JP2022039917A - 農作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラクタに装着する農作業機において、農作業機前方の横側への土の飛び出しを有効に軽減する機構を備えた農作業機を提供することを目的とする。【解決手段】トラクタに装着する農作業機10であって、横方向を中心軸として回転可能な耕耘部40と、耕耘部40の両側側面から前方に向けてそれぞれ設置される前側板50、50’とを備え、前側板50、50’は、前後及び上下方向に平行に配置される本体部51、51’と、本体部51、51’の前方で左右方向の内側に傾いた面を形成する前側部52、52’とを備え、農作業時において、前側部52、52’の下端は、本体部51、51’に有する最下端部T3aよりも高く形成され、前側板52、52’は、耕耘部40の回転により前方横方向に飛び出そうとする土を跳ね返して左右方向内側へ戻すように設定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、農作業機に関し、特に、トラクタに装着して耕耘作業を行う農作業機に関する。
トラクタに装着する農作業機は、トラクタのPTO動力を利用して耕耘爪を回転させることにより、耕耘作業を行う種類のものが多数存在する。特許文献1にはそのような農作業機の一例が示されている。
特開2017-6082号公報
トラクタに装着された農作業機が耕耘を行う際は、耕耘部の回転の勢いにより耕耘した土の一部が、農作業機の機体の前方の横から出てしまう場合がある。この横に飛び出した土は、隣のすでに耕耘した場所の上に乗ってしまい、後作業に支障をきたす場合がある。後作業の例としては、ロータリー作業機であれば、耕耘作業の後の植付作業や播種作業等が該当する。
本発明は、上記課題に鑑みて、トラクタに装着する農作業機において、農作業機前方の横側への土の飛び出しを有効に軽減する機構を備えた農作業機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、代表的な本発明の農作業機の一つは、トラクタに装着する農作業機であって、横方向を中心軸として回転可能な耕耘部と、前記耕耘部の両側側面から前方に向けてそれぞれ設置される前側板とを備え、前記前側板は、前後及び上下方向に平行に配置される本体部と、前記本体部の前方で左右方向の内側に傾いた面を形成する前側部とを備え、農作業時において、前記前側部の下端は、前記本体部に有する最下端部よりも高く形成され、前記前側板は、前記耕耘部の回転により前方横方向に飛び出そうとする土を跳ね返して左右方向内側へ戻すように設定されていることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、標準的な作業姿勢において、前記前側板の上方側面の高さ方向の位置は、前記耕耘部の中心から上方に、前記耕耘部の耕耘半径の70%以上、90%以下の範囲で設定されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、標準的な作業姿勢において、前記前側板の前方側面の前後方向の位置は、前記耕耘部の耕耘半径の1.5倍以上、2倍以下の範囲に設定されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、前記前側板の下方側面は、標準的な作業姿勢において、前記最下端部から、前側に向かって水平に対して上側に傾斜して形成される傾斜部を備え、前記傾斜部の水平に対する角度は、20°以上、40°以下の範囲で設定されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、前記耕耘部の両側に側板を備え、前記前側板は、後方側面付近に前記側板に取り付けるための取付孔が複数形成され、前記側板と直接当接させて前記側板に固定されていることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、前記本体部から前記前側部の内側端部までの横方向の距離は、前記耕耘部の耕耘半径の10%以上、20%以下の範囲で設定されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