<第1の実施の形態>
〔全体構成〕
第1の実施の形態に係る画像形成システム1000は、図1に示すように、画像形成装置100と、この画像形成装置100に接続されたシート給送装置としての多段収納装置200と、給送デッキ500とを有している。
多段収納装置200は、詳しくは後述するように、それぞれが複数枚のシートを収納可能な複数の収納庫を有しており、各収納庫から画像形成装置100にシートを送り出し可能である。また、給送デッキ500も複数枚のシートを収納可能な収納庫を有しており、シート搬送方向に関して、多段収納装置200の上流側に配置されている。また、給送デッキ500から給送されるシートは、多段収納装置200に設けられた中継搬送装置400を介して画像形成装置100に搬送される。なお、シートとしては、普通紙、薄紙、厚紙などの紙、プラスチックシートなどが挙げられる。
画像形成装置100は、画像形成装置本体101に接続された原稿読み取り装置102又は画像形成装置本体101に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)をシートに形成する。本実施形態の場合、原稿読み取り装置102は、画像形成装置本体101の上側に配置されている。
原稿読み取り装置102は、原稿を読み取る際には、プラテンガラス103の上に載置された原稿に走査光学系光源によって光を照射すると共に、反射光をCCDに入力することにより原稿画像を読み取るようにしている。また、原稿読み取り装置102は、自動原稿搬送装置(ADF)104を備えており、トレイ105上に載置された原稿をADF104により自動的に原稿読み取り装置102の読み取り部に搬送して、原稿画像を読み取ることも可能である。そして、読み取った原稿画像は電気信号に変換されて、後述する画像形成部110のレーザスキャナ113に伝送される。なお、レーザスキャナ113は、上述したようにパーソナルコンピュータ等から送信されてくる画像データが入力される場合もある。
画像形成装置100は、画像形成部110、複数のシート給送装置120、及びシート搬送装置130等を備える。画像形成装置100は、制御部140により各部が制御される。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
複数のシート給送装置120は、それぞれシートSを収納するカセット121と、ピックアップローラ122と、フィードローラ123及びリタードローラ124から構成される分離搬送ローラ対125と、を備えている。カセット121内に収納されたシートSは、所定のタイミングで昇降動作して回転するピックアップローラ122と分離搬送ローラ対125とによって1枚ずつ分離されて給送される。
シート搬送装置130は、複数の搬送ローラ対131と、レジストローラ対133と、を備えている。シート給送装置120から給送されたシートSは、複数の搬送ローラ対131によりシート搬送路134を通過させられた後、レジストローラ対133に導かれる。この後、シートSは、レジストローラ対133によって、所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
なお、後述する多段収納装置200や給送デッキ500から第2レジストレーションローラ対201を介して搬送されるシートは、画像形成装置100との接続経路202を介して画像形成装置100内に搬送される。そして、多段収納装置200や給送デッキ500から画像形成装置100内に搬送されたシートは、画像形成装置100内のシート給送装置120から搬送されるシートと同様に、レジストローラ対133を介して所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
画像形成部110は、感光ドラム111、帯電器112、レーザスキャナ113、現像器114、転写装置115、及びクリーナ117等を備えている。画像形成時には、感光ドラム111が回転駆動され、まず、帯電器112により感光ドラム111の表面が一様に帯電される。そして、画像信号に応じて発光されるレーザスキャナ113からのレーザ光が帯電された感光ドラム111に照射されることで、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。さらに、このようにして感光ドラム111上に形成された静電潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化される。
この後、感光ドラム111上のトナー像は、転写部116において転写装置115によりシートSに転写される。さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送されてトナー像の定着が行われ、この後、排出ローラ151によって機外の排出トレイ152に排出される。
シートSの裏面にトナー像を形成する場合には、定着装置150から排出されたシートSを反転搬送路160に搬送する。そして、反転搬送路160により表裏を反転した状態で、シートSを再度、画像形成部110の転写部116に搬送する。裏面にトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送され、トナー像の定着が行われた後、排出ローラ151により排出トレイ152に排出される。なお、転写後に感光ドラム111上に残った転写残トナーは、クリーナ117により除去される。
