JP2022042087A - 粘接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性と粘接着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物の提供。【解決手段】ブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与剤30~400質量部と、軟化剤10~200質量部を含有し、ブロック共重合体組成物が、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、Mwが70,000以下であるブロック共重合体(I-1)と、2つ以上の重合体ブロック(A)と1つ以上の重合体ブロック(B)を含有し、Mwが前記(I-1)の1.5~2.5倍のブロック共重合体(I-2)とを含むブロック共重合体組成物(I)を含有し、前記(I-1)の含有量が、前記(I)の50質量%以上であり、前記(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量が40~60質量%であり、軟化剤が、ナフテン成分の含有量(%CN)が30.0以上であるものを含む、粘接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粘接着剤組成物に関する。
従来から、シート、フィルム等の用途において、高分子物質を含む複数の成分からなる組成物を材料として用いたり、積層物としたりすることによって、十分な強度を持たせたり、加工性を改良したり、製品のコストを下げたりする試みが数多く行われている。
また、粘接着剤、アスファルト改質の用途においては、粘着付与剤やアスファルトに高分子物質を添加することにより、強度を向上させる試みがなされている。
これらの用途においては、通常、低い粘度と高い力学強度の両立が求められる。
近年、溶液型及びホットメルト型の、接着剤や粘着剤のベースポリマーとして、ビニル芳香族単量体-共役ジエン単量体系ブロック共重合体(例えば、SBS:スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、SIS:スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体)が広く使用されている。
例えば、特許文献1においては、SBSを用いた接着剤用又は粘着剤用の重合体組成物が開示されている。
しかしながら、SBSやSISを用いた接着剤用又は粘着剤用の重合体組成物は、加工性と、粘着力等の粘接着特性とのバランスが不十分であり、高い粘接着特性を得ようとすると溶融粘度が高くなり加工性が悪くなるという問題点を有している。
かかる問題点の改良方法として、特許文献2には、トリブロック共重合体とジブロック共重合体とを含有する接着剤用の重合体組成物が開示されている。また、特許文献3には、2種以上のブロック共重合体組成物を含む粘接着剤組成物が開示されている。
特公昭61-278578号公報 特開昭61-261310号公報 特開2000-309767号公報
しかしながら、特許文献1~3に開示されている重合体組成物及び粘着剤組成物は、加工性(低粘度性)と粘接着特性とのバランスの改良効果が不十分であるため、なお一層の改善が要望されている。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑みて、加工性(低粘度性)と粘接着特性のバランスに優れる粘接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、特定の構造のブロック共重合体組成物を特定の成分の軟化剤に配合することで、上記課題を効果的に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
ブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与剤30~400質量部と、
軟化剤10~200質量部と、
を、含有し、
前記ブロック共重合体組成物が、
少なくとも1つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が70,000以下であるブロック共重合体(I-1)と
少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が前記ブロック共重合体(I-1)の1.5倍以上2.5倍以下であるブロック共重合体(I-2)とを少なくとも含むブロック共重合体組成物(I)を含有し、
前記ブロック共重合体(I-1)の含有量が、前記ブロック共重合体組成物(I)全体の50質量%以上であり、
前記ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、
前記軟化剤が、ASTM D3238、又はASTM D2140に準拠して測定されるナフテン成分の含有量(%CN)が30.0以上であるものを含む、
粘接着剤組成物。
〔2〕
前記軟化剤の、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるパラフィン成分の含有量(%CP)が、70.0以下である、前記〔1〕に記載の粘接着剤組成物。
〔3〕
前記軟化剤の、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるアロマ成分の含有量(%CA)が、5.0以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の粘接着剤組成物。
〔4〕
前記軟化剤の、ASTM D1500に準拠して測定される色が、0.5以下である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の粘接着剤組成物。
〔5〕
前記粘着付与剤が、水素化芳香族修飾済脂環式樹脂である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の粘接着剤組成物。
〔6〕
前記ブロック共重合体組成物(I)が、
少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、ビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、重量平均分子量がブロック共重合体(I-1)の2.5倍を超えて3.5倍以下であるブロック共重合体(I-3)を、さらに含む、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の粘接着剤組成物。
〔7〕
前記ブロック共重合体組成物(I)が、主鎖中にカルボキシル基を含有するブロック共重合体を含む、前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の粘接着剤組成物。
〔8〕
前記ブロック共重合体組成物(I)が、
下記式(a)及び/又は(b)で表される、ブロック共重合体を含む、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の粘接着剤組成物。
(a) (A-B)n-Y’
(b) (B-A-B)n-Y’
(式(a)、(b)中、Aは前記重合体ブロック(A)を示し、Bは前記重合体ブロック(B)を示す。nは1~4の整数を表し、Y’は、下記式(Y1)又は(Y2)で表される構造を形成するカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングした際のカップリング剤残基を表す。)
Figure 2022042087000001
Figure 2022042087000002
(一般式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
本発明によれば、加工性(低粘度性)と粘接着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔粘接着剤組成物〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、
ブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与剤30~400質量部と、
軟化剤10~200質量部と、
を、含有する。
前記ブロック共重合体組成物は、
少なくとも1つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が70,000以下であるブロック共重合体(I-1)と、少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が前記ブロック共重合体(I-1)の1.5倍以上2.5倍以下であるブロック共重合体(I-2)とを少なくとも含むブロック共重合体組成物(I)を含有する。
前記ブロック共重合体(I-1)の含有量が、前記ブロック共重合体組成物(I)全体の50質量%以上である。
前記ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、
前記軟化剤が、ASTM D3238、又はASTM D2140に準拠して測定されるナフテン成分の含有量(%CN)が30.0以上であるものを含む。
上記構成を有していることにより、加工性(低粘度性)と粘接着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる。
(ブロック共重合体組成物)
本実施形態の粘接着剤組成物に用いるブロック共重合体組成物は、少なくとも1つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が70,000以下であるブロック共重合体(I-1)と、少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量がブロック共重合体(I-1)の1.5倍以上2.5倍以下であるブロック共重合体(I-2)とを少なくとも含むブロック共重合体組成物(I)を含有する。
前記ブロック共重合体(I-1)、(I-2)を含有するブロック共重合体組成物は、重合工程で所定のカップリング反応を実施することにより製造できる。
前記ブロック共重合体組成物において、ブロック共重合体(I-1)の含有量が多いと、粘接着剤組成物とした際の溶融粘度が低下したり粘着力が向上したりする傾向にある。かかる観点から、前記ブロック共重合体(I-1)の含有量は、ブロック共重合体組成物(I)全体の50質量%以上であり、55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
また、ブロック共重合体(I-1)の含有量を過剰にならないように抑制することにより、粘接着剤組成物とした際の保持力が向上する傾向にある。そのためブロック共重合体(I-1)の含有量は、ブロック共重合体組成物(I)全体に対して90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
ブロック共重合体(I-1)の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ブロック共重合体(I-1)の含有量は、重合工程で使用するカップリング剤の量やカップリング時間を制御することにより、上記数値範囲に制御することができる。
また、ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量は、40質量%以上60質量%以下である。
低粘度性の観点から、ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量は、60質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。さらに、高保持力の観点から、ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量は、40質量%以上であり、41質量%以上であることが好ましく、42質量%以上であることがより好ましい。
ブロック共重合体組成物(I)中のビニル芳香族単量体単位の含有量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量は、ブロック共重合体組成物(I)の重合工程時のビニル芳香族単量体の添加量を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
また、前記ブロック共重合体組成物(I)は、少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、ビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、重量平均分子量がブロック共重合体(I-1)の2.5倍を超えて3.5倍以下であるブロック共重合体(I-3)をさらに含むことが好ましい。
これによって、より低粘度性と粘着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
前記ブロック共重合体(I-3)は、ブロック共重合体(I-1)を反応点が3つ以上のカップリング剤を用いてカップリングすることにより、ブロック共重合体組成物(I)中に含有させることができる。
また、前記ブロック共重合体組成物(I)は、少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量がブロック共重合体(I-1)の3.5倍を超えて4.5倍以下であるブロック共重合体(I-4)を、さらに含むことが好ましい。
これによって、より低粘度性と粘着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
前記ブロック共重合体(I-4)は、ブロック共重合体(I-1)を反応点が4つ以上のカップリング剤を用いてカップリングすることにより、ブロック共重合体組成物(I)中に含有させることができる。
前記ブロック共重合体(I-1)の重量平均分子量は70,000以下であり、65,000以下であることが好ましく、60,000以下であることがより好ましく、55,000以下であることがさらに好ましい。
前記ブロック共重合体(I-1)の重量平均分子量が上記の範囲にあることにより、低粘度性が向上する傾向にある。
一方で、ブロック共重合体(I-1)の重量平均分子量が低すぎると、ブロック共重合体組成物(I)の製造時の仕上げ性が悪化したり、本実施形態の粘接着剤組成物を調製した際の保持力が低下したりする傾向にある。より具体的には、本実施形態の粘接着剤組成物の粘度を低下させるためには、ブロック共重合体(I-1)の重量平均分子量を低く設定するのが効果的であるものの、重量平均分子量が低すぎるとブロック共重合体組成物(I)のベタつきが大きくなり、ペレットに成形し難くなる傾向にある。そのため一分岐体の重量平均分子量は30,000以上が好ましく、40,000以上がより好ましく、45,000以上がさらに好ましい。
ブロック共重合体(I-1)の重量平均分子量は、重合体を重合する際の、単量体添加量、重合温度、重合時間等の重合条件を調整することにより、上記数値範囲に制御することができる。
また、前記ブロック共重合体組成物(I)は、主鎖中にカルボキシル基を含有するブロック共重合体を含むことが好ましい。これによって、低粘度性と粘着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。また、このようなブロック共重合体組成物(I)を含む粘接着剤組成物は、より極性の高い基材への接着力が向上する傾向にある。具体的にはセルロースを原料に含む基材への接着力が向上し、その結果、湿潤時にも接着力を維持しやすくなる傾向にある。
また、ブロック共重合体組成物(I)は、下記式(a)及び/又は(b)で表される、ブロック共重合体を含むことが好ましい。
(a) (A-B)n-Y’
(b) (B-A-B)n-Y’
