JP2022044847A - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

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一平 福田
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Abstract

【課題】AC残像耐性、黒表示の面内明るさバラツキ、コントラストの向上。【解決手段】式(1)の繰り返し単位を有する重合体(A)及び式(2)の繰り返し単位を全繰り返し単位の60~100モル%含む重合体(B)を含有する液晶配向剤。TIFF2022044847000063.tif3782TIFF2022044847000064.tif3591【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子に関する。
従来から液晶表示装置は、パーソナルコンピュータや携帯電話、テレビジョン受像機等の表示部として幅広く用いられている。液晶表示装置は、例えば、素子基板とカラーフィルタ基板との間に挟持された液晶層、液晶層に電界を印加する画素電極及び共通電極、液晶層の液晶分子の配向性を制御する配向膜、画素電極に供給される電気信号をスイッチングする薄膜トランジスタ(TFT)等を備えている。液晶分子の駆動方式としては、TN方式、VA方式等の縦電界方式や、IPS方式、フリンジフィールドスイッチング(以下、FFS)方式等の横電界方式が知られている。
現在、工業的に最も普及している液晶配向膜は、電極基板上に形成された、ポリアミック酸及び/又はこれをイミド化したポリイミドからなる膜の表面を、綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一方向に擦る、いわゆるラビング処理を行うことで作製されている。ラビング処理は、簡便で生産性に優れた工業的に有用な方法である。しかし、液晶表示素子の高性能化、高精細化、大型化に伴い、ラビング処理で発生する配向膜の表面の傷、発塵、機械的な力や静電気による影響、更には、配向処理面内の不均一性等の種々の問題が明らかとなっている。ラビング処理に代わる液晶配向処理方法としては、偏光された放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法が知られている。光配向法による液晶配向処理は、光異性化反応を利用したもの、光架橋反応を利用したもの、光分解反応を利用したもの等が提案されている(非特許文献1、特許文献1参照)。
液晶表示素子の構成部材である液晶配向膜は、液晶を均一に並べるための膜であるが、液晶配向の安定性も重要となる。配向の安定性が小さいと、液晶を長時間駆動させた際に液晶が初期の状態に戻らなくなり、コントラストの低下や焼き付き(以下、AC残像と称する。)の原因となる。上記の課題を解決する手法として、特許文献2には特定の液晶配向剤が開示されている。
特開平9-297313号公報 国際公開第2015/050135号パンフレット
「液晶光配向膜」木戸脇、市村 機能材料 1997年11月号 Vol.17、 No.11 13~22ページ
しかしながら、実際の液晶表示素子では、製造上のバラツキなどによって液晶表示素子面内でツイスト角度がわずかにばらついてしまう。すると、このような面内バラツキに起因して、液晶表示素子では黒表示時の明るさが面内でばらついてしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、AC残像に対して良好な耐性を発現すると共に、黒表示の際の面内での明るさのバラツキを抑制した、コントラストが向上した液晶表示素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明者は、鋭意研究を進めたところ、特定の成分を含有する液晶配向剤を使用することにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には下記を要旨とするものである。
下記の(A)成分及び(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
(A)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A)。
(B)成分:下記式(2)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位の60~100モル%含む重合体(B)。
Figure 2022044847000001

(式中、RからRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基、又はフェニル基であり、同一でも異なってよいが、RからRの少なくとも一つは上記定義中の水素原子以外の基を表す。Yは下記式(H)で表される部分構造を有する2価の有機基を表す。)
Figure 2022044847000002

(Qは-(CH-で表される構造であり(ただし、nは2~20の整数であり、任意の-CH-はそれぞれ隣り合わない条件で-O-に置き換えられてもよい。)、2つのベンゼン環上の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。*は結合手を表す。)
Figure 2022044847000003

(式中、Yは下記式(m)で表される2価の有機基であり、*は結合手を表し;R2は水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基であり;Z21、Z22はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基である。)
Figure 2022044847000004
本発明の液晶配向剤によれば、AC残像に対して良好な耐性を発現し、黒表示の際の面内での明るさのバラツキを抑制し、コントラストを向上した液晶表示素子が得られる。
以下に、本開示の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
<重合体(A)>
本発明の液晶配向剤は、上記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A)を含有する。このような構成とすることで、AC残像に対して良好な耐性を発現する液晶配向膜が得られ、またコントラストに優れた液晶表示素子を得ることができる。上記式(1)において、Y、R、R、R、Rは、上記に定義した通りである。
上記R~Rにおける炭素数1~6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基などが挙げられる。上記R~Rにおける炭素数2~6のアルケニル基の具体例としては、例えばビニル基、プロペニル基、ブチニル基等が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。上記R~Rにおける炭素数2~6のアルキニル基の具体例としては、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基等が挙げられる。上記R~Rにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。光反応性が高い観点から、R~Rは、水素原子又はメチル基であり、RからRの少なくとも一つがメチル基であることが好ましく、より好ましくはRからRの少なくとも2つがメチル基であり、さらに好ましくはR及びRがメチル基である。
前記式(H)における1価の有機基の具体例としては、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基が挙げられ、その具体例としては上記R~Rで例示した構造が挙げられる。前記式(H)で表される部分構造としては、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から下記式(H-1)~(H-7)で表される部分構造が挙げられる。
Figure 2022044847000005
前記式(1)におけるYの好ましい具体例としては、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、下記式(h-1)~(h-8)で表される2価の有機基が挙げられる。
Figure 2022044847000006
前記重合体(A)は、液晶表示素子のコントラストを高める観点から、下記式(3)で表される繰り返し単位及び下記式(4)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種類の繰り返し単位を有してもよい。
Figure 2022044847000007
前記式(3)におけるR31からR34は、それぞれ前記式(1)のRからRと好ましい具体例も含めて同義である。前記式(4)におけるXは5員環以上の脂環構造を有する4価の有機基である。Yは下記式(I)で表される2価の有機基を表し、Yは前記式(1)のYと同義であるか、下記式(I)で表される2価の有機基を表す。
Figure 2022044847000008
前記式(I)において、Rは単結合又は酸素原子を表し、nは0~2を表す。ベンゼン環上の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよく、このような1価の有機基としては、前記式(H)における1価の有機基の具体例で例示した構造が挙げられる。
前記式(I)で表される2価の有機基としては、液晶表示素子のコントラストを高める観点から、下記式(I-1)~(I-3)で表される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2022044847000009

(*は結合手を表す。)
前記式(4)のXにおける5員環以上の脂環構造を有する4価の有機基としては、5~8員環の脂環構造を有する4価の有機基であることが好ましく、5~7員環の脂環構造を有する4価の有機基であることがより好ましい。なお、5員環以上の脂環構造とは、イミド基が結合する脂環構造が多環式構造の場合には、その多環式構造に含まれるそれぞれの環において、環を構成する原子数がいずれも5以上であることを示す。また、前記脂環構造は2つのイミド基の少なくとも一つに結合していればよく、脂環構造とともに鎖状炭化水素構造や芳香環構造を有していてもよい。
5員環以上の脂環構造を有する4価の有機基の好ましい具体例としては、下記式(X4-1)~(X4-13)で表される4価の有機基が挙げられる。
Figure 2022044847000010

AC残像に対して良好な耐性を発現し、液晶表示素子のコントラストを高める観点から、(X4-1)~(X4-4)がより好ましい。
前記重合体(A)は、重合体(A)の溶解性を高める観点から、下記式(5)で表される繰り返し単位及び下記式(6)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種類の繰り返し単位を有してもよい。
Figure 2022044847000011

