JP2022045952A - 紙容器及び板紙原紙 - Google Patents

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隆昌 篠原
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Abstract

【課題】 成形良好な紙容器及び成形不良が生じにくくなる板紙原紙を提供する。【解決手段】 紙容器10は、一枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成されたものであり、底部12a及び12bと、底部12a及び12bの各々を囲むように接続する側壁部13と、底部12a及び12bと側壁部13とにより形成される収納部14a及び14bと、側壁部13の内方側において側壁部13に接続すると共に底部12a及び12bの各々に接続して立ち上がり、側壁部13の内方側を底部12aと12bとに、又、収納部14aと14bとに仕切る仕切部15と、仕切部15と側壁部13との接続箇所16a及び16bの近傍に形成された折込部17a及び17bとを備える。折込部17aは、板紙原紙に形成された折込用罫線7a及び7bが折込まれることにより、折込部17bは折込用罫線7c及び7dが折込まれることにより、それぞれ形成されている。【選択図】 図6

Description

この発明は紙容器及び板紙原紙に関し、特に仕切りを有する紙容器及び仕切りを有する紙容器のプレス成形に用いられる板紙原紙に関するものである。
調理済みの食品を収納する容器として、使用後の破棄において環境面に大きな負担を与え、又、耐熱性に乏しいプラスチック容器に代えて、破棄において環境面への負担を軽減し、かつ、オーブンレンジ等による高温加熱に耐えうる耐熱性を有する容器として、種々の紙容器が提案されている(例えば、特許文献1)。
図13は、第1の従来の紙容器の平面図である。
図を参照して、紙容器70は、図示しない一枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、外縁が直線部71a、71b、71c及び71dと曲線部72a、72b、72c及び72dとが相互に連続した略矩形形状であって、底部74と、底部74に接続する側壁部73と、側壁部73に接続しかつ水平方向に延びるフランジ部75と、フランジ部75の外周縁に形成された縁巻部76とを備える。尚、フランジ部75のうち、直線部71dに対応する直線対応部分77の幅Wよりも、曲線部72aに対応する曲線対応部分78の幅Wは大きく設定されている。他の曲線部72b~72d及び直線部71a~71cにおいても同様に設定されている。又、曲線部72aに対応した側壁部73、フランジ部75及び縁巻部76の一部には、紙容器70の外縁に向かって放射状に延びる複数の折りシワ79が形成されている。他の曲線部72b~72dにおいても同様の折りシワ79が形成されている。この折りシワ79は、プレス成形前の板紙原紙に予め形成された放射状の複数の線条に基づいて形成されるものであり、紙容器70のプレス成形時の紙のたるみに伴う発生シワが線条により吸収されて折りシワ79となる。
尚、紙容器70は、複数の食品を小分けして収納するには別体の仕切りを用いる必要があり、弁当等の用途には不便という問題がある。そこで、仕切りを備える紙容器も種々提案されている(例えば、特許文献2)。
図14は、第2の従来の紙容器の斜視図及び平面図である。
これらの図を参照して、紙容器80は、伸張紙の片面または両面に樹脂層が積層された図示しない板紙を用いて、プレス成形、好適には深絞り成形により得られたものであり、底板82の周囲に亘って平面矩形状の容器形状壁83が形成されている。容器形状壁83には周囲全般に亘って多数の縦皺84が間隔を有して形成されている。更に、容器形状壁83間には、十字に交差するように仕切り壁85a及び85bが一体的に形成されている。
容器形状壁83と仕切り壁85a又は85bとの交差部は、仕切り壁85a又は85bの頂上部と容器形状壁83の壁面とを繋ぐ辺を有する多辺形面の頂面86a、86b、86c及び86dを有している。又、仕切り壁85aと85bとの交差部は、仕切り壁85aの頂上部と仕切り壁85bの頂上部とを繋ぐ辺を有する多辺形面の頂面87を有している。これらの頂面86a~86d及び87は、それぞれの辺に僅かに立ち上がった立ち上がり部88a、88b、88c及び88dと、89とを有しており、頂面86a~86d及び87の強度を高める作用を果たしている。このように構成すると、紙容器80は複数の収納部を備えたものとなり、例えばご飯とおかず等、同一収納部に入れることが好ましくない食品を別々の収納部に入れることができる。
特許第3411951号公報 特開2009-35312号公報
しかし、上述の紙容器80では、仕切り壁85a及び85bが板紙から膨出するように形成されるので、プレス成形の過程において紙容器80に紙のたるみが生じる虞がある。特に、容器形状壁83と仕切り壁85a又は85bとの交差部の近傍、及び仕切り壁85aと85bとの交差部の近傍は紙のたるみが生じやすく、この紙のたるみがプレス成形時に金型内で押しつぶされて不規則なシワとなって紙容器80の美観や強度を低下させたり、又、不規則なシワが形成される過程にて交差部の近傍の紙が不意に必要以上に伸ばされて紙容器80に破れが生じたり、という問題を生じさせ得る。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、成形良好な紙容器及び成形不良が生じにくくなる板紙原紙を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、一枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成された紙容器であって、底部と、底部に接続する側壁部と、底部及び側壁部により形成される収納部と、側壁部の内方側において、少なくとも一箇所が側壁部に接続すると共に、底部に接続して立ち上がり底部及び収納部を仕切る少なくとも1本の仕切部とを備え、仕切部と側壁部との接続箇所の近傍に、プレス成形時に生じる紙のたるみを吸収するたるみ吸収部が形成されているものである。
