JP2021092753A - 光学積層体、光学デバイスおよび画像表示装置 - Google Patents

光学積層体、光学デバイスおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】非表示時においては周辺部分の意匠と調和した外観を呈し、表示時においては画像表示装置による画像を鮮明に表示できる表示画面を実現すること。【解決手段】光透過性有色層と光透過性反射板と吸収型偏光子とを、この順に有する、光学積層体。【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体ならびに当該光学積層体を備えた光学デバイスおよび画像表示装置に関する。
近年、電化製品や車内設備において高機能化が進み、操作画面、モニター画面等の表示画面の搭載面積が増加する傾向にある。当該表示画面は、非表示時において、通常、黒色に観察されることから、筐体等の周辺部分の意匠と馴染まず、全体としての意匠性が悪化する場合がある。
上記表示画面の外観と周辺部分の意匠との違いを認識し難くし、これにより、全体としての意匠性を向上する方法として、特許文献1および2には、表示画面を周辺部分と調和し得る加飾シートで被うことが提案されている。しかしながら、特許文献1および2の技術では、非表示時においては周辺部分の意匠と調和した外観を呈し、表示時においては画像表示装置による画像を鮮明に表示できる表示画面を実現することが困難である。
特開2018−128581号公報 特開2019−120833号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、非表示時においては周辺部分の意匠と調和した外観を呈し、表示時においては画像表示装置による画像を鮮明に表示できる表示画面を実現することにある。
本発明の1つの局面によれば、光透過性有色層と光透過性反射板と吸収型偏光子とを、この順に有する、光学積層体が提供される。
1つの実施形態において、上記光透過性反射板の単体透過率が、10%〜70%である。
1つの実施形態において、上記光透過性有色層が、着色剤を含む粘着剤層である。
1つの実施形態において、上記光透過性反射板が、反射型偏光子を含む。
1つの実施形態において、上記反射型偏光子の反射軸方向と上記吸収型偏光子の吸収軸方向とが、実質的に平行となるように配置されている。
本発明の別の局面によれば、上記光学積層体と、上記光学積層体を透過する光を利用する受光素子とを備える、光学デバイスが提供される。
1つの実施形態において、上記光学積層体が、上記受光素子の表面上に配置されている。
1つの実施形態において、上記受光素子が、撮像素子である。
本発明の別の局面によれば、上記光学積層体を備える、画像表示装置が提供される。
本発明によれば、非表示時においては周辺部分の意匠と調和した外観を呈し、表示時においては画像表示装置による画像を鮮明に表示できる表示画面を実現することができる。
本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。 本発明に用いられ得る反射型偏光子の一例の概略斜視図である。 本発明の1つの実施形態による画像表示装置の概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.用語の定義
(1)「実質的に直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±10°である場合を包含し、好ましくは90°±7°であり、さらに好ましくは90°±5°である。さらに、本明細書において単に「直交」というときは、実質的に直交な状態を含み得るものとする。
(2)「実質的に平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±10°である場合を包含し、好ましくは0°±7°であり、さらに好ましくは0°±5°である。さらに、本明細書において単に「平行」というときは、実質的に平行な状態を含み得るものとする。
(3)「層」、「板」、「シート」および「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて互いから区別されるものではない。例えば「層」という用語は、「板」、「シート」、「フィルム」と呼ばれ得るような部材を含む概念である。
B.光学積層体
B−1.光学積層体の全体構成
図1は、本発明の実施形態による光学積層体の概略断面図である。光学積層体100は、光透過性有色層10と、光透過性反射板20と、吸収型偏光子30とを、この順に有する。光学積層体100は、代表的には、液晶セルを備えた液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)セルを備えた有機EL表示装置等の光学セルを備えた画像表示装置に適用され、その際、光透過性有色層10が吸収型偏光子30よりも視認側となるように、光学セルの視認側に配置される。このように配置することにより、画像表示装置が非表示の時には、光透過性反射板20で反射された外光(反射光)を利用して光透過性有色層10に起因する意匠を良好に視認することができ、表示時には、光学セル側から入射して吸収型偏光子30を透過する光を観察することにより、画像表示装置による画像を鮮明に視認することができる。