(式中、R51からR54はそれぞれ前記式(1)のRからRと同義であり、Y、Yはそれぞれ独立して下記式(J-1)で表される部分構造を有する2価の有機基、又は下記式(J-2)で表される2価の有機基を表す。Xは前記式(4)のXと同義である。)
Figure 2022044847000012
前記式(J-1)、(J-2)中、Qは単結合、-(CH-(nは1~20の整数である)、又は-(CH-の任意の-CH-がそれぞれ隣り合わない条件で-O-、-COO-、-OCO-、-NQ-、-NQCO-、-CONQ-、-NQCONQ-、-NQCOO-、-OCOO-に置き換えられる基であり、Qは水素原子又は1価の有機基を表し、
上記-NQ-、-NQCO-、-CONQ-、-NQCONQ-、-NQCOO-のQの定義における1価の有機基として、炭素数1~5のアルキル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基、又はこれらの置換基が有する水素原子の一部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)で置き換えた有機基が挙げられ;
、Qはそれぞれ独立して-H、-NHDを有する基、-N(D)を有する基を表す。Qは-NHDを有する基、-N(D)を有する基を表す。Dはカルバメート系保護基を表し、カルバメート系保護基としては、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基が挙げられる。但し、Q、Q及びQの少なくとも一つは基中にカルバメート系保護基を有する。*1は結合手を表す。
、Q、Qにおける-NHDを有する基としては、-NHD、-L-(CH-NHD(Lは単結合、-O-、-COO-、-NHCO-を表す。nは1~5の整数を表す。)等が挙げられる。
、Q、Qにおける-N(D)を有する基としては、-N(D)、-L-(CH-N(D)(Lは単結合、-O-、-COO-、-NHCO-を表す。nは1~5の整数を表す。)が挙げられる。
、Yの好ましい具体例としては、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、下記式(J-1-a)~(J-1-d)、(J-2-1)で表される2価の有機基が挙げられる。「Boc」は、tert-ブトキシカルボニル基を表す。
Figure 2022044847000013
前記重合体(A)は、上記式(1)で表される繰り返し単位、上記式(3)で表される繰り返し単位、上記式(4)で表される繰り返し単位、上記式(5)で表される繰り返し単位、及び上記式(6)で表される繰り返し単位以外に、下記式(PI-A-1)で表される繰り返し単位及び下記式(PA-1)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有してもよい。
Figure 2022044847000014
式(PI-A-1)中、XI1は4価の有機基を表し、YI1は2価の有機基を表す。但し、XI1が下記式(g)で表される4価の有機基又は上記式(4)のXと同義である場合は、YI1は前記式(H)で表される部分構造を有する2価の有機基、前記式(I)で表される2価の有機基、前記式(J-1)で表される部分構造を有する2価の有機基、及び前記式(J-2)で表される2価の有機基を含まない。XI1としては、下記式(g)で表される4価の有機基、上記式(4)のXに示した4価の有機基の他、下記式(XI1-1)~(XI1-12)で表される4価の有機基、芳香族テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基等が挙げられる。
Figure 2022044847000015

(R、R、R、Rは、上記式(1)のR、R、R、Rと同義である。)
Figure 2022044847000016
ここで、芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合するカルボキシル基が分子内脱水することにより得られる酸二無水物のことである。具体例を挙げると、下記式(X3-1)~(X3-2)で表される4価の有機基、下記式(Xr-1)~(Xr-7)で表される4価の有機基を挙げることができる。
Figure 2022044847000017

(x及びyは、それぞれ独立に、単結合、エーテル、カルボニル、エステル、炭素数1~5のアルカンジイル基、1,4-フェニレン、スルホニル又はアミド基である。j及びkは、それぞれ独立に、0又は1である。*は結合手を表す。)
Figure 2022044847000018
式(PI-A-1)中、YI1の2価の有機基の具体例としては、前記式(H)で表される部分構造を有する2価の有機基、前記式(I)で表される2価の有機基、前記式(J-1)で表される部分構造を有する2価の有機基、前記式(J-2)で表される2価の有機基の他、下記式(o-1)~(o-11)で表される2価の有機基、下記式(p-1)~(p-13)で表される2価の有機基、国際公開公報2018/117239号に記載の式(Y-1)~(Y-167)のいずれかであらわされる基等が挙げられる。
Figure 2022044847000019
Figure 2022044847000020
Figure 2022044847000021
式(PA-1)中、XA1は4価の有機基を表し、YA1は2価の有機基を表す。XA1の具体例としては、前記式(PI-A-1)のXI1で例示した構造が挙げられ、YA1の具体例としては、前記式(PI-A-1)のYI1で例示した構造が挙げられる。
式(PA-1)中、RA1は水素原子又は炭素数1~5のアルキル基であり;ZA11、ZA12はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基である。
上記RA1の炭素数1~5のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基などが挙げられる。加熱によるイミド化のしやすさの観点から、RA1は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記ZA11、ZA12の炭素数1~10のアルキル基の具体例としては、上記RA1で例示した炭素数1~5のアルキル基の具体例に加えて、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。上記ZA11、ZA12の炭素数2~10のアルケニル基の具体例としては、例えばビニル基、プロペニル基、ブチニル基等が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。上記ZA11、ZA12の炭素数2~10のアルキニル基の具体例としては、例えばエチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基等が挙げられる。
A11、ZA12は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、水酸基、シアノ基、アルコキシ基などが挙げられる。
AC残像に対して良好な耐性を発現する観点からから、重合体(A)は前記式(1)で表される繰り返し単位を、全繰り返し単位の10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上が好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。
重合体(A)が前記式(3)で表される繰り返し単位及び前記式(4)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する場合、コントラストを高める観点から、前記式(1)で表される繰り返し単位、前記式(3)で表される繰り返し単位及び前記式(4)で表される繰り返し単位の合計量が、重合体(A)の全繰り返し単位の50モル%以上含むことが好ましく、60モル%以上含むことが好ましく、70モル%以上含むことがより好ましい。また、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、前記式(1)で表される繰り返し単位と前記式(3)で表される繰り返し単位との合計と前記式(4)で表される繰り返し単位とのモル比率が、[(1)+(3)]:[(4)]=99:1~80:20であることが好ましく、95:5~80:20であることがより好ましい。
<重合体(B)>
本発明の液晶配向剤は、上記式(2)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位の60~100モル%有する重合体(B)を含有する。このような構成とすることで、本発明の液晶配向剤から得られる塗膜に対する光反応性を調整することができるため、黒表示の際の面内での明るさのバラツキが抑制された液晶表示素子が得られる。上記式(2)において、Y、R、Z21、Z22は、上記に定義した通りである。
上記Rの炭素数1~5のアルキル基の具体例としては、上記式(PA-1)のRA1で例示した構造が挙げられる。加熱によるイミド化のしやすさの観点から、Rはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記Z21、Z22の炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数2~10のアルキニル基の具体例としては、上記式(PA-1)のZA1、A2で例示した構造等が挙げられる。
21、Z22は置換基を有していてもよく、当該置換基としては、例えば上記式(PA-1)のZA1、A2で例示した構造等が挙げられる。
AC残像に対して良好な耐性を発現する観点からにおいて、Z21、Z22はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
前記式(2)のYとして、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、下記式(Y2-1)~(Y2-2)で表される2価の有機基を用いてもよい。
Figure 2022044847000022
前記重合体(B)は、上記式(2)で表される繰り返し単位以外に、下記式(PA-2)で表される繰り返し単位を有してもよい。
Figure 2022044847000023

