JP2022033543A - 積層体、包装体及び包装物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素吸収フィルムとして密着性の不具合を解消し、酸素吸収性能にも優れた積層体、それを含む包装体及び包装物品を提供する。【解決手段】積層体は、少なくとも最外層と、酸素吸収層と、最内層とをこの順序で備える積層体であって、酸素吸収層は、酸素吸収物質とバインダ樹脂を少なくとも含む酸素吸収物質含有層と、アルカリ物質とバインダ樹脂を少なくとも含むアルカリ物質含有層を備え、酸素吸収物質含有層及びアルカリ物質含有層に含まれるバインダ樹脂は、側鎖にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂を主成分としており、更に酸素吸収物質含有層及びアルカリ物質含有層は、分子内にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が20℃以下である有機化合物を添加剤として含むことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、積層体、包装体及び包装物品に関する。
食品の包装において包装体内に酸素が存在することにより、内容物である食品等が酸化して、劣化したり変色したりすることがある。包装された内容物の酸化劣化を防ぐには、包装体内の酸素を除去すること、及び外部の酸素が包装体内部に侵入しないよう遮断することで無酸素状態を作ることが有効である。
ところが、一般的には包装作業は大気中で行うため、包装時は包装体内に酸素が残存した状態になる。この問題を解決するために、酸素が包装体内に残らないように包装する手段として、脱気包装、真空包装、ガス置換包装などの手段を用いることがある。
しかし、このような特別な包装手段を用いると、特別な充填包装設備を別途用意する必要があり、高額な設備費用がかかったり、充填包装速度が上がらず生産効率が低下したりと、不利益が発生する。また、上記のような手段で包装時に酸素が残らないように包装したとしても、包装後に包装材を通して外部の酸素が経時で侵入してくるため、包装体内を無酸素状態に維持することは難しい。
そこで、包装体内の残存酸素及び包装後に経時で外部から浸入してくる酸素を除去する方法として、酸素吸収物質を充填した小袋からなる脱酸素剤を、内容物が収容された包装体内に同封する方法が用いられている。この方法では、一定期間、すなわち酸素吸収物質の酸素吸収能力が維持している期間は、酸素吸収物質が酸素を吸収することで酸素を除去することができる。そのため、包装時に包装体内に残った酸素や外部から経時で進入した酸素も除去することが可能であり、包装体内を無酸素状態に維持するのに非常に有効である。しかし、脱酸素剤を用いる場合、酸素吸収性物質を小袋に充填する際や包装体に脱酸素剤を同封する際の手間やコストが発生する。また、消費者の誤飲の可能性やゴミの発生等の問題がある。
このような欠点を解消し、一定期間包装体内の酸素を除去及び遮断する手段として、包装材を構成するフィルムなどの一部に酸素吸収機能を設けた酸素吸収フィルムや、それを用いた酸素吸収包装材が考案され、一部実用化されている。
上記のような酸素吸収包装材は、現状では食品包装分野で用いられるケースが多く、特にレトルト食品(高温高圧殺菌食品)などの長期保存食品や、カビが発生しやすい高水分食品の包装に用いられる。
特に、長期保存食品の包装については、近年、輸送コストや容器の廃棄処理の観点から、缶や瓶の使用は減少し、一方で、包装材の一部に酸素吸収フィルムを設けたレトルトパウチ包装材の形態が主流となっている。
容器が缶や瓶の場合は、外部からの酸素の侵入がなく、包装時に残存した酸素のみ除去すれば良いため、真空包装や窒素ガス置換包装などの方法が用いられてきた。缶や瓶に替えて酸素吸収包装材を用いた場合、上述したような真空包装や窒素ガス置換包装などの特別な包装手段を用いることによる設備費用や生産効率の問題はない。しかしながら、従来の酸素吸収フィルムは、瓶・缶に比べると酸素を透過し易いため、缶・瓶と同等の消費期限をレトルトパウチ包装材に付与することは困難であった。そこで、レトルトパウチ包装材としても好適に使用することができる様々な酸素吸収フィルムやそれを用いた酸素吸収包装材が開発されている。
現在実用化されている酸素吸収包装材には、酸素吸収物質として鉄や酸素欠損酸化物を樹脂に添加したものや、樹脂組成物の構造の一部に不飽和結合を設けたものがある。
しかし、鉄系の酸素吸収物質を用いると金属探知機の使用に制限が生じる、また、酸素欠損酸化物や不飽和結合の構造を持つ樹脂組成物は材料そのものの価格が高いという問題がある。
一方で、アスコルビン酸類、グルコース等の還元糖類、グリセリン等の多価アルコール類、カテコールなどのフェノール類、ヒドロキシ安息香酸などのフェノールカルボン酸類などの有機系の物質は、脱酸素剤の酸素吸収物質として長い間検討されてきた物質であり、コストも安価で安全である。
例えば、酸素吸収物質としてフェノールカルボン酸類である没食子酸(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸)を使用した酸素吸収包装材として、特許文献1には、基材フィルムに、没食子酸配合層及びアルカリ物質配合層をこの順に積層した酸素吸収フィルムが開示されている。また、特許文献2には、基材フィルムに、没食子酸配合層、アルカリ物質配合層及びシール層がこの順で積層されてなる酸素吸収フィルムが開示されている。
酸素吸収は、没食子酸の酸化によるものであり、没食子酸の酸化には没食子酸周辺をアルカリ性雰囲気にする必要があるため、アルカリ物質を水に溶解させることが必要ある。しかしながら、水分はフィルム外部から侵入する水蒸気を利用することができるが、没食子酸の酸化反応の進行とともに水分がフィルム中に蓄積され、酸素吸収層中に安定的に保持できず、酸素吸収前後でのフィルムの形態を安定的に維持できないという課題があった。また、没食子酸を含む酸素吸収物質含有層とアルカリ物質を含むアルカリ物質含有層を形成したフィルムは、十分な層間密着性が得られにくいという課題もあった。