図示した光学積層体100においては、吸収型偏光子30の両側に保護層(第1の保護層82、第2の保護層84)が配置されているが、目的や構成に応じてどちらか一方(例えば、第1の保護層82)または両方の保護層が省略されてもよい。
なお、光学積層体100を構成する各構成要素は、必要に応じて、接着剤層、粘着剤層等の任意の適切な接着層(図示せず)を介して積層されているか、あるいは、接着層を介さずに積層されている。また、内側保護層84の吸収型偏光子30が配置された側と反対側には、必要に応じて、光学積層体100を隣接する部材に貼り合せるための粘着剤層等が設けられてもよい。また、本発明の効果が得られる限りにおいて、光透過性有色層と光透過性反射板との間、および/または、光透過性反射板と吸収型偏光子との間に、任意の適切な構成要素が配置されていてもよい。
光学積層体100のSCI方式での反射光のメトリック彩度は、表示画面の周辺部分の意匠によって変化し得るが、例えば20以上であり、好ましくは30以上であり、より好ましくは40以上、さらに好ましくは50以上であり得る。また、当該反射光のメトリック彩度の上限は、例えば80であり得る。メトリック彩度は、L表色系におけるa値およびb値を用いて次式により求められる値であり、色空間の中央軸(無彩色軸)からの距離を表す。
メトリック彩度(C)=√(a*2+b*2
光学積層体の単体透過率は、例えば1.0%以上であり、好ましくは3.8%以上である。また、該単体透過率は、例えば50%以下、また例えば45%以下であり得る。このような透過率を有することにより、画像表示装置による画像を鮮明に表示することができる。
B−2.光透過性有色層
上記光透過性有色層としては、単体透過率が15%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上であり、かつ、物体色が有色である層が用いられる。光透過性有色層の単体透過率の上限は、例えば95%、また例えば93%であり得る。また、有色である光透過性有色層の物体色は、透過光によって生ずる色(透過色)および/または反射によって発せられる色(表面色)であり、好ましくは透過色である。1つの実施形態において、透過のメトリック彩度が20以上、好ましくは40以上ある場合、透過色が有色であるということができる。
光透過性有色層が有する物体色の色彩は、表示画面の周辺部分の意匠に応じて適切に選択され得る。例えば、光透過性有色層は、単一色であってもよく、多色および/または濃淡を有し、図柄を構成していてもよい。
光透過性有色層としては、例えば、ヨウ素を含む偏光子とその少なくとも片側に設けられた保護層とを有する従来の偏光板の構成要素であって、当該偏光板が光学セルの視認側に配置された際に、偏光子よりも視認側に配置される構成要素を着色したものが用いられる。このような構成要素としては、保護層、粘着剤層、接着剤層等が挙げられる。なかでも、保護層または粘着剤層が着色されたものが好ましく、粘着剤層が着色されたものがより好ましく用いられ得る。着色は、上記構成要素(例えば、保護層または粘着剤層)の形成材料に着色剤を混合することによって行われ得る。着色剤の種類およびその配合量は、表示画面の周辺部分の意匠に応じて適切に選択され得る。また、保護層の着色は、保護層表面に着色コーティング層を設けることによって行われてもよい。
1つの実施形態においては、光透過性有色層は、380nm〜780nmの波長の間の特定波長範囲の光を選択的に吸収する(すなわち、特定範囲の波長帯域に吸収極大波長を有する)。光透過性有色層は、2以上の吸収極大波長を有していてもよい。2以上の吸収極大波長を有する光透過性有色層は、例えば、複数種の着色剤を用いることにより得ることができる。
光透過性有色層の吸収極大波長での透過率は、好ましくは15%〜80%であり、より好ましくは15%〜70%である。吸収層の吸収極大波長での透過率がこのような範囲内にあれば、本発明の効果が好適に発現され得る。
光透過性有色層のヘイズ値は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。吸収層のヘイズ値は小さいほど好ましいが、その下限は、例えば、0.1%である。光透過性有色層のヘイズ値がこのような範囲内にあれば、本発明の効果が好適に発現され得る。
光透過性有色層の厚みは、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは2μm〜30μmである。光透過性有色層の厚みがこのような範囲内にあれば、本発明の効果が好適に発現され得る。
着色剤の具体例としては、例えば、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、ナフトキノン系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、スクアリリウム系、シアニン系、ポルフィリン系、アザポルフィリン系、フタロシアニン系、サブフタロシアニン系、キニザリン系、ポリメチン系、ローダミン系、オキソノール系、キノン系、アゾ系、キサンテン系、アゾメチン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリドン系、イソインドリノン系、インダンスロン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、キノリン系、トリフェニルメタン系等の染料が挙げられる。