式(PA-2)中、XA2は4価の有機基を表し、YA2は2価の有機基を表す。但し、XA2が前記式(2)で示したシクロブタン環構造に由来する4価の有機基である場合、、YA2は前記式(m)で表される2価の有機基以外の構造を表す。
A2の具体例としては、前記式(PI-A-1)のXI1で例示した構造が挙げられ、YA2の具体例としては、前記式(PI-A-1)のYI1で例示した構造が挙げられる。ZA21、ZA22はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基を表し、上記Z21、Z22で例示した構造が挙げられる。
AC残像に対して良好な耐性を発現し、黒表示の際の面内での明るさのバラツキを抑制する観点において、前記重合体(A)と前記重合体(B)との配向割合が、重合体(A)/重合体(B)の重量比で5/95~95/5であることが好ましい。再現性の高い液晶配向膜が得られる観点から、前記重合体(A)と前記重合体(B)との配向割合は、重合体(A)/重合体(B)の重量比で、10/90~90/10がより好ましく、20/80~80/20がさらに好ましい。
<重合体(C)>
本発明の液晶配向剤は、残留DC由来の残像を少なくする観点から、下記式(7)で表される繰り返し単位を有する重合体(C)を含有してもよい。
Figure 2022044847000024

(式中、Xは4価の有機基であり、Yは、2価の有機基である。但し、Xが前記式(2)で示したシクロブタン環構造に由来する4価の有機基である場合、Yは前記式(m)で表される2価の有機基以外の構造を表す。Z71、Z72は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基を表し、上記Z21、Z22で例示した構造が挙げられる。Rは水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表し、上記Rで例示した構造が挙げられる。)
前記式Xにおける4価の有機基としては、前記式(PI-A-1)のXI1で例示した構造が挙げられる。AC残像に対して良好な耐性を発現し、残留DC由来の残像を少なくする観点から、前記式(g)で表される4価の有機基、前記式(X4-1)~(X4-12)で表される4価の有機基、前記式(XI1-1)~(XI1-14)で表される4価の有機基、前記式(X3-1)~(X3-2)で表される4価の有機基であってもよい。前記式(X3-1)~(X3-2)で表される4価の有機基は、下記式(X3-3)~(X3-19)で表される構造であってもよい。
Figure 2022044847000025
Figure 2022044847000026
前記式Yにおける2価の有機基としては、前記式(PI-A-1)のYI1で例示した2価の有機基、下記式(n-1)または(n-2)で表される部分構造を有する2価の有機基、
Figure 2022044847000027

(R、Rは水素原子又はメチル基を表す。)
国際公開公報WO2017/126627に記載のピロール構造を有する2価の有機基、好ましくは下記式(pr)で表される2価の有機基
Figure 2022044847000028

(Rは水素原子、水素、フッ素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、メチル基を表し、Rはそれぞれ独立して単結合又は基「*1-R-Ph-*2」を表し、Rは単結合、-O-、-COO-、-OCO-、-(CH-、-O(CHO-、-CONH-、及び-NHCO-から選ばれる2価の有機基を表し(l、mは1~5の整数を表す)、*1は式(pr)中のベンゼン環と結合する部位を表し、*2は上記式(PA-2)中の窒素原子と結合する部位を表す。Phはフェニレン基を表す。nは1~3を表す。)、国際公開公報WO2018/092759号に記載のチオフェン又はフラン構造を有する2価の有機基、2,4-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノベンジルアルコール、2,4-ジアミノベンジルアルコール、4,6-ジアミノレゾルシノール、2,4-ジアミノ安息香酸、2,5-ジアミノ安息香酸または3,5-ジアミノ安息香酸、下記式(3b-1)~式(3b-4)で示されるジアミン化合物などのカルボキシル基を有するジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の有機基、
Figure 2022044847000029

(式(3b-1)中、Aは単結合、-CH-、-C-、-C(CH-、-CF-、-C(CF-、-O-、-CO-、-NH-、-N(CH)-、-CONH-、-NHCO-、-CHO-、-OCH-、-COO-、-OCO-、-CON(CH)-または-N(CH)CO-を示し、m1およびm2はそれぞれ独立して、0~4の整数を示し、かつm1+m2は1~4の整数を示し、式(3b-2)中、mおよびmはそれぞれ独立して、1~5の整数を示し、式(3b-3)中、Aは炭素数1~5の直鎖または分岐アルキレン基を示し、m5は1~5の整数を示し、式(3b-4)中、AおよびAはそれぞれ独立して、単結合、-CH-、-C-、-C(CH-、-CF-、-C(CF-、-O-、-CO-、-NH-、-N(CH)-、-CONH-、-NHCO-、-CHO-、-OCH-、-COO-、-OCO-、-CON(CH)-または-N(CH)CO-を示し、m6は1~4の整数を示す。)、1,4-ビス(4-アミノフェニル)-ピペラジン、4-(4-アミノフェノキシカルボニル)-1-(4-アミノフェニル)ピペリジン、4,4’-[4,4’-プロパン-1,3-ジイルビス(ピペリジン-1,4-ジイル)]ジアニリン、下記式(U-1)~(U-9)などの分子内に-NH-CO-NH-を有する2価の有機基、国際公開公報WO2018-181566号の段落[0013]~[0030]に記載の2価の有機基等が挙げられる。
Figure 2022044847000030
前記式(n-1)~(n-2)で表される部分構造を有する2価の有機基の具体例としては、例えば下記式(ND-1)、(ND-2-1)~(ND-2-3)、(ND-3)で表される構造が挙げられる。
Figure 2022044847000031

(R、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは独立して単結合、又は基「*1-R-Ph-*2」を表し、Rは単結合、-O-、-COO-、-OCO-、-(CH-、-O(CHO-、-CONH-、及び-NHCO-から選ばれる2価の有機基を表し(l、mは1~5の整数を表す)、*1は式(ND-1-2)中のベンゼン環と結合する部位を表し、*2は式(ND-1-2)中のアミノ基と結合する部位を表す。Phはフェニレン基を表す。nはそれぞれ独立して1~3を表す。)
Figure 2022044847000032
式中、R21、R22はそれぞれ、水素原子又はメチル基である。R23はそれぞれ独立して単結合又は以下の式(Ar)の構造を表し、nは1から3の整数を表す。*は結合手を表す。更に、ベンゼン環の任意の水素原子は、メチル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)などの一価の有機基で置換されていてもよい。
Figure 2022044847000033

式中、R25は、単結合、-O-、-COO-、-OCO-、-(CH-、-O(CHO-、-CONR-、及び-NRCO-から選ばれる2価の有機基を表し、kは1~5の整数を表す。なお、Rは水素もしくは炭素数1~3のアルキル基などの一価の有機基を表し、l、mは1~5の整数を表す。*1、*2は結合手を表し、*は式(ND-2-1)~式(ND-2-3)中のベンゼン環と結合する。
Figure 2022044847000034