このように構成すると、仕切部成形時の紙のたるみがたるみ吸収部に吸収される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、たるみ吸収部は、板紙原紙に形成された少なくとも1本の罫線を備えるものである。
このように構成すると、紙のたるみが罫線に案内されてたるみ吸収部に吸収される。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、たるみ吸収部は、板紙原紙に形成された複数本の罫線を備えるものである。
このように構成すると、紙のたるみをたるみ吸収部に案内する箇所が増える。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、たるみ吸収部は、板紙原紙に形成された2本の折込用の罫線が折込まれることにより形成される折込部よりなるものである。
このように構成すると、たるみ吸収部への紙のたるみの吸収が規則的な折込みによるものとなる。
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、罫線は、平面視において側壁部側を頂点とする山型に形成されているものである。
このように構成すると、罫線の形状が、プレス時に板紙原紙にかかる力の方向に沿ったものとなる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、罫線の劣角の角度は、70°~130°であるものである。
このように構成すると、罫線の形状が、よりプレス時に板紙原紙にかかる力の方向に沿ったものとなる。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、交差する複数本の仕切部を備え、仕切部の交差箇所の近傍に、交差たるみ吸収部が形成されているものである。
このように構成すると、プレス成形時に生じる仕切部の交差箇所近傍の紙のたるみが交差たるみ吸収部に吸収される。
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、側壁部は、側壁部に接続しかつ水平方向に延びるフランジ部と、フランジ部の外周縁に形成された縁巻部とを備えるものである。
このように構成すると、側壁部の上端部周りの強度が向上する。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の構成において、外縁が直線部と曲線部とが相互に連続した形状の多角型であって、フランジ部の内、曲線部に対応し、折りシワが生じる曲線対応部分の幅は、直線部に対応する直線対応部分の幅より大きいものである。
このように構成すると、曲線対応部分の幅が直線対応部分の幅と同じのものに比べて、曲線対応部分に生じる折りシワの各々は長く形成され、その状態で圧縮されることになる。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、曲線部に対応した、側壁部、フランジ部及び縁巻部の一部には、外縁に向かって放射状に延びる複数の折りシワが形成されるものである。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、折りシワは、板紙原紙に予め形成された放射状の複数の線条に基づいて形成されるものである。
請求項12記載の発明は、紙容器のプレス成形に用いられる一枚の板紙原紙であって、底部形成部と、底部形成部に接続する側壁部形成部と、側壁部形成部の内方側において、少なくとも一箇所が側壁部形成部に接続すると共に、底部形成部を仕切るように配置される少なくとも1本の仕切部形成部と、仕切部形成部と側壁部形成部との接続箇所の近傍に形成された少なくとも1つの罫線とを備えるものである。
このように構成すると、仕切部成形時の紙のたるみが罫線に沿って案内され、吸収される。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明の構成において、交差する複数本の仕切部形成部を備え、仕切部形成部の交差箇所の近傍に、交差箇所罫線が形成されているものである。
このように構成すると、仕切部の交差箇所近傍の紙のたるみが交差箇所罫線に沿って案内され、吸収される。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、仕切部成形時の紙のたるみがたるみ吸収部に吸収されるので、成形良好な紙容器になる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、紙のたるみが罫線に案内されてたるみ吸収部に吸収されるので、より成形良好な紙容器になる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、紙のたるみをたるみ吸収部に案内する箇所が増えるので、より成形良好な紙容器になる。
請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明の効果に加えて、たるみ吸収部への紙のたるみの吸収が規則的な折込みによるものとなるので、たるみ吸収部の美観及び強度が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、罫線の形状が、プレス時に板紙原紙にかかる力の方向に沿ったものとなるので、よりたるみ吸収部の美観が向上する。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、罫線の形状が、よりプレス時に板紙原紙にかかる力の方向に沿ったものとなるので、よりたるみ吸収部の美観が向上する。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、プレス成形時に生じる仕切部の交差箇所近傍の紙のたるみが交差たるみ吸収部に吸収されるので、複雑な形状であっても成形良好な紙容器になる。