着色剤として、顔料を用いてもよい。顔料の具体例としては、例えば、黒色顔料(カーボンブラック、ボーンブラック、グラファイト、鉄黒、チタンブラック等)、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、多環式顔料(キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、ジオキサジン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、キノフタロン系、金属錯体系、ジケトピロロピロール系等)、染料レーキ系顔料、白色・体質顔料(酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、有彩顔料(黄鉛、カドミニウム系、クロムバーミリオン、ニッケルチタン、クロムチタン、黄色酸化鉄、ベンガラ、ジンククロメート、鉛丹、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム、バナジン酸ビスマス等)、光輝材顔料(パール顔料、アルミ顔料、ブロンズ顔料等)、蛍光顔料(硫化亜鉛、硫化ストロンチウム、アルミン酸ストロンチウム等)等が挙げられる。
着色剤の含有割合は、着色剤の種類、所望の光吸収特性等に応じて、任意の適切な割合とされ得る。光透過性有色層における着色剤の含有割合は、好ましくは0.01重量%〜5.00重量%であり、より好ましくは0.05重量%〜3.00重量%である。
図2は、本発明の1つの実施形態における光学積層体の概略断面図である。光学積層体100aは、表面保護層40と、着色された粘着剤層50(光透過性有色層10)と、光透過性反射板20と、吸収型偏光子30とを、この順に有する。
図3は、本発明の別の実施形態における光学積層体の概略断面図である。光学積層体100bは、着色された表面保護層60(光透過性有色層10)と、粘着剤層70と、光透過性反射板20と、吸収型偏光子30とを、この順に有する。
B−3.光透過性反射板
光透過性反射板は、入射する光の一部を反射し、残りの光を透過させる透過特性および反射特性を有する。光透過性反射板の単体透過率は、好ましくは10%〜70%、より好ましくは15%〜65%、さらに好ましくは20%〜60%である。光透過性反射板の反射率は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは45%以上である。光透過性反射板としては、例えば、ハーフミラー、反射型偏光子、ルーバーフィルム等を用いることができる。
ハーフミラーとしては、例えば、屈折率の異なる2以上の誘電体膜が積層された多層積層体を用いることができる。このようなハーフミラーは、好ましくは金属様光沢を有する。
上記誘電体膜の形成材料としては、金属酸化物、金属窒化物、金属フッ化物、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))等が挙げられる。誘電体膜の多層積層体は、積層した誘電体膜の屈折率差によって、界面で入射光の一部を反射させる。誘電体膜の厚さによって、入射光と反射光との位相を変化させ、2つの光の干渉の程度を調整することにより、反射率を調整することができる。誘電体膜の多層積層体からなるハーフミラーの厚みは、例えば50μm〜200μmであり得る。このようなハーフミラーとしては、例えば、東レ社製の商品名「ピカサス」等の市販品を用いることができる。
また、ハーフミラーとしては、例えば、PET等の樹脂フィルム上にアルミニウム(Al)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、銀(Ag)、またはこれらの合金等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムを用いることができる。当該金属蒸着フィルムは、蒸着膜側から観察した場合には、反射により金属様光沢を有するが、樹脂フィルム側からの光を透過することができ、蒸着膜厚を変化させることによって、光透過率を制御することができる。蒸着膜厚は、好ましくは1nm〜50nm、より好ましくは10nm〜30nmである。また、樹脂フィルムの膜厚は、好ましくは1μm〜1000μm、より好ましくは20μm〜100μmである。
反射型偏光子は、特定の偏光状態(偏光方向)の偏光を透過し、それ以外の偏光状態の光を反射する機能を有する。反射型偏光子は、直線偏光分離型または円偏光分離型であり得るが、直線偏光分離型が好ましい。直線偏光分離型の反射型偏光子は、反射軸方向が吸収型偏光子の吸収軸方向と実質的に平行になるように(結果として、反射型偏光子の透過軸方向が吸収型偏光子の透過軸方向と実質的に平行になるように)配置される。このように配置することにより、画像表示装置がONの時には、光学セル側から入射して吸収型偏光子を透過した直線偏光をそのまま透過させることができ、結果として、画像表示装置による画像を鮮明に視認することができる。以下、一例として、直線偏光分離型の反射型偏光子について説明する。なお、円偏光分離型の反射型偏光子としては、例えば、コレステリック液晶を固定化したフィルムとλ/4板との積層体が挙げられる。
