JP2022040423A - 構造物およびその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建設現場におけるコンクリートの打設作業を極力少なくして、短工期で構築可能な構造物を提供すること。【解決手段】建物1の地上躯体4は、第1プレキャストコンクリート部材20A、第2プレキャストコンクリート部材20Bが複数連結されて構築される。プレキャストコンクリート部材20A、20Bは、鉛直方向に延びる柱部30と、柱部30から水平方向に延びる梁部40とを備える。地上躯体4の柱10は、上下に配置されたプレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30同士が連結されて構築される。地上躯体4の一部の梁11は、隣り合うプレキャストコンクリート部材20A、20Bの互いに対向する梁部40同士が、緊張力を導入したPC鋼材53を介して連結されて構築される。【選択図】図3

Description

本発明は、プレキャストコンクリート部材が複数連結されて構築された構造物、および、その構造物の構築方法に関する。
従来より、プレキャストコンクリート柱とプレキャストコンクリート梁とを連結して、構造物を構築することが行われている(特許文献1、2参照)。
特許文献1には、複数のプレキャストコンクリート柱(PCa柱)と、この複数のPCa柱に架け渡された複数のプレキャストコンクリート梁(PCa梁)と、を含む構造物が示されている。PCa梁には、一度に複数スパンに亘ってプレストレスが導入されている。
特許文献2には、プレストレスが導入された細径RC柱を有する建築構造物が示されている。細径RC柱の下端は、床面に半剛接合あるいはピン接合され、細径RC柱の上端は、梁に一体化されている。
特許第4995696号公報 特許第6182387号公報
本発明は、建設現場におけるコンクリートの打設作業を極力少なくして、短工期で構築可能な構造物およびその構築方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、短工期で構築可能な高品質なコンクリート造の構造物として、柱と梁とを予め一体化させたプレキャストコンクリート部材(PCa部材)を製作し、各PCa部材の梁部同士を、緊張力を導入した鋼材を用いて圧着接合することで、現場打設コンクリートを極力低減可能なフルPCa造の柱梁架構を実現できる点に着眼して、本発明に至った。
第1の発明の構造物(例えば、後述の地上躯体4、4A~4D)は、プレキャストコンクリート部材(例えば、後述の第1プレキャストコンクリート部材20A、20C、20E、20G、第2プレキャストコンクリート部材20B、20D、20F、20H)が複数連結されて構築される構造物であって、前記プレキャストコンクリート部材は、鉛直方向に延びる柱部(例えば、後述の柱部30)と、前記柱部から水平方向に延びる梁部(例えば、後述の梁部40、40A、40B)とを備え、前記構造物の柱(例えば、後述の柱10)は、上下に配置された前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士が連結されて構築され、前記構造物の少なくとも一部の梁(例えば、後述の梁11)は、隣り合う前記プレキャストコンクリート部材の互いに対向する梁部同士が、緊張力を導入した鋼材(例えば、後述のPC鋼材53)を介して連結されて構築されることを特徴とする。
この発明によれば、上下に配置されたプレキャストコンクリート部材の柱部同士を連結することで、構造物の柱を構築した。また、隣り合うプレキャストコンクリート部材の互いに対向する梁部同士を、緊張力を導入した鋼材を介して連結することで、構造物の梁を構築した。
このように梁に緊張力(プレストレス)を導入することで、プレストレスが導入されていない鉄筋コンクリート造の梁と比べて、曲げ強度が高く、高剛性であり、ひび割れの発生を防止できる。また、プレキャストコンクリート部材を複数連結して構造物を構築したので、建設現場におけるコンクリートの打設作業を極力少なくして、一定の品質を確保しつつ、短工期で施工できる。
第2の発明の構造物は、前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士は、前記構造物の階高の略中間の高さ位置で連結されていることを特徴とする。
この発明によれば、プレキャストコンクリート部材の柱部同士を、階高の略中間の高さ位置で連結した。つまり、プレキャストコンクリート部材の柱部同士の継手位置を、階高の略中間の高さ位置とした。階高の略中間の高さ位置では、曲げモーメントが小さくなるため、全ての柱主筋を継手で接合する必要がなく、継手の数を削減して、施工効率を向上できる。
第3の発明の構造物は、前記プレキャストコンクリート部材の梁部同士は、前記構造物の隣接する柱間のスパンの中央部で連結されていることを特徴とする。
