JP2022037489A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然繊維を用いつつ、良好な肌触りを実現することが可能な吸収性物品の提供に関する。【解決手段】本発明の一形態に係る吸収性物品は、表層側に配置されたシート構造を有する。前記シート構造は、合成繊維と天然繊維とを含む混合繊維層と、前記混合繊維層の一面側に配置され、前記吸収性物品の前記表層を構成する、繊維成分として合成繊維を主体とする合成繊維層と、を有する。前記混合繊維層は、前記天然繊維が凝集した天然繊維塊を含む。前記合成繊維層は、前記合成繊維が凝集した合成繊維塊を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
使用者に安心感を与え、風合いを向上させる等の観点から、コットン等の天然繊維を用いた吸収性物品が知られている。例えば、特許文献1には、表面シートをコットン不織布によって構成した吸収性物品が記載されている。また、特許文献2には、肌側に合成繊維からなる層を配置し、非肌側にコットンと合成繊維の混合層を配置した表面シートが記載されている。
特開2009-148328号公報 特開2016-220986号公報
特許文献1に開示された発明のように、天然繊維は、吸湿性や水蒸気の放出性に優れ、シートとしての柔らかな風合いを高める効果が期待できるが、一方で、凝集塊が形成されやすいという課題を有している。このような天然繊維の凝集塊がシート表面に位置していた場合、当該凝集塊による異物感が生じ、表面の肌触りが低下するおそれがあった。
一方、特許文献2に開示された表面シートでは、コットンの凝集塊による肌触りの低下を抑制するために、肌側に合成繊維からなる層を配置しているものの、コットンは熱融着性がないために、表面シートに強い変形力が加わるような場合には、表面シートの肌側面へコットンの凝集塊が移動してしまって、違和感につながるという可能性がある。
本発明の課題は、天然繊維を用いつつ、良好な肌触りを実現することが可能な吸収性物品の提供に関する。
本発明の一形態に係る吸収性物品は、表層側に配置されたシート構造を有する。
前記シート構造は、
合成繊維と天然繊維とを含む混合繊維層と、
前記混合繊維層の一面側に配置され、前記吸収性物品の前記表層を構成する、繊維成分として合成繊維を主体とする合成繊維層と、を有する。
前記混合繊維層は、前記天然繊維が凝集した天然繊維塊を含む。
前記合成繊維層は、前記合成繊維が凝集した合成繊維塊を含む。
本発明の吸収性物品によれば、天然繊維を用いつつ、良好な肌触りを実現することが可能である。
本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつの一例を示す図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に広げた状態を示す肌当接面側(表面シート側)の模式的な平面図である。 図1のII-II線で切断した模式的な断面図であり、本発明のシート構造が上記使い捨ておむつの外装体を構成する例を示す図である。 上記使い捨ておむつの他の構成例を示す、図2と同様の断面における模式的な断面図であり、本発明のシート構造が上記使い捨ておむつの表面シートを構成する例を示す図である。 本発明のシート構造の一例を示す模式的な断面図である。 凹凸構造を有する上記シート構造の構成例を示す模式的な図であり、Aは上記シート構造が上記使い捨ておむつの外装体として用いられる場合の断面図、Bは上記シート構造が上記使い捨ておむつの表面シートとして用いられる場合の断面図、Cは上記シート構造を用いた使い捨ておむつの平面図である。 凹凸構造を有する上記シート構造の他の構成例を示す模式的な図であり、Aは上記シート構造の断面図、Bは上記シート構造を用いた使い捨ておむつの平面図である。 凹凸構造を有する上記シート構造の他の構成例を示す模式的な図であり、Aは上記シート構造の断面図、Bは上記シート構造を用いた使い捨ておむつの平面図である。
以下、本発明の吸収性物品について、一実施形態である使い捨ておむつを例にあげ、図面を参照しながら説明する。
[使い捨ておむつの全体構成]
本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1に示すように、いわゆる展開型の使い捨ておむつである。使い捨ておむつ1は、以下、おむつ1と称する。
使い捨ておむつ1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、使い捨ておむつ1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。これらの縦方向X、横方向Y及び厚み方向Zは、各部の弾性部材を伸張させて平面状に広げた状態において相互に直交するものとする。
本明細書において、各構成を厚み方向Zの方向からみる場合、平面視という。
本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。
「着用時」は、通常想定される適正な着用位置が維持された状態をいう。
おむつ1は、縦方向X前方(腹側)に位置する腹側領域Aと、縦方向X後方(背側)に位置する背側領域Bと、腹側領域Aと背側領域Bとの間に位置する股下領域Cと、に区分される。
背側領域Bは、股下領域Cから左右の横方向Y外方に突出した側部を含む。当該側部の横方向Yにおける側縁部には、ファスニングテープ6が設けられている。
同様に、腹側領域Aは、股下領域Cから左右の横方向Y外方に突出した側部を含む。腹側領域Aの非肌対向面には、ファスニングテープ6を接着させるためのランディングテープ(図示せず)が設けられている。背側領域B及び腹側領域Aは、着用時に、ファスニングテープ6によって相互に接着され、一体となって着用者の腰周り及びウエスト周りに配置される。
股下領域Cは、腹側領域A及び背側領域Bよりも幅狭となるように、横方向Y内方に括れた脚繰りが形成される。股下領域Cは、典型的には、おむつ1の着用時に着用者の排泄部(例えば排尿部)に対向して配置される排泄部対向部を有している。
図1及び2に示すように、おむつ1は、表面シート2と、外装体3と、吸収体4と、サイドシート5と、一対のファスニングテープ6と、中間シート7と、防漏シート8と、を有する。おむつ1は、外装体3、防漏シート8、吸収体4、中間シート7及び表面シート2が厚み方向Zに積層された構成を有する。これらの構成は、例えば、ホットメルト接着剤等の公知の接合手段により互いに接合されている。
吸収体4は、縦方向Xに沿って延び、表面シート2と外装体3との間に配置される。吸収体4は、着用者の尿等の液状排泄物(以下、単に「液」ということがある。)を表面シート2側の上面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。
吸収体4は、吸収性コア40と、コアラップシート41と、を有する。
吸収性コア40は、例えば、液を保持することが可能な高吸水性ポリマーを含む。具体的に、吸収性コア40は、高吸水性ポリマーのみからなる構成、親水性繊維の積繊体に高吸水性ポリマーを担持させた構成等を有する。
コアラップシート41は、吸収性コア40を被覆し、例えば吸収性コア40の形状を保持する機能等を有する。コアラップシート41は、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
表面シート2は、吸収体4の肌側(厚み方向Z上方)に配置され、例えば、おむつ1の肌当接面の横方向Y中央部を構成する。表面シート2は、液透過性のシート材として構成され、合成繊維又は天然繊維からなる織布や不織布、多孔性シート等で形成される。表面シート2は、着用時に着用者の肌に当接し得る肌当接面2aを含む。
中間シート7は、例えば不織布からなり、表面シート2とコアラップシート41との間に配置される。中間シート7は、表面シート2から吸収体4への液の透過性の向上等の観点から配置される。
外装体3は、吸収体4の非肌側(厚み方向Z下方)に配置され、例えば、おむつ1の非肌対向面のほぼ全体を構成し、着用時のおむつ1の外装を構成する。外装体3は、おむつ1の非肌対向面である外表面3aを含み、おむつ1の最外層(最も着衣側の層)を構成する。