(R61、R62は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。qは0、1または2を表す。Aは単結合又は-O-、-(CH-(nは1~4の整数)などの2価の有機基を表す。)
前記式(ND-1)の具体例としては、下記式(n1-1)~(n1-6)で表される構造が挙げられる。
Figure 2022044847000035
前記式(ND-2-1)~(ND-2-3)の具体例としては、下記式(n2-1)~(n2-6)で表される構造が挙げられる。
Figure 2022044847000036
Figure 2022044847000037
前記式(ND-3)の具体例としては、下記式(n3-1)~(n3-8)で表される構造が挙げられる。
Figure 2022044847000038
AC残像に対して良好な耐性を発現し、残留DC由来の残像が少ない観点において、Yは、前記式(n-1)または(n-2)で表される部分構造を有する2価の有機基、前記式(pr)で表される2価の有機基、2,4-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノフェノール、3,5-ジアミノベンジルアルコール、2,4-ジアミノベンジルアルコール、4,6-ジアミノレゾルシノール、2,4-ジアミノ安息香酸、2,5-ジアミノ安息香酸または3,5-ジアミノ安息香酸、前記式(3b-1)~式(3b-4)で示されるジアミン化合物などのカルボキシル基を有するジアミンから2つのアミノ基を除いた2価の有機基、前記式(U-1)~(U-9)などの分子内に-NH-CO-NH-を有する2価の有機基、前記式(p-1)~(p-13)で表される2価の有機基、1,4-ビス(4-アミノフェニル)-ピペラジン、4-(4-アミノフェノキシカルボニル)-1-(4-アミノフェニル)ピペリジン及び4,4’-[4,4’-プロパン-1,3-ジイルビス(ピペリジン-1,4-ジイル)]ジアニリンからなる群から選ばれる2価の有機基(これらを総称して特定の2価の有機基ともいう。)であってもよい。
重合体(C)は、AC残像に対して良好な耐性を発現し、残留DC由来の残像が少ない観点において、Yが前記特定の2価の有機基である繰り返し単位を重合体(C)に含まれる全繰り返し単位の1モル%以上含んでもよく、5モル%以上含んでもよい。
AC残像に対して良好な耐性を発現し、残留DC由来の残像が少ない観点において、重合体(A)及び重合体(B)の合計と重合体(C)の配向割合が、[重合体(A)+重合体(B)]/[重合体(C)]の重量比で10/90~90/10であってもよく、20/80~90/10であってもよく、20/80~80/20であってもよい。
<ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドの製造方法>
本発明に用いられるポリイミド前駆体であるポリアミック酸エステル、ポリアミック酸及びポリイミドは、例えば、国際公開公報WO2013/157586に記載されるような公知の方法で合成出来る。
<重合体の溶液粘度・分子量>
本発明に用いられるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドは、これを濃度10~15重量%の溶液としたときに、例えば10~1000mPa・sの溶液粘度を持つものが作業性の観点から好ましいが、特に限定されない。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ-ブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10~15重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
上記ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドのゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw
)は、好ましくは1,000~500,000であり、より好ましくは2,000~30
0,000である。また、Mwと、GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子
量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは15以下であり、
より好ましくは10以下である。このような分子量範囲にあることで、液晶表示素子の良
好な配向性及び安定性を確保することができる。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、重合体(A)及び重合体(B)、更に必要に応じて重合体(C)を含有する。本発明の液晶配向剤は、重合体(A)、重合体(B)、重合体(C)に加えて、その他の重合体を含有していてもよい。その他の重合体の種類としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリオルガノシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン又はその誘導体、ポリ(スチレン-フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
液晶配向剤は、液晶配向膜を作製するために用いられるものであり、均一な薄膜を形成させるという観点から、塗布液の形態をとる。本発明の液晶配向剤においても前記した重合体成分と、有機溶媒とを含有する塗布液であることが好ましい。その際、液晶配向剤中の重合体の濃度は、形成させようとする塗膜の厚みの設定によって適宜変更することができる。均一で欠陥のない塗膜を形成させるという点から、1重量%以上が好ましく、溶液の保存安定性の点からは、10重量%以下が好ましい。特に好ましい重合体の濃度は、2~8重量%である。
液晶配向剤に含有される有機溶媒は、重合体成分が均一に溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を挙げるならば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトン、1,3-ジメチル-イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド(これらを総称して「良溶媒」ともいう)などを挙げることができる。なかでも、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド又はγ-ブチロラクトンを用いることが好ましい。本発明の液晶配向剤における良溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の20~99重量%であることが好ましく、20~90重量%がより好ましく、特に好ましいのは、30~80重量%である。
また、液晶配向剤に含有される有機溶媒は、上記のような溶媒に加えて液晶配向剤を塗布する際の塗布性や塗膜の表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を併用した混合溶媒を使用することが好ましい。併用する有機溶媒の具体例を下記に挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソブチルカルビノール(2,6-ジメチル-4-ヘプタノール)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2-ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、3-エトキシブチルアセタート、1-メチルペンチルアセタート、2-エチルブチルアセタート、2-エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1-(2-ブトキシエトキシ)-2-プロパノール、2-(2-ブトキシエトキシ)-1-プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、プロピレングリコールジアセテート、酢酸n-ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸n-ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジイソブチルケトン(2,6-ジメチル-4-ヘプタノン)などを挙げることができる。
なかでも、ジイソブチルカルビノール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジイソブチルケトンを用いることが好ましい。
良溶媒と貧溶媒との好ましい溶媒の組み合わせとしては、N-メチル-2-ピロリドンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとエチレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N-エチル-2-ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンと4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンとジエチレングリコールジエチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルと2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジイソプロピルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとプロピレングリコールモノブチルエーテルと2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、N-メチル-2-ピロリドンとγ-ブチロラクトンとジプロピレングリコールジメチルエーテル、N-メチル-2-ピロリドンとプロピレングリコールモノブチルエーテルとジプロピレングリコールジメチルエーテルなどを挙げることができる。これら貧溶媒は、液晶配向剤に含まれる溶媒全体の1~80重量%が好ましく、10~80重量%がより好ましく、20~70重量%が特に好ましい。このような溶媒の種類及び含有量は、液晶配向剤の塗布装置、塗布条件、塗布環境などに応じて適宜選択される。
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び有機溶媒以外の成分(以下、添加剤成分ともいう。)を追加的に含有してもよい。このような添加剤成分としては、液晶配向膜と基板との密着性や液晶配向膜とシール材との密着性を高めるための密着助剤、液晶配向膜の強度を高めるための化合物(以下、架橋性化合物ともいう。)、液晶配向膜の誘電率や電気抵抗を調整するための誘電体や導電物質などが挙げられる。
前記架橋性化合物として、AC残像に対して良好な耐性を発現し、膜強度の改善効果が高い観点から、オキシラニル基、オキセタニル基、保護イソシアネート基、保護イソチオシアネート基、オキサゾリン環構造を含む基、メルドラム酸構造を含む基、シクロカーボネート基下記及び式(d)で表される基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物、又は下記式(e)で表される化合物から選ばれる化合物(以下、これらを総称して化合物(C)ともいう。)であってもよい。
Figure 2022044847000039