また、本発明の構造物は、前記プレキャストコンクリート部材を連結して構築された梁は、前記構造物の隣り合うスパンで異なる高さ位置に配置されることが好ましい。
この発明によれば、プレキャストコンクリート部材を連結して構築した梁を、構造物の隣り合うスパンで異なる高さ位置に配置した。よって、鋼材の端部同士が干渉しないから、鋼材を柱部に容易に定着させることができ、施工が容易となる。
第4の発明の構造物の構築方法は、複数のプレキャストコンクリート部材を用いて構造物を構築する方法であって、前記プレキャストコンクリート部材は、鉛直方向に延びる柱部と、前記柱部から水平方向に延びる梁部とを備え、前記プレキャストコンクリート部材を水平方向に並べて配置して、上下に位置する前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士を連結することで、前記構造物の柱を構築するとともに、隣り合う前記プレキャストコンクリート部材の互いに対向する梁部同士を、緊張力を導入した鋼材を介して連結することで、前記構造物の一部の梁を構築する第1工程((例えば、後述のステップS1、S2)と、隣り合う前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士の間に、プレキャストコンクリート造の梁部材を取り付けて、前記構造物の残りの梁を構築する第2工程(例えば、後述のステップS3)と、前記構築した梁同士の間にプレキャストコンクリート造の床版を取り付ける第3工程(例えば、後述のステップS4)と、前記構造物の下層から上層に向かって、前記第1工程から前記第3工程を繰り返す第4工程(例えば、後述のステップS5)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、上下に配置されたプレキャストコンクリート部材の柱部同士を連結することで、構造物の柱としてプレキャストコンクリート柱を構築した。また、隣り合うプレキャストコンクリート部材の互いに対向する梁部同士を、緊張力を導入した鋼材を介して連結することで、構造物の梁としてプレキャストプレストレストコンクリート梁を構築した。
このように梁に緊張力(プレストレス)を導入することで、プレストレスが導入されていない鉄筋コンクリート造の梁と比べて、曲げ強度が高く、高剛性となる。また、プレキャストコンクリート部材を複数連結して構造物を構築したので、建設現場におけるコンクリートの打設作業を極力少なくして、一定の品質を確保しつつ短工期で施工できる。
本発明によれば、建設現場におけるコンクリートの打設作業を極力少なくして、短工期で構築可能な構造物およびその構築方法を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る建物の骨組みを示す側面図である。 第1実施形態に係る建物の基準階の平面図である。 第1実施形態に係る建物の地上躯体の柱梁架構を模式的に示す側面図である。 第1実施形態に係る地上躯体の構築に用いられる第1プレキャストコンクリート部材の縦断面図およびA-A断面図である。 図4の破線Bで囲んだ部分の拡大図およびC-C断面図である。 第1実施形態に係る第1プレキャストコンクリート部材に鋼材を取り付けた状態を示す断面図である。 第1実施形態に係る地上躯体(構造物)の構築手順のフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る地上躯体の柱梁架構を模式的に示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係る地上躯体の柱梁架構を模式的に示す側面図である。 本発明の第4実施形態に係る地上躯体の柱梁架構を模式的に示す斜視図である。 第4実施形態に係る地上躯体の構築に用いられる第1プレキャストコンクリート部材および第2プレキャストコンクリート部材の斜視図である。 第4実施形態に係る第1プレキャストコンクリート部材の平断面図である。 本発明の第5実施形態に係る地上躯体の柱梁架構を模式的に示す斜視図である。
本発明は、柱部と梁部を備えるプレキャストコンクリート部材を複数連結して構築された構造物と、その構造物の構築方法である。具体的には、各プレキャストコンクリート部材の上下の柱部同士を連結するとともに、緊張力を導入した鋼材で各プレキャストコンクリート部材の対向する梁部同士を連結することで、構造物を構築する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る建物1の骨組みを示す側面図である。図2は、建物1の基準階の平面図である。
建物1は、地下1階、地上20階の鉄筋コンクリート造の建物である。この建物1は、鉄筋コンクリート造の基礎2と、基礎2の上に構築された鉄筋コンクリート造の地下躯体3と、地下躯体3の上に構築されたプレキャストコンクリート造の構造物としての地上躯体4と、を備える。
