JP2022055640A - 加飾フィルムおよび光学デバイス - Google Patents

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祥一 松田
Shoichi Matsuda
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雄大 沼田
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Abstract

【課題】カメラやセンサーに所望の意匠を付与することができる加飾フィルムを提供すること。【解決手段】第1の主面と第2の主面とを有する加飾フィルムであって、該第1の主面における反射光のメトリック彩度が、2以上であり、該第1の主面に色温度が5500K±500Kの範囲内である光を入射させた際の、入射光の色度に対する透過光の色度の変化が、0.07以下である、加飾フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾フィルムおよび該加飾フィルムを備える光学デバイスに関する。
近年、遠隔操作、保守監視、個人認証等の技術の発達に伴い、カメラやセンサーが内蔵された種々のデバイスが開発されている。また、スマートデバイス、モバイルパソコン等の情報デバイスの多くにもカメラが内蔵されている。このようなカメラやセンサーは、通常、受光素子等の光を利用する素子を搭載しており、特定の波長または種々の波長の光強度を検出して情報を認識することができる一方で、受光素子に光を入射させるための透過領域(入光部)を有することから、周辺部分と異なる外観を呈し、使用者に認識されやすいという課題がある。
上記課題に対し、特許文献1では、円偏光反射層とλ/4板Aと直線偏光子とλ/4板Bとをこの順に有する加飾シートが提案されており、当該加飾シートを光を利用する素子の前面に配置することにより、カメラやセンサーを使用者から認識し難くすることができる。
WO2018/212347号公報
特許文献1の加飾シートによれば、円偏光反射層で入射光の一部を反射することによってカメラやセンサーを使用者から認識し難くすることができるものの、所望の意匠を付与することができないことから、周辺部分と一体感のある意匠を構成することが困難である。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、カメラやセンサーに所望の意匠を付与することができる加飾フィルムを提供することにある。
本発明の1つの局面によれば、第1の主面と第2の主面とを有する加飾フィルムであって、該第1の主面における反射光のメトリック彩度が、2以上であり、該第1の主面に色温度が5500K±500Kの範囲内である光を入射させた際の、入射光の色度に対する透過光の色度の変化が、0.07以下である、加飾フィルムが提供される。
1つの実施形態において、上記加飾フィルムは、透過軸方向が実質的に平行となるように上記第1の主面側からこの順に配置された第1の偏光子と第2の偏光子とを含み、該第1の偏光子が、吸収型偏光子であり、該第2の偏光子が、反射型偏光子または吸収型偏光子であり、ただし、該第2の偏光子が吸収型偏光子である場合、該第1の偏光子と該第2の偏光子との間に半透過性光反射層をさらに含む。
1つの実施形態において、上記第2の偏光子が、吸収型偏光子であり、上記半透過性光反射層が、反射型偏光子であり、該反射型偏光子の透過軸方向が、上記第1の偏光子および上記第2の偏光子の透過軸方向と実質的に平行である。
1つの実施形態において、上記第2の偏光子の上記第2の主面側に配置された位相差層をさらに含み、該位相差層の面内位相差Re(550)が、100nm~180nmであり、該位相差層の遅相軸と上記第2の偏光子の透過軸とのなす角度が、35°~55°または125°~145°である。
1つの実施形態において、上記第1の偏光子が、面内において、色差を有する。
本発明の別の局面によれば、上記加飾フィルムと、該加飾フィルムを透過する光を利用する受光素子とを備える、光学デバイスが提供される。
1つの実施形態において、上記加飾フィルムが、第2の主面が上記受光素子側となるように配置されている。
1つの実施形態において、上記受光素子が、撮像素子である。
本発明の別の局面によれば、上記加飾フィルムを含む、偏光フィルターが提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、撮像デバイスと、該撮像デバイスに着脱可能に装着される上記偏光フィルターと、を含む、被写体に生じる乱反射光防止システムが提供される。
本発明によれば、第1の主面と第2の主面とを有し、該第1の主面における反射光のメトリック彩度が2以上であり、該第1の主面に5500K±500Kの範囲内に色温度を有する光を入射させた際の入射光の色度に対する透過光の色度の変化が0.07以下である、加飾フィルムが提供される。このような加飾フィルムによれば、カメラやセンサーの機能を損なうことなく使用者から認識し難くすることができるだけでなく、所望の意匠を随意に付与することができる。
本発明の実施形態による加飾フィルムを説明する概略図である。 本発明の1つの実施形態による加飾フィルムの概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による加飾フィルムの概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による加飾フィルムの概略断面図である。 本発明の加飾フィルムに用いられ得る反射型偏光子の一例の概略斜視図である。 本発明の1つの実施形態による偏光フィルターを説明する概略斜視図である。 本発明の1つの実施形態による乱反射光防止システムにおける偏光フィルターの撮像デバイスへの装着を説明する概略分解斜視図である。 加飾フィルムの透過光を撮像した写真である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、反対の記載が無い限り、各実施形態は、適宜組み合わせることができる。
A.用語の定義
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)「実質的に直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」というときは、実質的に直交な状態を含み得るものとする。
(6)「実質的に平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「平行」というときは、実質的に平行な状態を含み得るものとする。
B.加飾フィルム
図1は、本発明の実施形態による加飾フィルムを説明する概略図である。加飾フィルム100は、第1の主面と第2の主面とを有する。加飾フィルム100の第1の主面に光a(代表的には、白色光)を入射させた際の反射光bのメトリック彩度が2以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上である。また、入射光aとして色温度が5500K±500Kの範囲内である光を入射させた際の透過光cの色度の変化(Δxy)が0.07以下であり、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下である。反射光bのメトリック彩度の上限は、特に制限されず、例えば100であり得る。また、色度の変化(Δxy)の下限は、特に制限されず、例えば0であり得る。なお、上記反射光bのメトリック彩度は、加飾フィルム100の全面において均一な値であってもよく、異なる値であってもよい。また、上記反射光bのメトリック彩度は、加飾フィルム100の全面において2以上である必要は無く、少なくとも一部の領域において2以上であればよい。
