JPWO2012114426A1 - 車両用空調システム - Google Patents

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Abstract

配管作業と配線作業を簡素化し、システム全体の組立性を向上するために、車両に搭載された発熱機器の機器冷却回路と、冷凍サイクル回路を有する車室内空調装置と、前記機器冷却回路の機器冷却媒体と、前記冷凍サイクル回路の空調用冷却媒体の間の熱交換を行う中間熱交換器と、を備えた車両用空調システムであって、互いに別体に構成された室内ユニット、室外ユニット及び室外ファンユニットと、前記各ユニットを接続する継手又はホースと、を含み、前記室内ユニットは前記車室内に、前記室外ユニットは前記発熱機器近傍に、前記室外ファンユニットは、前記車両のフロントグリル部若しくはその近傍に設置したことを特徴とする車両用空調システム。

Description

本発明は、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気鉄道等の電動車両に適用される車両用空調システムに関する。
ハイブリッド車両の車両用空調システムについて、例えば特許文献1には、冷却媒体を循環させる循環ポンプを有して、この循環ポンプにより循環される冷却媒体により車載発熱体を冷却する冷却回路と、冷媒を圧縮する圧縮機と、この圧縮機からの冷媒を冷却させる冷媒冷却器と、この冷媒冷却器からの冷媒を減圧する減圧器と、前記冷却回路内の冷却媒体から吸熱して前記減圧器からの冷媒を蒸発させる蒸発器と、を有する冷凍サイクル装置とを備える車両用冷却システムであって、前記冷却回路は、前記冷却媒体と車室内に吹き出す空気との間で熱交換する車室内空調用熱交換器を備えた車両用冷却システムが記載されている。
また、ヒートポンプ式冷房装置と暖房用循環装置とを組み合わせた車両用空調システムについて、例えば特許文献2には、ヒートポンプ式冷房装置を用いて暖房と冷房を行うシステムにあって、ヒートポンプ式冷房装置の構成を簡略化するために、第1循環経路を有するヒートポンプ式冷房装置Aと、第2循環経路を有する暖房用循環装置Bとを備え、第1循環経路中の水冷コンデンサは、第2循環経路8内に配置されて第1の冷媒の熱を第2の冷媒へ放熱し、第2循環経路8には、放熱器側と放熱器バイパス流路に流路を切り換える流路切換弁を設け、暖房運転時は、流路切換弁によって第2の冷媒を放熱器バイパス流路へと流し、ヒータコアで加熱された空気を空調風として車室内へ導入し、冷房運転時は、流路切換弁によって第2の冷媒を放熱器へと流し、エバポレータで冷却された空気を空調風として車室内へ導入する車両用空調システムが記載されている。
特許4285292号公報 特開2008−230594号公報
従来知らせている車両用空調システムでは、車両に搭載された発熱機器の機器冷却回路と、冷凍サイクル回路を有する車室内空調装置と、を備えた車両用空調システムにおける室内ユニット、室外ユニット及び室外ファンユニットの、配管作業と配線作業が複雑となり、システム全体の組立の効率性について、更なる改良が求められていた。
(1) 請求項1の発明は、車両に搭載された発熱機器の機器冷却回路と、冷凍サイクル回路を有する車室内空調装置と、前記機器冷却回路の機器冷却媒体と、前記冷凍サイクル回路の空調用冷却媒体の間の熱交換を行う中間熱交換器と、を備えた車両用空調システムであって、互いに別体に構成された室内ユニット、室外ユニット及び室外ファンユニットと、前記各ユニットを接続する継手又はホースと、を含む車両用空調システムであって、前記室内ユニットは車室内に、前記室外ユニットは車両に搭載された発熱機器近傍に、前記室外ファンユニットは、車両のフロントグリル部若しくはその近傍に設置したことを特徴とする車両用空調システムである。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載された車両用空調システムであって、前記室外ユニットと前記発熱機器は、振動を絶縁することができる柔軟な管で接続したことを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1に記載された車両用空調システムであって、前記室外ユニットは、断熱又は/及び防水カバーで囲われていることを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1に記載された車両用空調システムであって、前記室外ユニットが備える制御弁であって冷却媒体を循環する回路の開閉を行う制御弁は、まとめて配置したことを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項4に記載された車両用空調システムであって、前記まとめて配置された制御弁は、一つのブロック構造を構成することを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項4に記載された車両用空調システムであって、前記まとめて配置された制御弁は、ノーマルクローズ弁とノーマルオープン弁を組み合わせて成ることを特徴とする。
(7) 請求項7の発明は、請求項1に記載された車両用空調システムであって、前記車両用空調システムのコントローラは、前記室外ユニットに設けられたことを特徴とする。
本発明によれば、配管作業と配線作業を容易化することにより、その組立性を向上した車両用空調システムを提供することができる。
本発明の車両用空調システムの概略構成を示す。 本発明に係る空調装置60の実施例1の概略構成を示す。 機器冷却運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 冷房運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 冷房・機器冷却運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 暖房運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 暖房・機器冷却運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 除湿運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 暖房・除湿運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 加熱運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 除霜運転のモードにおける実施例1の空調装置60の概略構成を示す。 本発明に係る室内空調熱交換器7と室内冷却熱交換器6の配列を示す。 本発明に係る室内空調熱交換器7と室内冷却熱交換器6の配列を示す。 温度調節の対象と、その条件を示す。 本発明に係る空調制御装置61における制御処理プログラムのフローチャートを示す。 車両の状態と温度調節が必要な機器である発熱体9A〜9Dの設定温度の変更について示す。 本発明の車両用空調システムが搭載される電気自動車の制御装置の構成を示す。 本発明の車両用空調システムの空調装置60の設置状態を示す。
以下では、本発明の車両用空調システムを電気自動車に適用した一実施の形態を説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。なお、本発明は電気自動車に限定されず、ハイブリッド自動車、あるいは電気鉄道、建設車両、その他の特殊車両等の電動車両に対しても適用することができる。また、この一実施の形態ではインバータにより駆動される交流モータを例に挙げて説明するが、本発明は交流モータに限定されず、例えばサイリスタレオナード装置などのコンバータにより駆動される直流モータ、あるいはチョッパ電源により駆動されるパルスモータなど、あらゆる種類の回転電機(モータ・ジェネレータ)に適用することができる。
(1)車両用空調システムの構成について
