JP2018071923A - 吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置において、内部で発生する熱を車両の暖機に利用する。【解決手段】吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置10では、高温熱源(エンジン80)と脱離工程側の吸着脱離部(第1吸着脱離部22A又は第2吸着脱離部24A)との間で冷却液を循環させるための第1の循環路40と、吸着式ヒートポンプ20内の熱源と第1の熱交換器(室内熱交換器52又は室外熱交換器62)との間で冷却液を循環させるための第2の循環路90と、第2の循環路90から伝達された熱を蓄熱し、かつ第1の循環路40に熱を伝達可能な蓄熱器82と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置に関する。
下記特許文献1には、小規模の施設でも使用できる吸着式ヒートポンプが開示されている。この吸着式ヒートポンプは、熱源から排出された熱を熱媒体(温水)を介して蓄熱する蓄熱部を備えており、吸着式ヒートポンプの吸着器に対して、熱源及び蓄熱部の両方から熱を供給することができる。
一方、下記特許文献2には、蒸気圧縮式ヒートポンプを備えた空気調和機が開示されている。この空気調和機は、冷媒の循環方向を入れ替えることにより、冷房運転と暖房運転とを切り替えることができる。そして、冷房運転時には、第1熱交換器において冷却された空気が室内に送出され、第2熱交換器では温熱が蓄熱される。また、暖房運転時には、第1熱交換器において温められた空気が室内に送出され、第2熱交換器では冷熱が蓄熱される。すなわち、特許文献2には、温熱又は冷熱を室外に排出する室外機を必要としない空気調和機が開示されている。
特開2013−210116号公報 特開2016−75414号公報
しかしながら、特許文献1に記載の吸着式ヒートポンプでは、冷房運転時に当該吸着式ヒートポンプの内で発生する吸着熱や凝縮熱については、別途設置された冷却手段により冷却する必要がある。すなわち、吸着式ヒートポンプの内で発生する熱は排出するのみであり、利用については考慮されていない。
また、特許文献2に記載の空気調和機では、冷媒の循環方向によって第2熱交換器には温熱又は冷熱が蓄熱されることになる。すなわち、第2熱交換器は常に温熱が蓄熱されるものではない。さらに、冷房運転時に第2熱交換器に温熱が蓄熱された場合であっても、この蓄熱された温熱の利用については何ら考慮されていない。
本発明は、上記事実を考慮して、吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置において、内部で発生する熱を車両の暖機に利用することを目的とする。
請求項1に記載された吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置は、冷媒の吸着及び脱離を行う吸着脱離部と、冷媒の蒸発及び凝縮を行う蒸発凝縮部と、を有する複数の容器を含んで構成され、前記容器内において吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われる吸着式ヒートポンプと、高温熱源と脱離工程側の前記吸着脱離部との間で冷却液を循環させるための第1の循環路と、前記吸着式ヒートポンプ内の熱源と第1の熱交換器との間で冷却液を循環させるための第2の循環路と、前記第2の循環路から伝達された熱を蓄熱し、かつ前記第1の循環路に熱を伝達可能な蓄熱器と、を備えている。
上記構成の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置では、吸着式ヒートポンプが、複数の容器を含んで構成されている。この容器は、冷媒の吸着及び脱離を行う吸着脱離部と、冷媒の蒸発及び凝縮を行う蒸発凝縮部と、を有している。そして、各容器において、吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われる。
また、当該車両用エアコン装置は、高温熱源と脱離工程側の吸着脱離部との間で冷却液を循環させるための第1の循環路と、吸着式ヒートポンプ内の熱源と第1の熱交換器との間で冷却液を循環させるための第2の循環路と、を備えている。
ここで、「吸着式ヒートポンプ内の熱源」とは、吸着熱が発生する吸着工程側の吸着脱離部と、凝縮熱が発生する脱離工程側の蒸発凝縮部が該当する。
そして、当該車両用エアコン装置では、第2の循環路から伝達された熱を蓄熱し、かつ第1の循環路に熱を伝達可能な蓄熱器を備えることを特徴としている。
上記構成の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置では、吸着式ヒートポンプの稼働により内部で発生した熱(吸着熱、凝縮熱)を蓄熱器に伝達させて、当該熱を蓄熱器に蓄熱させることができる。ここで、熱の「伝達」とは、熱伝達媒体を利用して離れた場所に熱を移動させることを含む。熱伝達媒体としては、例えば、各循環路を循環する冷却液が利用される。
そして、蓄熱器では、冷間運転時の高温熱源(例えば、エンジン)に対し、蓄熱されている熱を伝達することができる。すなわち、当該車両用エアコン装置によれば、吸着式ヒートポンプの内部で発生する熱を車両の暖機に利用することができる。
請求項2に記載された吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置は、さらに、前記蓄熱器は、前記第1の循環路における前記高温熱源よりも上流側に接続される放熱側熱交換器と、前記第2の循環路における前記第1の熱交換器よりも上流側に接続される蓄熱側熱交換器と、を備えている。
上記構成の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置では、蓄熱器が蓄熱側熱交換器と放熱側熱交換器とを備えている。そして、蓄熱側熱交換器は、第1の熱交換器よりも上流側に接続されているため、吸着式ヒートポンプの内部で発生した熱が第1の熱交換器において放熱されるよりも前に蓄熱器に伝達される。また、放熱側熱交換器は、高温熱源よりも上流側に接続されているため、蓄熱器の熱が途中(例えば、脱離工程側の吸着脱離部など)で放熱されずに高温熱源に伝達される。
上記の構成によれば、冷間運転時において、吸着式ヒートポンプ内の熱源から高温熱源(例えば、エンジン)への熱の伝達を効率的に行うことができる。つまり、冷間運転時の暖機を効率的に行うことができる。
請求項3に記載された吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置は、さらに、吸着工程側の前記蒸発凝縮部と第2の熱交換器との間で冷却液を循環させるための第3の循環路と、前記第1の熱交換器を室内熱交換器及び室外熱交換器のいずれか一方に、前記第2の熱交換器を前記室内熱交換器及び前記室外熱交換器のいずれか他方に切り替え可能な切替弁と、を備えている。
