JP2022033559A - 積層体、包装体及び包装物品 - Google Patents

積層体、包装体及び包装物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2022033559A
JP2022033559A JP2020137526A JP2020137526A JP2022033559A JP 2022033559 A JP2022033559 A JP 2022033559A JP 2020137526 A JP2020137526 A JP 2020137526A JP 2020137526 A JP2020137526 A JP 2020137526A JP 2022033559 A JP2022033559 A JP 2022033559A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
oxygen
innermost
alkaline
oxygen absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020137526A
Other languages
English (en)
Inventor
悟 石田
Satoru Ishida
礼 竹内
Rei Takeuchi
俊一 塩川
Shunichi Shiokawa
大 伊藤
Masaru Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2020137526A priority Critical patent/JP2022033559A/ja
Publication of JP2022033559A publication Critical patent/JP2022033559A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】意匠性の低下を抑制し、さらに積層に伴う段差や外観不良、強度低下の不具合を解消し、酸素吸収性能にも優れた積層体、それを含む包装体及び包装物品を提供する。【解決手段】積層体1は、基材を含む最外層10と、絵柄印刷層11と、最内層15とが順に積層された積層体において、絵柄印刷層が最外層と最内層との層間の面内一部分に形成され、絵柄印刷層と最内層との層間に酸素吸収層12aとアルカリ層12bを備え、酸素吸収層が絵柄印刷層と最内層との層間の面内一部分に形成され、絵柄印刷層の絵柄部分に重なり、アルカリ層は少なくとも酸素吸収層の全体を覆い、最外層と最内層の層間の一部または全面に形成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、包装体及び包装物品に関する。
食品の包装において包装体内に酸素が存在することにより、内容物である食品等が酸化して、劣化したり変色したりすることがある。包装された内容物の酸化劣化を防ぐには、包装体内の酸素を除去すること、及び外部の酸素が包装体内部に侵入しないよう遮断することで無酸素状態を作ることが有効である。
ところが、一般的には包装作業は大気中で行うため、包装時は包装体内に酸素が残存した状態になる。この問題を解決するために、酸素が包装体内に残らないように包装する手段として、脱気包装、真空包装、ガス置換包装などの手段を用いることがある。
しかし、このような特別な包装手段を用いると、特別な充填包装設備を別途用意する必要があり、高額な設備費用がかかったり、充填包装速度が上がらず生産効率が低下したりと、不利益が発生する。また、上記のような手段で包装時に酸素が残らないように包装したとしても、包装後に包装材を通して外部の酸素が経時で侵入してくるため、包装体内を無酸素状態に維持することは難しい。
そこで、包装体内の残存酸素及び包装後に経時で外部から浸入してくる酸素を除去する方法として、酸素吸収物質を充填した小袋からなる脱酸素剤を、内容物が収容された包装体内に同封する方法が用いられている。この方法では、一定期間、すなわち酸素吸収物質の酸素吸収能力が維持している期間は、酸素吸収物質が酸素を吸収することで酸素を除去することができる。そのため、包装時に包装体内に残った酸素や外部から経時で進入した酸素も除去することが可能であり、包装体内を無酸素状態に維持するのに非常に有効である。しかし、脱酸素剤を用いる場合、酸素吸収性物質を小袋に充填する際や包装体に脱酸素剤を同封する際の手間やコストが発生する。また、消費者の誤飲の可能性やゴミの発生等の問題がある。