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、側壁部の上端部周りの強度が向上するので、紙容器の保形性が向上する。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加えて、曲線対応部分の幅が直線対応部分の幅と同じのものに比べて曲線対応部分に生じる折りシワの各々は長く形成され、その状態で圧縮されることになるので、圧縮面積が大きくなり紙容器の保形性が向上する。
請求項12記載の発明は、仕切部成形時の紙のたるみが罫線に沿って吸収されると共に案内されるので、成形不良が生じにくくなる。
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明の効果に加えて、仕切部の交差箇所近傍の紙のたるみが交差箇所罫線に沿って吸収されると共に案内されるので、複雑な形状であっても成形不良が生じにくくなる。
この発明の第1の実施の形態による板紙原紙の平面図である。 図1で示した“X”部分の拡大図である。 図2で示したIII-IIIラインの拡大端面図である。 図1で示した板紙原紙をプレス成形してこの発明の第1の実施の形態による紙容器を得る工程を示す模式図である。 図4で示した工程により得た紙容器の正面図である。 図4で示した工程により得た紙容器の平面図である。 図6で示した“Y”部分の拡大図である。 図7で示したVIII-VIIIラインの拡大端面図である。 比較例の紙容器の平面図であって、第1の実施の形態の図6に対応する図である。 図9で示した“Z”部分の拡大図である。 この発明の第2の実施の形態による紙容器の平面図であって、第1の実施の形態の図6に対応する図である。 この発明の第3の実施の形態による紙容器の平面図であって、第2の実施の形態の図11に対応する図である。 第1の従来の紙容器の平面図である。 第2の従来の紙容器の斜視図及び平面図である。
図1は、この発明の第1の実施の形態による板紙原紙の平面図であり、図2は、図1で示した“X”部分の拡大図であり、図3は、図2で示したIII-IIIラインの拡大端面図である。
まず、図1を参照して、板紙原紙1は、紙基材の両面に押出ラミネート法による樹脂層が形成されたシート体を打ち抜いたものよりなる。板紙原紙1は、底部形成部2a及び2bと、底部形成部2a及び2bの各々を囲むようにして接続する側壁部形成部3と、底部形成部2a及び2bから側壁部形成部3の外縁及び境界用線条8a及び8b、8c及び8dに向かって放射状に延びる複数の線条4a及び4bと、側壁部形成部3の内方側において、側壁部形成部3の長手側の一組の対向する領域の各々に接続すると共に、側壁部形成部3の内方側を底部形成部2aと2bとに仕切るように配置される仕切部形成部5と、仕切部形成部5と側壁部形成部3との接続箇所6a及び6bの各々の近傍に形成された折込用罫線(折込用の罫線)7a及び7b、7c及び7dと、ガイド用罫線9a及び9bを備える。このように構成したことによる効果は後述する。尚、仕切部形成部5は側壁部形成部3の長手側の外縁に直交するように延び、仕切部形成部5と側壁部形成部3とは、接続箇所6a及び6bの各々においてほぼ直交するように接続している。又、仕切部形成部5は、板紙原紙1の中心点に対して偏心した位置に形成されている。仕切部形成部5の両側には仕切部形成部5に沿って罫線が3本ずつ形成されている。
次に、図2を参照して、折込用罫線7a及び7bは側壁部形成部3の側を頂点とする山型に形成されており、折込用罫線7a及び7bの各々の劣角θ及びθの角度はいずれも105°に設定されている。又、折込用罫線7aと7bとの間隔Dは3.5mmに設定されている。ガイド用罫線9aは、折込用罫線7bの頂点から折込用罫線7aの頂点を経由して仕切部形成部5の側に延びるように、直線状に形成されている。このように構成したことによる効果も後述する。境界部線条8aは、一方端部が線条4aの1本と連結し、他方端部が仕切部形成部5の側に位置し、底部形成部2aの側と接続箇所6aの側とを分断する円弧状に形成されている。尚、折込用罫線7aの一方端部も境界部線条8aに連結している。境界部線条8bも、折込用罫線7aの他方端部側にて境界部線条8aと同様の構成にて形成されている。
次に、図2及び図3を参照して、側壁部形成部3に近い折込用罫線7bのみが板紙原紙1の上面側に突出するように形成され、側壁部形成部3から遠い折込用罫線7a、ガイド用罫線9a、境界部線条8a及び8b、線条4bはいずれも、板紙原紙1の下面側に突出するように形成されている。尚、図3に示されていない線条4aも板紙原紙1の下面側に突出するように形成されている。このように構成したことによる効果も後述する。
尚、図1にて示した接続箇所6bの近傍に形成された折込用罫線7c及び7d、境界部線条8c及び8d、ガイド用罫線9bは、それぞれ折込用罫線7a及び7b、境界部線条8a及び8b、ガイド用罫線9aと同様の構成にて形成されている。
図4は、図1で示した板紙原紙をプレス成形してこの発明の第1の実施の形態による紙容器を得る工程を示す模式図である。
まず、図4の(1)を参照して、成形装置40は、一対の第1金型41及び第2金型42とを備える。第2金型42は、後述する紙容器の底部及び仕切部に対応する凹凸形状に形成されており、第1金型41は、第2金型42の凹凸形状に対応する凹凸形状に形成されている。又、第1金型41は、第2金型42の上方に位置し、第2金型42に対して昇降自在である。第2金型42は設置位置に固定されている。
成形装置40による板紙原紙1のプレス成形にあたってはまず、図4の(1)及び図1を参照して、板紙原紙1を一枚ずつ、第2金型42の上面に載置するように給紙する。この時、板紙原紙1の上面は第2金型42に対向している。尚、プレス成形をし易くするために、図4の(2)で示す次の工程に移行する前に又は(2)の工程中において、図示しない成形装置40以外の装置、又は、成形装置40により、板紙原紙1には加熱処理が施されてもよい。
