JP2022052994A - 分散液、インクジェット記録用インク組成物、及び分散樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】固化した色材が容易に再分散することを可能とし、乾燥再吐出時の安定性を向上することのできる分散液等を提供することを目的とする。【解決手段】水と、色材と、該色材を分散する分散樹脂と、を含み、前記分散樹脂が、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、前記分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、前記構成単位Aの含有量が、前記分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である、分散液。【選択図】なし
Description
本発明は、分散液、インクジェット記録用インク組成物、及び分散樹脂に関する。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、記録ヘッドのミスト汚染を抑制しつつ、高画質の画像を得ることについて種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、顔料粒子を、スチレン-アクリル系樹脂で分散した顔料インクジェット記録用インクが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のスチレン-アクリル系樹脂など従来の分散剤を含むインク組成物は、インクが乾燥して色材が固化すると、その後、再分散し難く、乾燥後に再吐出したときの不具合を発生させやすいという問題がある。
本発明は、水と、色材と、該色材を分散する分散樹脂と、を含み、分散樹脂が、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、構成単位Aの含有量が、分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である分散液である。
また、本発明は、上記分散液と、界面活性剤と、水溶性有機溶剤と、を含む、インクジェット記録用インク組成物である。
さらに、本発明は、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、構成単位Aの含有量が、分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である分散樹脂である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.分散液
本実施形態の分散液は、水と、色材と、該色材を分散する分散樹脂と、を含み、分散樹脂が、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、構成単位Aの含有量が、分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である。
本実施形態の分散液は、水と、色材と、該色材を分散する分散樹脂と、を含み、分散樹脂が、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、構成単位Aの含有量が、分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である。
従来の分散樹脂を用いた分散液又はインク組成物は、一度色材が固化すると、再分散し難いという問題がある。これに対して、本実施形態においては、上記構成を有する分散樹脂を用いることにより、固化した色材が容易に再分散することを可能とし、また、ノズル内のインクが乾燥したときにもその再吐出性(以下、「乾燥時吐出特性」ともいう。)をより向上することが可能となる。以下、各成分について詳説する。
1.1.分散樹脂
本実施形態の分散樹脂は、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有する共重合体である。本実施形態において「単量体」とは、重合前の重合性不飽和結合を有するモノマーをいい、「構成単位」とは、重合後に分散樹脂の一部を構成する繰り返し単位をいう。また、本実施形態において「疎水性」とは、25℃の水と相溶しない性質をいい、「親水性」とは、25℃の水と相溶する性質をいう。
本実施形態の分散樹脂は、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有する共重合体である。本実施形態において「単量体」とは、重合前の重合性不飽和結合を有するモノマーをいい、「構成単位」とは、重合後に分散樹脂の一部を構成する繰り返し単位をいう。また、本実施形態において「疎水性」とは、25℃の水と相溶しない性質をいい、「親水性」とは、25℃の水と相溶する性質をいう。
分散樹脂は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。ブロック共重合体としては、構成単位Aから構成されるブロックAと、構成単位Bから構成されるブロックBと、構成単位Cから構成されるブロックCとを有するトリブロック共重合体の他、構成単位Aから構成されるブロックAと、構成単位B及び構成単位Cから構成されるランダムブロックB/Cとを有するジブロック共重合体などが挙げられる。このような分散樹脂を用いることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性もより向上する傾向にある。
分散樹脂の含有量は、分散液の総量に対して、好ましくは2.5~12.5質量%であり、より好ましくは3.5~10質量%であり、さらに好ましくは4.5~9.0質量%である。分散樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