地上躯体4は、柱10、梁11、および床12を含んで構成されている。この地上躯体4の中央部には、コア部5が設けられている。柱10は、平面視で、地上躯体4およびコア部5の外周部に配置されている。
図3は、建物1の地上躯体4の柱梁架構を模式的に示す側面図である。
地上躯体4の柱梁架構は、各層毎または1スパン毎に、現場打設コンクリートの無い複数の第1プレキャストコンクリート部材20A、第2プレキャストコンクリート部材20B、プレキャストコンクリート造の梁部材21、およびプレキャストコンクリート造の床版22が複数連結されて構築されている。
図4(a)は、第1プレキャストコンクリート部材20Aの縦断面図であり、図4(b)は、図4(a)のA-A断面図である。図5(a)は、図4(a)の破線Bで囲んだ部分の拡大図であり、図5(b)は、図5(a)のC-C断面図である。
第1プレキャストコンクリート部材20Aは、略T字形状であり、鉛直方向に延びる柱部30と、柱部30の略中間の高さから水平方向に延びる梁部40と、を備える。
柱部30の内部には、柱主筋31および帯筋32が設けられている。柱部30の下端面には、柱主筋31が接合される継手部33が設けられている。また、柱主筋31の上端部は、柱部30の上端面から上方に突出しており、柱主筋31の下端部は、継手部33に接合されている。
梁部40の内部には、梁主筋41およびあばら筋42が設けられている。梁主筋41の一端側は、定着板43に接合されて、柱部30内に定着しており、梁主筋41の他端側は、定着板43に接合されて、梁部40の先端部に定着している。
また、梁部40の内部には、シース管50が埋設されている。このシース管50の一端側は、柱部30の側面に形成された凹部51に連通しており、シース管50の他端側は、梁部40の先端面に連通している。
また、柱部30の側面には、梁部材21が係止するための顎部34が設けられている。
図3に戻って、第2プレキャストコンクリート部材20Bは、第1プレキャストコンクリート部材20Aと梁部40の向きが異なり、その他の構成は第1プレキャストコンクリート部材20Aと同様の構成である。
プレキャストコンクリート造の梁部材21は、水平方向に延びており、第1プレキャストコンクリート部材20Aの梁部40と同様の構成であるが、シース管は設けられていない。
以上の第1プレキャストコンクリート部材20Aと第2プレキャストコンクリート部材20Bとは、水平方向に交互に並んで配置されており、互いに対向する第1プレキャストコンクリート部材20Aの梁部40と第2プレキャストコンクリート部材20Bの梁部40とは、図3に示すように、緊張力が導入されたPC鋼材53を用いて、梁スパンの中央部で圧着接合されて、プレキャストプレストレストコンクリート梁となっている。
すなわち、図6にも示すように、PC鋼材53を、プレキャストコンクリート部材20A、20Bのシース管50に挿通するとともに、支圧板54をプレキャストコンクリート部材20A、20Bの凹部51の底面に配置しておく。次に、PC鋼材53に緊張力を導入し、この状態で、PC鋼材53の両端部にナット55を締め付けて、このナット55および支圧板54を介して、PC鋼材53の両端部を凹部51の底面に係止させる。これにより、PC鋼材53に導入した緊張力が維持されて、互いに対向する第1プレキャストコンクリート部材20Aの梁部40と第2プレキャストコンクリート部材20Bの梁部40とが圧着接合される。
よって、互いに対向する第1プレキャストコンクリート部材20Aの梁部40と第2プレキャストコンクリート部材20Bの梁部40とが一体化されて、地上躯体4のプレキャストプレストレストコンクリート梁の梁11となる。つまり、第1プレキャストコンクリート部材20Aと第2プレキャストコンクリート部材20Bとを連結して構築した梁11は、スパン中央部で連結されており、地上躯体4の隣り合うスパンで異なる高さ位置に配置されることになる。
また、第1プレキャストコンクリート部材20Aと第2プレキャストコンクリート部材20Bとは、上下方向にも、交互に配置されて連結されている。
すなわち、下側の第1プレキャストコンクリート部材20Aから上方に突出した柱主筋31は、上側の第2プレキャストコンクリート部材20Bの継手部33に接合されている。また、下側の第2プレキャストコンクリート部材20Bから上方に突出した柱主筋31は、上側の第1プレキャストコンクリート部材20Aの継手部33に接合されている。
これにより、上下に位置する第1プレキャストコンクリート部材20Aの柱部30と第2プレキャストコンクリート部材20Bの柱部30とが一体化されて、地上躯体4の柱10となる。つまり、地上躯体4の柱10は、階高の略中間の高さ位置で連結されている。なお、階高の略中間の高さ位置では、曲げモーメントが小さくなるため、全ての柱主筋31を継手で接合する必要がない。よって、例えば、本実施形態では、一部の柱主筋31Aについては、階高の略中間の高さ位置で切断されており、継手で接合されていない(図4(b)中×印で示す)。