このような欠点を解消し、一定期間包装体内の酸素を除去及び遮断する手段として、包装材を構成するフィルムなどの一部に酸素吸収機能を設けた酸素吸収フィルムや、それを用いた酸素吸収包装材が考案され、一部実用化されている。
上記のような酸素吸収包装材は、現状では食品包装分野で用いられるケースが多く、特にレトルト食品(高温高圧殺菌食品)などの長期保存食品や、カビが発生しやすい高水分食品の包装に用いられる。
特に、長期保存食品の包装については、近年、輸送コストや容器の廃棄処理の観点から、缶や瓶の使用は減少し、一方で、包装材の一部に酸素吸収フィルムを設けたレトルトパウチ包装材の形態が主流となっている。
容器が缶や瓶の場合は、外部からの酸素の侵入がなく、包装時に残存した酸素のみ除去すれば良いため、真空包装や窒素ガス置換包装などの方法が用いられてきた。缶や瓶に替えて酸素吸収包装材を用いた場合、上述したような真空包装や窒素ガス置換包装などの特別な包装手段を用いることによる設備費用や生産効率の問題はない。しかしながら、従来の酸素吸収フィルムは、瓶・缶に比べると酸素を透過し易いため、缶・瓶と同等の消費期限をレトルトパウチ包装材に付与することは困難であった。そこで、レトルトパウチ包装材としても好適に使用することができる様々な酸素吸収フィルムやそれを用いた酸素吸収包装材が開発されている。
現在実用化されている酸素吸収包装材には、酸素吸収物質として鉄や酸素欠損酸化物を樹脂に添加したものや、樹脂組成物の構造の一部に不飽和結合を設けたものがある。
しかし、鉄系の酸素吸収物質を用いると金属探知機の使用に制限が生じる、また、酸素欠損酸化物や不飽和結合の構造を持つ樹脂組成物は材料そのものの価格が高いという問題がある。
一方で、アスコルビン酸類、グルコース等の還元糖類、グリセリン等の多価アルコール類、カテコールなどのフェノール類、ヒドロキシ安息香酸などのフェノールカルボン酸類などの有機系の物質は、脱酸素剤の酸素吸収物質として長い間検討されてきた物質であり、コストも安価で安全である。
例えば、酸素吸収物質としてフェノールカルボン酸類である没食子酸(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸)を使用した酸素吸収包装材として、特許文献1には、基材、没食子酸含有層、アルカリ層及びシーラント層が順次積層されている酸素吸収フィルムが提案されている。実施例においては、最外層である基材に、没食子酸含有層、アルカリ層をコーティングにより積層した後、接着剤を用いて最内装であるシーラント層をアルカリ層に貼り合わせている。
特開平10-138410号公報
しかしながら、没食子酸のように酸化反応により可視光域に吸収を持つ酸素吸収物質を用いる場合、意匠性を高めるために絵柄印刷層を部分的に形成し、絵柄印刷層が形成されていない部分に酸素吸収層を形成する方法があるが、可視光域の吸収によりフィルムが着色し、意匠性が低下する問題があった。
また、意匠性の低下を防ぐために、絵柄印刷層の下層に酸素吸収層をパターンで形成し、酸素吸収層を隠ぺいする方法があるが、段差を起因とした外観不良やラミネート強度が低下するなどの不良欠陥が発生する問題があった。
そこで、本発明は、意匠性の低下を抑制し、さらに積層に伴う段差や外観不良、強度低下の不具合を解消し、酸素吸収性能にも優れた積層体、それを含む包装体及び包装物品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の一局面は、基材を含む最外層と、絵柄印刷層と、最内層とが順に積層された積層体において、絵柄印刷層が最外層と最内層との層間の面内一部分に形成され、絵柄印刷層と最内層との層間に酸素吸収層とアルカリ層を備え、酸素吸収層が絵柄印刷層と最内層との層間の面内一部分に形成され、絵柄印刷層の絵柄部分に重なり、アルカリ層は少なくとも酸素吸収層の全体を覆い、最外層と最内層の層間の一部または全面に形成されていることを特徴とする積層体。
本発明は、酸素吸収フィルムとして着色に伴う意匠性の低下や外観不良、ラミネート強度の低下を抑制することにより、酸素吸収性能にも優れた積層体、それを含む包装体及び包装物品を提供することが可能となり、意匠性の低下を防ぎ、ハンドリングに優れた包装形態を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る積層体を概略的に示す断面図。
本実施形態に係る積層体は、酸素吸収フィルムとしてシート状で使用してもよいし、包装材として例えば袋状体にして使用してもよく、例えば、食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等の包装に好適に用いられる。
<積層体>
