JP2022044391A - 離解方法及び離解システム - Google Patents

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Abstract

【課題】古紙などの製紙原料に含まれるインクなどの油分を十分に除去し得る離解方法及び離解システムを提供する。【解決手段】製紙原料を離解処理する離解工程を含む離解方法であって、前記離解工程が、前記製紙原料に個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を接触させる接触工程を有し、前記微細気泡含有水が、水に気体を流入させて得られることを特徴とする、離解方法により、課題を解決する。【選択図】図1

Description

本開示は、油分を含有する古紙などに対する離解方法及び離解システムに関する。
古紙からパルプを製造する工程においては、通常、離解工程、脱墨工程及び脱水工程が含まれる。このうち、離解工程では離解装置によって原料古紙を水中に離解し、脱墨工程ではインクなどの古紙に含有される油分を脱油剤などの薬品で除去し、脱水工程ではろ液が分けられてパルプが作られる。通常、これらの工程は、まず離解工程があり、次に脱墨工程、その後脱水工程の順で行われる。
このような従来の工程では、脱墨工程において薬品を用いることが一般的である。
また、離解工程に関し、例えば、特許文献1では、キャビテーションによって生成され
た微細気泡を接触させることで、崩壊衝撃力により古紙を離解する手段が記載されており、その際、パルプ繊維からインクを剥離しうることが開示されている。
特開2006-257630号公報 特開2019-107582号公報
従来の工程では、脱墨工程において薬品を必要とするため、薬品を使用するコストがかかり、脱水工程を経たろ液を処理する過程において負担がかかるなど課題がある。
また、特許文献1では、インクを含めた油分の除去効率は開示されていない。さらに、
特許文献1では気体の導入を行わずキャビテーションによって気泡を発生させるため、低圧によって発生した気泡は圧力が回復することで崩壊する。そのため、これによって生じた気泡はすぐに消滅し、インクの十分な除去手段としては不十分な可能性がある。
本開示は、古紙などの製紙原料に含まれるインクなどの油分を十分に除去し得る離解方法及び離解システムを提供する。
本開示は、以下の離解方法及び離解システムに関する。
[1] 製紙原料を離解処理する離解工程を含む離解方法であって、
該離解工程が、該製紙原料に個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を接触させる接触工程を有し、
該微細気泡含有水が、水に気体を流入させて得られることを特徴とする、離解方法
[2] 前記製紙原料が油分含有古紙である、[1]に記載の離解方法。
[3] 前記離解工程が、前記微細気泡含有水を、微細気泡発生装置で生成する工程を含む、[1]又は[2]に記載の離解方法。
[4] 前記微細気泡発生装置が、旋回流式の微細気泡発生装置又はエジェクター式の微細気泡発生装置である、[3]に記載の離解方法。
[5] 前記接触工程において、前記製紙原料と前記微細気泡含有水との接触時間が1分以上である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の離解方法。
[6] 前記接触工程において、前記製紙原料及び前記微細気泡含有水を混合して、離解処理を行う、[1]~[5]のいずれか一項に記載の離解方法。
[7] 前記製紙原料からパルプを製造するパルプの製造方法であって、
該パルプの製造方法が、[1]~[6]のいずれか一項に記載の離解方法を含む、方法

[8] 前記パルプの製造方法が、前記離解工程後の脱墨工程を含まない、[7]に記載のパルプの製造方法。
[9] 脱油剤を実質的に使用しない、[7]又は[8]に記載のパルプの製造方法。
[10] 製紙原料を離解処理する離解槽を備える離解システムであって、
該離解システムは、水に気体を流入させて個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置を備え、
該離解システムは、該離解槽において該微細気泡含有水と該製紙原料とを接触させて離解処理を行うことを特徴とする、離解システム。
本開示によれば、古紙などの製紙原料に含まれるインクなどの油分を十分に除去し得る離解方法及び離解システムを提供できる。
