JP2022045708A - 飛散防止ネットシステム及びそれを用いた建屋解体方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下段ブラケットは、一端側が第一下層階フロアに固定され、他端側が外壁面の孔を通って外側に突出するように平行に配置された一対の第一部材と、一対の第一部材の他端側を掛け渡すように固定された第二部材と、を含む。鋼材支柱は、一対の第一部材と、第二部材と、外壁面とで囲まれた矩形領域に挿入された状態で、一対の荷重受け部材が一対の第一部材のそれぞれの上面に固定される。
下段ブラケットは、第二部材から鋼材支柱を挟んで矩形領域の側に突出した一対の突起部を備える。
一端側が解体フロアに固定され、他端側が外壁面の外側において鋼材支柱を支持する上段ブラケットを更に備える。上段ブラケットは、下段ブラケットと同一構造を備える。
鋼材支柱は、上段ブラケットと干渉する領域に補強カバープレートが取り付けられている。
複数本の鋼材支柱は、複数階建屋の第一外壁面の側に設置された複数の第一鋼材支柱と、解体フロアを挟んで第一外壁面と向かい合う第二外壁面の側に設置された複数の第二鋼材支柱と、を含む。複数の第一鋼材支柱のそれぞれは、複数の第二鋼材支柱のそれぞれと対をなすように配置される。対をなす第一鋼材支柱と第二鋼材支柱の頂部間をそれぞれ掛け渡すように張られた複数本のワイヤーを更に備える。ネットは、複数本のワイヤーの上から解体フロアの全体を上方から覆うように張られている。
鋼材支柱は、解体フロアから7m以上の高さとなるように設置される。
鋼材支柱は第一鋼材支柱と第二鋼材支柱に二分割可能に構成され、
第一鋼材支柱と第二鋼材支柱の連結部には、補強用の添板が取り付けられている。
鋼材支柱の上部の領域には、作業員の昇降用のタラップが取り付けられている。
鋼材支柱の上部に取り付けられた固定ピースには、安全ブロックが設けられている。
1.飛散防止ネットシステムの全体構成
図1は、解体対象の建屋に設置された飛散防止ネットシステムの全体を上方から見た平面図である。また、図2は、建屋に設置された飛散防止ネットシステムを図1中のA-A断面から見た側面図である。解体対象の建屋100は、複数階フロアを備える複数階建屋である。建屋100の解体作業では、最上階から下層階へと順に解体が進められる。以下の説明では、建屋100が備える複数階フロアのうち、重機200等を用いた解体作業が行われているフロア(スラブ)を「解体フロア110」と表記し、解体フロア110よりも一段下に位置するフロアを「第一下層階フロア120」と表記し、第一下層階フロア120よりも更に1段下に位置するフロアを「第二下層階フロア130」と表記する。建屋100は、第一外壁面102と、第一外壁面102とフロア空間を挟んで向かい合う第二外壁面104とを備える上面視矩形形状を有している。なお、解体対象の建屋は、複数階を備え、フロア空間を挟んで向かい合う2つの外壁面を備える建屋であれば限定はない。
次に、鋼材支柱12を支持する支柱支持構造について説明する。図3は、第一外壁面の側に設置された鋼材支柱を側面から見た図である。以下、第一外壁面102の側に設置された鋼材支柱12の支持構造を例に説明するが、第二外壁面104の側に設置された鋼材支柱12の支持構造についても基本的に同一である。鋼材支柱12の支柱支持構造は、解体フロア110に設置された上段ブラケット20と、第一下層階フロア120に設置された下段ブラケット30と、鋼材支柱12の下部に取り付けられた荷重受け部材40と、を備える。上段ブラケット20と下段ブラケット30の構造自体は基本的に同一である。ただし、上段ブラケット20と下段ブラケット30とは、鋼材支柱12を支持する位置及びその方法が異なる。
図4は、図3中において鎖線で囲まれた領域Xに含まれる上段ブラケット及びその周囲の構造の拡大図である。また、図5は、上段ブラケット及びその周囲の構造を図4中のB-B断面から見た平面図である。図6は、上段ブラケットの構造を解体フロアの側から見た斜視図である。上段ブラケット20は、二本の第一部材202と、一本の第二部材204と、を備える。典型的には、二本の第一部材202はH形鋼材であり、一本の第二部材204は溝形鋼材である。
