JP2011110122A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収性物品の使用時までは、スキンケア剤を安定に保持することができ、使用中には、該スキンケア剤を肌に良好に移行させることができる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品は、液透過性の表面シート10、液不透過性又は撥水性の裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を備えており、前記表面シート10は、相互に密度が異なる高密度部42と低密度部21とを有する不織布からなり、前記高密度部42に、前記低密度部21より多い量のスキンケア剤が適用されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品を着用すると、蒸れ等によって皮膚にかぶれが生じることがある。そのため、スキンケア効果を付与してかぶれの発生を抑制するべく、吸収性物品にスキンケア剤を含有させた吸収性物品が提案されている。
例えば、特許文献1には、表面シートに、エモリエント剤と固定化剤を含むローション組成物を、非均一パターンで適用した吸収性物品が記載されている。また、特許文献2には、複数の細片から成るパターンの形状で液体透過性トップシートにローションが付けられ、前記細片はローションが付けられていない複数の領域によって隔てられ、複数の細片から成るパターンは不連続的なパターンである、使い捨て吸収性物品が記載されている。
また、本出願人は、先に、吸収性物品における、着用時に着用者の肌に当てられる面に、着用者の肌に移行して油性スキンケア剤として機能する特定構造のジアミド誘導体を塗布することを提案している(特許文献3参照)。
特開2004−298643号公報 特表2008−522772号公報 特開2004−255166号公報
特許文献1,2には、スキンケア剤に該当するローション組成物を、表面シートに所定のパターンで部分的に適用することが記載されている。
しかし、吸収性物品の使用前に、スキンケア剤が肌以外の物に移行し、吸収性物品の使用時に、本来のスキンケア効果が十分に発現されない恐れがあった。
本発明は、吸収性物品の使用時までは、スキンケア剤を安定に保持することができ、使用中には、該スキンケア剤を肌に良好に移行させ得る吸収性物品に関する。
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を備えた吸収性物品であって、前記表面シートは、相互に密度が異なる高密度部と低密度部とを有する不織布からなり、前記高密度部に、前記低密度部より多くのスキンケア剤が適用されている吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、吸収性物品の使用時までは、スキンケア剤を安定に保持することができ、使用中には、該スキンケア剤を肌に良好に移行させることができる。
本発明の第1及び第2実施形態の使い捨ておむつに共通する基本構成を示す使い捨ておむつの一部破断平面図である。 第1実施形態に用いた表面シートの斜視図である。 第1実施形態に用いた表面シートの平面図である 第1実施形態に用いた表面シートのY方向に沿う断面図である。 第1実施形態に用いた表面シートの製造に好ましく用いられる装置を模式的に示す図である。 図5に示す方法で表面シートを製造する途中のスキンケア剤の移動を示す模式断面図である。 第2実施形態に用いた表面シートの斜視図である。 第2実施形態に用いた表面シートのY方向に沿う断面図である。 第2実施形態に用いた表面シートの製造に好ましく用いられる装置を模式的に示す図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である使い捨ておむつ1を一部破断して示す平面図である。第1実施形態の使い捨ておむつ1(以下、単におむつ1ともいう)は、図1に示すように、液透過性の表面シート20、液不透過性又は撥水性の裏面シート30及びこれら両シート間に配置された液保持性の吸収体40を備えている。
また、おむつ1は、その長手方向に、着用時に着用者の背中側に配される背側部A、股間部に配される股下部B及び腹側に配される腹側部Cを有している。
おむつ1の長手方向の両側それぞれには、撥水性不織布からなるサイドシート70が、表面シート20の両側部を覆うように配されている。表面シート20及び各サイドシート70は、吸収体40の周縁より外方において、裏面シート30に接合されている。吸収体40の側縁より外方のレッグフラップ部には、レッグギャザー形成用の弾性部材71が配されており、上述したサイドシート70のおむつ幅方向中央側の側縁には、立体ギャザー形成用の弾性部材72が配されている。