微細気泡含有水を用いる離解システムの、実施形態の例
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本開示は課題解決のために、個数平均径100μm以下の微細気泡を接触させることで、油分を含有する古紙などの製紙原料から油分を十分に除去できる離解方法及び離解システムを提供する。
すなわち、本開示の離解方法は、製紙原料を離解処理する離解工程を含む離解方法であって、
該離解工程が、該製紙原料に個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を接触させる接触工程を有し、
該微細気泡含有水が、水に気体を流入させて得られることを特徴とする、離解方法である。
通常、古紙などの製紙原料からパルプを製造する工程においては、離解工程、脱墨工程及び脱水工程が含まれる。また、これらの工程は、まず離解工程があり、次に脱墨工程、その後脱水工程の順で行われることが多い。
上記離解方法に係る離解工程では、製紙原料に、水に気体を流入させて得られた、個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を接触させる接触工程を有する。これにより、製紙原料中の油分を十分に除去することができる。この時、接触させる時間は、好ましくは10秒以上であり、より好ましくは30秒以上であり、さらに好ましくは1分以上であり、さらにより好ましくは10分以上である。上限は、特に制限されないが、好ましくは200分以下であり、より好ましくは100分以下であり、さらに好ましくは50分以下である。
製紙原料中の油分には、例えば、インクが含まれていてもよい。また、製紙原料として、例えば、古紙を用いることができる。古紙としては、具体的には、古新聞、古雑誌、古金属合紙などが挙げられる。古紙は、油分を含有していてもよく、油分としてインクを含有していてもよい。製紙原料は、好ましくは油分含有古紙である。すなわち、上記離解方法では一例として、油分含有古紙中の、インクを含む油分を十分に除去できる離解方法を含むが、この例に限定されるものではない。
離解工程では、製紙原料を離解装置によって攪拌し、水中に離解する、離解処理が行われる。離解処理によって、パルプ繊維を含んだ懸濁液が得られる。パルプを製造する工程で用いられる水は、白水と呼ばれる。したがって、離解工程では、製紙原料を白水中に離解すると言い換えることもできる。離解工程において、製紙原料に個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を接触させる接触工程を有する。
また、離解工程では、白水などの水に気体を流入させて得られた微細気泡含有水を用いることができる。
製紙原料に、微細気泡含有水を接触させる手段は、例えば、離解処理における白水として微細気泡含有水を用いる方法が挙げられる。好ましくは、接触工程において微細気泡含有水及び製紙原料を混合して、離解処理する。製紙原料に対して離解に必要な機械的衝撃力を与えることのできる撹拌装置などを備えた離解槽において、微細気泡含有水を用いて製紙原料の離解処理を行えばよい。
離解処理に用いる離解槽は、特に制限されず、公知のものを使用しうる。
個数平均径100μm以下の微細気泡は、浮力が小さく長期間水中にとどまる性質を持つ。そのため、離解処理時の攪拌中も微細気泡が水中にとどまる。また、個数平均径100μm以下の微細気泡には、表面張力などにより、気泡表面に油分が集まる性質がある。これにより、該気泡が液中のパルプに付着し、パルプ表面の油分を吸着し剥離するため、油分の除去が可能となると考えられる。
微細気泡含有水は、水に気体を流入させることで得られる。例えば、離解槽の外部で微細気泡含有水を生成して離解槽に導入してもよいし、離解槽内の白水に気体を流入させて、離解槽内で微細気泡含有水を生成してもよい。この時、離解工程は、微細気泡含有水を、微細気泡発生装置で生成する工程を含むことが好ましい。水に気体を流入させて微細気泡含有水を生成することで、超音波振動等によるキャビテーションのみで気体を流入させずに微細気泡含有水を生成するよりも、微細気泡含有水中の微細気泡数が多くなり、より長期間の維持も可能となる。これにより、製紙原料中の油分を十分に除去できる。さらに、離解工程以降の工程においても、前記微細気泡含有水中の微細気泡が維持されることが期待できる。
