JP2022045007A - 水硬性組成物用添加剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水硬性組成物の硬化体の早強性、例えば17時間程度の早強性を向上できる水硬性組成物用添加剤を提供する。【解決手段】下記の化学式(A1)で表される化合物及び化学式(A2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含む、水硬性組成物用添加剤である。【化1】JPEG2022045007000009.jpg38160〔M1~M3は、それぞれ独立に、対イオンを示す。R1~R9は、水素もしくは水酸基である。R1~R5は、そのうち1つ以上2つ以下は水酸基である。R1が水酸基の場合R4も水酸基であり、R5が水酸基の場合R2も水酸基である。R6~R9のうち1つ以上は水酸基である。〕【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。
コンクリートは、セメント等の水硬性粉体と水と混練後、1日程度である程度の強度を発現することが要求される場合がある。例えば、コンクリート二次製品は、セメント、骨材、水、及び分散剤等の材料を混練し、様々な型枠に打設し、養生(硬化)工程を経て製品化される。型枠は同じものを何度も使用するので、初期材齢に高い強度を発現することは、生産性、即ち型枠の回転率の向上の観点から重要である。そのために、(1)セメントとして早強セメントを使用する、(2)混和剤として各種ポリカルボン酸系化合物を使用してセメント組成物中の水量を減少させる、(3)養生方法として蒸気養生を行う、などの対策が講じられている。
今日では、より高い生産性の要求等から、養生工程の更なる短縮が望まれる場合がある。例えば、コンクリート製品の製造において脱型するまでの時間を短縮するために、指標として、水硬性粉体と水と混練後、比較的早期に、例えば17時間程度で高い強度を発現することが望まれる。即ち、早強性の向上が望まれる。
また、蒸気養生等の加熱養生により養生時間の短縮化が図られているが、加熱養生に伴うエネルギーコストの削減、即ち加熱養生時間の短縮及び養生温度の低減の観点からも加熱養生を行わない方法が切望されている。
特許文献1には、グリセリン化合物と、アルカリ金属硫酸塩及びアルカリ金属チオ硫酸塩から選ばれる1種以上の無機塩Aとからなる水硬性組成物用早強剤が記載されている。
特許文献2には、セメントに対し、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物塩とポリカルボン酸化合物とを、所定量用いる早期強度発現型セメント製品の製造方法が記載されている。
特開2011-153068号公報 特開昭61-83660号公報
本発明は、水硬性組成物の硬化体の早強性を向上できる水硬性組成物用添加剤を提供する。また、本発明は、本発明の水硬性組成物用添加剤を含有する、水硬性組成物用添加剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法及び水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
本発明は、下記の化学式(A1)で表される化合物及び化学式(A2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含む、水硬性組成物用添加剤に関する。
Figure 2022045007000001
〔式中、Mは、対イオンである。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である。ただし、R~Rのうち1つ以上2つ以下は水酸基であり、Rが水酸基の場合、Rが水酸基であり、Rが水酸基の場合、Rが水酸基である。〕
Figure 2022045007000002
〔式中、M、Mは、それぞれ独立に、対イオンである。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である。ただし、R~Rのうち1つ以上は水酸基である。〕
また本発明は、本発明の水硬性組成物用添加剤と、分散剤とを含有する、水硬性組成物用添加剤組成物に関する。
また本発明は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性組成物用添加剤とを含有する、水硬性組成物に関する。
また本発明は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性組成物用添加剤とを混合して水硬性組成物を製造し、該水硬性組成物を、50℃以上で保持し、1時間以下で高温養生を行う、水硬性組成物の硬化体の製造方法に関する。
本発明によれば、水硬性粉体と水との混合後、早期の水硬性組成物の硬化体の強度が向上する、水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物、水硬性組成物、水硬性組成物の製造方法、及び水硬性組成物の硬化体の製造方法が提供される。本発明は、水硬性組成物の硬化体の早期強度、例えば、17時間後の強度を向上できるものである。以下、17時間後の硬化体の強度(17時間後の圧縮強度等を含む)を、17時間強度とも記述する。
本発明の効果を発現する機構は不明であるが、以下のように推定される。
本発明に用いられる化学式(A1)で表される化合物(以後(A1)成分という場合がある。)、又は化学式(A2)で表される化合物(以後(A2)成分という場合がある。)は、特異的に、セメントと水との混練時には、セメントに含まれる鉱物の1つであるC3S(3CaO・SiO、エーライト)の水和を促進し、水和反応速度が高められ早期にセメント硬化体の強度を向上させると推定される。
