JP2002022950A - 偏光フィルムと偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光フィルムと偏光板及び液晶表示装置

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JP2002022950A
JP2002022950A JP2000208860A JP2000208860A JP2002022950A JP 2002022950 A JP2002022950 A JP 2002022950A JP 2000208860 A JP2000208860 A JP 2000208860A JP 2000208860 A JP2000208860 A JP 2000208860A JP 2002022950 A JP2002022950 A JP 2002022950A
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transmittance
film
liquid crystal
polarizing plate
parallel
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JP2000208860A
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English (en)
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Hisafumi Mihara
尚史 三原
Kazuyoshi Tsuchimoto
一喜 土本
Eiji Hamamoto
英二 濱本
Seiichi Kusumoto
誠一 楠本
Yoichiro Sugino
洋一郎 杉野
Senri Yoshikawa
せんり 吉川
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】平行ニコルに配置した場合、透過光のアンバラ
ンスによる着色が無く、ニュートラルな色相を有する偏
光フィルムと、それを用いて良好な白表示と、視認性及
び色再現性に優れるカラー表示の液晶表示装置を提供す
る。 【解決手段】ヨウ素、染料等の二色性物質を含有の延伸
フィルムからなり、平行ニコルに配置した場合の光透過
特性における透過率比A(490nm平行透過率/55
0nm平行透過率)及び透過率比B(610nm平行透過
率/550nm平行透過率)が共に1.00±0.02
の範囲内である偏光フィルム1とする。偏光フィルム1
の両面には透明保護フィルム2,2'を接着層5,5'を
介して接着し、その一面には粘着層3とセパレータ(仮
着フィルム)4を貼り合せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、視認性及び色再現
性に優れるカラー表示の液晶表示装置に用いられる偏光
フィルムと偏光板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、親水性高分子フィルムに、ヨウ
素、染料等の二色性物質を含浸させて延伸処理してなる
偏光フィルムが知られている。かかる偏光フィルムは液
晶表示装置に用いられており、色の再現性に優れるカラ
ー表示を実現するには、完全なる白色表示を達成するこ
とが望まれている。
【0003】完全なる白表示は、平行ニコルに配置した
場合、ニュートラルな色相を有する偏光フィルムによっ
て実現されるが、従来の偏光フィルムは、平行ニコルに
配置した場合ニュートラルな色相にならず、短波長又は
長波長領域の透過光のアンバランスによる着色の問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、平行ニコル
に配置した場合、ニュートラルな色相を提供して、良好
な白表示、視認性及び色再現性に優れるカラー表示の液
晶表示装置を形成しうる偏光フィルムと偏光板及び液晶
表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の偏光フイルムは、ヨウ素、染料等の二色性物質
を含有の延伸フィルムからなり、平行ニコルに配置した
場合の光透過特性における透過率比A(490nm平行
透過率/550nm平行透過率)及び透過率比B(610
nm平行透過率/550nm平行透過率)が共に1.0
0±0.02の範囲内であることを特徴とする。
【0006】次に本発明の偏光板は、前記の偏光フィル
ムの片面又は両面に、さらに透明保護層を備えたことを
特徴とする。
【0007】前記偏光板においては、単体透過率42%
以上、偏光度が98%以上であることが好ましい。
【0008】また前記偏光板においては、片側又は両側
に他部材と接着するための粘着層を有することが好まし
い。
【0009】また前記偏光板においては、片側に光非透
過性又は光半透過性の反射層を有することが好ましい。
【0010】次に本発明の反射型液晶表示装置は、前記
の偏光板を液晶セルの片側又は両側に備えたことを特徴
とする。
【0011】前記した本発明によれば、平行ニコルに配
置した場合、透過光のアンバランスによる着色が無く、
ニュートラルな色相を有する偏光フィルムを得ることが
でき、それを用いて良好な白表示と、視認性及び色再現
性に優れるカラー表示の液晶表示装置を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明による偏光フィルムは、ヨ
ウ素、染料等の二色性物質を含有の延伸フィルムからな