また、分散樹脂の含有量は、色材100質量部に対して、好ましくは20~100質量部であり、より好ましくは30~80質量部であり、さらに好ましくは40~70質量部である。分散樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
1.1.1.構成単位A
構成単位Aは、疎水性単量体を含む構成単位であり、分散樹脂に部分的に疎水性を付与する。特に制限されないが、構成単位Aは、色材の表面に疎水性相互作用等により配向し分散樹脂の色材への吸着に寄与し得る。
構成単位Aは、疎水性単量体を含む構成単位であり、分散樹脂に部分的に疎水性を付与する。特に制限されないが、構成単位Aは、色材の表面に疎水性相互作用等により配向し分散樹脂の色材への吸着に寄与し得る。
構成単位Aを構成する疎水性単量体としては、特に制限されないが、例えば、スチレン、メチルスチレン、その他のスチレン誘導体等の芳香族基を有するビニルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の炭化水素基を有するアクリル酸エステルモノマーが挙げられる。なお、本実施形態において「(メタ)アクリレート」には、アクリレート及びメタクリレートが含まれる。疎水性単量体は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
このなかでも、スチレンなどの芳香族基を有するビニルモノマー、及びベンジルアクリレートなどの炭化水素基を有するアクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれかを含むことがより好ましい。このような疎水性単量体を用いることにより、色材への分散樹脂の吸着性がより向上し、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
構成単位Aの含有量は、分散樹脂の総量に対して、60mol%以上であり、好ましくは62~90mol%であり、より好ましくは62~82mol%である。構成単位Aの含有量が60mol%以上であることにより、色材への分散樹脂の吸着性がより向上する。また、通常は、疎水性である構成単位Aの含有量が60mol%以上もあると、分散樹脂自体の親水性が低下するが、本実施形態の分散樹脂は他の構成単位、特には、構成単位Cの寄与により、分散樹脂の水溶性を確保することができる。これにより、色材への分散樹脂の吸着性がより向上し、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
1.1.2.構成単位B
構成単位Bは、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位であり、分散樹脂に部分的に親水性を付与する。特に制限されないが、構成単位Bは、色材の表面とは反対側に配向し、分散性の向上に寄与し得る。さらに、構成単位Bは、極性の大きく異なる構成単位Aと構成単位Cとを柔和させ、構成単位Bを有することにより、色材との親和性がより向上し、再分散性や、乾燥時吐出性及び吐出安定性が、より向上する。
構成単位Bは、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位であり、分散樹脂に部分的に親水性を付与する。特に制限されないが、構成単位Bは、色材の表面とは反対側に配向し、分散性の向上に寄与し得る。さらに、構成単位Bは、極性の大きく異なる構成単位Aと構成単位Cとを柔和させ、構成単位Bを有することにより、色材との親和性がより向上し、再分散性や、乾燥時吐出性及び吐出安定性が、より向上する。
構成単位Bを構成するポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体としては、特に制限されないが、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。なお、本実施形態において「(メタ)アクリル酸」には、アクリル酸及びメタクリル酸が含まれる。
このなかでも、分子量が300以上であるものポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体が好ましい。このようなポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を用いることにより、色材への分散樹脂の吸着性がより向上し、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。なお、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体の分子量は、好ましくは300以上であり、より好ましくは300~1000であり、さらに好ましくは300~600である。
構成単位Bの含有量は、分散樹脂の総量に対して、好ましくは3~25mol%であり、好ましくは5~20mol%であり、より好ましくは8~18mol%である。構成単位Bの含有量が上記範囲内であることにより、分散樹脂の親水性がより向上し、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
1.1.3.構成単位C
構成単位Cは、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位であり、分散樹脂に部分的に親水性を付与する。特に制限されないが、構成単位Cは、色材の表面とは反対側に配向し、分散性の向上に寄与し得る。