おむつ1は、いわゆる展開型のおむつであり、背側部Aの両側縁部に設けられたファスニングテープ50,50を、腹側部Cの外面に設けられたランディングテープ60に止着することにより、身体に装着して使用する。なお、裏面シート30、吸収体40、ファスニングテープ50、ランディングテープ60、サイドシート70、弾性部材71,72としては、それぞれ、この種の物品に使用されているものを特に制限なく使用することができる。吸収体40としては、パルプ繊維等の繊維材料からなる繊維集合体又はこれに吸水性ポリマーの粒子等を保持したものを、ティッシュペーパや透水性の不織布で被覆してなるもの等を用いることができる。
第1実施形態における表面シート10は、図2に示すように、おむつ1の肌当接面(着用者の肌側に向けられる面)を形成する上層不織布11と、吸収体40側に向けられる面を形成する下層不織布12とからなる2層構造の積層不織布からなる。
図2及び図3に示す如く、第1実施形態における表面シート10においては、肌当接面側に隆起した多数本の畝部2が、それぞれおむつの長手方向(X方向)に連続的に延びており、隣り合う畝部2,2間は溝部3となっている。畝部2と溝部3とは、平面部を有しないようにY方向に交互に配列され、畝部2はY方向の断面が凸の円弧状に湾曲し、溝部3は凹の円弧状に湾曲している。畝部2及び溝部3が延びている方向は、表面シート10製造時における機械方向(流れ方向,MD方向)と同じである。畝部2及び溝部3が延びる方向と直行する方向の畝部2のピッチP2及び溝部3のピッチP3は、それぞれ1.0〜6.0mm、特に1.7〜3.7mmであることが好ましい。
図2及び図3に示す如く、表面シート10における溝部3には、その長手方向に所定間隔をおいて多数の開孔4,4・・が形成されている。開孔4は、表面シート10の表面側10aから裏面側10bに向かってそれぞれ延出する2層の不織布11,12によって取り囲まれて形成されている。開孔4の内壁41は、表面シート10の表面10Aからの連続面で形成されている。即ち、上記開孔4は、立体的な開孔である。立体的な開孔の態様としては、例えば、上記開孔4を取り囲む不織布が円筒状になっている開孔や、上記開孔4の径が上記表面側10aから上記裏面側10bに向かって漸次増加していく円錐状の開孔等が挙げられるが、図2及び3に示す如く、上記開孔4の径が上記表面側10aから上記裏面側10bに向かって漸次減少していく逆円錐状の開孔が好ましい。開孔4の形状に特に制限はなく、例えば楕円形、三角形又は四角形の開孔でもよいが、図3に示すように、異方性のない円形の開孔とすることが、表面シート10のソフト感、及び開孔4の下端周縁部42の形状安定性を向上させ得る点から好ましい。開孔4は、開孔4のない積層不織布にピンを突き刺して形成してあることに起因して、強く圧縮された開孔4の下端周縁部42における密度が、圧縮されていないか圧縮の程度が弱い畝部2、特に畝部2の頂部21における密度よりも高くなっている。ここでいう、密度は、表面シート10又はそれを構成する積層不織布の密度であるが、上層の不織布11と下層の不織布12のそれぞれの密度も、開孔4の下端周縁部42における密度が、畝部2、特に畝部2の頂部21における密度よりも高くなっている。上層の不織布11と下層の不織布12は、下層の不織布12の密度が、上層の不織布11の密度より高いことが好ましい。
また、表面シート10又はそれを構成する積層不織布の密度は、開孔4の下端周縁部42から畝部2の頂部21に向かって漸減している。
本実施形態における表面シート10においては、開孔4の下端周縁部42と、畝部2の頂部21とが、相互に密度が異なる高密度部及び低密度部であり、高密度部である下端周縁部42に、低密度部である畝部2の頂部21より多い量のスキンケア剤5が適用されている。適用という表現には、不織布の表面に塗布してある場合、含浸等により不織布の内部に含有させてある場合の何れもが含まれるが、本実施形態においては、積層不織布の厚み方向の全体に亘るように含浸によりスキンケア剤を含有させてある。また、多い量のスキンケア剤における「量」は、表面シートの同一面積当たりの量(例えば0.5〜10g/m2)である。また、高密度部に、低密度部より多い量のスキンケア剤が適用されている場合には、高密度部が、スキンケア剤が全く含有していない場合と、高密度部にもスキンケア剤が含まれているが、その量が低密度部より少ない場合とが含まれる。
本実施形態のおむつ1は、通常の展開型おむつと同様にして装着して使用することができる。上述した表面シート10は、上層の不織布11側を肌に向けられる側に向け、下層の不織布12側を吸収体40側に向けておむつ1に組み込まれている。