なお、上述の画像形成システム1000は、シート給送装置として、多段収納装置200及び給送デッキ500を備えていたが、多段収納装置200のみの場合や給送デッキ500のみの場合であってもよい。更には、別の給送デッキなどを備えていてもよい。また、多段収納装置200は、複数の収納庫を備えず、1つの収納庫のみを備えていてもよい。
[多段収納装置]
多段収納装置200は、複数の収納庫210及び中継搬送装置400等を備える。本実施形態では、3つの収納庫210を上下に3段並べており、一番下の収納庫210と上から2番目の収納庫210との間に中継搬送装置400を配置している。
一番上の収納庫210から給送されたシートは、搬送経路212に搬送され、上から2番目の収納庫210から給送されたシートは、搬送経路213に搬送され、一番下の収納庫210から給送されたシートは、搬送経路214に搬送される。また、中継搬送装置400から搬送されたシートは、搬送経路215に搬送される。搬送経路213は、途中で搬送経路212に合流している。また、搬送経路212,214,215は、合流点216で合流し、本体搬送路としての搬送経路217を通って第2レジストレーションローラ対201に搬送され、接続経路202を介して画像形成装置100に搬送される。
また、搬送経路213と合流後の搬送経路212、中継搬送装置400及び搬送経路214には、それぞれシートの重送を検知する重送検知センサが配置されている。そして、重送検知センサにより重送が検知されたシートは、搬送経路217まで搬送される。搬送経路217の下方には、重送が検知されたシートを収容する重送シート収容部(エスケープトレイ)218が配置されている。重送が検知され、搬送経路217に搬送されたシートは、搬送経路217に設けられた切換部材219により搬送経路が切り換えられることで、重送シート収容部に搬送される。
図2は、多段収納装置200の正面図である。上述のように、多段収納装置200は、それぞれが複数枚のシートを収納可能な複数の収納庫210を有する。各収納庫210は、鉛直方向に複数段に並べて配置されており、それぞれ多段収納装置200の筐体(装置本体)204に対して引き出し及び挿入可能である。なお、各収納庫210は、収納可能なシートの枚数が異なるだけで基本的な構成は同じである。但し、各収納庫210は、収納可能なシートの枚数が同じ場合もある。
各収納庫210から給送されるシートは、搬送経路212,213,214を経由して接続経路202(図1参照)に搬送される。また、多段収納装置200は、制御部203(図1参照)により各部が制御される。制御部203は、CPU(Central Processing Unit)203a、ROM(Read Only Memory)203b、及びRAM(Random Access Memory)203cを有している(図8参照)。また、制御部203は、画像形成装置100の制御部140と通信可能であり、制御部140と通信することでシートの給送タイミングなどを制御する。
多段収納装置200は、収納庫210の引き出し動作を行うための操作部としての引出ボタン205を有する。引出ボタン205は、各収納庫210の前面にそれぞれ設けられている。例えば、操作者が引出ボタン205を押すと、収納庫210を装着位置にロックしていたロック機構が解除され、不図示のバネにより収納庫210が筐体204から押し出される。これにより、操作者が収納庫210を、シートを収納可能な位置まで引き出すことができる。なお、引出ボタン205を押すことで、モータなどにより収納庫が自動でシートを収納可能な位置まで移動する構成であっても良い。
[斜行補正機構]
次に、多段収納装置200に設けられた斜行補正機構について説明する。なお、以下では、一番下の収納庫210を例に説明するが、他の収納庫210も1番下の収納庫210と同様の構成を有している。
収納庫210は、図1及び図3に示すように、シートSを収容する収納部222と、ピックアップローラ231と、支持板240と、分離搬送ローラ対234と、第1斜行補正部251と、等を有している。収納部222には、シートSを積載する積載トレイ221が設けられ、積載トレイ221は、不図示のワイヤによって昇降可能に設けられている。給送部としてのピックアップローラ231は、支持板240に回転可能に支持されており、積載トレイ221に積載されたシートSに接触した状態で回転することで、シートSを所定の給送方向FDに給送する。また、支持板240は、フィードローラ232の駆動軸241を中心に揺動可能に支持されており、ピックアップローラ231は、支持板240が揺動することで昇降する。
分離搬送ローラ対234は、フィードローラ232及びリタードローラ233から構成され、ピックアップローラ231から2枚以上のシートが重なって給送された場合に、分離して1枚のみのシートを搬送する。より詳しくは、フィードローラ232は、シートSを第1斜行補正部251に向けて搬送する方向に駆動が入力されており、リタードローラ233は、シートSを収納部222に向けて戻す方向に駆動が入力されている。また、リタードローラ233には、不図示のトルクリミッタが内蔵されている。
これにより、ピックアップローラ231によって2枚以上のシートが給送された場合には、トルクリミッタは空転せずに、リタードローラ233によって最上位シート以外のシートを収納部222側に押し戻す。一方で、分離搬送ローラ対234に送られたシートが1枚のみの場合には、トルクリミッタが空転し、リタードローラ233はフィードローラ232により搬送されるシートによって連れ回るようになっている。