(式中、Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基又は「*-CH-OH」であり、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1~3のアルキル基又は「*-CH-OH」である。*は結合手であることを示す。Aは芳香環を有する(m+n)価の有機基を表す。mは1~6の整数を表し、nは0~4の整数を表す。)
オキシラニル基を有する化合物の具体例としては、例えば、特開平10-338880号公報の段落[0037]に記載の化合物や、国際公開公報WO2017/170483号に記載のトリアジン環を骨格にもつ化合物などの、2個以上のオキシラニル基を有する化合物が挙げられる。これらのうち、N,N,N’,N’,-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,-テトラグリシジル-4、4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、下記式(r-1)~(r-3)で表される化合物などの窒素原子を含有する化合物であってもよい。
Figure 2022044847000040
オキセタニル基を有する化合物の具体例としては、例えば、国際公開公報2011/132751号の段落[0170]~[0175]に記載の2個以上のオキセタニル基を有する化合物等が挙げられる。
保護イソシアネート基を有する化合物の具体例としては、例えば、特開2014-224978号公報の段落[0046]~[0047]に記載の2個以上の保護イソシアネート基を有する化合物、国際公開公報2015/141598号の段落[0119]~[0120]に記載の3個以上の保護イソシアネート基を有する化合物等が挙げられ、下記式(bi-1)~(bi-3)で表される化合物であってもよい。
Figure 2022044847000041
保護イソチオシアネート基を有する化合物の具体例としては、例えば、特開2016-200798号公報に記載の、2個以上の保護イソチオシアネート基を有する化合物が挙げられる。
オキサゾリン環構造を含む基を有する化合物の具体例としては、例えば、特開2007-286597号公報の段落[0115]に記載の、2個以上のオキサゾリン構造を含む化合物が挙げられる。
メルドラム酸構造を含む基を有する化合物の具体例としては、例えば国際公開公報WO2012/091088号に記載の、メルドラム酸構造を2個以上有する化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する化合物の具体例としては、例えば、国際公開公報WO2011/155577号に記載の化合物が挙げられる。
前記式(d)で表される基のR、R、Rの炭素数1~3のアルキル基としては、上記式(l)、(n)で例示した基が挙げられる。
前記式(d)で表される基を有する化合物の具体例としては、例えば、国際公開公報WO2015/072554号や、特開2016-118753号公報の段落[0058]に記載の、前記式(d)で表される基を2個以上有する化合物、特開2016-200798号公報に記載の化合物等が挙げられ、下記式(hd-1)~(hd-8)で表される化合物であってもよい。
Figure 2022044847000042
前記式(e)のAにおける芳香環を有する(m+n)価の有機基としては、炭素数5~30の(m+n)価の芳香族炭化水素基、炭素数5~30の芳香族炭化水素基が直接又は連結基を介して結合した(m+n)価の有機基、芳香族複素環を有する(m+n)価の基が挙げられる。前記芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、ナフタレンなどが挙げられる。芳香族複素環としては、例えばピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、ピリダジン環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドール環、キノキサリン環、アクリジン環などが挙げられる。前記連結基としては、炭素数1~10のアルキレン基、又は前記アルキレン基から水素原子を一つ除いた基、2価又は3価のシクロヘキサン環等が挙げられる。尚、前記アルキレン基の任意の水素原子は、フッ素原子又はトリフルオロメチル基などの有機基で置換されてもよい。具体例を挙げるならば、国際公開公報WO2010/074269号に記載の化合物等が挙げられ、下記式(e-1)~(e-10)で表される化合物であってもよい。
Figure 2022044847000043
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、国際公開公報2015/060357号の53頁[0105]~55頁[0116]に開示されている上記以外の成分などが挙げられる。また、本発明の液晶配向剤に含有される架橋性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向剤における、架橋性化合物の含有量は、液晶配向剤に含まれる重合体成分100重量部に対して、0.5~20重量部であることが好ましく、架橋反応が進行し、かつAC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、より好ましくは1~15重量部である。
前記密着助剤としては、例えば3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジエトキシメチルシラン、2-アミノプロピルトリメトキシシラン、2-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-エトキシカルボニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N-トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10-トリメトキシシリル-1,4,7-トリアザデカン、10-トリエトキシシリル-1,4,7-トリアザデカン、9-トリメトキシシリル-3,6-ジアザノニルアセテート、9-トリエトキシシリル-3,6-ジアザノニルアセテート、N-ベンジル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ベンジル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-ビス(オキシエチレン)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-ビス(オキシエチレン)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤を使用する場合は、AC残像に対して良好な耐性を発現する観点から、液晶配向剤に含まれる重合体成分100重量部に対して0.1~30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1~20重量部である。
<液晶配向膜の製造方法>
本発明の液晶配向剤を用いた液晶配向膜の製造方法は、上記の液晶配向剤を塗布する工程(工程(1))、塗布した液晶配向剤を焼成する工程(工程(2))、工程(2)で得られた膜に偏光された紫外線を照射する工程(工程(3))、工程(3)で得られた膜を、100℃以上、且つ、工程(2)よりも高い温度で焼成する工程(工程(4)を順次行うことを特徴とする。
<工程(1)>
本発明に用いられる液晶配向剤を塗布する基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、窒化珪素基板とともに、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板等を用いることもできる。その際、液晶を駆動させるためのITO電極などが形成された基板を用いると、プロセスの簡素化の点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハーなどの不透明な物でも使用でき、この場合の電極にはアルミニウムなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷又はインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法又はスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
<工程(2)>
工程(2)は、基板上に塗布した液晶配向剤を焼成し、膜を形成する工程である。液晶配向剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、溶媒を蒸発させたり、重合体中のアミック酸又はアミック酸エステルの熱イミド化を行ったりすることができる。本発明の液晶配向剤を塗布した後の乾燥、焼成工程は、任意の温度と時間を選択することができ、複数回行ってもよい。液晶配向剤の有機溶媒を除去する温度としては、例えば40~150℃の温度範囲で行うことができる。プロセスを短縮する観点で、40~120℃で行ってもよい。焼成時間としては特に限定されないが、1~10分又は、1~5分の焼成時間が挙げられる。重合体中のアミック酸又はアミック酸エステルの熱イミド化を行う場合には、上記有機溶媒を除去する工程の後、例えば190~250℃、又は200~240℃の温度範囲で焼成する工程ができる。焼成時間としては特に限定されないが、5~40分、又は、5~30分の焼成時間が挙げられる。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(2)で得られた膜に偏光された紫外線を照射する工程である。紫外線としては、200~400nmの波長を有する紫外線を用いることが好ましく、なかでも、好ましくは200~300nmの波長を有する紫外線がより好ましい。液晶配向性を改善するために、液晶配向膜が塗膜された基板を50~250℃で加熱しながら、紫外線を照射してもよい。また、前記放射線の照射量は、1~10,000mJ/cmが好ましい。なかでも、100~5,000mJ/cmが好ましい。このようにして作製した液晶配向膜は、液晶分子を一定の方向に安定して配向させることができる。
偏光された紫外線の消光比が高いほど、より高い異方性が付与できるため、好ましい。具体的には、直線に偏光された紫外線の消光比は、10:1以上が好ましく、20:1以上がより好ましい。
<工程(4)>
工程(4)は、工程(3)で得られた膜を、100℃以上、且つ、工程(2)よりも高い温度で焼成する工程である。焼成温度は、100℃以上、且つ、工程(2)での焼成温度よりも高ければ、特に限定されないが、150~300℃が好ましく、150~250℃がより好ましく、200~250℃がさらに好ましい。焼成時間は、5~120分が好ましく、より好ましくは5~60分、更に好ましくは、5~30分である。
焼成後の液晶配向膜の厚みは、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、5~300nmが好ましく、10~200nmがより好ましい。
更に、前記工程(3)又は(4)のいずれかの工程を行った後、得られた液晶配向膜を、水や溶媒を用いて、接触処理をすることもできる。
上記接触処理に使用する溶媒としては、紫外線の照射によって液晶配向膜から生成した分解物を溶解する溶媒であれば、特に限定されるものではない。具体例としては、水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル、乳酸メチル、ジアセトンアルコール、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル又は酢酸シクロヘキシルなどが挙げられる。なかでも、汎用性や溶媒の安全性の点から、水、2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール又は乳酸エチルが好ましい。より好ましいのは、水、1-メトキシ-2-プロパノール又は乳酸エチルである。溶媒は、1種類でも、2種類以上組み合わせてもよい。
上記の接触処理、すなわち、偏光された紫外線を照射した液晶配向膜に水や溶媒を処理としては、浸漬処理や噴霧処理(スプレー処理ともいう)が挙げられる。これらの処理における処理時間は、紫外線によって液晶配向膜から生成した分解物を効率的に溶解させる点から、10秒~1時間であることが好ましい。なかでも、1分~30分間浸漬処理をすることが好ましい。また、前記接触処理時の溶媒は、常温でも加温しても良いが、好ましくは、10~80℃である。なかでも、20~50℃が好ましい。加えて、分解物の溶解性の点から、必要に応じて、超音波処理などを行っても良い。
前記接触処理の後に、水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、アセトン又はメチルエチルケトンなどの低沸点溶媒によるすすぎ(リンスともいう)や液晶配向膜の焼成を行うことが好ましい。その際、リンスと焼成のどちらか一方を行っても、又は、両方を行っても良い。焼成の温度は、150~300℃であることが好ましい。なかでも、180~250℃が好ましい。より好ましいのは、200~230℃である。また、焼成の時間は、10秒~30分が好ましい。なかでも、1~10分が好ましい。
本発明の液晶配向膜は、IPS方式やFFS方式などの横電界方式の液晶表示素子の液晶配向膜として好適であり、特に、FFS方式の液晶表示素子の液晶配向膜として有用である。液晶表示素子は、本発明の液晶配向剤から得られる液晶配向膜付きの基板を得た後、既知の方法で液晶セルを作製し、該液晶セルを使用して得られる。
液晶セルの作製方法の一例として、パッシブマトリクス構造の液晶表示素子を例にとり説明する。なお、画像表示を構成する各画素部分にTFT(Thin Film Transistor)などのスイッチング素子が設けられたアクティブマトリクス構造の液晶表示素子であってもよい。
具体的には、透明なガラス製の基板を準備し、一方の基板の上にコモン電極を、他方の基板の上にセグメント電極を設ける。これらの電極は、例えばITO電極とすることができ、所望の画像表示ができるようパターニングされている。次いで、各基板の上に、コモン電極とセグメント電極を被覆するようにして絶縁膜を設ける。絶縁膜は、例えば、ゾル-ゲル法によって形成されたSiO-TiOの膜とすることができる。
次に、各基板の上に液晶配向膜を形成し、一方の基板に他方の基板を互いの液晶配向膜面が対向するようにして重ね合わせ、周辺をシール剤で接着する。シール剤には、基板間隙を制御するために、通常、スペーサーを混入しておき、また、シール剤を設けない面内部分にも、基板間隙制御用のスペーサーを散布しておくことが好ましい。シール剤の一部には、外部から液晶を充填可能な開口部を設けておく。次いで、シール剤に設けた開口部を通じて、2枚の基板とシール剤で包囲された空間内に液晶材料を注入し、その後、この開口部を接着剤で封止する。注入には、真空注入法を用いてもよいし、大気中で毛細管現象を利用した方法を用いてもよい。液晶材料は、ポジ型液晶材料やネガ型液晶材料のいずれを用いてもよい。次に、偏光板の設置を行う。具体的には、2枚の基板の液晶層とは反対側の面に一対の偏光板を貼り付ける。
上記のようにして、本発明の製造方法を用いることで、IPS駆動方式やFFS駆動方式の液晶表示素子において発生する長期交流駆動による残像が抑制出来る。また、工程(2)において、40~150℃の温度範囲で有機溶媒を除去した後、工程(3)を実施することで、従来よりも少ない工程数で液晶配向膜を得ることができる。本発明の液晶配向剤は、工程(2)において、40~150℃の温度範囲で有機溶媒を除去した後、工程(3)を実施する工程を含む液晶配向膜の製造方法において特に好ましく用いることができる。
上記のようにして、本発明の液晶配向剤を用いることで、AC残像に対して良好な耐性を発現し、黒表示の際の面内での明るさのバラツキを抑制し、コントラストを向上した液晶表示素子を得ることができ、良好な表示品位を有する液晶表示素子が得られる。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下における化合物の略号及び各特性の測定方法は、次のとおりである。
(溶媒)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
GBL:γ―ブチロラクトン、
BCS:ブチルセロソルブ、
(ジアミン)
DA-1:下記式(DA-1)で表される化合物、
DA-2:下記式(DA-2)で表される化合物、
DA-3:下記式(DA-3)で表される化合物、
DA-4:下記式(DA-4)で表される化合物、
DA-5:下記式(DA-5)で表される化合物、
DA-6:下記式(DA-6)で表される化合物
DA-7:下記式(DA-7)で表される化合物、
DA-8:下記式(DA-8)で表される化合物、
(テトラカルボン酸二無水物)
CA-1:下記式(CA-1)で表される化合物
CA-2:下記式(CA-2)で表される化合物、
CA-3:下記式(CA-3)で表される化合物、
CA-4:下記式(CA-4)で表される化合物
(添加剤)
P-1:下記式(P-1)で表される化合物
S-1:下記式(S-1)で表される化合物
Figure 2022044847000044