上記構成の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置では、「低温」の冷却液が流れる第2の循環路とは別に、「冷温」の冷却液が流れる第3の循環路を備えている。そして、切替弁により、室内熱交換器及び室外熱交換器を、それぞれ第2の循環路と第3の循環路のどちらに接続させるかを選択可能に形成されている。すなわち、室内熱交換器に「低温」の冷却液を流す(暖房運転)か、「冷温」の冷却液を流す(冷房運転)か、を選択することができる。
また、上記の構成によれば、吸着式ヒートポンプ内の熱源から切替弁までの経路では、常に低温熱源を取り出すことができ、吸着工程側の前記蒸発凝縮部から切替弁までの経路では、常に冷温熱源を取り出すことができる。つまり、用途の応じた熱源を容易に得ることができる。
本発明の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置によれば、吸着式ヒートポンプ内で発生する熱を車両の暖機に利用することができる。
本実施の形態に係る吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置の構成図であって、冷房要求時の状態を示す図である。 本実施の形態に係る吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置の構成図であって、暖房要求時の状態を示す図である。 本実施の形態に係る吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置に用いられる室内空調ユニットを模式的に示す図を示す。 本実施の形態の変形例であって、低温蓄熱器の構成図である。
以下、図1〜図3を用いて本実施の形態に係る吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置10(以下、車両用エアコン装置10という)について説明する。図1及び図2に示されるように、車両用エアコン装置10は、吸着式ヒートポンプ20を備えたエアコン装置として構成されている。この車両用エアコン装置10は、「高温熱源」としてのエンジン80と吸着式ヒートポンプ20(詳しくは、後述する脱離工程側の吸着脱離部)との間において冷却液を循環させるための「第1の循環路」として、第1循環回路40を備えている。また、車両用エアコン装置10は、吸着式ヒートポンプ20内の熱源(詳しくは、後述する吸着工程側の吸着脱離部及び脱離工程側の蒸発凝縮部)と第1の熱交換器との間において冷却液を循環させるための「第2の循環路」として、第2循環回路90を備えている。さらに、車両用エアコン装置10は、吸着式ヒートポンプ20(詳しくは、後述する吸着工程側の蒸発凝縮部)と第2の熱交換器との間において冷却液を循環させるための「第3の循環路」として、第3循環回路92を備えている。
そして、第1循環回路40では「高温」の冷却液が循環し、第2循環回路90では「低温」の冷却液が循環し、第3循環回路92では「冷温」の冷却液が循環する。ここで、「高温」とは、後述する吸着脱離部における脱離工程を促す温度(例えば、90°C程度)が該当する。本実施の形態では、エンジン80から排出される冷却液は「高温」に温められている。また、「冷温」とは、車内温度より低い温度(例えば、10°C程度)が該当する。本実施の形態では、蒸発凝縮部における冷媒の蒸発潜熱によって、冷却液は「冷温」に冷却される。さらに、「低温」とは、大気温度より高く、「冷温」と「高温」の間の温度(例えば、40°C程度)が該当する。本実施の形態では、吸着式ヒートポンプ20の内部において発生する熱(吸着熱、凝縮熱)によって、冷却液は「低温」に温められる。
そして、冷房要求時においては、第1の熱交換器は室外熱交換器62が、第2の熱交換器は室内熱交換器52がそれぞれ対応する。また、暖房要求時においては、第1の熱交換器は室内熱交換器52が、第2の熱交換器は室外熱交換器62がそれぞれ対応する。
以下、車両用エアコン装置10の構成について説明する。
(吸着式ヒートポンプ)
本実施の形態の車両用エアコン装置10は、吸着式ヒートポンプ20を含んで構成されている。吸着式ヒートポンプ20は、複数(本実施の形態では2つ)の容器を備えており、一方の容器において吸着工程が行われ、他方の容器において脱離工程が行われるようになっている。すなわち、一方の容器において、吸着剤32によって冷媒(水)を吸着し、吸着剤32による冷媒の吸着に伴って冷媒が蒸発することで生じる蒸発潜熱を利用して、「冷温」に冷却された冷却液を得るようになっている。また、他方の容器において、冷媒(水)を吸着した吸着剤32を加熱することで、吸着剤32から冷媒(水)を脱離するようになっている。そして、吸着式ヒートポンプ20では、各容器内において吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われる。
以下、具体的に説明する。
吸着式ヒートポンプ20は、「吸着脱離部」としての第1吸着脱離部22A及び第2吸着脱離部24Aと、「蒸発凝縮部」としての第1蒸発凝縮部22B及び第2蒸発凝縮部24Bと、を含んで構成されている。そして、第1吸着脱離部22A及び第1蒸発凝縮部22Bが対を成して「容器」としての第1容器22を構成している。第1容器22の内部は密閉されている。また、第2吸着脱離部24A及び第2蒸発凝縮部24Bが対を成して「容器」としての第2容器24を構成している。第2容器24の内部は密閉されている。
第1吸着脱離部22A及び第2吸着脱離部24Aの内部には、それぞれ吸着剤32が収容されており、吸着剤32は、シリカゲルやゼオライト等(本実施の形態では、ゼオライト)で構成されている。また、第1吸着脱離部22Aの内部には、第1吸着コア22C(熱交換器)が配置されており、第1吸着コア22Cは、4方弁26A,26Bに接続されている。この4方弁26A,26Bには、制御部30(図1参照、図2では図示省略)が電気的に接続されており、4方弁26A,26Bの切替制御を制御部30によって行う構成になっている。そして、第1吸着コア22Cは、4方弁26A,26Bよって、後述する第1循環回路40又は第2循環回路90に接続される。
さらに、第1吸着脱離部22Aと同様に、第2吸着脱離部24Aの内部には、第2吸着コア24C(熱交換器)が配置されており、第2吸着コア24Cは、4方弁26A,26Bに接続されて、4方弁26A,26Bによって、後述する第1循環回路40又は第2循環回路90に接続される構成となっている。そして、第1吸着コア22C及び第2吸着コア24C内には、第1循環回路40内又は第2循環回路90内を流れる冷却液が循環されるようになっている。
一方、第1蒸発凝縮部22B及び第2蒸発凝縮部24Bの内部には、冷媒(本実施の形態では、冷却水)が注入されている。また、第1蒸発凝縮部22Bの内部には、第1蒸発凝縮コア22D(熱交換器)が配置されており、第1蒸発凝縮コア22Dは、4方弁28A,28Bに接続されている。この4方弁28A,28Bには、前述した制御部30が電気的に接続されており、4方弁28A,28Bの切替制御を制御部30によって行う構成になっている。そして、第1蒸発凝縮コア22Dが、4方弁28A,28Bによって、後述する第2循環回路90又は第3循環回路92に接続される。