本発明の1つの実施形態による加飾フィルムは、D65光源の光を第1の主面に入射させた際の反射光のメトリック彩度が2以上であり、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは20以上であり、かつ、第1の主面に色温度が5500Kである光を入射させた際の入射光に対する透過光の色度の変化(Δxy)が0.07以下であり、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下である。当該実施形態において、反射光bのメトリック彩度の上限は、特に制限されず、例えば100であり得る。また、色度の変化(Δxy)の下限は、特に制限されず、例えば0であり得る。
代表的には、上記加飾フィルムは、透過軸方向が互いに実質的に平行となるように第1の主面側からこの順に配置された第1の偏光子と第2の偏光子とを含み、該第1の偏光子が、吸収型偏光子であり、該第2の偏光子が、反射型偏光子または吸収型偏光子であり、ただし、第2の偏光子が吸収型偏光子である場合、第1の偏光子と第2の偏光子との間に半透過性光反射層をさらに含む。このような構成を有する加飾フィルムによれば、第1の主面側から白色光(例えば、D65光源または色温度が5500K±500Kの範囲内である光)を照射した場合に、第1の偏光子の吸収軸を透過した光が反射型偏光子または半透過性光反射層に反射されて第1の主面から出射することから、第1の偏光子に適切な意匠を付与することにより、メトリック彩度が2以上である反射光が得られ得る。また、第1の主面側から入射して第1の偏光子の透過軸を透過した直線偏光は、第2の偏光子の透過軸をそのまま透過できることから、入射光の色度に対する透過光の色度の変化(Δxy)を0.07以下とすることができる。また、このような加飾フィルムに関して、第1の偏光子として所望の意匠が付与された吸収型偏光子(例えば、所望の色彩および/または模様を呈する吸収型偏光子)を用い、かつ、第2の主面側が光学デバイス(カメラ、センサー等)の受光素子側となるように受光素子の前面に配置することにより、所望の外観を有する光学デバイスが得られるとともに、受光素子に到達するに光に所望しない色付きが生じることを防止できる。
図2~図4はそれぞれ、本発明の1つの実施形態による加飾フィルムの概略断面図である。図2に示される加飾フィルム100aは、吸収型偏光子である第1の偏光子10と反射型偏光子である第2の偏光子22とを、第1の主面側からこの順に含む。加飾フィルム100aにおいて、第1の偏光子(吸収型偏光子)10と第2の偏光子(反射型偏光子)22とは、それぞれの透過軸方向が互いに実質的に平行となるように配置されている。
図3に示される加飾フィルム100bは、吸収型偏光子である第1の偏光子10と吸収型偏光子である第2の偏光子24とを、第1の主面側からこの順に含み、第1の偏光子10と第2の偏光子24との間に半透過性光反射層30をさらに含む。加飾フィルム100bにおいて、第1の偏光子(吸収型偏光子)10と第2の偏光子(吸収型偏光子)24とは、それぞれの透過軸方向が互いに実質的に平行となるように配置されている。なお、加飾フィルム100bにおいて、半透過性光反射層30として、反射型偏光子を用いることもできる。この場合、反射型偏光子は、その透過軸方向が第1の偏光子(吸収型偏光子)10および第2の偏光子(吸収型偏光子)24の透過軸方向と実質的に平行となるように配置される。半透過性光反射層30として、反射型偏光子を用いることにより、第1の偏光子の透過軸を透過した光の透過率を向上させることが出来る。
図4に示される加飾フィルム100cは、吸収型偏光子である第1の偏光子10と吸収型偏光子である第2の偏光子24と面内位相差Re(550)が100nm~180nmである位相差層40とを、第1の主面側からこの順に含み、第1の偏光子10と第2の偏光子24との間に半透過性光反射層30をさらに含む。加飾フィルム100cにおいて、第1の偏光子(吸収型偏光子)10と第2の偏光子(吸収型偏光子)24とは、それぞれの透過軸方向が互いに実質的に平行となるように配置されている。また、位相差層40は、その遅相軸と第2の偏光子(吸収型偏光子)24の透過軸とのなす角度が35°~55°または125°~145°、好ましくは40°~50°または130°~140°となるように配置されている。このような構成とすることにより、カメラ表面からの反射光等で生じる迷光が効果的に抑制され得る。また、加飾フィルム100cにおいて、半透過性光反射層30として、反射型偏光子を用いることもできる。この場合、反射型偏光子は、その透過軸方向が第1の偏光子(吸収型偏光子)10および第2の偏光子(吸収型偏光子)24の透過軸方向と実質的に平行となるように配置される。半透過性光反射層30として、反射型偏光子を用いることにより、第1の偏光子の透過軸を透過した光の透過率を向上させることが出来る。
図示しないが、上記加飾フィルムを構成する各構成要素は、代表的には、任意の適切な接着剤層または粘着剤層を介して貼り合わせられている。また、加飾フィルムは、本発明の効果が得られる限りにおいて、目的に応じて任意の適切な構成要素をさらに含むことができる。例えば、各偏光子の片側または両側に保護層が設けられ得る。保護層は、必要に応じて、ハードコート層、防汚層等の機能層を有していてもよい。
上記加飾フィルムの透過率は、用途等に応じて適切な値に設定され得る。該透過率は、例えば3%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上であり、また例えば60%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは46%以下である。
上記加飾フィルムの偏光度は、例えば90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上であり、また例えば100%以下である。
なお、本明細書で言及する透過率(単体透過率:Ts)および偏光度は、分光光度計を用いて測定することができる。具体的には、偏光度は、分光光度計を用いて偏光子の平行透過率Tpおよび直交透過率Tcを測定し、式:偏光度(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100より求めることができる。なお、これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(D65光源)により視感度補正を行なったY値である。
上記加飾フィルムの厚みは、例えば10μm~1000μm、好ましくは50μm~500μm、より好ましくは100μm~500μmであり得る。
以下、上記加飾フィルムを構成する各構成要素について説明する。
B-1.第1の偏光子
第1の偏光子は、二色性物質を含む吸収型偏光子である。上記の通り、第1の偏光子の吸収軸を透過し、反射型偏光子または半透過性光反射層で反射された光が加飾フィルムの意匠として認識され得る。よって、二色性物質は、メトリック彩度が2以上である反射光が得られる限りにおいて特に制限されず、加飾性フィルムに所望される色彩、模様等に応じて適切に選択され得る。一種の二色性物質を単独で用いてもよく、二種以上の二色性物質を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書においては、吸収型偏光子である第1の偏光子を第1の吸収型偏光子と称する場合がある。
1つの実施形態において、第1の吸収型偏光子は、面内において、透過光のメトリック彩度が2以上、例えば10以上である領域を有する。このような領域を有する第1の吸収型偏光子を用いることにより、加飾フィルムの第1の主面側において、2以上のメトリック彩度である反射光が好適に得られ得る。また、模様および/または色彩を含む意匠を好適に認識することができる。
第1の吸収型偏光子は、面内において、色差を有さず、均一な光学特性を有するものであってもよく、あるいは、色差を有するものであってもよい。面内において、色差を有する第1の吸収型偏光子によれば、模様を含む意匠を認識することができる。なお、本明細書において、面内において色差を有するとは、面内の色が均一ではなく、透過光のL色空間における色差ΔEab(={(ΔL+(Δa+(Δb1/2)が2以上、より具体的には10以上となる領域が存在することを意味する。