図1は、本発明の車両用空調システムの概略構成を示す図である。図1に示す車両用空調システムは、車室や温調が必要な機器の冷暖房、冷却/加熱を行うための空調装置60と、その空調装置60を制御する空調制御装置61を備えている。空調装置60に設けられた各種アクチュエータは、空調制御装置61からの制御信号により制御される。本実施の形態に関係するアクチュエータには、圧縮機1、流量制御手段としての膨張弁22A、22B、23、第一流路切換手段としての四方弁19、第二流路切換手段としての三方弁20、二方弁21A、21B、21C、21D、ポンプ5、室外ファン3および室内ファン8がある。
空調制御装置61には、温度センサにより車室内温度62、温調が必要な機器の温度63が入力される。本実施の形態では、温調が必要な機器としてモータ、インバータ、バッテリおよびギヤボックス等の機器があり、それぞれに温度センサが設けられている。また、空調制御装置61には、車両運転情報64である車両速度およびアクセル開度が車速センサおよびアクセルセンサから入力されると共に、車両の走行計画情報65である道路情報や目的地情報などがナビゲーション装置から入力される。
(2)空調装置の構成について
図2は、空調装置60の概略構成を示す図である。空調装置60は、室内空調および発熱体9A、9Bの冷却を行う空調用冷却媒体(例えば冷媒)が循環する冷凍サイクル回路90と、発熱体9A、9Bの冷却を行う機器冷却媒体(例えば冷却水)が循環する機器冷却回路41とを備えている。
冷凍サイクル回路90には、冷媒を圧縮する圧縮機1、空調用冷却媒体と外気との熱交換を行う室外熱交換器2、分岐した冷凍サイクル回路90Aにあり空調用冷却媒体と機器冷却回路41内を流れる機器冷却媒体との熱交換を行う中間熱交換器4、冷凍サイクル回路90Bにあり空調用冷却媒体と車室内空気との熱交換を行う室内空調熱交換器7が、空調用冷却媒体を循環させる液配管により接続されている。
圧縮機1の吸込配管11と吐出配管10との間には、四方弁19が設けられている。四方弁19を切り換えることにより、吸込配管11および吐出配管10のいずれか一方を室外熱交換器2に接続し、他方を中間熱交換器4、室内空調熱交換器7に接続することができる。図2に示す四方弁19は、吐出配管10を室外熱交換器2に接続し、吸込配管11を中間熱交換器4に接続している。
室内空調熱交換器7は、一端が室外熱交換器2に接続されており、他端が三方弁20を介して圧縮機1の吐出配管10または吸込配管11のいずれか一方に切り換え可能に接続されている。空調用冷却媒体の流量制御手段として作用する膨張弁23、22A、22Bが、それぞれ室外熱交換器2の圧縮機1に接続されていない側、中間熱交換器4と室外熱交換器2との間、室内空調熱交換器7と室外熱交換器2との間に設けられている。また、室外熱交換器2には外気送風用の室外ファン3が備えられている。
機器冷却回路41は、機器冷却媒体と車室内空気との熱交換を行う室内冷却熱交換器6と、中間熱交換器4と、機器冷却媒体を機器冷却回路41内を循環させるポンプ5と、温調が必要な機器である発熱体9A、9Bが順に環状に接続されている。
機器冷却回路41には、室内冷却熱交換器6の両端をバイパスするバイパス回路41Cが設けられている。バイパス回路41Cには二方弁21Cが設けられ、室内冷却熱交換器6を通る主回路41Dには二方弁21Dが設けられている。これらの二方弁21C、21Dの開閉動作により、機器冷却媒体の流路を切り替えることが可能となる。また、機器冷却回路41には、複数の発熱体9A、9Bを温調するために図2に示すように接続する。発熱体9Bを備える機器冷却回路41Bには二方弁21Bを設置し、発熱体9Bを通さない機器冷却回路41Aには二方弁21Aを設置する。これにより二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いたときには発熱体9A、9Bの両方を温調できるが、二方弁21Aを開き、二方弁21Bを閉じたときには発熱体9Aのみ温調できる。なお、発熱体9Aの位置に複数の発熱体を直列に接続しても良い。発熱体の温度条件により発熱体の接続方法、二方弁の設置方法は変更できるものとする。
室内空調のため、温調された空気を吹き出す室内ユニット42は、室内(車内)または室外(車外)の空気を吸い込み、室内または室外に吹き出す室内ファン8A、8Bと、室内冷却熱交換器6と、室内空調熱交換器7と、室内冷却熱交換器6で熱交換された空気を室内または室外に吹き出すように切り替える切り替えダンパ44と、室内または室外の空気の吸い込みや、室内または室外への空気の吹き出し口である空気出入り口43A、43B、43C,43Dとを備える。
次に、図2に示した空調装置60の運転動作について説明する。本実施形態では、ポンプ5による機器冷却媒体の循環により発熱体9の温度調整を行う。その他の機器の動作は、空調負荷や発熱体9からの発熱量に応じて変化する。以下では、機器冷却、冷房、冷房+機器冷却、暖房、暖房+機器冷却、除湿、暖房除湿、機器加熱、除霜の運転について説明する。
(3)機器冷却運転について
機器冷却運転は、室内空調が無しの状態で発熱体9を冷却する運転であり、図3を用いて説明する。この運転は、機器冷却回路41を循環する機器冷却媒体を室内冷却熱交換器6でのみ冷却する場合と、室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4で機器冷却媒体を冷却する場合がある。
機器冷却回路41の二方弁21Cを閉じ、二方弁21Dを開けることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4を循環するようになる。二方弁21Bを閉じ、二方弁21Aを開けた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。発熱体9A、9Bの両方を冷却する場合には、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開けることになる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図3に示すように空気出入り口43Aで吸い込んだ空気が室内冷却熱交換器6を通り空気出入り口43Cから吹き出すように設定する。この室内冷却熱交換器6を通過する空気により、機器冷却媒体を冷却することができる。また、室内ファン8Aで吸い込まれる空気の風量により、冷却能力を調整することができる。なお、空気出入り口43Cは図示しないダクトにより室外(車外)に通じており、室内に暖かい空気を吹き出さないようにしている。
中間熱交換器4で機器冷却媒体を冷却する場合には、図3に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は室外熱交換器2に接続され、圧縮機1の吸込配管11は中間熱交換器4および室内空調熱交換器7に接続される。なお、膨張弁22Bは全閉とし、空調用冷却媒体が室内空調熱交換器7に流れないようにする。すなわち、室外熱交換器2を凝縮器、中間熱交換器4を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室外熱交換器2で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁23を通り、中間熱交換器4を流れる。中間熱交換器4に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Aで減圧されて低温・低圧となり、中間熱交換器4において機器冷却回路41の機器冷却媒体から吸熱することによって蒸発し、四方弁19を通って圧縮機1へ戻る。上記のように冷凍サイクル回路90を用いることにより、中間熱交換器4で機器冷却媒体と空調用冷却媒体の熱交換し、機器冷却媒体が冷却される。
以上のように、室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4で機器冷却媒体を冷却することができる。機器冷却媒体が所定温度より低い場合には、冷凍サイクル回路90を用いず、室内冷却熱交換器6でのみ機器冷却媒体を冷却し、機器冷却媒体が所定温度より高い場合には、冷凍サイクル回路90を用いて室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4で機器冷却媒体を冷却する。