一対のサイドシート5は、表面シート2の横方向Y側部に配置され、例えば、おむつ1の肌当接面の横方向Y側部を構成する。サイドシート5は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。一対のサイドシート5では、横方向Y中央部側が表面シート2に重なって配置され、横方向Y側部が表面シート2の外側まで延出し、外装体3と接合される。
サイドシート5は、立体ギャザーを形成し得る。サイドシート5の横方向Y中央部側の側端部は、表面シート2等に接合されない自由端部となっており、弾性部材51が配されている。弾性部材51は、股下領域Cにおいて縦方向Xに延び、例えば腹側領域A及び背側領域Bの一部まで延びていてもよい。弾性部材51を設けることにより、立体ギャザーが構成される。
サイドシート5の横方向Y外方側の側端部近傍には、例えば縦方向Xに伸縮する弾性部材52が配置されることで、着用時に着用者の脚周りにフィットするレッグギャザーが構成される。
弾性部材51及び52は、縦方向Xに伸縮可能な糸状又は帯状の弾性部材である。
一対のファスニングテープ6は、おむつ1の背側領域Bの縦方向Xに沿う両側縁部に設けられる。ファスニングテープ6は、機械的面ファスナーの雄部材からなる止着部61を有する。また、おむつ1の腹側領域Aの非肌対向面には、機械的面ファスナーの雌部材からなる被止着領域(図示せず)が形成されている。当該被止着領域には、ファスニングテープ6の止着部61が着脱自在に止着可能である。
防漏シート8は、液不透過性又は液難透過性の樹脂フィルムからなり、外装体3の肌側(厚み方向Z上方)に配置される。防漏シート8は、例えば水蒸気を透過させる透湿性等の機能を有していてもよい。
[シート構造の概要]
本実施形態のおむつ1は、着用者又はおむつ1の交換等を行う処理者の肌に触れる部分の良好な肌触りを実現する等の観点から、表層側に配置されたシート構造10を備える。
おむつ1の「表層」とは、着用時に着用者の肌に当接し得る肌当接面と、着用時に着用者の着衣側に配置される外表面と、を含む部分を意味する。つまり、おむつ1の表層は、着用者の肌、又はおむつ1の交換等を行う処理者の肌に触れ得る面を含む部分を意味する。
上記肌当接面は、例えば、表面シート2の肌当接面2aを含む。また、外装体3の一部が肌側に折り返されている場合には、外装体3の当該折り返し部分も肌当接面を含む。また、サイドシート5の立体ギャザーにおいて着用者の肌に触れ得る部分も、肌当接面を含む。
上記外表面は、典型的には外装体3の外表面3aにより構成される。
「シート構造10が表層側に配置される」とは、シート構造10の少なくとも一部が上記肌当接面又は上記外表面を含むように配置されることを意味する。
シート構造10は、具体的には、外装体3の少なくとも一部を構成してもよいし、表面シート2の少なくとも一部を構成してもよい。
図2に示す例では、シート構造10は、外装体3を構成する。あるいは、図3に示すように、シート構造10が表面シート2を構成してもよい。
図4に示すように、シート構造10は、混合繊維層11と、混合繊維層11の一面側に配置され、おむつ1の表層を構成する合成繊維層12と、を有する。「合成繊維層12が混合繊維層11の一面側に配置される」とは、合成繊維層12が好ましくは混合繊維層11上に配置されている態様を意味するが、混合繊維層11上に他の層を介して配置されていてもよい。
合成繊維層12は、表面12aを含む。表面12aは、図2に示すように、外装体3の外表面3aの少なくとも一部を構成してもよいし、図3に示すように、表面シート2の肌当接面2aの少なくとも一部を構成してもよい。
なお、図4において、混合繊維層11及び合成繊維層12の断面を斜線のハッチングで示しているが、このハッチングは、各層の範囲を模式的に示すためのものであり、これらの各層に含まれる繊維の配向等を示すものではない。
混合繊維層11及び合成繊維層12は、後述するように、分離不可能に構成され、一枚のシート材を形成していてもよい。
あるいは、混合繊維層11及び合成繊維層12は、それぞれ異なるシート材を形成していてもよい。この場合、混合繊維層11及び合成繊維層12は、ホットメルト接着剤等によって接着されていてもよい。また、混合繊維層11と合成繊維層12は、平面視において同一の形状を有している例に限定されない。例えば、合成繊維層12が、混合繊維層11上のおむつ1の表層(肌当接面又は外表面)を構成する部分にのみ配置されていてもよい。
[シート構造の構成]
混合繊維層11は、合成繊維と天然繊維とを含み、これらの繊維の集合体として構成される。混合繊維層11は、不織布層として構成され、例えば、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布から選択される1又は複数の不織布層を含む。
混合繊維層11で用いられる天然繊維は、コットン、コットン以外の天然素材から得られるセルロース繊維(麻、ヤシ、クラフトパルプ、ワラ等)等から選択される1種又は複数種の繊維を含む。混合繊維層11が天然繊維を含むことで、消費者に安心感を与えることができるとともに、シート構造10全体に天然繊維特有の柔らかな風合いを与えることができる。
さらに、天然繊維は、合成繊維と比較して、吸湿性が高く、かつ不織布中に保持している水蒸気を放出しやすい。このため、例えばシート構造10が外装体3として用いられる場合には、天然繊維が、吸収体4によって吸収された水分由来の水蒸気を吸収し、さらにおむつ1の外部に水蒸気を放出することができる。また、例えばシート構造10が表面シート2として用いられる場合には、天然繊維が、排泄された液や着用者の汗に由来する水蒸気を吸収し、吸収体4の未使用部分(すなわち、排泄液を吸収可能な部分)へ当該水蒸気を放出することができる。したがって、混合繊維層11が天然繊維を含むことにより、おむつ1の着用時のムレを効果的に抑制し、おむつ1の着用者の肌トラブルを抑制することができる。
混合繊維層11は、天然繊維として、好ましくはコットンを含む。コットンは、特に上述のような吸湿性及び水蒸気の放出性に優れており、おむつ1の着用時のムレをより効果的に抑制することができる。
混合繊維層11は、天然繊維による上記好ましい作用を得るとともに、天然繊維による保水性等を制御する観点から、天然繊維を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下含んでいる。天然繊維を上記下限値以上含むことで、シート構造10全体に天然繊維特有の柔らかな風合いを与えることができ、かつ、おむつ1のムレ防止効果を十分に得ることができる。天然繊維を上記上限値以下含むことで、天然繊維による保水性を規制することができ、例えばシート構造10を表面シート2として用いた場合にも、良好な液透過性を得ることができる。
また、天然繊維の繊度は、後述する天然繊維塊13中の繊維密度が高くなることにより天然繊維塊13自体が硬くなることを抑制し、また、天然繊維塊13が大きくなり過ぎて異物感が増してしまうことによる風合いの悪化を抑制する観点から、例えば、好ましくは1.0tex以上、好ましくは1.5dtex以上であり、好ましくは15dtex以下、好ましくは10dtex以下である。
天然繊維の繊維長は、シート構造10からの天然繊維の脱落や、塊が大きくなりすぎることを抑制する観点から、例えば、好ましくは5mm以上、好ましくは15mm以上であり、好ましくは40mm以下、好ましくは35mm以下である。
混合繊維層11は、さらに、天然繊維が凝集した天然繊維塊13を含む。天然繊維塊13は、天然繊維が密に集合して塊状になったものである。混合繊維層11では、例えば、複数の天然繊維塊13が分散して配置されている。図4では、天然繊維塊13を、グレーの線が密に集まった構成として示している。
天然繊維塊13の平面視における形状や大きさは特に限定されない。例えば、天然繊維塊13のサイズとしては、平面視において画像解析等によって面積を算出し、真円に換算した場合の径(円相当直径)が、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。