上記二色性物質としては、例えば、ヨウ素またはヨウ素以外の二色性染料を用いることができる。ヨウ素以外の二色性染料の具体例としては、例えば、ジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾ化合物等からなる二色性直接染料、液晶性アゾ色素、多環式染料、スルホン酸基を有する(アゾ)染料が挙げられる。二色性染料の具体例としては、C.I.ダイレクト.イエロー12、C.I.ダイレクト.イエロー28、C.I.ダイレクト.イエロー44、C.I.ダイレクト.イエロー142;C.I.ダイレクト.オレンジ26、C.I.ダイレクト.オレンジ39、C.I.ダイレクト.オレンジ71、C.I.ダイレクト.オレンジ107;C.I.ダイレクト.レッド2、C.I.ダイレクト.レッド31、C.I.ダイレクト.レッド39、C.I.ダイレクト.レッド79、C.I.ダイレクト.レッド81、C.I.ダイレクト.レッド117、C.I.ダイレクト.レッド247;C.I.ダイレクト.グリーン80、C.I.ダイレクト.グリーン59;C.I.ダイレクト・ブルー1、C.I.ダイレクト・ブルー71、C.I.ダイレクト・ブルー78、C.I.ダイレクト・ブルー168、C.I.ダイレクト・ブルー202;C.I.ダイレクト・バイオレット9、C.I.ダイレクト・バイオレット51;C.I.ダイレクト・ブラウン106、C.I.ダイレクト・ブラウン223が挙げられる。また、目的に応じて、WO2009/057676、WO2007/145210、WO2006/057214および特開2004-251963号公報に開示されているような偏光フィルム用に開発された染料を用いることもできる。これらの色素(染料)は遊離酸、あるいはアルカリ金属塩(例えばNa塩、K塩、Li塩)、アンモニウム塩、アミン類の塩として用いられる。
1つの実施形態において、第1の吸収型偏光子は、樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、任意の適切な構成が採用され得る。例えば、樹脂フィルムで構成される第1の吸収型偏光子は、単層の樹脂フィルムを用いて作製されてもよく、二層以上の積層体を用いて作製されてもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される第1の吸収型偏光子の具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルム、部分ホルマール化PVA系樹脂フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、二色性物質による染色処理および延伸処理が施されたものが挙げられる。
上記染色処理は、例えば、二色性物質を含む染色液の塗布、当該染色液を用いた印刷、当該染色液への浸漬等によって行われ得る。これらの方法を組み合わせて行ってもよい。塗布または印刷によれば、それぞれ異なる種類および/または異なる濃度の二色性物質を含む複数の染色液を用いて、領域A、領域B、領域C等の複数の領域を形成するように染色することができ、結果として、2つ以上の色相および/または色の濃淡を含む任意の意匠(図柄、文字、模様等)を自由に(すなわち、特定のパターンに制限されることなく)偏光子に付与することができる。また、浸漬によれば、面内において、実質的に色差を有さず、均一な光学特性を有する偏光子が好適に得られ得る。
塗布方法および印刷方法としては、本発明の効果が得られる限りにおいて特に制限されないが、2つ以上の色相および/または色の濃淡を含む任意の意匠を自由に付与する観点からは、印刷によって染色処理を行うことがより好ましい。印刷方法としては、インクジェット印刷法等の無版式であってもよく、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等の有版式であってもよい。好ましくは無版式であり、インクジェット印刷法がより好ましい。スクリーン印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等の有版式染色処理によれば、大量生産に向いた偏光子が得られ得る。なお、染色処理は、延伸処理の前であっても後であっても問題はない。好ましくは延伸処理の後に行われる。また、樹脂フィルムに直接印刷してもよいし、その他のフィルム等に印刷したものを転写させても良い。
染色液における二色性物質の含有量は、水100重量部あたり、例えば1×10-4重量部~10重量部であり、好ましくは1×10-3重量部~10重量部であり、さらに好ましくは1×10-2重量部~10重量部である。この染色液は、塗工方法に応じて界面活性剤、粘度調整剤、乾燥防止剤、pH調整剤、硫酸ナトリウム等の染色助剤等を含有していても良い。
上記延伸処理の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよく、染色しながら行ってもよく、染色処理前に行ってもよい。必要に応じて、親水性高分子フィルム(代表的にはPVA系樹脂フィルム)に、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前に親水性高分子フィルムを水に浸漬して水洗することで、フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、フィルムを膨潤させて染色ムラ等を防止することができる。
積層体を用いて得られる第1の吸収型偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体は、樹脂基材を剥離することなくそのまま用いてもよく、保護フィルムに積層し、次いで樹脂基材を剥離することにより、偏光子/保護フィルムの形態にしてもよい(結果として、保護層としての樹脂基材または保護フィルムを含む偏光板が得られる)。また、染色方法としては、単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の染色方法と同様の方法、例えば、塗布、印刷、浸漬等を用いることができる。
樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理を施して得られる偏光子の製造方法の詳細は、例えば、特開2012-73580号公報、特許第6470455号等に記載されている。また、樹脂フィルムに二色性染料による染色処理および延伸処理を施して得られる偏光子の製造方法の詳細は、例えば特公平06-066001号公報、特開昭60-133401号公報に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
別の実施形態において、第1の吸収型偏光子は、液晶性化合物から形成される液晶塗布型偏光子であってもよい。液晶塗布型偏光子は、例えば、基材上に液晶性化合物を含む液晶組成物を塗布することで製造できる。液晶組成物を塗布する前に、基材に配向膜が形成されていてもよい。配向膜は、例えば基材上に配向膜形成組成物を塗布して形成した塗布膜に、ラビング、偏光照射等によって配向性を付与することで、形成することができる。
上記液晶組成物は、液晶性化合物と二色性物質とを含むものであってもよく、二色性を有する液晶性化合物を含むものであってもよい(後者において、液晶性化合物が二色性物質を兼ねる)。液晶組成物はさらに、開始剤、溶剤、分散剤、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、シランカップリング剤等を含むことができる。液晶組成物に含まれるいずれかの化合物が重合性官能基を有していてもよい。