以下に、本実施形態に係る積層体について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る積層体について、代表的な構成例を図1に示す。
図1は、一実施形態に係る積層体1を概略的に示す断面図である。この積層体1は、最外層10、絵柄印刷層11、酸素吸収層12a、アルカリ層12b、隠蔽印刷層13、接着層14、最内層15を備えている。なお、図1に示す積層体1では、何れか1以上の層間に接着層が更に設けられていてもよい。
以下に、各層の材料や機能等について説明する。
(最外層10)
最外層10には、少なくとも酸素バリア性と水蒸気バリア性を有する基材を使用する。最外層10は、図1に示すように単層からなる基材であってもよいし、酸素バリア層や水蒸気バリア層などを設けた多層構造からなる基材であってもよい。
最外層10に用いる基材としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、ポリエチレンナフタレートなど、あるいはこれら高分子の共重合体など通常包装材料として用いられるものが使用できる。また、樹脂フィルムの中で比較的バリア性の高いポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどの塗液をプラスチック基材上にコーティングしたものを用いることもできる。基材は用途や最外層10の層構造等に応じて上記材料から適宜選択される。
また、酸素バリア性や水蒸気バリア性を得るために、基材上にアルミ、酸化物、フッ化物、窒化物などの無機化合物のCVD法やスパッタ法などによる蒸着層を設けたり、アルミ箔を貼り合わせたり、酸素バリア性や水蒸気バリア性を有するコーティング剤により酸素バリア層や水蒸気バリア層を形成してもよい。ただし、包装体として使用する場合で内容物の視認性が必要となる場合、透明基材であることが好ましく、金属膜層などを積層することは好ましくない。
最外層10には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤などの公知の添加剤を含有してもよい。
最外層10の膜厚は適宜設定することができる。良好な加工性、取り扱い性の観点からは、10μm以上50μm以下の膜厚であってよい。
また、最外層10の酸素吸収層12aと接する側の最表面には、酸素吸収層12aとの接着性を向上させるためのアンカー層を形成してもよい。
(酸素吸収層12a)
酸素吸収層12aは、少なくとも酸素吸収物質と樹脂組成物を含有する。酸素吸収層12aに含有される酸素吸収物質は、例えば、フェノール化合物、グルコース等の還元糖類、グリセリン等の多価アルコールであってよく、一形態においてフェノール化合物が好ましい。フェノール化合物としては、没食子酸、アスコルビン酸、カテコール、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。その中でも、特にピロガロール基を有するフェノール化合物は、酸素吸収に使われる水酸基の数を多く持つ点で好ましい。ピロガロール基を有するフェノール化合物は、例えば、没食子酸(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸)、及び没食子酸エステル(例えば、没食子酸プロピル、没食子酸エチル、没食子酸オクチル等)であってよい。酸素吸収層12aは、一形態において、酸素吸収物質として、没食子酸及び没食子酸エステル(以下において、「没食子酸類」ともいう。)から選択される少なくとも一種を含有してよく、没食子酸及び没食子酸プロピルの少なくとも一方を含有してよい。これらは食品添加物で、比較的コストも安いため、安全かつ安価で、優れた酸素吸収性能を持つ包装材料を提供することができる。
酸素吸収層12aの樹脂組成物に含まれる樹脂は、酸素吸収物質やアルカリ物質を固定するマトリックスとして機能すれば特に限定されない。樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられる。各樹脂は、特に酸素透過性と水蒸気透過性がある方が、酸素吸収物質と酸素が反応しやすくなる点で好ましい。これらの樹脂の中から1種類を単独で使用してもいいし、2種類以上を混合して用いることもできる。また共重合体樹脂として使用してもよい。さらには、硬化剤などの塗膜物性を調整するための添加剤を適宜使用してもよい。
酸素吸収層12aにおける酸素吸収性物質の含有率は、酸素吸収性能の観点から適宜設定することができ、例えば、酸素吸収層12aの全質量に対して20質量%~70質量%であってよく、30質量~60質量%であってよい。
