JP2022045004A - ガスバリアフィルム - Google Patents

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Yoshihisa Fukuchi
洋明 鶴田
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Abstract

【課題】フィルム基材への密着性に優れ、さらにバリア層形成に適した平坦化層を形成でき、バリア層と合わせて、ガス透過性が極めて低いバリアフィルムを提供する。【解決手段】樹脂基材と、第一の有機平坦化層と、第一のガスバリア層とがこの順に積層されたガスバリアフィルムであって、ガスバリア層が無機化合物を含有し、有機平坦化層が、2つのエステル結合の2つのカルボニル基の炭素原子が、それぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているカルボニル基単位を有する成分(A)、(メタ)アクリレート基を有する(メタ)アクリレート成分(B)、および光重合開始剤を含む光硬化性組成物の硬化物であるガスバリアフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、酸素、水蒸気等に対するガスバリア性に優れ、さらに高い透明性、耐熱性、柔軟性等の諸特性を有するガスバリアフィルムに関するものである。
今日では、食品、医薬品等の包装分野において、内容物の酸化や変質を抑制して味、鮮度、効能等を維持するために、使用する包装材料には酸素や水蒸気の透過に対する高度なガスバリア性が要求されている。特に、食品等の包装においては、内容物の視認性確保や種々雑多な物の包装性確保のために、包装材料には上記ガスバリア性に加えて透明性、耐熱性、柔軟性等の諸特性が要求されている。また、今日開発が進められている有機EL、有機薄膜太陽電池、有機トランジスタ、フレキシブル液晶等の新規分野においても、高いガスバリア性、透明性、耐熱性、柔軟性等の諸特性を有する高バリア性シートの開発が待望されている。
上記ガスバリア性、透明性等の諸特性を有する従来の高バリア性シートとしては、特開2005-324469(特許文献1)に例示されているように、合成樹脂製の基材フィルムの表面に金属アルコキシドを主成分とする溶液を塗布し、熱風乾燥及び熱硬化して平坦化層を形成した後、シリカ化合物を蒸着して作成されたものを例示することができる。
フィルムに平坦化層を形成する目的として、通常合成樹脂製フィルムはロール状に巻いた際にフィルム同士のブロッキングを防止するためにアンチブロッキング剤として直径数μmの微粒子が練り込まれフィルム表面に突起を形成している。しかしこの突起がバリア層のシリカを蒸着する際に欠陥、割れ等を生じさせバリア性を低下させる原因となっているため、この突起を埋めるために数μmの厚さで平坦化層を形成してバリア層の欠陥発生を防いでいる。
特開2005-324469
上記従来の高バリア性シートは、使用している金属アルコキシドからはアルコールの発生を抑えらず、さらに塗工性や密着性の点からも溶剤を使用する必要があるため、平坦化層形成時に溶剤の揮発を伴い、作業者、および環境に対して負荷を与えていた。
本発明は昨今の環境意識の高まりを考慮して溶剤を低減もしくは使用しないことで環境負荷を低減し、さらに硬化時に熱硬化に比べて消費するエネルギー的にも有利な電離放射線硬化が可能な組成物を使用して、環境対応に優れた平坦化層を形成する電離放射線硬化組成物を開発することで、密着性、バリア性、環境負荷低減に優れたガスバリアフィルムを完成した。
本発明者らは、下記のガスバリアフィルムにより上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、樹脂基材と、第一の有機平坦化層と、第一のガスバリア層とがこの順に積層されたガスバリアフィルムであって、
該ガスバリア層が無機化合物を含有し、該有機平坦化層が、2つのエステル結合の2つのカルボニル基の炭素原子が、それぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているカルボニル基単位を有する成分(A)、(メタ)アクリレート基を有する(メタ)アクリレート成分(B)、および光重合開始剤を含む光硬化性組成物の硬化物であるガスバリアフィルムに関する。
また、本発明は、成分(A)が、下記一般式A1~A11で示されるいずれかである、前記ガスバリアフィルムに関する。

Figure 2022045004000001
101 :グリシジルエーテル基を1個有する化合物からグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。
2、R3 、R4 、R5 :二塩基酸一無水物から無水物基および2つのα位の炭素を除いた残りの部分。
但し、R2、R3 、R4 、R5 は、相互に連結し環を形成していてもよい。
6 :アルキル基、アリール基、-R7-OH、-CH=CH2、-CH2CH=CH2、および下記一般式(1)~(3)で示される群から選ばれるいずれか一種。

Figure 2022045004000002

7 :置換基を有しないアルキレン基。
8 :直接結合、または-O-R10-。R10:置換基を有しないアルキレン基。
9 :水素、またはメチル基。
101 :グリシジルエーテル基を1個有する化合物からグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。

Figure 2022045004000003
102 :グリシジルエーテル基を2個有する化合物から2つのグリシジルエーテル基を除いた残りの部分
2、R3 、R4 、R5 、R7は、一般式A1の場合と同様。
6’ :水素、アルキル基、アリール基、-CH=CH2、-CH2CH=CH2
および下記一般式(1)、(3)で示される群から選ばれるいずれか一種。
1、m2はそれぞれ独立に0以上の数。
但し、m1、m2がともに0の場合、R6’ は水素以外。