微細気泡含有水は、水に気体を流入させることを満たすならば、特に制限されず、任意の手段で生成できる。例えば、微細気泡発生装置を用いて生成してもよい。流入させる気体の流量は、処理流量に対し1分間あたり好ましくは1体積%以上、より好ましくは2体積%以上である。上限は特に制限されないが、処理流量に対し1分間あたり好ましくは10体積%以下、より好ましくは7.5体積%以下である。
また、流入させる気体としては、特に限定されないが、例えば空気、窒素、酸素などが挙げられる。
微細気泡発生装置は、水に気体を流入させて個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置である。例えば、旋回流式の微細気泡発生装置、エジェクター式の微細気泡発生装置、加圧溶解式の微細気泡発生装置が挙げられるが、任意の装置を選択できる。微細気泡発生装置は、既知の装置を用いればよい。微細気泡発生装置は、旋回流式の微細気泡発生装置又はエジェクター式の微細気泡発生装置であることが好ましい。
旋回流式微細気泡発生装置では、水と気体を貯留室へ注入し混合することで、水及び気体が貯留室内で渦流し、キャビテーション効果により気体が個数平均径100μm以下の微細気泡となる。これにより、微細気泡含有水が生成される。旋回流式微細気泡発生装置として、例えば、特許文献2に記載の装置が挙げられる。
エジェクター式微細気泡発生装置では、ノズルから水を高速に噴出させ、その出口付近に生じた負圧を利用して気体を吸引し、乱流混合並びにせん断機構により微細気泡が生成される。エジェクター式微細気泡発生装置として、例えば、ファインバブル発生ノズルMBシリーズ(中島物産社製)が挙げられる。
微細気泡含有水を生成した後、微細気泡含有水を離解槽に循環させる循環処理工程を行ってもよい。これにより、気泡を装置内に適切に行き渡らせることができる。循環処理は、例えば、離解槽に微細気泡含有水を注入した後、製紙原料を投入する前に攪拌装置を作動することで行ってもよい。また、循環処理工程において、微細気泡含有水を離解槽と微細気泡発生装置との間で循環させてもよい。循環処理工程の後、製紙原料に微細気泡含有水を接触させる接触工程を行うことが好ましい。
循環処理の処理時間は、好ましくは1分以上であり、より好ましくは10分以上であり、さらに好ましくは20分以上であり、さらにより好ましくは25分以上である。気泡が装置内に十分分散されればよく、上限は、特に制限されない。
微細気泡の個数平均径は、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。下限は特に制限されないが、好ましくは10nm以上であり、より好ましくは100nm以上である。
微細気泡含有水に含まれる微細気泡の個数濃度は、好ましくは1.0×10個/ml以上であり、より好ましくは1.0×10個/ml以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは1.0×1012個/ml以下である。
微細気泡の個数平均径及び個数濃度は、旋回流式微細気泡発生装置の場合、液体流量及び供給ガス流量を調整することにより制御することができる。また、微細気泡の個数平均径及び個数濃度は、エジェクター式微細気泡発生装置の場合、装置の管内径、及び出口径を調整することにより制御することができる。
また、微細気泡含有水中の微細気泡の個数平均径、個数濃度などは、NanoSight(Malvern Panalytical社製)を用いて測定することができる。
製紙原料からパルプを製造する工程において、従来の工程では、脱墨工程が行われることがある。特に、インクなどの油分を含む製紙原料を用いることや、製造品に求められる紙質に応じた、許容される製品への油分混入割合によって、脱墨工程が必要になることがある。
脱墨工程は、従来のパルプを製造する工程における、製紙原料からインクなどの油分を除去する工程である。脱墨工程において、通常、油分を除去するための薬剤として、脱油剤が使用される。脱油剤としては、例えば、界面活性剤や漂白剤、などが用いられる。本開示の離解方法は、離解工程において油分を十分に除去できるため、脱墨工程を実施してもよいし、しなくてもよい。