(A1)成分又は(A2)成分の添加によって、シリケートイオン溶出濃度及びカルシウムイオン溶出濃度が、無添加(Blank)に対して増加した後、減少していることが確認できたことから、上記化合物は、シリケートイオン及びカルシウムイオン及び水との複合塩を形成していることが推察され、初期強度発現に影響するカルシウムシリケート水和物(C-S-H)の核となり、水和結晶物の生成を促進させていると推定される。
<水硬性組成物用添加剤>
本発明の水硬性組成物用添加剤は、上記の化学式(A1)で表される化合物及び化学式(A2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物(以後(A)成分という場合がある。)を含有する。本発明の水硬性組成物用添加剤は、早強剤として好適である。本発明の水硬性組成物用添加剤として、(A)成分を含有する早強剤が挙げられる。
化学式(A1)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である。ただし、R~Rのうち1つ以上2つ以下は水酸基であり、Rが水酸基の場合、Rが水酸基であり、Rが水酸基の場合、Rが水酸基である。(A1)成分は、早強性の観点から、R~Rのうち2つが水酸基であることが好ましい。
化学式(A2)中、R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である。ただし、R~Rのうち1つ以上は水酸基である。(A2)成分は、早強性の観点から、R~Rのうち1つ又は2つが水酸基であることが好ましく、1つが水酸基であることがより好ましい。
(A1)成分、(A2)成分において、M、M、Mは、それぞれ独立に、対イオンである。対イオンとしては、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、アンモニウムイオン、アルミニウムイオン、鉄イオンが挙げられる。M、M、Mは、それぞれ独立に、水素イオン、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンから選ばれる1種以上の対イオンが好ましい。M、M、Mは、それぞれ独立に、水素イオン、及びアルカリ金属イオンから選ばれる1種以上の対イオンが好ましい。
(A1)成分及び(A2)成分は、M、M、Mが、水素イオンとその他のイオンとが共存するもの、すなわち部分中和物であってよい。
化学式(A1)及び(A2)中のM、M、Mが、それぞれ、アルカリ金属イオンの場合、当該化合物は、アルカリ金属塩である。アルカリ金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
化学式(A1)及び(A2)中のM、M、Mが、それぞれ、アルカリ土類金属イオンの場合、当該化合物は、アルカリ土類金属塩である。アルカリ土類金属塩としては、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩等が挙げられ、化学式(A1)の塩又は化学式(A2)中のカルボキシル基及び又は水酸基中の酸素原子が1つのアルカリ土類金属に結合した塩となる。
化学式(A1)及び(A2)中のM、M、Mが、それぞれ、有機アンモニウムイオンの場合、当該化合物は、有機アンモニウム塩である。有機アンモニウム塩としては、モノメチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、モノエタノールアンモニウム塩、ジエタノールアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、N-メチルジエタノールアンモニウム塩、N-エチルジエタノールアンモニウム塩、イソプロパノールアンモニウム塩、ジイソプロパノールアンモニウム塩、トリイソプロパノールアンモニウム塩、1-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-プロパノール塩、2-[ビス(2-ヒドロキシプロピル)アミノ]エタノール塩、エチレンジアンモニウム塩、N,N,N,N-テトラ(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアンモニウム塩等が挙げられる。
早強性の観点から、(A)成分は、M、M、Mが、それぞれ、アルカリ金属イオン、更にナトリウムイオンであることが好ましい。すなわち、(A)成分は、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
したがって、(A)成分は、早強性の観点から、ヒドロキシテレフタル酸ナトリウム等が好ましい。
また、(A)成分の塩を用いる場合、セメント等の水硬性粉体と水とを混合する際の練り水に、酸型の(A)成分と中和剤とを添加して本発明の添加剤とすることができる。中和剤は、例えば、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
前記の通り、(A)成分は部分中和物であってよい。(A)成分の中和度は、早強性の観点から、好ましくは0以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.75以上、そして、好ましくは2以下であり、より好ましくは1.5以下であり、更に好ましくは1である。ここで、中和度とは、(A)成分中のカルボキシル基が中和された程度を示す。中和度は、(A)成分に対する中和剤のモル比から算出することができ、具体的には、仕込み量又は滴定における測定量等を用いて算出することができる。(A)成分中のすべてのカルボキシル基が中和された場合の中和度は1となる。
