される駆動力を調節するトランスファクラッチ41が介装されている。トランスファクラッチ41は、4輪の駆動状態(例えば前輪10FL,10FRのスリップ状態等)やエンジントルクなどに応じて締結力(すなわち後輪(従駆動輪)10RL,10RRへのトルク分配率)が制御される。よって、カウンタ軸39に伝達された駆動力は、トランスファクラッチ41の締結力に応じて分配され、後輪10RL,10RR側にも伝達される。
より具体的には、カウンタ軸39の後端は、一対のギヤ(トランスファドライブギヤ、トランスファドリブンギヤ)からなるトランスファギヤ42を介して、車両後方へ延在するプロペラシャフト46とつながれている。よって、カウンタ軸39に伝達され、トランスファクラッチ41によって調節(分配)された駆動力は、トランスファギヤ42(トランスファドリブンギヤ)から、プロペラシャフト46を介してリヤデファレンシャル(以下「リヤデフ」ともいう)47に伝達される。
リヤデフ47は、例えば、ハイポイドギヤ47aを介して駆動力が入力されるベベルギヤ式の差動装置である。リヤデフ47には左後輪ドライブシャフト48L及び右後輪ドライブシャフト48Rが接続されている。リヤデフ47からの駆動力は、左後輪ドライブシャフト48Lを介して左後輪10RLに伝達されるとともに、右後輪ドライブシャフト48Rを介して右後輪10RRに伝達される。
上述したように駆動力伝達系が構成されることにより、例えば、セレクトレバーがDレンジに操作された場合には、エンジン出力が無段変速機30のプライマリ軸32に入力される。無段変速機30により変換された駆動力は、セカンダリ軸37から出力され、リダクションギヤ38、カウンタ軸39、カウンタギヤ40を介してフロントドライブシャフト43に伝達される。そして、フロントデフ44によって駆動力が左右に分配され、左右の前輪10FL,10FRに伝達される。したがって、左右の前輪10FL,10FRは、AWD車4が走行状態にあるときには、常に駆動される。
一方、カウンタ軸39に伝達された駆動力の一部は、トランスファクラッチ41、及びトランスファギヤ42を介してプロペラシャフト46に伝達される。ここで、トランスファクラッチ41に所定のクラッチトルクが付与されると、そのクラッチトルクに応じて分配された駆動力がプロペラシャフト46に出力される。そして、リヤデフ47を介して駆動力が後輪10RL,10RRにも伝達される。これにより、AWD車4では、FFベースのパートタイム式AWD車としての機能が発揮される。
各車輪10FR~10RR(以下、すべての車輪10FR~19RRを総称して車輪10ということもある)それぞれには、車輪10FR~10RRを制動するブレーキ11FR~11RR(以下、すべてのブレーキ11FR~11RRを総称してブレーキ11ということもある)が取り付けられている。また、各車輪10FR~10RRそれぞれには、車輪回転速度を検出する車輪速センサ12FR~12RR(以下、すべての車輪速センサ12FR~12RRを総称して車輪速センサ12ということもある)が取り付けられている。
車輪速センサ12は、車輪10とともに回転するロータ(ギヤロータ、又は磁気ロータ)による磁界の変化を検出する非接触型センサであり、例えば、ロータ回転をホール素子やMR素子で検出する半導体方式が好適に用いられる。
また、このAWD車4には、例えば、オーバースピードでコーナーに侵入した際や、急激なハンドル操作などによって車両姿勢(挙動)が乱れた際に、横滑りを防ぎ、優れた走行安定性を確保するVDCコントロールユニット(以下「VDCU」という)50が搭載されている。
無段変速機30を変速させるための油圧、すなわち、上述したプライマリ油圧及びセカンダリ油圧は、コントロールバルブ60によってコントロールされる。コントロールバルブ60は、スプールバルブと該スプールバルブを動かすソレノイドバルブ(電磁バルブ)を用いてコントロールバルブ60内に形成された油路を開閉することで、オイルポンプ62から吐出された油圧を調節して、プライマリプーリ34の油圧室34c及びセカンダリプーリ35の油圧室35cに供給する。同様に、コントロールバルブ60は、スプールバルブと該スプールバルブを動かすソレノイドバルブ(電磁バルブ)61を用いてコントロールバルブ60内に形成された油路を開閉することで、オイルポンプ62から吐出された油圧を調節して、トランスファクラッチ41に各クラッチを締結/解放するための油圧を供給する。ここで、トランスファクラッチ41に供給する油圧を調節するソレノイドバルブ61としては、例えば、印加電圧のデューティ比に応じて駆動量を制御できるデューティソレノイドなどが用いられる。