本実施形態のおむつ1における表面シート10は、高密度部である開孔4の下端周縁部42もスキンケア剤が多く含まれているため、体圧が掛からない状態においては、スキンケア剤が高密度部にとどまる傾向が強いが、着用中に体重が掛かると、高密度部と低密度部との密度差が小さくなり、低密度部に適用したスキンケア剤が、高密度部である畝部の頂部21に送り出されて着用者の肌に移行し易くなる。
これにより、吸収性物品の使用時までは、スキンケア剤を安定に保持することができ、使用中には、該スキンケア剤を肌に良好に移行させることができる。
特に本実施形態における表面シート10は、図4に示すように、高密度部である開孔4の下端周縁部42と低密度部である畝部2の頂部21とを、表面シート10の厚さ方向(Z方向)に有しているため、吸収性物品を、複数枚を重ねて圧縮し、包装袋に入れたときに加わる程度の圧力では、繊維密度の変化が小さく、表面シート10内に特に安定的に保持可能である。
また、低密度部である畝部2の頂部21が肌に当接する肌当接領域を形成する一方、高密度部である開孔4の下端周縁部42は、肌に当接しない非肌当接領域に形成してある。そのため、吸収性物品を、折り畳んだ状態で包装袋に収容して販売する際に、表面シートが他の部位に接することでスキンケア剤が無駄になることを防止することができる。
本発明で用いるスキンケア剤としては、着用者の肌に対して保護、治癒等の効能を有するものを特に制限なく用いることができる。例えば、好ましいスキンケア剤として、特許文献3に記載した下記式(I)で表されるジアミド誘導
体が挙げられる。
Figure 2011110122
上記の式(I)で表されるジアミド誘導体は、国際公開公報WO00/61097号に記載されている発明のジアミド誘導体であり、角質層の水分保持能力およびバリヤ機能を改善する、という薬効を有している。高密度部に保持されていた当該ジアミド誘導体が、吸収性物品の着用中に着用者の肌に移行すると、油性スキンケア剤として機能し、肌のかぶれを抑制/改善することができる。
上記のジアミド誘導体を使用する場合、使用するジアミド誘導体は1種のみであってもよいし、2種以上の複数種であってもよい。
また、本発明で使用し得る他の油性スキンケア剤としては、例えば化粧品の分野においてエモリエント剤として用いられているもの等を用いることができる。
上記他の油性スキンケア剤の具体例としては、流動パラフィン、シリコーンオイル、動植物油(オリーブ油、ホオバ油、ベニバナ油、スクワランおよびスクワレン等)、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、脂肪族エーテル(ミリスチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ステアリル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−メチルプロピルエーテル、ステアリル−1,3−メチルプロピルエーテル等)、イソステアリル−コレステロールエステル、パラフィンワックス、C12〜C22脂肪酸、C12〜C44脂肪酸エーテル、C12〜C22脂肪アルコール、ワセリン、脂肪酸ソルビタンエステル(モノエステル、ジエステル、およびトリエステルのいずれでもよい。)、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル(モノエステル、ジエステル、およびトリエステルのいずれでもよい。)、金属石験(ステアリン酸マグネシウム等)、ショ糖脂肪酸エステル、シクロデキストリン脂肪酸エステル、シリコーン、シリコーン系レジン、特許文献1又は特許文献2に記載されている発明で使用されるエモリエント剤やエモリエント剤と固定化剤を含むローション組成物等が挙げられる。
上記各種のスキンケア剤は、一種を単独で使用しても良いし、二種以上を併用しても良い。
表面シート10を構成する2層の不織布11,12としては、それぞれ、従来公知の不織布を特に制限なく用いることができる。例えば、短繊維をカード法によりウエブ形成させ、その後エアスルー、ヒートロール、レジンボンド、スパンレース、ニードルパンチなどの方法で不織布にしたもの、長繊維をヒートロール、スパンレースなどの方法で不織布にしたもの、(例えばスパンボンド不織布)、また短繊維を直接シート化したもの、(例えばメルトブローン不織布)、さらには短繊維をエアレイド法にてウエブ形成させエアスルー、レジンボンドなどの方法で不織布にしたもの等の種々の不織布を用いることができる。これらの不織布における繊維の結合手段に特に制限はなく、例えば、バインダーによる結合や熱融着による結合を用いることができる。また、繊維の結合に代えて、スパンレース不織布等のように繊維の機械的な絡合を利用してもよい。肌触りと液吸収性の点から、上層の不織布11には、カード法やエアレイ法によりウエブ化された繊維をエアスルー法により不織布としたものが好ましく、下層の不織布12には、カード法によるウエブ化の後エアスルー法により不織布化されたものや、スパンボンド不織布を用いることが特に好ましい。2層の不織布11,12は、積層一体化する前は、不織布化していないウエブであっても良い。
