JP2022047416A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両Cは、グリル開口部2から導入される空気と熱交換を行うラジエータ5及び室外熱交換器6と、それらに供給される空気の風量を変化させることが可能なシャッタ装置8と、シャッタ装置8を制御する熱システムECUと、を備える。シャッタ装置8は、下側開口領域A13,A14を開閉する下側ブレード512と、下側開口領域A13,A14よりもグリル開口部2から遠い上側開口領域A11,A12を開閉する上側ブレード511と、を有する。熱システムECUは、上側開口領域A11,A12の開度よりも下側開口領域A13,A14の開度の方が小さくなるように各ブレード511,512を動作させる。
【選択図】図1
Description
<第1実施形態>
図1に示される車両Cは、モータを動力源として走行する、いわゆる電動車両である。車両Cのボディ1の前方にはグリル開口部2が設けられている。グリル開口部2は車両ボディ1の前方の空気をラジエータ5及び室外熱交換器6に供給するために設けられている。グリル開口部2から導入される空気は導風ダクト4を通じてラジエータ5及び室外熱交換器6に供給される。ラジエータ5は、車両Cのパワーユニットを冷却するための冷却回路の構成要素であって、冷却回路を循環する冷却水と、グリル開口部2から導入される空気とを熱交換させることにより冷却水の放熱を行う。パワーユニットには、車両Cの動力源であるモータ、並びにモータを駆動させるためのバッテリやインバータ装置等が含まれる。室外熱交換器6は、車両Cに搭載される空調装置に設けられるヒートポンプ装置の構成要素であって、ヒートポンプ装置を循環する冷媒と、グリル開口部2から導入される空気とを熱交換させることによりコンデンサ又は吸熱器として動作する。ラジエータ5は室外熱交換器6よりも車両前方に配置されている。室外熱交換器6の空気流れ方向の下流には送風機7が設けられている。送風機7は、例えば車両Cの停車時にラジエータ5及び室外熱交換器6に空気を供給するために設けられている。本実施形態では、ラジエータ5及び室外熱交換器6が熱交換器に相当する。
図2に示されるように、冷却回路20には、ラジエータ5、ポンプ21、及び発熱体22が設けられている。冷却回路20では、それらの要素を冷却水が循環している。ラジエータ5は、その内部を流れる冷却水と、その外部を流れる空気とを熱交換させることにより冷却水を冷却する。ポンプ21は、ラジエータ5により冷却された冷却水を吸入して発熱体22に吐出する。このポンプ21の駆動により冷却回路20を冷却水が循環している。ポンプ21は、電力の供給に基づき駆動する電動式のポンプである。発熱体22には、車両Cのパワーユニットを構成するモータ220やインバータ装置221、バッテリ222等が含まれている。インバータ装置221は、バッテリ222に充電されている直流電力を交流電力に変換してモータ220に供給するとともに、モータ220の回生動作により発電される交流電力を直流電力に変換してバッテリ222に充電する。モータ220、インバータ装置221、及びバッテリ222には、ポンプ21から吐出される冷却水が流れる。この冷却水がモータ220等の熱を吸収することにより、それらが冷却される。モータ220等の熱を吸収することにより温度の上昇した冷却水はラジエータ5に供給されることで再度冷却される。
図3に示されるように、シャッタ装置8は、フレーム50と、複数のブレード51と、モータ52とを備えている。
フレーム50は、矩形枠状に形成されたフレーム本体部500と、フレーム本体部500の内側に十字状に配置される縦フレーム補強部501及び横フレーム補強部502とを有している。フレーム本体部500の内側の空間には、図1に示されるグリル開口部2から導入される空気が矢印Yで示される方向に流れる。
縦フレーム補強部501はフレーム本体部500を補強するために設けられている。横フレーム補強部502はフレーム本体部500を補強し、且つブレード51を保持するために設けられている。縦フレーム補強部501及び横フレーム補強部502によりフレーム本体部500の内側の空間が4つの開口領域A11~A14に区画されている。
図4に示されるように、車両Cには、その走行状態や冷却回路20の状態、ヒートポンプ装置30の状態、車両Cの内外の環境状態等を検出するための各種センサ60が設けられている。センサ60には、外気温センサ61、車速センサ62、冷媒圧センサ63、水温センサ64、内気温センサ65、外気温センサ66等が含まれている。外気温センサ61は、車両Cの外部の空気である外気の温度を検出する。車速センサ62は、車両Cの走行速度である車速を検出する。冷媒圧センサ63は、ヒートポンプ装置30において室外熱交換器6から流出する冷媒の圧力を検出する。水温センサ64は、冷却回路20において発熱体22から流出する冷却水の温度を検出する。内気温センサ65は、車両Cの室内の温度である内気温を検出する。各センサ61~65は、検出される物理量に応じた信号を出力する。