基「Boc」はtert-ブトキシカルボニル基を表す。
Figure 2022044847000045
Figure 2022044847000046
<粘度>
溶液の粘度は、E型粘度計TVE-22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE-1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
<イミド化率の測定>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6,0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW-ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm~10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1-α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
[重合体の合成例]
<合成例1>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコに、DA-1を4.89g(0.020mol)、DA-2を3.00g(0.024mol)、DA-3を4.61g(0.020mol)及びDA-5を5.46g(0.016mol)を取り、NMPを197g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA-1を14.2g(0.063mol)、CA-2を3.00g(0.012mol)添加し、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(A-1)(粘度:425mPa・s)を得た。
<合成例2>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの5Lセパラブルフラスコに、DA-1を158.8g(0.65mol)、DA-2を21.1g(0.20mol)、DA-8を62.5g(0.20mol)及びDA-5を88.8g(0.26mol)を取り、NMPを4046g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA-1を243g(1.08mol)、CA-2を32.5g(0.13mol)添加し、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(A-2)(粘度:520mPa・s)を得た。
<合成例3>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの5Lセパラブルフラスコに、DA-1を177.1g(0.72mol)、DA-2を23.5g(0.21mol)、DA-8を69.7g(0.22mol)及びDA-5を99.0g(0.29mol)を取り、NMPを4545g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA-1を258g(1.15mol)、CA-2を54.4g(0.22mol)添加し、40℃で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(A-3)(粘度:450mPa・s)を得た。
<合成例4>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの1Lセパラブルフラスコに、DA-6を52.6g(0.264mol)、及びDA-7を13.1g(0.066mol)を取り、NMPを481.7g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながらCA-2を41.3g(0.165mol)とNMPを124.5g添加し、50℃で4時間反応させた。その後、CA-4を45.1g(0.153mol)とNMPを255.8g添加し、70℃で24時間撹拌して15wt%のポリアミック酸溶液(C-1)(粘度:895mPa・s)を得た。
<合成例5>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mLセパラブルフラスコに、DA-1を7.32g(0.030mol)を取り、NMPを66.0g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、CA-3を5.18g(0.0264mol)及びNMPを30.0g添加し、室温で2時間撹拌して12wt%のポリアミック酸溶液(B-1)(粘度:98mPa・s)を得た。
<合成例6>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコに得られたポリアミック酸溶液(A-1)を100g取り、NMPを50g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を16.78g、ピリジンを5.20g加えて、50℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を600mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、同様の操作を2回実施することで樹脂粉末を洗浄した後、60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は71%であった。得られたポリイミド樹脂粉末3.60gを100ml三角フラスコに取り、固形分濃度が12%になるようにNMPを26.4g加え、70℃で24時間撹拌し溶解させてポリイミド溶液(A-1-PI)を得た。
<合成例7>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコに得られたポリアミック酸溶液(A-2)を100g取り、NMPを50g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を13.1g、ピリジンを5.1g加えて、50℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を600mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、同様の操作を2回実施することで樹脂粉末を洗浄した後、60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は70%であった。得られたポリイミド樹脂粉末3.60gを100ml三角フラスコに取り、固形分濃度が12%になるようにNMPを26.4g加え、70℃で24時間撹拌し溶解させてポリイミド溶液(A-2-PI)を得た。
<合成例8>
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの300mL四つ口フラスコに得られたポリアミック酸溶液(A-3)を100g取り、NMPを50g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を16.2g、ピリジンを5.0g加えて、50℃で3時間加熱し、化学イミド化を行った。得られた反応液を600mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、同様の操作を2回実施することで樹脂粉末を洗浄した後、60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は62%であった。得られたポリイミド樹脂粉末3.60gを100ml三角フラスコに取り、固形分濃度が12%になるようにNMPを26.4g加え、70℃で24時間撹拌し溶解させてポリイミド溶液(A-3-PI)を得た。
Figure 2022044847000047