、前記前側板は、折曲部を介したくの字状に形成され、前記折曲部の折り曲げ角度は、15°以上35°以下の範囲で設定されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、前記折曲部は、標準的な作業姿勢において、下方に行くに従い前側に行くように角度をつけて形成され、当該角度は、垂直方向に対して2°以上、8°以下の範囲で設定されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の一つは、前記耕耘部の後ろ側を覆う整地体と、前記整地体の両側側面に固定される補助側板とを備え、前記補助側板は、前記整地体に取り付けられる取付面と、前記取付面に対して曲げ部を介して横方向内側に傾斜する傾斜面とを備え、前記傾斜面は、前記整地体よりも前方に位置し、前記曲げ部は、前記曲げ部の延びる方向を縦方向に配置した場合、前記補助側板の全幅に対して中ほどに形成されることを特徴とする。
本発明によれば、トラクタに装着して耕耘作業を行う農作業機において、農作業機前方の横側への土の飛び出しを有効に軽減することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
本発明の農作業機の一実施形態を示す平面図である。 本発明の農作業機の一実施形態を示す左側面図である。 本発明の農作業機の一実施形態を示す右側面図である。 本発明の農作業機の一実施形態における左側の前側板の側面図である。 本発明の農作業機の一実施形態における左側の前側板の上面図である。 図2、3のAA視の概略図を示し、(a)が左側の前側板、(b)が右側の前側板の機能を説明するための図である。 本発明の農作業機の一実施形態における補助側板を示す図であり、(a)は側面図を示し、(b)は上面図を示す。 本発明の農作業機の一実施形態における整地体の側面図を示す。 本発明の農作業機の補助側板の取付例を示す図であり、(a)は第1の取付状態を示し、(b)は第2の取付状態を示す。
本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の農作業機の一実施形態を示す平面図である。図2は、本発明の農作業機の一実施形態を示す左側面図である。図3は、本発明の農作業機の一実施形態を示す右側面図である。図2と3は、農作業時の標準的な作業姿勢を示す。標準的な作業姿勢は、農作業を行うための最も通常となる姿勢である。
図1~3は、トラクタに装着する農作業機としてロータリー作業機10による実施形態を示している。トラクタに装着されたロータリー作業機10は、トラクタを前進させながら耕耘部40により耕耘作業を行うものである。以下、ロータリー作業機10の進行方向を前方向として説明している。図1の左右方向がロータリー作業機10の横方向(左右方向)であり、図1の上方向がロータリー作業機10の前方向である。図2の左方向がロータリー作業機10の前方向であり、図2の上下方向がロータリー作業機10の上下方向(高さ方向)である。図3の右方向がロータリー作業機10の前方向であり、図3の上下方向がロータリー作業機10の上下方向(高さ方向)である。
ロータリー作業機10は、ミッションケース12の左側に左フレームパイプ13が接続されており、その左側端部は左側板15が固定されている。一方、ミッションケース12の右側に右フレームパイプ14が接続されており、その右側端部は右側板17が固定されている。左側板15及び右側板17は下側に向けて設けられ、耕耘軸41の両端の側面まで延在している。左側板15には、左フレームパイプ13の左側端部から耕耘軸41の左側端部にかけてチェーンケース16が取り付けられており、内部にスプロケットやチェーン等を備える。また、チェーンケース16の下側を覆うチェーンケースガード19が固定部材102、103により取り付けられ、土との接触によるチェーンケース16の摩耗を防止している。右側板17には、耕耘軸41の右側端部の位置に端部カバー部材20が取り付けられている。また、ミッションケース12の前方下側には、前側パイプ18を備えており、左側板15と右側板17の間を接続している。