図7は、図3中において鎖線で囲まれた領域Yに含まれる下段ブラケット及びその周囲の構造の拡大図である。また、図8は、下段ブラケット及びその周囲の構造を図7中のC-C断面から見た平面図である。下段ブラケット30は、二本の第一部材302と、一本の第二部材304と、を備える。第一部材302及び第二部材304の構造は、上段ブラケット20の第一部材202及び第二部材204の構造と同一である。また、下段ブラケット30の第一下層階フロア120への固定構造についても、上段ブラケット20の解体フロア110への固定構造と同一である。
鋼材支柱12の下部には、ウェブ121を挟んで対称となる位置に一対の荷重受け部材40が取り付けられている。図9は、下段ブラケットの構造を第一外壁面の側から見た斜視図である。また、図10は、下段ブラケット及びその周囲の構造を図7及び図8中のD-D断面から見た平面図である。以下、図9及び図10も参照して、荷重受け部材40の構造について詳細に説明する。
図12は、鋼材支柱の上部の領域を拡大して示す図である。鋼材支柱12は、上端側を含む第一鋼材支柱123と、下端側を含む第二鋼材支柱124とに二分割可能に構成されている。第一鋼材支柱123と第二鋼材支柱124とは、ウェブ121の両面に取り付けられたウェブ側添板131によって連結される。図13は、図12中のE-E方向から鋼材支柱の連結部を見た図である。鋼材支柱12の連結部において、フランジ122の外側には、補強用のフランジ外側添板132が取り付けられている。また、鋼材支柱12の連結部において、フランジ122の内側には、補強用のフランジ内側添板133が取り付けられている。このような構成によれば、第一鋼材支柱123と第二鋼材支柱124とは、ウェブ側添板131、フランジ外側添板132及びフランジ内側添板133によって強固に連結される。なお、鋼材支柱12の連結部は、第一外壁面102の既存躯体に干渉しない位置(高さ)に設定されることが好ましい。
建屋100の解体作業では、対象の解体フロア110の解体が完了すると、第一下層階フロア120が次の解体フロア110とされる。解体フロアの下層階への移行に伴い、ネット16を支持している複数の鋼材支柱12は、順に一階層下方へと降下させて固定される。この作業は、一般的に「盛替え作業」と呼ばれる。盛替え作業では、作業前の第一下層階フロア120に設置されている下段ブラケット30が盛替え作業後の鋼材支柱12を支える上段ブラケット20として利用される。また、盛替え作業後の鋼材支柱12を支える下段ブラケット30は、第二下層階フロア130に新たに設置される。
を含む。先ず、準備工程では、盛替え対象となる鋼材支柱12に張られているワイヤー14の張りを緩めておく。これにより、張られたネット16を取り外さずに対象となる鋼材支柱12の盛替え作業が可能となる。また、準備工程では、第二下層階フロア130に下段ブラケット30を予め設置しておく。
本実施の形態の飛散防止ネットシステム10は、以下のように変形した態様を適用してもよい。
12 鋼材支柱
14 ワイヤー
16 ネット
20 上段ブラケット
22 当て木
24 当て木
30 下段ブラケット
32 当て木
40 荷重受け部材
50 滑車
52 安全ブロック
100 建屋
102 第一外壁面
104 第二外壁面
106 横穴
110 解体フロア
120 第一下層階フロア
121 ウェブ
122 フランジ
123 第一鋼材支柱
124 第二鋼材支柱
125 タラップ
126 固定ジョイント
127 固定ピース
128 補強カバープレート
129 固定ピース
130 第二下層階フロア
130 第二下層階フロア
131 ウェブ側添板
132 フランジ外側添板
133 フランジ内側添板
200 重機
202 第一部材
204 第二部材
206 固定部
208 突起部
302 第一部材
304 第二部材
308 突起部
402 取付け孔
404 フランジ部
Claims (11)
- 複数階建屋の解体作業時に解体フロアの上方への物の飛散を防止する飛散防止ネットシステムであって、
前記複数階建屋の外壁面の外側において前記解体フロアよりも上方へ突出するように配置された複数本の鋼材支柱と、
前記外壁面の外側において前記複数本の鋼材支柱のそれぞれを支持するための支柱支持構造と、
前記複数本の鋼材支柱に保持されることによって前記解体フロアの全体の上方を覆うように張られたネットと、を備え、
前記支柱支持構造は、
一端側が前記解体フロアよりも下層階の第一下層階フロアに固定され、他端側が前記外壁面の外側において前記鋼材支柱を支持する下段ブラケットと、
根本側が前記鋼材支柱の下部に連結され、先端側が水平方向に張り出した第一状態から鉛直下方に向かって垂れ下がった第二状態までの範囲で可動自在に構成された荷重受け部材と、を備え、