(式(a)、(b)中、Aは前記重合体ブロック(A)を示し、Bは前記重合体ブロック(B)を示す。nは1~4の整数を表し、Y’は、下記式(Y1)又は(Y2)で表される構造を形成するカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングした際のカップリング剤残基を表す。)
Figure 2022042087000003
Figure 2022042087000004
(一般式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
前記一般式(Y1)は、下記一般式(Y-I)で表されることが好ましく、前記一般式(Y2)は、下記一般式(Y-II)で表されることが好ましい。
Figure 2022042087000005
Figure 2022042087000006
(式(Y-I)、(Y-II)中、R1、R2は、水素、又は炭素数1~20の無置換若しくは置換基を有する飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、R1とR2は互いに独立していても、環構造を形成していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
前記式(Y1)又は(Y2)の構造を具備する変性剤(又はカップリング剤)を用いてブロック共重合体をカップリング反応することにより、主鎖中に効果的にカルボキシル基を含有させることができ、これにより低粘度性と粘着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。また、このようなブロック共重合体を含む粘接着剤組成物は、より極性の高い基材への接着力が向上する傾向にある。具体的にはセルロースを原料に含む基材への接着力が向上し、その結果、湿潤時にも接着力を維持しやすくなる傾向にある。
上述したように、本実施形態の粘接着組成物に用いるブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体は、共役ジエン単量体単位を含む。
当該「共役ジエン単量体単位」とは、1つの共役ジエン化合物を重合させた結果生じる構造を示す。
共役ジエン化合物としては、共役二重結合を有するジオレフィンであれば特に限定されないが、例えば、1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン(イソプレン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられる。
これらの中でも、共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレンが好ましい。さらに、1,3-ブタジエンを用いることによって耐熱老化性及び耐光性に優れた粘接着剤となる傾向があるためより好ましい。
共役ジエン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上述したように、本実施形態の粘接着組成物に用いるブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体は、ビニル芳香族単量体単位を含む。
前記「ビニル芳香族単量体単位」とは、1つのビニル芳香族炭化水素化合物を重合させた結果生じる構造を示す。ビニル芳香族炭化水素化合物としては、以下に限定されないが、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン及びp-ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン;p-メトキシスチレン等のアルコキシスチレン;ビニルナフタレン等が挙げられる。
これらの中でも、ビニル芳香族炭化水素化合物としては、経済性の観点で、スチレンが好ましい。
ビニル芳香族炭化水素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記ブロック共重合体(I-1)、(I-2)を構成する「ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)」とは、重合体ブロック(A)全体に対するビニル芳香族単量体単位の割合が50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である重合体ブロックをいう。
また、前記ブロック共重合体(I-1)、(I-2)を構成する「共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)」とは、重合体ブロック(B)全体に対する共役ジエン単量体単位の割合が50質量%を超え、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である重合体ブロックをいう。
本実施形態の粘接着剤組成物に含まれるブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体(I-1)、(I-2)は、ビニル芳香族炭化水素のブロック率が、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、より保持力が向上する効果が得られる。
ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率の測定は、四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を用いて、下記式から求めることができる。
ビニル芳香族炭化水素のブロック率(質量%)
=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの質量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の質量)×100
〔粘着付与剤〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、粘着付与剤を含有する。
粘着付与剤は、本実施形態の粘接着剤組成物の用途、要求性能によって、多種多様に選択することができる。
粘着付与剤としては、以下に限定されないが、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体等が挙げられる。
これらの粘着付与剤は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘着付与剤は、色調が無色~淡黄色であって、臭気が実質的に無く、熱安定性が良好なものであれば、液状タイプの粘着付与樹脂も使用できる。
上述した各種の水素化誘導体以外の粘着付与剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪族樹脂、脂環式樹脂、ポリテルペン、天然及び変性ロジンエステル並びにそれらの混合物が好ましい。
具体例としては、サートマー製の「Wingtack Extra」(商品名)、イーストマンケミカル社製の「Piccotac」(商品名)、エクソンモービル社製の「Escorez」(商品名)、アリゾナケミカル社製の「Sylvagum」(商品名)、「Sylvalite」(商品名)、及びアッシュランド製の「Piccolyte」(商品名)等が挙げられる。
着色のし難さや臭気の低さの観点から、粘着付与樹脂は、水素化誘導体が好ましい。このような水素化誘導体としては、以下に限定されないが、例えば、荒川化学社製のアルコンP100(商品名)、アルコンM100(商品名)、アルコンM115(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンP135(商品名)等が挙げられる。
また、水素化誘導体の中でも低粘度性と粘着特性とのバランスの改善の観点から、特に水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂、水素化脂環式炭化水素樹脂、水素化芳香族修飾脂環式炭化水素樹脂が好ましい。これらの樹脂の具体例としては、エクソンモービル社製のEscorez5400(商品名)、Escorez5600(商品名)、出光興産社製のアイマーブS-100(商品名)、アイマーブP-140(商品名)等が挙げられる。