無段変速機30の変速制御は、TCU70によって実行される。すなわち、TCU70は、上述したコントロールバルブ60を構成するソレノイドバルブ(電磁バルブ)の駆動を制御することにより、プライマリプーリ34の油圧室34c及びセカンダリプーリ35の油圧室35cに供給する油圧を調節して、無段変速機30の変速比を変更する。同様に、TCU70は、上述したコントロールバルブ60を構成するソレノイドバルブ61の駆動を制御することにより、トランスファクラッチ41に供給する油圧を調節して、後輪10RL,10RRへ伝達される駆動力の分配比率を調節する。
上述したように、無段変速機30の変速制御及びトランスファクラッチ41の締結・解放制御(駆動力配分制御)などはTCU70によって実行される。ここで、TCU70には、例えばCAN(Controller Area Network)100を介して、エンジン20を総合的に制御するECU80、VDCU50、及び、メータ・コントロールユニット(以下「MCU」という)90等と相互に通信可能に接続されている。また、CAN100には、例えば、コネクタを介して、外部診断機95を接続できるように構成されている。
TCU70、ECU80、VDCU50、及び、MCU90は、それぞれ、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するEEPROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、バッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び、入出力I/F等を有して構成されている。
ECU80では、カム角センサ81の出力から気筒が判別され、クランク角センサ82の出力によって検出されたクランクシャフトの回転位置の変化からエンジン回転数が求められる。また、ECU80では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、アクセルペダル開度、混合気の空燃比、及び、水温等の各種情報が取得される。そして、ECU80は、取得したこれらの各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、並びにスロットルバルブ85等の各種デバイスを制御することによりエンジン20を総合的に制御する。また、ECU80では、例えば、吸入空気量とエンジン回転数とに基づいて、エンジン20の出力トルクが求められる。
ECU80は、CAN100を介して、エンジン20の出力トルクを低減する出力ダウン要求(詳細は後述する)をTCU70から受信する。そして、ECU80は、TCU70から受信した出力ダウン要求に基づいて、リヤデフ47の温度が過度に上昇しないように、エンジン20の出力トルクを低減する。より具体的には、ECU80は、出力ダウン要求に応じて、例えば、スロットルバルブ85の開度を閉じ側に制御(補正)して、エンジン20の出力トルクを低減する。
また、ECU80は、CAN100を介して、エンジン回転数、エンジントルク(出力トルク)、アクセルペダル開度、及び、エンジン水温(冷却水温度)等の各種情報をTCU70に送信する。
VDCU50には、4つの車輪速センサ12FL~12RR、操舵角センサ16、前後加速度(前後G)センサ55、横加速度(横G)センサ56、及び、ブレーキスイッチ57などが接続されている。車輪速センサ12FL~12RRは、上述したように、車輪10FL~10RRの中心に取り付けられた歯車の回転を磁気ピックアップ等によって検出することにより、車輪10FL~10RRの回転状態(車輪10FL~10RRの回転回数を含む)を検出する。前後加速度センサ55は、AWD車4に作用する前後方向の加速度(以下、単に「加速度」ともいう)を検出し、横加速度センサ56は、AWD車4に作用する横方向の加速度を検出する。また、操舵角センサ16は、ピニオンシャフトの回転角を検出することにより、操舵輪である前輪10FL,10FRの転舵角(すなわちステアリングホイール15の操舵角)を検出する。
VDCU50は、ブレーキペダルの操作量(踏み込み量)に応じてブレーキアクチュエータを駆動して車両を制動するとともに、車両挙動を各種センサ(例えば車輪速センサ12、操舵角センサ16、加速度センサ55,56、ヨーレートセンサ等)により検知し、自動加圧によるブレーキ制御とエンジン20のトルク制御により、横滑りを抑制し、旋回時の車両安定性を確保する。すなわち、VDCU50は、例えば、オーバースピードでコーナーに侵入した際や、急激なハンドル操作などによって車両姿勢(挙動)が乱れた際に、横滑りを防ぎ、優れた走行安定性を確保する。より具体的には、VDCU50は、車両姿勢(挙動)等を上記センサ等によって検知し、オーバーステアと判断するとコーナー外側の前輪10FL,10FRにブレーキをかけ、逆にアンダーステアと判断した場合は、エンジン出力を落とすとともにコーナー内側の後輪10RL,10RRにブレーキをかける等のコントロールを、運転状況に応じて自動的に制御する。なお、VDCU50は、上記VDC(横滑り防止)機能に加えて、ABS(アンチロックブレーキ)機能や、TCS(トラクションコントロール)機能も有している。