次に、図4の(2)を参照して、第1金型41を第2金型42に向けて降下させ、第1金型41及び第2金型42にて板紙原紙1を挟み込んで、成形装置40による板紙原紙1のプレス成形を行う。尚、このプレス成形の過程において、第1金型41と第2金型42とが近づき板紙原紙1の変形が進むにつれて板紙原紙1には紙のたるみが発生し、発生した紙のたるみは、最終的には折り重なった状態で第1金型41及び第2金型42によって圧縮される。この紙のたるみの折り重なりについては後述する。
最後に、図4の(3)を参照して、第1金型41を第2金型42から離すように上昇させ、プレス成形にて得られた紙容器10を第2金型42から取り出すことにより、成形装置40による板紙原紙1のプレス成形が終了する。すなわち、成形装置40によるプレス成形のみによって、一枚の板紙原紙1から紙容器10が形成される。
図5は、図4で示した工程により得た紙容器の正面図であり、図6は、図4で示した工程により得た紙容器の平面図であり、図7は、図6で示した“Y”部分の拡大図であり、図8は、図7で示したVIII-VIIIラインの拡大端面図である。
まず、図5及び図6を参照して、紙容器10は、底部12a及び12bと、底部12a及び12bの各々を囲むようにして接続する側壁部13と、底部12a及び12bと側壁部13とにより形成される収納部14a及び14bと、側壁部13の内方側において、側壁部13の一組の対向する面の各々に接続すると共に、底部12a及び12bの各々に接続して立ち上がり、側壁部13の内方側を底部12aと12bとに、又、収納部14aと14bとに仕切る仕切部15と、仕切部15と側壁部13との接続箇所16a及び16bの近傍に形成された折込部(たるみ吸収部)17a及び17bとを備える。尚、折込部17aは、図1にて示した、板紙原紙1に形成された折込用罫線7a及び7bが折込まれることにより、折込部17bは折込用罫線7c及び7dが折込まれることにより、それぞれ形成されている。このように構成したことによる効果は後述する。仕切部15は側壁部13の長手側の面に直交するように延び、仕切部5と側壁部3とは、接続箇所16a及び16bの各々においてほぼ直交するように接続している。又、図1にて示したように、板紙原紙1において仕切部形成部5が偏心した位置に形成されていたことに伴い、仕切部15も同じく、紙容器10の中心点に対して偏心した位置に形成されている。底部12aから境界部18a及び18cにかけての範囲と、底部12bから境界部18b及び18dにかけての範囲とには、図1にて示した線条4bに基づく複数の折りシワ19が形成されている。
又、紙容器10は、外縁が直線部51a、51b、51c及び51dと曲線部52a、52b、52c及び52dとが相互に連続した略矩形形状であって、側壁部13に接続しかつ水平方向に延びるフランジ部55と、フランジ部55の外周縁に形成された縁巻部56とを備え、フランジ部55の内、曲線部52aに対応し、折りシワ59が生じる曲線対応部分58の幅Wは、直線部51dに対応する直線対応部分57の幅Wより大きく設定されている。他の曲線部52b~52d及び直線部51a~51cにおいても同様に設定されている。又、曲線部52aに対応した、側壁部13、フランジ部55及び縁巻部56の一部には、図1にて示した線条4aに基づいて形成された、紙容器10の外縁に向かって放射状に延びる複数の折りシワ59が形成されている。他の曲線部52b~52dにおいても同様の折りシワ59が形成されている。又、直線部51a~51dに対応した側壁部13、フランジ部55及び縁巻部56においても、線条4aに基づいた複数の折りシワ54が形成されている。
このように構成すると、紙容器10のプレス成形時に板紙原紙1に発生する紙のたるみを線条4aにより吸収して、折りシワ54又は59として意図した箇所に折り重なりを発生させることができるため、意図しないシワの発生を抑制することができる。又、曲線対応部分58の幅Wが直線対応部分57の幅Wと同じのものに比べて、曲線対応部分58に生じる折りシワ59の各々は長く形成され、その状態で圧縮されることになるので、圧縮面積が大きくなり紙容器10の保形性が向上する。更に、フランジ部55及び縁巻部56により、側壁部13の上端部周りの強度が向上するので、紙容器10の保形性が向上する。
次に、図1、図7及び図8を参照して、仕切部15と側壁部13との接続箇所16aの近傍に形成された折込部17aは、折込用罫線7aが平面視谷折りに、折込用罫線7bが平面視山折りに、それぞれ折込まれて、折込用罫線7a及び7b周りの板紙原紙1が折り重なることによって形成されている。
このように構成すると、板紙原紙1において仕切部15を成形する時に生じる紙のたるみが折込用罫線7a~7dに沿って吸収されると共に案内されて、紙容器10の折込部17a及び17bにて更に吸収されるので、板紙原紙1からの成形不良が生じにくくなる。すなわち、図5及び図6にて示したように、紙容器10は成形良好なものとなる。尚、紙容器10が成形良好であること、及び上記の構成により発生する種々の効果を明白にするべく、以下、比較例を用いて説明する。
図9は、比較例の紙容器の平面図であって、第1の実施の形態の図6に対応する図であり、図10は、図9で示した“Z”部分の拡大図である。
これらの図を参照して、まず、紙容器90は、上述した紙のたるみによる問題を低減させるべく、図13にて示した紙容器70の曲線部72a~72dの各々に形成される複数の折りシワ79と同様の折りシワを、側壁部93と仕切部95との接続箇所96a及び96bの周辺に意図的に発生させる、という考え方に基づいて構成されたものである。したがって、紙容器90の基となる板紙原紙には、図1にて示した線条4bに相当する複数の放射状の線条は予め設けられているが、折込用罫線7a~7d及びガイド用罫線9a、9bに相当する罫線は設けられていない。尚、他の板紙原紙及び紙容器90の構成要素及びプレス成形の工程は、第1の実施の形態による板紙原紙1及び紙容器10と同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