Figure 2022045004000004
7、R8 、R9は、一般式A1の場合と同様。

Figure 2022045004000005
101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

Figure 2022045004000006
101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

Figure 2022045004000007
101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

Figure 2022045004000008

101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

Figure 2022045004000009
200 :四塩基酸二無水物から2つの無水物基および4つのα位の炭素を除いた残りの部分。
但し、α位の炭素同士の結合は、芳香環の一部を成すことができる。
101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。
また、本発明は、一般式A1におけるR6、一般式A2~A11におけるR6’が、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート基を有する部位である、前記ガスバリアフィルムに関する。
Figure 2022045004000010
7 :置換基を有しないアルキレン基。
9 :水素、またはメチル基。
また、本発明は、一般式A1、A3~A11中のR101におけるグリシジルエーテルを1個有する化合物が、アリルグリシジルエーテル、置換基を有し得るグリシジルフェニルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、およびポリエチレングリシジルエーテルからなる群より選ばれ、一般式A2中のR102におけるグリシジルエーテルを2個有する化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物である、前記ガスバリアフィルムに関する。
また、本発明は、一般式A1、A2における二塩基酸一無水物が、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、およびシクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物からなる群から選ばれる二塩基酸一無水物、並びに前記二塩基酸一無水物の誘導体から選ばれ、一般式A11における四塩基酸二無水物が、ビフェニルテトラカルボン酸類の二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸類の二無水物、およびエチレングリコールビストリメリット酸無水物からなる群より選ばれる四塩基酸二無水物、並びに前記四塩基酸二無水物の誘導体から選ばれる、前記ガスバリアフィルムに関する・
また本発明は、前記光硬化組成物が、有機溶剤を含まないことを特徴とする前記ガスバリアフィルムに関する。
また、本発明は、さらに、前記第一のガスバリア層上に、第二の有機平坦化層と、第二のガスバリア層とがこの順に積層された前記ガスバリアフィルムに関する。
特定の構造を有する成分(A)を含む光硬化性組成物を用いることによって、フィルム基材への密着性に優れ、さらにバリア層形成に適した平坦化層を形成でき、バリア層と合わせて、ガス透過性が極めて低いバリアフィルムを提供できる。
本明細書での用語を説明する。本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の各々を表す。
また、本発明において光硬化性とは、電離放射線、及び、紫外線や可視光線を含む非電離放射線により硬化し得る性質をいう。
本発明のバリアフィルムは、基材と無機化合物を含有するバリア層の間に形成された平坦化層が、前述の通り、特定の構造を有する成分(A)を含む光硬化性組成物の硬化物であることを特徴とする。
即ち、本発明における光硬化性組成物は、2つのエステル結合中の2つのカルボニル基の炭素原子が、それぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているカルボニル基単位を有する成分(A)を含むことで、基材との密着に優れ、平坦な表面を有することでその上にバリア層の割れや欠陥の発生が抑えられた無機化合物を含むバリア層を形成できる。その結果、安定的に水蒸気や酸素等のガスの透過を防いでバリア性能を発現する。
<成分(A)>
成分(A)は、「2つのカルボニル基が-CC-で結合しているカルボニル基単位」を含有する。前記の-CC-は、2つのカルボニル基の炭素原子が、それぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているカルボニル基単位を有する炭素である。前記成分(A)は、バリア層への密着性向上に寄与する。
成分(A)としては、例えば、下記一般式A1~A11で示されるものが挙げられる。
<一般式A1>
Figure 2022045004000011
101 :グリシジルエーテル基を1個有する化合物からグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。
2、R3 、R4 、R5 :二塩基酸一無水物から無水物基および2つのα位の炭素を除いた残りの部分。
但し、R2、R3 、R4 、R5 は、相互に連結し環を形成していてもよい。
6 :アルキル基、アリール基、-R7-OH、-CH=CH2、-CH2CH=CH2、および下記一般式(1)~(3)で示される群から選ばれるいずれか一種。
Figure 2022045004000012
7 :置換基を有しないアルキレン基。
8 :直接結合、置換基を有しないアルキレン基、オキシアルキレン基。
9 :水素、またはメチル基。
101 :グリシジルエーテル基を1個有する化合物からグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。
一般式A1で示される成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
即ち、第一段階では二塩基酸一酸無水物と水酸基含有化合物とを付加反応させ、カルボキシル基を有する中間生成物を得、第二段階では第一段階で得られたカルボキシル基を有する中間生成物にグリシジルエーテル基を1個有する化合物を付加させる、と言う2段階反応である。二塩基酸一酸無水物の代わりに二塩基酸を利用することもできる。
あるいは、予備的段階で、一般式A1で示される成分の構造中に組み込まれることとなる水酸基含有化合物以外の他の水酸基含有化合物を二塩基酸一酸無水物と反応させ予備的中間生成物を生成しておき、第一段階で、前記予備的中間生成物に一般式A1で示される成分の構造中に組み込まれることとなる水酸基含有化合物を反応させ(エステル交換)、予備的段階で使用した他の水酸基含有化合物を留去し、次いで第二段階でグリシジルエーテル基を1個有する化合物を付加させる方法でも一般式A1の成分を得ることもできる。
Figure 2022045004000013
[二塩基酸一無水物]
一般式A1を得る際、用いられる二塩基酸一無水物は、酸無水物基を分子内に1個含有する化合物のうち、2つカルボニル基のα位の炭素がそれぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているものである。
このような二塩基酸一無水物としては、無水コハク酸およびその誘導体、無水マレイン酸およびその誘導体、無水フタル酸およびその誘導体等が挙げられる。無水フタル酸およびその誘導体の場合、一般式A1におけるR2、R3 、R4 、R5 は、相互に連結し環を形成している。
本発明において、二塩基酸一無水物は、一種のみを単独で用いても良いし、複数を併用しても良い。
無水コハク酸の誘導体としては、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物等のアルキルコハク酸無水物が挙げられる。
無水マレイン酸の誘導体としては、ブチルマレイン酸無水物、ペンチルマレイン酸無水物、ヘキシルマレイン酸無水物、オクチルマレイン酸無水物、デシルマレイン酸無水物、ドデシルマレイン酸無水物等のアルキルマレイン酸無水物が挙げられる。
無水フタル酸の誘導体としては、置換基を有する無水フタル酸や、無水フタル酸の芳香環の少なくとも一部に水素が添加されたいわゆる水添無水フタル酸や置換基を有する水添無水フタル酸等が挙げられる。
置換基を有する無水フタル酸としては、テトラブロモ無水フタル酸等が挙げられる。水添無水フタル酸や置換基を有する水添無水フタル酸としては、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、メチル無水ナジック酸、水素化メチル無水ナジック酸等が挙げられる。
[水酸基含有化合物]
一般式A1の構造中に組み込まれる単位となる水酸基含有化合物、即ちOH-R6としては、種々のモノオールや種々のジオールが挙げられる。
モノオールは、例えば、脂肪族(飽和または不飽和、直鎖または分岐)モノオール、脂環式モノオール、芳香族モノオール等が挙げられる。
飽和直鎖脂肪族モノオールは、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、モンタンアルコール等が挙げられる。
不飽和直鎖脂肪族モノオールは、例えばアリルアルコール、クロチルアルコール、オレイルアルコール、リノールアルコール、リノレンアルコール等が挙げられる。
飽和分岐脂肪族モノオールは、例えばイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、2-メチル-1-ブタノール、tert-ペンチルアルコール、2-エチルヘキサノール、イソステアリルアルコール、トリエチルカルビノール、sec-ブチルカルビノール等が挙げられる。
不飽和分岐脂肪族モノオールは、例えばメチルビニルカルビノール、3-メチル-6-ヘキセン-2-オール、4-プロピル-8-オクタデセン-1-オール等の不飽和分岐脂肪族モノオールが挙げられる。
脂肪族置換モノオールは、例えば2-ブロモプロパノール、2-クロロエタノール等が挙げられる。
脂環式モノオールは、例えばシクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロオクタデカノール、2-メチルシクロヘキサノール等が挙げられる。
芳香族モノオールは、例えばベンジルアルコール、α-フェニルエチルアルコール、β-フェニルエチルアルコール、ジフェニルカルビノール、トリフェニルカルビノール、シンナミルアルコール等が挙げられる。
芳香族置換モノオールは、例えばp-ニトロベンジルアルコール、p-メトキシ-2-フェニルエタノール、p-ブロモベンジルアルコール、3-(p-クロロフェニル)ブタノール等が挙げられる。
OH-R6としてモノオールを用いた場合、生成物である一般式A1で示される成分中のR6は、前記の各種モノオールから、OHを除いた残りの部分となる。OHを除いた残りの部分としては、アルキル基(直鎖、分岐、脂環)、アルケニル基に代表される不飽和炭化水素基、アリール基が挙げられる。アルキル基や不飽和炭化水素基やアリール基はそれぞれ置換基を有すことができる。
ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,3,5-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3,3’-ジメチロールヘプタン、プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、3-ブチル-3-エチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール等の水酸基を2個有する鎖式脂肪族炭化水素が挙げられる。
鎖式脂肪族炭化水素の他に、環式脂肪族炭化水素やアリール基を有するものも適宜使用できる。
OH-R6としてジオールを用いた場合、生成物である一般式A1で示される成分中のR6は、下記式に示すように前記の各種ジオールから、OHを1つ除いた残りの部分、即ち-R7-OHとなる。-R7-OHからOHを1つ除いた残りの部分であるR7は、前述のジオールからOHを2つ除いた残りの部分、即ち、アルキレン基である。
Figure 2022045004000014
が一般式(1)の場合について説明する。
二塩基酸一無水物にジオールを反応させ-R7-OHとカルボキシル基とを有する中間生成物を得、前記中間生成物中のカルボキシル基に、グリシジルエーテル基を1個有する化合物を反応させた後、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を-R7-OHに反応させることによって、下記式にて示される化合物を得ることができる。
カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、2-アクリロイロキシエチルコハク酸、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-アクリロイロキシエチルフタル酸等が挙げられる。
Figure 2022045004000015
あるいは、二塩基酸一無水物にモノオールとして(メタ)アクリロイル基を有するモノオールを反応させカルボキシル基を有する中間生成物を得、前記中間生成物中のカルボキシル基に、グリシジルエーテル基を1個有する化合物を反応させて同様のものを得ることもできる。
(メタ)アクリロイル基を有するモノオールとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有するモノオールは、(メタ)アクリ酸とジオールとの反応によって得ることができる。
[グリシジルエーテル基を1個有する化合物]
二塩基酸一無水物と水酸基含有化合物との中間生成物に反応させるグリシジルエーテル基を1個有する化合物は、例えばアリルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、ポリエチレングリシジルエーテル、(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテル等が挙げられる。
アルキルグリシジルエーテルとしては、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、p-tertブチルフェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテルとしては、グリシジル(メタ)アクリレートの他、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルのようなオキシアルキレン(メタ)アクリレートグリシジルエーテルも挙げられる。
グリシジルエーテル基を1個有する化合物として、(メタ)アクリロイル基とグリシジルエーテル基を1個有する化合物を用いれば、R101中に(メタ)アクリロイル基を導入することもできる。
グリシジルエーテル基を1個有する化合物は2種類以上を併用することもできる。
が一般式(2)の場合について説明する。
二塩基酸一無水物との反応の際、前述のモノオールやジオールではなく水を用いることもできる。
この場合、二塩基酸一無水物と水との反応による中間生成物は下記式に示すようにジカルボン酸となる。このような反応生成物中のカルボキシル基に対し等量のグリシジルエーテル基を1個有する化合物を反応させると、二塩基酸一無水物に由来する部分の両端にグリシジルエーテル基を1個有する化合物に由来する部分を有する化合物を得ることができる。即ち、Rが一般式(2)の化合物を得ることができる。
グリシジルエーテル基を1個有する化合物としては前出のものを同様に挙げることができる。
Figure 2022045004000016
が一般式(3)の場合について説明する。
下記式に示すように、二塩基酸一無水物と水との反応による中間生成物であるジカルボン酸に、グリシジルエーテル基を1個有する化合物として、(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテルを反応させることによって、Rが一般式(3)の化合物を得ることができる。
(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテルのみを反応させることもできるし、(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテルと他のグリシジルエーテル基を1個有する化合物とを併用することもできる。
(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテル、他のグリシジルエーテル基を1個有する化合物としては前出のものを同様に挙げることができる。
Figure 2022045004000017
(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテルとして、グリシジル(メタ)アクリレートを用いる場合、R8 は直接結合となる。
また、(メタ)アクリロイル基を有するグリシジルエーテルとして、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテルのようなオキシアルキレン(メタ)アクリレートグリシジルエーテルを用いる場合、R8 は、下記式にて示すように-O-R10-となり、R10は置換基を有しないアルキレン基となる。
Figure 2022045004000018
<一般式A2>
Figure 2022045004000019
102 :グリシジルエーテル基を2個有する化合物から2つのグリシジルエーテル基を除いた残りの部分
2、R3 、R4 、R5 、R7は、一般式A1の場合と同様。
6’ :水素、アルキル基、アリール基、-CH=CH2、-CH2CH=CH2
および下記一般式(1)、(3)で示される群から選ばれるいずれか一種。
1、m2はそれぞれ独立に0以上の数。
但し、m1、m2がともに0の場合、R6’ は水素以外。
Figure 2022045004000020
7、R8、R9は、一般式A1の場合と同様。
<一般式A2-1>
m=0の場合を一般式A2-1として示す。
Figure 2022045004000021
一般式A2-1で示される成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
即ち、一般式A1の場合と同様に、第一段階で二塩基酸一無水物と水酸基含有化合物とを付加反応させ、カルボキシル基を有する中間生成物を得る。第二段階では、グリシジルエーテル基を2個有する化合物1molに対して、第一段階で得られたカルボキシル基を有する中間生成物を2mol付加反応させて一般式A2-1で示される化合物を得ることができる。
なお、一般式A1の場合と同様に、二塩基酸一酸無水物の代わりに二塩基酸を利用したり、予備的段階を経た後エステル交換反応を利用したりすることもできる。
また、二塩基酸一酸無水物や水酸基含有化合物としては一般式A1の場合、同様のものを例示できる。
Figure 2022045004000022
<一般式A2-2>
一般式A2で示される成分のうち、m=0、R6’が一般式(1)である成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
即ち、第一段階で二塩基酸一酸無水物に対し、水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物を反応させ、カルボキシル基と(メタ)アクリロイル基とを有する中間生成物を得る。次いで第二段階では、グリシジルエーテル基を2個有する化合物1molに対して、第一段階で得られたカルボキシル基を有する中間生成物を2mol付加反応させて一般式A2-2で示される化合物を得ることができる。
なお、一般式A1の場合と同様に、二塩基酸一酸無水物の代わりに二塩基酸を利用したり、予備的段階を経た後エステル交換反応を利用したりすることもできる。
Figure 2022045004000023
<一般式A2-3>、<一般式A2-4>
一般式A2で示される成分のうち、m=1以上の場合について説明する。
例えば、下記のイメージ式にて示すように、第一段階として二塩基酸一酸無水物とジオールとの反応により、カルボキシル基末端のポリエステルを得る。ポリエステルの重合度は反応条件により調整することができる。
次いで、第二段階として、グリシジルエーテル基を2個有する化合物中のエポキシ基に対して、第一段階で得られたカルボキシル基末端のポリエステル中のカルボキシル基が多くなる条件にて付加反応させて、一般式A2-3で示されるカルボキシル基末端の中間生成物を得る。カルボキシル基末端の中間生成物の重合度は反応条件により適宜調節することができる。一般式A2-3で示されるカルボキシル基末端の中間生成物をそのまま成分(A)として使用することもできる。
さらに、第三段階として、一般式A2-3で示されるカルボキシル基末端の中間生成物中のカルボキシル基1molに対して、水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物中の水酸基2molを反応させて、一般式A2-4で示される(メタ)アクリロイル基を有する生成物を得、該生成物を成分(A)として使用することもできる。
Figure 2022045004000024
<一般式A2-5>
あるいは、第三段階として、一般式A2-3で示されるカルボキシル基末端の中間生成物A2-3中のカルボキシル基1molに対して、(メタ)アクリロイル基とグリシジルエーテル基とを有する化合物中のグリシジルエーテル基1molを反応させて、一般式A2-5で示される(メタ)アクリロイル基を有する生成物を得、該生成物を成分(A)として使用することもできる。
なお、一般式A1の場合と同様に、二塩基酸一酸無水物の代わりに二塩基酸を利用したり、予備的段階を経た後エステル交換反応を利用したりすることもできる。
また、二塩基酸一酸無水物、ジオール、水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物、(メタ)アクリロイル基とグリシジルエーテル基とを有する化合物としては一般式A1の場合と同様のものを例示できる。
Figure 2022045004000025
[グリシジルエーテル基を2個有する化合物]
グリシジルエーテル基を2個有する化合物は、例えば1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、ビスフェノール型ジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、アミンを介して、グリシジルエーテル基を2個有する化合物二分子を結合してなる生成物(一種の二量体)もグリシジルエーテル基を2個有する化合物として使用できる。
<一般式A3、A4>
Figure 2022045004000026