(アルカリ層12b)
アルカリ層12bは、酸素吸収層を覆うように形成される。アルカリ層12bは少なくともアルカリ物質と樹脂組成物を含有する。アルカリ物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムカリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。安全面の観点からは、食品添加物であることが好ましい。
アルカリ層12bに含有されるアルカリ物質の添加量は、酸素吸収層12aに含有される酸素吸収物質100重量部に対し、20質量部~100質量部であってよく、50質量部~100質量であってよい。アルカリ物質の添加量が20質量部未満では。没食子酸等の酸素吸収物質における酸素吸収反応を進行させるにはpHが必ずしも十分でなく、酸素吸収量が少なくなる場合がある。一方で、アルカリ物質の添加量が100質量部を超えpHが増加しても、酸素吸収量の増加は期待できない。
アルカリ層12bの厚みは、酸素吸収性が得られれば限定されないが、汎用的な成膜手段により形成することが可能な0.1~50μmとすることが好ましい。
樹脂組成物は、少なくとも前述した樹脂を含み、必要に応じて、硬化剤などの塗膜物性を調整するための添加剤を適宜使用してもよい。
また、酸素吸収層12aとアルカリ層12bの面積を変えることにより、積層に伴う段差を解消し、外観不良や強度低下を抑制することができる。アルカリ層12bの面積を酸素吸収層12aより大きくして、アルカリ層が少なくとも前記酸素吸収層の全体を覆っていれば、アルカリ層12bは積層体の全面に形成してもよいし、一部分に形成してもよい。アルカリ層12bの面積が酸素吸収層12aの面積以下の場合、酸素吸収層12aとアルカリ層12bを含めた急峻な段差が生じてしまい、次工程の接着層14や最内層15形成時に段差部分において、接着層14や最内層15が段差に追従して形成するのが難しくなり、しわや浮きなど、外観不良や層間の密着性の低下などの不具合が生じやすい。また、アルカリ層12bの面積が酸素吸収層12aの面積以下になると、アルカリ層12bのない部分での酸素吸収が進行しないので酸素吸収性の低下や酸素吸収層12aの着色ムラによる外観不良が起こりやすい。
(接着層14)
接着層14は、最内層15とアルカリ層12bを接着することができ、且つ酸素吸収性等本発明の効果を阻害するものでなければ特に限定されない。接着層14としては、ドライラミネート剤、ヒートシール剤、感圧接着剤など市販の汎用接着剤を利用することが可能であり、後述するように塗工により形成する場合は、溶剤系、水系、無溶剤系などの接着剤を利用することが可能である。接着剤としては、例えばウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系などの樹脂種が挙げられるが、これらの樹脂種に関わらず、最内層15やアルカリ層12bとの密着性を考慮し選定すればよい。また、接着剤は接着層14の接着性等の物性向上のために、硬化剤を併用してもよく、熱硬化、UV硬化、湿気硬化、嫌気硬化など積層体1の性能を得るために望ましい硬化方法に対して、主剤となる樹脂種と硬化剤を選定すればよい。
酸素吸収層12a、アルカリ層12b、接着層14は塗工で形成するのがよい。塗工の際に用いられるコーター及び印刷機の種類、並びにそれらの塗工方式としては特に限定されない。代表的なものとしては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
(絵柄印刷層11)
絵柄印刷層11は、最外層10と酸素吸収層12aとの間に積層されていて、絵柄印刷層11の絵柄部分と重なるように酸素吸収層12aが形成される。絵柄印刷層11は、酸素吸収層12aの全体を覆うように形成される。絵柄部分が酸素吸収層12aと重なる位置に形成されることにより、酸素吸収層12aの着色による意匠性の低下を抑制することができる。また、着色の影響が少ない絵柄を形成して、酸素吸収層12aを形成することも可能である。絵柄層の形成面積は、意匠上の制限がなければ、酸素吸収性を得るのに最低限必要な酸素吸収層の面積より大きくすることが酸素吸収時の着色を目立たなくするためには好ましく、アルカリ層を部分形成する場合にはアルカリ層の形成面積と異なるように絵柄印刷層を形成することがしわやラミ浮きなどの外観不良を抑制するためには好ましい。
絵柄印刷層11は印刷により形成されるが、形成する際に用いられる印刷機の種類、並びにそれらの印刷方式としては特に限定されない。代表的なものとしては、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、パッド印刷等が挙げられる。