天然繊維塊13の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.6mm以下である。なお、「天然繊維塊13の厚み」は、シート構造10の厚み方向(例えば図1~3の厚み方向Z)における天然繊維塊13の寸法を意味する。
なお、天然繊維塊13のサイズ及び厚みは、1枚のおむつ1(吸収性物品)に用いられる混合繊維層11において例えば5個以上の天然繊維塊13の径及び厚みを測定し、同様に3枚のおむつ1(吸収性物品)について測定した場合の、合計15個以上の天然繊維塊13の径及び厚みの平均値として算出される。天然繊維塊13のサイズ及び厚みは、例えば後述する「繊維塊の個数の測定方法」で説明するように、天然繊維塊13を着色して測定されてもよい。
混合繊維層11に含まれる合成繊維は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂などを原料とする繊維を含む。これら各種原料のうち、2種の樹脂の組み合わせからなる複合繊維(芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維)を用いることもできる。これらの合成繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、混合繊維層11に含まれる合成繊維としては、不織布の強度とやわらかく良好な触感を両立する観点から、好ましくは複合繊維が用いられる。
混合繊維層11は、合成繊維同士の結合によって混合繊維層11の強度を確保し、かつ天然繊維の有する保水性等を調整する観点から、合成繊維を、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、好ましくは99.8質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下含んでいる。
混合繊維層11の合成繊維の繊度は、柔らかくふんわりとした触感を有する観点から、例えば、好ましくは0.5dtex以上、好ましくは1.0dtex以上であり、好ましくは6.0dtex以下、好ましくは4.5dtex以下である。
混合繊維層11の合成繊維の繊維長は、カード機を用いて不織布を製造する際のウェブ形成のし易さの観点から、例えば、好ましくは20mm以上、好ましくは35mm以上であり、好ましくは75mm以下、好ましくは70mm以下である。
なお、図4に示すように、混合繊維層11は、天然繊維塊13の他、合成繊維が凝集した合成繊維塊14を含んでいてもよい。図4では、合成繊維塊14を、黒の線が密に集まった構成として示している。
合成繊維層12は、繊維成分として合成繊維を主体とし、合成繊維の集合体として構成される。合成繊維層12は、合成繊維を、例えば95質量%以上含んでおり、100質量%含んでいてもよい。合成繊維層12は、不織布層として構成され、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布から選択される1又は複数の不織布層を含む。
なお、合成繊維層12が「繊維成分として、合成繊維を主体として含む」とは、好ましくは合成繊維のみで形成されることを意味するが、天然繊維塊を形成しない範囲で天然繊維を含むことを排除しないものである。
合成繊維層12に含まれる合成繊維は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂などを原料とする繊維を含む。これら各種原料のうち、2種の樹脂の組み合わせからなる複合繊維(芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維)を用いることもできる。これらの合成繊維は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、合成繊維層12に含まれる合成繊維としては、後述する合成繊維塊15を効率よく形成する観点から、好ましくは繊度2.5dtex以下の複合繊維が用いられる。
合成繊維層12に含まれる合成繊維は、混合繊維層11に含まれる合成繊維と異なっていてもよいし、少なくとも一部が同一であってもよい。また、合成繊維層12は、繊維径や横断面の形状の異なる合成繊維を含んでいてもよい。
合成繊維層12は、合成繊維が凝集した合成繊維塊15を含む。合成繊維塊15は、合成繊維が密に集合して塊状になったものである。合成繊維層12では、例えば、複数の合成繊維塊15が分散して配置されている。図4では、合成繊維塊15を、黒の線が密に集まった構成として示している。
合成繊維塊15の平面視における形状や大きさは特に限定されない。例えば、合成繊維塊15のサイズとしては、平面視において画像解析等によって面積を算出し、真円に換算した場合の径(円相当直径)が、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下である。
合成繊維塊15の厚みは、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.08mm以上であり、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下である。なお、「合成繊維塊15の厚み」は、シート構造10の厚み方向(例えば図1~3の厚み方向Z)における合成繊維塊15の寸法を意味する。
なお、合成繊維塊15のサイズ及び厚みは、1枚のおむつ1(吸収性物品)に用いられる合成繊維層12において例えば5個以上の合成繊維塊15の径及び厚みを測定し、同様に3枚のおむつ1(吸収性物品)について測定した場合の、合計15個以上の合成繊維塊15の径及び厚みの平均値として算出される。
合成繊維層12に含まれる、当該合成繊維の繊度は、合成繊維塊15を効率よく形成する観点から、例えば、好ましくは0.2dtex以上、好ましくは0.7dtex以上であり、好ましくは2.5dtex以下、好ましくは2.0dtex以下である。
当該合成繊維の繊維長は、合成繊維塊15を効率よく形成する観点から、例えば、好ましくは20mm以上、好ましくは35mm以上であり、好ましくは75mm以下、好ましくは70mm以下である。
また、合成繊維層12に含まれる合成繊維の繊度は、混合繊維層11に含まれる合成繊維の繊度よりも小さいことが肌触りの観点から好ましい。
上記構成を有するシート構造10は、例えば以下のように製造される。
例えば、混合繊維層11を構成する合成繊維及び天然繊維を用いてウェブを形成する。一方、合成繊維層12を構成する合成繊維を用いてウェブを形成する。ウェブの形成には、公知のカード機等の装置を用いることができる。これらのウェブに含まれる繊維を、熱処理等によって結合させて、混合繊維層11及び合成繊維層12を形成する。その後、必要に応じて、カレンダー加工等を行ってもよい。
繊維を結合させるための処理としては、エアスルー法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法等が挙げられ、天然繊維塊13及び合成繊維塊15を効率よく形成する観点から、エアスルー法が好ましい。
また、合成繊維層12に対応するウェブには、合成繊維塊15を形成させる観点から、原料となる合成繊維として、不織布の端切れを解繊処理することによって得られた繊維を用いることもできる。不織布の端切れとは、例えば不織布の製造過程において、製造時の流れ方向の左右両側域に発生する箇所をスリッターで切断することで生じる部位のことである。このような端切れは通常廃棄処理されるが、本実施形態においては、この端切れを解繊して再び繊維に戻した再生繊維を、原料の合成繊維として用いることができる。解繊処理には、例えば公知の解繊機を用いることができる。このような再生繊維は、通常、合成繊維同士の結合(融着等)が残存した状態である。したがって、再生繊維を用いることで、合成繊維塊15を合成繊維層12中に効率的に形成させることができる。具体的な製造方法については、例えば特開2013-151774号公報等を参照することができる。