また、梁部材21は、隣り合う第1プレキャストコンクリート部材20Aの柱部30に設けられた顎部34と、第2プレキャストコンクリート部材20Bの柱部30に設けられた顎部34と、の間に架設される。これにより、この梁部材21は、プレキャストコンクリート部材20A、20Bを連結して構築した場合と同様に、地上躯体4の梁11となる。
以上の地上躯体4は、以下の手順で構築する。図7は、地上躯体4の構築手順のフローチャートである。
ステップS1では、図3に示すように、所定階の第1プレキャストコンクリート部材20Aおよび第2プレキャストコンクリート部材20Bを水平方向に交互に配置する。
ステップS2では、プレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30に、下側のプレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30を連結することで、地上躯体4の柱10を構築する。また、隣り合うプレキャストコンクリート部材20A、20Bの互いに対向する梁部40同士を、緊張力を導入したPC鋼材53を介して連結することで、地上躯体4の所定階の柱10および一部の梁11を構築する。
ステップS3では、隣り合うプレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30同士の間に、プレキャストコンクリート造の梁部材21を取り付けて、地上躯体4の所定階の残りの梁11を構築する。
ステップS4では、構築した梁11同士の間に、プレキャストコンクリート造の床版22を取り付けて、所定階の床12を構築する。
ステップS5では、地上躯体4の下層から上層に向かって、ステップS1からステップS4を繰り返す。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)上下に配置された複数のプレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30同士を連結することで、建物1の地上躯体4の柱10を構築した。また、隣り合うプレキャストコンクリート部材20A、20Bの互いに対向する梁部40同士を、緊張力を導入した鋼材を介して連結することで、建物1の地上躯体4の梁11を構築した。
このように梁11に緊張力(プレストレス)を導入することで、梁11は、プレストレスが導入されていない鉄筋コンクリート造の梁と比べて、曲げ強度が高く、高剛性であり、ひび割れの発生を防止できる。また、プレキャストコンクリート部材20A、20B、梁部材21、および床版22を複数連結して建物1の地上躯体4を構築したので、建設現場におけるコンクリートの打設作業を極力少なくして、一定の品質を確保しつつ、短工期で施工できる。よって、本発明の建物1の構築方法では、複数のプレキャストコンクリート部材20A、20Bを連結して柱梁架構を構築するため、従来の建物の構築方法に比べて、建設現場でのコンクリート打設作業が少なくなり、コンクリート打設に伴う建設資材の加工、廃棄、リサイクルなどを少なくして、環境負荷を低減できる。
(2)プレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30同士を、階高の略中間の高さ位置で連結した。つまり、プレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30同士の継手位置を、階高の略中間の高さ位置とした。階高の略中間の高さ位置では、曲げモーメントが小さくなるため、全ての柱主筋31を継手で接合する必要がない。よって、本実施形態では、一部の柱主筋31Aを継手接合しないから、継手の数を削減して、施工効率を向上できる。
(3)略T字形状のプレキャストコンクリート部材20A、20Bを連結して構築した梁11を、地上躯体4の隣り合うスパンで異なる高さ位置に配置した。よって、PC鋼材53の端部同士が干渉しないから、PC鋼材53を柱部30に容易に定着させることができ、施工が容易となる。
〔第2実施形態〕
図8は、本発明の第2実施形態に係る地上躯体4Aの柱梁架構を模式的に示す側面図である。
本実施形態では、上下のプレキャストコンクリート部材20C、20D同士が、プレキャストコンクリート造の柱部材23を介して連結されている点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、プレキャストコンクリート部材20C、20Dの柱部30は、第1実施形態よりも短く、柱部30の頂部に梁部40が設けられた略L字形状となっている。また、プレキャストコンクリート造の柱部材23は、鉛直方向に延びており、プレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30と同様の構成となっている。