なお、機器冷却媒体の温度を制御するためには、室内ファン8Aの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Aの開度と室外ファン3の風量を制御すれば良い。機器冷却媒体が目標温度より高い場合には、室内ファン8Aの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Aの開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、機器冷却媒体が目標温度より低い場合には、室内ファン8Aの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Aの開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(4)冷房運転について
冷房運転は、発熱体9の冷却無しに室内を冷房する運転であり、図4を用いて説明する。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを閉じ、二方弁21Cを開けることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6を流れず、機器冷却回路41Cを流れるようになる。このように発熱体9を冷却しない場合であっても、機器冷却回路41の機器冷却媒体を循環させるのは、発熱体9部分にある機器冷却媒体の偏った温度上昇を防ぐためである。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図4に示すように空気出入り口43Aで吸い込んだ空気が室内冷却熱交換器6、室内空調熱交換器7を通り空気出入り口43Bから吹き出すように設定する。この室内冷却熱交換器6には機器冷却媒体が循環していないので、室内冷却熱交換器6を通過する空気の温度は変化しない。なお、空気出入り口43Bは図示しないダクトにより室内(車内)に通じており、室内の温調を行う。
また、冷房運転では、図4に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は室外熱交換器2に接続され、圧縮機1の吸込配管11は中間熱交換器4および室内空調熱交換器7に接続される。なお、膨張弁22Aは全閉とし、空調用冷却媒体が中間熱交換器4に流れないようにする。すなわち、室外熱交換器2を凝縮器、室内空調熱交換器7を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室外熱交換器2で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁23を通り、室内空調熱交換器7を流れる。室内空調熱交換器7に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Bで減圧されて低温・低圧となり、室内空調熱交換器7において空気出入り口43Aで吸い込んだ空気から吸熱することによって蒸発し、三方弁20を通って圧縮機1へ戻る。このように室内空調熱交換器7で熱交換して冷却された空気が空気出入り口43Bから車室内へ吹き出される。
なお、空気出入り口43Bから吹き出す空気温度を調整するためには、室内ファン8Aの風量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Bの開度、室外ファン3の風量を制御すれば良い。吹き出す空気が目標温度より高い場合には、室内ファン8Aの風量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Bの開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、吹き出す空気が目標温度より低い場合には、室内ファン8Aの風量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Bの開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(5)冷房、機器冷却運転について
冷房、機器冷却運転は、発熱体9を冷却し、室内を冷房する運転であり、図5を用いて説明する。この運転は、機器冷却回路41を循環する機器冷却媒体を室内冷却熱交換器6でのみ冷却する場合と、室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4で機器冷却媒体を冷却する場合がある。
二機器冷却回路41は、二方弁21Cを閉じ、二方弁21Dを開けることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4を循環するようになる。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。発熱体9A、9Bの両方を冷却する場合には、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開けることになる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図5に示すように空気出入り口43Aで吸い込んだ空気が室内冷却熱交換器6を通り空気出入り口43Cから吹き出すようにする。空気出入り口43Cは図示しないダクトにより室外(車外)に通じており、室内に空気を吹き出さないようにしている。また、室内ファン8Bにより空気出入り口43Dで吸い込んだ空気が室内空調熱交換器7を通り空気出入り口43Bから吹き出すようにしている。この室内冷却熱交換器6を通過する空気により、機器冷却媒体を冷却することができる。室内冷却熱交換器7を通過する空気は、室内冷却熱交換器7により冷却され、室内(車内)に冷却された空気が吹き出される。
また、冷房、機器冷却運転では、図5に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は室外熱交換器2に接続され、圧縮機1の吸込配管11は中間熱交換器4および室内空調熱交換器7に接続される。すなわち、室外熱交換器2を凝縮器、中間熱交換器4と室内空調熱交換器7を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室外熱交換器2で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁23を通り、中間熱交換器4および室内空調熱交換器7を流れる。中間熱交換器4に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Aで減圧されて低温・低圧となり、中間熱交換器4において機器冷却回路41の機器冷却媒体から吸熱することによって蒸発し、四方弁19を通って圧縮機1へ戻る。このように、中間熱交換器4で機器冷却媒体と空調用冷却媒体の熱交換し、機器冷却媒体が冷却される。室内空調熱交換器7に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Bで減圧されて低温・低圧となり、室内空調熱交換器7において空気出入り口43Dで吸い込んだ空気から吸熱することによって蒸発し、三方弁20を通って圧縮機1へ戻る。このように室内空調熱交換器7で熱交換して冷却された空気が空気出入り口43Bから室内へ吹き出される。
以上のように、中間熱交換器4および室内空調熱交換器7の両方を蒸発器として利用できるので、車室内の冷房と発熱体9の冷却とを同時に実現することができる。さらに、中間熱交換器4と室内空調熱交換器7とを圧縮機1の吸込配管11に対して並列に接続し、それぞれの冷凍サイクル回路90A、90Bに膨張弁22A、22Bを設けているので、中間熱交換器4および室内空調熱交換器7へ流れる空調用冷却媒体の流量を、それぞれ任意に変えることができる。その結果、機器冷却媒体の温度と空調用冷却媒体の温度とを、それぞれ任意の所望の温度に制御することができる。したがって、冷房を行うために空調用冷却媒体の温度を十分下げた場合であっても、中間熱交換器4へ流れる冷媒流量を抑制することで、発熱体9の内部を流れる機器冷却媒体の温度を高く保つことができる。