また、中和度1にする量よりも多い量、すなわち(A)成分中のすべてのカルボキシル基に対して過剰量の中和剤を使用してもよい。このような、過剰量の中和剤を使用した混合物であっても、本発明の効果を損なわない限り、そのまま本発明の水硬性組成物用添加剤として使用することができる。
水硬性組成物用添加剤は、(A)成分を、酸型化合物換算で、0.1質量%以上含有することが好ましく、0.3質量%以上含有することがより好ましく、そして、100質量%以下含有することが好ましく、99.9質量%以下で含有することがより好ましく、99質量%以下で含有することが更に好ましい。また、水硬性組成物用添加剤は、(A)成分を100質量%含んでいてもよい。すなわち、本発明の水硬性組成物用添加剤は、(A)成分からなる添加剤であってもよい。以後、特に断りがないかぎり、(A)成分の質量は、酸型化合物換算であるものとする。
水硬性組成物用添加剤の形態は、固体(粉末)または液体のいずれでもよく、液体が好ましく、水溶液、水分散液等の水を含有する液体組成物が更に好ましい。
水硬性組成物用添加剤の形態が液体組成物、例えば水溶液または水分散体である場合、当該添加剤は、(A)成分を、酸型化合物換算で、0.1質量%以上含有することが好ましく、0.3質量%以上含有することがより好ましく、そして、50質量%以下含有することが好ましく、40質量%以下含有することが更に好ましい。
<水硬性組成物用添加剤組成物>
本発明の水硬性組成物用添加剤組成物は、本発明の水硬性組成物用添加剤と、分散剤とを含有する。本発明の水硬性組成物用添加剤組成物における(A)成分の態様は、前記した本発明の水硬性組成物用添加剤と同じである。
本発明の分散剤は、通常水硬性組成物用として用いることができる分散剤であれば、特に限定されないが、早強性の観点から、リン酸エステル系重合体、ポリカルボン酸系共重合体、ナフタレンスルホン酸系共重合体、メラミン系重合体、フェノール系重合体及びリグニン系重合体から選ばれる1種以上の分散剤が好ましく、ポリカルボン酸系共重合体がより好ましい。
分散剤は、得られる硬化体の早強性の向上の観点から、ポリカルボン酸系共重合体が好ましい。ポリカルボン酸系共重合体としては、ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステルと(メタ)アクリル酸等のカルボン酸との共重合体(特開平8-12397号公報に記載の化合物等)、ポリアルキレングリコールを有する不飽和アルコールと(メタ)アクリル酸等のカルボン酸との共重合体、ポリアルキレングリコールを有する不飽和アルコールとマレイン酸等のジカルボン酸との共重合体等を用いることができる。ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれるカルボン酸の意味である。
分散剤のポリカルボン酸系共重合体は、下記一般式(B1)で表される単量体(B1)と下記一般式(B2)で表される単量体(B2)とを含む単量体を重合して得られる共重合体〔以下、共重合体(B)という〕が好ましい。
Figure 2022045007000003

〔式中、
10、R11:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
12:水素原子又は-COO(AO)
X:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n:AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数
q:0以上5以下の数
p:0又は1の数
を示す。〕
Figure 2022045007000004
〔式中、
13、R14、R15:それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHCOOM
m:0以上3以下の数
、M:それぞれ独立に、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、有機アンモニウムイオン、又はアンモニウムイオン、を示す。〕
共重合体(B)は、エステル系の単量体(B1)とエーテル系の単量体(B1)のいずれか若しくは両方含む単量体と、単量体(B2)とを含む単量体を重合して得られる共重合体である。
共重合体(B)は、分散剤の入手難度、及び共重合性の観点から、一般式(B1)中のpが1であるエステル系の単量体(B1)と単量体(B2)とを含む単量体を重合して得られる共重合体が好ましい。
また、共重合体(B)は、得られる硬化体の早強性向上の観点から、一般式(B1)中のpが0であるエーテル系の単量体(B1)と単量体(B2)とを含む単量体を重合して得られる共重合体が好ましい。
一般式(B1)中、R10、R11は、それぞれ、水素原子又はメチル基である。R10は水素原子が好ましい。R11は早強性の観点から、メチル基が好ましい。R12は水素原子又は-COO(AO)X、好ましくは、水素原子である。
一般式(B1)中、Xは、水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、水硬性組成物の流動保持性の観点と早強性の観点から、水素原子又は1以上3以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(B1)中、AOは、早強性の観点から、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基であり、エチレンオキシ基が好ましい。