この柱部材23の継手部33には、下側のプレキャストコンクリート部材20C、20Dから上方に突出した柱主筋31が接合されている。また、柱部材23から上方に突出した柱主筋31は、上側のプレキャストコンクリート部材20C、20Dの継手部33に接合されている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)に加えて、以下のような効果がある。
(4)プレキャストコンクリート部材20C、20Dを、略T字形状でなく略L字形状とすることで、プレキャストコンクリート部材のサイズが小さくなり、軽量化を実現できる。また、プレキャストコンクリート部材が軽量化されることで、運搬費用の低減および揚重作業の効率化が可能となる。
〔第3実施形態〕
図9は、本発明の第3実施形態に係る地上躯体4Bの柱梁架構を模式的に示す側面図である。
本実施形態では、水平方向に隣り合うプレキャストコンクリート部材20E、20F同士が、プレキャストコンクリート造の梁部材24を介して連結されている点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、プレキャストコンクリート部材20E、20Fの梁部40は、第1実施形態よりも短くなっている。また、プレキャストコンクリート造の梁部材24は、水平方向に延びており、プレキャストコンクリート部材20A、20Bの梁部40と同様の構成となっている。
この梁部材24をプレキャストコンクリート部材20E、20F同士の間に配置し、PC鋼材53を、プレキャストコンクリート部材20E、20Fおよび梁部材24のシース管50に挿通する。そして、このPC鋼材53に緊張力を導入した状態で、ナット55および支圧板54を介して、PC鋼材53の両端部を凹部51に係止させる。これにより、PC鋼材53に導入した緊張力が維持されて、プレキャストコンクリート部材20E、20Fおよび梁部材24が互いに圧着接合される。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)に加えて、下記のような効果がある。
(5)梁部材24を挟んでプレキャストコンクリート部材20E、20Fを連結したので、プレキャストコンクリート部材20E、20Fの梁部40の長さを短くできる。よって、プレキャストコンクリート部材の軽量化が可能となり、上述の(4)と同様に、運搬費用の低減および揚重作業の効率化が可能となる。
また、図9に示すように、プレキャストコンクリート部材20E、20Fの間に梁部材24を設けることで、梁の分割数を増やしたので、建物1の梁を長スパン化できる。
〔第4実施形態〕
図10は、本発明の第4実施形態に係る地上躯体4Cの柱梁架構を模式的に示す斜視図である。図11(a)は、地上躯体4Cの構築に用いられる第1プレキャストコンクリート部材20Gの斜視図であり、図11(b)は、地上躯体4Cの構築に用いられる第2プレキャストコンクリート部材20Hの斜視図である。図12は、第1プレキャストコンクリート部材20Gの平断面図である。
本実施形態では、第1プレキャストコンクリート部材20Gおよび第2プレキャストコンクリート部材20Hが、一対の梁部40A、40Bを備える点が、第1実施形態と異なる。
すなわち、第1プレキャストコンクリート部材20Gは、略十字形状であり、鉛直方向に延びる柱部30と、柱部30の中間高さから水平方向に延びる一対の梁部40A、40Bと、を備える。
この一対の梁部40A、40Bは、柱部30から互いに反対方向に延びている。具体的には、一方の梁部40Aは、柱部30の側面からこの側面に略垂直に延びている。これに対し、他方の梁部40Bは、柱部30の梁部40Aが設けられた側面に隣接する側面からこの側面に略平行に延びている。これにより、平面視で、梁部40Aの中心軸と梁部40Bの中心軸とは、位置ずれしており、PC鋼材53は、各梁部40A、40Bの中心軸上に設けられている。なお、図12に示すように、梁部40Aの側面と梁部40Bの側面とは、寸法dだけ重複している。
このように、梁部40Aの中心軸と梁部40Bの中心軸とが位置ずれしていることにより、梁部40A、40Bに取り付けたPC鋼材53の端部同士が、互いに干渉しないようになっている。
第2プレキャストコンクリート部材20Hは、梁部40A、40Bの向きが第1プレキャストコンクリート部材20Gと異なる。
以上の第1プレキャストコンクリート部材20Gと第2プレキャストコンクリート部材20Hとは、水平方向に交互に並んで配置されている。そして、互いに対向するプレキャストコンクリート部材20G、20Hの梁部40A同士および梁部40B同士は、緊張力が導入されたPC鋼材53で連結されている。
また、第1プレキャストコンクリート部材20Gは、上下方向に積層配置されて連結されており、第2プレキャストコンクリート部材20Hは、上下方向に積層配置されて連結されている。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)の効果に加えて、以下の効果がある。
(6)平面視で、プレキャストコンクリート部材20G、20Hの中心軸をずらして配置した。よって、PC鋼材53の端部同士が干渉しないから、PC鋼材53を柱部30に容易に定着させることができ、施工が容易となる。