図4は、反射型偏光子の一例の概略斜視図である。図示例の反射型偏光子は、多層薄膜タイプの反射型偏光子であり、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体である。例えば、このような多層積層体の層の総数は、50〜1000であり得る。図示例では、A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である。したがって、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.2〜0.3である。なお、x軸方向は、後述する製造方法における反射型偏光子の延伸方向に対応する。
上記A層は、好ましくは、延伸により複屈折性を発現する材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸ポリエステル(例えば、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネートおよびアクリル系樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート)が挙げられる。ポリエチレンナフタレートが好ましい。上記B層は、好ましくは、延伸しても複屈折性を実質的に発現しない材料で構成される。このような材料の代表例としては、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステルが挙げられる。
上記反射型偏光子は、A層とB層との界面において、第1の偏光方向を有する光(例えば、p波)を透過し、第1の偏光方向とは直交する第2の偏光方向を有する光(例えば、s波)を反射する。反射した光は、A層とB層との界面において、一部が第1の偏光方向を有する光として透過し、一部が第2の偏光方向を有する光として反射する。反射型偏光子の内部において、このような反射および透過が多数繰り返されることにより、光の利用効率を高めることができる。
1つの実施形態においては、反射型偏光子は、図4に示すように、視認側と反対側の最外層として反射層Rを含んでいてもよい。反射層Rを設けることにより、最終的に利用されずに反射型偏光子の最外部に戻ってきた光をさらに利用することができるので、光の利用効率をさらに高めることができる。反射層Rは、代表的には、ポリエステル樹脂層の多層構造により反射機能を発現する。
上記反射型偏光子の全体厚みは、目的、反射型偏光子に含まれる層の合計数等に応じて適切に設定され得る。上記反射型偏光子の全体厚みは、好ましくは10μm〜150μmである。
上記反射型偏光子は、代表的には、共押出と横延伸とを組み合わせて作製され得る。共押出は、任意の適切な方式で行われ得る。例えば、フィードブロック方式であってもよく、マルチマニホールド方式であってもよい。例えば、フィードブロック中でA層を構成する材料とB層を構成する材料とを押出し、次いで、マルチプライヤーを用いて多層化する。なお、このような多層化装置は当業者に公知である。次いで、得られた長尺状の多層積層体を代表的には搬送方向に直交する方向(TD)に延伸する。A層を構成する材料(例えば、ポリエチレンナフタレート)は、当該横延伸により延伸方向においてのみ屈折率が増大し、結果として複屈折性を発現する。B層を構成する材料(例えば、ナフタレンジカルボン酸とテレフタル酸とのコポリエステル)は、当該横延伸によってもいずれの方向にも屈折率は増大しない。結果として、延伸方向(TD)に反射軸を有し、搬送方向(MD)に透過軸を有する反射型偏光子が得られ得る(TDが図4のx軸方向に対応し、MDがy軸方向に対応する)。なお、延伸操作は、任意の適切な装置を用いて行われ得る。
上記反射型偏光子としては、例えば、特表平9−507308号公報に記載のものが使用され得る。また、上記反射型偏光子としては、市販品をそのまま用いてもよく、市販品を2次加工(例えば、延伸)して用いてもよい。市販品としては、例えば、日東電工社製の商品名「APCF」、3M社製の商品名「DBEF」、3M社製の商品名「APF」が挙げられる。
別方式の反射型偏光子としては、ワイヤーグリッド偏光子等の金属細線タイプの反射型偏光子が挙げられる。ワイヤーグリッド偏光子は、ストライプ状に、より具体的には、所定の間隔を空けて平行に、配列した複数のワイヤーを含み、当該ワイヤーの長手方向(延びる方向)と直交する方向に振動する直線偏光成分を透過させ、当該ワイヤーの長手方向に振動する直線偏光成分を反射することができる。ワイヤーグリッド偏光子は、反射軸方向が吸収型偏光子の吸収軸方向と実質的に平行になるように配置される。
ワイヤーは、好ましくは金属製である。ワイヤーの直径およびワイヤー間の間隔は、目的に応じて適宜設定され得る。本発明の実施形態においては、ワイヤー間の間隔は、例えば10nm〜350nm、好ましくは50nm〜300nmに設定され得る。ワイヤー間の間隔を上記範囲とすることにより、波長350nm〜2000nmで偏光分離機能が好適に得られ得る。
B−4.吸収型偏光子