ミッションケース12、左フレームパイプ13、右フレームパイプ14の下側には、左側板15と右側板17の間に渡って、耕耘部カバー22を備えている。耕耘部カバー22は耕耘部40の上側を覆う構成である。さらに、耕耘部カバー22の後ろ側では、整地体24が、後方下側へ向けて、接続部材である蝶番25を介して耕耘部カバー22に対して横方向を回転軸として回動可能に取り付けられている。これにより整地体24は耕耘部40の後ろ側を覆う。また、左右のフレームパイプ13、14と、整地体24を連結するように接地圧調整手段26がそれぞれ設けられている。整地体24の両端には整地体を延長できるように延長整地体29、29’が設けられている。また、耕耘部40の前側には、左右にそれぞれゲージ輪27が設けられている。また、左右のサイドカバー28、28’は、それぞれ、左側板15及び右側板17から後ろ側に向けて耕耘部40の左右側面をそれぞれ覆うように取り付けられている。
耕耘部40は、複数の耕耘爪42(図2、3では1つのみ図示)を有する耕耘軸41等により構成され、左側板15及び右側板17の間に、回転可能に設置される。耕耘軸41の左側にチェーンケース16、右側に端部カバー部材20が設置される。耕耘部40の回転中心は、横方向に延びる中心軸となる。
左側の前側板50は、左側板15の前側でボルト等の複数の固定部材101により取り付けられ、左側板15から前方に向けて配置されている。これにより、前側板50は、耕耘部40の左側面(の前側の一部)及びそれより前方側の左側面を所定長さに渡って覆う。前側板50は、板状部材であり本体部51と前側部52を備えている。本体部51は、前後及び上下方向に平行(耕耘部40の回転中心軸と直角)に配置されるが、前側部52では、折曲部55において、左右方向の内側(ロータリー作業機10側)へ向けて傾いた面による構成となっている。また下方側面T3には、前方に行くほど高さが高くなる傾斜部T3bを備えている。これにより、前側部52の下端は、本体部51に有する最下端部T3aよりも高い位置に形成されている。
右側の前側板50’は、右側板17の前側でボルト等の複数の固定部材101により取り付けられ、右側板17から前方に向けて配置されている。これにより、前側板50’は、耕耘部40の右側面(の前側の一部)及びそれより前方側の右側面を所定長さに渡って覆う。前側板50’は、板状部材であり本体部51’と前側部52’を備えている。前側板50’は、前側板50に対して基本的に左右対称の構成である。ただし、右側板17との取り付け部分近傍は、右側板17に合わせた形状となっている。
マスト31及び2つのロワーアーム32は、トラクタとの装着部30であり、これらによりトラクタの後部にロータリー作業機10が装着される。マスト31はミッションケース12に固定される。ロワーアーム32は前側パイプ18の左右2か所に固定される。
左側のサイドカバー28は、左側板15の後方側においてボルト等の複数の固定部材104を介して固定されている。右側のサイドカバー28’は、右側板17の後方側においてボルト等の複数の固定部材104を介して固定されている。サイドカバー28、28’は前後及び上下方向に平行(耕耘部40の回転中心軸と直角)で形成される。また、整地体24の左側側面(左端の側面)には、補助側板60(図2参照)が固定されており、補助側板60は、左側のサイドカバー28よりも横方向の内側に位置する。また、整地体24の右側側面(右端の側面)には、補助側板60’(図3参照)が固定されており、補助側板60’は、右側のサイドカバー28’よりも横方向の内側に位置する。
トラクタから出力されたPTO(Power Take Off)動力はジョイント等を介して、入力軸11から入力され、ミッションケース12内のギア機構を介して、左フレームパイプ13内の駆動軸に伝達される。この駆動軸からは、左側のチェーンケース16内で、第1スプロケット、チェーン、第2スプロケットを介して、耕耘部カバー22の下側に位置する耕耘部40に伝達される。耕耘部40は、耕耘軸41を回転させることにより耕耘爪42が回転して耕耘作業を行う。図2、3において、耕耘外径45は、耕耘爪42先端が回転する外端部分であり、その半径は耕耘半径Rとして示されている。耕耘半径Rの具体例として270mmがあげられる。なお、入力軸11は、作業時の標準的な作業姿勢においては、ほぼ水平となっている。