さらに、第1蒸発凝縮部22Bと同様に、第2蒸発凝縮部24Bの内部には、第2蒸発凝縮コア24D(熱交換器)が配置されており、第2蒸発凝縮コア24Dは、4方弁28A,28Bに接続されて、4方弁28A,28Bによって、後述する第2循環回路90又は第3循環回路92に接続される構成となっている。そして、第1蒸発凝縮コア22D及び第2蒸発凝縮コア24D内には、第2循環回路90内又は第3循環回路92内を流れる冷却液が循環されるようになっている。
一方、車両用エアコン装置10は、第1の熱交換器を室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれか一方に、第2の熱交換器を室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれか他方に切り替え可能な「切替弁」として、4方弁94A,94Bを備えている。この4方弁94A,94Bには、前述した制御部30が電気的に接続されており、4方弁94A,94Bの切替制御を制御部30によって行う構成になっている。4方弁94Aは、連結配管27Aによって4方弁26Aに、連結配管96Aによって4方弁28Aに、それぞれ連結されている。そして、連結配管27Aの中間部には冷却液を循環させるための第2ポンプ29Bが設けられている。また、4方弁94Bは、連結配管27Bによって、4方弁26Bに、連結配管96Bによって4方弁28Bに、それぞれ連結されている。そして、連結配管96Bの中間部には冷却液を循環させるための第4ポンプ98が設けられている。
連結配管27Aは第2ポンプ29Bの下流側の分岐部95Aにおいて分岐されており、分岐部95Aと4方弁28Aとが連結配管27Cによって連結されている。また、連結配管27Aにおいて分岐部95Aの下流側には第2バルブ49が設けられている。この第2バルブ49には、後述する低温蓄熱器82が連結される分岐配管96が設けられているが、詳細は後述する。一方、連結配管27Bは中間の分岐部95Bにおいて分岐されており、分岐部95Bと4方弁28Bとが連結配管27Dによって連結されている。そして、連結配管27Dの中間部には冷却液を循環させるための第3ポンプ29Cが設けられている。
(第1循環回路)
第1循環回路40は、エンジン80と、吸着式ヒートポンプ20、詳しくは脱離工程側の吸着脱離部(第1吸着脱離部22A又は第2吸着脱離部24A)とを接続し、両者間において冷却液を循環させるための回路として構成されている。第1循環回路40は、第1循環回路40の上流側の部分を構成する上流側配管40Aと、第1循環回路40の下流側の部分を構成する下流側配管40Bと、を有している。上流側配管40Aは4方弁26Bに接続されており、下流側配管40Bは4方弁26Aに接続されている。また、上流側配管40Aにはヒータコア44が設けられている。このヒータコア44は、後述する室内空調ユニット70の一部を構成している。さらに、下流側配管40Bには冷却液を循環させるための第1ポンプ29Aが設けられ、第1ポンプ29Aの下流側には第1バルブ48が設けられている。この第1バルブ48には、後述する低温蓄熱器82が連結される分岐配管40Cが設けられているが、詳細は後述する。
以上、第1循環回路40は、エンジン80からヒータコア44を経由して脱離工程側の吸着脱離部に至り、第1ポンプ29Aを経由して再びエンジン80に至る回路とされている。すなわち、第1循環回路40は、エンジン80から排出された「高温」の冷却液が循環する回路とされている。第1循環回路40では、第1吸着脱離部22A(第1吸着コア22C)又は第2吸着脱離部24A(第2吸着コア24C)に「高温」の冷却液が供給されることにより、第1吸着脱離部22A又は第2吸着脱離部24Aにおいて、脱離工程が行われる。
(第2循環回路)
第2循環回路90は、吸着式ヒートポンプ20内の熱源と、第1の熱交換器(室内熱交換器52又は室外熱交換器62)と、を接続し、両者間において冷却液を循環させるための回路として構成されている。ここで、「吸着式ヒートポンプ20内の熱源」とは、吸着熱が発生する吸着工程側の吸着脱離部(第1吸着脱離部22A、第2吸着脱離部24A)と、凝縮熱が発生する脱離工程側の蒸発凝縮部(第1蒸発凝縮部22B、第2蒸発凝縮部24B)とが該当する。また、「吸着熱」とは、吸着工程側の容器において吸着剤32が冷媒を吸着することによって生じる熱である。また、「凝縮熱」とは、脱離工程側の容器において冷媒が凝縮することで生じる熱である。
以上、第2循環回路90は、吸着工程側の吸着脱離部から第2ポンプ29Bを経由して第1の熱交換器に至り、再び吸着工程側の吸着脱離部に至る回路と、脱離工程側の蒸発凝縮部から第1の熱交換器に至り、第3ポンプ29Cを経由して再び脱離工程側の蒸発凝縮部に至る回路と、を合わせた回路とされている。すなわち、第2循環回路90は、吸着熱及び凝縮熱により温められた「低温」の冷却液が循環する回路とされている。
ここで、第1の熱交換器は、室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれかが対応する。詳しくは、冷房要求時においては室外熱交換器62が、暖房要求時においては室内熱交換器52が対応する。室内熱交換器52は、後述する室内空調ユニット70の一部を構成しており、車室内に設けられた熱交換器として構成されている。また、室内熱交換器52は、その上流側では上流側配管50Aによって4方弁94Aに連結され、その下流側では下流側配管50Bによって4方弁94Bに連結されている。一方、室外熱交換器62は、車両のエンジンルームの前端部に配置されており、エンジン冷却用のラジエータとは別の熱交換器として構成されている。また、室外熱交換器62は、その上流側では上流側配管60Aによって4方弁94Aに連結され、その下流側では下流側配管60Bによって4方弁94Bに連結されている。さらに、室外熱交換器62には、ファン66が設けられている。このファン66を回転駆動させることで、強制的に熱交換を行うことができる。なお、第1の熱交換器を室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれに対応させるか、換言すると第2循環回路90に室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれを接続させるかの切り替えは、「切替弁」としての4方弁94A,94Bにより行われる。
以上、本実施の形態の車両用エアコン装置10では、冷房要求時は第1の熱交換器としての室外熱交換器62において温熱が放熱され、暖房要求時は第1の熱交換器としての室内熱交換器52において温熱が放熱される。
(第3循環回路)
第3循環回路92は、吸着式ヒートポンプ20、詳しくは吸着工程側の蒸発凝縮部(第1蒸発凝縮部22B又は第2蒸発凝縮部24B)と、第2の熱交換器(室内熱交換器52又は室外熱交換器62)と、を接続し、両者間において冷却液を循環させるための回路として構成されている。詳しくは、第3循環回路92は、吸着工程側の蒸発凝縮部から第2の熱交換器に至り、第4ポンプ98を経由して再び吸着工程側の蒸発凝縮部に至る回路とされている。すなわち、第3循環回路92は、吸着工程側の蒸発凝縮部において「冷温」とされた冷却液が循環する回路とされている。