VDCU50は、検出した各車輪10の車輪速(各車輪10の回転回数)、操舵角、前後加速度、横加速度、及び、制動情報(ブレーキング情報)等を、CAN100を介してTCU70に送信する。
MCU90は、例えば、コンビネーションメータ内やダッシュボードの上部などに配設されたLCDディスプレイ等からなる表示部91(マルチファンクションディスプレイ)と接続されており、該表示部91を駆動して、例えば、車両4やエンジン20等の状態や各種情報を運転者に提示する。特に、MCU90は、TCU70から送信された提示情報(詳細は後述する)を受信した際に、表示部91を駆動して、例えば、リヤデフ47の温度が過度に上昇している旨(又は、温度が過度に上昇するおそれがある旨)を提示(警告灯を点灯又は点滅させたり、文字等で表示)する。これにより、運転者の注意を喚起し、高負荷連続運転を抑制するように促す。なお、同時に音声等を出力するようにしてもよい。
外部診断機95は、リヤデフ47が新品に交換されたときに、使用を開始してからのリヤデフ47の油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値の積算値(リヤデフ47の消費寿命、詳細は後述する)をリセット(初期化)するリセット情報をCAN100を介してTCU70に送信する。
例えば、車両のディーラでは、リヤデフ47を新品に交換したときに、外部診断機95を用いて、リヤデフ47の油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値の積算値(消費寿命)をリセットする。なお、TCU70は、リセット情報を受信したときに、メモリに記憶されている上記積算値(消費寿命)の値をリセット(すなわちゼロに初期化)する(詳細は後述する)。
TCU70には、上述したタービン回転センサ79に加えて、リヤデフ47の油温を検出する油温センサ76(特許請求の範囲に記載の油温検出手段に相当)、セカンダリ軸(出力軸)37の回転数を検出する出力軸回転センサ77、シフトレバーの選択位置を検出するレンジスイッチ78等が接続されている。
また、上述したように、TCU70は、CAN100を介して、VDCU50から、各車輪10の車輪速(各車輪10の回転回数)、操舵角、前後加速度、横加速度、及び、制動情報等を受信するとともに、ECU80から、エンジン回転数、エンジントルク(出力トルク)、アクセルペダル開度、及び、エンジン水温等の情報を受信する。また、TCU70は、CAN100を介して、外部診断機95から上記積算値をリセットするリセット情報を受信する。一方、TCU70は、CAN100を介して、出力ダウン要求をECU80に送信するとともに、提示情報をMCU90に送信する(詳細は後述する)。
TCU70は、変速マップに従い、AWD車4の運転状態(例えばアクセル開度及び車速等)に応じて自動で変速比を無段階に変速する。なお、変速マップはTCU70内のEEPROMなどに格納されている。また、TCU70は、上述した各種センサ等から取得した各種情報に基づいて、トランスファクラッチ制御(駆動力配分制御)を実行する。
特に、TCU70は、運転者に煩わしさを与えることなく、リヤデフ47の過昇温を確実に防止するする機能を有している。そのため、TCU70は、積算部701、判定部702、持替部703、提示部704、出力低減指示部705、及び、リセット部706を機能的に有している。TCU70では、EEPROM等に記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、積算部701、判定部702、持替部703、提示部704、出力低減指示部705、及び、リセット部706の各機能が実現される。
積算部701は、リヤデフ47の使用が開始されてから、油温センサ76により検出されたリヤデフ47の油温が第1しきい値(例えば120℃)を超えている場合に、該油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値を積算して該乗算値の積算値(Σ(油温×時間))(以下「消費寿命」ということもある)を取得する。すなわち、積算部701は、特許請求の範囲に記載の積算手段として機能する。なお、取得された上記積算値(消費寿命)は、判定部702に出力される。