前記支柱支持構造は、前記鋼材支柱を前記下段ブラケットに向かって降下させた場合において、前記第二状態では前記荷重受け部材が前記下段ブラケットに接触せず、前記第一状態では前記荷重受け部材が前記下段ブラケットの上面に接触する
ように構成されていることを特徴とする飛散防止ネットシステム。 - 前記下段ブラケットは、
一端側が前記第一下層階フロアに固定され、他端側が前記外壁面の孔を通って外側に突出するように平行に配置された一対の第一部材と、
前記一対の第一部材の前記他端側を掛け渡すように固定された第二部材と、を含み、
前記鋼材支柱は、前記一対の第一部材と、前記第二部材と、前記外壁面とで囲まれた矩形領域に挿入された状態で、前記一対の荷重受け部材が前記一対の第一部材のそれぞれの上面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の飛散防止ネットシステム。 - 前記下段ブラケットは、前記第二部材から前記鋼材支柱を挟んで前記矩形領域の側に突出した一対の突起部を備えることを特徴とする請求項2に記載の飛散防止ネットシステム。
- 一端側が前記解体フロアに固定され、他端側が前記外壁面の外側において前記鋼材支柱を支持する上段ブラケットを更に備え、前記上段ブラケットは、前記下段ブラケットと同一構造を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステム。
- 前記鋼材支柱は、前記上段ブラケットと干渉する領域に補強カバープレートが取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の飛散防止ネットシステム。
- 前記複数本の鋼材支柱は、
前記複数階建屋の第一外壁面の側に設置された複数の第一鋼材支柱と、
前記解体フロアを挟んで前記第一外壁面と向かい合う第二外壁面の側に設置された複数の第二鋼材支柱と、を含み、
前記複数の第一鋼材支柱のそれぞれは、前記複数の第二鋼材支柱のそれぞれと対をなすように配置され、
対をなす前記第一鋼材支柱と前記第二鋼材支柱の頂部間をそれぞれ掛け渡すように張られた複数本のワイヤーを更に備え、
前記ネットは、前記複数本のワイヤーの上から前記解体フロアの全体を上方から覆うように張られていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステム。 - 前記鋼材支柱は、前記解体フロアから7m以上の高さとなるように設置されることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステム。
- 前記鋼材支柱は第一鋼材支柱と第二鋼材支柱に二分割可能に構成され、
前記第一鋼材支柱と前記第二鋼材支柱の連結部には、補強用の添板が取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステム。 - 前記鋼材支柱の上部の領域には、作業員の昇降用のタラップが取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステム。
- 鋼材支柱の上部に取り付けられた固定ピースには、安全ブロックが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステム。
- 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の飛散防止ネットシステムを用いた建屋解体方法であって、
前記建屋解体方法は、前記飛散防止ネットシステムを設置した状態で前記解体フロアの解体が完了した場合、前記第一下層階フロアが次の解体フロアとなるように、前記鋼材支柱を一階層下方へと盛替える盛替え作業を行うように構成され、
前記盛替え作業は、
前記第一下層階フロアよりも更に一階層下方の第二下層階フロアに前記下段ブラケットを設置する工程と、
前記荷重受け部材を固定する固定部材を取り外す工程と、
前記鋼材支柱を一旦上方向へ吊り上げることによって前記荷重受け部材を前記第一状態から前記第二状態へと自重によって可動させた後、前記鋼材支柱を吊り上げながら下方へ降下させる工程と、
前記荷重受け部材を前記第二状態から前記第一状態へと可動させ、前記第二下層階フロアに設置された前記下段ブラケットの上面に前記第一状態の前記荷重受け部材を接触させて固定する工程と、
を備えることを特徴とする建屋解体方法。
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