さらに、車両Cには、パワートレインECU(Electronic Control Unit)80、空調ECU81、及び熱システムECU82が更に設けられている。ECU80~82は、CPUやROM、RAM等を有するマイクロコンピュータを中心に構成されている。ECU80~82は、ROMに予め記憶されているプログラムを実行することにより各種制御を実行する。各ECU80~82は、車両Cに設けられるCAN等のネットワーク通信Ncを利用して互いに各種情報を授受することが可能となっている。
熱システムECU82は、図5に示される処理を所定の周期で繰り返し実行する。なお、熱システムECU82は、図5に示される処理を開始する際に、シャッタ装置8の上側ブレード511及び下側ブレード512のそれぞれの位置を初期位置に設定している。初期位置は、例えば全閉状態に対応する位置である。
(a2)水温センサ64により検出される冷却水の温度が所定の温度判定値以下である場合。すなわち、発熱体22を冷却する必要が無い場合。温度判定値は、発熱体22を冷却すべきか否かを判定することができる値に予め設定されている。
(1)上側ブレード511の開度よりも下側ブレード512の開度の方が小さくなることにより、シャッタ装置8の下側開口領域A13,A14よりも上側開口領域A11,A12の方が、空気が流れ易くなる。そのため、ラジエータ5及び室外熱交換器6のそれぞれの下部5b,6bの空気の圧力を高くなる方向に変化させることができる一方、それらの上部5a,6aの空気の圧力を低くなる方向に変化させることができる。このようにシャッタ装置8の開度の偏りにより空気の圧力を部分的に変化させることで、グリル開口部2の位置に起因する空気の圧力の偏りを軽減することができる。その結果、ラジエータ5及び室外熱交換器6に供給される空気の風量のばらつきを軽減することができるため、それらの熱交換効率を高めることが可能となる。
(4)図1に示されるように、車両Cの上下方向Zにおけるグリル開口部2の幅H11は、車両Cの上下方向Zにおけるシャッタ装置8の下側開口領域A13,A14の幅H12よりも短い。この構成のようにグリル開口部2の幅が短く設定されていれば、導風ダクト4に取り込まれる空気の風量を少なくすることができるため、車両Cの空力性能を向上させることができる。
次に、第2実施形態の車両Cについて説明する。以下、第1実施形態の車両Cとの相違点を中心に説明する。
ヒートポンプ装置30の動作状況の一つとして、外気温が低い環境下でヒートポンプ装置30が暖房モードで動作する状況が考えられる。このような状況では、仮にグリル開口部2から進入した水がシャッタ装置8に付着すると、付着した水が凍結することによりシャッタ装置8の各ブレード511,512が開閉動作できなくなる可能性がある。このような場合、各ブレード511,512が開閉動作できなくなることに起因してシャッタ装置8に異常が検出されると、車両Cのインジケータが点灯する等して、運転者が困惑する可能性がある。
(7)本実施形態の車両Cの構成によれば、被水によりシャッタ装置8が凍結し易い環境下であっても、ヒートポンプ装置30を暖房モードで動作させることが可能となる。よって、車室内の暖房を継続することができるため、車室内の快適性を確保することができる。
次に、第3実施形態の車両Cについて説明する。以下、第1実施形態の車両Cとの相違点を中心に説明する。
室外熱交換器6は、通常、複数のチューブと、それらのチューブの両端部にそれぞれ連結されるタンクとを有して構成されている。室外熱交換器6では、各チューブの内部を流れる冷媒と、各チューブの外部を流れる空気とで熱交換が行われる。このような構成からなる室外熱交換器6では、チューブの表面に霜が付着すると、空気に対する伝熱面積が実質的に減少することとなるため、熱交換効率が著しく低下するおそれがある。そのため、ヒートポンプ装置30は、室外熱交換器6のチューブの表面に霜が付着した際にその霜を溶かす、いわゆる除霜モードで動作するものがある。除霜モードでは、例えば室外熱交換器6への空気の供給を遮断した状態で室外熱交換器6に冷媒を循環させる。これにより、チューブの表面に付着する霜を冷媒の熱により溶かすことができる。
(b2)図7(B)に示されるように、上側ブレード511が閉状態になり、且つ下側ブレード512が開状態になるようにモータ52を駆動させる。
以上説明した本実施形態の車両Cによれば、以下の(8)に示される作用及び効果を得ることができる。
次に、第4実施形態の車両Cについて説明する。以下、第3実施形態の車両Cとの相違点を中心に説明する。