判定部702は、積算部701により取得された積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えたか否かを判定する。すなわち、判定部702は、特許請求の範囲に記載の判定手段として機能する。なお、判定部702による判定結果は、持替部703に出力される。
持替部703は、判定部702により上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えていないと判定された場合には、第1しきい値よりも高い第2しきい値(例えば150℃)をしきい値として選択し、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えていると判定された場合には、第2しきい値を、第1しきい値以下の第3しきい値(例えば110℃)に持ち替える。すなわち、持替部703は、特許請求の範囲に記載の持替手段として機能する。なお、持替部703により選択されたしきい値(第2しきい値又は第3しきい値)は、提示部704、及び、出力低減指示部705に出力される。
提示部704は、持替部703により、第2しきい値が選択された場合には、油温が第2しきい値以上である場合に、運転者に対して、リヤデフ47の油温が過度に上昇している旨(又は、油温が過度に上昇するおそれがある旨)を提示するための提示情報を生成し、CAN100を介してMCU90に送信する。また、提示部704は、持替部703により、しきい値が第3しきい値に持ち替えられた場合には、油温が第3しきい値以上である場合に、運転者に対して、リヤデフ47の油温が過度に上昇している旨(又は、油温が過度に上昇するおそれがある旨)を提示するための提示情報を生成し、CAN100を介してMCU90に送信する。なお、上述したように、MCU90は、提示情報を受け取ったときに、表示部91を駆動して、例えば、リヤデフ47の温度が過度に上昇している旨(又は、過度に上昇するおそれがある旨)を提示(警告灯の点灯や文字等で表示)する。すなわち、提示部704、及び、MCU90、表示部91は、特許請求の範囲に記載の提示手段として機能する。
出力低減指示部705は、リヤデフ47の油温が第2しきい値以上である場合、及び、油温が第3しきい値以上である場合に、エンジン20の出力を低減するように、CAN100を介して、出力ダウン要求(指示)をECU80に送信する。なお、上述したように、ECU80は、出力ダウン要求を受け取ったときに、例えば、スロットルバルブ85の開度を閉じ側に制御(補正)して、エンジン20の出力トルクを低減する。すなわち、出力低減指示部705、及び、ECU80は、特許請求の範囲に記載の出力低減指示手段として機能する。
リセット部706は、リヤデフ47が新品に交換され、外部診断機95から、リセット情報を受信した場合に、メモリに記憶されている上記積算値(消費寿命)をリセット(初期化)する。すなわち、外部診断機95、及び、リセット部706は、特許請求の範囲に記載のリセット手段として機能する。なお、TCU70が交換されたときは、上記積算値(消費寿命)は引き継がれる。すなわち、外部診断機95を介してデータが移される。
次に、図2及び図3を併せて参照しつつ、デファレンシャルの過昇温防止装置1の動作について説明する。図2は、デファレンシャルの過昇温防止装置1による、リヤデフ47aの過昇温防止処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図3は、デファレンシャルの過昇温防止装置1の動作(油温と、各しきい値と、油温と時間との乗算値の積算値(消費寿命)との関係)を説明するための図である。本処理は、主としてTCU70において、所定のタイミングで繰り返して実行される。
ステップS100では、リヤデフ47の油温が読み込まれる。次に、ステップS102では、リヤデフ47の有限寿命があることを示すフラグがリセット(ゼロ)されている(すなわち、有限寿命がなくなっている)か否かについての判断が行われる。ここで、リヤデフ47の有限寿命があることを示すフラグがリセット(ゼロ)されている(すなわち、有限寿命がなくなっている)場合(図3の時刻t2~参照)には、ステップS116に処理が移行する。一方、リヤデフ47の有限寿命があることを示すフラグがセット(1)されている(すなわち、有限寿命がある)とき(図3の時刻t0~t2参照)には、ステップS104に処理が移行する。なお、有限寿命があることを示すフラグは、初期状態ではセット(1)されている。