101は一般式A1の場合と同様である。R6’は一般式A2の場合と同様である。
一般式A3、A4で示される成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
即ち、第一段階で無水トリメリット酸に水酸基含有化合物を付加反応させ、2つのカルボキシル基を有するモノエステル体(中間生成物)を生成する。得られる中間生成物は異性体を含むと考えられる。なお、下記スキームでは異性体を含む意を「+」で表した。
第二段階では、グリシジルエーテル基を1個有する化合物2molに対して、第一段階で得られた2つのカルボキシル基を有する中間生成物を1mol反応させて一般式A3、A4で示される化合物を得ることができる。
なお、一般式A1の場合と同様に、トリメリット酸無水物の代わりにトリメリット酸を利用したり、予備的段階を経た後エステル交換反応を利用したりすることもできる。
また、水酸基含有化合物としては一般式A1の場合と同様のものを例示できる。
Figure 2022045004000027
なお、本発明では、一般式A3、A4で示される化合物の他に、三塩基酸一無水物として、水添トリメリット酸無水物や置換基を有する無水トリメリット酸を成分(A)として使用することもできる。
<一般式A5、A6>
Figure 2022045004000028

101は一般式A1の場合と同様である。R6’は一般式A2の場合と同様である。
一般式A5、A6で示される成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
即ち、第一段階で1当量の無水ピロメリット酸に2当量の水酸基含有化合物を付加反応させ、2つのカルボキシル基を有するジエステル体(中間生成物)を生成する。得られる中間生成物は異性体を含むと考えられる。なお、下記スキームでは異性体を含む意を「+」で表した。
第二段階では、グリシジルエーテル基を1個有する化合物2molに対して、第一段階で得られた2つのカルボキシル基を有する中間生成物を1mol反応させて一般式A5、A6で示される化合物を得ることができる。
なお、下記スキームでは、グリシジルエーテル基を1個有する化合物と中間生成物との反応について、その量比は省略した。
また、一般式A5、A6で示される成分は、無水トリメリット酸の代わりに無水ピロメリット酸を用いる以外は、一般式A3、A4で示される成分の場合と同様である。
Figure 2022045004000029
<一般式A7、A8>
Figure 2022045004000030
101は一般式A1の場合と同様である。R6’は一般式A2の場合と同様である。
一般式A7、A8で示される成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
A7、A8は、無水ピロメリット酸が水添無水トリメリット酸となる以外はA5,A6の場合と同様である。
Figure 2022045004000031
<一般式A9、A10>
Figure 2022045004000032
101は一般式A1の場合と同様である。R6’は一般式A2の場合と同様である。
一般式A9、A10で示される成分は、例えば、以下の合成スキーム(イメージ)に示すように、2段階の反応により得ることができる。
A9、A10は、無水ピロメリット酸がブタンー1,2,3,4ーテトラカルボン酸二無水物となる以外はA5,A6の場合と同様である。
Figure 2022045004000033
<一般式A11>
Figure 2022045004000034
200 :四塩基酸二無水物から2つの無水物基および4つのα位の炭素を除いた残りの部分。
但し、α位の炭素同士の結合は、芳香環の一部を成すことができる。
101は一般式A1の場合と同様である。R6’は一般式A2の場合と同様。
一般式A11で示される成分について説明する。
一般式A11で示される成分は、四塩基酸二無水物として、回転可能な結合につながる2組の二塩基酸二無水物基を利用するものである。
回転可能な軸につながる2組の二塩基酸二無水物基を有するものとしては、
ビフェニルテトラカルボン酸類の二無水物、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の二無水物、
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸類の二無水物、および
エチレングリコールビストリメリット酸無水物等が挙げられる。
さらに、前記ビフェニルテトラカルボン酸類の二無水物等の芳香環に水素が付加したいわゆる水添物置換基を有する四塩基酸二無水物等の誘導体も挙げられる。
ビフェニルテトラカルボン酸類の二無水物としては、
2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸2,3:2’,3’‐二無水物(別名:1,1’-ビフェニル-2,2’,3,3’-テトラカルボン酸2,3:2’,3’二無水物)、
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、
4,4‘-ビフタル酸無水物(別名:1,1’-ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸)等が挙げられる。
ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の二無水物としては、
3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ジフェニルエーテルテトラカルボン酸類の二無水物としては、
4,4’-オキシビスフタル酸1,2:1’,2’-二無水物(別名:3,3‘,4,4’‐ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物)、
3,4’-オキシビスフタル1,2:1’,2’-二酸無水物等が挙げられる。
これらの他、回転可能な結合につながる2組の二塩基酸酸二無水物としては、
エチレングリコールビストリメリット酸無水物、
4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、3,3’ ,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物等が挙げられる。
さらに、回転可能な結合につながる2組の二塩基酸二無水物基を有するものとしては、前記した種々のテトラカルボン酸二無水物等の芳香環に水素が付加したいわゆる水添物や置換基を有するものも挙げられる。
回転可能な結合につながる2組の二塩基酸二無水物基を有するものとして、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDAという)を例にとって、一般式A11で示される成分の一種、一般式A11-1で示される成分を得る方法を説明する。
無水ピロメリット酸を用いる一般式A5、A6の場合と同様に、まず第一段階で、1当量のBPDAに2当量の水酸基含有化合物を付加反応させ、2つのカルボキシル基を有するジエステル体(中間生成物)を生成する。
第二段階では、グリシジルエーテル基を1個有する化合物2molに対して、第一段階で得られた2つのカルボキシル基を有する中間生成物を1mol反応させて一般式A7で示される化合物を得ることができる。
なお、下記スキームでは、グリシジルエーテル基を1個有する化合物と中間生成物との反応について、その量比は省略した。
また、一般式A7で示される成分は、無水ピロメリット酸の代わりにBPDAを用いる以外は、一般式A3、A4で示される成分の場合と同様である。
Figure 2022045004000035
本発明において成分(A)は、光硬化性であることが好ましい。
即ち、一般式A1~A11におけるR6やR6’が、一般式(1)または(3)で示される成分であることが好ましく、一般式(1)で示される成分であることが好ましい。
Figure 2022045004000036
成分(A)は、後述する成分(B)100質量部に対して、1~35質量部であることが好ましく、2~25質量部であることがより好ましい。
<成分(B)>
成分(B)は、(メタ)アクリロイル基を1個以上有する成分であり、2つのエステル結合中の2つのカルボニル基の炭素原子が、それぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているカルボニル基単位を「有しない」成分である。
成分(B)としては、単官能、2官能、3官能、4個以上のものが例示でき、単独または2種類以上を適宜組み合わせて併用できる。
2種類以上を用いる場合、主として2官能のものと3官能のものとを組み合わせて用いることが好ましい。
単官能、即ち(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロオキシエチルアシッドホスフェートなどのエステル化合物、スチレン、α-メチレンなどのスチレン系化合物、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン化合物、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどの窒素含有化合物、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有化合物、ポリマーの主鎖がシリコーン成分であり片末端が(メタ)アクリレート基で修飾された重合性シリコーン化合物が挙げられる。
2官能、即ち(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、メチル2-(アリルオキシメチル)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジア(メタ)クリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロ-ルプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
3官能、即ち(メタ)アクリロイル基を3個有する化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリ(2-ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