ここで、第2の熱交換器は、室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれかが対応する。詳しくは、冷房要求時においては室内熱交換器52が、暖房要求時においては室外熱交換器62が対応する。第2の熱交換器を室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれに対応させるか、換言すると第3循環回路92に室内熱交換器52及び室外熱交換器62のいずれを接続させるかの切り替えは、「切替弁」としての4方弁94A,94Bにより行われる。
以上、本実施の形態の車両用エアコン装置10では、冷房要求時は第2の熱交換器としての室内熱交換器52において吸熱され、暖房要求時は第1の熱交換器としての室外熱交換器62において吸熱される。
(低温蓄熱器)
本実施の形態の車両用エアコン装置10には、「第2の循環路」としての第2循環回路90から伝達された熱を蓄熱し、かつ「第1の循環路」としての第1循環回路40に熱を伝達可能な「蓄熱器」として、低温蓄熱器82を備えている。低温蓄熱器82は、内部に蓄熱材84を備えている。この蓄熱材84としては、物質の比熱を利用した顕熱蓄熱材、物質の固液相変化に伴って発生する潜熱を利用した潜熱蓄熱材、又は化学反応熱を利用した化学蓄熱材を採用することができる。
また、低温蓄熱器82は、第1循環回路40におけるエンジン80よりも上流側に接続される放熱側熱交換器86Aと、第2循環回路90における第1の熱交換器よりも上流側に接続される蓄熱側熱交換器86Bと、を備えている。ここで、放熱側熱交換器86Aは、第1循環回路40から分岐される分岐配管40C内に設けられた熱交換器である。分岐配管40Cは、第1循環回路40の下流側配管40Bに設けられた第1バルブ48から分岐し、放熱側熱交換器86Aを経由して第1バルブ48の下流側、かつエンジン80の上流側で下流側配管40Bに合流する。すなわち、分岐配管40Cにより、第1循環回路40と放熱側熱交換器86Aとの間を冷却液が循環する放熱側循環回路88Aが構成される。また、蓄熱側熱交換器86Bは、第2循環回路90から分岐される分岐配管96内に設けられた熱交換器である。分岐配管96は、第2循環回路90の連結配管27Aに設けられた第2バルブ49から分岐し、蓄熱側熱交換器86Bを経由して第2バルブ49の下流側、かつ4方弁94Aの上流側で連結配管27Aに合流する。すなわち、第2循環回路90と蓄熱側熱交換器86Bとの間を冷却液が循環する蓄熱側循環回路88Bが構成される。なお、第1バルブ48及び第2バルブ49は、流路切替弁であって、前述した制御部30が電気的に接続されている。つまり、第1バルブ48及び第2バルブ49の切替制御は制御部30によって行われる。
以上、低温蓄熱器82では、蓄熱側熱交換器86Bと第2循環回路90との間で、吸着熱及び凝縮熱により温められた「低温」の冷却液を循環させることにより、蓄熱材84に吸着熱及び凝縮熱が蓄熱される。また、放熱側熱交換器86Aと第1循環回路40との間で、冷却液を循環させることにより、エンジン80の冷間時に冷却液に対して蓄熱材84の熱を放出することができる。
(室内空調ユニット)
図3に示されるように、室内空調ユニット70は、通風ダクト72を有している。通風ダクト72の上流側には、図示しない外気導入用の空気取入口、内気導入用の空気取入口、が設けられている。また、通風ダクト72内には、その上流側において、ブロワファンを備えたブロワ74が設けられており、空気取入口又は空気取入口から通風ダクト72内に導入された空気をブロワ74によって通風ダクト72の下流側へ送風するように構成されている。
また、通風ダクト72内には、ブロワ74に対して下流側において、導入空気を除湿冷却するための室内熱交換器52、導入空気を加熱するためのヒータコア44、導入空気のヒータコア44への送風量を調節するためのエアミックスダンパ76がそれぞれ設けられている。エアミックスダンパ76は、図示しないアクチュエータにより回動するように形成されている。ここで、エアミックスダンパ76を図3において2点鎖線で示される状態に回動させることで、通風ダクト72を、室内熱交換器52を通過した空気を流す第1通路とすることができる。一方、エアミックスダンパ76を図3において実線で示される状態に回動させることで、通風ダクト72を、室内熱交換器52及びヒータコア44を通過した空気を流す第2通路とすることができる。このように、室内空調ユニット70では、エアミックスダンパ76の回転位置を調整することにより第1通路を通過する空気と第2通路を通過する空気との割合を変更することができる。エアミックスダンパ76により調温された空気が通風ダクト72の下流側へ流れて、車室内に送風される。
次に、車両用エアコン装置10の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
(冷房要求時)
冷房要求時には、制御部30が4方弁26A,26B、4方弁28A,28B、及び4方弁94A,94Bを制御することで、吸着工程側の吸着脱離部を第2循環回路90に接続させ、吸着工程側の蒸発凝縮部を第3循環回路92に接続させる。一方、脱離工程側の吸着脱離部を第1循環回路40に接続させ、脱離工程側の蒸発凝縮部を第2循環回路90に接続させる。そして、制御部30が4方弁26A,26B、及び4方弁28A,28Bを繰り返し切替制御することで、吸着式ヒートポンプ20では、各容器内において吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われる。
具体的には、図1に示されるように、室外熱交換器62が4方弁94A,94Bによって、第2循環回路90に接続され、室内熱交換器52が4方弁94A,94Bによって、第3循環回路92に接続される。
次に、図1に示されるように、第1容器22では吸着工程、第2容器24では脱離工程が行われるとする。まず、第1吸着コア22Cが4方弁26A,26Bによって第2循環回路90に接続される。これにより、第1吸着コア22C及び室外熱交換器62を循環する経路が形成される(図1の矢印Aを参照)。また、第1蒸発凝縮コア22Dが4方弁28A,28Bによって第3循環回路92に接続される。これにより、第1蒸発凝縮コア22D及び室内熱交換器52を循環する経路が形成される(図1の矢印Bを参照)。また、第2吸着コア24Cが4方弁26A,26Bによって第1循環回路40に接続される。これにより、第2吸着コア24C及び第1循環回路40(エンジン80)を循環する経路が形成される(図1の矢印Cを参照)。さらに、第2蒸発凝縮コア24Dが4方弁28A,28Bによって第2循環回路90に接続される。これにより、第2蒸発凝縮コア24D及び室外熱交換器62を循環する経路が形成される(図1の矢印Dを参照)。なお、室外熱交換器62では、第1吸着コア22Cの循環(図1の矢印Aを参照)と、第2蒸発凝縮コア24Dの循環(図1の矢印Dを参照)とが合流している。