ステップS104では、リヤデフ47の油温が第1しきい値(例えば120℃)以上であるか否かについての判断が行われる。ここで、油温が第1しきい値以上である場合(図3の時刻t1~t2参照)には、ステップS106に処理が移行する。一方、油温が第1しきい値未満のとき(図3の時刻t0~t1参照)には、本処理から一旦抜ける。
ステップS106では、油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値が積算されて該乗算値の積算値(消費寿命)が取得(更新)される。
続いて、ステップS108では、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えたか否かについての判断が行われる。ここで、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えている場合(図3の時刻t2参照)には、ステップS114において、リヤデフ47の有限寿命があることを示すフラグがリセット(0)された後、ステップS116に処理が移行する。一方、積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えていないとき(図3の時刻t0~t2参照)には、ステップS110に処理が移行する。
ステップS110では、リヤデフ47の油温が第2しきい値(例えば150℃)以上であるか否かについての判断が行われる。ここで、油温が第2しきい値以上である場合には、ステップS112に処理が移行する。一方、油温が第2しきい値未満のときには、本処理から一旦抜ける。
ステップS112では、例えば、リヤデフ47の温度が過度に上昇している旨(又は、過度に上昇するおそれがある旨)を提示するための提示情報が生成され、CAN100を介してMCU90に送信される。そして、MCU90及び表示部91により、リヤデフ47の温度が過度に上昇している旨(又は、過度に上昇するおそれがある旨)が提示される。また、ECU80に対して、エンジン20の出力ダウン要求が出力される。そして、ECU80により、例えば、スロットルバルブ85の開度が閉じ側に制御され、エンジン20の出力が低減される。その後、本処理から一旦抜ける。
リヤデフ47の有限寿命があることを示すフラグがリセット(0)されている場合、ステップS116では、リヤデフ47の油温が第3しきい値(例えば110℃)以上であるか否かについての判断が行われる。ここで、油温が第3しきい値以上である場合(時刻t2~t3、t4~t5)には、ステップS118に処理が移行する。一方、油温が第3しきい値未満のとき(時刻t3~t4、t5~)には、本処理から一旦抜ける。
ステップS118では、例えば、リヤデフ47の温度が過度に上昇している旨(又は、過度に上昇するおそれがある旨)を提示するための提示情報が生成され、CAN100を介してMCU90に送信される。そして、MCU90及び表示部91により、リヤデフ47の温度が過度に上昇している旨(又は、過度に上昇するおそれがある旨)が提示される。また、ECU80に対して、エンジン20の出力ダウン要求が出力される。そして、ECU80により、例えば、スロットルバルブ85の開度が閉じ側に制御され、エンジン20の出力が低減される。その後、本処理から一旦抜ける。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、リヤデフ47の油温が第1しきい値を超えている場合に、該油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値が積算されて該乗算値の積算値(消費寿命)が取得されるとともに、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えたか否かが判定され、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えていないと判定された場合には、第1しきい値よりも高い第2しきい値が選択され、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えていると判定された場合には、第2しきい値が、第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替えられる。そして、第2しきい値が選択された場合には、油温が第2しきい値以上である場合に、運転者に対して、油温が上昇していることが提示され、第3しきい値に持ち替えられた場合には、油温が第3しきい値以上である場合に、運転者に対して、油温が上昇していることが提示される。そのため、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えるまでは、第1しきい値よりも高い第2しきい値が選択されることにより、不必要な情報提示(警告)が行われることを防止することができ(すなわち、真に必要なときに限り運転者にその旨を提示することができ)、運転者に煩わしさを与えることを防止することができる。