表1中、括弧内の数値は、テトラカルボン酸成分については、合成に使用したテトラカルボン酸誘導体の合計量100モル部に対する各化合物の配合割合(モル部)を表し、ジアミン酸成分については、合成に使用したジアミンの合計量100モル部に対する各化合物の配合割合(モル部)を表す。有機溶媒については、合成に使用した有機溶媒の合計量100重量部に対する各有機溶媒の配合割合(重量部)を表す。
[液晶配向剤の調製]
<比較例1>
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、ポリアミック酸溶液(B-1)を4.00g、ポリアミック酸溶液(C-1)を4.80g取り、NMPを0.84g、GBLを4.80g、BCSを4.00g、S-1を1重量%含むGBL溶液を1.20g、及びP-1を10重量%含むNMP溶液を0.36g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(R1)を得た。
<比較例2>
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、ポリイミド溶液(A-1-PI)を3.67g、ポリアミック酸溶液(C-1)を5.50g取り、NMPを0.50g、GBLを4.90g、BCSを4.00g、S-1を1重量%含むGBL溶液を1.10g、及びP-1を10重量%含むNMP溶液を0.33g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(R2)を得た。
<実施例1>
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、ポリイミド溶液(A-1-PI)を3.67g、ポリアミック酸溶液(B-1)を5.50g取り、NMPを0.50g、GBLを4.90g、BCSを4.00g、S-1を1重量%含むGBL溶液を1.10g、及びP-1を10重量%含むNMP溶液を0.33g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(1)を得た。
<実施例2>
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、ポリイミド溶液(A-1-PI)を3.00g、ポリアミック酸溶液(C-1)を4.80g、ポリアミック酸溶液(B-1)を1.00g取り、NMPを0.84g、GBLを4.80g、BCSを4.00g、S-1を1重量%含むGBL溶液を1.20g、及びP-1を10重量%含むNMP溶液を0.36g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(2)を得た。
<実施例3>
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、ポリイミド溶液(A-2-PI)を3.00g、ポリアミック酸溶液(C-1)を4.80g、ポリアミック酸溶液(B-1)を1.00g取り、NMPを0.84g、GBLを4.80g、BCSを4.00g、S-1を1重量%含むGBL溶液を1.20g、及びP-1を10重量%含むNMP溶液を0.36g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(3)を得た。
<実施例4>
撹拌子を入れた20mlサンプル管に、ポリイミド溶液(A-3-PI)を3.00g、ポリアミック酸溶液(C-1)を4.80g、ポリアミック酸溶液(B-1)を1.00g取り、NMPを0.84g、GBLを4.80g、BCSを4.00g、S-1を1重量%含むGBL溶液を1.20g、及びP-1を10重量%含むNMP溶液を0.36g加えてマグネチックスターラーで30分間撹拌し液晶配向剤(4)を得た。
Figure 2022044847000048

表2中、括弧内の数値は、重合体及び添加剤についてはそれぞれ液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100重量部に対する各重合体成分又は添加剤の配合割合(重量部)を表す。有機溶媒については、液晶配向剤の調製に使用した有機溶媒の合計量100重量部に対する各有機溶媒の配合割合(重量部)を表す。
<液晶表示素子の作製>
初めに電極付きの基板を準備した。基板は、30mm×35mmの大きさで、厚さが0.7mmのガラス基板である。基板上には第1層目として対向電極を構成する、ベタ状のパターンを備えたIZO電極が形成されている。第1層目の対向電極の上には第2層目として、CVD法により成膜されたSiN(窒化珪素)膜が形成されている。第2層目のSiN膜の膜厚は500nmであり、層間絶縁膜として機能する。第2層目のSiN膜の上には、第3層目としてIZO膜をパターニングして形成された櫛歯状の画素電極が配置され、第1画素および第2画素の2つの画素を形成している。各画素のサイズは、縦10mmで横約5mmである。このとき、第1層目の対向電極と第3層目の画素電極とは、第2層目のSiN膜の作用により電気的に絶縁されている。
第3層目の画素電極は、中央部分が屈曲したくの字形状の電極要素を複数配列して構成された櫛歯状の形状を有する。各電極要素の短手方向の幅は3μmであり、電極要素間の間隔は6μmである。各画素を形成する画素電極が、中央部分の屈曲したくの字形状の電極要素を複数配列して構成されているため、各画素の形状は長方形状ではなく、電極要素と同様に中央部分で屈曲する、太字のくの字に似た形状を備える。そして、各画素は、その中央の屈曲部分を境にして上下に分割され、屈曲部分の上側の第1領域と下側の第2領域を有する。
各画素の第1領域と第2領域とを比較すると、それらを構成する画素電極の電極要素の形成方向が異なるものとなっている。すなわち、後述する液晶配向膜のラビング方向を基準とした場合、画素の第1領域では画素電極の電極要素が+10°の角度(時計回り)をなすように形成され、画素の第2領域では画素電極の電極要素が-10°の角度(時計回り)をなすように形成されている。すなわち、各画素の第1領域と第2領域とでは、画素電極と対向電極との間の電圧印加によって誘起される液晶の、基板面内での回転動作(インプレーン・スイッチング)の方向が互いに逆方向となるように構成されている。
上記一組のガラス基板それぞれの表面に、1.0μmのフィルターで濾過した液晶配向剤をスピンコート塗布にて塗布し80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。その後、塗膜面に偏光板を介して消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を所定量照射し、次いで230℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜付き基板を得た。
次に、上記一組の液晶配向膜付きガラス基板の一方にシール剤を印刷し、もう一方の基板を液晶配向膜面が向き合うように貼り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC-3019(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、FFS駆動液晶表示素子を得た。その後、得られた液晶セルを120℃で1時間加熱し、一晩放置してから残像特性の評価を実施した。
<コントラストの面内均一性>
(株)シンテック製OPTIPRO-microを用いて液晶表示素子のツイスト角の評価を行った。作製した液晶セルを測定ステージに設置し、電圧無印加の状態で、第1画素面内を20点測定して標準偏差を算出した。評価は、ツイスト角標準偏差が0.3以上の場合に「不良」とし、0.3未満の場合に「良好」と定義して評価を行った。
<液晶配向の安定性評価>
上記評価で使用した液晶表示素子を用い、60℃の恒温環境下、周波数30Hzで10VP-Pの交流電圧を168時間印加した。その後、液晶表示素子の画素電極と対向電極との間を短絡させた状態にし、そのまま室温に一日放置した。
次に、液晶表示素子を偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶表示素子の配置角度を調整した。そして、第1画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶表示素子を回転させたときの回転角度を角度Δとして算出した。第2画素でも同様に、第2領域と第1領域とを比較し、同様の角度Δを算出した。そして、第1画素と第2画素の角度Δ値の平均値を液晶表示素子の角度Δとして算出した。この液晶表示素子の角度Δの値が0.1度を越える場合には、「不良」と定義し評価した。この液晶表示素子の角度Δの値が0.1度を越えない場合には、「良好」と定義し評価した。
<蓄積電荷の緩和特性の評価>
以下の光学系等を用いて残像の評価を行った。作製した液晶表示素子を偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でLEDバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように、液晶表示素子の配置角度を調整した。
次に、この液晶表示素子に周波数30Hzの交流電圧を印加しながらV-Tカーブ(電圧-透過率曲線)を測定し、相対透過率が23%となる交流電圧を駆動電圧として算出した。
残像評価では、相対透過率が23%となる周波数30Hzの交流電圧を印加して液晶表示素子を駆動させながら、同時に1Vの直流電圧を印加し、40分間駆動させた。その後、印加直流電圧値を0Vにして直流電圧の印加のみを停止し、その状態でさらに15分駆動した。
評価は、直流電圧の印加を開始した時点から40分間が経過するまでに、相対透過率が25%以下に低下した場合に、「良好」と定義して評価を行った。相対透過率が25%以下に低下するまでに40分間以上を要した場合には、「可」と定義して評価した。
そして、上述した方法に従う残像評価は、液晶セルの温度が23℃の状態の温度条件下で行った。
Figure 2022044847000049
以上のように、本発明の液晶配向膜は、コントラストの面内均一性、液晶配向の安定性評価のいずれにおいても良好な結果を示した。また、実施例1と実施例2との比較から、重合体(C)成分を含有した液晶配向剤は、コントラストの面内均一性、液晶配向の安定性評価及び蓄積電荷の緩和特性において優れた結果を示した。
本発明の液晶配向剤は、IPS駆動方式やFFS駆動方式などの広範な液晶表示素子における液晶配向膜の形成に有用である。