4官能以上の(メタ)アクリレート化合物は、例えばジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。これら多官能(メタ)アクリレート化合物は1種または必要に応じて2種以上用いても良い。
なお、多官能の場合、アクリロイル基のみを有するもの、メタクリロイル基のみを有するもの、アクリロイル基とメタクリロイル基とを有すものが考えられ、いずれでもあってもよい。
<光重合開始剤>
本発明における光による硬化には光重合開始剤を使用する。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤が好ましい。
光ラジカル重合開始剤は、分子内開裂型または水素引き抜き型が好ましい。
分子内開裂型の光ラジカル重合開始剤は、放射線を照射することにより当該開始剤分子が開裂してラジカルを発生するタイプのラジカル開始剤である。分子内開裂型の光ラジカル重合開始剤は、例えば、ベンジルケタール系光ラジカル重合開始剤、α-ヒドロキシアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤、ベンゾイン系光ラジカル重合開始剤、アミノアセトフェノン系光開始剤、オキシムケトン系光ラジカル重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光ラジカル重合開始剤、チタノセン系光ラジカル重合開始剤等が好ましい。
光重合開始剤は、単独または2種類以上を併用できる。
ベンジルケタール系光ラジカル重合開始剤は、例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(ベンジルジメチルケタ-ル/2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン)等が挙げられる。
α-ヒドロキシアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤は、例えば2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、1-(4-ドデシルベンゾイル)-1-ヒドロキシ-1-メチルエタン、1-(4-イソプロピルベンゾイル)-1-ヒドロキシ-1-メチルエタン、1-ベンゾイル-1-ヒドロキシ-1-メチルエタン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-ベンゾイル]-1-ヒドロキシ-1-メチルエタン、1-[4-(アクリロイルオキシエトキシ)-ベンゾイル]-1-ヒドロキシ-1-メチルエタン、フェニル-1-ヒドロキシ-シクロヘキシルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー等が挙げられる。
ベンゾイン系光ラジカル重合開始剤は、例えばベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
アミノアセトフェノン系光ラジカル重合開始剤は、例えば2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1等が挙げられる。
オキシムケトン系光ラジカル重合開始剤は、例えば1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)等が挙げられる。
アシルホスフィンオキシド系光ラジカル重合開始剤は、例えばビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオイサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン系光ラジカル重合開始剤は、例えばビス(シクロペンタジエニル)-ジ-フェニル-チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ジ-クロロ-チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,3,4,5,6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)-ビス(2,6-ジフルオロ-3-(ピロール-1-イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
水素引き抜き型の光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン系光ラジカル開始剤、チオキサントン系光ラジカル重合開始剤、アントラキノン系光開始剤等が好ましい。
ベンゾフェノン系光ラジカル開始剤は、例えばベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、3-ベンゾイルビフェニル、4-(4-メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン、メチル2-ベンゾイルベンゾエート、4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメトキシ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-ベンゾイル安息香酸メチルエステル、2-メチルベンゾフェノン、3-メチルベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、1-[4-(4-ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルホニル)-プロパン-1-オン等が挙げられる。
チオキサントン系光ラジカル重合開始剤は、例えばチオキサントン、キサントン、2-クロロチオキサントン、4-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン等のチオキサントン誘導体等が挙げられる。
アントラキノン系光開始剤は、例えばアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-ヒドロキシアントラキノン、2-アミノアントラキノン等が挙げられる。
光重合開始剤は、これらの中でも、アシルホスフィン系化合物を用いることが好ましい。アシルホスフィン系化合物としては、例えば、アシルホスフィンオキシド系光ラジカル重合開始剤が挙げられ、中でも、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。アシルホスフィン系化合物は市販品を用いてもよく、例えば、ルシリンTPO(BASFジャパン社製)、IRGACURE819(BASFジャパン社製)などを好適に用いることができる。
光重合開始剤は、成分(B)100質量部に対して、1~20質量部を含むことが好ましい。
<増感剤>
本発明における光硬化性組成物には、光重合開始剤に増感剤を併用できる。
増感剤は、アミン系増感剤、アントラセン系増感剤、チオキサントン系増感剤等が挙げられる。
増感剤は、単独または2種類以上を併用できる。
アミン系増感剤は、例えばトリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p-ジエチルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N-ジメチルベンジルアミン、4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
アントラセン系増感剤は、例えば9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
チオキサントン系増感剤は、例えば2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤を挙げることができる。市販品の代表例としては、アミン系増感剤では、EPA(日本化薬社製)、アントラセン系増感剤では、DBA、DEA(川崎化成工業社製)、チオキサントン系増感剤では、DETX、ITX(Lambson社製)等が例示できる。
増感剤は、チオキサントン系増感剤等で好ましい。
増感剤は、成分(B)100質量部に対して、0.1~5質量部を含むことが好ましい。
<樹脂>
本発明における光硬化性組成物は、樹脂を含むことができる。前記組成物に樹脂を含むことで有機保護層の硬さ、柔軟性等を適宜調整できる。
樹脂は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、(変性)スチレン無水マレイン酸共重合体、(変性)塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、(変性)塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、ケトンアルデヒド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ乳酸樹脂、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、エステル化セルロース樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。
これら樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
樹脂は、成分(B)100質量部に対して、1~35質量部を含むことが好ましい。
<その他添加剤>
本発明における光硬化性組成物には、必要に応じてその他添加剤を含むことができる。その他添加剤は、例えば、可塑剤、表面調整剤、光安定化剤、酸化防止剤、重合禁止剤が挙げられる。
本発明における光硬化性組成物は、保存安定性を向上する点から、重合禁止剤を用いてもよい。
重合禁止剤は、公知のものの中から適宜選択して用いることができる。重合禁止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類、キノン類、ニトロソアミン類、フェノチアジン類、ピペリジン-1-オキシル類などが挙げられ、中でもピペリジピペリジン-1-オキシル類が好ましく、中でも、4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルがより好ましい。4-オキソ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルとして、例えば、伯東株式会社製ポリストップP7300を用いることができる。