吸収型偏光子(以下、単に「偏光子」と称する場合がある)は、代表的には、ヨウ素を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3〜7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラ等を防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012−73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。また、当該厚みの下限は、例えば2μm、また例えば3μmであり得る。
偏光子は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは43.0%〜46.0%であり、より好ましくは44.5%〜46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
B−5.保護層
保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。保護層は、好ましくは無色透明であり、例えば、420nm〜780nmの測定波長領域の全領域にわたって透過率が、85%以上、好ましくは93%以上である。
上記保護層を形成するフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
1つの実施形態においては、上記(メタ)アクリル系樹脂として、ラクトン環やグルタルイミド環等の環状構造を主鎖中に有する(メタ)アクリル系樹脂が用いられる。グルタルイミド環を有する(メタ)アクリル系樹脂(以下、グルタルイミド樹脂とも称する)は、例えば、特開2006−309033号公報、特開2006−317560号公報、特開2006−328329号公報、特開2006−328334号公報、特開2006−337491号公報、特開2006−337492号公報、特開2006−337493号公報、特開2006−337569号公報、特開2007−009182号公報、特開2009−161744号公報、特開2010−284840号公報に記載されている。これらの記載は、本明細書に参考として援用される。
光学積層体を画像表示装置に適用したときに吸収型偏光子よりも視認側に配置される外側保護層(保護層40、82)の厚みは、代表的には300μm以下であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは5μm〜80μm、さらに好ましくは10μm〜60μmである。なお、表面処理が施されている場合、外側保護層の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。
光学積層体を画像表示装置に適用したときに吸収型偏光子よりも光学セル側に配置される内側保護層(保護層84)の厚みは、好ましくは5μm〜200μm、より好ましくは10μm〜100μm、さらに好ましくは10μm〜60μmである。1つの実施形態においては、内側保護層は、任意の適切な位相差値を有する位相差層である。この場合、位相差層の面内位相差Re(550)は、例えば110nm〜150nmである。「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差であり、式:Re=(nx−ny)×dにより求められる。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率であり、「d」は層(フィルム)の厚み(nm)である。
B−6.接着層
接着層は、代表的には、接着剤層または粘着剤層である。接着層は、好ましくは無色透明であり、例えば、420nm〜780nmの測定波長領域の全領域にわたって透過率が、80%以上、好ましくは90%以上である。
接着剤層を構成する接着剤組成物としては、任意の適切な接着剤組成物が用いられ得る。例えば、イソシアネート系、ポリビニルアルコール系、ゼラチン系、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等の水系接着剤組成物、紫外線硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等の硬化型接着剤組成物等が挙げられる。接着剤層の厚みは、例えば、0.05μm〜1.5μmであり得る。
粘着剤層を形成する粘着剤組成物としては、任意の適切な粘着剤組成物が用いられ得る。例えば、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルアルキルエーテル系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系、ポリアクリルアミド系、セルロース系等の粘着剤組成物が挙げられる。中でも、光学的透明性に優れ、また、粘着特性、耐候性、耐熱性等に優れる点から、アクリル系粘着剤組成物が好ましく用いられる。粘着剤層の厚みは、例えば、1μm〜100μmであり得る。
C.画像表示装置
上記B項に記載の光学積層体は、画像表示装置に適用され得る。したがって、本発明は、上記光学積層体を備えた画像表示装置を包含する。画像表示装置の代表例としては、液晶セルを備えた液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)セルを備えた有機EL表示装置等が挙げられる。1つの実施形態において、上記光学積層体は、液晶セル、有機ELセル等の光学セルの視認側に、光透過性有色層が吸収型偏光子よりも視認側となるように配置される。液晶セルおよび有機ELセルについては、本発明の特徴的な部分ではなく、かつ、業界で周知の構成が採用され得るので、詳細な説明は省略する。