そして、第1容器22において吸着工程が行われる。すなわち、第1容器22では、乾燥された吸着剤32が冷媒を吸着し、第1容器22内が減圧することで、第1蒸発凝縮部22Bの冷媒が蒸発する。このとき、冷媒の蒸発潜熱によって第1蒸発凝縮コア22D内の冷却液が冷却される。これにより、第3循環回路92内を流れる冷却液が「冷温」に冷却されて、室内熱交換器52に供給される。また、第1吸着脱離部22Aでは、吸着剤32が冷媒を吸着することによって生じる吸着熱によって第1吸着コア22C内の冷却液が「低温」に温められる。そして、第1吸着コア22C内で温められた冷却液が第2循環回路90によって室外熱交換器62に供給される。
一方、第2容器24において脱離工程が行われる。すなわち、第2吸着コア24Cは4方弁26A,26Bによって第1循環回路40に接続されているため、「高温」の冷却液が第2吸着コア24Cを介して第2吸着脱離部24A内の吸着剤32を加熱する。これにより、第2吸着脱離部24A内の吸着剤32が乾燥して、吸着剤32から冷媒が脱離される。そして、第2循環回路90に接続されている第2蒸発凝縮部24B(第2蒸発凝縮コア24D)では、吸着剤32から脱離された冷媒が凝縮されて水として復元される。そして、このとき生成される凝縮熱によって第2蒸発凝縮コア24D内の冷却液が「低温」に温められる。そして、第2蒸発凝縮コア24D内で温められた冷却液が第2循環回路90によって室外熱交換器62に供給される。
本実施の形態の車両用エアコン装置10では、第1容器22における吸着工程後及び第2容器24における脱離工程後に、制御部30の制御によって4方弁26A,26B及び4方弁28A,28Bを切り替える。これにより、第1容器22は吸着工程から脱離工程に切り替わると共に、第2容器24は脱離工程から吸着工程に切り替わる。具体的には、図示は省略するが、第1吸着コア22Cが4方弁26A,26Bによって第1循環回路40に接続され、第1蒸発凝縮コア22Dが4方弁28A,28Bによって第2循環回路90に接続される。一方、第2吸着コア24Cが4方弁26A,26Bによって第2循環回路90に接続され、第2蒸発凝縮コア24Dが4方弁28A,28Bによって第3循環回路92に接続される。以上、第1吸着脱離部22A及び第2吸着脱離部24Aにおいて、それぞれ吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われて、「冷温」の冷却液が室内熱交換器52に供給される。
一方、室内空調ユニット70では、エアミックスダンパ76の回転位置が調整されることで、室内熱交換器52を通過した冷気と、ヒータコア44を通過した暖気の割合が調整される。すなわち、通風ダクト72を通過する空気が所望の温度に調整されて車室内に送風される。
(暖房要求時)
暖房要求時には、制御部30が4方弁26A,26B、4方弁28A,28B、及び4方弁94A,94Bを制御することで、吸着工程側の吸着脱離部を第2循環回路90に接続させ、吸着工程側の蒸発凝縮部を第3循環回路92に接続させる。一方、脱離工程側の吸着脱離部を第1循環回路40に接続させ、脱離工程側の蒸発凝縮部を第2循環回路90に接続させる。そして、制御部30が4方弁26A,26B、及び4方弁28A,28Bを繰り返し切替制御することで、吸着式ヒートポンプ20では、各容器内において吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われる。
具体的には、図2に示されるように、室外熱交換器62が4方弁94A,94Bによって、第3循環回路92に接続され、室内熱交換器52が4方弁94A,94Bによって、第2循環回路90に接続される。
次に、図2に示されるように、第1容器22では吸着工程、第2容器24では脱離工程が行われるとする。まず、第1吸着コア22Cが4方弁26A,26Bによって第2循環回路90に接続される。これにより、第1吸着コア22C及び室内熱交換器52を循環する経路が形成される(図2の矢印Aを参照)。また、第1蒸発凝縮コア22Dが4方弁28A,28Bによって第3循環回路92に接続される。これにより、第1蒸発凝縮コア22D及び室外熱交換器62を循環する経路が形成される(図2の矢印Bを参照)。また、第2吸着コア24Cが4方弁26A,26Bによって第1循環回路40に接続される。これにより、第2吸着コア24C及び第1循環回路40(エンジン80)を循環する経路が形成される(図2の矢印Cを参照)。さらに、第2蒸発凝縮コア24Dが4方弁28A,28Bによって第2循環回路90に接続される。これにより、第2蒸発凝縮コア24D及び室内熱交換器52を循環する経路が形成される(図2の矢印Dを参照)。なお、室内熱交換器52では、第1吸着コア22Cの循環(図1の矢印Aを参照)と、第2蒸発凝縮コア24Dの循環(図1の矢印Dを参照)とが合流している。
そして、第1容器22において吸着工程が行われる。すなわち、第1容器22では、乾燥された吸着剤32が冷媒を吸着し、第1容器22内が減圧することで、第1蒸発凝縮部22Bの冷媒が蒸発する。このとき、冷媒の蒸発潜熱によって第1蒸発凝縮コア22D内の冷却液が冷却される。これにより、第3循環回路92内を流れる冷却液が「冷温」に冷却されて、室外熱交換器62に供給される。また、第1吸着脱離部22Aでは、吸着剤32が冷媒を吸着することによって生じる吸着熱によって第1吸着コア22C内の冷却液が「低温」に温められる。そして、第1吸着コア22C内で温められた冷却液が第2循環回路90によって室内熱交換器52に供給される。
一方、第2容器24において脱離工程が行われる。すなわち、第2吸着コア24Cは4方弁26A,26Bによって第1循環回路40に接続されているため、「高温」の冷却液が第2吸着コア24Cを介して第2吸着脱離部24A内の吸着剤32を加熱する。これにより、第2吸着脱離部24A内の吸着剤32が乾燥して、吸着剤32から冷媒が脱離される。そして、第2循環回路90に接続されている第2蒸発凝縮部24B(第2蒸発凝縮コア24D)では、吸着剤32から脱離された冷媒が凝縮されて水として復元される。そして、このとき生成される凝縮熱によって第2蒸発凝縮コア24D内の冷却液が「低温」に温められる。そして、第2蒸発凝縮コア24D内で温められた冷却液が第2循環回路90によって室内熱交換器52に供給される。
本実施の形態の車両用エアコン装置10では、第1容器22における吸着工程後及び第2容器24における脱離工程後に、制御部30の制御によって4方弁26A,26B及び4方弁28A,28Bを切り替える。これにより、第1容器22は吸着工程から脱離工程に切り替わると共に、第2容器24は脱離工程から吸着工程に切り替わる。具体的には、図示は省略するが、第1吸着コア22Cが4方弁26A,26Bによって第1循環回路40に接続され、第1蒸発凝縮コア22Dが4方弁28A,28Bによって第2循環回路90に接続される。一方、第2吸着コア24Cが4方弁26A,26Bによって第2循環回路90に接続され、第2蒸発凝縮コア24Dが4方弁28A,28Bによって第3循環回路92に接続される。以上、第1吸着脱離部22A及び第2吸着脱離部24Aにおいて、それぞれ吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われて、温められた冷却液が室内熱交換器52に供給される。