耕耘爪42の回転方向は、図2、3の矢印で示されるように、図2の左側面から見て反時計回りであり、上端部P1で後ろから前に向けて回転する方向である。耕耘部40は、耕耘部カバー22及び整地体24に囲まれているため、耕耘部40が回転すると耕耘爪42が圃場の土を攪拌しながら耕耘していく。このとき、耕耘爪42によりかき出された圃場の土は、一部は耕耘軸41の上を通って前側に落ち、再度、耕耘爪42で攪拌される。前側に落ちようとする土の一部は、耕耘爪42の回転の勢いや耕耘爪42の曲がり形状によりロータリー作業機10の前方横側へ飛び出そうとする。しかし、前側板50、50’を備えることにより、これらの土を内側に跳ね返すことができ、前方横側へ土が飛び出すのを防ぐ又は低減することができる。
図4は、本発明の農作業機の一実施形態における左側の前側板の側面図である。図5は、本発明の農作業機の一実施形態における左側の前側板の上面図である。図4の左方向が前側板50の前方向であり、図4の上下方向が前側板50の上下方向(高さ方向)である。図5の左方向が前側板50の前方向であり、図5の上下方向が前側板50の左右方向である。図5の上方向がロータリー作業機10の左右方向の内側となる。なお、図4、5は、ロータリー作業機10の農作業時の標準的な作業姿勢の場合を想定している。以下この姿勢を前提として説明する。作業時においては、標準的な作業姿勢よりも前傾となったり後傾となったりする場合があるが、標準的な作業姿勢はその機種においてあらかじめ想定されている作業時の標準的な姿勢である。
前側板50は、周囲に上方側面T1、前方側面T2、下方側面T3、後方側面T4が形成されている。これらの交点では、角を丸める等の加工をすることができる。また、本体部51から折曲部55を介して前側部52が形成されている。これにより前側板50は全体としてくの字形状に形成される。
前側板50の上方側面T1は、本体部51及び前側部52の上端であり、ほぼ水平に形成される。上方側面T1の高さ位置は、図2に示す耕耘中心Cよりも高く設定され、例えば、耕耘中心Cから上方に、耕耘半径Rの70%以上90%以下の範囲で設定される。また、上方側面T1の高さは、耕耘部カバー22の前端部22aとほぼ同じ高さか、それよりも高い高さに設定される。図2に示すように、側面から見た場合、上方側面T1は、前端部22aとほぼ重なるように配置される。
前側板50の前方側面T2は、前側部52の前方の端部側面に相当する。前方側面T2の前後方向の位置は、図2に示す耕耘外径45の前端部P2よりも十分前方の位置に設定される。例えば、耕耘中心Cから耕耘半径Rの1.5倍以上、さらには、1.7倍以上、前方の位置にする等である。また、他の部分との干渉をさけるため、前方側面T2の前後方向の位置は耕耘中心Cから耕耘半径Rの2倍以下に収めるとよい。また、前方側面T2は、垂直に構成することができるが、後述する折曲部55と平行にわずかに垂直から傾斜していてもよい。
前側板50の下方側面T3は、最下端部T3aと傾斜部T3bから構成されている。最下端部T3aは、前側板50の最も低い部分であり、下方側面T3の後部側の部分(左側板15側の部分)にほぼ水平に形成される。最下端部T3aの高さは、チェーンケース16又はチェーンケースガード19の下端部から上方に耕耘半径Rの20%以内の範囲、さらには10%以内の範囲で形成される。もしくは、最下端部T3aの高さは、耕耘中心Cよりも下側に、耕耘半径Rの40%以上60%以下の範囲で設定される。最下端部T3aの前端の前後方向の位置は、耕耘外径45付近までとすることができる。
傾斜部T3bは、最下端部T3aの前端から前側に向かって水平(最下端部T3a)に対して角度α1で上側に傾斜して形成される。α1の角度は、例えば、水平に対して20°以上40°以下の範囲、さらには、25°以上35°以下の範囲で設定される。これにより、前方側面T2における下端Qは、最下端部T3aからの高さ方向の距離d1を備え、農作業時において前側部52の下側に十分な空間を形成する。距離d1は、例えば、耕耘半径Rの40%以上60%以下の範囲で設定される。また、下端Qは、図2に示すように、耕耘中心C付近かそれよりも高い位置に形成されている。