また、上述したブロック共重合体組成物として、1,3-ブタジエン単量体単位を含むものを用い、当該ブロック共重合体組成物と配合する場合は、相溶性の観点から、粘着付与剤は、水素化芳香族修飾済脂環式樹脂が好ましい。
水素化芳香族修飾済脂環式樹脂とは、ジシクロペンタジエンと芳香族系化合物を共重合した化合物を部分的に、あるいは完全に水素添加して得られるものを意味する。
これらの具体例としては、エクソンモービル社製のEscorez5600(商品名)、出光興産社製のアイマーブS-100(商品名)、アイマーブP-140(商品名)等が挙げられる。
本実施形態の粘接着剤組成物において、高い接着性、接着強度の耐経時変化あるいはクリープ性能等を付加する場合には、粘接着剤組成物中に、ブロック共重合体の非ガラス相のブロック(通常は中間ブロック)と親和性のある粘着付与樹脂を20~75質量%、かつブロックポリマーのガラス相のブロック(通常は外側ブロック)に親和性のある粘着付与剤を3~30質量%、含有させることがより好ましい。
ガラス相のブロックに親和性のある粘着付与剤としては、末端ブロックの粘着付与樹脂が好ましい。当該粘着付与樹脂としては、主として芳香族構造を有する樹脂であり、例えば、ビニルトルエン、スチレン、α-メチルスチレン、クマロン又はインデンを含有するホモポリマーあるいはコポリマーが挙げられる。さらに、これらの中で、α-メチルスチレンを有するKristalexやPlastolyn(イーストマンケミカル社製、商品名)が好ましい。
〔軟化剤〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、軟化剤を含有する。
軟化剤は、ASTM D3238、又はASTM D2140に準拠して測定されたナフテン成分の含有量(%CN)が30.0以上であるものを含む。
当該軟化剤を、上述したブロック共重合体組成物(I)と配合することにより、塗工温度付近の高温ではより粘度を低下させ、粘着特性の発現が要求される低温ではより粘着特性を向上させる特性を持った粘接着剤組成物が得られる。
このような軟化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、出光興産社製のダイアナプロセスオイルNS-90S(商品名)、ダイアナプロセスオイルNS-100(商品名)、Nynas社製のNyflex222B、Nyflex223、Nyflex3095、Nyflex801、Nyflex810、ERGON社製のHyPrene Olympus L500、HyPrene L500、CALUMET社製のCALSOL NAPHTHENIC PROCESS OIL 815、Calight PRO、5550、810、806等が挙げられる。
同様の観点から、本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるナフテン成分の含有量(%CN)が、33.0以上であることが好ましく、38.0以上であることがより好ましく、40.0以上であることがさらに好ましい。
当該軟化剤におけるナフテン成分の含有量は、軟化剤として用いる材料を適切に選択することにより、上記数値範囲に特定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるパラフィン成分の含有量(%CP)が、70.0以上であることが好ましく、68.0以下であることがより好ましく、65.0以下であることがさらに好ましく、60.0以下であることがさらにより好ましい。
当該軟化剤におけるパラフィン成分の含有量は、軟化剤として用いる材料を適切に選択することにより、上記数値範囲に特定することができる。
また、同様の観点から、本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるアロマ成分の含有量(%CA)が、5.0以下であることが好ましく、4.0以下であることがより好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。また、アロマ成分の含有量(%CA)が上記の範囲にあることで、着色がなく低臭気な粘接着剤組成物となる傾向にあり好ましい。
当該軟化剤におけるアロマ成分の含有量は、軟化剤として用いる材料を適切に選択することにより、上記数値範囲に特定することができる。
また、着色がなく低臭気な粘接着剤組成物を得るという観点から、本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、ASTM D1500に準拠して測定された色が0.5以下であることが好ましく、0.5未満であることがより好ましい。
当該軟化剤における色は、軟化剤として用いる材料を適切に選択することにより、上記数値範囲に特定することができる。
また、低粘度性の観点から本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、ASTM D445に準拠して測定される40℃における動粘度が100.0cSt以下であることが好ましく、90.0cSt以下であることがより好ましい。
当該軟化剤における動粘度は、軟化剤として用いる材料を適切に選択することにより、上記数値範囲に特定することができる。
また、同様の観点から本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、ASTM D97に準拠して測定される流動点が、-20.0℃以下であることが好ましく、-30.0℃以下であることがより好ましく、-35.0℃以下であることがさらに好ましい。
当該軟化剤における流動点は、軟化剤として用いる材料を適切に選択することにより、上記数値範囲に特定することができる。
本実施形態の粘接着剤組成物に含まれる軟化剤は、本実施形態の粘接着剤組成物の用途、要求性能によって、上記以外の軟化剤を含むことができる。
上記以外の軟化剤としては公知のパラフィン系やナフテン系のプロセスオイル及びこれらの混合オイル等を使用することができる。
市販品としては、特に限定されないが、例えば、出光興産社製のダイアナプロセスオイルPW-90(商品名)等が挙げられる。
〔粘接着剤組成物〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、
ブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与剤30~400質量部と、
軟化剤10~200質量部と、
を、含有する。
特に、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料に用いる場合、より低温で塗工でき、低臭気性が向上するという観点で、粘着付与剤は100~400質量部であることが好ましく、150~400質量部であることがより好ましく、200~400質量部であることがさらに好ましい。
また軟化剤は30~180質量部であることが好ましく、40~150質量部であることがより好ましく、50~130質量部であることがより好ましい。
ブロック共重合体組成物、粘着付与剤、軟化剤の含有量が上記の範囲であるにより低粘度性と粘着特性とのバランスに優れる粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
本実施形態の粘接着剤組成物を構成するブロック共重合体組成物は、上述したように、ブロック共重合体組成物(I)を含有する。
ブロック共重合体組成物(I)は、粘接着剤特性と溶融粘度のバランスに優れるため粘接着剤組成物の材料として好ましく用いられることができるが、粘接着剤特性のバランスの調整のために、ブロック共重合体組成物は、本実施形態のブロック共重合体組成物(I)以外の他のブロック共重合体を添加した組成物とすることもできる。
前記ブロック共重合体組成物(I)以外の他のブロック共重合体としては、特に限定はないが、例えば、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-イソプレンブロック共重合体が好ましい。