収納庫210には、ピックアップローラ231及び分離搬送ローラ対234によって給送されたシートSを水平方向HD及び鉛直方向VDに対して傾斜するように斜め上方に案内する給送経路242が設けられている。シートSは、給送搬送路としての給送経路242を通って、第1斜行補正部251に送られる。給送経路242及び搬送経路214,217は、搬送されるシートが通過する搬送路を構成している。
斜行補正部としての第1斜行補正部251は、第1駆動ローラとしての駆動ローラ235と、駆動ローラ235に従動回転する第1従動ローラとしての従動ローラ236と、から構成される第1レジストレーションローラ対237を有している。第1斜行補正部251は、シートSの先端が第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1に突き当たることで該シートの斜行を補正することができる。
具体的には、第1レジストレーションローラ対237の駆動が停止した状態で分離搬送ローラ対234によってシートSが搬送されることで、シートSの先端が第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1に突き当たる。この状態で、更に分離搬送ローラ対234が駆動することで、シートSはループを形成又は旋回し、シートSの先端がニップ部N1に倣う。これにより、シートSの斜行が補正される。そして、第1レジストレーションローラ対237が駆動されることで、シートSの搬送が再開され、多段収納装置200の筐体204にシートSが送り込まれる。
筐体204は、搬送ローラ対261と、プレレジストレーションローラ対264と、第2斜行補正部252と、を有している。搬送ローラ対261は、第1レジストレーションローラ対237から搬送されたシートSをプレレジストレーションローラ対264へ向けて搬送する。プレレジストレーションローラ対264は、シート搬送方向CDにおいて合流点216の下流に配置され、駆動ローラ262と、従動ローラ263と、を有している。
第2斜行補正部252は、シート搬送方向CDにおいて第1斜行補正部251よりも下流に配置されている。言い換えれば、第2斜行補正部252は、給送方向FD(図3参照)並びにシート搬送方向CDにおいて第1斜行補正部251とは異なる位置に配置されている。第2斜行補正部252は、第2駆動ローラとしての駆動ローラ265と、駆動ローラ265に従動回転する第2従動ローラとしての従動ローラ266と、から構成される第2レジストレーションローラ対201を有している。第2斜行補正部252は、シートSの先端が第2レジストレーションローラ対201のニップ部N2に突き当たることで該シートの斜行を補正することができる。
具体的には、第2レジストレーションローラ対201の駆動が停止した状態でプレレジストレーションローラ対264によってシートSが搬送されることで、シートSの先端が第2レジストレーションローラ対201のニップ部N2に突き当たる。この状態で、更にプレレジストレーションローラ対264が駆動することで、シートSはループを形成又は旋回し、シートSの先端がニップ部N2に倣う。これにより、シートSの斜行が補正される。そして、第2レジストレーションローラ対201が駆動されることで、シートSの搬送が再開され、シートSは、接続経路202を介して画像形成装置100内に搬送される。
[各ローラの構成]
次に、図4及び図5を用いて、多段収納装置200の各ローラの構成をより詳しく説明する。図4は、多段収納装置200のローラのみを抜き出して示す平面図である。図5(a)は、分離搬送ローラ対234及び第1レジストレーションローラ対237を示す断面図であり、図5(b)は、プレレジストレーションローラ対264及び第2レジストレーションローラ対201を示す断面図である。
図4に示すように、ピックアップローラ231、フィードローラ232及びリタードローラ233は、それぞれ1つのローラ部を有しており、これらのローラ部は、鉛直方向VDに視て、給送経路242及び搬送経路214,217のシート搬送方向CD及びシートの厚み方向に交差する幅方向Wにおける中心線L1に重なるように配置されている。すなわち、第1斜行補正部251のシート搬送方向CDにおける上流に配置される第1ローラ対としての分離搬送ローラ対234は、鉛直方向VDに視て、中心線L1に重なるように配置されている。なお、幅方向Wは、本実施の形態では、シート搬送方向CD及びシートの厚み方向に直交している。
第1レジストレーションローラ対237は、中心線L1を挟んで幅方向Wに並設される2つのローラ対237a,237bを有しており、搬送ローラ対261は、中心線L1を挟んで幅方向Wに並設される2つのローラ対261a,261bを有している。同様にして、プレレジストレーションローラ対264は、中心線L1を挟んで幅方向Wに並設される2つのローラ対264a,264bを有しており、第2レジストレーションローラ対201は、中心線L1を挟んで幅方向Wに並設される2つのローラ対201a,201bを有している。すなわち、第2斜行補正部252のシート搬送方向CDにおける上流に配置されるプレレジストレーションローラ対264は、第2ローラ対及び第3ローラ対としてのローラ対264a,264bを有している。