また、機器冷却媒体は上記のように室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4で冷却することができる。機器冷却媒体が所定温度より低い場合には、冷凍サイクル回路90を用いず、室内冷却熱交換器6でのみ機器冷却媒体を冷却し、機器冷却媒体が所定温度より高い場合には、冷凍サイクル回路90を用いて室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4で機器冷却媒体を冷却する。これは、膨張弁22Aの開度を調整することで制御する。膨張弁22Aを全閉とする場合には、中間熱交換器4に空調用冷却媒体が流れなくなるので、機器冷却媒体は室内冷却熱交換器6でのみ冷却するようになる。
なお、機器冷却媒体の温度や空気出入り口43Bから吹き出す空気温度を制御するためには、室内ファン8A、8Bの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22A、22Bの開度と室外ファン3の風量を制御すれば良い。機器冷却媒体が目標温度より高い場合や吹き出す空気が目標温度より高い場合には、室内ファン8A、8Bの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22A、22Bの開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、機器冷却媒体が目標温度より低い場合や吹き出す空気が目標温度より低い場合には、室内ファン8A、8Bの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22A、22Bの開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(6)暖房運転について
暖房運転は、発熱体9の冷却無しに室内を暖房する運転であり、図6を用いて説明する。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを開け、二方弁21Cを閉じることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4を流れるようになる。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図6に示すように空気出入り口43Aで吸い込んだ空気が室内冷却熱交換器6、室内空調熱交換器7を通り空気出入り口43Bから吹き出すように設定する。この室内冷却熱交換器6には発熱体9で温められた機器冷却媒体が循環しているので、室内冷却熱交換器6を通過する空気の温度を上昇させる。なお、空気出入り口43Bは室内(車内)に通じており、室内の温調を行う。
暖房負荷が小さい場合には、上記のように発熱体9からの排熱を暖房に利用することで、冷凍サイクル回路90は暖房に利用しない。このようにすることでエネルギー消費を抑えた空調を実現することができる。二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れ発熱体9Bの排熱を暖房に利用することができるので、さらにエネルギー消費を抑えることができる。
発熱体9A、9Bの排熱だけでは暖房負荷に満たない場合には、発熱体9A,9Bの排熱に加えて冷凍サイクル回路90を併用するようにする。この場合、図6に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は中間熱交換器4および室内空調熱交換器7に接続され、吸込配管11は室外熱交換器2に接続される。なお、膨張弁22Aは全閉、膨張弁22Bは全開とし、空調用冷却媒体が中間熱交換器4に流れず、室内空調熱交換器7にのみ流れるようにする。すなわち、室内空調熱交換器7を凝縮器、室外熱交換器2を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室内空調熱交換器7で放熱することによって凝縮液化する。その後、膨張弁23で減圧された後、室外熱交換器2において室外空気との熱交換によって蒸発・ガス化して圧縮機1へと戻る。
以上のように、空気出入り口43Aで吸い込んだ空気は、機器冷却回路41を流れる機器冷却媒体によって室内冷却熱交換器6で加熱される。そして、下流側に配置された室内空調熱交換器7での熱交換により、さらに暖められた空気が空気出入り口43Bから室内へ吹き出される。このように、室内に吹き出される空気は、発熱体9の排熱で暖められた後、冷凍サイクル回路90でさらに暖められる構成となっている。冷凍サイクル回路90を用いた空気の加熱は、発熱体9の排熱で暖められた空気温度で足りない分を補うようにするので、エネルギー消費の少ない空調装置を構成することができる。
なお、空気出入り口43Bから吹き出す空気温度を制御するためには、室内ファン8Aの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Bの開度と室外ファン3の風量を制御すれば良い。吹き出す空気が目標温度より低い場合には、室内ファン8Aの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Bの開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、吹き出す空気が目標温度より高い場合には、室内ファン8Aの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Bの開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(7)暖房、機器冷却運転について
暖房、機器冷却運転は、発熱体9を冷却し、室内を暖房する運転であり、図7を用いて説明する。上記の暖房運転で記したように、室内冷却熱交換器6での放熱により、機器冷却媒体を目標温度以下に保つことができれば発熱体9の温度上昇を抑えることができるが、室内冷却熱交換器6での放熱で足りない場合や後述するように機器冷却媒体の温度を一時的に低くする場合には、冷凍サイクル回路90を用いた機器冷却が必要になる。
暖房、機器冷却運転では、図7に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は室外熱交換器2および室内空調熱交換器7に接続され、吸込配管11は中間熱交換器4に接続される。なお、膨張弁23は全閉、膨張弁22Bは全開とし、空調用冷却媒体が室外熱交換器2に流れないようにする。すなわち、室内空調熱交換器7を凝縮器、中間熱交換器4を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室内空調熱交換器7で放熱することによって凝縮液化する。その後、膨張弁22Aで減圧された後、中間熱交換器4において機器冷却回路41を流れる機器冷却媒体との熱交換によって蒸発・ガス化して圧縮機1へと戻る。中間熱交換器4では、機器冷却媒体と空調用冷却媒体が熱交換し、機器冷却媒体が冷却される。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを開け、二方弁21Cを閉じることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6と中間熱交換器4を流れるようになる。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図7に示すように空気出入り口43Aで吸い込んだ空気が室内冷却熱交換器6、室内空調熱交換器7を通り空気出入り口43Bから吹き出すように設定する。この室内冷却熱交換器6には発熱体9で温められた機器冷却媒体が循環しているので、室内冷却熱交換器6を通過する空気の温度を上昇させる。
そして、下流側に配置された室内空調熱交換器7での熱交換により、さらに暖められた空気が空気出入り口43Bから車室内へ吹き出される。このように、室内に吹き出される空気は、発熱体9の排熱で暖められた後、冷凍サイクル回路90でさらに暖められる構成となっている。なお、空気出入り口43Bは図示しないダクトにより室内(車内)に通じており、室内の温調を行う。