紙容器90は上述した構成の一枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成され、底部92a及び92bと、底部92a及び92bの各々に接続する側壁部93と、底部92a及び側壁部93により形成される収納部94aと、底部92b及び側壁部93により形成される収納部94bと、側壁部93の内方側において、側壁部93と接続すると共に、底部92a及び92bの各々に接続して立ち上がり、底部92aと92bとを、又、収納部94aと94bとを、それぞれ仕切る仕切部95とを備える。
上述した板紙原紙の構成により、接続箇所96aの周辺において、紙容器90の底部92aから境界部98aにかけての範囲と、底部92bから境界部98bにかけての範囲とには、プレス成形時に発生した紙のたるみを吸収した規則的な折りシワ99が形成されている。その一方で、接続箇所96aの上面には、折りシワ99のみでは吸収しきれなかった紙のたるみによる意図しないシワ97が複数本、不規則に発生してしまっている。尚、同様の現象が接続箇所96bにおいても発生している。
すなわち、接続箇所96a及び96bの周辺に線条を設けるのみでは紙のたるみによる問題の解決には至らず、紙容器90及び紙容器90の成形に用いられた板紙原紙は、意図しないシワ97の低減において効果が不十分なものと言える。尚、シワ97が不規則に発生している接続箇所96a及び96bは折れ曲がりやすく、又、水平方向の強度も低下している。そのため、紙容器90は、収納した収納物の荷重に耐えかねて接続箇所96a及び96bが折れ曲がったり、接続箇所96a及び96bが収納物の側にひっぱられることにより各収納部94a及び94bが下向きに反り曲がったりする虞があり、強度において信頼性を欠くものとも言える。
このような紙容器90と比較すると、図5~図8にて示した紙容器10は、仕切部15の成形時の紙のたるみが折込部17a及び17bに吸収されるので、成形良好なものと言える。特に、紙のたるみが折込用罫線7a~7dに案内されて折込部17a又は17bに吸収されるので紙のたるみが制御しやすく、より成形良好な紙容器10となる。又、折込部17aには折込用罫線7a及び7bが、折込部17bには折込用罫線7c及び7dがそれぞれ対応し、折込部の各々に対応する折込用罫線がそれぞれ複数本形成されているため、紙のたるみを折込部17a及び17bに案内する箇所が増え、より成形良好な紙容器10なる。更に、折込部の各々に対応する折込用罫線をそれぞれ2本ずつにしたことにより仕切部15の成形時の紙のたるみの吸収が規則的な折込みによるものとなるので、折込部17a及び17bの美観が向上する。更に、折込用罫線7a~7dの各々を上述した特定寸法の山型形状としたことにより、折込用罫線7a~7dのいずれもが板紙原紙1にかかる、板紙原紙1を膨出させる力の方向に沿ったものとなるので、折込部17a及び17bの美観がより向上する。加えて、板紙原紙を規則的に折込んで折込部17a及び17bを形成しているので、接続箇所16a及び16bの垂直方向及び水平方向の強度が向上し、接続箇所16a及び16bの折れ曲がりや収納部14a及び14bの反り曲がりが生じにくくなる。更に、境界部線条8a~8dにより境界部18a~18bが形成され、仕切部15と収納部14a及び14bとが明確に区分けられる。このような境界部線条8a~8dが折込用罫線7a又は7cと連結して、すなわち折込用罫線7a又は7cの近傍に形成されていることで、折込用罫線7a~7dへの紙のたるみの吸収が促され、より紙のたるみが制御しやすくなる。
図11は、この発明の第2の実施の形態による紙容器の平面図であって、第1の実施の形態の図6に対応する図である。
図を参照して、紙容器20は、第1の実施の形態による紙容器10において、T字状に交差する2本の仕切部25a及び25bを備え、仕切部25a及び25bにより、側壁部23の内方側が底部22a、22b及び22cと、収納部24a、24b及び24cとに仕切られているものに置き換えられている。尚、仕切部25aと25bとの交差箇所26の近傍は、プレス成形時に交差箇所26の近傍で生じる紙のたるみを吸収する交差たるみ吸収部として、紙容器20の板紙原紙に予めに形成された交差折込用罫線(交差箇所罫線)27a及び27bが折込まれることによりに形成される交差折込部28を備える。又、仕切部25bと側壁部23との接続箇所16cの近傍には、第1の実施の形態による折込部17aと同様の構成にて折込部17cが形成されている。交差折込用罫線27a及び27bはそれぞれ、第1の実施の形態による折込用罫線7a及び7bと同様の構成にて、交差箇所26の側を頂点とする平面視山型に形成されている。交差折込用罫線27aは下面側に突出して谷折りに折れ曲がりやすく、交差折込用罫線27bは上面側に突出して山折りに折れ曲がりやすい。ガイド用罫線29は交差折込用罫線27bの頂点から交差折込用罫線27aの頂点を経由して仕切部形成部25bの側に延びるように、ガイド用罫線9a及び9bと同様の構成にて形成されている。
交差折込部28は、紙容器20のプレス成形の工程において、仕切部25a及び25bの周辺にて発生した紙のたるみ及び板紙原紙を膨出させる力を、交差折込用罫線27a及び27bの屈曲と、ガイド用罫線29とにて吸収すると共に交差折込用罫線27a及び27bの間に案内し、交差折込用罫線27aの内方側の板紙原紙の一部と、交差折込用罫線27aと27bとの間の板紙原紙と、交差折込用罫線27bの外方側の板紙原紙の一部とを折り重ねて圧縮することにより形成される。尚、他の紙容器20の構成要素及びプレス成形の工程は第1の実施の形態による紙容器10と同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
このように構成すると、紙容器20の基になる板紙原紙において、仕切部25a及び25bを成形する時に生じる紙のたるみが交差折込用罫線27a及び27bに沿って吸収されると共に案内されて、紙容器20の交差折込部28にて更に吸収されるので、複雑な形状であっても成形不良が生じにくくなる。すなわち、仕切部25a及び25bの交差箇所26近傍の紙のたるみが交差折込部28に吸収されるので、仕切部が交差するような複雑な形状であっても成形良好な紙容器20になる。