絵柄印刷層11に用いられるインクも特に限定されるものではなく、使用する印刷方式に適したインク、あるいは包装体の用途により適宜選定すればよい。
(隠蔽印刷層13)
絵柄印刷層11と同様に印刷により形成されるが、形成の際に用いる印刷機の種類、並びにそれらの印刷方式としては特に限定されない。インクも特に限定されるものではなく、使用する印刷方式に適したインク、あるいは包装体の用途により適宜選定すればよい。隠蔽印刷層13は、酸素吸収層12aと最内層15の層間に形成することが可能であり、方法としてアルカリ層12bを形成した後に隠蔽印刷層13を形成する方法、隠蔽印刷層13を最内層15に形成してアルカリ層12bに貼り合わせる方法、アルカリ層12bに隠蔽機能を持たせる方法が可能である。なお、隠蔽印刷層13は酸素吸収層12aの全体を覆うように形成し、酸素吸収に伴う着色を確実に隠蔽すること及び隠蔽層の段差形成に伴う接着層や最内層の段差追従性の低下によるしわや浮きなどの外観不良を抑制するために、絵柄印刷層もしくはアルカリ層と同じ面積かまたはそれより大きい面積にしたり、隠蔽性を損なわない程度に厚みを薄くしたりするなどの調整が可能である。
(最内層15)
図1に示す実施形態に係る積層体1は、最内層15を備える。最内層15は、積層体1において、基材としての最外層10とは反対側の表面を構成する層である。
積層体1の用途が包装材であり、袋状体等にして使用される場合には、最内層15はシーラント層を含むことが好ましい。シーラント層は積層体1にヒートシール性を付与する。この場合、例えば積層体1を、最内層15であるシーラント層を内側にして重ね合わせ、周縁部等をヒートシールすることによって容易に袋状に加工することができる。
シーラント層としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
<包装体>
本実施形態に係る包装体は、上記の積層体1を含む。具体的には、包装体の少なくとも一部が、上記の積層体1で形成される。なお本実施形態に係る包装体には、印刷層、バリア層、表面保護層などの機能層を更に設けてもよい。
本実施形態の包装体の応用例は、たとえば袋、MA包材、蓋材(トップ材)、シート、チャック付き袋、カバーフィルムを含む。また、袋状体の包装体は、2枚の上述した積層体1を、最内層15のシーラント層が内側となるよう配置した状態で周縁部を加熱して貼り合わせることによって形成してもよい。さらに、貼り合わせを行う周縁部に第3のフィルムを介在させて、いわゆる「マチ」付きの袋を形成してもよい。
袋状体の包装体は、矩形、円形、三角形を含む任意の形状を有してもよい。またチャック付き袋として、機械加工によって、袋状体の包装体の開口部に開閉自在の嵌合部を設けたものでもよい。
<包装物品>
本実施形態に係る包装物品は、上記の包装体と、これに収容された内容物とを含む。上記の包装体に収容される内容物の例は、特に限定しないが、例えば食品、飲料、化粧品、医薬品、産業資材、医療器具、電子機器、文化財を含む。本実施形態に係る包装物品において、包装体に収容された内容物が食品であるとき、当該食品は、水分活性が高い食品であってよい。水分活性が高い食品として、例えば、水分活性0.8~0.87の小麦粉、米、豆類、フルーツケーキ等、水分活性0.87~0.91のシラス干し、塩鮭、スポンジケーキ等、水分活性0.91~0.95のチーズ、果汁等、水分活性0.95~1.0の肉、ハム、ベーコン、ソーセージ、鮮魚、卵、果実等が挙げられる。
<実施例1>
最外層として、酸化ケイ素蒸着層を有するPETフィルム(12μm)とPETフィルム(12μm)を、ウレタン系ドライラミネート剤で貼り合わせたフィルムを使用した。絵柄印刷層としては、最外層上にグラビア印刷により市販のグラビア印刷用白インクを使用して縦11cm横11cmの矩形パターンを形成した。上記フィルムの中心が絵柄印刷層の中心と重なるようにして、縦20cm横20cmのシートとなるように切り出した。
次に、上記シートに対し、ポリビニルアセタール系樹脂組成物に没食子酸を添加して作製したコーティング液を使用し、中心が絵柄印刷層の中心と重なるように、縦10cm横10cmの矩形パターンで酸素吸収層(厚み6μm)をスクリーン印刷により形成した。その際、酸素吸収層の全質量に対する没食子酸の含有率は30質量%とした。
次に、ポリビニルアセタール系樹脂組成物に炭酸ナトリウムを添加して作製したコーティング液を使用し、絵柄印刷層及び酸素吸収層をパターン形成したシート全面にアルカリ層(厚み3μm)をワイヤーバーにて形成した。その際、アルカリ層の全質量に対する炭酸ナトリウムの含有率は30質量%とした。