一般式(B1)中、nは、AOの平均付加モル数であり、1以上300以下の数である。nは、凝結遅延を抑制する観点と早強性の観点から、100以上が好ましく、105以上がより好ましく、110以上が更に好ましく、共重合の容易性の観点と早強性の観点から、200以下が好ましく、150以下がより好ましい。また、nは、水硬性組成物の粘性を低減する観点と早強性の観点から、4以上が好ましく、8以上がより好ましく、そして、50以下が好ましく、30以下がより好ましい。
一般式(B1)中、qは、早強性の観点から、0以上5以下の数である。好ましくは、pが1のときqは0以上2以下の数であり、pが0のときqは0以上5以下の数である。qは、0以上2以下の数が好ましく、0がより好ましい。
一般式(B1)中、pは、0又は1の数であり、早強性の観点からは0が好ましく、水硬性組成物の流動保持性の観点からは1が好ましい。
pが1であるエステル系の単量体(B1)としては、(1)メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリブチレングリコール、メトキシポリスチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールと、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸から選ばれるカルボン酸とのエステル化物、(2)アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸から選ばれるカルボン酸へのエチレンオキサイド(以下、EOと表記する場合もある)及び/又はプロピレンオキサイド(以下、POと表記する場合もある)付加物が挙げられる。エステル系の単量体(B1)は、早強性の観点から、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートがより好ましい。
pが0であるエーテル系の単量体(B1)としては、例えば、3-メチル-3-ブテン-1-オール、3-メチル-2-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、2-メチル-2-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-1-オール、(メタ)アリルアルコール、ビニルアルコール等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドを付加、好ましくは平均で30モル以上300モル以下付加した化合物などが挙げられる。エーテル系の単量体(B1)は、共重合性の観点から、3-メチル-3-ブテン-1-オールにアルキレンオキシドを平均で30モル以上300モル以下付加した化合物が好ましく、(メタ)アリルアルコールにアルキレンオキシドを平均で30モル以上300モル以下付加した化合物がより好ましい。
一般式(B2)中、R13、R14、R15は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又は(CHCOOMである。R13、R15は、それぞれ、早強性の観点から、水素原子が好ましい。R14は、早強性の観点から、メチル基が好ましい。mは、0以上3以下の数が好ましい。M、Mは、それぞれ、対イオンを示し、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(1/2イオン)、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンであり、早強性の観点から、ナトリウムイオンが好ましい。
単量体(B2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等のジカルボン酸系単量体、及びこれらの無水物もしくは塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、水酸基が置換されていてもよいモノ、ジ、トリアルキル(炭素数2以上8以下)アンモニウム塩が挙げられる。早強性の観点から、好ましくはアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、並びに無水マレイン酸から選ばれる単量体であり、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのアルカリ金属塩から選ばれる単量体である。メタクリル酸及びメタクリル酸のアルカリ金属塩から選ばれる単量体が更に好ましい。
共重合体(B)は、単量体(B1)と単量体(B2)のモル比である単量体(B1)/単量体(B2)は、水硬性組成物の流動保持性の観点と早強性の観点から、5/95以上が好ましく、8/92以上がより好ましく、そして、50/50以下が好ましく、40/60以下がより好ましく、38/62以下が更に好ましい。
共重合体(B)の全構成単量体中、単量体(B1)と単量体(B2)の合計量は、早強性の観点から、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、98質量%以上が更に好ましく、100質量%以下が好ましく、実質100質量%がより更に好ましく、100質量%がより更に好ましい。
単量体(B1)と単量体(B2)の合計質量に対する単量体(B2)の質量の割合は、早強性の観点から、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、そして、25質量%以下が好ましく、16質量%以下がより好ましい。