また、ウェブに形成される繊維塊の数や大きさは、カード機の各構成部材の運転速度等を調整することによって調整することができる。特に、合成繊維層12が上記再生繊維を用いて形成される場合には、全体の合成繊維中における再生繊維の割合や解繊度合いを調整することによっても、合成繊維塊の数や大きさを調整することができる。
また、繊維を結合させるための処理は、混合繊維層11を形成するウェブ及び合成繊維層12を形成するウェブを積層した状態で行われてもよい。この場合、2層の界面で合成繊維同士が交絡し、後述する混合繊維層11及び合成繊維層12の積層構造を有する不織布シートが容易に得られる。
あるいは、繊維を結合させるための処理は、混合繊維層11を形成するウェブ及び合成繊維層12を形成するウェブ各々に対して行われてもよい。この場合は、混合繊維層11に対応する不織布シート及び合成繊維層12に対応する不織布シートがそれぞれ得られる。
天然繊維は、ウェブ形成時に凝集しやすく、天然繊維塊13が形成されやすい。天然繊維塊13を含む天然繊維は、周囲の合成繊維とは融着しにくい。このことから、天然繊維塊13は、シート構造10に力が加わった際などに、移動しやすい。
一方、合成繊維は、熱処理等によって相互に結合(融着)されやすい。このため、合成繊維塊15内における合成繊維同士、及び合成繊維塊15の合成繊維と周囲の合成繊維との間で、結合点(融着点)が形成されやすい。したがって、合成繊維塊15は、合成繊維層12内で位置が固定されやすくなる。
本実施形態のシート構造10では、合成繊維層12がおむつ1の表層を構成するように配置される。上述したように、シート構造10に力が加わった際でも、合成繊維塊15は合成繊維層12内で位置が固定され易いので、表面12aから合成繊維塊15が突出することが抑制される。したがって、おむつ1の表層の異物感を抑制でき、肌触りを良好に維持することができる。
また、混合繊維層11の一面側に、合成繊維同士が融着された合成繊維層12が配置される。このため、混合繊維層11中の天然繊維塊13が当該表層側に移動しにくい。特に、合成繊維層12が周囲の繊維とも融着された合成繊維塊15を有するため、天然繊維塊13の表層側への移動が、合成繊維塊15によって効果的に制限される。これにより、天然繊維塊13がおむつ1の表層(合成繊維層12の表面12a)から突出することが抑制される。したがって、天然繊維の突出によるおむつ1の表層の異物感や肌触りの低下を抑制でき、肌触りの良好なおむつ1を得ることができる。
以上のように、本実施形態のシート構造10によれば、天然繊維による安心感や柔らかい風合い及びムレ抑制効果と、おむつ1の表層の肌触りの良さとを両立させることができる。
図2に示すように、シート構造10が外装体3として用いられる場合には、合成繊維層12の表面12aが、外装体3の外表面3aを構成する。これにより、例えばおむつ1を交換したり廃棄したりするおむつ1の処理者が、良好な肌触りを実感することができる。したがって、当該処理者が、天然繊維による安心感も伴い、おむつ1に対して良好な印象を持つことができる。さらに、外装体3が肌側へ折り返される部分を有する場合は、当該折り返し部の肌触りを向上させるとともに、繊維の突出による着用中の肌へ刺激を抑制することができる。
図3に示すように、シート構造10が表面シート2として用いられる場合には、合成繊維層12の表面12aが、表面シート2の肌当接面2aを構成する。これにより、肌当接面2aからの繊維の突出による着用中の異物感や肌へ刺激を抑制することができる。したがって、おむつ1が、着用者に対して、良好な着用感を与えられるとともに、繊維の突出に伴う肌トラブルを抑制することができる。
表面12aからの天然繊維の突出を良好に抑制する観点から、合成繊維層12の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。また、混合繊維層11の厚みは天然繊維塊15の厚み以下、特に当該厚み未満であることが好ましい。
天然繊維による柔らかい風合いや、良好な吸湿性及び水蒸気の放出性を得る観点から、混合繊維層11の厚みは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは2.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下である。
天然繊維による風合いを活かすとともに、おむつ1の表層を構成するシート構造10として十分な強度を得る観点から、シート構造10の厚みは、好ましくは0.3mm以上、より好ましくは0.5mm以上であり、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下である。
同様の観点から、シート構造10の坪量は、好ましくは10g/m以上、より好ましくは15g/m以上であり、好ましくは60g/m以下、より好ましくは30g/m以下である。
[積層構造]
混合繊維層11と、合成繊維層12とは、積層構造を有していてもよい。ここでいう積層構造とは、混合繊維層11上に合成繊維層12が積層されており、2層が分離不可能な不織布シートを構成していることを意味する。これにより、2層を一体の不織布シートとして取り扱うことができ、おむつ1の製造工程上の取り扱いが容易になる。
このようなシート構造10は、例えば、混合繊維層11を形成するウェブ及び合成繊維層12を形成するウェブを積層した状態で繊維を結合する処理が行われることで、形成されてもよい。あるいは、混合繊維層11を形成するウェブから不織布を形成し、合成繊維層12を形成するウェブから不織布を形成した後、これらの不織布をホットメルト接着剤等の接着剤等によって接合してもよい。あるいは、混合繊維層11に対応する不織布と、合成繊維層12に対応する不織布との一部を、圧搾加工等によって接合してもよい。
各層に対応するウェブに対して繊維の結合処理を行う方法の場合、混合繊維層11と合成繊維層12との界面では、各層の合成繊維同士が交絡(結合)し得る。これにより、界面近傍に天然繊維塊13が配置されていた場合にも、この天然繊維塊13を起点に、混合繊維層11と合成繊維層12との間の剥離が生じることを抑制できる。
特に、図4に示すように、混合繊維層11と合成繊維層12との界面に、混合繊維層11の合成繊維塊14が配置されている場合は、当該合成繊維塊14が混合繊維層11及び合成繊維層12の双方の合成繊維と結合し得る。このため、混合繊維層11と合成繊維層12との間の剥離が生じることをより確実に抑制できる。
[扁平繊維]
合成繊維層12は、おむつ1の表層の肌触りを一層良好なものとする観点から、扁平率が1.2以上の合成繊維を含んでいることが好ましい。本明細書では、扁平率が1.2以上の合成繊維を、「扁平繊維」とも称する。
扁平率とは、繊維の断面の短軸長に対する長軸長の比率(長軸長/短軸長)を意味する。繊維の断面が真円形状の場合の扁平率は1であり、該断面の潰れの程度が大きくなるに従って扁平率は1より大きくなる。繊維の扁平率の詳細な測定方法については、後述する。
合成繊維層12において、扁平繊維の長軸方向は、平面方向(厚み方向Zと直交する方向)又は当該平面方向と平行に近い方向に配向し得る。このような扁平繊維が合成繊維層12の表面12a近傍に配置されることで、おむつ1の表層に、扁平繊維の扁平な面が並んで配置され得る。これにより、真円に近い断面を有する繊維が合成繊維層12の表面12a(おむつ1の表層)に配置されている場合と比較して、おむつ1の表層がより平坦で連続性の高い状態になり、おむつ1の表層の肌触りを一層良好にすることができる。
上記観点から、扁平繊維は、少なくとも合成繊維層12の表面12aに配置されていることが好ましい。
また、扁平繊維によって、合成繊維層12において平面方向に密に繊維が配置され得るため、天然繊維塊13の表面12aへの移動がより制限される。これにより、天然繊維塊13の表面12aからの突出がより効果的に抑制され、おむつ1の表層の肌触りをより確実に高めることができる。