り、それを平行ニコルに配置した場合の光透過特性にお
ける透過率比A(490nm平行透過率/550nm平
行透過率)及び透過率比B(610nm平行透過率/5
50nm平行透過率)が共に1.00±0.02の範囲
内である。平行ニコルに配置した場合の透過光の均等化
による白さの強化、すなわちニュートラルな色相化の点
より好ましい偏光フィルムは、前記した光透過特性にお
ける透過率比A(490nm平行透過率/550nm平
行透過率)及び透過率比B(610nm平行透過率/5
50nm平行透過率)が共に1.00±0.02の範囲
内、好ましくは、±0.01の範囲内である。その透過
率比が、±0.02の範囲を越えると平行ニコルに配置
した場合の透過光のバランスが崩れ、それに伴う着色が
生じて白表示の表示品位が大きく低下する。
【0013】視認性に優れた液晶表示を行う為の偏光フ
ィルムは、平行透過率が高く、直交透過率が低い方が良
い。偏光フィルムの光学特性は、単体透過率が42%以
上、偏光度が98%以上好ましくは、単体透過率が43
%以上、偏光度が99%以上のものが良好である。
【0014】偏光フィルムの製造は、例えばポリビニル
アルコール系フィルムや部分ホルマール化ポリビニルア
ルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系
部分ケン化フィルムなどの適宜な親水性高分子からなる
フィルムを搬送しつつ染色浴内でヨウ素を含浸させて延
伸処理する湿式法などの従来に準じた適宜な方法にて行
うことができる。その場合、ヨウ素以外の例えば二色性
染料等の二色性物質を併用することもできる。
【0015】前記において光透過特性における透過率比
A(490nm平行透過/550nm平行透過率)及び
透過率比B(610nm平行透過率/550nm平行透
過率)は、例えば染色浴内での染色・延伸処理時に浴温
を10〜70℃、さらに好ましくは15〜60℃、とく
に好ましくは20〜40℃に制御しつつ、900nmの
波長光を用いてフィルムの位相差を測定し、その位相差
が1100nmを超えないように、好ましくは10〜1
050nm、とくに好ましくは100〜1000nmの
範囲となるように延伸処理などにより達成することがで
きる。
【0016】前記による延伸倍率は、通例50%以下、
さらに好ましくは1〜20%、とくに好ましくは2〜1
0%であり、形成する偏光フィルムの厚さは通例5〜8
0μmであるが、それらに限定されない。
【0017】本発明の透過率比、すなわち平行ニコルで
のニュートラルな色相の向上は、偏光フィルム中のポリ
ョウ素錯体の生成比率を制御したことによる。すなわ
ち、ポリヨウ素錯体は、偏光フィルムの色相の決定に大
きく影響する550〜650nmの波長範囲、さらに好
ましくは580〜620nm波長の範囲の近傍(透過率
比A)と、450〜520nmの波長範囲、さらに好ま
しくは460〜490nm波長範囲の近傍(透過率比
B)とに強い透過率比を示すため、そのポリヨウ素錯体
の生成比率を制御することにより偏光フィルムの色相を
調節することができる。
【0018】本発明による偏光フィルムは、液晶表示装
置等の各種の光学装置の形成などに好ましく用いうる。
その実用に際しては偏光フィルムの片面又は両面に透明
保護層等の適宜な機能層ないし光学層の1層又は2層以
上を設けた偏光板とすることもできる。
【0019】本発明の一実施例の偏光板の模式的概略断
面図を図1に示した。図1において、1は偏光フィルム
(偏光子)、2、2'は偏光フィルム1の両面に設けた
透明保護層、3は透明保護層2の外側に設けた粘着層で
あり、4は使用時には剥離するセパレータである。5,
5'は偏光フィルム(偏光子)1とその両面に設けた透
明保護層2、2'とを接着する接着層である。
【0020】前記した透明保護層の付加は、偏光フィル
ムの耐水性や取扱性の向上などを目的とし、その形成に
は適宜な透明物質を用いることができる。とくに、透明
性や機械的強度、熱安定性や水分遮蔽性等に優れるプラ
スチックなどが好ましく用いられる。ちなみにその一例
としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポ
リエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂及びアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル
系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系及び
シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂
などがあげられる。
【0021】透明保護層は、プラスチックの塗布方式や
フィルムとしたものの接着層を介した積層方式などの適
宜な方式で形成してよく、厚さも任意である。一般には
500μm以下、好ましくは1〜300μm、とくに好
ましくは5〜200μmの厚さである。また透明保護層
は、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等
を目的に表面に微細凹凸構造にしても良い。
【0022】表面微細凹凸構造の透明樹脂層の形成は、
例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化
錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン
等からなり、導電性のこともある無機系粒子、架橋又は