図5は、本発明の1つの実施形態による液晶表示装置の概略断面図である。液晶表示装置200は、視認側から順に光学積層体100と液晶セル120と背面側偏光子140とを有する液晶パネル160およびバックライトユニット180を備える。光学積層体100は、B項に記載の光学積層体であり、光透過性有色層10が吸収型偏光子30よりも視認側となるように、かつ、吸収型偏光子30の吸収軸と背面側偏光子140の吸収軸とが実質的に直交となるように配置されている。背面側偏光子としては、吸収型偏光子と同様のものが用いられ得る。
D.光学デバイス
上記B項に記載の光学積層体は、光学デバイスに適用され得る。したがって、本発明の別の局面によれば、上記光学積層体と、上記光学積層体を透過する光を利用する受光素子とを備えた光学デバイスが提供される。光学デバイスの代表例としては、撮像デバイス(イメージセンサー)、照度センサー、カラーセンサー、赤外線センサー、LiDAR、可視光通信デバイス等が挙げられる。
上記受光素子は、代表的には、光を検出して電気信号に変換する光電効果型素子であり、目的に応じて適切に選択される。具体例としては、CCD、CMOS等の撮像素子、フォトトランジスタ、フォトレジスタ等が挙げられる。
1つの実施形態においては、上記光学積層体が、受光素子の表面上(より具体的には、受光素子の光入射側)に、吸収型偏光子が受光素子側となるように配置されている。このような構成とすることにより、受光素子に光を入射させる入光部とその周辺部分の意匠を調和させて外観を向上させることができる。なお、本発明の効果が得られる限りにおいて、光学積層体と受光素子との間に他の部材が配置されていてもよい。
上記撮像デバイスは、例えば、赤外線(近赤外線)撮像素子を備える赤外線(近赤外線)撮像デバイスであり得る。このような赤外線(近赤外線)撮像デバイスであれば、光透過性有色層由来の意匠に起因して好ましい外観を呈する一方で、得られる画像(映像を含む)に光透過性有色層由来の色づきが生じないという利点がある。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
デジタルゲージ((株)尾崎製作所製、製品名「PEACOCK」)を用いて測定した。
(2)反射色相およびメトリック彩度
光学積層体について、分光測色計(コニカミノルタ社製 CM−2600d)を用いて測定した反射色相a*、b*から、下記式を用いてメトリック彩度を求めた。
メトリック彩度(C)=√(a*2+b*2
(3)吸収型偏光子の単体透過率および偏光度
吸収型偏光子については、製造例1で得られた偏光板A(吸収型偏光子/保護層)に厚み20μmのアクリル系粘着剤を積層したものを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製 V−7100)を用いて測定した単体透過率Ts、平行透過率Tp、直交透過率Tcをそれぞれ、偏光子のTs、TpおよびTcとした。これらのTs、TpおよびTcは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。得られたTpおよびTcから、下記式を用いて偏光度を求めた。
偏光度(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
(4)光学積層体および/または光透過性有色層の単体透過率
光学積層体および/または光透過性有色層を、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製 V−7100)を用いて測定したときの、波長380nm〜780nmの透過率Tsを、単体透過率Tsとした。このTsは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
(5)光透過性反射板の単体透過率
光透過性反射板を、紫外可視近赤外分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製 U−4100またはUH−4150)を用いて測定した時の波長380nm〜780nmの単体透過率Tsを、光透過性反射板の透過率Tsとした。このTsは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値である。
<製造例1 偏光板の作製>
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所望の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に厚み約5μmの吸収型偏光子を形成し、樹脂基材/吸収型偏光子の構成を有する積層体を得た。
上記で得られた吸収型偏光子の表面(樹脂基材とは反対側の面)に、保護層としてラクトン環構造を有するアクリル系樹脂フィルム(厚み:40μm)を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合せた。次いで、樹脂基材を剥離し、吸収型偏光子/保護層の構成を有する偏光板Aを得た。当該偏光板A(実質的には、吸収型偏光子)の単体透過率は42.4%、偏光度は99.999%であった。