〔第5実施形態〕
図13は、本発明の第5実施形態に係る地上躯体4Dの柱梁架構を模式的に示す斜視図である。
本実施形態では、第1プレキャストコンクリート部材20Gと第2プレキャストコンクリート部材20Hとを、上下方向に交互に配置した点が、第4実施形態と異なる。
本実施形態によれば、上述の(1)~(3)、(6)と同様の効果がある。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述の第1実施形態では、上下に位置するプレキャストコンクリート部材20A、20Bの柱部30の柱主筋31について、一部のみを継手接合したが、これに限らず、上下の柱主筋31同士を全て継手接合してもよい。
また、上述の第1実施形態では、プレキャストコンクリート部材20A、20Bを用いて柱梁架構を構築し、第2実施形態では、プレキャストコンクリート部材20C、20Dを用いて柱梁架構を構築し、第3実施形態では、プレキャストコンクリート部材20E、20Fを用いて柱梁架構を構築したが、これに限らず、異なる実施形態のプレキャストコンクリート部材20A~20Fの中から、適宜選択して用いてもよい。例えば、プレキャストコンクリート部材20A~20Dを連結して柱梁架構を構築してもよい。
また、上述の第4、5実施形態では、プレキャストコンクリート部材20G、20Hを略十字形状としたが、これに限らず、第2実施形態のように柱部30の長さを短くして、略T字形状としてもよい。
また、上述の第4、5実施形態では、プレキャストコンクリート部材20G、20Hの梁部40A、40B同士を直接連結したが、これに限らず、第3実施形態のように、プレキャストコンクリート部材20G、20Hの梁部40A、40B同士の間に新たな梁部材を挟み込んで、長スパン化してもよい。
1…建物 2…基礎 3…地下躯体
4、4A、4B、4C、4D…地上躯体(構造物) 5…コア部
10…柱 11…梁 12…床
20A、20C、20E、20G…第1プレキャストコンクリート部材
20B、20D、20F、20H…第2プレキャストコンクリート部材
21…梁部材 22…床版 23…柱部材 24…梁部材
30…柱部 31、31A…柱主筋 32…帯筋 33…継手部 34…顎部
40、40A、40B…梁部 41…梁主筋 42…あばら筋 43…定着板
50…シース管 51…凹部 53…PC鋼材 54…支圧板 55…ナット

Claims (4)

  1. プレキャストコンクリート部材が複数連結されて構築される構造物であって、
    前記プレキャストコンクリート部材は、鉛直方向に延びる柱部と、前記柱部から水平方向に延びる梁部とを備え、
    前記構造物の柱は、上下に配置された前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士が連結されて構築され、
    前記構造物の少なくとも一部の梁は、隣り合う前記プレキャストコンクリート部材の互いに対向する梁部同士が、緊張力を導入した鋼材を介して連結されて構築されることを特徴とする構造物。
  2. 前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士は、前記構造物の階高の略中間の高さ位置で連結されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物。
  3. 前記プレキャストコンクリート部材の梁部同士は、前記構造物の隣接する柱間のスパンの中央部で連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の構造物。
  4. 複数のプレキャストコンクリート部材を用いて構造物を構築する方法であって、
    前記プレキャストコンクリート部材は、鉛直方向に延びる柱部と、前記柱部から水平方向に延びる梁部とを備え、
    前記プレキャストコンクリート部材を水平方向に並べて配置して、上下に位置する前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士を連結することで、前記構造物の柱を構築するとともに、隣り合う前記プレキャストコンクリート部材の互いに対向する梁部同士を、緊張力を導入した鋼材を介して連結することで、前記構造物の一部の梁を構築する第1工程と、
    隣り合う前記プレキャストコンクリート部材の柱部同士の間に、プレキャストコンクリート造の梁部材を取り付けて、前記構造物の残りの梁を構築する第2工程と、
    前記構築した梁同士の間にプレキャストコンクリート造の床版を取り付ける第3工程と、
    前記構造物の下層から上層に向かって、前記第1工程から前記第3工程を繰り返す第4工程と、を備えることを特徴とする構造物の構築方法。
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