未架橋のポリマー等からなる有機系粒子などの透明粒子
を含有させる方式、サンドブラストやマット処理等にて
表面を粗面化処理する方式などの適宜な方式で形成する
ことができる。なお透明粒子は、一般に平均粒径0.5
〜20μmのものが透明樹脂100重量部あたり2〜5
0重量部、就中5〜25重量部用いられるが、これに限
定されない。
【0023】一方、ハードコート層は、表面の損傷防止
などを目的に設けられ、透明保護層2の外面に付設され
る。ハードコート層は、硬度に優れる適宜な材料にて形
成でき、一般には上記の透明保護層で例示した硬化型樹
脂の塗工層などとして形成される。その形成に際して
は、上記した透明保護層に準じてアンチグレア処理等を
目的に透明粒子を分散含有させることもできる。
【0024】また偏光板は、図例の如くその片側又は両
側に液晶セル等の他部材と接着するための粘着層3を有
するものとすることもできる。その粘着層の形成には、
適宜な粘着性物質や粘着剤を用いることができ、特に限
定はない。ちなみにその例としては、アクリル系重合体
やシリコーン系ポリマー、ポリエステルやポリウレタ
ン、ポリアミドやポリエーテル、フッ素系やゴム系など
の適宜なポリマーをベースポリマーとするものなどがあ
げられる。
【0025】とくに、アクリル系粘着剤の如く光学的透
明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性
を示して、耐侯性や耐熱性などに優れる粘着層であるこ
とが好ましい。また吸湿による発泡現象や剥がれ現象の
防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反
り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置
の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐熱性に優れる
粘着層であることが好ましい。
【0026】粘着層は、例えば天然物や合成物の樹脂
類、とくに粘着性付与樹脂、ガラス繊維やガラスビー
ズ、金属粉やその他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤や酸化防止剤などの粘着層に添加されること
のある適宜な添加剤を含有していてもよい。また粘着層
は、上記した透明粒子を含有して光拡散性を示すものな
どであってもよい。
【0027】粘着層は、例えばトルエンや酢酸エチル等
の適宜な溶剤の単独物又は混合物からなる溶媒に粘着性
物質ないしその組成物を溶解又は分散させて10〜40
重量%程度の粘着剤液を調製し、それを流延方式や塗工
方式等の適宜な展開方式で偏光板の所定面上に直接付設
する方式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を
形成してそれを偏光板の所定面上に移着する方式など適
宜な方式にて行うことができる。
【0028】粘着層は、異なる組成又は種類等のものの
重畳層として設けることもできる。粘着層の厚さは、使
用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には
1〜500μm、好ましくは5〜200μm、とくに好
ましくは10〜100μm野範囲である。なお偏光板の
表裏両側に設ける場合、それらの粘着層は組成や種類等
が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0029】なお粘着層が外表面に露出する場合には、
その粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的
にセパレータ4にて仮着カバーしておくことが好まし
い。セパレータの形成は、適宜なフィルムまたはシート
に必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系
や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤による剥離コートを
設ける方式などにより行うことができる。
【0030】なお前記のセパレータには、例えばプラス
チックフィルムやゴムシート、紙や布、不織布やネッ
ト、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体などの
適宜なものを用いることができる。セパレータの厚さ
は、強度等に応じて適宜に決定でき、一般には500μ
m以下、好ましくは5〜300μm、とくに好ましくは
10〜200μmの範囲である。
【0031】なお前記のセパレータは、偏光板表面の損
傷防止等を目的とする保護フィルムとすることもでき
る。すなわちセパレータは、それが接着する粘着層との
界面で剥離できるようにしたものであるが、保護フィル
ムは、偏光板より薄葉体を剥離する際に粘着層と共に剥
離できるようにしたものであり、従って保護フィルムの
場合にはその剥離で偏光板の表面が露出する。
【0032】なお本発明による偏光板は、位相差板や輝
度向上板を積層した楕円偏光板や輝度向上偏光板の如く
液晶表示装置の形成等に用いられる適宜な光学層を付加
した形態のものなどであってもよい。かかる光学層は、
液晶表示装置等の製造過程で順次別個に積層する方式に
ても付加しうるものであるが、予め積層付加したもの
は、品質の安定性や組立作業性等に優れて液晶表示装置
などの製造効率を向上させうる利点がある。
【0033】付加する光学層の種類について特に限定は