共重合体(B)の重量平均分子量は、水硬性組成物の流動保持性の観点と早強性の観点から、20000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上が更に好ましく、そして、150000以下が好ましく、100000以下がより好ましい。なお、共重合体(B)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(ポリエチレングリコール換算)によるものであり、具体的な条件は下記の通りである。
*ゲルパーミエーションクロマトグラフィー条件
装置:GPC(HLC-8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(分子量87500、250000、145000、46000、24000)
共重合体(B)は、例えば反応容器に水を仕込み昇温し、その中で単量体(B1)と単量体(B2)とを連鎖移動剤等の存在下、所定のモル比(単量体(B1)/単量体(B2))で反応させ、熟成後、中和することにより製造することができる。
本発明の水硬性組成物用添加剤組成物は、(A)成分を、早強性の観点から、酸型化合物換算で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下含有する。
本発明の水硬性組成物用添加剤組成物は、分散剤を、早強性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、また、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下含有する。
また、本発明の水硬性組成物用添加剤組成物中、(A)成分と分散剤の質量比は、(A)成分/分散剤で、得られる硬化体の早強性の観点から、0.001以上が好ましく、0.02以上がより好ましく、0.1以上がより更に好ましく、そして、同様の観点から、50.0以下が好ましく、30.0以下がより好ましく、10.0以下が更に好ましい。(A)成分と分散剤の質量比は、(A)成分においては酸型化合物換算で求められる値である。
なお、本発明の水硬性組成物用添加剤組成物は、(A)成分と分散剤とからなる水硬性組成物用添加剤組成物であってよい。この場合の(A)成分/分散剤の質量比は前記範囲が好ましい。
本発明の水硬性組成物用添加剤組成物は、本発明の水硬性組成物用添加剤、及び分散剤以外の成分として、水を含有することができる。また、本発明の硬性組成物用添加剤組成物は、更にその他の成分を含有することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明の水硬性組成物用添加剤組成物中、(A)成分と分散剤の合計量は、早強性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。なお、(A)成分と分散剤の合計量は、(A)成分においては酸型化合物換算で求められる値である。
本発明の水硬性組成物用添加剤組成物の形態は、固体(粉末)または液体のいずれでもよく、液体が好ましく、水溶液、水分散体等の水を含有する液体組成物が更に好ましい。
水硬性組成物用添加剤組成物の形態が液体組成物、例えば水溶液または水分散体である場合、該組成物は、(A)成分を、酸型化合物換算で、0.1質量%以上で含有することが好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、また50質量%以下が好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
<水硬性組成物及びその製造方法>
本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性組成物用添加剤と、を含有する。また、本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性組成物用添加剤組成物と、を含有する。本発明の水硬性組成物は、水硬性粉体と、水と、(A)成分、更に任意に分散剤とを含有する水硬性組成物であってよい。
本発明の水硬性組成物には、本発明の水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物用添加剤組成物で述べた事項を適宜適応することができる。水硬性組成物用添加剤の(A)成分、分散剤等の具体例、好ましい例などは、前記した本発明の水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物用添加剤組成物と同じである。
水硬性粉体は、セメントが挙げられる。セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJISR5214等)が挙げられる。これらの中でも、早期強度、例えば、17時間強度の向上の観点から、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、普通ポルトランドセメントがより好ましい。
また、セメントには、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてよい。セメントと混合されたシリカヒュームセメントや高炉セメントを用いてもよい。