また、図5に示すように、分離搬送ローラ対234のニップ部N3と第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1との間の距離は、距離D1に設定されている。プレレジストレーションローラ対264のニップ部N4と第2レジストレーションローラ対201のニップ部N2との間の距離は、距離D1よりも大きい距離D2に設定されている。例えば、距離D1は、65.86mmに設定され、距離D2は、105mmに設定されるが、これら距離D1,D2は、装置が搬送可能とするシートのシート搬送方向の長さ、及びシートの搬送速度等に応じて適宜設定してよい。
フィードローラ232及びリタードローラ233のシートSと接触するローラ部は、ウレタンから構成されている。第1レジストレーションローラ対237の駆動ローラ235のローラ部は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)から構成され、従動ローラ236のローラ部は、POM(ポリアセタール)から構成されている。
プレレジストレーションローラ対264の駆動ローラ262のローラ部は、シリコンから構成されており、従動ローラ263のローラ部は、POM(ポリアセタール)から構成されている。第2レジストレーションローラ対201の駆動ローラ265のローラ部は、ウレタンから構成されており、従動ローラ266のローラ部は、POM(ポリアセタール)から構成されている。
ところで、停止状態の第1レジストレーションローラ対237にシートSを突き当てて該シートSの斜行を補正する際には、分離搬送ローラ対234は、給送モータM1(図8参照)によって500m/sで駆動される。言い換えれば、分離搬送ローラ対234は、第1搬送速度でシートSを搬送する。また、分離搬送ローラ対234は、第1レジストレーションローラ対237にシートSの先端が突き当たっている状態で、シートSを第1搬送量だけ搬送する。
そして、シートSの斜行補正が完了して、第1レジストレーションローラ対237が駆動されると、第1レジストレーションローラ対237は、第1レジモータM2(図8参照)によって900m/sで駆動される。この時、分離搬送ローラ対234の駆動速度は、500m/sのままである。例えば、第1搬送量は、4.3mmである。
このように、斜行補正後には、第1レジストレーションローラ対237の駆動速度の方が分離搬送ローラ対234の駆動速度よりも速くなるので、分離搬送ローラ対234は、第1レジストレーションローラ対237によって搬送されるシートSに対して従動回転する。なお、リタードローラ233にトルクリミッタが内蔵されているのは上述した通りだが、フィードローラ232にはワンウェイクラッチが内蔵されており、分離搬送ローラ対234がシートSに従動回転可能となっている。
また、停止状態の第2レジストレーションローラ対201にシートSを突き当てて該シートSの斜行を補正する際には、プレレジストレーションローラ対264は、プレレジモータM3(図8参照)によって610m/sで駆動される。言い換えれば、プレレジストレーションローラ対264に含まれるローラ対264a,264bは、第1搬送速度よりも速い第2搬送速度でシートSを搬送する。また、ローラ対264a,264bは、第2レジストレーションローラ対201にシートSの先端が突き当たっている状態で、シートSを第1搬送量よりも少ない第2搬送量だけ搬送する。例えば、第2搬送量は、1.87mmである。
そして、シートSの斜行補正が完了して、第2レジストレーションローラ対201が駆動されると、第2レジストレーションローラ対201は、第2レジモータM4(図8参照)によって750m/sで駆動される。この時、プレレジストレーションローラ対264は、プレレジモータM3(図8参照)によって、第2レジストレーションローラ対201と同様の750m/sで駆動される。
このように、第1レジストレーションローラ対237は、シートSを分離搬送ローラ対234から引き抜くように搬送するため、第2レジストレーションローラ対201よりも強い摩擦力が必要である。そこで、第1レジストレーションローラ対237の駆動ローラ235のローラ部には、第2レジストレーションローラ対201の駆動ローラ265のローラ部の材料であるウレタンよりも摩擦係数の高いEPDMを採用している。
[第1斜行補正部]
次に、図6及び図7を用いて、第1斜行補正部251についてより詳しく説明する。図6及び図7に示すように、第1斜行補正部251は、装置本体としての筐体204に対して装着及び引き出し可能に支持される引き出しユニットとしての収納庫210に設けられている。ピックアップローラ231、分離搬送ローラ対234及び第1レジストレーションローラ対237によって搬送されたシートSは、筐体204と収納庫210との境界部分243を通過して、筐体204に送られる。
第1斜行補正部251は、境界部分243に隣接するように収納庫210に設けられる。すなわち、境界部分243と第1斜行補正部251との間には、他のローラ対等の搬送手段は設けられていない。分離搬送ローラ対234と第1斜行補正部251との間の給送経路242には、第1斜行補正部251によって斜行が補正されるシートSがループを形成可能なように、ループ空間SPが設けられている。
第1斜行補正部251は、駆動ローラ235及び従動ローラ236から構成される第1レジストレーションローラ対237と、従動ローラ236を回転可能に支持する軸受部238と、従動ローラ236を駆動ローラ235に向けて付勢する引張りコイルバネ239と、を有している。駆動ローラ235は、給送経路242に対して下側に配置され、従動ローラ236は、給送経路242に対して上側に配置されている。