特に、溶融粘度が高いブロック重合体を含むと、ブロック共重合体組成物を用いた粘接着剤組成物に、溶融粘度が上昇する代わりに、保持力を向上させる効果を付与することができ、用途によっては好ましいことがある。
前記ブロック共重合体組成物(I)以外のブロック共重合体の含有量は、前期ブロック共重合体組成物(I)と前記軟化剤の組合せにより発現する性能を阻害しないという観点から、粘接着剤組成物中のブロック共重合体組成物全体に対して50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましく、20質量%以下であることがよりさらに好ましい。
〔ブロック共重合体組成物の製造方法〕
本実施形態の粘接着剤組成物に含まれるブロック共重合体組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、特公昭36-19286号公報、特公昭43-17979号公報、特公昭46-32415号公報、特公昭49-36957号公報、特公昭48-2423号公報、特公昭48-4106号公報、特公昭51-49567号公報、特開昭59-166518号公報等に記載された方法が挙げられる。
これらの方法で得られる重合体のリビング末端に後述する変性剤を付加反応することにより官能基を含有する変性重合体が得られる。
以下、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含む重合体を含有するブロック共重合体組成物の製造方法について例示する。
本実施形態の粘接着剤組成物に含まれるブロック共重合体組成物の製造方法としては、例えば、不活性炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤として、スチレン等のビニル芳香族炭化水素化合物及びブタジエン等の共役ジエン化合物を共重合させて、ブロック共重合体を得る重合工程と、得られたブロック共重合体及び変性剤(この化合物が1つ以上のポリマーが結合する場合の総称として変性剤と称し、2つ以上のポリマーが変性剤と結合した場合にはカップリング剤とも称呼するものとする)を反応させる変性工程(カップリング工程)と、を有する方法が挙げられる。
この場合、カップリング剤としては、例えば前記式(Y1)又は(Y2)の構造の化合物を好ましく用いることができる。
前記変性工程(カップリング工程)により、前記ブロック共重合体(I-1)、及び(I-2)が得られる。
ブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体(I-1)、及びブロック共重合体(I-2)の重量平均分子量は、有機リチウム化合物等の重合開始剤の添加量を制御することにより調整することができる。
重合反応終了後、カップリング反応し、水、アルコール、酸等を添加して活性種を失活し、例えば、スチームストリッピング等を行って重合溶媒を分離した後、乾燥することにより重合体組成物を得ることができる。
ブロック共重合体組成物の重合方法としては、特に限定されないが、例えば、配位重合、アニオン重合又はカチオン重合等の重合方法が挙げられる。これらのなかでも、構造の制御の容易さの観点から、アニオン重合が好ましい。アニオン重合によるブロック共重合体成分の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、特公昭36-19286号公報、特公昭43-17979号公報、特公昭46-32415号公報、特公昭49-36975号公報、特公昭48-2423号公報、特公昭48-4106号公報、特公昭56-28925号公報、特開昭59-166518号公報、特開昭60-186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
ブロック共重合体組成物の重合工程において使用する不活性炭化水素溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、ブロック共重合体組成物の重合工程において重合開始剤として使用する有機リチウム化合物としては、特に限定されず、公知の化合物を用いることができ、例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、N-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、フェニルリチウム、プロペニルリチウム、ヘキシルリチウム等が挙げられる。特に、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウムが好ましい。
有機リチウム化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
本実施形態のブロック共重合体組成物の製造方法においては、必要に応じ、重合開始剤等に由来する金属類を脱灰する工程を採用することができる。
また、本実施形態のブロック共重合体組成物の製造方法では、さらに、必要に応じ、酸化防止剤、中和剤、界面活性剤等を添加する工程を採用してもよい。
酸化防止剤としては、以下に限定されないが、例えば、後述するものと同様のヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物等が挙げられる。
中和剤としては、以下に限定されないが、例えば、各種のステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト、安息香酸等が挙げられる。
界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等が挙げられる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上述のようにして本実施形態のブロック共重合体組成物を製造した後、後述する方法により、ブロック共重合体組成物の単離、すなわち仕上げを行う。
ブロック共重合体組成物の重合工程を不活性炭化水素溶媒中で行った場合は、不活性炭化水素溶媒を除去してブロック共重合体組成物を単離する。具体的な溶媒を除去する方法としては、スチームストリッピングが挙げられる。スチームストリッピングにより、含水クラムを得て、得られた含水クラムを乾燥することによりブロック共重合体組成物を得ることができる。
スチームストリッピングにおいては、クラム化剤として界面活性剤を用いることが好ましい。そのような界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、上記同様のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、ストリッピング帯の水に対して一般に0.1~3000ppm添加することができる。また、界面活性剤に加えて、Li,NA,Mg,CA,Al,ZN等の金属の水溶性塩をクラムの分散助剤として用いることもできる。
ブロック共重合体組成物の重合工程及び前記スチームストリッピングを経て得られる、水中に分散したクラム状のブロック共重合体組成物の濃度は、一般に0.1~20質量%(ストリッピング帯の水に対する割合)である。この範囲であれば運転上の支障をきたすことなく、良好な粒径を有するクラムを得ることができる。このブロック共重合体組成物のクラムを脱水により含水率を1~30質量%に調整し、その後、含水率が1質量%以下になるまで乾燥を行うことが好ましい。前記クラムの脱水工程においては、ロール、バンバリー式脱水機、スクリュー押出機式絞り脱水機等の圧縮水絞機での脱水、あるいはコンベヤー、箱型の熱風乾燥機で脱水と乾燥を同時に行ってもよい。
〔粘接着剤組成物の製造方法〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、公知の方法により、上述したブロック共重合体組成物と、粘着付与剤と、軟化剤と、必要に応じてその他の添加剤と、を混合することにより製造することができる。