上記二色性を有する液晶性化合物としては、リオトロピック液晶性を示すアゾ色素が好ましく用いられ得る。リオトロピック液晶性を示すアゾ色素の具体例および当該アゾ色素を用いた液晶塗布型偏光子の製造方法については、特開2019-079040号公報、特開2019-079041号公報、特開2019-079042号公報および特開2019-086766号公報等に記載されており、これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。また、ネマチック液晶性およびスメクチック液晶性、中でも特に、スメクチックB液晶性を有する液晶組成物を用いる優れた二色比を有する光吸収異方性膜の製造方法および液晶材料の具体例については、特許4937252号公報、特許5364304号公報等に記載されており、これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
樹脂フィルムで構成される場合の第1の吸収型偏光子の厚みは、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。また、当該厚みの下限は、例えば2μmであり得る。
液晶塗布型偏光子である場合の第1の吸収型偏光子の厚みは、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましくは500nm以下である。また、当該厚みの下限は、例えば10nmであり得る。
第1の吸収型偏光子は、面内の一方向に吸収軸を有し、当該吸収軸方向と直交する方向に透過軸を有する。第1の吸収型偏光子は、好ましくは、面内の無作為に抽出した任意の領域において、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。当該領域における単体透過率は、例えば1%~90%、好ましくは5%~80%であり、より好ましくは10%~70%である。当該領域における偏光度は、例えば15%以上であり、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。
B-2.第2の偏光子
第2の偏光子としては、上記の通り、反射型偏光子または吸収型偏光子を用いることができる。
B-2-1.反射型偏光子
反射型偏光子は、特定の偏光状態(偏光方向)の偏光を透過し、それ以外の偏光状態の光を反射する機能を有する。反射型偏光子の透過率は、好ましくは10%~80%、より好ましくは15%~70%、さらに好ましくは20%~60%である。反射型偏光子の反射率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上である。反射型偏光子の偏光度は、例えば30%~100%、好ましくは60%~100%である。このような反射型偏光子を第2の偏光子として用いることにより、第1の偏光子の吸収軸を透過した光が反射軸で反射されるとともに、第1の偏光子の透過軸を透過した直線偏光がそのまま透過軸を透過することができる。
反射型偏光子は、直線偏光分離型または円偏光分離型であり得るが、直線偏光分離型が好ましい。以下、直線偏光分離型の反射型偏光子について具体的に説明する。
図5は、反射型偏光子の一例の概略斜視図である。図示例の反射型偏光子は、多層薄膜タイプの反射型偏光子であり、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体である。例えば、このような多層積層体の層の総数は、50~1000であり得る。図示例では、A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である。したがって、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.2~0.3である。なお、x軸方向は、後述する製造方法における反射型偏光子の延伸方向に対応する。
上記A層は、好ましくは、延伸により複屈折性を発現する材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル(例えば、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネートおよびアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。ポリエチレンナフタレートが好ましい。上記B層は、好ましくは、延伸しても複屈折性を実質的に発現しない材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルが挙げられる。
上記反射型偏光子は、A層とB層との界面において、第1の偏光方向を有する光(例えば、p波)を透過し、第1の偏光方向とは直交する第2の偏光方向を有する光(例えば、s波)を反射する。反射した光は、A層とB層との界面において、一部が第1の偏光方向を有する光として透過し、一部が第2の偏光方向を有する光として反射する。反射型偏光子の内部において、このような反射および透過が多数繰り返されることにより、光の利用効率を高めることができる。
1つの実施形態においては、反射型偏光子は、図5に示すように、視認側と反対側の最外層として反射層Rを含んでいてもよい。反射層Rを設けることにより、最終的に利用されずに反射型偏光子の最外部に戻ってきた光をさらに利用することができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。反射層Rは、代表的には、ポリエステル樹脂層の多層構造により反射機能を発現する。
上記反射型偏光子の全体厚みは、目的、反射型偏光子に含まれる層の合計数等に応じて適切に設定され得る。上記反射型偏光子の全体厚みは、好ましくは10μm~150μmである。
上記反射型偏光子は、代表的には、共押出と横延伸とを組み合わせて作製され得る。共押出は、任意の適切な方式で行われ得る。例えば、フィードブロック方式であってもよく、マルチマニホールド方式であってもよい。例えば、フィードブロック中でA層を構成する材料とB層を構成する材料とを押出し、次いで、マルチプライヤーを用いて多層化する。なお、このような多層化装置は当業者に公知である。次いで、得られた長尺状の多層積層体を代表的には搬送方向に直交する方向(TD)に延伸する。A層を構成する材料(例えば、ポリエチレンナフタレート)は、当該横延伸により延伸方向においてのみ屈折率が増大し、結果として複屈折性を発現する。B層を構成する材料(例えば、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステル)は、当該横延伸によってもいずれの方向にも屈折率は増大しない。結果として、延伸方向(TD)に反射軸を有し、搬送方向(MD)に透過軸を有する反射型偏光子が得られ得る(TDが図5のx軸方向に対応し、MDがy軸方向に対応する)。なお、延伸操作は、任意の適切な装置を用いて行われ得る。
上記反射型偏光子としては、例えば、特表平9-507308号公報に記載のものが使用され得る。また、上記反射型偏光子としては、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、日東電工社製の商品名「APCF」、3M社製の商品名「DBEF」、3M社製の商品名「APF」が挙げられる。
別方式の反射型偏光子としては、ワイヤーグリッド偏光子等の金属細線タイプの反射型偏光子が挙げられる。ワイヤーグリッド偏光子は、ストライプ状に、より具体的には、所定の間隔を空けて平行に、配列した複数のワイヤーを含み、当該ワイヤーの長手方向(延びる方向)と直交する方向に振動する直線偏光成分を透過させ、当該ワイヤーの長手方向に振動する直線偏光成分を反射することができる。
ワイヤーは、好ましくは金属製である。ワイヤーの直径およびワイヤー間の間隔は、目的に応じて適宜設定され得る。本発明の実施形態においては、ワイヤー間の間隔は、例えば10nm~350nm、好ましくは50nm~300nmに設定され得る。ワイヤー間の間隔を上記範囲とすることにより、波長350nm~2000nmで偏光分離機能が好適に得られ得る。