なく、従って偏光板は反射型のものなどであってもよ
い。また前記の位相差板も、1/2や1/4等の波長板
や視角補償などの適宜な目的を有するものであってよ
い。なお前記した楕円偏光板等の如き積層タイプの場
合、その積層は粘着層等の適宜な接着手段を介し行われ
たものであってもよい。
【0034】なお前記した反射型偏光板は、偏光板に反
射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を
反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成す
るためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省
略できて液晶表示装置の薄型化をはかりやすいなどの利
点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保
護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を
付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0035】すなわち反射型偏光板の具体例としては、
必要に応じマット処理した透明保護層の片面に、アイレ
ミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して
反射層を形成したものなどがあげられる。また透明粒子
含有の透明保護層の上に設けて表面微細凹凸構造の反射
層としたものなどもあげられる。
【0036】前記した表面微細凹凸構造の反射層は、入
射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見
栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有す
る。
【0037】透明保護層の表面微細凹凸構造を反映させ
た微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方
式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等
の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明
保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことが
できる。
【0038】光半透過性の反射層も、例えばパール顔料
を含有する樹脂層や光半透過性の蒸着膜などの従来に準
じた、光を反射しかつ透過する適宜な層にて形成するこ
とができる。光半透過性の反射層とフイルム基材との密
着処理は、上記した反射層の場合に準じて形成できる。
また光半透過性の反射層も上記反射層に準じた構造にて
光拡散機能を示すものであってもよい。
【0039】なお前記のパール顔料を含有する樹脂層の
形成には、上記のフイルム基材で例示したポリマーなど
の適宜な光透過性樹脂を用いることができ、粘着剤など
も用いても良い。またパール顔料も、例えば薄板(鱗
片)状雲母粒子を二酸化チタンで被覆したものなどの適
宜なものを用いることができ、反射光及び透過光が可及
的に白色光であるものが好ましい。
【0040】パール顔料含有の樹脂層からなる光半透過
性の反射層の形成は、例えば樹脂の溶液にパール顔料を
分散させてその分散液をフィルム基材上に塗工する方式
などにより行うことができる。なお光半透過性の反射
層、特にパール顔料含有の樹脂層からなる光半透過性の
反射層を設ける場合、パール顔料に基づく黄色化等の着
色を防止して白色地を形成し、表示光のコントラストの
向上などを目的として、そのフィルム基材に光が反射
し、かつ透過する白色基材を用いることもできる。
【0041】前記の白色基材の例としては、光学的に透
明なポリマーに有機系や無機系の光拡散性物質を配合し
てフィルムやシートに成形したもの、発泡構造に基づい
て光が拡散反射し、かつ透過するもの、紙や不織布の如
く繊維間に多数の微細な空隙を有して光が拡散反射し、
かつ透過するものなどがあげられる。
【0042】一方、上記した位相差板の具体例として
は、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリス
チレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン等
のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き
適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複
屈折性フィルムや液晶ポリマーの配向フィルム、液晶ポ
リマーの配向層をフィルムにて支持したものなどがあげ
られる。
【0043】位相差板は、使用目的に応じた適宜な位相
差を有するものであってよく、厚さ方向の屈折率を制御
した傾斜配向フィルムであってもよい。また2種以上の
位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御したもの
などであってもよい。なお前記の傾斜配向フィルムは、
例えばポリマーフィルムに熱収縮性フィルムを接着して
加熱によるその収縮力の作用化にポリマーフィルムを延
伸処理又は/及び収縮処理する方式や液晶ポリマーを斜
め出向させる方式などにより得ることができる。
【0044】他方、上記した輝度向上板は、偏光分離板
などと称呼されることのあるもので、自然光を入射させ