従動ローラ236は、図7に示すように、2つの軸受部238に回転可能に支持される回転軸271と、回転軸271に回転可能に支持され、幅方向Wに並設される2つのローラ部272a,272bと、を有している。2つの軸受部238は、回転軸271の幅方向W(軸線方向)における両端部に設けられている。
収納庫210のフレーム210aには、従動ローラ236の加圧方向に沿って延びる溝部210bが設けられており、軸受部238は、溝部210bによって上記加圧方向に移動可能に支持されている。図7では、一方側(手前側)の軸受部238を支持する溝部210bのみ図示されているが、フレーム210aは、他方側(奥側)の軸受部238を支持する不図示の溝部も有している。
引張りコイルバネ239は、2つの軸受部238をそれぞれ押圧するように幅方向Wに2つ並設されている。これら2つの引張りコイルバネ239は、幅方向Wに視て互いに重なる位置に位置しているため、一方側(手前側)の引張りコイルバネ239のみ詳述する。
ここで、図6に示すように、第1レジストレーションローラ対237の駆動ローラ235は、水平方向HDにおいて、従動ローラ236よりも境界部分243に近い位置に配置されている。駆動ローラ235は、水平方向HDにおいて、境界部分243に近い側の第1端部235aと、境界部分243に遠い側の第2端部235bと、を有している。また、第1レジストレーションローラ対237の従動ローラ236は、水平方向HDにおいて、境界部分243に近い側の第3端部236aと、境界部分243に遠い側の第2端部236bと、を有している。
水平方向HDにおいて、第3端部236aは第1端部235aよりも境界部分243から遠い位置に配置され、第4端部236bは第2端部235bよりも境界部分243から遠い位置に配置されている。
付勢部としての引張りコイルバネ239は、フレーム210aに固定される第1固定部239a及び第2固定部239bと、これら第1固定部239a及び第2固定部239bの間に設けられるコイル部239cと、を有している。
第1固定部239aは、水平方向HDにおいて従動ローラ236の第3端部236aよりも境界部分243に近く、かつ駆動ローラ235の第1端部235aよりも境界部分243から遠い位置においてフレーム210aに固定される。第2固定部239bは、水平方向HDにおいて駆動ローラ235の第2端部235b及び従動ローラ236の第4端部236bよりも境界部分243から遠い位置においてフレーム210aに固定されている。コイル部239cは、軸受部238を駆動ローラ235に向けて押圧しており、これにより、従動ローラ236は、駆動ローラ235に向けて付勢されている。
本実施の形態では、上述したように、シートSを水平方向HD及び鉛直方向VDに対して傾斜するように斜め上方に案内する給送経路242の下側に駆動ローラ235を配置し、給送経路242の上側に従動ローラ236及び引張りコイルバネ239を配置している。このため、従動ローラ236の第3端部236a及び引張りコイルバネ239の第1固定部239aが、水平方向HDにおいて駆動ローラ235の第1端部235aよりも境界部分243から遠い側に配置されている。
すなわち、水平方向HD及び鉛直方向VDに対して傾斜するように設けられた給送経路242に沿って、かつ境界部分243に隣接して第1レジストレーションローラ対237が配置されている。そして、従動ローラ236及び引張りコイルバネ239を給送経路242に対して上側に設けることで、境界部分243、給送経路242及び従動ローラ236によって囲まれた領域280に引張りコイルバネ239の第1固定部239aを配置することができる。これにより、収納庫210を水平方向HDにおいて小型化することができる。
図11は、給送経路242に対して上側に駆動ローラ235を配置し、下側に従動ローラ236を配置した比較例を示している。比較例においては、従動ローラ236は、ホルダ部材290によって加圧方向に移動可能に支持されており、ホルダ部材290と従動ローラ236の軸受部238との間に圧縮バネ291が配置されている。該圧縮バネ291が軸受部238を押圧することで、従動ローラ236は、駆動ローラ235に向けて付勢されている。
このような比較例においては、給送経路242の上側に設けられた駆動ローラ235よりも、給送経路242の下側に設けられた従動ローラ236の方が、水平方向HDにおいて境界部分243に近い。そして、従動ローラ236を駆動ローラ235に向けて付勢するための構成であるホルダ部材290及び圧縮バネ291が、従動ローラ236よりも境界部分243に近づく方向に突出している。
このため、ホルダ部材290及び圧縮バネ291が収納庫210内に収まるように収納庫210を水平方向HDに延ばす必要があり、図6で説明した本実施の形態に比して収納庫210が水平方向HDに大型化してしまう。
また、本実施の形態では、ピックアップローラ231、分離搬送ローラ対234及び第1斜行補正部251を収納庫210に設けており、収納庫210を筐体204から引き出すことで、ピックアップローラ231、分離搬送ローラ対234及び第1斜行補正部251も一体的に引き出される。
このため、収納庫210に収納されたシートSと、ピックアップローラ231、分離搬送ローラ対234及び第1斜行補正部251との幅方向Wにおけるセンター合わせが容易になる。また、収納庫210に収容されたシートSに対する、分離搬送ローラ対234及び第1斜行補正部251の斜行調整を容易に行うことができる。また、収納庫210を引き出すことで、分離搬送ローラ対234及び第1斜行補正部251においてジャムしたシートを容易に取り除くことができ、かつ分離搬送ローラ対234及び第1斜行補正部251のメンテナンス性を向上することができる。