前側板50の後方側面T4は、本体部51の後方の端部側面であり、耕耘部40の側面付近に位置する。後方側面T4は、上から、上側部T4a、凹部T4b、下側部T4cから構成されている。上側部T4aは、図2に示すようにチェーンケース16の前側側面に沿った形状であり、チェーンケース16の傾きに合わせて、垂直よりやや傾斜した直線状に形成されている。凹部T4bは、チェーンケースガード19の固定部材102の取付部を避けるように、前方側にへこんだ凹状に形成されている。下側部T4cは、チェーンケースガード19の前側側面に沿った形状であり、下に行くほど後方に向かって傾斜した直線状に形成されている。
折曲部55の前後方向の位置は、図2に示すように側面からみて少なくとも耕耘外径45より前側に位置している。さらに、折曲部55の前後方向の位置は、耕耘中心Cよりも前側に、耕耘半径Rの130%以上170%以下の範囲、さらには140%以上160%以下の範囲で設定される。
折曲部55の折り曲げ角度は、図5のβで示される角度であり、前後方向の平面に対して横方向内側へ傾ける角度である。この角度の範囲は、例えば、15°以上35°以下、さらには20°以上30°以下の範囲で設定される。例えば、5°程度の浅い角度であれば、土が外に出やすくなる。また、40°以上の角度であると、圃場内の雑物が引っかかりやすくなり、その結果、雑物を引きずることになる。
折曲部55の形成方向は、垂直方向に形成可能であるが、垂直方向からわずか下方に行くに従い前側に行くように傾斜する角度をつけてもよい。これにより、前側部52の内側面が少し下を向くため、前側部52に当たった土を落ちやすくできる。この角度は、図4の角度α2で示され、例えば、2°以上8°以下の範囲、さらには、4°以上6°以下の範囲で設定される。
図5に示すように、本体部51からの前側部52の内側端部までの横方向の距離d2は、例えば、耕耘半径Rの10%以上20%以下の範囲で設定される。前側部52の前後方向の距離d3は、例えば、耕耘半径Rの20%以上40%以下の範囲、さらには25%以上35%以下の範囲で設定される。
図4に示す取付孔56は、前側板50の後端付近の上側からの所定範囲に上下に並んで形成される。取付孔56は、上側部T4aに沿って形成され、上側部T4a近傍に複数形成されている。本実施形態では3つの例を示している。前側板50の左側板15に対する取り付けは、前側板50と左側板15を直接当接させてボルトなどの固定部材101を取付孔56と、左側板15の前側付近に形成された孔に通して固定することができる。この場合、前側板50と左側板15の間にはスペーサーなどの介在物を介さないため、左側板15とほぼ同じ横方向の位置で前側板50を取り付けることができる。
右側の前側板50’は、左側の前側板50に対して左右対称の形状で右側板17に取り付けられる。このことで、前側部52’は折曲部55’で内側に向けて折り曲げられる。これらの構成は、前側部52、折曲部55と同様である。ただし、左側の前側板50の後方側面T4に相当する形状は、右側の前側板50’においては、右側板17及び端部カバー部材20に合わせた形状で形成されている。
図6は、図2、3のAA視の概略図を示し、(a)が左側の前側板、(b)が右側の前側板の機能を説明するための図である。図6の上方向がロータリー作業機10の前方向であり、図6の左右方向がロータリー作業機10の左右方向である。
図6において、矢印S、S’は、耕耘部40の上側から前方へ向けて横側外方向に飛ばされる土の流れを示している。図6(a)の左側において、一番左側の土の流れs1は、前方の左外側へ向けて飛び出そうとするが、前側板50の本体部51により内側に跳ね返される。さらに、左から2番目の土の流れs2では、前側板50の前側部52前端よりもわずか前方であるため、前側へ飛び出す土の流れを示している。しかし、s1とs2の間の土は、前側部52で跳ね返ることになり外側へは飛び出すことがない。跳ね返った土は、トラクタの前進作業により耕耘部40に戻ることになる。
もし、傾いた前側部52を備えない場合、土飛び防止の同じ効果を得るためには本体部51を図6(a)のPの長さ分だけ延長する必要がある。この延長長さは、前側部52が20°の折り曲げ角度を有する場合と比べて、前側部52の前後方向の約倍の長さが必要となる。