前述の通り、キャビテーションによる方法では、圧力差で気泡を発生させているため、気泡が消失しやすい。しかし、水に気体を流入させることで生成した微細気泡は、より消失しにくい。そのため、離解工程後の、脱墨工程に持ち込まれた微細気泡は油分の除去を促進すると予想される。したがって、脱墨工程において、脱油剤の使用を増やすことなく、又は脱油剤を削減しあるいは使用せず、油分を十分に除去できること、及びパルプへの油分混入割合を低減させることが期待される。
また、本開示に係る離解方法を用いてパルプを製造することで、離解工程で十分に油分を除去することが可能である。これにより、製紙原料からの油分除去が必要な場合であっ
ても、脱墨工程を経ずに、十分に油分を除去することが可能である。すなわち、本開示に係る離解方法を用いてパルプを製造することで、脱墨工程のための設備や処理時間、及び薬剤処理を省略できる。そのため、本開示は、脱墨工程を含まないパルプの製造方法を提供し、これにより、脱墨工程における設備、薬剤及び処理時間の一部、又は全体の削減を可能とする。
さらに、本開示に係る離解方法では、微細気泡が製紙原料に作用することで、薬剤を用いることなく、油分を十分に除去できる。すなわち、本開示に係る離解方法を用いることで、製紙原料からパルプを製造する過程において、脱油剤を使用せずに、十分に油分が除去されたパルプを得ることが可能である。よって、本開示は、脱油剤を実質的に使用しないパルプの製造方法を提供する。これにより、油分除去のために脱油剤などの薬剤を使用しないことが可能となり、薬品使用量の削減によるコスト削減及び廃液処理の容易化と、パルプからの十分な油分除去、すなわちパルプへの油分混入割合の低減の両立が期待できる。
なお、脱油剤を実質的に使用しないとは、上記の説明における脱油剤を使用しないことによる効果が得られる範囲においては、少量使用することを許容するものであり、脱油剤を使用する場合には0.085mg/L以下であることが好ましく、0.025mg/L以下であることがより好ましく、全く使用しないことが更に好ましい。脱油剤は、既知のものを用いればよく、特に制限されない。
以上より、本開示に係るパルプの製造方法では、脱墨工程を含んでもよく、含まなくてもよいが、どちらの場合でもパルプへの油分混入割合を低減させることができる。脱墨工程を含む場合、その手法は特に限定されず、脱墨工程を含まない場合においても、油分を十分に除去できる。さらに、本開示に係るパルプの製造方法では、脱油剤を使用してもよく、使用しなくてもよいが、使用しない場合においても、油分の十分な除去ができる。脱油剤を使用する場合、その使用方法や成分は特に限定されない。
製紙原料からパルプを製造する工程では、脱水工程によって、固液分離がなされて排水され、パルプが製造される。脱水工程において排水されるろ液は、製紙原料から除去された不純物が含まれ、不純物としては、製紙原料から除去されたインクを含む油分も含まれる。よって、本開示に係る離解方法により、製紙原料中の油分が十分に除去されることで、脱水工程を経て排水されるろ液に、除去された油分に相当する油分が含まれると考えられる。
また、水に気体を流入させることで生成した微細気泡は消失しにくいため、脱水工程においても、微細気泡がパルプの懸濁液に含まれている。脱水工程における不純物、特に油分を含むろ液とパルプの分離時に微細気泡が接触することで、効率よく分離できることが期待される。脱墨工程を行わない場合、離解工程後、脱水工程が行われるため、このような効果がより期待できる。
本開示に係るパルプの製造方法において、脱水工程は、特に制限されずいかなる手法を用いてもよい。例えば、シリンダープレスのような装置を採用しうる。特に、離解工程における微細気泡を維持したまま脱水工程を行うことで、前記の効果が期待できる。
本開示に係る離解システムは、製紙原料を離解処理する離解槽を備える離解システムであって、該離解システムは、水に気体を流入させて個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置を備え、該離解システムは、該離解槽において該微細気泡含有水と該製紙原料とを接触させて離解処理を行うことを特徴とする。
製紙原料として、例えば油分を含有する古紙を用いることができるが、特に限定されな
い。該離解システムが備える離解槽は、攪拌装置を備えてもよい。
該離解システムが備える微細気泡発生装置は、水に気体を流入させて個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置であり、前述の通りである。本開示に係る離解システムによって、白水に製紙原料を離解しパルプの懸濁液を得ることができ、また、製紙原料から油分を十分に除去できる。