また、室内冷却熱交換器6での放熱と中間熱交換器4での熱交換により機器冷却媒体を冷却することが可能となる。なお、機器冷却媒体の温度や空気出入り口43Bから吹き出す空気温度を制御するためには、室内ファン8Aの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Aの開度を制御すれば良い。機器冷却媒体が目標温度より高い場合や吹き出す空気が目標温度より低い場合には、室内ファン8Aの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Aの開度を開ければよい。一方、機器冷却媒体が目標温度より低い場合や吹き出す空気が目標温度より高い場合には、室内ファン8Aの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Aの開度を絞ればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(8)除湿運転について
除湿運転は、室内を除湿する運転であり、図8を用いて説明する。
除湿運転では、図8に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は室外熱交換器2に接続され、圧縮機1の吸込配管11は中間熱交換器4および室内空調熱交換器7に接続される。なお、膨張弁22Aは全閉、膨張弁23は全開とし、空調用冷却媒体が中間熱交換器4に流れないようにする。すなわち、室外熱交換器2を凝縮器、室内空調熱交換器7を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室外熱交換器2で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁23を通り、室内空調熱交換器7を流れる。室内空調熱交換器7に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Bで減圧されて低温・低圧となり、室内空調熱交換器7において空気出入り口43Aで吸い込んだ空気から吸熱することによって蒸発し、三方弁20を通って圧縮機1へ戻る。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを開け、二方弁21Cを閉じることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により中間熱交換器4と室内冷却熱交換器6を流れるようになる。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図8に示すように空気出入り口43Bで吸い込んだ空気が室内空調熱交換器7、室内冷却熱交換器6を通り空気出入り口43Aから吹き出すように設定する。空気出入り口43Bで吸い込んだ空気は、室内空調熱交換器7で熱交換して除湿、冷却される。そして、室内冷却熱交換器6には発熱体9で温められた機器冷却媒体が循環しているので、室内冷却熱交換器6を通過する空気の温度を上昇させる。このようにして、いわゆる再熱除湿運転が可能となる。車室内へ供給される空気は相対湿度が低くなるため、室内空間の快適性を向上できる。なお、空気出入り口43Aは図示しないダクトにより室内(車内)に通じており、室内の温調を行う。
なお、再熱器として利用される室内冷却熱交換器6の熱源は、発熱体9で発生する排熱である。そのため、再熱用にヒータ等を用いる場合とは異なり、新たにエネルギーを投入する必要がないので、消費電力を増大させることなく車室内の快適性を向上させることが可能になる。
なお、再熱量を制御するためには、室内ファン8Aの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Bの開度と室外ファン3の風量を制御すれば良い。再熱量を増やすためには、室内ファン8Aの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Bの開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、再熱量を減らすためには、室内ファン8Aの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Bの開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(9)暖房、除湿運転について
暖房、除湿運転は、室内を暖房、除湿する運転であり、図9を用いて説明する。
暖房、除湿運転では、図9に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は中間熱交換器4に接続され、圧縮機1の吸込配管11は室外熱交換器2および室内空調熱交換器7に接続される。なお、膨張弁22Aは全開、膨張弁23は全閉とし、空調用冷却媒体が室外熱交換器2に流れないようにする。すなわち、中間熱交換器4を凝縮器、室内空調熱交換器7を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、中間熱交換器4で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁22Aを通り、室内空調熱交換器7を流れる。室内空調熱交換器7に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Bで減圧されて低温・低圧となり、室内空調熱交換器7において空気出入り口43Aで吸い込んだ空気から吸熱することによって蒸発し、三方弁20を通って圧縮機1へ戻る。中間熱交換器4では、機器冷却媒体と空調用冷却媒体が熱交換し、機器冷却媒体が加熱される。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを開け、二方弁21Cを閉じることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により中間熱交換器4と室内冷却熱交換器6を流れるようになる。二方弁21Aを開き、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。発熱体9の排熱を多く利用する場合には、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた方がよい。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図9に示すように空気出入り口43Bで吸い込んだ空気が室内空調熱交換器7、室内冷却熱交換器6を通り空気出入り口43Aから吹き出すように設定する。空気出入り口43Bで吸い込んだ空気は、室内空調熱交換器7で熱交換して除湿、冷却される。そして、室内冷却熱交換器6には中間熱交換器4と発熱体9で温められた機器冷却媒体が循環しているので、室内冷却熱交換器6を通過する空気の温度を上昇させる。このようにして、暖房、除湿運転が可能となる。なお、空気出入り口43Aは図示しないダクトにより室内(車内)に通じており、室内の温調を行う。
なお、空気出入り口43Aから吹き出す空気温度を制御するためには、室内ファン8Aの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Bの開度を制御すれば良い。吹き出す空気が目標温度より低い場合には、室内ファン8Aの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Bの開度を開ければよい。一方、吹き出す空気が目標温度より高い場合には、室内ファン8Aの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Bの開度を絞ればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(10)機器加熱運転について
外気温度の低い冬季の始動時などでは、発熱体9をあらかじめ暖めておく方がよい場合がある。機器加熱運転は、室内空調をせず、発熱体9を暖める運転であり、図10を用いて説明する。