扁平率が1.2以上の繊維を得る方法としては、1)所望の扁平率に対応した扁平率を有する紡糸口金を用いて紡糸する方法、あるいは2)通常の紡糸口金(断面が真円形状又はこれに準ずる形状)を用いて得られた繊維の堆積物に対して加圧等の後加工を施す方法が挙げられる。扁平繊維の長軸方向を合成繊維層12の平面方向に効率よく配向させる観点から、本実施形態においては上記2)の方法が特に好ましい。上記2)の方法は例えば、断面が真円形状の繊維を含む合成繊維層12を、必要に応じ加熱しつつ、加圧して圧密化することで実施可能である。このような処理としては、例えば、カレンダー処理が挙げられる。カレンダー処理は、カレンダーロールで不織布などの繊維集合体に熱と圧力を加えて、繊維集合体を高密度化する処理である。このようなカレンダー処理によって、合成繊維層12の表面12aに扁平繊維が形成されるとともに、合成繊維層12の表面12a近傍の合成繊維の重なりを緩めて、合成繊維層12の柔軟性を高めることができる。
[合成繊維層と混合繊維層との繊維の関係]
おむつ1の表層の肌触りをより良好にするとともに、合成繊維層12の表面12aからの天然繊維の脱落を防止する観点から、合成繊維層12及び混合繊維層11の合成繊維の繊維径を以下のような関係とすることが好ましい。
合成繊維層12の合成繊維の繊維径は、混合繊維層11の合成繊維の繊維径よりも小さいことが好ましい。
例えば、混合繊維層11の合成繊維の繊維径に対する合成繊維層12の合成繊維の繊維径の比率は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.8以下であり、また、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上である。
合成繊維層12の合成繊維の繊維径は、好ましくは4μm以上、より好ましくは8μm以上であり、好ましくは17μm以下、より好ましくは15μm以下である。
混合繊維層11の合成繊維の繊維径は、好ましくは7μm以上、より好ましくは10μm以上であり、好ましくは26μm以下、より好ましくは22μm以下である。
なお、合成繊維層12が上記扁平繊維を含む場合の合成繊維の繊維径は、以下のように測定され得る。扁平繊維が合成繊維層12の一部に分布している場合には、扁平繊維が含まれていない部分の合成繊維の繊維径を測定する。扁平繊維が合成繊維層12の全体に分布している場合には、後述する方法によって繊維の横断面の断面積を計測し、真円に換算した場合の直径を算出する。
また、おむつ1の表層側に位置する合成繊維層12の合成繊維塊15を構成する合成繊維の繊維径は、おむつ1の表層の肌触りをより一層良好なものとする観点から、天然繊維塊13を構成する天然繊維の繊維径よりも小さいことが好ましい。
例えば、天然繊維塊13を構成する天然繊維の繊維径に対する合成繊維塊15を構成する合成繊維の繊維径の比率は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.8以下である。
混合繊維層11の天然繊維の繊維径は、好ましくは9μm以上、より好ましくは12μm以上であり、好ましくは36μm以下、より好ましくは30μm以下である。
また、合成繊維層12の表面12aからの天然繊維塊13の突出や脱落を防止する観点から、おむつ1の表層側に位置する合成繊維層12の合成繊維塊15の一定面積当たりの個数は、混合繊維層11における天然繊維塊13の当該一定面積当たりの個数よりも多いことが好ましい。
合成繊維層12における合成繊維塊15の100cm当たりの個数は、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上であり、好ましくは400個以下、より好ましくは200個以下である。
混合繊維層11における天然繊維塊13の100cm当たりの個数は、好ましくは5個以上、より好ましくは10個以上であり、好ましくは200個以下、より好ましくは150個以下である。
天然繊維塊による異物感をより効果的に低減し、シート表面の触感を良好にする観点から、合成繊維層12における合成繊維塊15の一定面積当たりの個数が、混合繊維層11における天然繊維塊13の当該一定面積当たりの個数よりも多いことに加えて、合成繊維塊15のサイズが天然繊維塊13のサイズよりも小さいことが好ましい。
混合繊維層11における天然繊維塊13のサイズに対する合成繊維層12における合成繊維塊15のサイズの比率は、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.65以下である。なお、各繊維塊のサイズとは、平面視における円相当直径を意味する。
天然繊維塊13による異物感をより効果的に低減し、シート全体のふんわりとした触感とシート表面のなめらかな触感を両立する観点から、合成繊維層12における合成繊維塊15の厚みは、混合繊維層11における天然繊維塊13の厚みよりも小さいことが好ましく、合成繊維層12の厚みは、混合繊維層11の厚みよりも小さいことが好ましい。
混合繊維層11における天然繊維塊13の厚みに対する合成繊維層12における合成繊維塊15の厚みの比率は、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.5以下である。
混合繊維層11の厚みに対する合成繊維層12の厚みの比率は、好ましくは0.95以下であり、より好ましくは0.8以下である。
[スキンケア剤]
シート構造10が着用者の肌に当接する部分に用いられる場合、合成繊維層12の表面12aは、着用者の肌と長時間接触することになる。このような場合に、着用者の肌トラブルを抑制する観点から、合成繊維層12は、合成繊維の表面に、スキンケア剤を含んでいてもよい。スキンケア剤は、スキンケア効果を発現するものである。「スキンケア効果」とは、皮膚のかぶれ防止、消炎、傷つき防止、抗菌等の皮膚の状態を正常にする効能全般を意味する。
スキンケア剤は、合成繊維層12の形成後に合成繊維層12の表面12aに塗工されてもよいし、スキンケア剤が塗工された合成繊維を用いて合成繊維層12が形成されてもよい。スキンケア剤の塗工方法は限定されず、ダイスコーター方式、スロットスプレー方式、カーテンスプレー方式、メルトブローン方式、スパイラルスプレー方式、グラビア方式及びビード方式から選ばれる1種又は2種以上の方法を適宜選択できる。スキンケア剤の詳細な塗工形態については、後述する。
本実施形態のスキンケア剤は、尿等の液によって溶出しにくく、長時間のスキンケア効果を得る観点から、例えば、疎水性のスキンケア剤を含んでいてもよい。疎水性スキンケア剤とは、水溶性及び水分散性を有さないか、また極めて溶解性が低いものであって、且つ着用者の肌に対して保護、治癒等の効能を有する組成物又は化合物のことである。例えば、疎水性スキンケア剤とは、スキンケア剤を含むシートを、当該シートの質量の10倍量の水(液温25℃)に浸漬し、24時間放置した後に、10質量%未満でしか溶解しないスキンケア剤を言う。当該疎水性スキンケア剤は、好ましくは、1質量%以下の溶解性のものであり、特に好ましくは完全に溶解せず、且つ分散しないものである。
疎水性スキンケア剤としては、アルガンオイル、シアバター等の天然物抽出成分やワセリン等を用いることができる。例えば、不飽和脂肪酸を含む疎水性の植物油であるアルガンオイルは、肌の水分と油分のバランスを保って肌の乾燥を防ぐことができる。さらに、アルガンオイルは、オレイン酸、リノール酸といった不飽和脂肪酸を多く含み、活性酸素除去力が強く、肌のダメージを軽減させることができる。
また、本実施形態のスキンケア剤は、親水性のスキンケア剤を含んでいてもよい。親水性スキンケア剤とは、水溶性又は水分散性を有するスキンケア成分のことであり、かぶれや炎症の発生を抑制し、かぶれや炎症が生じた場合には、当該かぶれや炎症の進行を抑制するか、又は当該かぶれや炎症を緩和させるものであることが好ましい。親水性スキンケア剤は、例えば、スキンケア剤が塗布されているシートを、当該シートの質量の10倍量の水(液温25℃)に浸漬し、24時間放置した後に、10質量%以上溶解又は分散する場合、水溶性又は水分散性を有するものとする。なお、上述した「溶解又は分散」する量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。