B-2-2.吸収型偏光子
第2の偏光子として用いられる吸収型偏光子(第2の吸収型偏光子と称する場合がある)は、面内の一方向に吸収軸を有し、当該吸収軸方向と直交する方向に透過軸を有する。第2の吸収型偏光子の直交色相a値は、例えば-5~5であり、好ましくは-3~3であり、より好ましくは-1~1である。また、直交色相b*値は、例えば-5~5であり、好ましくは-3~3であり、より好ましくは-1~1である。直交色相がこのような範囲内である第2の吸収型偏光子によれば、透過光への所望されない色付きが好適に防止され得る。
第2の吸収型偏光子としては、B-1項に記載される第1の吸収型偏光子と同様のものを用いることができる。ニュートラルな色相を呈し、透過光への色付きを防止する観点からは、二色性物質としてヨウ素を含む偏光子が好ましい。
第2の吸収型偏光子は、面内において、実質的に色差を有さず、均一な光学特性(代表的には、単体透過率および偏光度)を有することが好ましい。第2の吸収型偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。第2の吸収型偏光子の単体透過率は、好ましくは40%~50%であり、より好ましくは42%~46%である。第2の吸収型偏光子の偏光度は、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。
第2の吸収型偏光子の厚みは、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下である。また、当該厚みの下限は、例えば2μmであり得る。
B-3.半透過性光反射層
半透過性光反射層は、入射する光の一部を反射し、残りの光を透過させる透過特性および反射特性を有する。半透過性光反射層の透過率は、好ましくは10%~80%、より好ましくは15%~70%、さらに好ましくは20%~60%である。半透過性光反射層の反射率は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上である。半透過性光反射層としては、例えば、ハーフミラー、ルーバーフィルム、反射型偏光子等を用いることができる。
ハーフミラーとしては、例えば、屈折率の異なる2以上の誘電体膜が積層された多層積層体を用いることができる。このようなハーフミラーは、好ましくは金属様光沢を有する。
上記誘電体膜の形成材料としては、金属酸化物、金属窒化物、金属フッ化物、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))等が挙げられる。誘電体膜の多層積層体は、積層した誘電体膜の屈折率差によって、界面で入射光の一部を反射させる。誘電体膜の厚さによって、入射光と反射光との位相を変化させ、2つの光の干渉の程度を調整することにより、反射率を調整することができる。誘電体膜の多層積層体からなるハーフミラーの厚みは、例えば50μm~200μmであり得る。このようなハーフミラーとしては、例えば、東レ社製の商品名「ピカサス」等の市販品を用いることができる。
また、ハーフミラーとしては、例えば、PET等の樹脂フィルム上にアルミニウム(Al)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、銀(Ag)、またはこれらの合金等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムを用いることができる。当該金属蒸着フィルムは、反射により金属様光沢を有するが、一部の光を透過することができ、蒸着膜厚を変化させることによって、光透過率を制御することができる。蒸着膜厚は、好ましくは1nm~50nm、より好ましくは10nm~30nmである。また、樹脂フィルムの膜厚は、好ましくは1μm~1000μm、より好ましくは20μm~100μmである。
ルーバーフィルムは、交互にストライプ状に形成されたルーバー部と光透過部とを有するルーバー層を含み、ルーバー部は、光を反射するように構成されている。ルーバーフィルムは、必要に応じて、ルーバー層の片面または両面に基材層をさらに備え得る。
光透過部およびルーバー部の幅は、所望の透過率または反射率に応じて適切に設定され得る。また、ルーバー部の角度は、通常、0°~45°の範囲内である。なお、ルーバー部の角度とは、ルーバーフィルムの主面に対するルーバー部の角度を意味し、当該主面と直交する場合を0°とする。
ルーバー層の厚みは、目的に応じて任意の適切な厚みに設定され得る。ルーバー層の厚みは、例えば10μm~1000μm、好ましくは50μm~800μmであり得る。
反射型偏光子としては、B-2-1項に記載した反射型偏光子を用いることができる。
B-4.位相差層
位相差層は、好ましくはλ/4板として機能する。位相差層は、例えば、単一の層であってもよく、複数の位相差層を組み合せてλ/4板としての機能を発揮する積層体であってもよい。第2の偏光子の第2の主面側にλ/4板を配置することにより、受光素子と第2の偏光子との間における迷光を好適に抑制し得る。
位相差層の面内位相差Re(550)は、例えば100nm~180nmであり、好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは120nm~160nmであり、特に好ましくは135nm~155nmである。位相差層は、代表的にはnx>ny=nzまたはnx>ny>nzの屈折率楕円体を有する。なお、本明細書において例えば「ny=nz」は、厳密に等しいのみならず、実質的に等しいものを包含する。位相差層のNz係数は、例えば0.9~2であり、好ましくは1~1.5であり、より好ましくは1~1.3である。
位相差層の厚みは、λ/4板として最も適切に機能し得るように設定され得る。言い換えれば、厚みは、所望の面内位相差が得られるように設定され得る。具体的には、厚みは、好ましくは10μm~80μmであり、さらに好ましくは10μm~60μmであり、最も好ましくは30μm~50μmである。
位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。1つの実施形態においては、位相差層は、逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。
位相差層は、好ましくは、高分子フィルムの延伸フィルムである。具体的には、ポリマーの種類、延伸処理(例えば、延伸方法、延伸温度、延伸倍率、延伸方向)を適切に選択することにより、λ/4板が得られる。
上記高分子フィルムを形成する樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられる。具体例としては、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスルホン系樹脂等の正の複屈折フィルムを構成する樹脂が挙げられる。中でも、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好ましい。なお、高分子フィルムを形成する樹脂の詳細は、例えば、特開2014-010291に記載されている。当該記載は、参考として本明細書に援用される。
延伸方法としては、例えば、横一軸延伸、固定端二軸延伸、逐次二軸延伸が挙げられる。固定端二軸延伸の具体例としては、高分子フィルムを長手方向に走行させながら、短手方向(横方向)に延伸させる方法が挙げられる。この方法は、見かけ上は横一軸延伸であり得る。また、斜め延伸も採用することができる。斜め延伸を採用することにより、幅方向に対して所定の角度の配向軸(遅相軸)を有する長尺状の延伸フィルムを得ることができる。
C.光学デバイス
上記B項に記載の加飾フィルムは、光学デバイスに適用され得る。したがって、本発明の別の局面によれば、上記加飾フィルムと、上記加飾フィルムを透過する光を利用する受光素子とを備える、光学デバイスが提供される。光学デバイスの代表例としては、カメラ等の撮像デバイス(イメージセンサー)、照度センサー、カラーセンサー、赤外線センサー、LiDAR、可視光通信デバイス等が挙げられる。