離解システムを用いた離解方法を含め、パルプ製造の例を図1に示す。パルプの製造方法は、上記離解方法を含む。
図1では、まず、微細気泡発生装置1によって、白水に気体を、好ましくは0.10L/min~10.00L/min流入させ、微細気泡含有水Aを生成する。次に、生成された微細気泡含有水Aを離解槽2に注入し、好ましくは1分~200分間循環処理する。
循環処理は、例えば、製紙原料を投入する前に、離解槽で攪拌装置を作動し、微細気泡含有水を循環させることで実施しうる。さらに、製紙原料Bを、好ましくは1g/L~50g/L、より好ましくは5g/L~30g/L投入する。その後、離解槽2に備えられた攪拌装置3を作動させ、製紙原料Bに対して離解に必要な機械的衝撃力を与えて、好ましくは10秒間~200分間離解処理する。
これにより、離解槽内で製紙原料と微細気泡含有水を接触させる接触工程を行いながら攪拌し、製紙原料を離解させてパルプを含む懸濁液を得る。パルプを含む懸濁液は脱水槽4に送られ、固液分離されてパルプCと油分含有ろ液Dに分けられる。以上により、パルプが製造され、原料中の油分はろ液中へと除去される。
油分の除去能力は、例えば、ノルマルヘキサン(n-hex)抽出物質の濃度から測定できる。n-hex抽出物質は、一般的に、水中の油分を表す指標として用いられる。製紙原料を離解し、脱水工程と同様の工程で固液分離することで、パルプから分離されたろ液には、製紙原料から除去された不純物、特に油分が含まれる。
よって、離解処理前の水溶液中におけるn-hex抽出物質の濃度と、離解処理し固液分離した後の水溶液中におけるn-hex抽出物質の濃度の差を算出することで、製紙原料から除去されたn-hex抽出物質量、すなわち、除去された油分の量が明らかとなる。
この結果を比較することで、離解処理過程における製紙原料からの油分の除去能力を比較できる。
n-hex抽出物質濃度の測定の具体的な手順は、環境省ホームページに記載のn―ヘ
キサン抽出物質(油分等)の測定方法に従って、以下の通りに行うことができる。
(1)水溶液4Lに塩化鉄(III)溶液4mlを加え、攪拌しながら炭酸ナトリウム溶液(20質量/体積%)を加えてpHを7~9に調節する。5分間攪拌した後、沈殿が沈降して完全な澄明層が得られるまで静置する。沈殿が損失しないよう注意しつつ、上澄み層を捨てる。
(2)残った沈殿層に塩酸(1+1)を加えて沈殿を溶かし、分液漏斗Aに移す。沈殿層が入れられていた容器を20mlずつのヘキサンで2回洗い、洗液を分液漏斗Aに加える。
(3)分液漏斗Aの栓を閉め、2分間激しく振り混ぜた後、静置してヘキサン層と水層を分離させる。静かに振り動かすなどしてできるだけ水層を分離させ、水層をもとの容器に戻す。その後、ヘキサン層を分液漏斗Bに移す。
(4)容器に戻した水層を再び分液漏斗Aに移し、容器を20mlずつのヘキサンで2回洗って洗液を分液漏斗Aに加え、もう一度(3)の操作を行う。
(5)分液漏斗Aを少量のヘキサンで洗い、洗液を分液漏斗Bに加える。分液漏斗Bを静かに振り動かして静置し、ヘキサンを損失しないよう注意しながら混入した水を分離して除去する。ヘキサン層に水20mlを加えて1分間振り混ぜ、静置してヘキサン層と水層
を分離したのち、水層を捨てる。この操作を数回繰り返す。ヘキサン層に硫酸ナトリウム(無水)3~5gを加えて振り混ぜ、水分を除去する。
(6)分液漏斗Bの脚部を乾いたろ紙(あらかじめヘキサンで洗って抽出物質を除去した
もの)でふき取った後、ヘキサン層を脱脂綿又はろ紙を用いてろ過し、蒸発容器に入れる
。ろ紙をヘキサン5mlずつで2回洗い、洗液を蒸発容器に加える。
(7)蒸発容器を80℃に保ってヘキサンを完全に揮散させる。
(8)蒸発容器の外側を湿った清浄な布で拭き、次いで乾いた清浄な布で拭き、80±5℃に調節した乾燥器中に移し、30分間乾燥する。この容器をデシケーター中に移し、30分間放冷した後、質量を量る。
(9)別に試料とほぼ同量の水について全操作にわたり空試験を行い、式(1)によつて試料のn―ヘキサン抽出物質濃度を算出する。
n―ヘキサン抽出物質濃度(mg/l)=(a-b)×(1,000/試料量(ml))
(1)
式(1)において、aは試験前後の蒸発容器の質量の差(mg)を、bは空試験前後の蒸発容器の質量の差(mg)を表す。
以下、具体的な実験データを示し、本発明を説明するが、本発明は以下の態様に限定されない。