混合方法としては、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体組成物、粘着付与剤、軟化剤とを、混合機又はニーダー等で、加熱しながら均一混合する方法が挙げられる。
混合する際の温度は、好ましくは100℃~210℃であり、より好ましくは110℃~200℃であり、さらに好ましくは120℃~190℃である。混合する際の温度が100℃以上であることにより、ブロック共重合体組成物を十分に溶融し、分散が良好となる傾向にある。また、混合する際の温度が210℃以下であることにより、架橋剤や粘着付与剤の低分子量成分の蒸発、粘接着特性の劣化の防止ができる傾向にある。
また、混合時間は、好ましくは5分~90分であり、より好ましくは10分~80分であり、さらに好ましくは20分~70分である。混合時間が5分以上であることにより、各成分を均一に分散できる傾向にある。また、混合時間が90分以下であることにより、架橋剤や粘着付与剤の低分子量成分の蒸発、粘接着特性の劣化の防止、ブロック共重合体組成物の劣化の防止ができる傾向にある。
〔粘接着剤組成物の塗布方法〕
本実施形態の粘接着剤組成物を所定の被塗工体に塗布して用いる場合、その方法は、目的とする製品を得ることができる限り、特に制限されるものではなく、例えば、粘接着剤組成物を溶媒に溶かし、溶液塗工する方法や、粘接着剤組成物を溶融させて塗工するホットメルト塗工法等で塗工する方法が挙げられる。
このなかでも、環境汚染や塗工の容易性からホットメルト塗工法が好ましい。
ホットメルト塗工法は、接触塗布及び非接触塗布に大別される。「接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させる塗布方法をいう。また、「非接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させない塗布方法をいう。接触塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、ダイコーター塗工、スロットコーター塗工及びロールコーター塗工等が挙げられる。また、非接触塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工、波状に塗布できるオメガ塗工やコントロールシーム塗工、面状に塗布できるスロットスプレー塗工やカーテンスプレー塗工、点状に塗工できるドット塗工などが挙げられる。
また、本実施形態の粘接着剤組成物は、スパイラル塗工に適している。
「スパイラル塗工」とは、間欠又は連続塗工で接着剤をエアーでらせん状に非接触塗布する方法である。
ホットメルト接着剤を、スプレー塗工にて広い幅で塗工できることは、使い捨て製品を製造するには極めて有用である。広い幅で塗工できるホットメルト接着剤は、ホットエアーの圧力を調整することにより、塗工幅を狭く調整することが可能である。ホットメルト接着剤が広い幅で塗工困難であることにより、充分な接着面積を得るために数多くのスプレーノズルが必要になり、尿取りライナーのような比較的小さな使い捨て製品、複雑な形状の使い捨て製品を製造するにも不適である。従って、本実施形態の粘接着剤組成物は、広い幅でスパイラル塗工が可能であるため、使い捨て製品用として好適である。
〔粘接着剤組成物の特性〕
本実施形態の粘接着剤組成物の特性は、後述する実施例において示される条件により作製される粘着テープを用い、実施例中に示された測定条件に従って測定することができる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例及び比較例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、重合体の物性の測定、及び特性の評価は、下記の方法により行った。
〔測定方法及び評価方法〕
(ブロック共重合体の物性)
<ビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量>
一定量のブロック共重合体をクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV-2450)にて測定し、ビニル芳香族化合物成分(スチレン)に起因する吸収波長(262Nm)のピーク強度から検量線を用いてビニル芳香族単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
<重量平均分子量>
ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の重量平均分子量を、後述の測定条件に基づき、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて求めた。
まず、分子量20,000以上の範囲でピークトップ分子量が最も低く、かつブロック共重合体組成物の総ピーク面積に対して、後述のピーク分割によって算出される面積比が0.1以上を有する単独ピークをブロック共重合体(I-1)とし、それより高い分子量範囲のピークを分子量の小さいものから順に(I-2)、(I-3)、(I-4)とした。
ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の各重量平均分子量は、後述のシステムソフトにてGPC曲線の各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求めた。
ここで、ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)のピーク間変曲点(変曲点)は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。また、最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステムソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各重量平均分子量及び面積比を算出した。
[重量平均分子量の測定条件]
GPC;ACQUITY APCシステム(日本ウォーターズ株式会社製)
システム(測定・解析)ソフト;EmpowEr3
検出器;RI
屈折率単位フルスケール;500μRIU
出力フルスケール;2000mV
サンプリングレート;10ポイント数/sEC
カラム;ACQUITY APC XT125(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT200(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT900(4.6mm×150mm);1本
ACQUITY APC XT450(4.6mm×150mm);1本
溶媒;THF
流量;1.0mL/分
濃度;0.1mg/mL
カラム温度;40℃
注入量;20μL
<ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の含有量>
上記で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する、ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の面積の割合を、ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の含有量とした。
ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の面積比、重量平均分子量、及び重量平均分子量比については、上述の装置及び条件にてGPC測定後、同じく上述のシステムソフトにてGPC曲線の各ピーク間変曲点でのベースラインまでの垂直分割により求めた。
ここで、ブロック共重合体(I-1)、(I-2)、(I-3)、(I-4)の各ピーク間変曲点は、隣接するピーク間のもっとも垂直方向に低い最低点(谷ピーク)とした。また、最低点が連続する場合、その中間点とした。前述の変曲点により、上述のシステムソフト内の波形分離機能を用いて、垂直分割を行い、分割後、各重量平均分子量、各重量平均分子量比、及び面積比を算出した。