構成単位Cは、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位であり、分散樹脂に部分的に親水性を付与する。特に制限されないが、構成単位Cは、色材の表面とは反対側に配向し、分散性の向上に寄与し得る。
構成単位Cを構成するスルホン酸基を有する親水性ビニル単量体としては、特に制限されないが、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。このなかでも、ビニルスルホン酸がより好ましい。このような親水性ビニル単量体を用いることにより、親水性部位を少なくしても分散樹脂の親水性がより向上し、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。親水性ビニル単量体は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
CH2=CH-R-SO3H ・・・ (1)
(式中、Rは、炭素数1~6の、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を示す。)
CH2=CH-R-SO3H ・・・ (1)
(式中、Rは、炭素数1~6の、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基を示す。)
親水性ビニル単量体におけるスルホン酸基は、塩を形成していてもよい。塩は、特に制限されないが、例えば、カリウム等によるアルカリ金属塩;カルシウム、マグネシウム等によるアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アルキルアミン塩が挙げられる。
構成単位Cの含有量は、分散樹脂の総量に対して、好ましくは5.0~30mol%であり、より好ましくは7.5~25mol%であり、さらに好ましくは10~20mol%である。構成単位Cの含有量が上記範囲内であることにより、分散樹脂の親水性がより向上し、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。特に、構成単位Cを有することにより、固化した後の再分散性がより向上する。
1.1.4.重量平均分子量及び分子量分布
分散樹脂の重量平均分子量は、10000~100000であり、好ましくは10000~80000であり、より好ましくは10000~60000である。分散樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
分散樹脂の重量平均分子量は、10000~100000であり、好ましくは10000~80000であり、より好ましくは10000~60000である。分散樹脂の重量平均分子量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
また、分散樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.05~2.00であり、より好ましくは1.10~1.90であり、さらに好ましくは1.20~1.85であり、特に好ましくは1.30~1.80である。分散樹脂の分子量分布が上記範囲内であることにより、分子の大きさがより均一となり、固化した後の再分散性がより向上するほか、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。なお、このように比較的狭い分子量分布は、後述するリビングラジカル重合などにより達成することができる。
重量平均分子量及び分子量分布は、公知の方法により、クロマトグラフィー法により測定することができる。より具体的には、実施例に記載の方法により測定することができる。
1.1.5.製造方法
本実施形態の分散樹脂は、疎水性単量体とポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体とスルホン酸基を有する親水性ビニル単量体とを、共重合させることにより得ることができる。重合反応は、特に制限されないが、例えば、ラジカル重合、特にはリビングラジカル重合を用いることができる。
本実施形態の分散樹脂は、疎水性単量体とポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体とスルホン酸基を有する親水性ビニル単量体とを、共重合させることにより得ることができる。重合反応は、特に制限されないが、例えば、ラジカル重合、特にはリビングラジカル重合を用いることができる。
1.2.水
水の含有量は、分散液の総量に対して、好ましくは60~95質量%であり、より好ましくは65~95質量%であり、さらに好ましくは75~90質量%である。
水の含有量は、分散液の総量に対して、好ましくは60~95質量%であり、より好ましくは65~95質量%であり、さらに好ましくは75~90質量%である。
1.3.色材
色材としては、特に制限されないが、例えば、分散染料や顔料が挙げられる。このなかでも分散染料が好ましい。分散染料を用いることにより、固化した後の再分散性がより向上するほか、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。色材は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
色材としては、特に制限されないが、例えば、分散染料や顔料が挙げられる。このなかでも分散染料が好ましい。分散染料を用いることにより、固化した後の再分散性がより向上するほか、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。色材は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