また、不織布11,12に使用される繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステル及びナイロンのようなポリアミド等の合成繊維、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維、並びにコットン等の天然繊維が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、融点の高い繊維を芯とし且つ融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド−バイ−サイド型繊維、分割型繊維等の複合繊維等も好適に用いられる。これらの繊維は1種又は2種以上を使用することができる。尚、上層の不織布11と下層の不織布12とは、同一のものでもよく又は異なっていてもよい。また、上層の不織布11を構成する繊維と下層の不織布12を構成する繊維とは、同一のものでもよく又は異なっていてもよい。
次に、本実施形態における表面シート10の製造方法の一例を図5を参照して説明する。
先ず、それぞれ図示しない原反ロールから巻き出された不織布11,12を重ね合わせ、重ね合わせた両不織布11,12を、第1の押し型45及び第2の押し型47との間に通して開孔4を形成し、次いで、スキンケア剤5を塗工し、所定の時間搬送することにより、上述した構成の表面シート10を製造することができる。
開孔形成用の第1の押し型45は、搬送方向に沿って角錐又は円錐形状の多数の凸状ピン46を列状に有し且つ該列が多列に並設しているピンロールから構成されており、第2の押し型47は対向する第1の押し型45における多列の凸状ピンの間に嵌入する突条部48を有する突条ロールから構成されている。第2の押し型47としての突条ロールの突条部が第1の押し型45としてのピンロールの各凸状ピンの列と列の間に嵌入する結果、突条ロールの突条部によって、表面シート10の流れ方向に連続した畝部2及び溝部3が形成され、それと同時に、該溝部3には、ピンロールにおける凸状ピンの不織布11,12への針入により開孔4が形成される。開孔4の下端周縁部42においては、不織布11,12が強く加圧されて両者が結合する。
凸状ピンは加熱しておき、下端周縁部42においては、繊維同士を融着させることが好ましい。第1及び第2の押し型を用いた開孔4の形成や好ましい条件は、本出願人の先の出願に係る特開平6−330443号公報等と同様とすることができる。
スキンケア剤の塗工方法は、スプレーコーター56等を用いることができる。本製造方法においては、スキンケア剤としては、常温又は加熱下に流動性を有するものを用いる。スキンケア剤は、開孔4を形成した積層不織布に万遍なく散布されるが、積層不織布の密度が、畝部の頂部21から開孔の下端周縁部42に向かって次第に高くなっていることから、図6に示すように、流動性を有するスキンケア剤が、下端周縁部42に吸い寄せられるようにして移動し、下端周縁部42に多い量が存在するようになる。なお、常温で流動性を有しないスキンケア剤を用いる場合は、スキンケア剤を加熱状態で塗工し、ライン上の塗工位置又はその直後から下流の所定位置までの範囲において、スキンケア剤を塗工した積層不織布を加温して、流動状態の維持を図る。
このようにして、上述した構成の表面シート10を得ることができる。第1実施形態の使い捨ておむつ1は、このようにして得た表面シート10を用いる以外は、常法に従って他の構成部材と一体化させて得られる。
本発明の第2実施形態である使い捨ておむつは、表面シートとして、図7に示す表面シート10Aを用いている以外は、第1実施形態と同様の構成を有している。第2実施形態について特に説明しない点は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態における表面シート10Aは、図7に示すように、上部繊維層13及び下部繊維層14を有する積層不織布からなる。両繊維層13,14は、千鳥状に配置されたエンボス部15で接合されている。