ると所定偏光軸の直線偏光又は所定方向の円偏光を反射
し、他の光は透過する特性を示すものであり、液晶表示
装置の輝度の向上を目的に用いられるものである。
【0045】すなわち輝度向上板は、例えばバックライ
ト等の光源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光
を得ると共に、反射光を反射層等を介し反転させて輝度
向上板に再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態
の光として透過させて輝度向上板を透過する光の増量を
図ると共に、偏光板に吸収されにくい偏光を供給して液
晶表示等に利用しうる光量の増大を図る方式などにより
輝度を向上させることを目的に用いられるものである。
【0046】従って輝度向上板としては、例えば誘電体
の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多
層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過して他の
光は反射する特性を示すもの(3M社製、D−BEF
等)、コレステリック液晶層、就中コレステリック液晶
ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム基
材上に支持したもの(目東電工社製、PCF350やM
erck社製・Transmax等)の如き、左右一方
の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示すものな
どの適宜なものを用いうる。
【0047】前記した所定偏光軸の直線偏光を透過する
タイプの輝度向上板では、その透過光をそのまま偏光板
に偏光軸を揃えて入射させることにより偏光板による吸
収ロスを抑制しつつ効率よく透過させることができる。
【0048】一方、コレステリック液晶層の如く円偏光
を透過するタイプの輝度向上板では、そのまま偏光板に
入射させることもできるが、吸収ロスを抑制する点より
はその透過円偏光を位相差板を介し直線偏光化して偏光
板に入射させることが好ましい。ちなみにその位相差板
として1/4波長板を用いて偏光板と輝度向上板の間に
配置することにより、円偏光を直線偏光に変換すること
ができる。
【0049】可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの光
等の単色光に対して1/4波長板として機能する位相差
層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長
板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより
得ることができる。従って偏光板と輝度向上板の間に配
置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からな
るものであってよい。
【0050】なおコレステリック液晶層についても、反
射波長が相違するものの組合せにて2層又は3層以上重
畳した配置構造とすることにより、可視光域等の広い波
長範囲で円偏光を反射するものを得ることができ、それ
に基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得ることができ
る。
【0051】上記の偏光板を形成する透明保護層やハー
ドコート層、粘着層や位相差板、輝度向上板などの各層
は、例えばサリチル酸エステノレ系化合物やベンゾフェ
ノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノ
アクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外
線吸収剤で処理する方式などの適宜な方式により紫外線
吸収能をもたせたものなどであってもよい。
【0052】本発明による偏光フィルムないし偏光板
は、液晶表示装置等の各種装置の形成などに好ましく用
いることができる。その液晶表示装置は、本発明による
偏光フィルムないし偏光板を液晶セルの片側又は両側に
配置してなる透過型や反射型、あるいは透過・反射両用
型等の従来に準じた適宜な構造を有するものとして形成
することができる。
【0053】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を更に具体的に説
明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるもので
はない。
【0054】(実施例1)厚さ75μmの長尺ポリビニ
ルアルコールをガイドロールを介して連続搬送しつつヨ
ウ素を0.003重量%とヨウ化カリウムを0.2重量
%を配合した染色浴(30℃)に5分間浸漬し、染色処
理するとともに、3倍の延伸処理をした。その後、ホウ
酸を5重量%とヨウ化カリウムを2重量%を添加した酸
性浴(60℃)中でトータル6倍となる延伸をすると同
時に、架橋処理し、50℃で7分間乾燥させて偏光フィ
ルムを得た。偏光フィルムの厚さは25μmであった。
【0055】次いで、前記偏光フィルムの両面に厚さ8
0μmのトリアセチルセルロースフィルム貼り付けて一
体化した。一体化は、ポリビニルアルコール系接着剤
を、乾燥厚みで0.1μm塗布して接着し、乾燥処理し
た。このようにして偏光板を得た。
【0056】得られた偏光板を平行ニコルに配置し、目
視観察すると共に、分光光度計(島津製作所製)にて4
90nm,550nm,610nmの透過率を測定し、