機器加熱運転では、図10に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は中間熱交換器4および室内空調熱交換器7に接続され、圧縮機1の吸込配管11は室外熱交換器2に接続される。なお、膨張弁22Aは全開、膨張弁22Bは全閉とし、空調用冷却媒体が室内空調熱交換器7に流れないようにする。すなわち、中間熱交換器4を凝縮器、室外熱交換器2を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、中間熱交換器4で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁22Aを通り、室外熱交換器2を流れる。室外熱交換器2に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁23で減圧されて低温・低圧となり、室外熱交換器2において室外空気から吸熱することによって蒸発し、圧縮機1へ戻る。中間熱交換器4では、機器冷却媒体と空調用冷却媒体が熱交換し、機器冷却媒体が加熱される。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを閉じ、二方弁21Cを開けることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6を流れないようになる。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。加熱する発熱体9に機器冷却媒体が流れるように、二方弁21A又は21Bを開くこととする。冷凍サイクル回路90により機器冷却媒体が加熱されるので、この機器冷却媒体を循環することで、発熱体9を加熱することができる。
室内ユニット42は、空気の吸い込み、吐き出しを行わず、室内ファン8A,8Bを駆動しない。また、室内冷却熱交換器6と室内空調熱交換器7ではそれぞれ機器冷却媒体と空調用冷却媒体を流さないので熱交換しない。
なお、加熱量を制御するためには、ポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁23の開度と室外ファン3の風量を制御すれば良い。加熱量を増やすためには、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁23の開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、加熱量を減らすためには、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁23の開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
図6に示す暖房運転、図10に示す機器加熱運転において、室外熱交換器2への着霜が避けられない。除霜運転は、暖房運転、機器加熱運転から一時的に切り替えて、室外熱交換器2の除霜を行う運転であり、図11を用いて説明する。
(11)除霜運転について
除霜運転では、図11に示すように四方弁19、三方弁20を接続し、圧縮機1の吐出配管10は室外熱交換器2および室内空調熱交換器7に接続され、圧縮機1の吸込配管11は中間熱交換器4に接続される。なお、膨張弁23、22Bは全開としている。すなわち、室外熱交換器2と室内空調熱交換器7を凝縮器、中間熱交換器4を蒸発器としている。
圧縮機1で圧縮された空調用冷却媒体は、室外熱交換器2と室内空調熱交換器7で放熱することによって液化した後、全開の膨張弁22B、23を通り、中間熱交換器4を流れる。これにより、室外熱交換器2に着いた霜を取り除くことができる。中間熱交換器4に流れる空調用冷却媒体は、膨張弁22Aで減圧されて低温・低圧となり、中間熱交換器4において吸熱することによって蒸発し、圧縮機1に戻る。中間熱交換器4では、機器冷却媒体と空調用冷却媒体が熱交換し、機器冷却媒体が冷却される。
機器冷却回路41は、二方弁21Dを閉じ、二方弁21Cを開けることで、機器冷却媒体がポンプ5の駆動により室内冷却熱交換器6を流れないようになる。二方弁21Aを開け、二方弁21Bを閉じた場合には機器冷却回路41Aに機器冷却媒体が流れ、二方弁21Aを閉じ、二方弁21Bを開いた場合には機器冷却回路41Bに機器冷却媒体が流れる。冷凍サイクル回路90により機器冷却媒体が冷却されるので、この機器冷却媒体を循環することで、発熱体9を冷却することができる。
室内ユニット42内にある切り替えダンパ44は、図11に示すように空気出入り口43Aで吸い込んだ空気が室内冷却熱交換器6、室内空調熱交換器7を通り空気出入り口43Bから吹き出すように設定する。この室内冷却熱交換器6には機器冷却媒体が循環していないので、室内冷却熱交換器6を通過する空気の温度は温度変化しない
そして、下流側に配置された室内空調熱交換器7での熱交換により、暖められた空気が空気出入り口43Bから車室内へ吹き出される。このように、除霜運転でも室内に暖かい空気を吹き出すことができる。なお、空気出入り口43Bは図示しないダクトにより室内(車内)に通じており、室内の温調を行う。
また、室内に暖かい空気を吹き出さないことも可能である。上記の構成で膨張弁22Bを全閉とし、室内ファン8A,8Bを駆動しなければよい。
なお、除霜量を制御するためには、室内ファン8Aの風量とポンプ5の流量と圧縮機1の回転数と膨張弁22Aの開度と室外ファン3の風量を制御すれば良い。除霜量を増やすためには、室内ファン8Aの風量を増加、ポンプ5の流量を増加、圧縮機1の回転数増加、膨張弁22Aの開度を開け、室外ファン3の風量を増加すればよい。一方、除霜量を減らすためには、室内ファン8Aの風量を減少、ポンプ5の流量を減少、圧縮機1の回転数減少、膨張弁22Aの開度を絞り、室外ファン3の風量を減少すればよい。なお、全てのアクチュエータを制御する必要はなく、少なくとも1つ制御すればよい。
(12) 動作モードにより室内ユニット42内の空気の流れを切り替える理由について
上記の運転動作の説明において、室内ユニット42の空気の流れを動作モードによって切り替えるようにしている。その理由について説明する。
除湿を行う場合には、図12に示すように室内空調熱交換器7で空気を冷却除湿してから、室内冷却熱交換器6で空気を暖める必要がある。ここで、図12に記す熱交換器の配列で発熱体9の排熱を利用した暖房運転を行う場合を考えることにする。図12に示すように室内空調熱交換器7、室内冷却熱交換器6の順に空気を通すとき、十分に機器冷却媒体が暖まっていない状態では室内空調熱交換器7で暖めた空気の温度を室内冷却熱交換器6で下げてしまうことになる。このように室内冷却熱交換器6を流れる機器冷却媒体の温度が低い場合には、室内冷却熱交換器6に機器冷却媒体が流れないようにする。つまり、排熱を利用した暖房動作を行えない。このことを考慮すると、図13に示すように室内冷却熱交換器6、室内空調熱交換器7の順に空気を通す方が良い。室内冷却熱交換器6において機器冷却媒体により空気温度を上げた後、室内空調熱交換器7でさらに空気温度を上昇させることができるからである。発熱体9により機器冷却媒体の温度が少しでも上昇すれば、排熱を利用した暖房運転が可能となる。これにより、空調システムのエネルギー消費低減が可能となる。
なお、図13に示すように空気を通すとき、上述のように除湿動作は行えない。したがって、動作モードにより、空気の流れ方向を切り替えるようにしている。すなわち、除湿運転と暖房除湿運転は図12に示すように空気を流し、それ以外の動作モードでは図13に示すように空気を通すことにした。
また、図3、図5に示すように機器冷却する場合、かつ、室内を暖めない場合には、室内冷却熱交換器6において熱交換した暖かい空気が車内に入らないように切り替えダンパ44を設置した。
次に図2に示す室内ユニット42の空気出入り口43A、43B、43C、43Dについて説明する。空気を吸い込む場合には、空気出入り口43A、43B、43Cが図示しないダクトにより室内空気(内気)または車外空気(外気)を吸い込めるようにしており、空気を吹き出す場合には、空気出入り口43A、43Bが図示しないダクトにより室内(車内)に吹き出すようにしている。室内に吹き出す空気は、図示しないダクトにより足元やフロントガラス等に切り替え可能である。なお、空気出入り口43Dは、室外(車外)に吹き出すように図示しないダクトが設置されている。
(13) 発熱体の説明について
ところで、機器冷却回路41に設けられた発熱体9は、車両に搭載された機器で車両運転時に温度を所定範囲に調整する必要のある機器である。発熱体9の具体例としては、走行駆動用のモータ73、そのモータ73を駆動するためのインバータ72、駆動用バッテリ76、走行駆動系に設けられた減速機構(ギヤボックス)などがある。