一方、室内空調ユニット70では、エアミックスダンパ76の回転位置が調整されることで、室内熱交換器52を通過した暖気と、ヒータコア44を通過した暖気の割合が調整される。ここで、通風ダクト72内の通路を、第2通路(図3の実線で示されるエアミックスダンパ76を参照)とすることで、エンジン80の排熱だけでなく、吸着熱及び凝縮熱を補助熱源として活用でき、暖房効率を向上させることができる。
(低温蓄熱器の作用)
本実施の形態の車両用エアコン装置10では、吸着式ヒートポンプ20の内部で発生した熱を低温蓄熱器82に蓄熱する蓄熱工程と、低温蓄熱器82に蓄熱された熱をエンジン80側に放熱する放熱工程と、を有している。また、放熱工程に加えて、吸着式ヒートポンプ20の内部で発生した熱をエンジン80側に直接放出する直接伝熱工程を有している。
(1)蓄熱工程
本実施の形態の車両用エアコン装置10の蓄熱工程における作用は、次のとおりである。すなわち、制御部30により第2バルブ49が切り替えられると、第2循環回路90から分岐する蓄熱側循環回路88Bを冷却液が循環する。上述のとおり、第2循環回路90では吸着式ヒートポンプ20の内部で発生した吸着熱及び凝縮熱により冷却液が「低温」に温められている。また、蓄熱側循環回路88Bは、第1の熱交換器(室内熱交換器52、室外熱交換器62)よりも上流側で分岐している。したがって、「低温」に温められた冷却液は、第1の熱交換器において放熱されるよりも前に蓄熱側循環回路88Bに供給される。そして、低温蓄熱器82において、吸着熱及び凝縮熱による熱が蓄熱材84に蓄熱される。
なお、エンジン80及び吸着式ヒートポンプ20の稼働状況の変化により、蓄熱側循環回路88Bを流れる冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低下すると、低温蓄熱器82から冷却液への放熱が行われることになる。この場合、第2バルブ49を切り替えて蓄熱側循環回路88Bへの流れを止めることにより、低温蓄熱器82における蓄熱状態を維持させることができる。
本実施の形態の第2バルブ49は電磁弁であり、第2バルブ49の切替動作は、第2循環回路90内に設けられた図示しない温度センサの信号に基づいて制御部30により制御されている。しかし、これに限らず、第2バルブ49を機械式のサーモスタットとし、制御部30によらずに第2バルブ49を切り替えさせてもよい。
(2)放熱工程
本実施の形態の車両用エアコン装置10の放熱工程における作用は、次のとおりである。すなわち、エンジン80を冷間始動させた場合等、エンジン80や補機類(例えば、スロットルボディなど)が暖機中であって、第1循環回路40における冷却液の温度が低い場合、制御部30により第1バルブ48が切り替えられる。すると、脱離工程側の吸着脱離部において放熱された後の冷却液が、放熱側循環回路88A内に流れ込む。ここで、蓄熱工程によって低温蓄熱器82(蓄熱材84)には、吸着熱及び凝縮熱による熱が蓄熱されており、放熱側循環回路88Aの冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低い場合は、蓄熱材84から冷却液に熱が放出される。これにより、冷却液が温められ、エンジン80や補機類の暖機促進が図られる。なお、エンジン80や補機類の暖機が終了した後は、第1バルブ48を切り替えて放熱側循環回路88Aへの流れを止めることで、第1循環回路40の「高温」の熱が蓄熱材84に蓄熱されることが防止される。
本実施の形態の第1バルブ48は電磁弁であり、第1バルブ48の切替動作は、第1循環回路40内に設けられた図示しない温度センサの信号に基づいて制御部30により制御されている。しかし、これに限らず、第1バルブ48を機械式のサーモスタットとし、制御部30によらずに第1バルブ48を切り替えさせてもよい。
(3)直接伝熱工程
暖機中において、第1循環回路40の冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低く、かつ第2循環回路90の冷却液の温度より低い場合は、第1バルブ48及び第2バルブ49を同時に切り替えることより、直接伝熱工程が行われる。この直接伝熱工程では、蓄熱材84の熱に加えて第2循環回路90の熱も第1循環回路40に伝達させることができる。すなわち、さらなる暖機促進が図られる。
(まとめ)
以上、本実施の形態の車両用エアコン装置10によれば、4方弁94A,94Bを切り替えることで、冷房運転と暖房運転とを切り替えることができる。そして、本実施の形態の車両用エアコン装置10は、4方弁26A,26B及び4方弁28A,28Bを同時に切り替えて、第1容器22及び第2容器24のいずれか一方の吸着工程と、いずれか他方の脱離工程とを連続的に入れ替えて冷房運転又は暖房運転を連続的に行うことができる。
一方、車両の燃費が向上するにつれ、走行距離当たりの燃料燃焼熱量が低下すると、特に冬場におけるエンジン80や補機類の暖機に影響が生じる。暖機後の余剰熱を蓄熱し、冷間始動時にその熱を利用することも考えられるが、熱源が不足する状況では、より低温の熱の利用も求められる。そこで、本実施の形態では、吸着式ヒートポンプ20内において発生する「低温」の熱を車両の暖機に利用することとした。具体的に、本実施の形態の車両用エアコン装置10では、吸着式ヒートポンプ20内において発生する熱を蓄熱するための低温蓄熱器82を設けた。
低温蓄熱器82は、放熱側循環回路88A及び蓄熱側循環回路88Bを有しており、放熱側循環回路88Aは第1バルブ48により第1循環回路40に接続され、蓄熱側循環回路88Bは第2バルブ49により第2循環回路90に接続される。これにより、第2循環回路90から適宜、低温蓄熱器82に蓄熱を行うことができる。そして、エンジン80の冷間始動時に第1循環回路40から蓄熱材84の温度よりも低い温度の冷却液を放熱側循環回路88Aに供給することにより、低温蓄熱器82から第1循環回路40に熱が伝達されて、暖機の促進を図ることができる。
また、上述のとおり、冷間始動時に、第1循環回路40の冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低く、かつ第2循環回路90の冷却液の温度より低い場合は、第1バルブ48及び第2バルブ49を同時に切り替えることより、直接伝熱工程が行われる。これにより、蓄熱材84の熱に加えて第2循環回路90の熱も伝達されるため、さらなる暖機促進が図られる。