Claims (18)

  1. 下記の(A)成分及び(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向剤。
    (A)成分:下記式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体(A)。
    (B)成分:下記式(2)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位の60~100モル%含む重合体(B)。
    Figure 2022044847000050

    (式中、RからRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数2~6のアルケニル基、炭素数2~6のアルキニル基、フッ素原子を含有する炭素数1~6の1価の有機基、又はフェニル基であり、同一でも異なってよいが、RからRの少なくとも一つは上記定義中の水素原子以外の基を表す。Yは下記式(H)で表される部分構造を有する2価の有機基を表す。)
    Figure 2022044847000051

    (Qは-(CH-で表される構造であり(ただし、nは2~20の整数であり、任意の-CH-はそれぞれ隣り合わない条件で-O-に置き換えられてもよい。)、2つのベンゼン環上の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。*は結合手を表す。)
    Figure 2022044847000052

    (式中、Yは下記式(m)で表される2価の有機基であり、*は結合手を表し;R2は水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基であり;Z21、Z22はそれぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基である。)
    Figure 2022044847000053
  2. 前記式(1)のYが、下記式(H-1)~(H-7)で表される部分構造を有する2価の有機基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000054
  3. 前記式(1)のYが、下記式(h-1)~(h-8)で表される2価の有機基である、請求項1~2のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000055
  4. 前記重合体(A)において、上記式(1)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位の10モル%以上含有する、請求項1~3のいずれかに記載の液晶配向剤。
  5. 前記重合体(A)が、下記式(3)で表される繰り返し単位及び下記式(4)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000056

    (式中、R31からR34はそれぞれ前記式(1)のRからRと同義であり、Xは5員環以上の脂環構造を有する4価の有機基を表す。Yは下記式(I)で表される2価の有機基を表し、Yは前記式(1)のYと同義であるか、下記式(I)で表される2価の有機基を表す。)
    Figure 2022044847000057

    (Rは単結合又は酸素原子を表し、nは0~2を表す。ベンゼン環上の任意の水素原子は1価の有機基で置き換えられてもよい。)
  6. 前記式(I)で表される2価の有機基が、下記式(I-1)~(I-3)で表される2価の有機基である、請求項5に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000058

    (*は結合手を表す。)
  7. 前記重合体(A)において、上記式(1)で表される繰り返し単位及び上記式(3)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位の20モル%以上含有する、請求項5~6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  8. 前記重合体(A)が、下記式(5)で表される繰り返し単位及び下記式(6)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000059

    (式中、R51からR54はそれぞれ前記式(1)のRからRと同義であり、Y、Yは下記式(J-1)で表される部分構造を有する2価の基、又は下記式(J-2)で表される2価の有機基を表す。Xは前記式(4)のXと同義である。)
    Figure 2022044847000060

    (式中、Qは単結合、-(CH-(nは1~20の整数である)、又は-(CH-の任意の-CH-がそれぞれ隣り合わない条件で-O-、-COO-、-OCO-、-NQ-、-NQCO-、-CONQ-、-NQCONQ-、-NQCOO-、-OCOO-に置き換えられる基であり、Qは水素原子又は1価の有機基を表し;
    、Qはそれぞれ独立して-H、-NHDを有する基、-N(D)を有する基を表す。Qは-NHDを有する基、-N(D)を有する基を表す。Dはカルバメート系保護基を表す。但し、Q、Q及びQの少なくとも一つは基中にカルバメート系保護基を有する。*1は結合手を表す。)、
  9. 前記式(J-1)で表される部分構造が、下記式(J-1-a)~(J-1-d)で表される部分構造である、請求項8に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000061
  10. 前記重合体(A)と前記重合体(B)との配向割合が、重合体(A)/重合体(B)の重量比で5/95~95/5である、請求項1~9のいずれか1項に記載の液晶配向剤。
  11. 前記液晶配向剤が、下記式(7)で表される繰り返し単位を有する重合体(C)を含有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    Figure 2022044847000062

    (式中、Xは4価の有機基であり、Yは2価の有機基である。但し、Xが前記式(2)で示したシクロブタン環構造に由来する4価の有機基である場合、Yは前記式(m)で表される2価の有機基以外の構造を表す。Z71、Z72は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、tert-ブトキシカルボニル基、又は9-フルオレニルメトキシカルボニル基である。Rは水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表す。)
  12. 前記重合体(A)、前記重合体(B)及び重合体(C)の配向割合が、[重合体(A)+重合体(B)]/[重合体(C)]の重量比で10/90~90/10である、請求項11に記載の液晶配向剤。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の液晶配向剤から得られる液晶配向膜。
  14. 請求項13に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
  15. 下記の工程(1)~(3)を含む、液晶配向膜の製造方法。
    工程(1):請求項1~12のいずれか一項に記載の液晶配向剤を基板上に塗布する工程。
    工程(2):塗布した液晶配向剤を加熱して膜を得る工程。
    工程(3):工程(2)で得られた膜に偏光された紫外線を照射する工程。
  16. 下記の工程(4)をさらに含む、請求項15に記載の液晶配向膜の製造方法。
    工程(4):工程(3)で得られた膜を、100℃以上、且つ、工程(2)よりも高い温度で焼成する工程。
  17. 前記工程(2)は、40~180℃の温度範囲で加熱して膜を得る工程である、請求項15~16のいずれか一項に記載の液晶配向膜の製造方法。
  18. 請求項15~17のいずれか一項に記載の製造方法で製造された液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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