発熱体9を機器冷却回路41に設けて温調を行う場合、各機器の温度特性に応じて温調を行う必要がある。図14は、温調対象の条件を示す図である。温調対象としては車室内と発熱体9があるが、発熱体9についてはモータ73、インバータ72、バッテリ76、ギヤボックスについて示した。
車室内の空調は、温度設定や外気温度等に基づいて冷暖房および除湿が適宜行われる。ただし、後述するように、発熱体9の冷却のために冷房を停止したり弱めたりする場合がある。
モータ73やインバータ72は、一般に高いトルクを出力している時には、温度が高くなる。そのため、所定温度以上にならないように高いトルクの出力時間が制限される。モータ73、インバータ72の冷却能力を高めることにより、高いトルクの出力時間を延長できるようになる。モータ73およびインバータ72内を循環する機器冷却媒体の温度は、例えば60℃以下となるように制御される。
バッテリ76は、その充放電能力を充分に発揮させるためには、すなわち充放電効率の向上を図るためにはバッテリ76温度を所定の温度範囲に保つのが好ましい。そのため、電池温度が低い場合(例えば、外気温が低い場合における起動時)には暖機(機器加熱)を必要とし、電池自体の発熱により電池温度が高くなりすぎる場合には冷却が必要となる。
ギヤボックス内の平行歯車列は、潤滑油に浸かった状態である。ギヤボックスのケース内の潤滑油の粘度が駆動時の損失に影響し、潤滑油の温度が低い場合には(外気温が低い場合の始動時等)ギヤが潤滑油を撹拌する時の損失である攪拌損失が増大する。逆に、潤滑油温度が高すぎる場合には、ギヤの噛み合い面における油膜形成が充分に行われず、摩擦損失が増大する。そのため、冬季の始動時等においては暖機(機器加熱)が必要となり、潤滑油温度が高い場合には、ギヤボックスからの放熱を促す必要がある。
本実施の形態では、空調装置60を上述したような構成とすることで、車室内空調とモータやインバータ等の発熱体9の機器冷却・加熱とを、個別にそれぞれ制御することができる。そして、空調制御装置61は、車室内温度および温調が必要な機器の温度がそれぞれの設定温度となるように、空調装置60を制御する。
(14) 制御フローについて
本発明においては、図1に示すように、空調制御装置61は、車両運転情報64(車速情報、アクセル開度情報など)および走行計画情報65を取り込み、それらの情報と温調が必要な機器の温度63と車室内温度62に基づいて、空調装置60を制御する。例えば、温調が必要な機器や車室内の温度変化を予測し、その予測に基づいて予め空調用冷却媒体および機器冷却媒体の設定温度を変更することで各機器の冷却および暖機を効率良く行い、機器温度が最適となるように制御する。
図15は、空調制御装置61における制御処理プログラムを示すフローチャートである。空調制御装置61に設けられたマイクロコンピュータは、ソフトウェア処理により図15に示す処理を順に実行する。なお、マクロコンピュータは、車両のイグニッションキースイッチがオンされると、図15に示すプログラムの処理を開始する。
ステップS1では、車室内空調に用いる空調用冷却媒体と、発熱体9の冷却・加熱に用いる機器冷却媒体の初期設定温度を決定する。初期設定温度としては、例えば、外気温が常温で、所定速度での平坦道路走行を仮定した場合の適切温度とする。
ステップS2では、空調システム駆動指令が有るか否かを判定する。車両オンオフによって空調システム駆動のオンオフさせるような構成の場合には、車両オンオフスイッチがオンか否かによって空調システム駆動指令の有無を判定する。ステップS2においてNOと判定されると、図15のプログラムを終了する。一方、ステップS2においてYESと判定されると、ステップS3へ進む。
ステップS3では、車両運転情報64、走行計画情報65、各発熱体9の検出温度および冷却媒体の検出温度の少なくとも一つに基づいて、温調対象である車室や各発熱体9や空調用冷却媒体、機器冷却媒体の温度変化を予測する。
ステップS4では、ステップS3で求めた温度変化予測に基づいて、空調用冷却媒体、機器冷却媒体の設定温度変更が必要か否かを判定する。
ステップS4において変更必要と判定されると、ステップS5へ進んで冷却媒体の設定温度を変更し、ステップS6へ進む。一方、予測温度が算出されて、変更が必要ないと判定されると、ステップS5をスキップしてステップS6へ進む。
ステップS6では、変更された設定温度に基づいて現在の冷却媒体の温度を変更するように、図1に示した空調装置60の各アクチュエータを制御する。
なお、上述した説明では、ステップS4〜ステップS6では冷却媒体の設定温度を変更するようにしたが、発熱体9(車室内、各機器)の設定温度を変更するようにしても良い。
(15) 発熱体の設定温度の変更について
次に車両の状態と温調が必要な機器である発熱体9の設定温度の変更について、図16を用いて説明する。 車両状態は、車両運転情報64としてのアクセルセンサおよび車速センサからの検出信号や、ナビゲーション装置からの走行計画情報65に基づくものである。図16では、充電時、走行開始前、発進前、加減速および山道走行前と走行中、一般道走行時、高速道走行前と走行中、一時停止前(例えば、信号待待ち、渋滞など)、停車前、停車時の9種類の車両状態について記載したが、車両状態はこれらに限るものではない。また、空調対象は、車室内、モータ、インバータ、バッテリ、ギヤボックスとした。
車両運転情報64(車速、アクセル開度)より、ドライバの意図(加速したいのか等)を判断することができる。走行計画情報65は、ナビゲーション装置による目的地までの道路情報(渋滞具合、道路の勾配)、目的地情報である。これにより予想されるモータの出力や室内空調の出力から発熱体9の発熱量を予測して、車室内の設定温度および温調対象機器の設定温度を変更する。
例えば、車両運転情報64から加速意図を予測できた場合には、予めモータ、インバータを冷却するためにモータ、インバータの設定温度を低くする。また、走行計画情報65から山道走行が予測される場合、モータ、インバータの設定温度を初期設定よりも下げる。初期設定は、例えば、平坦道路における一般走行を仮定した設定とする。バッテリの設定温度は変更せず、効率良い充放電が行える所定温度範囲となるように機器冷却媒体の流れを制御して暖気または冷却を行う。ギヤボックスの設定温度についても変更せず、排熱の回収を行う。
充電時の場合には、設定温度は変更せず、充電中のバッテリ温度が所定温度範囲となるように暖機・冷却を制御する。車室内、モータ、インバータ、ギヤボックスに関しては、冷暖房や冷却・暖機は行わない。
走行開始前は、車両駐車中にAC電源によりバッテリ充電を行う場合を想定したものである。この場合、あらかじめ車室内をAC電源により冷暖房を行い、走行開始時には車室内温度が快適状態となっているようにする。
車両状態が発進前においては、直後の走行に備えて、全ての温調対象の設定温度を変更なしの状態とし、バッテリの冷却・暖機およびギヤボックスの暖機を行う。走行開始前、発進前のように、車両走行前にバッテリ、ギヤボックスを暖機しておくことで、走行時の効率向上が図れる。
車両状態が一般道走行時においては、すなわち標準的車両状態においては、全ての温調対象の設定温度を変更なしの状態とする。
車両状態が高速道走行前および走行中においても、山道走行の場合と同様にモータ出力が大きくなるので、山道走行の場合と同様の設定温度および空調制御とする。
信号待ちや渋滞時のような一時停止の状態では、モータおよびインバータの発熱が走行状態に比べて小さくなり、冷却力がより小さくても温度が上がらないので、モータおよびインバータの設定温度を上げて冷却力を弱める。その結果、省エネを図ることができる。バッテリの設定温度に関しては、温度範囲を広くする。
目的地到着時のように走行計画情報から停車が予測される状態(停車前)では、モータ、インバータおよびバッテリの設定温度については一時停止前の場合と同様に設定される。ただし、車室内の冷暖房およびギヤボックスの冷却・暖機については、車両駆動が停止されることが予測されるので予め停止して、省エネを図る。
さらに、停車時には、車室内の冷暖房および全ての温調対象機器の冷却・暖機が停止される。
なお、車室内空調と各機器の冷却・暖機が行われている状態で、各機器の温度がそれらの上限温度に近い場合には、車室内空調よりも各機器の冷却・暖機を優先する。