図12は、この発明の第3の実施の形態による紙容器の平面図であって、第2の実施の形態の図11に対応する図である。
図を参照して、紙容器30は、第2の実施の形態による紙容器20において、十字状に交差する2本の仕切部35a及び35bを備え、仕切部35a及び35bにより、側壁部33の内方側が底部32a、32b、33c及び32dと、収納部34a、34b、34c及び34dとに仕切られているものに置き換えられている。尚、仕切部35aと35bとの交差箇所36の近傍は、紙容器30の板紙原紙に予めに形成された交差折込用罫線(交差箇所罫線)37a及び37bと、交差折込用罫線37c及び37dとがそれぞれ折込まれることによりに形成されている交差折込部(交差たるみ吸収部)38a及び38bを備える。又、仕切部35bと側壁部33との接続箇所16dの近傍には、第2の実施の形態による折込部17cと同様の構成にて折込部17dが形成されている。交差折込用罫線37a及び37cは第2の実施の形態による交差折込用罫線27aと、交差折込用罫線37b及び37dは第2の実施の形態による交差折込用罫線27bと、ガイド用罫線39a及び39bは、第2の実施の形態によるガイド用罫線29と、それぞれ同様の構成にて形成されている。交差折込部38a及び38bも、第2の実施の形態による交差折込部28と同様の成形工程及び構成にて形成されている。尚、他の紙容器30の構成要素及びプレス成形の工程は第2の実施の形態による紙容器20と同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
このように構成すると、紙容器30の基になる板紙原紙において、仕切部35a及び35bを成形する時に生じる紙のたるみが交差折込用罫線37a~37dに沿って吸収されると共に案内されて、紙容器30の交差折込部38a及び38bにて更に吸収されるので、複雑な形状であっても成形不良が生じにくくなる。すなわち、仕切部35a及び35bの交差箇所36近傍の紙のたるみが交差折込部38a及び38bの各々に吸収されるので、仕切部が交差するような複雑な形状であっても成形良好な紙容器30になる。
尚、上記の各実施の形態では、紙容器は外縁が直線部と曲線部とが相互に連続した略矩形形状のものであったが、他の多角型のものであってもよく、円形や楕円形等の他の形状であってもよい。又、紙容器の大きさも特に限定しない。
又、上記の各実施の形態では、紙容器は側壁部に接続するフランジ部及びフランジ部の外周縁に形成された縁巻部を備えるものであったが、これらのいずれか一方のみ備えていてもよいし、いずれも備えていなくてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、紙容器のフランジ部の内、折りシワが生じる曲線対応部分の幅は直線対応部分の幅より大きく設定されていたが、同じ、又は、小さく設定されていてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、紙容器の曲線対応部分の側壁部、フランジ部及び縁巻部の一部に、板紙原紙に形成された線条に基づく折りシワが形成されていたが、板紙原紙に線条が形成されていなくてもよく、又、紙容器に折りシワがなくてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、紙容器は仕切部を1本又は2本備えるものであったが、少なくとも1本形成されていればよく、3本以上備えるものであってもよい。板紙原紙においても、仕切部形成部が少なくとも1本配置されていればよく、複数本配置されるものであってもよい。
更に、上記の各実施の形態では、紙容器の仕切部は側壁部のいずれかの面に直交するように延び、仕切部と側壁部とは、接続箇所おいてほぼ直交するように接続しているものであったが、仕切部が側壁部の各々の面に対して斜め方向、例えば矩形形状の側壁部における対角線の方向に延びてもよく、仕切部と側壁部とが直交していなくてもよい。板紙原紙においても、仕切部形成部が側壁部形成部の領域の各々に対して斜め方向に延びるものであってもよく、仕切部形成部と側壁部形成部とが直交していなくてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、板紙原紙の仕切部形成部は板紙原紙の中心点に対して偏心した位置に形成されており、紙容器の仕切部も同じく紙容器の中心点に対して偏心した位置に形成されているが、それぞれ中心位置に形成されてもよく、更に偏心した位置に形成されてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、板紙原紙の仕切部形成部の両側に仕切部形成部に沿って罫線が形成されていたが、罫線は無くてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、板紙原紙の仕切部形成部は側壁部形成部の領域の2箇所に、紙容器の仕切部は側壁部の面の2箇所に、それぞれ接続箇所を有していたが、接続箇所を少なくとも一箇所有していればよい。