親水性スキンケア剤としては、桃の葉エキス、ハマメリエキス等の天然物抽出成分や炭素鎖数が2~4の多価アルコール、スキンケア効果を有する親水性化合物を用いることができる。例えば、植物抽出エキスである桃の葉エキス(親水性エキス)は、抗菌作用、抗炎症作用を有する。
上記各種のスキンケア剤は、一種を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。例えば親疎水度合いの異なる少なくとも2種類のスキンケア剤成分が用いられてもよい。
また、スキンケア剤には、天然物抽出成分を用いることが好ましい。これにより、着用者のアレルギー反応や肌トラブルをより一層抑制できるとともに、消費者に安心感や爽やかなイメージを付与することができる。
[凹凸構造を有するシート構造]
図5~7に示すように、シート構造10は、合成繊維層12の表面12aに形成された複数の凸部16と、複数の凸部16の間に位置する凹部17と、を有していてもよい。
例えば、シート構造10が積層構造を有する場合には、シート構造10全体に凹凸構造が形成されていてもよい。
合成繊維層12と混合繊維層11とが別体のシート材で構成される場合には、合成繊維層12のみが凹凸構造を有していてもよい。
シート構造10が凹凸構造を有することで、特に合成繊維層12が肌に当接する場合に、肌との接触面積を低減させることができ、通気性を高めることができる。また、おむつ1の表層の肌触りを一層良好にすることができる。
凸部16は、おむつ1の厚み方向Z外方に向かって突出している部分を意味する。凹部17は、凸部16の周囲に形成される部分を意味する。凸部16及び凹部17の詳細な識別方法については、後述する。
図5~7を用いて、凹凸構造を有するシート構造10の構成例について説明する。但し、シート構造10は、これらの構成に限定されない。なお、図5C、図6B及び図7Bの平面図において、ドットパターン又は線で示した部分が凹部17を表し、凹部17に隣接する部分が凸部16を表す。
図5に示すシート構造10は、シート構造10全体に凹凸構造が形成されており、凸部16の内部が実質的に中空となっている。凹部17は、シート構造10と厚み方向Zに隣接するシートに接合されている。
図5Aに示す例において、シート構造10は外装体3を構成し、シート構造10の凹部17は、ホットメルト接着剤等の接着剤Sによって防漏シート8に接合されている。
図5Bに示す例において、シート構造10は表面シート2を構成し、シート構造10の凹部17は、ホットメルト接着剤等の接着剤Sによって中間シート7に接合されている。
なお、図5A及びBに示す構成の他、例えば、凹凸構造を有する合成繊維層12の凹部17が、略平坦な混合繊維層11に接合されることで、凹凸構造を有するシート構造10が形成されてもよい。
このような構成のシート構造10は、以下のように形成され得る。例えば、合成繊維層12を構成するウェブと混合繊維層11を構成するウェブとを積層させた後、凸部16に対応する突起を有する支持体上に積層されたウェブを配置して温風を吹き付けることによって、凸部16及び凹部17が賦形されてもよい(例えば特開2013-177715号公報参照)。あるいは、ギアロール間にシート構造10を構成する不織布を挟み込んで、延伸させることによって、凸部16及び凹部17が賦形されてもよい(例えば特開2004-174234号公報参照)。
図5Cに示すように、凸部16及び凹部17は、平面視において、一方向に延びていてもよい。凸部16及び凹部17の延在方向は、縦方向Xでも横方向Yでもよく、縦方向X及び横方向Yと交差する方向でもよい。また、凸部16及び凹部17は、直線状に延びる態様に限定されず、曲線状に延びていてもよい。
図6Aに示すシート構造10は、凸部16の内部が実質的に中実となっている。このようなシート構造10は、例えばシート構造10の形成後に、凹部17に対応する位置をエンボス加工することにより、形成することができる。凹部17におけるエンボス加工としては、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工、超音波エンボス加工等の公知のエンボス加工を挙げることができる。凹部17に対応するエンボス部は、図6Bに示すように、平面視において、間欠的に延びていてもよいし、連続的に延びていてもよい。また、図5Cに示す例と同様に、凸部16及び凹部17の延在方向については図6Bに示す例に限定されない。
図7Aに示すシート構造10は、凹部17が貫通孔18を有する。これにより、シート構造10が良好な肌触りを有することに加えて、排泄された液由来の水蒸気を貫通孔18から吸収又は放出することができ、通気性をより一層向上させることができる。
凹部17に貫通孔18を形成する方法としては、例えば、凹部17をエンボス加工する際に、付加する熱又は圧力を調整して繊維を溶融させ開孔させる方法、凹部17のエンボス加工時に超音波振動を印加して凹部17の一部の繊維を溶融させる方法、凹部17に凸状ピンを穿刺して貫通孔18を形成する方法、等が挙げられる。具体的な方法としては、特開2019-93598号公報、特開2011-110122号公報、特開2017-93731号公報等を参照することができる。
図7Bに示すパターンでは、平面視において、凹部17及びそれに形成された貫通孔18が縦方向Xに対して交差する2方向に延びている。図7Bでは、線で記載された部分が凹部17及び貫通孔18を表している。この場合、2方向に延びる凹部17に囲まれた略矩形の領域に、凸部16が形成される。
凹部17と凸部16の平面パターンは、図5C、図6B及び図7Bに示す例に限定されない。例えば、図5のような凸部16を形成する場合、温風吹き付け時の支持体の突起の配置及び形状や、ギアロールの形状等を変更することで、多様な配置及び形状の凸部16を形成することができる。あるいは、図6のように凹部17をエンボス加工等によって形成する場合、凹部17の平面形状をドット状(小円形状)、楕円形状又は矩形状等とし、この凹部17の配置を変更することで、多様な配置及び形状の凸部16を形成することができる。
[補足説明]
以下、本実施形態の説明を補足する。
(繊維の繊度の測定方法)
荷重がかかっていない状態のシート構造10から、50mm×100mm(面積5000mm)の長方形状に切り出した測定用サンプルを作製する。次いで、測定用サンプルを断面視して、何れか一方の面から厚さ方向に0.2mm間隔を空けた位置における繊維10本の繊維太さを、電子顕微鏡を用いて実測し、繊維太さ平均値Dn(μm)を算出する。次いで、前記一方の面から厚さ方向に0.2mm間隔を空けた位置における繊維の構成成分を特定し、示差走査熱量測定器(DSC)を用いて、理論繊維存在密度Pn(g/cm)を求める。得られた繊維太さ平均値Dn(μm)及び理論繊維存在密度Pn(g/cm)から、繊維長さ10,000m当たりの重さ(g)を算出して、この算出された値を繊維の繊度(dtex)とする。
なお、吸収性物品からシート構造10等の測定対象を採取する場合には、当該測定対象の構成部材と他の構成部材との接合に用いられている接着剤などをコールドスプレー等の冷却手段で弱めた後に、測定対象の構成部材を丁寧に剥がして取り出す方法が好ましい。この方法は、以下で説明する各測定方法等についても用いられ得る。
(シート構造の厚みの測定方法)
測定対象のシート構造10を縦方向50mm×横方向50mmに切断し、シート構造10の切断片を作製する。次に、この切断片を平板上に載せ、その上に平板上のガラス板を載せ、ガラス板を含めた荷重が49Paになるようにガラス板上に重りを均等に載せた上で、該切断片の厚みを測定する。測定環境は温度20±2℃、相対湿度65±5%、測定機器にはマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX-1000)を用いる。切断片の厚みの測定は、まず、該切断片の切断面の拡大写真を得る。この拡大写真には、既知の寸法のものを同時に写しこむ。次に、前記切断片の切断面の拡大写真にスケールを合わせ、該切断片の厚みすなわち測定対象のシートの厚みを測定する。以上の操作を3回行い、3回の平均値を、測定対象のシート構造10又は各層の厚みとする。なお、測定対象のシート構造10が積層構造を有する場合は、繊維径及び/又は繊維密度の違いからからその境界を判別し、各層の厚みを算出する。