上述した図15のフローチャートの制御においては、ステップS3で温度変化を予測し、その予測結果に基づいて冷却媒体の設定温度(目標温度)を変更するようにしたが、車両運転情報64や走行計画情報65から図16に示す車両状態が予測し、その予測結果から直接に設定温度の変更を決定するようにしても良い。
(16) EV制御装置の説明について
次に本発明の車両用空調システムが搭載される電気自動車の制御装置の構成を図17を用いて説明する。電気自動車の制御装置は、車両全体の制御を行う車両制御装置70と、空調装置60の制御を行う空調制御装置61と、モータ73、インバータ72、ブレーキ74の制駆動を制御する制駆動制御装置71と、バッテリ76の電力管理を行う電池制御装置75とからなる。なお、上記以外にも制御装置は存在するが、本実施例では記載を省略する。
空調制御装置61は、上述した図3〜図11に示した空調装置60の動作の切り替え及び空調用冷却媒体と機器冷却媒体の温度の制御を行う。
(17) 空調装置の設置について
次に本発明の車両用空調システムの空調装置60の車両への設置を図18を用いて説明する。
図2に示す空調装置60は、室外ファンユニット80と室外ユニット81と室内ユニット82の3つに分割し、車両に設置する。室外ファンユニット80は、室外熱交換器2、室外ファン3とからなり、室外ユニット81は、圧縮機1、中間熱交換器4、ポンプ5、四方弁19、三方弁20、二方弁21A、21B、21C、21D、膨張弁22A、22B、23とからなり、室内ユニット82は、室内冷却熱交換器6、室内空調熱交換器7、室内ファン8、切り換えダンパ44、空気出入り口43A、43B、43C、43Dとからなる。図18では、発熱体9としてインバータ72、モータ73、バッテリ76を示したが、このうちの一部であってもよいし、他の発熱体9であっても構わない。
室外ファンユニット80は、車外の空気を取り込みやすい車両のフロントグリル部に設置し、室内ユニット82は室内に空調された空気を吹き出すために室内に設置する。室外ユニット81は、室外ファンユニット80、室内ユニット82、インバータ72、モータ73、バッテリ76と接続するため、車両のいわゆるエンジンルーム内に設置し、室外ファンユニット80と室内ユニット82の間に設置する。また、室外ユニットはインバータ72、モータ73の近傍に設置する。これらにより、後述する配管を短くすることができる。
なお、空調装置60を制御するため、図示しないサーミスタ等の温度センサ、圧力センサ等が設置されている。
それぞれのユニット内およびユニット間は銅管、アルミ管、ゴムホース等の配管で接続されており、各ユニット間や発熱体9であるインバータ72、モータ73、バッテリ76との接続は、継手83A、83B、83C、83D、83Eで行う。これにより、各ユニットや発熱体9を設置した後に継手83A、83B、83C、83D、83Eを接続すれば良くなるので組立作業が容易になる。また、モータ73やインバータ72は振動するため、室外ユニット81との接続は振動が伝わらないように柔軟なホースで接続すると良い。室外ファンユニット80や室外ユニット81は、車両からの振動が伝わらないように車両とは防振ゴム等を介して設置してもよい。
継手83A、83B、83C、83D、83Eは、接続するユニットに近い部分に設置できるように配管をまとめておくことにする。例えば室外ファンユニット80と室外ユニット81の接続では、継手83Aを室外ファンユニット80と室外ユニット81の間に設置し、2本の配管をまとめて設置している。なお、インバータ72、モータ73等のようの発熱体9本体に継手が設置されている場合には、直接配管を設置するようにしてもよい。
室外ユニット81には、圧縮機1やポンプ5等の電気駆動のアクチュエータやセンサを設置している。また、空調装置60の性能向上のためには車外の空気が当たらない方がよい。そのため、室外ユニット81は、防水、断熱の目的でカバーで囲うことにしている。
室外ユニット81内の二方弁21A、21B、21C、21Dは、図2に示すように機器冷却回路41上で近くになるようにまとめて配置している。二方弁21A、21B、21C、21Dは電気駆動の部品であるので、近くにまとめて設置することで配線がしやすくなる。なお、二方弁21A、21B、21C、21Dは、一つのブロック構造にしてもよい。
二方弁21A、21B、21C、21Dは、複数設置している。二方弁21A、21B、21C、21Dが破損しても機器冷却回路41内の機器冷却媒体が循環するように、二方弁21A、21B、21C、21Dは、ノーマルクローズ弁とノーマルオープン弁を用いることにしている。機器冷却回路41の並列回路では、必ず一つの流路の二方弁をノーマルオープン弁とし、他の流路の二方弁をノーマルクローズ弁にする。例えば、二方弁21A、21Dをノーマルオープン弁、二方弁21B、21Cをノーマルクローズ弁とすることで、確実に機器冷却媒体が循環するようになる。
空調制御装置61は、室外ユニット81内または近傍に設置することで信号線の長さを短くすることができるので、組立性向上が可能なほか、軽量化できる。
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
1:圧縮機、2:室外熱交換器、3:室外ファン、4:中間熱交換器、5:循環ポンプ、6:室内冷却熱交換器、7:室内空調熱交換器、8、54:室内ファン、9、9A、9B:発熱体、10:吐出配管、11:吸込配管、19:四方弁、20:三方弁、21A、21B、21C、21D:二方弁、22A、22B、23:膨張弁、41、41A、41B、41C、41D、50、51:機器冷却回路、42:室内ユニット、43A、43B、43C、43D:空気出入り口、44:切り替えダンパ、60:空調装置、61:空調制御装置、62:車室内温度、63:温調が必要な機器の温度、64:車両運転情報、65:走行計画情報、70:車両制御装置、71:制駆動制御装置、72:インバータ、73:モータ、74:ブレーキ、75:電池制御装置、76:バッテリ、80:室外ファンユニット、81:室外ユニット、82:室内ユニット、83A、83B、83C、83D、83E:接続手段、90、90A、90B:冷凍サイクル回路。

Claims (7)

  1. 車両に搭載された発熱機器の機器冷却回路と、冷凍サイクル回路を有する車室内空調装置と、前記機器冷却回路の機器冷却媒体と、前記冷凍サイクル回路の空調用冷却媒体の間の熱交換を行う中間熱交換器と、を備えた車両用空調システムであって、
    互いに別体に構成された室内ユニット、室外ユニット及び室外ファンユニットと、前記各ユニットを接続する継手又はホースと、を含み、
    前記室内ユニットは前記車室内に、前記室外ユニットは前記発熱機器近傍に、前記室外ファンユニットは、前記車両のフロントグリル部若しくはその近傍に設置したことを特徴とする車両用空調システム。
  2. 請求項1に記載された車両用空調システムであって、
    前記室外ユニットと前記発熱機器は、振動を絶縁することができる柔軟な管で接続したことを特徴とする車両用空調システム。
  3. 請求項1に記載された車両用空調システムであって、
    前記室外ユニットは、断熱又は/及び防水カバーで囲われていることを特徴とする車両用空調システム。
  4. 請求項1に記載された車両用空調システムであって、
    前記室外ユニットが備える制御弁であって冷却媒体を循環する回路の開閉を行う制御弁は、まとめて配置したことを特徴とする車両用空調システム。
  5. 請求項4に記載された車両用空調システムであって、
    前記まとめて配置された制御弁は、一つのブロック構造を構成することを特徴とする車両用空調システム。
  6. 請求項4に記載された車両用空調システムであって、
    前記まとめて配置された制御弁は、ノーマルクローズ弁とノーマルオープン弁を組み合わせて成ることを特徴とする車両用空調システム。
  7. 請求項1に記載された車両用空調システムであって、
    前記車両用空調システムのコントローラは、前記室外ユニットに設けられたことを特徴とする車両用空調システム。
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