図6(b)の右側においても、前方の右外側へ向けて飛び出そうとする土S’に対して前側板50’により同様に作用される。
図7は、本発明の農作業機の一実施形態における補助側板を示す図であり、(a)は側面図を示し、(b)は上面図を示す。図7で示す補助側板60は、左側の補助側板を示している。実際の取り付けでは、取付状態により傾きが異なるが、図7では補助側板60の曲げ部63の延びる方向を縦方向とした場合について示している。図7の左方向が、ロータリー作業機10の前方向に相当する。
補助側板60は、板状部材であり取付面61と傾斜面62とを備えている。取付面61は、前後及び上下方向に平行(耕耘部40の回転中心軸と直角)に配置され、傾斜面62は取付面61よりも前側に形成される。傾斜面62は、曲げ部63において折り曲げられ、横方向の内側へ向けて傾斜した面による構成となっている。取付面61においては、取付孔65、66、67、68の4つの孔が形成されている。これは、整地体24の側面に取り付けるための孔であり、取付孔65、66は、第1の取り付け状態のときに使用し、取付孔67、68は、第2の取り付け状態のときに使用する。このため、取付孔65、66と取付孔67、68のピッチは同じである。図7の例では、取付孔65、66は取付面61の前後方向の中央付近に、取付孔67、68は取付面61の後方付近に設けられている。取付孔65、66、67、68は皿ボルトなどを受けるザグリによる孔形状とすることができる。
曲げ部63について説明する。図7(b)に示すように、曲げ部63は、曲げ部63が延びる方向を縦方向(図7(a)の上下方向)とした場合の全幅方向(図7の左右方向)に対して、中ほどに位置している。具体的には、両端側からの幅方向の所定長さFの範囲に挟まれた中央の幅方向の長さEの範囲内に設けられる。ここで、例えば、補助側板60の全幅方向の全体の長さに対してFは4分の1の長さで、Eは2分の1の長さとするなどである。このことにより、傾斜面62を所定以上の範囲に設けることができ、後述する効果に貢献することができる。曲げ部63の折り曲げ角度は、例えば、2°以上20°以下等、適した角度を適用できる。
なお、右側の補助側板60’(図3参照)、については、左側の補助側板60に対して左右対称の形状に構成すればよい。
図8は、本発明の農作業機の一実施形態における整地体の側面図を示す。図9は、本発明の農作業機の補助側板の取付例を示す図であり、(a)は第1の取付状態を示し、(b)は第2の取付状態を示す。図9は、補助側板60の取付状態の説明のため、図2に対して、サイドカバー28の図示を省略した図を示している。
図8に示すように、整地体24の両側面には、側板24aが設けられている。側板24aは、整地体24の形状に沿って、左右方向と垂直な面で形成されている。側板24aには、4つの取付孔241、242、243、244が設けられている。取付孔241、242は後述する第1の取付状態に使用し、取付孔243、244は、後述する第2の取付状態に使用する。取付孔241、242よりも、取付孔243、244の方が低い位置に形成されている。
図9(a)の第1の取付状態では、整地体24の左側の側板24aに補助側板60が、固定部材105(例えば、皿ボルト等のボルト)により、固定されている。ここでは、整地体24の取付孔241、242、補助側板60の取付孔65、66を用いる。この第1の取付状態では、補助側板60の整地体24よりも前方への突出量は少ないが、傾斜面62は整地体24よりも前方に位置し、内側(左右方向の中心側)に向けて傾斜している。図9(b)の第2の取付状態では、整地体24の左側の側板24aに補助側板60が、固定部材105により、第1の取付状態と異なる位置で固定されている。ここでは、整地体24の取付孔243、244、補助側板60の取付孔67、68を用いる。この第2の取付状態では、整地体24よりも前方への突出量が、第1の取付状態よりも多い。取付面61の半分以上及び傾斜面62が整地体24よりも前方に位置し、傾斜面62は内側(左右方向の中心側)に向けて傾斜している。また、補助側板60の第2の取付状態の高さ方向は第1の取付状態よりも低い位置で固定されている。これらは、例えば、図9(a)を畑に、図9(b)を水田にするなど、使用環境によって適した取付位置に変更することが可能となる。また、補助側板60’は、整地体24の右側面において補助側板60と同様に固定可能である。