隠蔽印刷層は、アルカリ層上に、中心が絵柄印刷層及び酸素吸収層の中心と重なるように、縦11cm横11cmの矩形パターンで隠蔽印刷層を市販のスクリーン印刷用墨インクを用いて、スクリーン印刷により形成した。隠蔽印刷層を積層したアルカリ層上に、ウレタン系ドライラミネート剤を用いて接着層を形成した後に、最内層のポリエチレンフィルム(厚み30μm)を貼り合わせて積層体を作製した。
<実施例2>
隠蔽印刷層を形成しなかった以外は実施例1と同様に作成した。
<比較例1>
酸素吸収層を、絵柄印刷層を積層した最外層シート上全面に、ワイヤーバーにより形成した以外は実施例1と同様に作成した。
<比較例2>
アルカリ層を縦10cm横10cmの矩形パターンで、酸素吸収層と同一面積で重なり合うようにして、スクリーン印刷により形成した以外は実施例1と同様に作成した。
<酸素吸収性能の評価>
上記で作成した積層体2枚を最内層面で対向させ、袋内寸法縦15cm横15cm、中心が絵柄印刷層の中心となるように、25度℃60%RHの環境下で四方ヒートシールし袋状の包装体を作製した。包装体には1.5gのイオン交換水を湿らせたウェスを内包し、袋内に400ccの空気を注入した。その後、40℃20%RHの恒温槽で1週間保管し、保管後の袋内酸素濃度を測定し、初期酸素濃度との差から、酸素吸収層の単位面積当たりの酸素吸収量を算出した。評価基準は、酸素吸収層100cm当たり10cc以上の酸素吸収性能を持つものを「〇」、それよりも酸素吸収量が少ないものを「×」とした。
<酸素吸収層の色変化>
酸素吸収性能の評価方法と同様にして作成、保管した包装体について、最外層側(外側)及び最内層側(内側)から観察し、酸素吸収層の色変化が視認できるか否かを観察した。色変化が視認できなかったものを酸素吸収層の隠蔽性の項目において「〇」、色変化が視認できたものを「×」として評価した。
<包装体外観の評価>
酸素吸収性能の評価方法と同様にして作成、保管した包装体について、外観を観察し、外観不良なきものを「〇」、しわや浮き等の外観不良が見られたものは「×」とした。
Figure 2022033559000002
<結果>
表1に示すように、絵柄印刷層上に酸素吸収層を形成することで酸素吸収に伴う絵柄層の色変化を大きく抑制するとともに内容物の視認性が確保された。また、表には示していないが隠蔽印刷層により酸素吸収層の着色を積層体の表裏で抑制し、着色に伴う包装材の意匠の変化をほぼ無くすことができる。また、アルカリ層を酸素吸収層より大きい面積とすることで段差によるしわや浮き等の外観不良を抑制した。
本発明は、食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等の包装材として利用できる。
1 積層体
10 最外層
11 絵柄印刷層
12a 酸素吸収層
12b アルカリ層
13 隠蔽印刷層
14 接着層
15 最内層

Claims (9)

  1. 基材を含む最外層と、絵柄印刷層と、最内層とが順に積層された積層体において、
    前記絵柄印刷層が前記最外層と前記最内層との層間の面内一部分に形成され、
    前記絵柄印刷層と前記最内層との層間に酸素吸収層とアルカリ層を備え、
    前記酸素吸収層が前記絵柄印刷層と前記最内層との層間の面内一部分に形成され、前記絵柄印刷層の絵柄部分に重なり、
    前記アルカリ層は少なくとも前記酸素吸収層の全体を覆い、前記最外層と前記最内層の層間の一部または全面に形成されていることを特徴とする積層体。
  2. 前記酸素吸収層と前記最内層との層間に、酸素吸収層の全体を覆うように形成された隠蔽印刷層を持つことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記酸素吸収層の酸素吸収物質が、酸素吸収反応前及び/または酸素吸収後に可視光域の吸収を持つことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記酸素吸収物質として、ピロガロール基を有するフェノール化合物を少なくとも含有することを特徴とする請求項3に記載の積層体。
  5. 前記酸素吸収物質として、没食子酸及び没食子酸エステルを少なくとも含有することを特徴とする請求項4に記載の積層体。
  6. 前記最内層がシーラント層を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記最外層が酸素及び水蒸気のガスバリア性を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の積層体を含む包装体。