<製造例2 赤色粘着剤シートの作製>
≪粘着剤組成物の調製≫
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、NVP、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を78/18/4の重量比で含むモノマー混合物100部を、光重合開始剤としての商品名:イルガキュア651(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.035部および商品名:イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.035部ととともに4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で粘度(BH粘度計、No.5ローター、10rpm、測定温度30℃)が約15Pa・sになるまで紫外線を照射して光重合させることにより、上記モノマー混合物の部分重合物を含むモノマーシロップを調製した。
このモノマーシロップ100部に、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)17.6部、アクリル系オリゴマー5.9部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)0.088部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越化学工業社製)0.35部および分散剤として味の素ファインテクノ社製アジスパーPB821、顔料として2,9−Dimethylquinolino[2,3−b]acridine−7,14(5H,12H)−dione(BLD Pharmatech Ltd.社製)を0.05質量部配合して、赤色粘着剤組成物を調製した。
なお、上記アクリル系オリゴマーとしては、以下の方法で合成したものを使用した。
≪アクリル系オリゴマーの合成≫
トルエン100部、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)(商品名:FA−513M、日立化成工業社製)60部、メチルメタクリレート(MMA)40部、および連鎖移動剤としてα−チオグリセロール3.5部を4つ口フラスコに投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間攪拌した後、熱重合開始剤としてAIBN0.2部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で2時間反応させた。その後、反応液を130℃の温度雰囲気下に投入し、トルエン、連鎖移動剤、および未反応モノマーを乾燥除去することにより、固形状のアクリル系オリゴマーを得た。このアクリル系オリゴマーのTgは144℃であり、Mwは4300であった。
≪粘着剤シートの作製≫
ポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmの剥離フィルムR1(三菱樹脂社製、MRF#38)に、上記で得た赤色粘着剤組成物を塗布し、ポリエステルフィルムの片面が剥離面となっている厚さ38μmの剥離フィルムR2(三菱樹脂社製、MRE#38)を被せて空気を遮断し、紫外線を照射して硬化させることにより、厚さ50μm、単体透過率19.3%の赤色粘着剤シート(赤色粘着剤層)を形成した。
[実施例1]
製造例1で得られた偏光板Aの吸収型偏光子表面にアクリル系粘着剤層(厚み:23μm)を介して反射型偏光子(日東電工社製、製品名「APCF」、単体透過率:47%)を積層して、保護層/吸収型偏光子/反射型偏光子の構成を有する積層体を得た。このとき、反射型偏光子の反射軸と吸収型偏光子の吸収軸とが平行となるように積層した。得られた積層体の反射型偏光子表面に、赤色粘着剤シート(厚み:50μm、単体透過率:19.3%)を介して保護層としてトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士フイルム社製、製品名「TG60UL」、厚み:60μm)を貼り合せて、光学積層体1を得た。
[実施例2]
赤色粘着剤シートの代わりに青色粘着剤シート(厚み:50μm、単体透過率:24.2%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体2を得た。なお、青色粘着剤シートは、製造例2において赤色顔料の代わりに青色顔料(東京化成工業社製、製品名「Pigment Blue 15」) 0.05部を溶解することによって調製した。
[実施例3]
赤色粘着剤シートの代わりに黄色粘着剤シート(厚み:50μm、単体透過率:57.9%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体3を得た。なお、黄色粘着剤シートは、製造例2において赤色顔料の代わりに黄色顔料(Oakwood Products, Inc社製、製品名「Dalamar Yellow」) 0.05部を溶解することによって調製した。