(シート構造の坪量の測定方法)
測定対象のシート構造10の一部を、フェザー安全剃刃株式会社製片刃剃刀を用いて切断し、あらかじめ定めた面積となるように測定片を得る。それらの測定片の重量を電子天秤(A&D社製電子天秤GR-300、精度:小数点以下4桁)を用いて測定する。求めた重量を測定片の面積で除して測定片の坪量を算出する。測定片5個の坪量の平均を坪量とする。
(繊維径の測定方法)
測定対象(混合繊維層11及び合成繊維層12)を剃刀(例えばフェザー安全剃刃株式会社製片刃)で切断し、平面視四角形形状(8mm×4mm)の測定片を得る。この測定対象の切断の際には、その切断によって形成される測定片の切断面の構造が、切断時の圧力などによって破壊されないように注意する。好ましい測定対象の切断方法として、測定対象の切断に先立って、測定対象を液体窒素中に入れて十分に凍結させ、しかる後切断する方法が挙げられる。紙両面テープ(ニチバン株式会社製ナイスタックNW-15)を用いて、測定片を試料台に貼り付ける。次いで測定片を白金コーティングする。コーティングには日立那珂精器株式会社製イオンスパッタ装置E-1030型(商品名)を用い、スパッタ時間は30秒とする。測定片の切断面を、日立製作所株式会社製S-4000型電界放射型走査電子顕微鏡を用いて倍率1000倍で観察する。例えば測定対象が積層構造を有する場合、電子顕微鏡像より、繊維径及び/又は繊維密度の違いから各層の境界を判別し、各層に存する繊維それぞれについて、繊維の長手方向に対する幅方向の長さを10本測定し、その平均値を繊維径とする。
(繊維の扁平率の測定方法)
上記「繊維径の測定方法」と同様に、測定片を用意しその切断面を電子顕微鏡で観察する。例えば合成繊維層12の切断面を観察し、繊維の長手方向に対する幅方向の太さ(長軸長)、厚み方向の太さ(短軸長)を測定し、長軸長を短軸長で除することで繊維1本の扁平率を算出する。これを10本分測定し、その平均値を扁平率とする。
(扁平繊維の場合の繊維径の測定方法)
上述のように、合成繊維層12の全体に扁平繊維が分布していた場合、繊維径は以下のように測定する。
上述の「繊維径の測定方法」と同様に、測定片を用意しその切断面を電子顕微鏡で観察する。観察された繊維の横断面の断面積を、画像処理ソフトを用いて計測する。計測された断面積を、真円の断面積とみなして、真円の場合の直径を算出する。合成繊維層12に存する繊維10本について同様に直径を算出し、この平均値を繊維径とする。
(繊維塊の個数の測定方法)
吸収性物品からコールドスプレーを用いてシート構造10を剥がし、このシート構造10から10cm四方の測定片を切り出す。切り出した測定片を黒色の台紙上に配置し、繊維塊の個数を目視で測定する。この測定された個数を、a個とする。
その後、測定片を着色水(例えば赤色2号等の食用色素)に浸し、キムタオル(日本製紙クレシア製)等の吸水紙で挟み吸水させ、70℃で24時間乾燥させる。着色された繊維塊の数を目視で測定する。この測定された個数を、b個とする。
合成繊維塊15の100cm当たりの個数は、(a-b)個とする。
天然繊維塊13の100cm当たりの個数は、b個とする。
1枚の吸収性物品に対して2箇所から測定片を切り出して測定し、3枚の吸収性物品について測定を行う。合計6枚の測定片からの測定結果の平均値を算出し、合成繊維塊15及び天然繊維塊13の100cm当たりの個数とする。
(繊維塊の厚みの測定方法)
鋭利な刃を用い、合成繊維塊15の中心部を含む切断面を得る。切断面をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX-1000)を用いて100~200倍の倍率で観察して、合成繊維塊15の厚みを測定する。同様に着色された天然繊維塊13の厚みを測定する。
(スキンケア剤の形態)
スキンケア剤は、親水性油剤とスキンケア剤を含む混合物からなる表面処理剤として塗工されてもよい。あるいは、親水性油剤が塗工された繊維を用いて不織布を形成した後、当該不織布に、スキンケア剤を含む表面処理剤を塗工してもよい。
親水性油剤は、衛生品用途に使用される一般的な親水化剤であれば特に限定されない。親水性油剤は、一般に、液体である表面処理剤を繊維に安定的に付着させる作用を有する。
また、上記表面処理剤は、スキンケア剤の他、スキンケア効果以外の機能を有するもの(例えば抗菌剤、消臭剤等)等を含んでいてもよい。
スキンケア剤を含む表面処理剤は、炭素鎖数が2~4の多価アルコールを含んでいてもよい。このような多価アルコールは、特に親水性成分(親水性油剤、親水性のスキンケア剤等)の溶剤として機能し、これらを均一に分散させることができる。さらに、上記多価アルコールは、溶剤としての機能のみならず、保湿効果と潤滑性の向上効果を有し、スキンケア剤としても機能し得る。潤滑性が向上することにより、肌と不織布との摩擦を低減することができ、肌へのダメージが抑制される。
上記多価アルコールとしては、例えば1,3-ブチレングリコールが挙げられる。1,3-ブチレングリコールは、保湿性のある液状の水溶性基剤成分で、さらっとした使用感でべたつきが少なく、肌の潤いを保つ。
(凸部及び凹部の識別方法)
凹凸構造を有するシート構造10のシート片(測定片)の裏面(表面12aとは反対の面)を、平らなアクリル板に貼り付ける。ゴム印などをスタンプする際に使用する一般的なスタンプ台(例えば、三菱鉛筆(株)社製のユニスタンプ(商品名)、赤色)の上に、アクリル板を貼り付けた測定片を、表面12a側を下にして置く。次に、測定片を、アクリル板の上から、1.2kPaで加圧し、該測定片の表面12aにインクをつける。次に、白紙の上に、インクが付いた測定片の表面12a(インク面)を下にして測定片を置き、アクリル板の上から1.2kPaで加圧し、インクを白紙に転写する。この白紙にインクが転写された部分(接触部)を凸部とし、インクが転写されていない部分(非接触部)を凹部とする。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、シート構造10は、混合繊維層11及び合成繊維層12の間にも別の層を有していてもよい。
あるいは、シート構造10では、混合繊維層11の両面に合成繊維層12が配置されていてもよい。
また、シート構造10は、サイドシート5の立体ギャザーに用いられ、合成繊維層12の表面12aが肌当接面を構成してもよい。
例えば、以上の実施形態では、吸収性物品として展開型使い捨ておむつの例を示したが、これに限定されない。本発明の吸収性物品は、例えば、パンツ型使い捨ておむつ、尿取りパットやおりものシート、生理用ナプキン等であってもよい。
<1>
表層側に配置されたシート構造を有する吸収性物品であって、前記シート構造は、合成繊維と天然繊維とを含む混合繊維層と、前記混合繊維層の一面側に配置され、前記吸収性物品の前記表層を構成する、繊維成分として合成繊維を主体とする合成繊維層と、を有し、前記混合繊維層は、前記天然繊維が凝集した天然繊維塊を含み、前記合成繊維層は、前記合成繊維が凝集した合成繊維塊を含む、吸収性物品。
<2>
前記混合繊維層と、前記合成繊維層とは、積層構造を有する、<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記合成繊維層は、扁平率が1.2以上の合成繊維を含む、<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記合成繊維層の前記合成繊維の繊維径は、前記混合繊維層の前記合成繊維の繊維径よりも小さい、<1>から<3>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<5>
前記合成繊維層の前記合成繊維の繊維径は、4μm以上、17μm以下であり、好ましくは8μm以上、15μm以下である、<4>に記載の吸収性物品。
<6>
前記混合繊維層の前記合成繊維の繊維径は、7μm以上、26μm以下、好ましくは10μm以上、22μm以下である、<4>又は<5>に記載の吸収性物品。
<7>