本発明の水硬性組成物は、(A)成分を、早強性の観点から、酸型化合物換算で、水硬性粉体100質量部に対して、0.01質量部以上100質量部以下となるように含有することが好ましい。当該含有量は、酸型化合物換算で0.01質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.3量部以上が更に好ましく、そして、5.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物は、分散剤を、水硬性組成物の流動性の向上と硬化遅延を抑制する観点と早強性の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、0.01質量部以上10.0質量部以下となるように含有することが好ましい。当該含有量は、0.02質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上が更に好ましい。また、10.0質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物は、本発明の添加剤又は添加剤組成物を、早強性の観点から、水硬性粉体100質量部に対して、0.1質量部以上含有することが好ましく、0.5質量部以上含有することがより好ましく、そして、50質量部以下含有することが好ましく、40質量部以下含有することがより好ましい。
水硬性組成物は、得られる硬化体の早強性向上の観点から、水/水硬性粉体比〔スラリー中の水と水硬性粉体の質量比(水の質量/水硬性粉体の質量×100)、通常W/Pと略記されるが、水硬性粉体がセメントの場合、W/Cと略記される。〕は65%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、55%以下であることが更に好ましい。また、水硬性組成物の混練のしやすさ、打設時の型枠への充填性の向上等の作業性を向上する観点と早強性の観点から、15%以上が好ましく、20%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物は、さらに骨材を含有することができる。骨材として細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
骨材は、コンクリートやモルタルなどの調製に用いられる通常の範囲で用いることができる。水硬性組成物がコンクリートの場合、粗骨材の使用量は、水硬性組成物の強度の発現とセメント等の水硬性粉体の使用量を低減し、型枠等への充填性を向上する観点から、単位粗骨材嵩容積は50%以上が好ましく、55%以上がより好ましく、60%以上が更に好ましく、そして、100%以下が好ましく、90%以下がより好ましく、80%以下が更に好ましい。
また、水硬性組成物がコンクリートの場合、細骨材の使用量は、型枠等への充填性を向上する観点から、500kg/m以上が好ましく、600kg/m以上がより好ましく、700kg/m以上が更に好ましく、そして、1000kg/m以下が好ましく、900kg/m以下がより好ましい。
また、水硬性組成物がモルタルの場合、細骨材の使用量は、800kg/m以上が好ましく、900kg/m以上がより好ましく、1000kg/m以上が更に好ましく、そして、2000kg/m以下が好ましく、1800kg/m以下がより好ましく、1700kg/m以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物は、更にその他の成分を含有することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明の水硬性組成物は、コンクリート、モルタルであってよい。本発明の水硬性組成物は、セルフレベリング用、耐火物用、プラスター用、軽量又は質量コンクリート用、AE用、補修用、プレパックド用、トレーミー用、地盤改良用、グラウト用、寒中用等の何れの分野においても有用である。水硬性組成物調製後17時間程度で強度を発現し、早期に型枠から脱型が可能になる観点から、コンクリート振動製品や遠心成形品等のコンクリート製品に用いることが好ましい。
本発明は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性組成物用添加剤とを混合する水硬性組成物の製造方法を提供する。更に、分散剤を混合することができる。この方法により本発明の水硬性組成物を製造できる。各成分の混合は、公知の方法、装置、条件などに基づいて行うことができる。
本発明の水硬性組成物の製造方法には、本発明の水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物、及び水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。水硬性組成物用添加剤、すなわち(A)成分、分散剤、水硬性組成物用添加剤組成物、及び水硬性組成物の具体例、好ましい例は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物及び水硬性組成物で挙げたものと同じであり、好ましい態様も同じである。また、水硬性組成物における含有量を配合量に置き換えて適用することができる。
<水硬性組成物の硬化体の製造方法>
本発明は、水硬性粉体と、水と、本発明の水硬性組成物用添加剤とを混合して水硬性組成物を製造し、該水硬性組成物を、50℃以上で保持し、1時間以下で高温養生を行う、水硬性組成物の硬化体の製造方法を提供する。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、水硬性粉体と、水と、(A)成分とを混合して水硬性組成物を製造し、該水硬性組成物を、50℃以上で保持し、1時間以下で高温養生を行う、水硬性組成物の硬化体の製造方法であってよい。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法で用いる水硬性組成物は、本発明の水硬性組成物であってよい。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、水硬性組成物を型枠に充填し養生し硬化させる工程と、硬化した前記水硬性組成物を脱型する工程、とを有してよい。