ヒートポンプ装置30が除霜モードで駆動すると、室外熱交換器6の表面には、霜が溶けることにより生成される水が溜まる。この水が凍結すると、室外熱交換器6の熱交換効率が著しく低下したり、室外熱交換器6に凍結割れが生じたりする可能性がある。そのため、室外熱交換器6の表面に溜まる水は可能な限り除去することが望ましい。
具体的には、熱システムECU82は、排水モードとして、上記の(b1)及び(b2)に示される制御を所定の時間間隔で交互に実行する。これにより、例えば上記の(b1)の制御から上記の(b2)の制御に切り替わった際には、室外熱交換器6の下部6bは、空気が流れていない状態から、空気が流れる状態に切り替わる。そのため、室外熱交換器6の下部6bを流れる空気の風量を急激に変化させることができる。この空気の風量の急激な変化により、室外熱交換器6の下部6bに溜まっている水が吹き飛ばされる。また、上記の(b2)の制御から上記の(b1)の制御に切り替わった際には、室外熱交換器6の上部6aに溜まっている水が吹き飛ばされる。結果的に、室外熱交換器6に溜まっている水を除去することができる。
(9)熱システムECU82は、ヒートポンプ装置30が除霜モードで動作した後、室外熱交換器6の上部6a及び下部6bを通過する空気の風量を急激に変化させる排水モードを実行することにより、室外熱交換器6に溜まっている水を除去する。これにより、除霜モードの実行により室外熱交換器6に溜まる水を除去することができるため、室外熱交換器6の熱交換効率の低下や凍結割れ等を回避することが可能となる。
次に、第5実施形態の車両Cについて説明する。以下、第1実施形態の車両Cとの相違点を中心に説明する。
図8に示されるように、本実施形態の車両Cでは、ラジエータ5と室外熱交換器6とがアウターフィン9を介して熱的に連結されている。すなわち、アウターフィン9を介してラジエータ5と室外熱交換器6との間で熱交換が可能となっている。これにより、例えば室外熱交換器6が吸熱器として動作している場合、ラジエータ5の廃熱を、アウターフィン9を介して室外熱交換器6に伝達させることができるため、車両C全体としての熱効率を高めることができる。結果的に、車両Cの電費を向上させることが可能となる。
(10)室外熱交換器6がアウターフィン9を介してラジエータ5の熱を冷媒に吸収させる吸熱器として動作しているとき、熱システムECU82は、上側ブレード511を開状態に設定する一方、下側ブレード512を閉状態に設定する。この構成によれば、より的確に室外熱交換器6の吸熱量を確保することができるため、車室内の暖房が適切に行われるようになる。よって、車室内の快適性を確保することができる。
次に、第6実施形態の車両Cについて説明する。以下、第1実施形態の車両Cとの相違点を中心に説明する。
図10に示されるように、本実施形態の車両Cには、ラジエータ5に代えて多機能熱交換器10が搭載されるとともに、室外熱交換器6に代えてラジエータ11が搭載されている。
以上説明した本実施形態の車両Cによれば、以下の(11)に示される作用及び効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第3実施形態の車両Cには、第5実施形態の車両Cの構成、すなわちラジエータ5と室外熱交換器6とがアウターフィン9を介して熱的に連結されている構成を適用してもよい。この構成によれば、ヒートポンプ装置30は、室外熱交換器6の表面に付着する霜を除去する除霜モードを実行する際に、室外熱交換器6の内部を循環する冷媒の熱を利用するという方法に代えて、ラジエータ5からアウターフィン9を介して室外熱交換器6に伝達される熱を利用するという方法を用いることが可能となる。
・シャッタ装置8は、ラジエータ5と室外熱交換器6との間、あるいは室外熱交換器6に対して空気流れ方向の直後に配置されていてもよい。
・本開示に記載の熱システムECU82及びその制御方法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ又は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された1つ又は複数の専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の熱システムECU82及びその制御方法は、1つ又は複数の専用ハードウェア論理回路を含むプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の熱システムECU82及びその制御方法は、1つ又は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと1つ又は複数のハードウェア論理回路を含むプロセッサとの組み合わせにより構成された1つ又は複数の専用コンピュータにより、実現されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。専用ハードウェア論理回路及びハードウェア論理回路は、複数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路により実現されてもよい。