エンボス部15は、上部繊維層13及び下部繊維層14が一体的に圧縮されていることによって、エンボス部15以外の非エンボス領域16、特に4つのエンボス部15に囲まれた非エンボス領域の中央部16aに比して密度が高い高密度部となっている。即ち、表面シート10Aにおいては、エンボス部15が高密度部で、非エンボス領域16、特に非エンボス領域の中央部16aが低密度部であり、高密度部及び低密度部を表面シート10Aの平面方向に有している。平面方向は、表面シートの上下両面と平行な方向である。またエンボス部15がフィルム化する程度に高密度にされた際には、非エンボス領域の中央部16aに比して密度が高い、エンボス部周辺の高密度部位にスキンケア剤が含まれることとなる。
第2実施形態における表面シート10Aは、上層繊維層13側を肌に向けられる側に向け、下層繊維層14側を吸収体40側に向けておむつに組み込まれている。
第2実施形態の使い捨ておむつにおいても、高密度部であるエンボス部15に、低密度部である非エンボス領域16(特に非エンボス領域の中央部16a)より多い量のスキンケア剤が含まれている。そのため、おむつの使用前においては、スキンケア剤が高密度部に良好に保持される一方、着用中に体重が掛かると、高密度部と低密度部との密度差が小さくなり、低密度部に適用したスキンケア剤が、高密度部である、非エンボス領域16に送り出されて着用者の肌に移行し易くなる。
また、不織布の低密度領域を加圧処理して得られる高密度部は繊維間距離が小さく、加圧点を離れるにしたがって密度が徐々に小さくなるため、スキンケア剤が安定的に保持される一方、着用中の与える圧力によりスキンケア剤を肌に放出し、肌に放出したスキンケア剤が過剰な場合は、圧力をなくした際に不織布に取り込まれる。このように、スキンケア剤を肌に必要量与える観点で優れている。
第2実施形態における表面シート10Aは、例えば、図9に示すように、周面にエンボス部15形成用の凸部51を備えたエンボスロール52とそれに対向する表面平滑なアンビルロール53とで、上層繊維層13及び下層繊維層14の積層体10’にエンボス加工を施すに当たり、エンボスロール52の凸部51の先端部にスキンケア剤5を付着させておくことにより製造することができる。エンボスロール52の凸部51の先端部にスキンケア剤5を付着させるには、例えば、図9(a)に示すように、一部が、容器内のスキンケア剤5に浸るように配置した第1ロール54から、第1ロール54の周面に接触するように配置した第2ロール55にスキンケア剤5を転写させ、更にそのスキンケア剤5をエンボスロール52の凸部51に転写させる方法がある。
第2実施形態の上層繊維層13及び下層繊維層14としては、第1実施形態の不織布11,12に用いた各種の不織布を用いることができる。また、カードにより得たウエブを2層重ね、それに上記のようにエンボス加工を施して、積層不織布からなる表面シート10Aを得ても良い。
エンボス加工は、加熱しない圧縮のみのエンボス、ヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等であり得るが、表面シート10Aを構成する繊維の融点以下の温度で行われるエンボス加工が好ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上記の各実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、スキンケア剤の塗工方法は、上記のもの以外の多様な方法を選択することができる。塗工方式としては、ダイスコーター方式、スロットスプレー方式、カーテンスプレー方式、メルトブローン方式、スパイラルスプレー方式、グラビア方式、ビード方式等が挙げられる。
高密度部と低密度部とは、第1及び第2実施形態とは異なる多様の態様で分布していても良い。
また、第1実施形態の表面シート10においては、2枚の不織布は、何れか一方又は両方が、複数の不織布を積層してなる積層不織布であっても良い。また、2枚の不織布からなるものに代えて、一枚の不織布からなるものであっても良い。また、溝部に開孔4が形成されていなくても良い。
第2実施形態におけるエンボス部の分布は、散点状であったが、格子状等に分布していても良い。
〔表面シートの密度の測定方法〕
表面シートの高密度部位および低密度部位は不織布を構成する繊維同士の距離を調べることによりわかる。それぞれの繊維間の距離を計測することにより繊維間距離が小さい部位が高密度部、それと比較して繊維間距離が大きなものは低密度部と判断することが可能である。