(効果)
本実施形態では、前側板50、50’をロータリー作業機10の両側に備えることにより、前方横からの土飛びが軽減される。このため、植付等の後作業に支障をきたさない。さらに、土が外に出ないことで、耕耘時における耕耘部40での土の持ち回りが良くなり、ロータリー作業機10の砕土性能を上げることができる。
さらに、前側板50、50’の前側部52、52’を内側に所定角度で折り曲げることで、前側板50、50’の前方へ突出量を少なくして、他の部材との干渉を避けながら、土飛びの軽減を図ることができる。そのとき、前側部52、52’の面が少し下を向くように折り曲げることで、土が下側へ跳ね返りやすくなる。
さらに、前側板50、50’の前側部52、52’等の前方の下端を高くして、下側に空間を備えることで、上述した土飛びを軽減しながら、雑物の引っかかりを少なくすることが可能となる。
さらに、前側板50、50’の大きさや位置の設定は、上述した範囲で設定することで、土飛びの軽減を有効に図ることができる。また、前側板50、50’を左側板15、右側板17に直接固定することで、横方向に突出せずに、前側板50、50’に当たった土を耕耘部40にスムーズに戻すことができる。
さらに、補助側板60、60’を備えることにより、整地体24の両側を覆う範囲を増やすことができる。このとき、曲げ部63を介することで、補助側板60、60’の強度を高め、石などの衝撃による変形を防ぐことができる。さらに、傾斜面62により、サイドカバー28、28’を固定する固定部材104(ボルトの先端が内側に突出する部分)を避ける方向に傾斜しているため、固定部材104との干渉を防止できる。さらに、傾斜面62により、サイドカバー28、28’との間の空間が広がるため、サイドカバー28、28’と補助側板60、60’との間の土のつまりによる整地体24の動きの悪化を防止又は軽減することができる。
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述した以外の様々な変形例も含まれる。例えば、上記した実施形態に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を削除したり、他の構成に置き換えたりすることも可能である。
例えば、農作業機の例としてロータリー作業機の実施形態を示したが、これに限らず代掻き作業機など、耕耘部を備えるトラクタに装着する農作業機に本発明を適用することができる。
また、前側部52、52’は、折曲部55、55’で折り曲げた平面形状を示した。これにより加工が容易であるが、内側に向けた面を形成すればこの形状に限らない。例えば、上から見て曲面による形状等である。このとき、図5の距離d2を満たすようにすることで上記の構成と同様の効果を発揮可能となる。
また、前側板50、前側板50’の傾斜部T3bは、上記実施形態では直線で示したが、曲線や直線と曲線を組み合わせて形成してもよい。もしくは、傾斜部T3bの代りに前方側面T2と最下端部T3aを結ぶ曲線の形状としてもよい。
また、左側板15はチェーンケース16と別部材として説明したが、左側板15とチェーンケース16が一体となっていて、チェーンケース16の一部が左側板15の役割をはたしていてもよい。
また、補助側板60、60’による取付状態の変更時に整地体24の側板24aの取付孔の位置を変える方法を説明した。しかし、これに限らず整地体24の側板24aの取付孔は同じにして、補助側板60、60’の孔の位置のみを変えて全体の取付位置を変更してもよい。
10 ロータリー作業機
12 ミッションケース
13 左フレームパイプ
14 右フレームパイプ
15 左側板
16 チェーンケース
17 右側板
19 チェーンケースガード
20 端部カバー部材
22 耕耘部カバー
22a 前端部
24 整地体
24a 側板
28、28’ サイドカバー
40 耕耘部
41 耕耘軸
42 耕耘爪