[制御系]
次に、図8を用いて、本実施の形態の多段収納装置200の制御系について説明する。上述したように、多段収納装置200は、各部の構成を制御する制御部203を有する。即ち、制御部203は、画像形成装置100からの指令や、各種センサ及び操作部300などからの信号を受けて、給送モータM1、第1レジモータM2、プレレジモータM3、及び第2レジモータM4を制御する。給送モータM1は、フィードローラ232の駆動軸241を駆動する。駆動源及び第1駆動源としての第1レジモータM2は、第1レジストレーションローラ対237の駆動ローラ235を駆動する。プレレジモータM3は、プレレジストレーションローラ対264の駆動ローラ262を駆動する。第2駆動源としての第2レジモータM4は、第2レジストレーションローラ対201の駆動ローラ265を駆動する。
操作部300は、画像形成装置100、多段収納装置200又は給送デッキ500に設けられ、ユーザが操作可能な操作パネル及び物理ボタンを有している。ユーザは、操作部300を用いて、画像形成装置100、多段収納装置200及び給送デッキ500に収納されたシートSの種類や印刷モード等を指定することができる。なお、これらシートSの種類や印刷モード等は、画像形成システム1000に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からも指定することができる。
[給送動作]
次に、図9のフローチャートを用いて、多段収納装置200による給送動作について説明する。給送動作が開始されると、制御部203は、ピックアップローラ231によって積載トレイ221上のシートSを給送する(ステップS1)。次に、制御部203は、ピックアップローラ231によって給送されたシートSを分離搬送ローラ対234によって1枚ずつに分離する(ステップS2)。
そして、制御部203は、給送されたシートSの坪量が所定値以上か否かを判断する(ステップS3)。シートSの坪量は、画像形成システム1000に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器又は操作部300によって指定される。シートSの坪量が所定値未満であると判断された場合(ステップS3:NO)、制御部203は、第1斜行補正部251において斜行補正せず、第1レジストレーションローラ対237によってシートSを搬送する(ステップS4)。
次に、制御部203は、搬送ローラ対261及びプレレジストレーションローラ対264によってシートSを搬送する(ステップS5)。この時、制御部203は、第2レジストレーションローラ対201を停止させ、停止状態の第2レジストレーションローラ対201のニップ部N2にシートSの先端を突き当て、シートSの斜行を補正する(ステップS6)。
次に、制御部203は、第2レジストレーションローラ対201を駆動し、第2レジストレーションローラ対201によってシートSを搬送し、画像形成装置本体101にシートSを受け渡す(ステップS7,S8)。
また、ステップS3において、シートSの坪量が所定値以上であると判断された場合(ステップS3:YES)、制御部203は、第1レジストレーションローラ対237を停止させ、停止状態の第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1にシートSの先端を突き当て、シートSの斜行を補正する(ステップS9)。
第1斜行補正部251によるシートSの斜行補正が完了すると、制御部203は、第1レジストレーションローラ対237を駆動すると共に、搬送ローラ対261及びプレレジストレーションローラ対264によってシートSを搬送する(ステップS10)。
次に、制御部203は、第2斜行補正部252において斜行補正せず、第2レジストレーションローラ対201によってシートSを搬送し、画像形成装置本体101にシートSを受け渡す(ステップS11,S12)。以上により、多段収納装置200による給送動作が終了する。
ステップS3における坪量の所定値は、例えば64g/m2に設定される。一般に、薄紙の坪量は、52~63g/m2であり、普通紙の坪量は、64~105g/m2であり、厚紙の坪量は、106~300g/m2である。このため、給送されるシートSが薄紙の場合には、ステップS4~S8の処理が実行され、給送されるシートSが普通紙又は厚紙の場合には、ステップS9~S12の処理が実行される。
このように、第1斜行補正部251は、第1のシートとしての普通紙又は厚紙が給送される際に該普通紙又は厚紙の斜行を補正し、普通紙及び厚紙よりも剛度及び坪量が小さい第2のシートとしての薄紙が給送される際に該薄紙の斜行を補正しない。また、第2斜行補正部252は、普通紙又は厚紙が給送される際に該普通紙又は厚紙の斜行を補正せず、薄紙が給送される際に該薄紙の斜行を補正する。この時、第1のシートは、第1の坪量を有しており、第2のシートは、第1の坪量よりも小さい第2の坪量を有している。
[斜行補正部の使い分け]
このように、シートSの種類(坪量)によって、シートSの斜行補正を第1斜行補正部251及び第2斜行補正部252のいずれによって行うかを使い分ける理由について、以下に説明する。
本実施の形態では、上述したように、第1斜行補正部251を収納庫210に組み込むと共に、収納庫210を水平方向HDに小型化するために、第1レジストレーションローラ対237の駆動ローラ235を給送経路242の下側に配置している。そして、駆動ローラ235は、比較的摩擦係数の高いEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)から構成されている。