更に、上記の各実施の形態では、折込用罫線及び交差折込用罫線の各々は、劣角の角度が105°に設定されていたが、70°~130°の範囲で設定されていればよく、90°~120°の範囲で設定されていればより好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、折込部を形成する折込用罫線同士、及び交差折込部を形成する交差折込用罫線同士の間隔は、いずれも3.5mmに設定されていたが、その他の間隔に設定されていてもよく、2mm~6mmの範囲で設定されていれば好ましく、2.5mm~4.5mmの範囲で設定されていればより好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、折込部を形成する折込用罫線同士においては、外方側の折込用罫線が上面側に突出するように形成されて平面視山折りされ、内方側の折込用罫線が下面側に突出するように形成されて平面視谷折りされ、交差折込部を形成する交差折込用罫線同士においては、内方側の交差折込用罫線が上面側に突出するように形成されて平面視山折りされ、外方側の交差折込用罫線が下面側に突出するように形成されて平面視谷折りされていたが、互いに逆方向に突出するように形成されて折れ方の山谷が逆転してもよい。また、同方向に突出するように形成されていてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、境界部線条は側壁部形成部の外縁に向かって放射状に延びる線条の1本及び折込用罫線の各々の一方端部と連結するものであったが、これらのいずれか又はいずれもが連結せず、各々が独立するように形成されていてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、折込用罫線は側壁部形成部(紙容器において側壁部)の側を頂点とする山型に、交差折込用罫線は内方側を頂点とする山型に、それぞれ形成されていたが、例えば円弧状や、一文字状等、他の形状に形成されていてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、たるみ吸収部は2本の折込用罫線より形成される折込部によって、交差たるみ吸収部は2本の交差折込用罫線より形成される交差折込部によって、それぞれ形成されていたが、たるみ吸収部は、1本又は3本以上の罫線を備えるものにより形成されていてもよく、又、交差たるみ吸収部は、1本又は3本以上の交差箇所罫線を備えるものにより形成されていてもよい。この構成において紙のたるみは、罫線又は交差箇所罫線がプレス成形時に圧縮されることにより、たるみ吸収部又は交差たるみ吸収部に吸収される。更に、たるみ吸収部は罫線によらず、交差たるみ吸収部は交差箇所罫線によらず、それぞれ紙のたるみを制御する他の構成によって形成されていてもよい。
更に、上記の第2の実施の形態ではT字状に、第3の実施の形態では十字状に、それぞれ仕切部が交差していたが、他の形状に交差していてもよく、交差箇所が直交していなくてもよい。
更に、上記の第1の実施の形態では、境界部線条8a及び8bは線条4aの1本及び折込用罫線7aと連結していたが、折込用罫線7bとも連結していてもよい。又、折込用罫線7bが極端に短い場合を除いては、境界部線条8a及び8bが折込用罫線7aの近傍に形成されていれば、線条4a、折込用罫線7a及び7bのいずれとも連結していなくてもよい。他の境界部線条においても同様である。
更に、上記の各実施の形態では、板紙原紙の紙基材の種類は特に限定されないが、所望の用途に応じて、純白ロール紙、クラフト紙、コートボール紙、パーチメント紙、アイボリー紙、マニラ紙、カード紙、カップ紙、グラシン紙等を用いることができる。又、耐水耐油処理を施した合成紙等を用いてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、板紙原紙の厚みは特に限定されないが、0.2mm~0.5mm(坪量重量150~500g/m)程度であることが好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、板紙原紙は、紙基材の両面に押出ラミネート法による樹脂層が形成されたものであったが、樹脂層が形成されてなくてもよく、又、使用目的に応じて樹脂フィルムを板紙に張り合わせたものや、樹脂コーティングした板紙等を組み合わせて用いてもよい。樹脂層の形成方法としては、押出ラミネート、ドライラミネート、ウェットラミネート、樹脂溶液のコーティングなどが例示できる。
本発明のように、特に食品収納用途に用いる場合は、板紙原紙の少なくとも片面(食品と接する面)に押出ラミネート法による樹脂層が形成されていることが好ましい。樹脂の種類は特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル(メタクリル)系樹脂、ポリブタジエン等のジエン系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、のような熱可塑性樹脂が挙げられる。又、より環境対応に適した紙容器とする場合には、例えば、ポリ乳酸(PLA)などの生分解性樹脂を用いることもできる。樹脂が積層されていることにより、成形後の紙容器に耐熱性、耐水性、耐気液透過性等の特性を付与することができる。
尚、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いる場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂が共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂であって、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂は、イソフタル酸との共重合により得られた共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂であり、該共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂中におけるイソフタル酸の共重合割合は、1モル%以上10モル%未満である、融点が235℃以上250℃以下であることが好ましい。
共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂は、バイオベース炭素含有率が5%以上の、生物由来のバイオマスポリエチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。バイオベース炭素含有率が5%以上の、生物由来(バイオマス資源由来)のバイオマスポリエチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、エチレングリコール及びテレフタル酸を主成分とし、これらを重縮合して得られる樹脂であるが、その大半は化石資源に由来するものである。これをサトウキビ等の生物由来原料から得られたバイオマスポリエチレンテレフタレート樹脂とすることで、化石資源由来の使用量を削減でき、カーボンニュートラル性が向上するため、持続可能性が向上し環境保全に役立つ。