[実施例4]
赤色粘着剤シートの代わりに緑色粘着剤シート(厚み:50μm、単体透過率:43.3%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体4を得た。なお、緑色粘着剤シートは、製造例2において赤色顔料の代わりに青色顔料(東京化成工業社製、製品名「Pigment Blue 15」)0.03部と黄色顔料(Oakwood Products, Inc社製、製品名「Dalamar Yellow」)0.03部を溶解することによって調製した。
[実施例5]
反射型偏光子の代わりに、ハーフミラーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体5を得た。なお、ハーフミラーとしては、厚み50μmのPETフィルム表面に厚み13nmのアルミニウム蒸着膜を形成した金属蒸着フィルムを用いた。当該金属蒸着フィルムの単体透過率は、11%であった。
[実施例6]
反射型偏光子の代わりに、ハーフミラーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体6を得た。なお、ハーフミラーとしては、東レ社製、製品名「ピカサス」(厚み100μm、単体透過率:30%)を用いた。
[実施例7]
反射型偏光子の代わりに、ハーフミラーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体7を得た。なお、ハーフミラーとしては、東レ社製、製品名「ピカサス」(厚み100μm、単体透過率:50%)を用いた。
[実施例8]
反射型偏光子の代わりに、ハーフミラーを用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体8を得た。なお、ハーフミラーとしては、東レ社製、製品名「ピカサス」(厚み100μm、単体透過率:85%)を用いた。
[実施例9]
反射型偏光子の代わりに、ワイヤーグリッド偏光フィルム(旭化成社製、製品名「WGFTM」、厚み80μm、単体透過率45.7%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体9を得た。
[比較例1]
製造例1で得られた偏光子/保護層の構成を有する偏光板Aをそのまま光学積層体C1として用いた。
[比較例2]
反射型偏光子を用いることなく、偏光子表面に赤色粘着剤シートを介してTACフィルムを貼り合せたこと以外は実施例1と同様にして、光学積層体C2を得た。
[比較例3]
反射型偏光子を用いることなく、偏光子表面に青色粘着剤シートを介してTACフィルムを貼り合せたこと以外は実施例2と同様にして、光学積層体C3を得た。
[比較例4]
反射型偏光子を用いることなく、偏光子表面に黄色粘着剤シートを介してTACフィルムを貼り合せたこと以外は実施例3と同様にして、光学積層体C4を得た。
[比較例5]
反射型偏光子を用いることなく、偏光子表面に緑色粘着剤シートを介してTACフィルムを貼り合せたこと以外は実施例4と同様にして、光学積層体C5を得た。
実施例および比較例で得られた光学積層体の構成ならびに光学特性を表1に示す。
Figure 2021092753
表1から明らかなとおり、実施例の光学積層体は、対応する比較例の光学積層体よりも反射光の彩度が顕著に大きく、かつ、所定の透過率を有する。このような光学積層体によれば、電化製品や車内環境の表示画面に利用された際に、非表示時(電源オフ時)の表示画面が周辺部分の意匠と調和した外観を呈するとともに、表示時においては画像表示装置による画像を鮮明に表示できる。
本発明の光学積層体および画像表示装置は、例えば、炊飯器、冷蔵庫、電子レンジ等の電化製品の表示部や、車内空間においてカーナビゲーションや計器類の表示部として好適に用いられ得る。
10 光透過性有色層
20 光透過性反射板
30 吸収型偏光子
100 光学積層体

Claims (9)

  1. 光透過性有色層と光透過性反射板と吸収型偏光子とを、この順に有する、光学積層体。
  2. 前記光透過性反射板の単体透過率が、10%〜70%である、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記光透過性有色層が、着色剤を含む粘着剤層である、請求項1または2に記載の光学積層体。
  4. 前記光透過性反射板が、反射型偏光子を含む、請求項1から3のいずれかに記載の光学積層体。
  5. 前記反射型偏光子の反射軸方向と前記吸収型偏光子の吸収軸方向とが、実質的に平行となるように配置されている、請求項4の光学積層体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の光学積層体と、前記光学積層体を透過する光を利用する受光素子とを備える、光学デバイス。
  7. 前記光学積層体が、前記受光素子の表面上に配置されている、請求項6に記載の光学デバイス。
  8. 前記受光素子が、撮像素子である、請求項6または7に記載の光学デバイス。
  9. 請求項1から5のいずれかに記載の光学積層体を備える、画像表示装置。
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