A13,A14:下側開口領域(第1部位)
C:車両
2:グリル開口部
5,11:ラジエータ(熱交換器)
6:室外熱交換器
8:シャッタ装置(開閉装置)
10:多機能熱交換器
10A:第1熱交換部
10B:第2熱交換部
30:ヒートポンプ装置
51:ブレード(開閉部)
52:モータ
82:熱システムECU(制御部)
511:上側ブレード(第2開閉部)
512:下側ブレード(第1開閉部)
Claims (10)
- グリル開口部(2)から導入される空気と熱交換を行う熱交換器(5,6,10,11)と、
開閉部(51)の開閉動作により前記熱交換器に供給される空気の風量を変化させることが可能な開閉装置(8)と、
前記開閉装置を制御する制御部(82)と、を備え、
前記グリル開口部の開口面積は、前記熱交換器の前面投影面積よりも小さく、
前記開閉装置は、前記開閉部として、同開閉装置の第1部位(A13,A14)を開閉する第1開閉部(512)と、同開閉装置において前記第1部位よりも前記グリル開口部から遠い第2部位(A11,A12)を開閉する第2開閉部(511)と、を有し、
前記制御部は、前記第2部位の開度よりも前記第1部位の開度の方が小さくなるように前記第1開閉部及び前記第2開閉部を動作させる
車両。 - 前記開閉装置は、前記第1開閉部及び前記第2開閉部を動作させる一つのモータ(52)を更に有する
請求項1に記載の車両。 - 前記開閉装置は、前記熱交換器に対して空気流れ方向の直前又は直後に配置されている
請求項1又は2に記載の車両。 - 前記車両の上下方向における前記グリル開口部の幅は、前記車両の上下方向における前記第2部位の幅よりも短い
請求項1~3のいずれか一項に記載の車両。 - 前記制御部は、前記車両の始動スイッチがオフ操作されたとき、前記第1開閉部及び前記第2開閉部を初期位置に変位させる
請求項1~4のいずれか一項に記載の車両。 - 前記制御部は、前記熱交換器の動作状態に応じて前記第1開閉部及び前記第2開閉部のそれぞれの開度を制御する
請求項1~5のいずれか一項に記載の車両。 - 前記熱交換器として、ヒートポンプ装置(30)を循環する冷媒と空気とで熱交換を行う室外熱交換器(6)を有し、
前記ヒートポンプ装置において前記室外熱交換器が空気の熱を冷媒に吸収させる吸熱器として動作しており、且つ空気の温度が所定温度以下であるとき、前記制御部は、前記第1開閉部を閉状態に設定する一方、前記第2開閉部を開状態に設定する
請求項6に記載の車両。 - 前記熱交換器として、ヒートポンプ装置(30)を循環する冷媒と空気とで熱交換を行う室外熱交換器(6)と、前記車両の発熱体を冷却する冷却水と空気とで熱交換を行うラジエータ(5)と、を有し、
前記室外熱交換器及び前記ラジエータはアウターフィン(9)を介して熱的に連結されており、
前記室外熱交換器が前記アウターフィンを介して前記ラジエータの熱を冷媒に吸収させる吸熱器として動作しているとき、前記制御部は、前記第1開閉部の閉状態に設定する一方、前記第2開閉部を開状態に設定する
請求項6に記載の車両。 - 前記熱交換器として、
前記車両の第1発熱体を冷却する冷却水と空気とで熱交換を行うラジエータ(11)と、
ヒートポンプ装置(30)を循環する冷媒と空気とで熱交換を行う第1熱交換部(10A)、及び前記第1発熱体とは別の第2発熱体を冷却する冷却水と空気とで熱交換を行う第2熱交換部(10B)を有する室外熱交換器(10)と、を有し、
前記室外熱交換器において前記第1熱交換部が前記開閉装置の前記第1部位に対向して配置されるとともに、前記第2熱交換部が前記開閉装置の前記第2部位に対向して配置されており、
前記制御部は、前記第2発熱体の冷却が要求されていない場合、前記第1開閉部を開状態に設定する一方、前記第2開閉部を閉状態に設定する
請求項6に記載の車両。 - 前記熱交換器として、ヒートポンプ装置(30)を循環する冷媒と空気とで熱交換を行う室外熱交換器(6)を有し、
前記ヒートポンプ装置において前記室外熱交換器が空気の熱を冷媒に吸収させる吸熱器として動作しているとき、前記制御部は、前記第1開閉部が閉状態に設定されており、且つ前記第2開閉部が開状態に設定されている第1状態と、前記第1開閉部が開状態に設定されており、且つ前記第2開閉部が閉状態に設定されている第2状態とを交互に切り替える
請求項6に記載の車両。
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