仮に、薄紙を第1斜行補正部251において斜行補正することを考えた場合、第1斜行補正部251の第1レジストレーションローラ対237が停止した状態で、薄紙が分離搬送ローラ対234によって搬送される。この時、薄紙は、剛度(コシ)が低いため重力によって先端が下方に垂れ下がりながら搬送される。すると、薄紙の先端が第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1ではなく、下側の駆動ローラ235の外周面に突き当たる。
駆動ローラ235は、この時駆動停止していると共に、摩擦係数の高いEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)から構成されているために、薄紙の先端がニップ部N1まで搬送されることなく折れ曲がり、ジャムとなってしまう虞がある。このような理由から、薄紙を給送する場合には、第1斜行補正部251にて行わない方が好適である。
一方で、厚紙は、第2斜行補正部252よりも第1斜行補正部251にて斜行補正する方が好適である。なぜなら、図4及び図5において説明したように、第1レジストレーションローラ対237のシート搬送方向CDにおける上流に配置された分離搬送ローラ対234は、1つのローラ対から構成されるが、第2レジストレーションローラ対201のシート搬送方向CDにおける上流に配置されたプレレジストレーションローラ対264は、2つのローラ対264a,264bから構成されるためである。更に、分離搬送ローラ対234のニップ部N3と第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1との間の距離D1は、プレレジストレーションローラ対264のニップ部N4と第2レジストレーションローラ対201のニップ部N2との間の距離D2よりも短いためである。
厚紙は、第1斜行補正部251にて斜行補正される際に、剛度(コシ)が高いために、ほとんどループを形成せず、第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1に突き当たった状態で、分離搬送ローラ対234のニップ部N3に摺接しながら旋回する。この時、分離搬送ローラ対234は1つのローラ対から構成されると共に、距離D1が距離D2よりも短いために、厚紙が旋回しやすく、容易に厚紙を斜行補正することができる。また、厚紙は、重力によって先端がほとんど下方に垂れ下がることなく第1レジストレーションローラ対237のニップ部N1に搬送されるので、ジャムの発生を抑制することができる。
仮に、厚紙を第2斜行補正部252において斜行補正することを考えた場合、プレレジストレーションローラ対264は2つのローラ対264a,264bから構成されと共に、距離D2が距離D1よりも長いために、厚紙は旋回し難い。このため、厚紙は、第2斜行補正部252よりも第1斜行補正部251において斜行補正する方が好適である。
逆に、薄紙は、剛度(コシ)が低いために、斜行補正時にループを形成しやすい。よって、薄紙の先端が第2レジストレーションローラ対201のニップ部N2に突き当たった状態で、薄紙がプレレジストレーションローラ対264によって更に搬送されることで薄紙には容易にループが形成される。この時、薄紙は、2つのローラ対264a,264bから構成されるプレレジストレーションローラ対264によってしっかりと保持されるが、ループが形成されているために、薄紙の後端の姿勢を変化させずに薄紙の斜行を補正することができる。
また、プレレジストレーションローラ対264と第2レジストレーションローラ対201の間に設けられる搬送経路217は、略水平方向HDに延びているので、薄紙の先端の垂れ下がりの影響がほとんどない。また、第2レジストレーションローラ対201の内、搬送経路217の上側には、駆動ローラ265が配置されている。また、搬送経路217の下側には、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)に比して摩擦係数の低いPOM(ポリアセタール)から構成される従動ローラ266が配置されている。このため、薄紙の先端が従動ローラ266の外周面に突き当たっても、滑らかにニップ部N2に案内され、ジャムの発生を抑制することができる。
また、薄紙は、シートの搬送過程で厚紙に比して斜行しやすい傾向があるが、薄紙の斜行補正を行う第2斜行補正部252は、多段収納装置200の排出口、すなわち接続経路202の近傍に配置されている。このため、多段収納装置200内での薄紙の斜行をなるべく抑えることができる。
以上のように、本実施の形態では、シートSの坪量(種類)に応じて、シートSの斜行補正を第1斜行補正部251及び第2斜行補正部252のいずれによって行うかを使い分ける。これにより、シートSの坪量に拘わらず、ジャム等の搬送不良を低減すると共に、シートSの斜行を適切に補正することができる。
また、本実施の形態では、シートSを水平方向HD及び鉛直方向VDに対して傾斜するように斜め上方に案内する給送経路242と、第1レジストレーションローラ対237を収納庫210に設けている。そして、給送経路242の下側に第1レジストレーションローラ対237の駆動ローラ235を配置し、給送経路242の上側に従動ローラ236及び引張りコイルバネ239を配置したので、収納庫210を水平方向HDに小型化することができる。