分散染料としては、特に制限されず、C.I.ディスパースイエロー、C.I.ディスパースオレンジ、C.I.ディスパースブルー、C.I.ディスパースバイオレット、C.I.ディスパースブラックなど公知のものを用いることができる。
無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンが挙げられる。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料等が挙げられる。
色材の含有量は、分散液の総量に対して、好ましくは7.5~30質量%であり、より好ましくは7.5~25質量%であり、さらに好ましくは8.5~20質量%である。
1.4.pH調整剤
分散液は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。pH調整剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
分散液は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、硝酸等)、無機塩基(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン)、有機酸(例えば、アジピン酸、クエン酸、コハク酸等)等が挙げられる。pH調整剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いてもよい。
2.インクジェット記録用インク組成物
本実施形態のインクジェット記録用インク組成物(単に、「インク組成物」ともいう。)は、上記分散液と、界面活性剤と、水溶性有機溶剤と、を含み、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。なお、「インクジェット記録用」とは、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出するインクジェット法により用いることを意味する。
本実施形態のインクジェット記録用インク組成物(単に、「インク組成物」ともいう。)は、上記分散液と、界面活性剤と、水溶性有機溶剤と、を含み、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。なお、「インクジェット記録用」とは、インクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出するインクジェット法により用いることを意味する。
2.1.分散液
分散液については上記のとおりである。分散液とともにインク組成物に添加される上記分散樹脂の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1~3.5質量%であり、より好ましくは0.3~3.0質量%であり、さらに好ましくは0.5~2.5質量%である。分散樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
分散液については上記のとおりである。分散液とともにインク組成物に添加される上記分散樹脂の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1~3.5質量%であり、より好ましくは0.3~3.0質量%であり、さらに好ましくは0.5~2.5質量%である。分散樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
また、分散液とともにインク組成物に添加される上記色材の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.5~7.0質量%であり、より好ましくは1.0~6.0質量%であり、さらに好ましくは1.5~4.5質量%である。色材の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
インク組成物中において、分散樹脂の含有量は、色材100質量部に対して、好ましくは10~80質量部であり、より好ましくは15~70質量部であり、さらに好ましくは25~60質量部である。分散樹脂の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
2.2.界面活性剤
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及び2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4-ジメチル-5-デシン-4-オール及び2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.1~3.0質量%であり、より好ましくは0.1~1.0質量%である。
2.3.水溶性有機溶剤
水溶性有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン等の含窒素溶剤;メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、iso-プロピルアルコール、n-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、iso-ブタノール、n-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、及びtert-ペンタノール等のアルコール類が挙げられる。このなかでも、グリセリン、グリコール類やグリコールモノエーテル類が好ましく、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル及びグリセリンがより好ましい。水溶性有機溶剤は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