本発明において、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂中の生物由来原料の占める割合を示す指標であるバイオベース炭素含有率は、5%以上であることが好ましく、15%以上であることが更に好ましい。バイオベース炭素含有率が高いほど、化石資源由来原料の割合が少なくなるため環境保全に役立つ容器となる。他方でバイオベース炭素含有率の割合が高くなるとコストも増加するため、適正な範囲内であることがより好ましい。尚、バイオベース炭素含有率は、ISO-16620-2(ASTM-D6866標準規格と同等)に準拠した放射性炭素(C14)測定法によって得られたC14含有量の値で示すことができる。即ち、化石資源中にはC14がほとんど含まれず、一方で生物資源中にはC14が一定割合(105.5pMC)で含まれるため、共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂中のC14の含有量をPC14とすると、下記式でバイオベース炭素含有率を算出することができる。
「バイオベース炭素含有率(%)=PC14/105.5×100」
更に、上記の各実施の形態では、板紙原紙の表面の樹脂の厚みは特に限定されないが、10μm~50μmであることが好ましく、20~30μmの範囲内が特に好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、板紙原紙の表面には、印刷が施されていても良い。これによって意匠性を向上させることができる。
1…板紙原紙
2a、2b…底部形成部
3…側壁部形成部
5…仕切部形成部
6a、6b…接続箇所
7a、7b、7c、7d…折込用罫線
10…紙容器
12a、12b…底部
13…側壁部
14a、14b…収納部
15…仕切部
16a、16b…接続箇所
17a、17b…折込部
20…紙容器
22a、22b、22c…底部
23…側壁部
24a、24b、24c…収納部
25a、25b…仕切部
26…交差箇所
27a、27b…交差折込用罫線
28…交差折込部
30…紙容器
32a、32b、32c、32d…底部
33…側壁部
34a、34b、34c、34d…収納部
35a、35b…仕切部
36…交差箇所
37a、37b、37c、37d…交差折込用罫線
38a、38b…交差折込部
51a、51b、51c、51d…直線部
52a、52b、52c、52d…曲線部
55…フランジ部
56…縁巻部
57…直線対応部分
58…曲線対応部分
59…折りシワ
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (13)

  1. 一枚の板紙原紙からプレス成形のみによって形成された紙容器であって、
    底部と、
    前記底部に接続する側壁部と、
    前記底部及び前記側壁部により形成される収納部と、
    前記側壁部の内方側において、少なくとも一箇所が前記側壁部に接続すると共に、前記底部に接続して立ち上がり前記底部及び前記収納部を仕切る少なくとも1本の仕切部とを備え、
    前記仕切部と前記側壁部との接続箇所の近傍に、プレス成形時に生じる紙のたるみを吸収するたるみ吸収部が形成されている、紙容器。
  2. 前記たるみ吸収部は、前記板紙原紙に形成された少なくとも1本の罫線を備える、請求項1記載の紙容器。
  3. 前記たるみ吸収部は、前記板紙原紙に形成された複数本の前記罫線を備える、請求項2記載の紙容器。
  4. 前記たるみ吸収部は、前記板紙原紙に形成された2本の折込用の前記罫線が折込まれることにより形成される折込部よりなる、請求項2記載の紙容器。
  5. 前記罫線は、平面視において前記側壁部側を頂点とする山型に形成されている、請求項2から請求項4のいずれかに記載の紙容器。
  6. 前記罫線の劣角の角度は、70°~130°である、請求項5記載の紙容器。
  7. 交差する複数本の前記仕切部を備え、
    前記仕切部の交差箇所の近傍に、交差たるみ吸収部が形成されている、請求項1から請求項6のいずれかに記載の紙容器。
  8. 前記側壁部は、前記側壁部に接続しかつ水平方向に延びるフランジ部と、
    前記フランジ部の外周縁に形成された縁巻部とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載の紙容器。
  9. 外縁が直線部と曲線部とが相互に連続した形状の多角型であって、
    前記フランジ部の内、前記曲線部に対応し、折りシワが生じる曲線対応部分の幅は、前記直線部に対応する直線対応部分の幅より大きい、請求項8に記載の紙容器。
  10. 前記曲線部に対応した、前記側壁部、前記フランジ部及び前記縁巻部の一部には、前記外縁に向かって放射状に延びる複数の折りシワが形成される、請求項9記載の紙容器。
  11. 前記折りシワは、前記板紙原紙に予め形成された放射状の複数の線条に基づいて形成される、請求項10記載の紙容器。
  12. 紙容器のプレス成形に用いられる一枚の板紙原紙であって、
    底部形成部と、
    前記底部形成部に接続する側壁部形成部と、
    前記側壁部形成部の内方側において、少なくとも一箇所が前記側壁部形成部に接続すると共に、前記底部形成部を仕切るように配置される少なくとも1本の仕切部形成部と、
    前記仕切部形成部と前記側壁部形成部との接続箇所の近傍に形成された少なくとも1つの罫線とを備える、板紙原紙。
  13. 交差する複数本の前記仕切部形成部を備え、
    前記仕切部形成部の交差箇所の近傍に、交差箇所罫線が形成されている、請求項12記載の板紙原紙。
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