一方、上記積算値(消費寿命)が所定値(有限寿命)を超えた後は、第2しきい値が、第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替えられるため、より確実に、油温(すなわちリヤデフ47の温度)が上昇していること(及び/又は、上昇するおそれがあること)を運転者に認識させることができる。その結果、運転者に煩わしさを与えることなく、リヤデフ47の過昇温を確実に防止することが可能となる。また、高油温によるギヤ歯面の損傷、及び、オイルの早期劣化や樹脂・ゴム部品の寿命低下を防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、リヤデフ47の油温が第2しきい値以上である場合、及び、油温が第3しきい値以上である場合に、エンジン20の出力が低減される。すなわち、リヤデフ47の使用状況に応じて、真に必要なときに限り、エンジン20の出力が低減される。そのため、運転者に煩わしさを与えることなく、リヤデフ47の過昇温をより確実に防止することが可能となる。
本実施形態によれば、リヤデフ47が新品に交換されたときに上記積算値(消費寿命)がリセットされる。そのため、リヤデフ47が新品に交換されたときに上記積算値(消費寿命)をリセットすること(すなわち初期状態に戻すこと)ができる。よって、リヤデフ47の交換後も、リヤデフ47の過昇温を防止することが可能となる
特に、本実施形態によれば、昇温しやすいリヤデフ47に好適に適用することができ、運転者に煩わしさを与えることなく、リヤデフ47の過昇温を確実に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をリヤデファレンシャル47に適用したが、リヤデファレンシャル47に代えて、又は、加えて、フロントデファレンシャル44に適用してもよい。
また、上記実施形態では、ガソリンエンジン20を駆動力源とする車両4を例にして説明したが、例えば、エンジンと電動モータとを駆動力源とするHEV(ハイブリッド車)やPHEV、及び、電動モータを駆動力源とするEV(電気自動車)等にも適用することができる。
さらに、上記実施形態では、エンジン20を制御するECU80と、無段変速機30を制御するTCU70とを別々のハードウェアで構成したが、一体のハードウェアで構成してもよい。
1 デファレンシャルの過昇温防止装置
4 AWD車
10FL,10FR,10RL,10RR 車輪
12FL,12FR,12RL,12RR 車輪速センサ
20 エンジン
22 トルクコンバータ
30 無段変速機
41 トランスファクラッチ
44 フロントデファレンシャル
44a ハイポイドギヤ
47 リヤデファレンシャル
47a ハイポイドギヤ
50 VDCU
60 コントロールバルブ
70 TCU
701 積算部
702 判定部
703 持替部
704 提示部
705 出力低減指示部
706 リセット部
76 油温センサ
77 出力軸回転センサ
78 レンジスイッチ
79 タービン回転センサ
80 ECU
81 カム角センサ
82 クランク角センサ
83 スロットル開度センサ
84 アクセル開度センサ
85 電子制御式スロットルバルブ
90 MCU
91 表示部
95 外部診断機
100 CAN

Claims (4)

  1. デファレンシャルの油温を検出する油温検出手段と、
    前記油温検出手段により検出された油温が第1しきい値を超えている場合に、該油温と、該油温が第1のしきい値を超えている時間との乗算値を積算して該乗算値の積算値を取得する積算手段と、
    前記積算手段により取得された前記積算値が所定値を超えたか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記積算値が前記所定値を超えていないと判定された場合には、前記第1しきい値よりも高い第2しきい値を選択し、前記積算値が前記所定値を超えていると判定された場合には、前記第2しきい値を、前記第1しきい値以下の第3しきい値に持ち替える持替手段と、
    前記持替手段により、前記第2しきい値が選択された場合には、前記油温が前記第2しきい値以上である場合に、前記油温が上昇していることを提示し、前記持替手段により、前記第3しきい値に持ち替えられた場合には、前記油温が前記第3しきい値以上である場合に、前記油温が上昇していることを提示する提示手段と、を備えることを特徴とするデファレンシャルの過昇温防止装置。