より具体的には、次の工程1~工程5を含む水硬性組成物の硬化体の製造方法が挙げられる。
(工程1)水と、本発明の水硬性組成物用添加剤(又は、本発明の水硬性組成物用添加剤組成物)とを混合する工程。
(工程2)工程1で得られた混合物と水硬性粉体と骨材とを混練して水硬性組成物を得る工程であって、前記混合物中の(A)成分が水硬性粉体100質量部に対し0.01質量部以上100質量部以下となるように前記混合物を用いる、工程。
(工程3)工程2で得られた水硬性組成物を型枠に充填する工程。
(工程4)工程3で得られた型枠に充填された水硬性組成物を硬化させる工程であって、前記水硬性組成物が50℃以上に保持される時間が1時間以下である、工程。
(工程5)工程4で得られた硬化体を型枠から脱型する工程。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法には、本発明の水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物、及び水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物、及び水硬性組成物の具体例、好ましい例は、それぞれ、本発明の水硬性組成物用添加剤、水硬性組成物用添加剤組成物及び水硬性組成物で挙げたものと同じであり、好ましい態様も同じである。また、水硬性組成物における含有量を配合量に置き換えて適用することができる。
工程1では、水と、本発明の添加剤、又は、本発明の添加剤組成物を混合する。本発明の添加剤組成物として混合する方が好ましい。本発明の添加剤や本発明の添加剤組成物が水を含む場合は、混合時に水を別途添加しない場合もある。また、工程1では酸型の本発明の添加剤と水と中和剤を混合してもよい。
工程2では、工程1で得られた混合物と水硬性粉体と骨材とを混練して本発明の水硬性組成物を得る。また、工程2では、本発明の添加剤と分散剤組成物と水硬性粉体と骨材とを混錬して、本発明の水硬性組成物を得ることもできる。
工程1で得られた混合物と水硬性粉体との混合は、モルタルミキサー、強制二軸ミキサー等のミキサーを用いて行うことができる。また、早強性の観点から、好ましくは1分間以上、より好ましくは2分間以上、そして、好ましくは5分間以下、より好ましくは3分間以下、混合する。
工程3では、工程2で得られた水硬性組成物を型枠に充填する。型枠として、建築物の型枠、コンクリート製品用の型枠等が挙げられる。型枠への充填方法として、ミキサーから直接投入する方法、水硬性組成物をポンプで圧送して型枠に導入する方法等が挙げられる。
工程4では、工程3で得られた型枠に充填された水硬性組成物を、50℃以上に保持される時間が1時間以下の条件で硬化させる。本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法では、水硬性組成物の養生の際、硬化を促進するために蒸気加熱等の追加的なエネルギーを必要とせず、加熱養生工程を経ずともコンクリート製品等の水硬性組成物の硬化体を製造することも可能となる。工程4では、養生条件として水硬性組成物が養生温度50℃以上に保持される時間を好ましくは1時間以下、より好ましくは0.5時間以下、更に好ましくは0時間とする。すなわち養生温度50℃以上に保持される時間がないことが好ましい。工程4で硬化を行う温度は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、そして、40℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。また、工程4で硬化を行う時間は、例えば、15時間以上、そして、24時間以下、更に18時間以下とすることができる。なお、型枠に充填された水硬性組成物を50℃以上に保持して養生を行う場合、オートクレーブ養生、蒸気等の加熱養生を行うことができる。
工程5では、工程4で得られた硬化体を脱型する。本発明では、工程2で水硬性組成物を調製する際に水硬性粉体に水を接触させてから脱型するまでの時間(以下、脱型時間ともいう)は、脱型に必要な強度を得る観点と製造サイクルを向上する観点から、4時間以上48時間以下が好ましい。本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、水硬性組成物の硬化が促進されるため、水硬性組成物の調製から脱型するまでの時間を短縮することが可能である。本発明では、脱型時間は、脱型に必要な強度を得る観点と製造サイクルを向上する観点とから、6時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましく、15時間以上が更に好ましい。そして、48時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましく、20時間以下が更に好ましい。
本発明の水硬性組成物の硬化体の製造方法は、加熱養生を行なわなくてもコンクリート製品等の水硬性組成物の硬化体の生産性を向上できることから、環境に対する負荷軽減の点でも優れたものである。コンクリート製品である型枠を用いる水硬性組成物の硬化体としては、土木用製品では、護岸用の各種ブロック製品、ボックスカルバート製品、トンネル工事等に使用されるセグメント製品、橋脚の桁製品等が挙げられ、建築用製品では、カーテンウォール製品、柱、梁、床板に使用される建築部材製品等が挙げられる。
モルタル配合を表1に、また、使用した添加剤と評価結果を表2に示した。表2中の化合物は以下のものである。