水溶性有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン等の含窒素溶剤;メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、iso-プロピルアルコール、n-ブタノール、2-ブタノール、tert-ブタノール、iso-ブタノール、n-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、及びtert-ペンタノール等のアルコール類が挙げられる。このなかでも、グリセリン、グリコール類やグリコールモノエーテル類が好ましく、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル及びグリセリンがより好ましい。水溶性有機溶剤は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは5.0~30質量%であり、より好ましくは10~20質量%である。水溶性有機溶剤の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
2.4.水
水の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは60~90質量%であり、より好ましくは70~85質量%である。水の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
水の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは60~90質量%であり、より好ましくは70~85質量%である。水の含有量が上記範囲内であることにより、固化した後の再分散性がより向上し、乾燥時吐出特性がより向上する傾向にある。
2.5.pH調整剤
インク組成物は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、分散液で例示したものを上げることができる。インク組成物におけるpH調整剤は、分散液に由来して混合されるものであってもよいし、インク組成物の調整時に別途添加されるものであってもよい。
インク組成物は、pH調整剤をさらに含んでいてもよい。pH調整剤としては、特に限定されないが、分散液で例示したものを上げることができる。インク組成物におけるpH調整剤は、分散液に由来して混合されるものであってもよいし、インク組成物の調整時に別途添加されるものであってもよい。
pH調整剤の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.1~2.0質量%であり、より好ましくは0.5~1.5質量%である。
2.6.その他の樹脂
インク組成物は、分散樹脂以外のその他の樹脂をさらに含んでいてもよい。その他の樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アニオン系樹脂、カチオン系樹脂、又はノニオン系樹脂が挙げられる。このような樹脂を含むことにより、色材を記録媒体に固着させることができる。
インク組成物は、分散樹脂以外のその他の樹脂をさらに含んでいてもよい。その他の樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アニオン系樹脂、カチオン系樹脂、又はノニオン系樹脂が挙げられる。このような樹脂を含むことにより、色材を記録媒体に固着させることができる。
カチオン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、カチオンでんぷんなどのでんぷん誘導体、カチオン系のウレタン系樹脂、カチオン系のオレフィン系樹脂、及びカチオン系のアリルアミン系樹脂が挙げられる。
アニオン系樹脂の例としては、カルボキシメチルセルロース塩、ビスコースなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩、アラビアゴム、トラガントゴム、リグニンスルホン酸塩等
の天然樹脂類が挙げられる。
の天然樹脂類が挙げられる。
ノニオン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂、及び酢酸ビニル系樹脂が挙げられる。
その他の樹脂の含有量は、インク組成物の総量に対し、好ましくは0.1~2.0質量%であり、より好ましくは0.5~1.5質量%である。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.共重合体の合成
1.1.製造例1
撹拌子とジムロート冷却管をセットした三口フラスコに、82質量部のスチレン(東京化成工業社製)と、10質量部のビニルスルホン酸(旭化成社製)と、8質量部のPME-400(日油株式会社製)とを入れ、30質量部のN,N-ジメチルホルムアミド(東京化成工業社製)で溶解させた。また、別のガラス瓶に1質量部のアゾビスイソブチロニトリル(富士フィルム和光純薬社製)と、10質量部のN,N-ジメチルホルムアミド(東京化成工業社製)を入れ開始剤溶液を調製した。
1.1.製造例1
撹拌子とジムロート冷却管をセットした三口フラスコに、82質量部のスチレン(東京化成工業社製)と、10質量部のビニルスルホン酸(旭化成社製)と、8質量部のPME-400(日油株式会社製)とを入れ、30質量部のN,N-ジメチルホルムアミド(東京化成工業社製)で溶解させた。また、別のガラス瓶に1質量部のアゾビスイソブチロニトリル(富士フィルム和光純薬社製)と、10質量部のN,N-ジメチルホルムアミド(東京化成工業社製)を入れ開始剤溶液を調製した。