  2. 前記油温が前記第2しきい値以上である場合、及び、前記油温が前記第3しきい値以上である場合に、パワーユニットの出力を低減するように指示を出す出力低減指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のデファレンシャルの過昇温防止装置。
  3. 前記デファレンシャルが新品に交換されたときに前記積算値をリセットするリセット手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のデファレンシャルの過昇温防止装置。
  4. 前記デファレンシャルは、リヤデファレンシャルであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のデファレンシャルの過昇温防止装置。
JP2020164833A 2020-09-30 2020-09-30 デファレンシャルの過昇温防止装置 Pending JP2022056860A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020164833A JP2022056860A (ja) 2020-09-30 2020-09-30 デファレンシャルの過昇温防止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020164833A JP2022056860A (ja) 2020-09-30 2020-09-30 デファレンシャルの過昇温防止装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022056860A true JP2022056860A (ja) 2022-04-11

Family

ID=81111086

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020164833A Pending JP2022056860A (ja) 2020-09-30 2020-09-30 デファレンシャルの過昇温防止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022056860A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10300914B2 (en) Control device for all-wheel-drive vehicle
US9758037B2 (en) Control system for four-wheel drive vehicle
US20110295480A1 (en) Vehicle control apparatus
JP5997193B2 (ja) 無段変速機の異常検知装置、及び、無段変速機の異常検知方法
JP6475036B2 (ja) 全輪駆動車の駆動力配分制御装置
EP0592990A1 (en) Driving-wheel torque control system for automotive vehicles
JP2010149745A (ja) 四輪駆動車両用動力伝達装置の制御装置
US10731753B2 (en) All-wheel drive-vehicle controller
US9566861B2 (en) Vehicle control device
JP2022056860A (ja) デファレンシャルの過昇温防止装置
US20120140364A1 (en) Drive force distribution control apparatus
JP7396931B2 (ja) ギヤの過昇温防止装置
US11371602B1 (en) Fault detection in an all-wheel-drive system
JP2019108943A (ja) 居眠り運転防止装置
JPH106798A (ja) 駆動力配分制御装置
JP6601743B2 (ja) 車両の前後輪差動制限装置の制御装置
JP2023018815A (ja) 車体振動抑制装置
US20230081563A1 (en) All-wheel drive system
JP2023003323A (ja) 全輪駆動車の制御装置
JP7401223B2 (ja) 全輪駆動車の制御装置
US20240101103A1 (en) Hybrid vehicle
JP6641216B2 (ja) 全輪駆動車の制御装置
US20240101102A1 (en) Hybrid vehicle control system
JP2021091348A (ja) 車両の旋回挙動制御装置
JP2023124157A (ja) 全輪駆動車の制御装置