45 耕耘外径
50、50’ 前側板
51、51’ 本体部
52、52’ 前側部
55、55’ 折曲部
56 取付孔
60、60’ 補助側板
61 取付面
62 傾斜面
63 曲げ部
65、66、67、68 取付孔
241、242、243、244 取付孔
T1 上方側面
T2 前方側面
T3 下方側面
T3a 最下端部
T3b 傾斜部
T4 後方側面
T4a 上側部
T4b 凹部
T4c 下側部
101、102、103、104、105 固定部材

Claims (9)

  1. トラクタに装着する農作業機であって、
    横方向を中心軸として回転可能な耕耘部と、前記耕耘部の両側側面から前方に向けてそれぞれ設置される前側板とを備え、
    前記前側板は、前後及び上下方向に平行に配置される本体部と、前記本体部の前方で左右方向の内側に傾いた面を形成する前側部とを備え、
    農作業時において、前記前側部の下端は、前記本体部に有する最下端部よりも高く形成され、
    前記前側板は、前記耕耘部の回転により前方横方向に飛び出そうとする土を跳ね返して左右方向内側へ戻すように設定されていることを特徴とする農作業機。
  2. 請求項1に記載の農作業機において、
    標準的な作業姿勢において、前記前側板の上方側面の高さ方向の位置は、前記耕耘部の中心から上方に、前記耕耘部の耕耘半径の70%以上、90%以下の範囲で設定されることを特徴とする農作業機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の農作業機において、
    標準的な作業姿勢において、前記前側板の前方側面の前後方向の位置は、前記耕耘部の耕耘半径の1.5倍以上、2倍以下の範囲に設定されることを特徴とする農作業機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の農作業機において、
    前記前側板の下方側面は、標準的な作業姿勢において、前記最下端部から、前側に向かって水平に対して上側に傾斜して形成される傾斜部を備え、前記傾斜部の水平に対する角度は、20°以上、40°以下の範囲で設定されることを特徴とする農作業機。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の農作業機において、
    前記耕耘部の両側に側板を備え、前記前側板は、後方側面付近に前記側板に取り付けるための取付孔が複数形成され、前記側板と直接当接させて前記側板に固定されていることを特徴とする農作業機。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の農作業機において、
    前記本体部から前記前側部の内側端部までの横方向の距離は、前記耕耘部の耕耘半径の10%以上、20%以下の範囲で設定されることを特徴とする農作業機。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の農作業機において、
    前記前側板は、折曲部を介したくの字状に形成され、前記折曲部の折り曲げ角度は、15°以上、35°以下の範囲で設定されることを特徴とする農作業機。
  8. 請求項7に記載の農作業機において、
    前記折曲部は、標準的な作業姿勢において、下方に行くに従い前側に行くように角度をつけて形成され、当該角度は、垂直方向に対して2°以上、8°以下の範囲で設定されることを特徴とする農作業機。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の農作業機において、
    前記耕耘部の後ろ側を覆う整地体と、前記整地体の両側側面に固定される補助側板とを備え、
    前記補助側板は、前記整地体に取り付けられる取付面と、前記取付面に対して曲げ部を介して横方向内側に傾斜する傾斜面とを備え、
    前記傾斜面は、前記整地体よりも前方に位置し、
    前記曲げ部は、前記曲げ部の延びる方向を縦方向に配置した場合、前記補助側板の全幅に対して中ほどに形成されることを特徴とする農作業機。
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