<添加剤>
(本発明品)
・2-ヒドロキシテレフタル酸:酸型未中和
・2-ヒドロキシテレフタル酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
・2,5-ジヒドロキシテレフタル酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
・2,5-ジヒドロキシ安息香酸:水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
(比較品)
・フタル酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
・イソフタル酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
・安息香酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
・マレイン酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
・4-ヒドロキシフタル酸(Na塩):水酸化ナトリウムを用いて、等モル量中和
Figure 2022045007000005
表1中で用いた成分は以下のものである。
・W:練り水(添加剤を含む水道水)
・C:普通ポルトランドセメント、太平洋セメント株式会社製、密度3.16g/cm
・S:細骨材、城陽産、山砂、FM=2.67、密度2.56g/cm
<モルタルの調製及び評価>
(1)モルタル調製工程
表2の添加剤と水とを混合した練り水(W)を調製した。前記添加剤は、表2の添加量となるように添加した。練り水中の添加剤の量は相対的に微量であるため、添加剤と水の合計を表1の練り水(W)の量にした。
表1に示す配合条件で、モルタルミキサー((株)ダルトン製万能混合撹拌機 型式:5DM-03-γ)を用いて、セメント(C)、細骨材(S)を投入し空練りを10秒行い、表2の添加剤を含む練り水(W)を加えた。この際、空気連行量が2%以下になるよう消泡剤を添加した。消泡剤は、フォームレックス797(日華化学(株))を用いた。そして、モルタルミキサーの低速回転(63rpm)にて60秒間、更に高速回転(128rpm)にて120秒間本混練りしてモルタルを調製した。
(2)型枠充填、養生工程
JIS A1132に基づき、円柱型プラモールド(底面の直径:5cm、高さ10cm)の型枠3個に、それぞれ二層詰め方式によりモルタルを充填し、20℃の室内にて気中(20℃)養生を行い硬化させた。モルタル調製から17時間後(セメントに最初に練り水が接した時点を始点とする)に硬化した供試体を型枠から脱型し供試体を得た。3個の供試体を17時間後の圧縮強度の測定に用いた。
(3)硬化強度の評価
供試体の17時間強度をJIS A1108に基づいて測定し、供試体3個の平均値を求めた。結果を表2に示した。
表2では、バッチ(群)ごとに、セメントに添加剤を添加しない系(以後基準という)と実施例(または比較例)の17時間強度を測定し、その測定値を示すと共に、基準の測定値を100とした場合の実施例(または比較例)の測定値の比率を17時間強度の「比」として示した。各群内で17時間強度の「比」が向上すれば水硬性組成物の硬化体の強度(硬化体の早強性)が向上していると判断でき、「比」の値が大きいほど好ましい。なお、表2中、「質量部」は、添加剤の酸型化合物換算での、セメント100質量部に対する質量部である。
Figure 2022045007000006
表2から、(A)成分を添加剤として水硬性組成物に添加することにより、17時間強度の向上効果が得られることが分かる。

Claims (7)

  1. 下記の化学式(A1)で表される化合物及び化学式(A2)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含む、水硬性組成物用添加剤。
    Figure 2022045007000007

    〔式中、Mは、対イオンである。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である。ただし、R~Rのうち1つ以上2つ以下は水酸基であり、Rが水酸基の場合、Rが水酸基であり、Rが水酸基の場合、Rが水酸基である。〕
    Figure 2022045007000008

    〔式中、M、Mは、それぞれ独立に、対イオンである。R~Rは、それぞれ独立に、水素原子又は水酸基である。ただし、R~Rのうち1つ以上は水酸基である。〕
  2. 前記M、M、Mが、それぞれ独立に、水素イオン、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンから選ばれる1種以上の対イオンである、請求項1記載の水硬性組成物用添加剤。
  3. 請求項1又は2記載の水硬性組成物用添加剤と、分散剤とを含有する、水硬性組成物用添加剤組成物。
  4. 水硬性粉体と、水と、請求項1又は2記載の水硬性組成物用添加剤とを含有する、水硬性組成物。
  5. 水硬性粉体と、水と、請求項1又は2記載の水硬性組成物用添加剤と、分散剤とを含有する、水硬性組成物。
  6. 水硬性粉体と、水と、請求項1又は2記載の水硬性組成物用添加剤とを混合する水硬性組成物の製造方法。
  7. 水硬性粉体と、水と、請求項1又は2記載の水硬性組成物用添加剤とを混合して水硬性組成物を製造し、該水硬性組成物を、50℃以上で保持し、1時間以下で高温養生を行う、水硬性組成物の硬化体の製造方法。
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