上記受光素子は、代表的には、光を検出して電気信号に変換する光電効果型素子であり、目的に応じて適切に選択される。具体例としては、CCD、CMOS等の撮像素子、フォトトランジスタ、フォトレジスタ等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記加飾フィルムが、受光素子の前面(より具体的には、受光素子の光入射側)に、第2の主面が受光素子側となるように配置されている。このような構成とすることにより、受光素子に光を入射させる入光部とその周辺部分の意匠を調和させて外観を向上させることができる一方で、所望でない色付きが防止された光を受光素子に入射させることができる。なお、本発明の効果が得られる限りにおいて、加飾フィルムと受光素子との間に他の部材が配置されていてもよい。
D.偏光フィルター
上記B項に記載の加飾フィルムは、撮像デバイスの偏光フィルターとして用いられることにより、被写体に生じる反射光を制御することができる。よって、本発明の別の局面によれば、上記加飾フィルムを含む、偏光フィルターが提供される。1つの実施形態において、偏光フィルターは、上記加飾フィルムを保持するホルダーをさらに含み得る。当該実施形態の偏光フィルターにおいて、加飾フィルムは、好ましくは回転可能な状態でホルダーに保持されている。
図6は、本発明の1つの実施形態による偏光フィルターを説明する概略斜視図である。偏光フィルター200は、加飾フィルム100と加飾フィルム100を保持するホルダー110とを備える。図示例において、ホルダー110は、撮像デバイスに偏光フィルター200を装着するための固定枠112と固定枠112の片側(より具体的には、撮像デバイスに装着される側と反対側)に設けられ、加飾フィルム100を保持する回転枠114とを有する。回転枠114は、周方向に回転可能に構成されており、第1の主面が被写体側となるように加飾フィルム100を保持している。
E.乱反射光防止システム
本発明の別の局面によれば、撮像デバイスと、当該撮像デバイスに着脱可能に装着されるD項に記載の偏光フィルターと、を含む、被写体に生じる乱反射光防止システムが提供される。図7は、当該システムに従って偏光フィルターが着脱可能に装着された撮像デバイスの装着部分を説明する概略分解斜視図である。図示例においては、撮像デバイス(カメラ)300のレンズ前面に偏光フィルター200が装着され、第1の偏光子の吸収軸方向(図中の破線方向)が被写体に対して適切な角度となるように加飾フィルム100を回転させる(一点鎖線を中心に回転させる)ことにより、被写体に生じる乱反射を抑制することができ、結果として、より明瞭な像を取得することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
デジタルゲージ((株)尾崎製作所製、製品名「PEACOCK」)を用いて測定した。
(2)偏光子の単体透過率、偏光度
紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、UH-4150)に自動偏光測定システムを設置して測定した波長380nm~780nmの単体透過率スペクトル、平行透過率スペクトル、直交透過率スペクトルからJIS Z8701の2度視野(D65光源)により視感度補正を行なったY値をそれぞれ、単体透過率Ts、平行透過率Tpおよび直交透過率Tcとした。得られたTpおよびTcから、下記式を用いて偏光度を求めた。
偏光度(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
(3)偏光子以外のフィルム(層)の透過率
紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、UH-4150)を用いて測定した時の波長380nm~780nmの透過率スペクトルからJIS Z8701の2度視野(D65光源)により視感度補正を行なったY値を単体透過率Tsとした。
(4)色度の変化(Δxy)
測定サンプルの第1の主面に対して法線方向から光を照射し、2D分光放射計(トプコン社製、SR-5000)を用いて第2の主面から出射した光を測定することにより、透過光の色度xyを求めた。なお、光源としては、面光源(レイマック社製、型式「IHM-150/142AW」、品番「325-036」)を用いた。2D分光放射計(トプコン社製、SR-5000)を用いて当該光源から出射される光の色度を直接測定したところ、色度値xが0.336、色度値yが0.343であった。また、米国規格協会(American National Standards Institute)が定める色度に関する規格(ANSI C78.377)に基づいて、このxy値を色温度に換算すると5500Kであった。
入射光の色度(x:0.336、y:0.343)に対する透過光の色度の変化(Δxy)は、下式によって算出した(式中、xおよびyはそれぞれ、透過光の色度値xおよびyを表す)。
Δxy={(x-0.336)+(y-0.343)1/2
(5)メトリック彩度
測定サンプルの第1の主面に対して法線方向に対して5°の角度から光を照射した時の波長380nm~780nmの反射光スペクトルを紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製 UH-4150)を用いて測定し、JIS Z8701の2度視野(D65光源)により視感度補正を行ない、L値を算出した。得られたa値、b値から下記式を用いてメトリック彩度を求めた。
メトリック彩度(C)=((a+(b1/2
[作製例A:ヨウ素系偏光子]
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所望の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に厚み約5μmの偏光子を形成し、樹脂基材/ヨウ素系偏光子の構成を有する積層体を得た。
上記で得られた偏光子の表面(樹脂基材とは反対側の面)に、保護層としてラクトン環構造を有するアクリル系樹脂フィルム(厚み:40μm)を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合せた。次いで、樹脂基材を剥離し、ヨウ素系偏光子/保護層の構成を有する偏光板を得た。当該偏光板(実質的には、ヨウ素系偏光子)の単体透過率は42.2%、偏光度は99.996%であった。
[作製例B-1:赤色偏光子]
水100重量部に対して、二色性色素として、Direct Red 81(東京化成工業社製)4部をヨウ素の代わりに染色浴に添加したこと以外は作製例Aと同様にして、赤色偏光子(実質的には、赤色偏光子/保護層の構成を有する偏光板)を得た。該偏光子の単体透過率は53.4%、偏光度は56.0%であった。
[作製例B-2:青色偏光子の作製]
二色性色素として、Direct Blue 1(東京化成工業社製)4部を用いたこと以外は作製例B-1と同様にして、青色偏光子(実質的には、青色偏光子/保護層の構成を有する偏光板)を得た。該偏光子の単体透過率は40.6%、偏光度は79.5%であった。
[作製例B-3:黄色偏光子の作製]
二色性色素として、Direct Yellow 4(東京化成工業社製)4部を用いたこと以外は作製例B-1と同様にして、黄色偏光子(実質的には、黄色偏光子/保護層の構成を有する偏光板)を得た。該偏光子の単体透過率は80.2%、偏光度は12.0%であった。
[作製例C-1:赤色粘着剤層の作製]
1.粘着剤組成物の調製