  9. 請求項8に記載の包装体と、これに収容された内容物とを含む、包装物品。
JP2020137526A 2020-08-17 2020-08-17 積層体、包装体及び包装物品 Pending JP2022033559A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020137526A JP2022033559A (ja) 2020-08-17 2020-08-17 積層体、包装体及び包装物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020137526A JP2022033559A (ja) 2020-08-17 2020-08-17 積層体、包装体及び包装物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022033559A true JP2022033559A (ja) 2022-03-02

Family

ID=80375283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020137526A Pending JP2022033559A (ja) 2020-08-17 2020-08-17 積層体、包装体及び包装物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022033559A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2453438C2 (ru) Многослойная пленка, имеющая активный противокислородный барьерный слой и поглощающий кислород слой на основе железа
JP2021183391A (ja) 積層体、包装体及び包装物品
KR101930684B1 (ko) 다층체, 포장 용기, 및 식품의 보존 방법
US20040137202A1 (en) Multifunctional adhesive food wraps
JP4662451B2 (ja) ボイル・レトルト用密封容器
KR102390525B1 (ko) 다층체, 포장 용기, 및 식품의 보존 방법
JP7087619B2 (ja) 酸素吸収性フィルムおよび包装材
JP4100484B2 (ja) 包装用積層体の製造方法
EP3154872A1 (en) Dual ovenable packages for perishable food products
JP7286953B2 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JPH05319459A (ja) 二重包装体
JP2022033559A (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP7255141B2 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP2007217055A (ja) 蓋材およびそれを用いた包装体
JP7439504B2 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JPH1045177A (ja) 物品の保存方法
JP2022033543A (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP2006335446A (ja) シロップ入りフルーツ製品用包装材
JP2022108418A (ja) 積層体、包装体、包装物品および積層体の製造方法
JP2021075018A (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP2020175533A (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP7419734B2 (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP2020157571A (ja) 積層体、包装体及び包装物品
JP4061448B2 (ja) 物品の保存方法
CN215551644U (zh) 一种外控型抑菌防霉保鲜包