重合禁止剤を用いる場合、その含有割合は、保存安定性と光硬化性を両立する点から、成分(B)100質量部に対して、0.001質量%以上0.2質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。
また、光硬化性組成物は、有機保護層形成のために使用するところ、課題を解決できる範囲内であれば、無機化合物を含むことができる。
光硬化性組成物は、成分(A)、成分(B)、および光重合開始剤を配合して攪拌機で混合することで製造できる。攪拌機は、ディスパー等の公知の撹拌装置を使用できる。
光硬化性組成物は、光により迅速に硬化し、無機化合物を含有する層への密着性に優れる有機層を形成できるので、有機EL素子を構成する電極を覆う第1のバリア層(無機化合物を含有する)を保護する第1の有機保護層の形成に好適に用いることができる。
次にバリアフィルムを構成する樹脂基材について説明する。
樹脂基材は、合成樹脂を材料とするシート成形により形成されている。かかる樹脂基材に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ
)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。上記樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気等に対するガスバリア性等を有し、ガスバリア層3の蒸着条件等に耐え、一の平坦化層2との密接着性に優れているポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステル系樹脂の中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
上記フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)やテトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
上記環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えばa)シクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)、シクロヘキサジエン(及びその誘導体)、ノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンを重合させてなるポリマー、b)当該環状ジエンとエチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系モノマーの1種又は2種以上とを共重合させてなるコポリマー等が挙げられる。これらの環状ポリオレフィン系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるシクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)又はノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンのポリマーが特に好ましい。
なお、樹脂基材の形成材料としては、上記合成樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。また、樹脂基材の形成材料中には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料等が挙げられる。上記基材フィルム1の成形方法としては、特に限定されず、例えば押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の公知の方法が採用される。
樹脂基材の厚み(平均厚み)の下限としては、10μmが好ましく、20μmが特に好ましい。一方、樹脂基材の厚みの上限としては、250μmが好ましく、188μmが特に好ましい。樹脂基材の厚みが上記下限未満であると、ガスバリア層を形成するための蒸着加工の際にカールが発生しやすくなってしまう、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、樹脂基材の厚みが上記上限を超えると、高バリア性シートの薄型化及び軽量化の要請に反することになる。
平坦化層は、光硬化性組成物から形成した硬化被膜である。平坦化層の厚みは、通常2~20μmが好ましく、3~10μmがより好ましい。平坦化層の厚みが2μm以上になると、樹脂基材上のアンチブロッキング剤や傷等による凹凸を埋めて極めて平坦な表面となり、その上に形成されるバリア層の欠陥や割れを防ぎバリア性が向上する。また有機保護層の厚みが20μm以下になると、生産性の向上やコストダウンの他に透明性が向上する。
樹脂基材上に平坦化層を形成する方法は、公知の印刷ないし塗工法を使用できる。印刷方法は、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷およびグラビアオフセット印刷等が挙げられる。また塗工方法は、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法が挙げられる。また、印刷または塗布後硬化工程を行なうことが好ましい。硬化工程は、UVランプ(例えば高圧水銀ランプ)を使用し光照射量は、10~5000mJ/m2程度である。
本発明で光硬化組成物を硬化させるためには、紫外線を発生する光源を利用することが好ましい。この光源は、例えば高圧水銀灯、定圧水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線レーザー、LEDランプ等が挙げられる。これらの中で、有機EL層への影響が少ない中心波長が365nm以上のLEDランプが好ましく、中心波長385nm以上のLEDランプが好ましい。
バリア層は、金属化合物からなる薄膜の層である。バリア層の形成方法として、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的気相成長法(PVD)、種々の化学的気相成長法(CVD)、めっきやゾルゲル法等の液相成長法がある。特に、CVD法、スパッタリング法は、緻密でバリア性能に優れた無機バリア層を形成できる点で好ましい。
バリア層の組成は、珪素および/またはアルミニウムを含む酸化物、窒化物、炭化物、またはこれらの混合物が好ましく、珪素を含む酸化物、窒化物、炭化物、またはこれらの混合物がより好ましい。さらに他の金属酸化物、金属窒化物、または金属炭化物を併用することが可能である。バリア層は上述した材料からなる単層構造、または同一組成または異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
バリア層の厚みは、特に限定されないが、1層につき15~1200nmが好ましく、20~1000nmがより好ましい。厚みが15~1200nmの範囲内になると層形成でピンホールが生じ難く、クラックも生じ難い。
また、バリア層の上にさらに平坦化層を積層することもできる。この平坦化層は無機化合物からなるバリア層への密着が良好であり、外部からの衝撃、加熱、冷却等による無機バリア層への力学的応力による割れ等を防ぎ、長期のバリア性保持に有効である。また、さらにその上へのバリア層を積層する際の平坦化層としても機能して、欠陥発生が抑えられた無機層形成に役立っている。このように平坦化層/バリア層の単純な積層膜構成でもバリア性は十分発現するが、有機EL素子等の水分や酸素に対して極めて弱い用途に対しては高度なバリア性が求められ、その際はより多層積層にすることで10-5g/m2・24hr以下のガス透過率を持つバリアフィルムを提供することができる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。表中の配合量は、質量部である。
[製造例1]
攪拌羽根、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、無水コハク酸100g(1mol)、n-ブタノール74g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1gを仕込み、窒素気流下オイルバスにて内温が100℃になるまで加熱し4時間反応させることで、コハク酸モノ-n-ブチルエステルを得る。
次いで、グリシジルフェニルエーテル150g(1mol)を添加し、窒素気流下内温を120℃に加熱して12時間保持することにより、一般式A1で示される成分であるコハク酸モノ-n-ブチルエステルのグリシジルフェニルエーテル付加物を得た。なお、R6 はn-ブタノール由来のn-ブチル基である。
[製造例2]
攪拌羽根、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、無水コハク酸98g(1mol)、4-ヒドロキシブチルアクリレート144g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1gを仕込み、窒素気流下オイルバスにて内温が100℃になるまで加熱し4時間反応させることで、コハク酸モノ-4-アクリロイルブチルエステルを得た。
次いで、アクリル酸グリシジル120g(1mol)と重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン0.12gを添加し、空気気流下内温を110℃に加熱して12時間反応させることで、一般式A1で示される成分であるコハク酸モノ-4-アクリロイルブチルのグリシジルフェニルエーテル付加物を得た。なお、R6 は4-ヒドロキシブチルアクリレート由来の4-アクリロイルブチル基である。
[製造例3]
攪拌羽根、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、無水コハク酸98g(1mol)、4-ヒドロキシブチルアクリレート144g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1gを仕込み、窒素気流下オイルバスにて内温が100℃になるまで加熱し4時間反応させることで、コハク酸モノ-4-アクリロイルブチルエステルを得た。