2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、NVP、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を78/18/4の重量比で含むモノマー混合物100部を、光重合開始剤としての商品名:イルガキュア651(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.035部および商品名:イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.035部ととともに4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して光重合させることにより、上記モノマー混合物の部分重合物を含むモノマーシロップを調製した。
このモノマーシロップ100部に、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)17.6部、アクリル系オリゴマー5.9部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.088部、シランカップリング剤として3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM-403、信越化学工業社製)0.35部および分散剤として味の素ファインテクノ社製アジスパーPB821、顔料として2,9-Dimethylquinolino[2,3-b]acridine-7,14(5H,12H)-dione(BLD Pharmatech Ltd.社製)を0.05質量部配合して、赤色粘着剤組成物を調製した。
なお、上記アクリル系オリゴマーとしては、以下の方法で合成したものを使用した。
トルエン100部、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)(商品名:FA-513M、日立化成工業社製)60部、メチルメタクリレート(MMA)40部、および連鎖移動剤としてα-チオグリセロール3.5部を4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、熱重合開始剤としてAIBN0.2部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃の温度雰囲気下に投入し、トルエン、連鎖移動剤、および未反応モノマーを乾燥除去することにより、固形状のアクリル系オリゴマーを得た。このアクリル系オリゴマーのTgは144℃であり、Mwは4300であった。
2.粘着剤層の作製
ポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚み38μmの剥離フィルムR1(三菱樹脂社製、MRF#38)に、上記で得た赤色粘着剤組成物を塗布し、ポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚み38μmの剥離フィルムR2(三菱樹脂社製、MRE#38)を被せて空気を遮断し、紫外線を照射して硬化させることにより、厚み50μm、単体透過率33.9%、偏光度0%の赤色粘着剤シート(赤色粘着剤層)を形成した。
[作製例C-2:青色粘着剤層の作製]
赤色顔料の代わりに青色顔料(東京化成工業社製、製品名「Pigment Blue 15」) 0.05部を用いること以外は作製例C-1と同様にして、厚み50μm、単体透過率35.1%の青色粘着剤シート(青色粘着剤層)を得た。
[作製例C-3:黄色粘着剤層の作製]
赤色顔料の代わりに黄色顔料(Oakwood Products, Inc社製、製品名「Dalamar Yellow」) 0.05部を用いること以外は作製例C-1と同様にして、厚み50μm、単体透過率66.2%の黄色粘着剤シート(黄色粘着剤層)を得た。
[作製例D:位相差フィルム]
逆分散の波長依存性を示す市販の位相差フィルム(帝人社製、商品名「ピュアエースWR」、厚み50μm)を用いた。この位相差フィルムの面内位相差Re(550)は147nmであり、Re(450)/Re(550)は0.89であった。
[実施例1]
作製例B-1で得られた赤色偏光子を第1の偏光子として用いた。当該赤色偏光子の保護層表面にアクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して第2の偏光子としての反射型偏光子(日東電工社製、製品名「APCF」、単体透過率:45.7%)を積層して、赤色偏光子/反射型偏光子の構成を有する積層体を得た。このとき、反射型偏光子の透過軸方向と赤色偏光子の透過軸方向とが平行となるように積層した。得られた積層体の赤色偏光子側表面に、アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して保護層としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製、製品名「TG60UL」、厚み:60μm)を積層した。これにより、赤色偏光子と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム1を得た。
[実施例2]
赤色偏光子の代わりに作製例B-2で得られた青色偏光子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、青色偏光子と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム2を得た。
[実施例3]
赤色偏光子の代わりに作製例B-3で得られた黄色偏光子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、黄色偏光子と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム3を得た。
[実施例4]
第2の偏光子として反射型偏光子(旭化成社製、ワイヤーグリッド偏光フィルム、製品名「WGFTM」、厚み80μm、単体透過率45.7%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、赤色偏光子と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム4を得た。
[実施例5]
作製例B-1で得られた赤色偏光子を第1の偏光子として用いた。当該赤色偏光子の保護層表面にアクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して半透過性光反射層としてのハーフミラー(東レ社製、製品名「ピカサス」、厚み:100μm、透過率:26.6%)を積層して、赤色偏光子/ハーフミラーの構成を有する積層体を得た。得られた積層体のハーフミラー側表面に、アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して作製例Aで得られた偏光板を第2の偏光子として積層した。このとき、赤色偏光子の透過軸とヨウ素系偏光子の透過軸とが平行となるように積層した。次いで、積層体の赤色偏光子側表面に、アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して保護層としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製、製品名「TG60UL」、厚み:60μm)を積層した。これにより、赤色偏光子とハーフミラーとヨウ素系偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム5を得た。
[実施例6]
半透過性光反射層としてハーフミラー(東レ社製、製品名「ピカサス」、厚み:100μm、透過率:53.6%)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、赤色偏光子とハーフミラーとヨウ素系偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム6を得た。
[実施例7]