〔粘接着剤組成物の物性の測定〕
(粘接着剤組成物の作製)
ブロック共重合体組成物(1~5)、粘着付与剤(1~2)、軟化剤(1~5)、安定剤(2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート)を、下記表5~表8に記載した割合に従って混合し、180℃、50rpm、30分間、加圧型ニーダー(型式:DR0.5-3MB-E、株式会社モリヤマ)で溶融混練し、均一なホットメルト型の粘接着剤組成物を得た。
使用した粘着付与剤及び軟化剤の物性値を表3、表4に示す。
<粘接着剤組成物の溶融粘度>
実施例1~20、比較例1~18の粘接着剤組成物の溶融粘度(Pa・s)を、温度100℃、120℃、140℃で、ブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド社製 DV-III)により測定した。
(粘着テープの作製)
溶融させた粘接着剤組成物を室温まで冷却し、これをトルエンに溶かし、トルエン溶液を得た。
得られたトルエン溶液をアプリケーターでポリエステルフィルムにコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、粘着テープを作製した。
なお、塗工厚さは50μm(基材厚さ50μm)とした。
<粘接着剤組成物の粘着特性(1)(ループタック力)>
後述する実施例1~20及び比較例1~18の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして、250mm長×15mm幅のループ状の粘着テープを作製した。
ループ状の粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm×50mm、接着時間3sec、接着速度500mm/minで接着させた。
その後、SUS板から粘着テープを引き剥がし速度500mm/minで引き剥がし剥離力(N/15mm)を測定した。
<粘接着剤組成物の粘着特性(2)(粘着力)>
後述する実施例1~20及び比較例1~18の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして25mm幅の粘着テープを作製した。
作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に貼り付け、引き剥がし速度300mm/minで180°剥離力(N/10mm)を測定した。
<粘接着剤組成物の粘着特性(3)(40℃保持力)>
後述する実施例1~20及び比較例1~18の粘接着剤組成物を用いて、上述のようにして15mm幅の粘着テープを作製した。
作製した粘着テープを、SUS板(SUS304)に対し、接触面積:15mm×25mmで貼り付けた。
その後、粘着テープに対して、40℃で、垂直方向に1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの保持時間(分)を測定し、これを40℃保持力とした。
<粘着特性と溶融粘度のバランス>
粘着特性と溶融粘度とのバランスを見積もる指標として、40℃における保持力(保持時間)(分)を、100℃における溶融粘度(Pa・s)で除した値を算出した。
下記表5、表6に示した組成比の場合、この値が10.0以上であれば実用上優れたバランス性能であると判断し、30.0以上であれば実用上きわめて優れた性能であると判断した。
下記表7、表8に示した組成比の場合、この値が5.0以上であれば実用上優れたバランス性能であると判断し、15.0以上であれば実用上きわめて優れた性能であると判断した。
<粘接着剤組成物の色>
後述する実施例1~20、比較例1~18の粘接着剤組成物の色を目視にて観察した。
〔ブロック共重合体組成物の調製〕
(ブロック共重合体組成物1)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン503gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.22gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン697gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として、下記表1に記載したカップリング剤1を、n-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.17となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.11gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物溶液を得た。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物であるブロック共重合体組成物1を得た。
(ブロック共重合体組成物2)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン518gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン682gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として、下記表1に記載したカップリング剤2を、n-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.10となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物溶液を得た。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物であるブロック共重合体組成物2を得た。
(ブロック共重合体組成物3)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン518gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン682gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として、下記表1に記載したカップリング剤3をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.11となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物溶液を得た。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物であるブロック共重合体組成物3を得た。
(ブロック共重合体組成物4)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン457gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン743gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として、下記表1に記載したカップリング剤2をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.10となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物溶液を得た。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物であるブロック共重合体組成物4を得た。
(ブロック共重合体組成物5)
撹拌機及びジャケット付きの内容量10Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5094g、及び予め生成したスチレン442gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を48℃に加温した。