本実施の形態において、蓄熱側熱交換器86Bは、第1の熱交換器(室内熱交換器52、室外熱交換器62)よりも上流側に接続されているため、吸着式ヒートポンプ20の内部で発生した熱が第1の熱交換器(室内熱交換器52又は室外熱交換器62)において放熱されるよりも前に蓄熱器に伝達される。また、放熱側熱交換器86Aは、エンジン80よりも上流側に接続されているため、蓄熱器の熱が途中(例えば、脱離工程側の吸着脱離部など)で放熱されずにエンジン80に伝達される。すなわち、本実施の形態によれば、吸着式ヒートポンプ20内の熱源から冷間運転時のエンジン80への熱の伝達を効率的に行うことができる。つまり、冷間運転時のエンジン80の暖機を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態は、吸着式ヒートポンプ20内において吸着熱及び凝縮熱により「低温」に温められた冷却液が循環する第2循環回路90と、蒸発潜熱によって「冷温」に冷却された冷却液が循環する第3循環回路92を備えている。また、室内熱交換器52及び室外熱交換器62を、第2循環回路90及び第3循環回路92のいずれに接続するかを切り替える4方弁94A,94Bを備えている。したがって、第2循環回路90では、分岐部95A,95Bから4方弁94A,94Bの流路において常に「低温」の熱源を得ることができ、第3循環回路92では、4方弁28A,28Bから4方弁94A,94Bの流路において常に「冷温」の熱源を得ることができる。
以上のように、定められた流路において、「低温」又は「冷温」の熱源を得ることができ、様々な用途への利用が容易に行える。例えば、「低温」の熱源を乗員用シートのヒータ等に利用することができる。また例えば、「冷温」の熱源を飲料用のクーラボックスに利用することができる。
また、本実施の形態において、第2循環回路90から得られる「低温」の熱源は、吸着熱及び凝縮熱の2つの熱源を基に生成されるため、多くの熱を利用することが可能である。特に、暖房要求時においては、ブロワ74の直下に室内熱交換器52が配置され、その後流側にヒータコア44が配置されるので、室内空気が室内熱交換器52で一度温められ、ヒータコア44によりさらに温められ、効果的に暖房が行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、エンジン80の始動直後のクールダウン運転や渋滞時の冷房運転のように、室外熱交換器62による冷却負担が高くなる場合に、低温蓄熱器82を利用することが可能である。例えば、分岐部95Aの下流側の冷却液の温度が規定値以上になった場合に、第2循環回路90内において生成された熱を低温蓄熱器82に蓄熱させる。そして、車両の走行中に室外熱交換器62に走行風が導入できる場合、例えば車速が規定値以上に達した場合には、放熱側循環回路88Aを第1循環回路40に接続させずに、蓄熱側循環回路88Bを第2循環回路90に接続させる。これにより、走行風によって放熱能力を増した室外熱交換器62から吸着式ヒートポンプ20内において生成された「低温」の熱を放熱するとともに、低温蓄熱器82における蓄熱を放熱することができる。特に夏場は、車外温度との温度差を多く取れないため、室外熱交換器の大型化やファンなどの電気負担が高まるが、本実施の形態によれば、低温蓄熱器82で一時的に蓄熱させることにより、室外熱交換器62の冷却負担を軽減することができる。
なお、従来の蒸気圧縮式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置において、「低温」及び「冷温」の熱源を得るためには、次のような構成を要する。すなわち、車両における蒸気圧縮式ヒートポンプは、エンジンルーム内に設けられたコンプレッサ、エンジンルームの前端部に設けられた室外熱交換器、及び車室内に設けられた室内熱交換器を基本構成としている。そして、当該車両用エアコン装置では、コンプレッサ、室外熱交換器、及び室内熱交換器を冷媒が循環するが、流路切替弁により、冷媒の循環方向を入れ替えることにより、冷房運転と暖房運転とを切り替えることができる。
ここで、コンプレッサの下流側で、かつ放熱側の熱交換器(冷房の場合「室外熱交換器」、暖房の場合「室内熱交換器」)の上流側において、圧縮された冷媒を他の熱交換器に流入させることにより、当該他の熱交換器において、常時、「低温」の熱源を得ることができる。一方、吸熱側の熱交換器(冷房の場合「室内熱交換器」、暖房の場合「室外熱交換器」)の直前の上流側において、膨張弁と蒸発器を循環回路上に設けることにより、常時、「冷温」の熱源を得ることができる。
以上、蒸気圧縮式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置においても、常時、「低温」及び「冷温」の熱源を得ることができる。しかしながら、当該車両用エアコン装置において、「低温」及び「冷温」の熱源を生成するためには、コンプレッサへの動力が常に必要とされる。すなわち、燃費の悪化は避けられない。
これに対して、本実施の形態の車両用エアコン装置10は、従来の蒸気圧縮式ヒートポンプでは必須のコンプレッサが廃止されることにより、燃費の改善を図ることができる。そして、本実施の形態の車両用エアコン装置10によれば、コンプレッサの廃止による燃費効果に加えて、以下の効果を有する。例えば、冷却性能が求められる夏場には、吸着式ヒートポンプ20内において生成された熱を低温蓄熱器82に一時的に蓄熱することにより室外熱交換器62の冷却負担を軽減することができ、ファン66の省電化を図ること等による燃費効果が見込まれる。また、暖機性能が求められる冬場には、吸着式ヒートポンプ20内において生成された熱を利用し、エンジン80や補機類の暖機を促進することによる燃費効果が見込まれる。
なお、本実施の形態の各ポンプ(第1ポンプ29A、第2ポンプ29B、第3ポンプ29C、及び第4ポンプ98)を電気的に動作する電動ウォータポンプとすることにより、エンジン80が停止した場合でも冷却液を循環させることができる。これにより、アイドリングストップ等のエンジン80の停止時においても車両用エアコン装置10を駆動させることができる。
(変形例)
本実施の形態の低温蓄熱器82では、その内部に放熱側熱交換器86Aと蓄熱側熱交換器86Bの2つの熱交換器を備えていたが、本実施の形態の変形例は、これらを一体とするものである。
図4に本実施の形態の変形例の低温蓄熱器82を示す。以下、本実施の形態との相違点を中心に説明する。
変形例の低温蓄熱器82は、蓄熱器熱交換器86、3方分岐管83A,83B、3方弁85A,85B、及び連絡配管86C,86Dを含んで構成されている。ここで、蓄熱器熱交換器86は、第1循環回路40から分岐される分岐配管40Cに接続されている。また、蓄熱器熱交換器86は、第2循環回路90から分岐される分岐配管96に接続されている。すなわち、蓄熱器熱交換器86は、分岐配管40C及び分岐配管96の双方に接続された熱交換器とされている。つまり、分岐配管40Cと分岐配管96とは、3方分岐管83Aにおいて集合し、蓄熱器熱交換器86を経由し、3方分岐管83Bで分離されている。
また、分岐配管40Cにおいて、3方分岐管83Aの上流側には3方弁85Aが設けられている。この3方弁85Aには連絡配管86Cが接続されている。そして、連絡配管86Cは、3方分岐管83Bの下流側で分岐配管40Cに接続されている。以上、連絡配管86Cは、放熱側循環回路88Aにおいて、蓄熱器熱交換器86を経由させない短絡路として構成されている。