半透過性光反射層としてハーフミラー(東レ社製、製品名「ピカサス」、厚み:100μm、透過率:83.7%)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、赤色偏光子とハーフミラーとヨウ素系偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム7を得た。
[実施例8]
半透過性光反射層としてハーフミラー(厚み50μmのPETフィルム表面に厚み25nmのアルミニウム蒸着膜を形成した金属蒸着フィルム、透過率:11.7%)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、赤色偏光子とハーフミラーとヨウ素系偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム8を得た。
[実施例9]
半透過性光反射層として反射型偏光子(日東電工社製、製品名「APCF」、単体透過率:45.7%)を用いたこと以外は実施例5と同様にして、赤色偏光子と反射型偏光子とヨウ素系偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム9を得た。なお、反射型偏光子は、その透過軸方向が赤色偏光子およびヨウ素系偏光子の透過軸方向と平行になるように積層した。
[実施例10]
実施例9で得られた加飾フィルム9のヨウ素系偏光子側表面に、アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して位相差フィルム(帝人社製、商品名「ピュアエースWR」、厚み50μm)を積層して、赤色偏光子と反射型偏光子とヨウ素系偏光子と位相差フィルムとを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルム10を得た。なお、位相差フィルムは、その遅相軸方向がヨウ素系偏光子の透過軸方向と45°の角度をなすように積層した。
[比較例1]
反射型偏光子(日東電工社製、製品名「APCF」、単体透過率:45.7%)の一方の表面に、作製例C-1で得られた赤色粘着剤層を介して保護層としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製、製品名「TG60UL」、厚み:60μm)を積層した。これにより、赤色粘着剤層と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルムC1を得た。
[比較例2]
赤色粘着剤層の代わりに作製例C-2で得られた青色粘着剤層を用いたこと以外は比較例1と同様にして、青色粘着剤層と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルムC2を得た。
[比較例3]
赤色粘着剤層の代わりに作製例C-3で得られた黄色粘着剤層を用いたこと以外は比較例1と同様にして、黄色粘着剤層と反射型偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルムC3を得た。
[比較例4]
ハーフミラー(東レ社製、製品名「ピカサス」、厚み100μm、透過率53.6%)の一方の表面に、アクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して作製例Aで得られた偏光板を積層した。次いで、ハーフミラーの他方の表面に、作製例C-1で得られた赤色粘着剤層を介して保護層としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製、製品名「TG60UL」、厚み:60μm)を積層した。これにより、赤色粘着剤層とハーフミラーとヨウ素系偏光子とを第1の主面側からこの順に有する加飾フィルムC4を得た。
[比較例5]
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製、製品名「TG60UL」、厚み:60μm)をそのまま加飾フィルムC5として用いた。
上記実施例および比較例で得られた加飾フィルムの構成、反射光のメトリック彩度(C)および入射光に対する透過光の色度の変化(Δxy)を表1および表2にまとめて示す。また、各加飾フィルムに関して、2D分光放射計を用いて第2の主面から出射した透過光を測定した際に撮像した画像を図8に示す(図中、「blank」として示される画像は、面光源から出射された光を加飾フィルムを介することなく直接撮像した画像である)。
Figure 2022055640000002
Figure 2022055640000003
表1および図8に示される通り、実施例の加飾フィルムはいずれも、反射光のメトリック彩度(C)が10を超え、かつ、入射光に対する透過光の色度の変化(Δxy)が0.07以下であることから、反射光によって所定の意匠を認識し得ると共に、透過光に過度の色付きがないことがわかる。一方、表2および図8に示される通り、比較例の加飾フィルムC1~C4はいずれも透過光の色度変化が大きく、色付きが生じていることがわかる。また、透明フィルムをそのまま用いた加飾フィルムC5では、反射光の色相が小さく、意匠を認識できなかった。
本発明の加飾フィルムは、カメラやセンサー等の受光素子を備えた光学デバイス、あるいは、このような光学デバイスが搭載された機器に好適に用いられ得る。
10 第1の吸収型偏光子
22 反射型偏光子
24 第2の吸収型偏光子
30 半透過性光反射層
40 位相差層
100 加飾フィルム
200 偏光フィルター
300 撮像デバイス

Claims (10)

  1. 第1の主面と第2の主面とを有する加飾フィルムであって、
    該第1の主面における反射光のメトリック彩度が、2以上であり、
    該第1の主面に色温度が5500K±500Kの範囲内である光を入射させた際の、入射光の色度に対する透過光の色度の変化が、0.07以下である、加飾フィルム。
  2. 透過軸方向が実質的に平行となるように前記第1の主面側からこの順に配置された第1の偏光子と第2の偏光子とを含み、
    該第1の偏光子が、吸収型偏光子であり、
    該第2の偏光子が、反射型偏光子または吸収型偏光子であり、
    ただし、該第2の偏光子が吸収型偏光子である場合、該第1の偏光子と該第2の偏光子との間に半透過性光反射層をさらに含む、
    請求項1に記載の加飾フィルム。
  3. 前記第2の偏光子が、吸収型偏光子であり、
    前記半透過性光反射層が、反射型偏光子であり、
    該反射型偏光子の透過軸方向が、前記第1の偏光子および前記第2の偏光子の透過軸方向と実質的に平行である、
    請求項2に記載の加飾フィルム。
  4. 前記第2の偏光子の前記第2の主面側に配置された位相差層をさらに含み、
    該位相差層の面内位相差Re(550)が、100nm~180nmであり、
    該位相差層の遅相軸と前記第2の偏光子の透過軸とのなす角度が、35°~55°または125°~145°である、
    請求項2または3に記載の加飾フィルム。
  5. 前記第1の偏光子が、面内において、色差を有する、請求項2から4のいずれかに記載の加飾フィルム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の加飾フィルムと、該加飾フィルムを透過する光を利用する受光素子とを備える、光学デバイス。
  7. 前記加飾フィルムが、第2の主面が前記受光素子側となるように配置されている、請求項6に記載の光学デバイス。
  8. 前記受光素子が、撮像素子である、請求項6または7に記載の光学デバイス。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載の加飾フィルムを含む、偏光フィルター。
  10. 撮像デバイスと、該撮像デバイスに着脱可能に装着される請求項9に記載の偏光フィルターと、を含む、被写体に生じる乱反射光防止システム。
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