次いで、ビスフェノールAジグリシジルエーテル156g(0.5mol)と重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン0.12gを添加してを添加し、空気気流下内温を110℃に加熱して12時間保持して、一般式A2で示される成分であるコハク酸モノ-4-アクリロイルブチルのビスフェノールAジグリシジルフェニルエーテル付加物を得た。なお、R6 は4-ヒドロキシブチルアクリレート由来の4-アクリロイルブチル基である。
[製造例4]
攪拌羽根、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、無水コハク酸100g(1mol)、2-ヒドロキシプロピルアクリレート130g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1gを仕込み、窒素気流下オイルバスにて内温が100℃になるまで加熱し4時間反応させることで、コハク酸モノ-1-メチル-2-アクリロイルエチルエステルを得た。
次いで、ビスフェノールAジグリシジルエーテル156g(0.5mol)と重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン0.12gを添加してを添加し、空気気流下内温を120℃に加熱して12時間反応させることで、一般式A2で示される成分であるコハク酸モノ-1-メチル-2-アクリロイルエチルのビスフェノールAジグリシジルフェニルエーテル付加物を得た。なお、R6 は2-ヒドロキシプロピルアクリレート由来の1-メチル-2-アクリロイルエチル基である。
[比較製造例1]
攪拌羽根、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、無水アジピン酸(2つのカルボニルの炭素原子の間の炭素原子が6つであり、2つのα位の炭素同士が結合していない一塩基酸ニ無水物)128g(1mol)、n-ブタノール74g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1gを仕込み、窒素気流下オイルバスにて内温が100℃になるまで加熱し4時間反応させることで、アジピン酸モノ-n-ブチルエステルを得た。
次いで、グリシジルフェニルエーテル150g(1mol)を添加し、窒素気流下内温を120℃に加熱して12時間反応させることで付加生成物を得た。
[比較製造例2]
攪拌羽根、冷却管、ガス導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、無水アジピン酸128g(1mol)、アクリル酸ヒドロキシプロピル130g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1g、重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン0.12gを仕込み、空気気流下オイルバスにて内温が100℃になるまで加熱し4時間反応させることで、アジピン酸モノアクリロイルオキシプロピルブチルエステルを得る。
次いで、ビスフェノールAジグリシジルエーテル85gを添加し、空気気流下内温を110℃に加熱して12時間反応させることで付加生成物を得た。
[比較製造例3]
攪拌羽根、冷却管、ガス導入管、温度計を備えた500mlセパラブル四つ口フラスコに、スベリン酸(別名:オクタン2酸)87g(0.5mol)、アクリル酸グリシジル128g(1mol)、触媒としてジメチルベンジルアミン1g、重合禁止剤としてメトキシヒドロキノン0.12g添加して空気気流下にて110℃12時間反応させて付加生成物を得た。
<実施例1>
成分(A)として、製造例1で得られたコハク酸モノ-n-ブチルエステルのグリシジルフェニルエーテル付加物:5部、成分(B)として、α-アリルオキシメチルアクリレート(AOMA:日本触媒製)10部、ジプロピレングリコールジアクリレート:55部(M222:MIWON製)、トリメチロールプロパントリメタクリレート:30部(以下、TMPTA:日本触媒製)、ルシリンTPO(光重合開始剤、BASFジャパン社製)5部、ポリフローNo.75(表面調整剤、共栄社化学社製)1部、ポリストップ7300P(重合禁止剤、伯東社製)0.05部を混合して光硬化性組成物を得た。
この光硬化性組成物をPETフィルム(ルミラーU48:東レ製)にバーコーターNo.5で膜厚が7μmとなるように塗工して、塗工フィルムを酸素濃度が300ppm以下に制御された窒素フロー化のコンベアーに移して、中心波長395nmのLED光源で紫外線を積算光量500mJ/cm(UVAの範囲で測定)照射し平坦化層を有するフィルム基材を得た。この塗工フィルムの平坦化層上にスパッタリング法にてケイ素酸化物層を厚さ100nm積層しバリアフィルムを得た。
<実施例2>
成分(A)として、製造例2で得られたコハク酸モノ-4-アクリロイルブチルエステルとアクリル酸グリシジルとの付加生成物とする以外は、実施例1と同様の割合で配合し、光硬化組成物を得た。
さらに実施例1同様の方法で塗工、硬化、積層してバリアフィルムを得た。
<実施例3>
成分(A)として、製造例3で得られたコハク酸モノ-4-アクリロイルブチルエステルとビスフェノールAジグリシジルエーテルの付加生成物とする以外は、実施例1と同様の割合で配合し、光硬化組成物を得た。
さらに実施例1同様の方法で光硬化組成物を塗工、硬化し、ケイ素酸化物を積層してバリアフィルムを得た。
<実施例4>
成分(A)として、製造例4で得られたコハク酸モノ-アクリロイルプロピルエステルとビスフェノールAジグリシジルエーテルの付加生成物とする以外は、実施例1と同様の割合で配合し、光硬化組成物を得た。
さらに実施例1同様の方法で光硬化組成物を塗工、硬化し、ケイ素酸化物を積層してバリアフィルムを得た。
<実施例5>
成分(A)として、製造例4で得られたコハク酸モノ-アクリロイルプロピルエステルとビスフェノールAジグリシジルエーテルの付加生成物とする以外は、実施例1と同様の割合で配合し、光硬化組成物を得た。
さたに実施例1同様の方法で光硬化組成物を塗工、硬化し、ケイ素酸化物を積層した。
このケイ素酸化物層の上に、さらに上記光硬化組成物をバーコーターNo.5で膜厚が7μmとなるように塗工して、塗工フィルムを酸素濃度が300ppm以下に制御された窒素フロー化のコンベアーに移して、中心波長395nmのLED光源で紫外線を積算光量500mJ/cm(UVAの範囲で測定)照射して硬化させ、3層構造からなるバリアフィルムを得た。
<実施例6>
成分(A)として、製造例4で得られたコハク酸モノ-アクリロイルプロピルエステルとビスフェノールAジグリシジルエーテルの付加生成物とする以外は、実施例1と同様の割合で配合し、光硬化組成物を得た。
さらに実施例1同様の方法で光硬化組成物を塗工、硬化し、ケイ素酸化物を積層した。
このケイ素酸化物層の上に、さらに上記光硬化組成物をバーコーターNo.5で膜厚が7μmとなるように塗工して、塗工フィルムを酸素濃度が300ppm以下に制御された窒素フロー化のコンベアーに移して、中心波長395nmのLED光源で紫外線を積算光量500mJ/cm2(UVAの範囲で測定)照射して硬化させた。得られた平坦化層を再外層とする3層構造からなるフィルムの上に、さらにスパッタリング法により100nm厚の酸化ケイ素層を形成し、4層からなるバリアフィルムを得た。
<比較例1>
成分(A)として、比較製造例1で得られたアジピン酸モノ-n-ブチルエステルとグリシジルフェニルエーテルの付加物:5部、成分(B)として、αアリルオキシメチルアクリレート(AOMA:日本触媒製)10部、ジプロピレングリコールジアクリレート:55部(M222:MIWON製)、トリメチロールプロパントリメタクリレート:30部(以下、TMPTA:日本触媒製)、ルシリンTPO(光重合開始剤、BASFジャパン社製)5部、ポリフローNo.75(表面調整剤、共栄社化学社製)1部、ポリストップ7300P(重合禁止剤、伯東社製)0.05部を混合して光硬化性組成物を得た。
この光硬化組成物をPETフィルム(ルミラーU48:東レ製)にバーコーターNo.5で膜厚が7μmとなるように塗工して、塗工フィルムを酸素濃度が300ppm以下に制御された窒素フロー化のコンベアーに移して、中心波長395nmのLED光源で紫外線を積算光量500mJ/cm2(UVAの範囲で測定)照射し平坦化層を有するフィルム基材を得た。この塗工フィルムの平坦化層上にスパッタリング法にてケイ素酸化物層を厚さ100nm積層しバリアフィルムを得た。
<比較例2>
成分(A)として、比較製造例2で得られたアジピン酸モノアクリロイルオキシプロピルブチルエステルとビスフェノールAジグリシジルエーテルの付加物とした以外は比較例と同様の方法でバリアフィルムを得た。
<比較例3>
成分(A)として、比較製造例3で得られたスベリン酸ジ3-アクリロイル-2-ヒドロキシプロピルエステルとした以外は比較例と同様の方法でバリアフィルムを得た。
<平坦化層の表面粗さ評価>
上記実施例1~6、および比較例1~3の基材フィルム上の光硬化組成物を塗工、硬化して得た平坦化層付フィルム表面がどれだけ平坦かを表面粗さ計を用いて算術平均粗さRaを求めた。
<密着性の評価>
上記実施例1~6、および比較例1~3の基材フィルム上の光硬化組成物を塗工、硬化して得た平坦化層付フィルムの基材面に対する平坦化層の密着性をクロスカットセロテープ(登録商標)剥離法により以下の基準で評価した。
◎:100%密着している
〇:60%以上密着している
△:20%以上密着している
×:20%以下密着している
<水蒸気透過度の評価>
上記実施例1~6、および比較例1~3のバリアフィルムを用いてバリアフィルムの水蒸気透過度を測定した。この水蒸気透過度は、JIS K7129-1記載の方法に準拠し、水蒸気透過率測定装置パーマトラン3/31(MOCON社製)を用い温度40℃、相対湿度90%の条件で測定した。168時間試験を行った。検出限界は0.01g/m/日である。
<屈曲性試験前後の水蒸気透過度の評価>
上記実施例1~6、および比較例1~3のバリアフィルムを用いて、屈曲性試験前後の水蒸気バリア性を評価した。 屈曲性試験は、耐屈曲性試験器(ユアサシステム機器社製面状体無負荷U字伸縮試験機)を用いて行い、PETフィルムが上側になるように上記試験用サンプルを装置にセットし、直径3mm幅、30回/分の速度で5万回折り曲げを実施した。
屈曲試験後のバリアフィルム水蒸気透過度は、水蒸気透過率測定装置(MOCON社製PERMATRAN)を用いて測定した。測定条件は40℃、相対湿度90%で168時間試験を行った。検出限界は0.01g/m/日である。
その結果を下の表1に示す。
Figure 2022045004000037