<第2の実施の形態>
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明するが、第2の実施の形態は、第1の実施の形態の給送動作の制御を変更して構成したものである。このため、第1の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
[給送動作]
図10のフローチャートを用いて、多段収納装置200による給送動作について説明するが、図10のフローチャートは、図9のフローチャートのステップS3をステップS23に変更したのみで、他は図9と同様である。よって、ステップS23以外の説明を省略する。
制御部203は、図10に示すように、ステップS23において、給送されたシートSの剛度が所定値以上か否かを判断する(ステップS23)。シートSの剛度は、画像形成システム1000に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器又は操作部300によって指定されてもよいが、指定されたシートの種類に応じて剛度は予め決まっている。このため、指定されたシートの種類に基づいて、ステップS23以降の処理を決めてもよい。
本実施の形態では、普通紙、厚紙、普通コート紙、及び厚紙コート紙は、所定値以上の剛度を有しており、薄紙及び薄紙コート紙は、所定値未満の剛度を有している。シートの剛度(こわさ)は、例えば自重によるシートの撓みを測定することで行われる簡便法によって求められる。この簡便法では、机やテーブルの端からシートを一定の長さだけ外へ垂らすことで、シート自身の重さによってシートが下方へ撓み、この撓み量を測定する。そして、シートの坪量、撓み量、及び机からの突出量に基づいて、シートの剛度(mN×m)が求められる。
したがって、第1斜行補正部251は、例えば普通紙、厚紙、普通コート紙、及び厚紙コート紙等の第1のシートが給送される際に該第1のシートの斜行を補正し、第1のシートよりも剛度の小さい第2のシートが給送される際に該第2のシートの斜行を補正しない。第2のシートは、例えば薄紙(52~63g/m2)及び薄紙コート紙(80~105g/m2)等である。また、第2斜行補正部252は、第1のシートが給送される際に該第1のシートの斜行を補正せず、第2のシートが給送される際に該第2のシートの斜行を補正する。
以上のように、本実施の形態では、シートSの剛度又は種類に応じて、シートSの斜行補正を第1斜行補正部251及び第2斜行補正部252のいずれによって行うかを使い分ける。これにより、シートSの剛度に拘わらず、ジャム等の搬送不良を低減すると共に、シートSの斜行を適切に補正することができる。
<他の実施形態>
なお、既述のいずれの形態においても、第1レジストレーションローラ対237には、シートを1枚ずつに分離して搬送する機能を有する分離搬送ローラ対234によってシートを搬送していたが、これに限定されない。例えば、シートを1枚ずつに分離して搬送する機能を有さないローラ対によって、シートを第1レジストレーションローラ対237に搬送してもよい。
また、既述のいずれの形態においても、第2斜行補正部252は、シート搬送方向CDにおいて第1斜行補正部251の下流に配置されていたが、これに限定されない。例えば、第2斜行補正部252は、シート搬送方向CDにおいて第1斜行補正部251の上流に配置されていてもよい。
また、既述のいずれの形態においても、給送モータM1、第1レジモータM2、プレレジモータM3及び第2レジモータM4を制御する制御部203を多段収納装置200に設けたが、これらの制御を画像形成装置100の制御部140により行うようにしても良い。また、シート給送装置は、上述の多段収納装置に関わらず1段のデッキなど他の構成であっても良い。
また、既述のいずれの形態においても、分離搬送ローラ対234のリタードローラ233には、逆転駆動が入力されていたが、これに限定されない。例えば、リタードローラ233に代えて、駆動が入力されていない分離ローラを適用してもよい。
また、既述のいずれの形態においても、第1斜行補正部251及び第2斜行補正部252は、それぞれローラ対のニップ部にシートの先端を突き当てることでシートの斜行帆補正する方式を採用していたが、これに限定されない。例えば、各斜行補正部は、ローラ対と、シャッタ部材と、を有していてもよく、ローラ対のニップ部のシート搬送方向CDにおける上流において、シートの先端がシャッタ部材に突き当たるように構成してもよい。
また、既述のいずれの形態においても、第1レジストレーションローラ対237及び第2レジストレーションローラ対201は、それぞれ2つのローラ対を有していたが、これに限定されない。例えば、各レジストレーションローラ対は、軸線方向に長い1つのローラ対によって構成されてもよい。
また、既述のいずれの形態においても、引張りコイルバネ239によって第1レジストレーションローラ対237の従動ローラ236を付勢していたが、これに限定されない。例えば、引張りコイルバネ239に代えて、板バネや線バネ等の他のバネ部材や、ゴム、スポンジ、及び磁石等の他の付勢部材を用いてもよい。
また、既述のいずれの形態においても、電子写真方式の画像形成システム1000を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成システムにも本発明を適用することが可能である。
本発明は上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。