一方、分岐配管96において、3方分岐管83Aの上流側には3方弁85Bが設けられている。この3方弁85Bには連絡配管86Dが接続されている。そして、連絡配管86Dは、3方分岐管83Bの下流側で分岐配管96に接続されている。以上、連絡配管86Dは、蓄熱側循環回路88Bにおいて、蓄熱器熱交換器86を経由させない短絡路として構成されている。
なお、3方弁85A,85Bには前述した制御部30が電気的に接続されており、3方弁85A,85Bの切替制御は制御部30によって行われる。
(低温蓄熱器の作用)
変形例の低温蓄熱器82の作用について説明する。まず、低温蓄熱器82において、蓄熱及び放熱のいずれも行わない場合には、3方弁85A,85Bは切り替えられず、蓄熱器熱交換器86は、放熱側循環回路88A及び蓄熱側循環回路88Bのいずれの回路にも接続されていない。
(1)蓄熱工程
変形例の車両用エアコン装置10の蓄熱工程における作用は、次のとおりである。まず、蓄熱工程では3方弁85Aが動作しないため、蓄熱器熱交換器86は放熱側循環回路88Aに接続されず、連絡配管86Cが放熱側循環回路88Aに接続されている。一方、蓄熱工程では3方弁85Bが動作することにより、蓄熱器熱交換器86は蓄熱側循環回路88Bに接続されている。すなわち、放熱側循環回路88Aでは蓄熱器熱交換器86を経由しない循環経路が形成され(図4の矢印Xを参照)、蓄熱側循環回路88Bでは蓄熱器熱交換器86を経由する循環経路が形成される(図4の矢印Yを参照)。そして、低温蓄熱器82において、吸着熱及び凝縮熱による熱が蓄熱材84に蓄熱される。
なお、エンジン80及び吸着式ヒートポンプ20の稼働状況の変化により、蓄熱側循環回路88Bを流れる冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低下すると、低温蓄熱器82から冷却液への放熱が行われることになる。この場合、3方弁85Bを切り替えて蓄熱側循環回路88Bへの流れを止めることにより、低温蓄熱器82における蓄熱状態を維持させることができる。
(2)放熱工程
変形例の車両用エアコン装置10の放熱工程における作用は、次のとおりである。まず、放熱工程は、エンジン80を冷間始動させた場合等、エンジン80や補機類(例えば、スロットルボディなど)が暖機中であって、第1循環回路40における冷却液の温度が低い場合に実行される。この放熱工程では3方弁85Aが動作することにより、蓄熱器熱交換器86は放熱側循環回路88Aに接続されている。一方、放熱工程では3方弁85Bが動作しないため、蓄熱器熱交換器86は蓄熱側循環回路88Bに接続されず、連絡配管86Dが蓄熱側循環回路88Bに接続されている。すなわち、放熱側循環回路88Aでは蓄熱器熱交換器86を経由する循環経路が形成され(図4の矢印Yを参照)、蓄熱側循環回路88Bでは蓄熱器熱交換器86を経由しない循環経路が形成される(図4の矢印Zを参照)。そして、脱離工程側の吸着脱離部において放熱された後の冷却液は、放熱側循環回路88A内に流れ込む。ここで、蓄熱工程によって低温蓄熱器82(蓄熱材84)には、吸着熱及び凝縮熱による熱が蓄熱されており、放熱側循環回路88Aの冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低い場合は、蓄熱材84から冷却液に熱が放出される。これにより、冷却液が温められ、エンジン80や補機類の暖機促進が図られる。なお、エンジン80や補機の暖機が終了した後は、3方弁85Aを切り替えて放熱側循環回路88Aへの流れを止めることで、第1循環回路40の「高温」の熱が蓄熱材84に蓄熱されることが防止される。
(3)直接伝熱工程
暖機中において、第1循環回路40の冷却液の温度が蓄熱材84の温度よりも低く、かつ第2循環回路90の冷却液の温度より低い場合は、以下のとおり直接伝熱工程が行われる。直接伝熱工程では3方弁85Aが動作することにより、蓄熱器熱交換器86は放熱側循環回路88Aに接続され、また、3方弁85Bが動作することにより、蓄熱器熱交換器86は蓄熱側循環回路88Bにも接続されている。すなわち、直接伝熱工程では、放熱側循環回路88A及び蓄熱側循環回路88Bともに蓄熱器熱交換器86を経由する循環経路が形成される(図4の矢印Yを参照)。これにより、低温蓄熱器82では、蓄熱材84の熱に加えて第2循環回路90の熱も伝達されて、さらなる暖機促進が図られる。
(まとめ)
以上、本実施の形態の変形例においても、本実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、変形例では低温蓄熱器82の内部に設けられた3方弁85A,85Bにより、低温蓄熱器82における蓄熱や放熱を制御することができる。したがって、第1バルブ48及び第2バルブ49を省略しても構わない。
10 吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置
20 吸着式ヒートポンプ
22 第1容器(容器)
22A 第1吸着脱離部(吸着脱離部)
22B 第1蒸発凝縮部(蒸発凝縮部)
24 第2容器(容器)
24A 第2吸着脱離部(吸着脱離部)
24B 第2蒸発凝縮部(蒸発凝縮部)
40 第1循環回路(第1の循環路)
80 エンジン(高温熱源)
52 室内熱交換器(第1の熱交換器、第2の熱交換器)
62 室外熱交換器(第1の熱交換器、第2の熱交換器)
82 低温蓄熱器(蓄熱器)
86A 放熱側熱交換器
86B 蓄熱側熱交換器
90 第2循環回路(第2の循環路)
92 第3循環回路(第3の循環路)
94A 4方弁(切替弁)
94B 4方弁(切替弁)

Claims (3)

  1. 冷媒の吸着及び脱離を行う吸着脱離部と、冷媒の蒸発及び凝縮を行う蒸発凝縮部と、を有する複数の容器を含んで構成され、前記容器内において吸着工程及び脱離工程が繰り返し行われる吸着式ヒートポンプと、
    高温熱源と脱離工程側の前記吸着脱離部との間で冷却液を循環させるための第1の循環路と、
    前記吸着式ヒートポンプ内の熱源と第1の熱交換器との間で冷却液を循環させるための第2の循環路と、
    前記第2の循環路から伝達された熱を蓄熱し、かつ前記第1の循環路に熱を伝達可能な蓄熱器と、
    を備える吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置。
  2. 前記蓄熱器は、
    前記第1の循環路における前記高温熱源よりも上流側に接続される放熱側熱交換器と、
    前記第2の循環路における前記第1の熱交換器よりも上流側に接続される蓄熱側熱交換器と、
    を備える請求項1に記載の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置。
  3. 吸着工程側の前記蒸発凝縮部と第2の熱交換器との間で冷却液を循環させるための第3の循環路と、
    前記第1の熱交換器を室内熱交換器及び室外熱交換器のいずれか一方に、前記第2の熱交換器を前記室内熱交換器及び前記室外熱交換器のいずれか他方に切り替え可能な切替弁と、
    を備える請求項1又は2に記載の吸着式ヒートポンプを備えた車両用エアコン装置。
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