Claims (7)

  1. 樹脂基材と、第一の有機平坦化層と、第一のガスバリア層とがこの順に積層されたガスバリアフィルムであって、
    該ガスバリア層が無機化合物を含有し、該有機平坦化層が、2つのエステル結合の2つのカルボニル基の炭素原子が、それぞれ別のα位の炭素に結合し、α位の炭素同士が結合しているカルボニル基単位を有する成分(A)、(メタ)アクリレート基を有する(メタ)アクリレート成分(B)、および光重合開始剤を含む光硬化性組成物の硬化物であるガスバリアフィルム。
  2. 成分(A)が、下記一般式A1~A11で示されるいずれかである、請求項1記載のガスバリアフィルム。

    Figure 2022045004000038

    101 :グリシジルエーテル基を1個有する化合物からグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。
    2、R3 、R4 、R5 :二塩基酸一無水物から無水物基および2つのα位の炭素を除いた残りの部分。
    但し、R2、R3 、R4 、R5 は、相互に連結し環を形成していてもよい。
    6 :アルキル基、アリール基、-R7-OH、-CH=CH2、-CH2CH=CH2、および下記一般式(1)~(3)で示される群から選ばれるいずれか一種。

    Figure 2022045004000039

    7 :置換基を有しないアルキレン基。
    8 :直接結合、または-O-R10-。R10:置換基を有しないアルキレン基。
    9 :水素、またはメチル基。
    101 :グリシジルエーテル基を1個有する化合物からグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。

    Figure 2022045004000040

    102 :グリシジルエーテル基を2個有する化合物から2つのグリシジルエーテル基を除いた残りの部分。
    2、R3 、R4 、R5 、R7は、一般式A1の場合と同様。
    6’ :水素、アルキル基、アリール基、-CH=CH2、-CH2CH=CH2
    および下記一般式(1)、(3)で示される群から選ばれるいずれか一種。
    1、m2はそれぞれ独立に0以上の数。
    但し、m1、m2がともに0の場合、R6’ は水素以外。

    Figure 2022045004000041

    7、R8 、R9は、一般式A1の場合と同様。

    Figure 2022045004000042

    101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

    Figure 2022045004000043

    101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

    Figure 2022045004000044

    101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

    Figure 2022045004000045

    101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。

    Figure 2022045004000046

    200 :四塩基酸二無水物から2つの無水物基および4つのα位の炭素を除いた残りの部分。
    但し、α位の炭素同士の結合は、芳香環の一部を成すことができる。
    101は一般式A1の場合と同様。R6’は一般式A2の場合と同様。
  3. 一般式A1におけるR6、一般式A2~A11におけるR6’が、下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート基を有する部位である、請求項2記載のガスバリアフィルム。
    Figure 2022045004000047
    7 :置換基を有しないアルキレン基。
    9 :水素、またはメチル基。
  4. 一般式A1、A3~A11中のR101におけるグリシジルエーテルを1個有する化合物が、アリルグリシジルエーテル、置換基を有し得るグリシジルフェニルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、およびポリエチレングリシジルエーテルからなる群より選ばれ、
    一般式A2中のR102におけるグリシジルエーテルを2個有する化合物が、ビスフェノール型エポキシ化合物である、請求項2または3記載のガスバリアフィルム。
  5. 一般式A1、A2における二塩基酸一無水物が、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、およびシクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物からなる群から選ばれる二塩基酸一無水物、並びに前記二塩基酸一無水物の誘導体から選ばれ、
    一般式A11における四塩基酸二無水物が、
    ビフェニルテトラカルボン酸類の二無水物、
    ベンゾフェノンテトラカルボン酸類の二無水物、
    ジフェニルエーテルテトラカルボン酸類の二無水物、および
    エチレングリコールビストリメリット酸無水物からなる群より選ばれる四塩基酸二無水物、並びに前記四塩基酸二無水物の誘導体から選ばれる、
    請求項2~4いずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  6. 前記光硬化組成物が、有機溶剤を含まないことを特徴とする請求項1~5いずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
  7. さらに、前記第一のガスバリア層上に、第二の有機平坦化層と、第二のガスバリア層とがこの順に積層された請求項1~6いずれか1項に記載のガスバリアフィルム。
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WO2023248610A1 (ja) * 2022-06-23 2023-12-28 Toppanホールディングス株式会社 ガスバリア性フィルム、積層体、および包装材料
WO2024128086A1 (ja) * 2022-12-12 2024-06-20 富士フイルム株式会社 硬化性組成物、積層体、積層体の製造方法

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WO2023248610A1 (ja) * 2022-06-23 2023-12-28 Toppanホールディングス株式会社 ガスバリア性フィルム、積層体、および包装材料
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