まず、表面シートサンプルの高密度部あるいは低密度部の計測目標とする部位を通る切断面を形成する。切断面は、フェザー安全剃刀(株)の品番FAS−10等やその他の手段によって、サンプルの構造が破壊されないよう断面を作成する。特にサンプルに圧力が加わって構造が破壊されないようにサンプルを液体窒素中に入れて十分に凍結させた後に切断することが好ましい。次にこの断面の電子顕微鏡観察(SEM)を行い計測目標とする部位の撮影をする。用いるSEMはJEOL製電子顕微鏡JCM−5100を使用し、スパッター時間30秒(Pt)、加速電圧10KVの条件で行い拡大倍率500〜1000倍の断面を撮影する。高密度部および低密度部の拡大撮影画像各々の対象測定部位において画像の幅方向(平面方向)に繊維本数が3〜7本の領域において、画像解析装置(NEXUS製NEWQUBE ver.4.20)を使用して、繊維の最近接重心間距離を求める。上記計測においては、目標とする部位の厚み方向に略全体的に計測し、且つ最近接重心間距離の重複が生じないようにする。また、断面は表面シートの少なくとも3箇所、好ましくは5箇所、より好ましくは10箇所の計測し、その平均値を用いる。この際の繊維間距離の算出には最近接重心間距離を用いる。
また、表面シートが、第2実施形態の表面シート10Aのようにエンボス加工などにより圧搾して高密度部位を形成させたものに関しては同上の電子顕微鏡観察により高密度部あるいは低密度部がわかる状況とし、それぞれの部位の撮影画像より各計測部の厚みを計測することで表面シートの坪量より高密度部位ならびに低密度部位の密度を算出することが可能である。
〔表面シートのスキンケア剤量の測定〕
表面シートの高密度部位と低密度部位におけるそれぞれのスキンケア剤の含有量を測定する方法について説明する。
高密度部位、低密度部位のスキンケア剤の量を測定する方法には赤外分光法(IR)を用いることができる。スキンケア剤が多いところと少ないところを比較する場合にはIRにより得られる赤外吸収ピークの高さの比較によりスキンケア剤が多いところと少ないところの判断が可能である。すなわち赤外吸収ピークの高い(吸収量の多い)方が存在するスキンケア剤が多いことがわかる。
また、それぞれのスキンケア剤由来の赤外吸収ピークの高さからそれぞれの相対値を導き出し、全体に塗布されたスキンケア剤の量との関係を用いることでそれぞれに存在するスキンケア剤の量を算出することができる。
赤外分光法にはATR法を用いるとよく、測定する範囲が十分に広い場合は直接測定(マクロ:2〜3mm)することで得られる吸収ピークのうち任意のもの(例えばジアミド誘導体の場合はアミド基の吸収ピークである3300cm-1)を比較することができる。また、測定する部位が小さい場合には顕微(100μm)を用いると良い。
一例として上記測定の要領を下記に示した。
測定装置:パーキンエルマー社 Spectrum One (+ Multiscope)
マクロ測定:ATRプローブはダイヤモンドを用いて1回反射で測定
顕微測定:ATRプローブはゲルマニウムを用いて測定
波数分解能:4cm−1
積算回数:4回(マクロ測定)、16回(顕微測定)
本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつ以外の吸収性物品、例えば、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド、ハイジーンパッド、授乳パッド等であっても良い。
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
10,10A 表面シート
2 畝部
21 畝部の頂部(低密度部)
3 溝部
4 開孔
42 開孔の下端周縁部(高密度部)

Claims (4)

  1. 液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を備えた吸収性物品であって、
    前記表面シートは、相互に密度が異なる高密度部と低密度部とを有する不織布からなり、前記高密度部に、前記低密度部より多い量のスキンケア剤が適用されている、吸収性物品。
  2. 前記高密度部と前記低密度部とを前記表面シートの厚さ方向に有している、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記高密度部及び前記低密度部を前記表面シートの平面方向に有しており、前記高密度部は、低密度部を部分的に加圧処理して形成されている、請求項1記載の吸収性物品。
  4. 前記低密度部により、肌に当接する肌当接領域を形成し、前記高密度部は、肌に当接しない非肌当接領域に形成してある、請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
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