三口フラスコ内の溶液に対して20分間の窒素バブリングを行った後、開始剤溶液を滴下した。そして、窒素雰囲気下で、還流温度に加熱し、8時間重合反応を行った。反応終了後、反応物をイソプロパノール中へ滴下して粘性液体を沈殿させた。上澄みを除去後、粘性液体を回収し、乾燥させて、分散樹脂1を得た。得られた分散樹脂の重量平均分子量は17465であった。
1.2.製造例2~8
用いた単量体の種類と量を、下記表1の分散樹脂が得られるように変更したこと以外は、製造例1と同様の方法により、分散樹脂2~8を合成した。
用いた単量体の種類と量を、下記表1の分散樹脂が得られるように変更したこと以外は、製造例1と同様の方法により、分散樹脂2~8を合成した。
1.3.重量平均分子量及び分子量分布
クロマトグラフィー法により、上記のようにして得られた各分散樹脂の重量平均分子量及び、各分散樹脂の分子量分布(Mw/Mn)を測定した。条件を以下に示す。
(測定条件)
装置名 :HLC8320GPC(東ソー)
ガードカラム:Super AW-L
カラム :Super AW3000
カラム温度 :25℃
溶出液ジメチルアセトアミド:
流速 :0.6 mL/min
検出器 RI:
クロマトグラフィー法により、上記のようにして得られた各分散樹脂の重量平均分子量及び、各分散樹脂の分子量分布(Mw/Mn)を測定した。条件を以下に示す。
(測定条件)
装置名 :HLC8320GPC(東ソー)
ガードカラム:Super AW-L
カラム :Super AW3000
カラム温度 :25℃
溶出液ジメチルアセトアミド:
流速 :0.6 mL/min
検出器 RI:
BzA :アクリル酸ベンジル
PME-400:ブレンマーPME-400(日油株式会社):ポリエチレングリコールメタクリレート
AME-400:ブレンマーAME-400(日油株式会社):ポリエチレングリコールアクリレート
PE-350 :ブレンマーPE-400(日油株式会社):ポリエチレングリコールメタクリレート
VSH :ビニルスルホン酸
2.ワニス液の調製
撹拌子、ジムロート冷却管をセットした1Lナス型フラスコに、15質量部の共重合体と、70質量部の純水とを加え、80℃に加熱して撹拌した。ここに、トリエタノールアミンをpH8.0となるまで加え、さらに純水を加えて、全体が100質量部となるようにした。その後、25℃に冷却して、共重合体15質量%を含むワニス液を得た。
撹拌子、ジムロート冷却管をセットした1Lナス型フラスコに、15質量部の共重合体と、70質量部の純水とを加え、80℃に加熱して撹拌した。ここに、トリエタノールアミンをpH8.0となるまで加え、さらに純水を加えて、全体が100質量部となるようにした。その後、25℃に冷却して、共重合体15質量%を含むワニス液を得た。
3.分散液の調製
50質量部のワニス液と、15質量部のDISPERSE YELLOW 82と、35質量部の純水と、を加えて直径0.3mmのジルコニアビーズを加えたビーズミルにて分散処理を行うことにより十分に混合し、共重合体7.5質量%と色材15質量%を含む分散液を得た。
50質量部のワニス液と、15質量部のDISPERSE YELLOW 82と、35質量部の純水と、を加えて直径0.3mmのジルコニアビーズを加えたビーズミルにて分散処理を行うことにより十分に混合し、共重合体7.5質量%と色材15質量%を含む分散液を得た。
4.インク組成物の調製
下記表2に記載の組成となるように、分散液とその他の成分を混合し、各インク組成物を得た。また、後述する再分散性で用いたインク水の組成についても表2に示す。
下記表2に記載の組成となるように、分散液とその他の成分を混合し、各インク組成物を得た。また、後述する再分散性で用いたインク水の組成についても表2に示す。
5.評価
5.1.再分散性
上記のように調製したインク組成物をスライドガラス上に滴下し、40℃の乾燥機で16時間乾燥させて固化させた。そして、インク水を入れたサンプル瓶内に、スライドガラスを浸漬し、固形物の再分散の挙動を目視にて確認した。なお、インク水が撹拌等されないように注意して操作を行った。なお、インク水とは、上記表2において色材と分散樹脂を含まないものをいう。再分散性の評価基準を以下に示す。
(評価基準)
A:固形物が消失し、再分散した。
B:固形物が一部残存したが、再分散が認められた。
C:固形物が残存し、再分散は認められなかった。
5.1.再分散性
上記のように調製したインク組成物をスライドガラス上に滴下し、40℃の乾燥機で16時間乾燥させて固化させた。そして、インク水を入れたサンプル瓶内に、スライドガラスを浸漬し、固形物の再分散の挙動を目視にて確認した。なお、インク水が撹拌等されないように注意して操作を行った。なお、インク水とは、上記表2において色材と分散樹脂を含まないものをいう。再分散性の評価基準を以下に示す。
(評価基準)
A:固形物が消失し、再分散した。
B:固形物が一部残存したが、再分散が認められた。
C:固形物が残存し、再分散は認められなかった。
5.2.吐出安定性
インクジェット方式のプリンターEM-930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)にインクジェット記録用インク組成物を充填し、印刷を連続で2時間行った。印刷前後で、印刷で使用したノズルのノズルチェックパターンを印刷して、着弾位置ずれが悪化したノズルを確認した。なお、ノズル数は180個とした。評価基準は以下の通りである。評価結果がA又はBであれば良好と判断できる。
(評価基準)
A:着弾位置ずれの悪化したノズル数が1%以下
B:着弾位置ずれの悪化したノズル数が1%超、5%以下
C:着弾位置ずれの悪化したノズル数が5%超