次に、n-ブチルリチウム2.40gを含むシクロヘキサン溶液を添加し、スチレンの重合を開始した。
スチレンの重合により液温が上昇して、反応温度が最高温度53℃に達してから5分後、1,3-ブタジエン758gを含むシクロヘキサン溶液を添加して重合を継続した。ブタジエンがほぼ完全に重合して、反応温度が最高温度78℃に達してから3分後に、カップリング剤として、下記表1に記載したカップリング剤3をn-ブチルリチウムの総mol数に対するmol比が0.11となるように添加し、25分間カップリング反応させた。この間の平均反応温度は78℃であった。カップリング剤添加より25分後に、メタノール1.2gを加えて反応を失活させ、ブロック共重合体組成物溶液を得た。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.75質量部、2,4-ビス(オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを0.15質量部添加し、充分混合した。
その後溶媒を加熱除去し、ブロック共重合体組成物であるブロック共重合体組成物5を得た。
用いたカップリング剤1~3を、下記表1に示す。
また得られたブロック共重合体組成物の物性を下記表2に示す。
用いた粘着付与剤を下記表3に示す。
用いた軟化剤を下記表4に示す。
Figure 2022042087000007
Figure 2022042087000008
Figure 2022042087000009
Figure 2022042087000010
〔実施例1~20〕、〔比較例1~18〕
上述のようにして得られたブロック共重合体組成物1~5を用いて、上述の方法で粘接着剤組成物を作製し、上記方法により評価した。
得られた評価結果を表5~表8に示す。
Figure 2022042087000011
Figure 2022042087000012
Figure 2022042087000013
Figure 2022042087000014
実施例4と比較例1の比較、実施例5と比較例2の比較、実施例6と比較例3の比較等、軟化剤のみを置換した配合同士の「溶融粘度と粘接着性能のバランス」の結果から、実施例4~6のブロック共重合体組成物と軟化剤の組合せが顕著に性能を発揮することが分かった。
また、実施例5と比較例6の比較、実施例6と比較例7の比較等、ブロック共重合体組成物のビニル芳香族単量体単位の含有量のみが異なる例同士の比較から、粘接着組成物が、ビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上のブロック共重合体組成物(I)を含むことにより顕著に性能が向上することが分かった。
さらに、実施例1、実施例4から、ブロック共重合体組成物が、ブロック共重合体(I-2)を含むことにより、十分高い性能を発揮していることが分かった。なお、実施例5、実施例6等から、ブロック共重合体組成物が、ブロック共重合体(I-3)を含むことによりさらに高い性能が発揮されていることが分かった。
さらにまた、実施例5と実施例6の比較から、ブロック共重合体組成物(I)の主鎖中にカルボキシル基を含有する方が、より高い性能が発揮されていることが分かった。
またさらに、実施例9、実施例19と他のすべての例の比較から、ASTM D3238、又はASTM D2140に準拠して測定されたアロマ成分の含有量(%CA)が5.0以下である軟化剤を使用することで、色が良好な粘接着剤組成物が得られることが分かった。
本発明の粘接着剤組成物は、溶液型及びホットメルト型の接着剤や粘着剤の材料として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (8)

  1. ブロック共重合体組成物100質量部と、
    粘着付与剤30~400質量部と、
    軟化剤10~200質量部と、
    を、含有し、
    前記ブロック共重合体組成物が、
    少なくとも1つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が70,000以下であるブロック共重合体(I-1)と
    少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、重量平均分子量が前記ブロック共重合体(I-1)の1.5倍以上2.5倍以下であるブロック共重合体(I-2)とを少なくとも含むブロック共重合体組成物(I)を含有し、
    前記ブロック共重合体(I-1)の含有量が、前記ブロック共重合体組成物(I)全体の50質量%以上であり、
    前記ブロック共重合体組成物(I)のビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、
    前記軟化剤が、ASTM D3238、又はASTM D2140に準拠して測定されるナフテン成分の含有量(%CN)が30.0以上であるものを含む、
    粘接着剤組成物。
  2. 前記軟化剤の、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるパラフィン成分の含有量(%CP)が、70.0以下である、
    請求項1に記載の粘接着剤組成物。
  3. 前記軟化剤の、ASTM D3238又はASTM D2140に準拠して測定されるアロマ成分の含有量(%CA)が、5.0以下である、
    請求項1又は2に記載の粘接着剤組成物。
  4. 前記軟化剤の、ASTM D1500に準拠して測定される色が、0.5以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  5. 前記粘着付与剤が、水素化芳香族修飾済脂環式樹脂である、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  6. 前記ブロック共重合体組成物(I)が、
    少なくとも2つのビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロック(A)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(B)を含有し、ビニル芳香族単量体単位の含有量が40質量%以上60質量%以下であり、重量平均分子量がブロック共重合体(I-1)の2.5倍を超えて3.5倍以下であるブロック共重合体(I-3)を、さらに含む、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  7. 前記ブロック共重合体組成物(I)が、
    主鎖中にカルボキシル基を含有するブロック共重合体を含む、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
  8. 前記ブロック共重合体組成物(I)が、
    下記式(a)及び/又は(b)で表される、ブロック共重合体を含む、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
    (a) (A-B)n-Y’
    (b) (B-A-B)n-Y’
    (式(a)、(b)中、Aは前記重合体ブロック(A)を示し、Bは前記重合体ブロック(B)を示す。nは1~4の整数を表し、Y’は、下記式(Y1)又は(Y2)で表される構造を形成するカップリング剤を用いてブロック共重合体をカップリングした際のカップリング剤残基を表す。)
    Figure 2022042087000015
    Figure 2022042087000016
    (一般式(Y1)、(Y2)中、曲線部は、炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基であり、無置換でも置換基を有していてもよい。Zはカップリング反応により脱離しうる官能基である。また、Xは1族元素である。)
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