前記合成繊維塊を構成する前記合成繊維の繊維径は、前記天然繊維塊を構成する前記天然繊維の繊維径よりも小さい、<1>から<6>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<8>
前記天然繊維塊を構成する前記天然繊維の繊維径に対する前記合成繊維塊を構成する前記合成繊維の繊維径の比率は、0.05以上0.95以下、好ましくは0.1以上0.8以下である、<7>に記載の吸収性物品。
<9>
前記合成繊維層は、前記合成繊維の表面にスキンケア剤を含む、<1>から<8>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<10>
前記シート構造は、前記合成繊維層の表面に形成された複数の凸部と、前記複数の凸部間に位置する凹部と、を有する、<1>から<9>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<11>
前記凹部は、貫通孔を有する、<10>に記載の吸収性物品。
<12>
前記シート構造が、外装体の少なくとも一部を構成し、前記合成繊維層が前記外装体の最外層の少なくとも一部を構成する、<1>から<11>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<13>
前記シート構造が、肌当接面を含む表面シートの少なくとも一部を構成し、前記合成繊維層が、前記肌当接面の少なくとも一部を構成する、<1>から<11>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<14>
前記混合繊維層は、前記合成繊維を80質量%以上、99.8質量%以下、好ましくは90質量%以上、99.5質量%以下含んでいる、<1>から<13>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<15>
前記混合繊維層の前記合成繊維の繊度は、0.5dtex以上、6.0dtex以下、好ましくは1.0dtex以上、4.5dtex以下である、<1>から<14>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<16>
前記混合繊維層の前記合成繊維の繊維長は、20mm以上、75mm以下、好ましくは35mm以上、70mm以下である、<1>から<15>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<17>
前記合成繊維層は、繊維成分として前記合成繊維を、95質量%以上含んでおり、好ましくは100質量%含んでいる、<1>から<16>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<18>
前記合成繊維層は天然繊維塊を含まない、<1>から<17>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<19>
前記合成繊維層に含まれる前記合成繊維の繊度は、0.2dtex以上、2.5dtex以下であり、好ましくは0.7dtex以上、2.0dtex以下である、<1>から<18>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<20>
前記合成繊維層に含まれる前記合成繊維の繊度は、前記混合繊維層に含まれる前記合成繊維の繊度よりも小さい、<1>から<19>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<21>
前記合成繊維層に含まれる前記合成繊維の繊維長は、20mm以上、75mm以下であり、好ましくは35mm以上、70mm以下である、<1>から<20>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<22>
前記合成繊維層の前記合成繊維塊の一定面積当たりの個数は、前記混合繊維層における前記天然繊維塊の当該一定面積当たりの個数よりも多い、<1>から<21>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<23>
前記合成繊維層における前記合成繊維塊のサイズは、前記混合繊維層における前記天然繊維塊のサイズより小さい、<22>に記載の吸収性物品。
<24>
前記混合繊維層における前記天然繊維塊のサイズに対する前記合成繊維層における前記合成繊維塊のサイズの比率は、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.65以下である、<23>に記載の吸収性物品。
<25>
前記合成繊維層における前記合成繊維塊の厚みは、前記混合繊維層における前記天然繊維塊の厚みよりも大きい、<1>から<24>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<26>
前記混合繊維層における前記天然繊維塊の厚みに対する前記合成繊維層における前記合成繊維塊の厚みの比率は、0.8以下、好ましくは0.5以下である、<25>に記載の吸収性物品。
<27>
前記合成繊維層の厚みは、前記混合繊維層の厚みよりも小さい、<1>から<26>のいずれか一つに記載の吸収性物品。
<28>
前記混合繊維層の厚みに対する前記合成繊維層の厚みの比率は、0.95以下であり、好ましくは0.8以下である、<27>に記載の吸収性物品。
1…使い捨ておむつ(おむつ、吸収性物品)
2…表面シート
3…外装体
10…シート構造
11…混合繊維層
12…合成繊維層
13…天然繊維塊
15…合成繊維塊

Claims (10)

  1. 表層側に配置されたシート構造を有する吸収性物品であって、
    前記シート構造は、
    合成繊維と天然繊維とを含む混合繊維層と、
    前記混合繊維層の一面側に配置され、前記吸収性物品の前記表層を構成する、繊維成分として合成繊維を主体とする合成繊維層と、を有し、
    前記混合繊維層は、前記天然繊維が凝集した天然繊維塊を含み、
    前記合成繊維層は、前記合成繊維が凝集した合成繊維塊を含む
    吸収性物品。
  2. 前記混合繊維層と、前記合成繊維層とは、積層構造を有する
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記合成繊維層は、扁平率が1.2以上の合成繊維を含む
    請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記合成繊維層の前記合成繊維の繊維径は、前記混合繊維層の前記合成繊維の繊維径よりも小さい
    請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記合成繊維塊を構成する前記合成繊維の繊維径は、前記天然繊維塊を構成する前記天然繊維の繊維径よりも小さい
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記合成繊維層は、前記合成繊維の表面にスキンケア剤を含む
    請求項1から5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記シート構造は、前記合成繊維層の表面に形成された複数の凸部と、前記複数の凸部間に位置する凹部と、を有する
    請求項1から6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記凹部は、貫通孔を有する
    請求項7に記載の吸収性物品。
  9. 前記シート構造が、外装体の少なくとも一部を構成し、
    前記合成繊維層が、前記外装体の最外層の少なくとも一部を構成する
    請求項1から8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記シート構造が、肌当接面を含む表面シートの少なくとも一部を構成し、
    前記合成繊維層が、前記肌当接面の少なくとも一部を構成する
    請求項1から8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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