インクジェット方式のプリンターEM-930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)にインクジェット記録用インク組成物を充填し、印刷を連続で2時間行った。印刷前後で、印刷で使用したノズルのノズルチェックパターンを印刷して、着弾位置ずれが悪化したノズルを確認した。なお、ノズル数は180個とした。評価基準は以下の通りである。評価結果がA又はBであれば良好と判断できる。
(評価基準)
A:着弾位置ずれの悪化したノズル数が1%以下
B:着弾位置ずれの悪化したノズル数が1%超、5%以下
C:着弾位置ずれの悪化したノズル数が5%超
5.3.乾燥時吐出特性
インクジェット方式のプリンターEM-930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)にインクジェット記録用インク組成物を充填し、吐出ヘッドを吸引キャップから外して1日放置した。そして、放置後にクリーニング1回行って、全ノズルを吐出しながら20頁連続印刷して、印刷抜け、曲がりのノズル本数を以下の基準に基づいて判定した。評価結果がA又はBであれば良好と判断できる。
(評価基準)
A:抜け、曲がりが0ノズル
B:抜け、曲がりが1~5ノズル
C:抜け、曲がりが6ノズル以上
インクジェット方式のプリンターEM-930C(商品名、セイコーエプソン株式会社製)にインクジェット記録用インク組成物を充填し、吐出ヘッドを吸引キャップから外して1日放置した。そして、放置後にクリーニング1回行って、全ノズルを吐出しながら20頁連続印刷して、印刷抜け、曲がりのノズル本数を以下の基準に基づいて判定した。評価結果がA又はBであれば良好と判断できる。
(評価基準)
A:抜け、曲がりが0ノズル
B:抜け、曲がりが1~5ノズル
C:抜け、曲がりが6ノズル以上
以上のとおり、本発明の分散液を用いた実施例のインク組成物は、比較例と比較して、再分散性に優れ、乾燥時吐出特性がより向上し、吐出安定性にも優れていることがわかる。
Claims (13)
- 水と、色材と、該色材を分散する分散樹脂と、を含み、
前記分散樹脂が、疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、
前記分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、
前記構成単位Aの含有量が、前記分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である、
分散液。 - 前記分散樹脂の分子量分布(Mw/Mn)が、1.05~2.00である、
請求項1に記載の分散液。 - 前記構成単位Aの含有量が、前記分散樹脂の総量に対して、62~82mol%である、
請求項1又は2に記載の分散液。 - 前記構成単位Bの含有量が、前記分散樹脂の総量に対して、8~18mol%である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記構成単位Cの含有量が、前記分散樹脂の総量に対して、10~20mol%である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記疎水性単量体が、芳香族基を有するビニルモノマー、及び炭化水素基を有するアクリル酸エステルモノマーの少なくともいずれかを含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体の分子量が、300以上である、
請求項1~6のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記親水性ビニル単量体が、ビニルスルホン酸を含む、
請求項1~7のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記色材が、分散染料である、
請求項1~8のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記色材の含有量が、前記分散液の総量に対して、7.5~30質量%である、
請求項1~9のいずれか一項に記載の分散液。 - 前記分散樹脂の含有量が、前記分散液の総量に対して、2.5~10質量%である、
請求項1~10のいずれか一項に記載の分散液。 - 請求項1~11のいずれか一項に記載の分散液と、界面活性剤と、水溶性有機溶剤と、を含む、
インクジェット記録用インク組成物。 - 疎水性単量体を含む構成単位Aと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート単量体を含む構成単位Bと、スルホン酸基を有する親水性ビニル単量体を含む構成単位Cと、を有し、
前記分散樹脂の重量平均分子量が、10000~100000であり、
前記構成単位Aの含有量が、前記分散樹脂の総量に対して、60mol%以上である、
分散樹脂。
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---|---|---|---|---|
EP4345140A1 (en) | 2022-09-29 | 2024-04-03 | Nissin Chemical Industry Co., Ltd. | Dispersant, dispersion, ink composition, and method for producing same |
-
2020
- 2020-09-24 JP JP2020159558A patent/JP2022052994A/ja active Pending
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