(実施例1の測定)
まず、微細気泡発生装置として、旋回流式微細気泡発生装置であるOJI-MIXER(王子エンジニアリング社製)を用意し、処理水量10L、気体流量0.25L/min及び気体として空気を流入する条件で30分間循環処理を行い微細気泡含有水を生成した。
NanoSight(Malvern Panalytical社製)で測定したところ、微細気泡含有水中、微細気泡の個数平均径は119.1nmであり、微細気泡は3.0×10個/mL含まれていた。
次に、循環処理後の微細気泡含有水においてn-hex抽出物濃度(mg/L)を測定
し、これを循環処理後(A)とした。その後、離解槽に注入した。なお、離解槽の構成は、試験用として、直径16cm、高さ21cmの金属製カップ状容器を使用した。
続いて、製紙原料として古金属合紙を32g用意し、上記循環処理を行った微細気泡含有水に添加して、離解槽でパルプ離解機(熊谷理機工業社製)を用いて1分間離解処理を行った。離解処理後、パルプ分散液を回収し2Lにメスアップした。
液体受けカップを下に設置した目開き500μmの金属製篩の上からパルプ分散液を注いだ後、分離後の液体が1.6L得られるまで上からパルプに圧力をかけ固液分離を行い、パルプとろ液に分離した。ろ液のn-hex抽出物質濃度を測定し、これを離解・固液分離後(B)とした。
さらに、以下の式(2)で、離解処理前のn-hex抽出物質の濃度と、離解処理し固液分離した後のろ液中におけるn-hex抽出物質の濃度の差から、パルプからのn-hex除去量を算出した。
パルプからのn-hex除去量=(B)-(A) (2)
(実施例2の測定)
微細気泡発生装置としてエジェクター式微細気泡発生装置であるファインバブル発生ノズルMBシリーズ(中島物産社製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例の測定)
微細気泡発生装置を用いず、白水をそのまま使用した以外は実施例1と同様の操作を行
った。
実施例1、実施例2及び比較例において測定した結果を、表1に示す。
Figure 2022044391000002
1:微細気泡発生装置、2:離解槽、3:攪拌装置、4:脱水槽、A:微細気泡含有水、B:製紙原料、C:パルプ、D:油分含有ろ液

Claims (10)

  1. 製紙原料を離解処理する離解工程を含む離解方法であって、
    該離解工程が、該製紙原料に個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を接触させる接触工程を有し、
    該微細気泡含有水が、水に気体を流入させて得られることを特徴とする、離解方法。
  2. 前記製紙原料が油分含有古紙である、請求項1に記載の離解方法。
  3. 前記離解工程が、前記微細気泡含有水を、微細気泡発生装置で生成する工程を含む、請求項1又は2に記載の離解方法。
  4. 前記微細気泡発生装置が、旋回流式の微細気泡発生装置又はエジェクター式の微細気泡発生装置である、請求項3に記載の離解方法。
  5. 前記接触工程において、前記製紙原料と前記微細気泡含有水との接触時間が1分以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の離解方法。
  6. 前記接触工程において、前記製紙原料及び前記微細気泡含有水を混合して、離解処理を行う、請求項1~5のいずれか一項に記載の離解方法。
  7. 前記製紙原料からパルプを製造するパルプの製造方法であって、
    該パルプの製造方法が、請求項1~6のいずれか一項に記載の離解方法を含む、方法。
  8. 前記パルプの製造方法が、前記離解工程後の脱墨工程を含まない、請求項7に記載のパルプの製造方法。
  9. 脱油剤を実質的に使用しない、請求項7又は8に記載のパルプの製造方法。
  10. 製紙原料を離解処理する離解槽を備える離解システムであって、
    該離解システムは、水に気体を流入させて個数平均径100μm以下の気泡を含む微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置を備え、
    該離解システムは、該離解槽において該微細気泡含有水と該製紙原料とを接触させて離解処理を行うことを特徴とする、離解システム。
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