透過率比A(490nm平行透過率/550nm平行透
過率)及び透過率比B(610nm平行透過率/550
nm平行透過率)を求めた。また、単体、直交透過率も
測定し、下記式(数1)により偏光度を求めた。
【0057】
【数1】
【0058】(比較例1)厚さ75μmの長尺ポリビニ
ルアルコールをガイドロールを介して連続搬送しつつヨ
ウ化カリウムの添加量を実施例1の2倍にしたヨウ素と
ヨウ化カリルムの染色浴(30℃)に浸漬し、染色処理
と4倍の延伸処理を施した後、ホウ酸とヨウ化カリウム
を添加した酸性浴(60℃)中でトータル6倍となる延
伸、架橋処理を施し、70℃で5分間乾燥させて偏光フ
ィルムを得、両面を80μmのトリアセチルセルロース
フィルムをポリビニルアルコール系接着剤で接着、乾燥
処理をし偏光板を得た。
【0059】得られた偏光板を平行ニコルに配置し、目
視観察すると共に、分光高度計(島津製作所製)にて4
90nm、550nm、610nmの透過率を測定し、
透過率比A(490nm平行透過率/550nm平行透
過率)及び透過率比B(610nm平行透過率/550
nm平行透過率)を求めた。また、実施例1と同様に単
体透過率、偏光度を求めた。
【0060】以上の結果を下記の表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1から明らかなとおり、本発明の実施例
品は透過率比A(490nm平行透過率/550nm平
行透過率)及び透過率比B(610nm平行透過率/5
50nm平行透過率)が、それぞれ1.00±0.02
の範囲にあったので、平行ニコルに配置した場合、透過
光のアンバランスによる着色が無く、ニュートラルな色
相を有する偏光フィルムを得ることができ、それを用い
て良好な白表示と、視認性及び色再現性に優れるカラー
表示の液晶表示装置を実現できた。
【0063】これは、本実施例の偏光フィルムは、延伸
条件(ヨウ素とヨウ化カリウムの濃度比)、乾燥条件
(70℃を50℃に下げる)の最適化によるポリヨウ素
錯体の生成比率の制御を工夫をしたことによる。これに
対して比較例は、ポリヨウ素錯体の生成比率が十分でな
く、短波長側および長波長側の光抜けによる透過光のア
ンバランスの理由により、好ましい偏光板は得られなか
った。
【0064】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
平行ニコルに配置した場合の光透過特性における透過率
比A(490nm平行透過率/550nm平行透過率)及
び透過率比B(610nm平行透過率/550nm平行
透過率)が共に1.00±0.02の範囲内であること
により、透過光のアンバランスによる着色が無く、ニュ
ートラルな色相を有する偏光フィルムを得ることがで
き、それを用いて良好な白表示と、視認性及び色再現性
に優れるカラー表示の液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の偏光板の模式的断面図。
【符号の説明】
1 偏光子(偏光フィルム) 2,2' 透明保護層 3 粘着層 4 セパレータ 5,5' 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱本 英二 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 楠本 誠一 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 杉野 洋一郎 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 吉川 せんり 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA25 BA27 BB33 BB43 BB52 BB63 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA14Z FB02 FB08 FB13 FC07 FD06 FD14 LA20 4F210 AA19 AG01 AH73 QG01 QG18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二色性物質含有の延伸フィルムからなり、
    平行ニコルに配置した場合の透過率比A(490nm平
    行透過率/550nm平行透過率)及び透過率比B(61
    0nm平行透過率/550nm平行透過率)が共に1.
    00±0.02の範囲内であることを特徴とする偏光フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】請求項1の偏光フィルムの片面又は両面
    に、さらに透明保護層を備えたことを特徴とする偏光
    板。
  3. 【請求項3】単体透過率42%以上、偏光度が98%以
    上である請求項2に記載の偏光板。
  4. 【請求項4】片側又は両側に他部材と接着するための粘
    着層を有する請求項2または3に記載の偏光板。
  5. 【請求項5】片側に光非透過性又は光半透過性の反射層
    を有する請求項2〜4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 【請求項6】請求項2〜5のいずれかに記載の偏光板を
    液晶セルの片側又は両側に備えたことを特徴とする反射
    型液晶表示装置。
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