そこで、本発明は、酸素吸収フィルムとして密着性の不具合を解消し、酸素吸収性能にも優れた積層体、それを含む包装体及び包装物品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の一局面は、少なくとも最外層と、酸素吸収層と、最内層とをこの順序で備える積層体であって、酸素吸収層は、酸素吸収物質とバインダ樹脂を少なくとも含む酸素吸収物質含有層と、アルカリ物質とバインダ樹脂を少なくとも含むアルカリ物質含有層を備え、酸素吸収物質含有層及びアルカリ物質含有層に含まれるバインダ樹脂は、側鎖にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂を主成分としており、更に酸素吸収物質含有層及びアルカリ物質含有層は、分子内にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が20℃以下である有機化合物を添加剤として含むことを特徴とする積層体である。
本発明によると、酸素吸収フィルムとしてフィルム中の密着性を改善することにより、酸素吸収性能に優れた積層体、それを含む包装体及び包装物品を提供することが可能となり、缶や瓶といった包装形態に比べ、ハンドリングに優れた包装形態を提供することが可能となる。
本実施形態に係る積層体は、酸素吸収フィルムとしてシート状で使用してもよいし、包装材として例えば袋状体にして使用してもよく、例えば、食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等の包装に好適に用いられる。
<積層体>
以下に、本実施形態に係る積層体について、図面を参照しながら説明する。
以下に、本実施形態に係る積層体について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る積層体について、代表的な構成例を図1に示す。
図1は、一実施形態に係る積層体1を概略的に示す断面図である。この積層体1は、最外層10、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bを含む酸素吸収層11、最内層12を備えている。
なお、図1に示す積層体1では、何れか1以上の層間に接着層が設けられていてもよい。また、図1における、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bは最外層10に対して、積層順を逆にしてもよい(図2)。
以下に、各層の材料や機能等について説明する。
(最外層)
最外層10には、少なくとも酸素バリア性と水蒸気バリア性を有する基材を使用する。最外層10は、図1に示すように単層からなる基材であってもよいし、酸素バリア層や水蒸気バリア層などを設けた多層構造からなる基材であってもよい。
最外層10には、少なくとも酸素バリア性と水蒸気バリア性を有する基材を使用する。最外層10は、図1に示すように単層からなる基材であってもよいし、酸素バリア層や水蒸気バリア層などを設けた多層構造からなる基材であってもよい。
最外層10に用いる基材としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン(登録商標))、ポリエチレンナフタレートなど、あるいはこれら高分子の共重合体など通常包装材料として用いられるものが使用できる。また、樹脂フィルムの中で比較的バリア性の高いポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどの塗液をプラスチック基材上にコーティングしたものを用いることもできる。基材は用途や最外層10の層構造等に応じて上記材料から適宜選択される。
また、酸素バリア性や水蒸気バリア性を得るために、基材上にアルミ、酸化物、フッ化物、窒化物などの無機化合物のCVD法やスパッタ法などによる蒸着層を設けたり、アルミ箔を貼り合わせたり、酸素バリア性や水蒸気バリア性を有するコーティング剤により酸素バリア層や水蒸気バリア層を形成してもよい。なお、水蒸気バリア層は、最外層10上に別途設けてもよい。
最外層10は、基材と無機物の蒸着層からなる無機蒸着層と水溶性高分子含有層とを備えてもよい。
最外層10には、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤などの公知の添加剤を含有してもよい。
最外層10の膜厚は適宜設定することができる。良好な加工性、取り扱い性の観点からは、10μm以上50μm以下の膜厚であってよい。
また、最外層10の酸素吸収層11と接する側の最表面には、酸素吸収層11との接着性を向上させるためのアンカー層を形成してもよい。
(酸素吸収層)
酸素吸収層11は、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bから構成されている。
酸素吸収層11は、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bから構成されている。
酸素吸収物質含有層11aは、少なくとも酸素吸収物質とバインダ樹脂を含有する。酸素吸収物質含有層11aに含有される酸素吸収物質は、例えば、フェノール化合物、グルコース等の還元糖類、グリセリン等の多価アルコールであってよく、一形態においてフェノール化合物が好ましい。フェノール化合物としては、没食子酸、アスコルビン酸、カテコール、ヒドロキシ安息香酸等が挙げられる。その中でも、特にピロガロール基を有するフェノール化合物は、酸素吸収に使われる水酸基の数を多く持つ点で好ましい。ピロガロール基を有するフェノール化合物は、例えば、没食子酸(3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸)、及び没食子酸エステル(例えば、没食子酸プロピル、没食子酸エチル、没食子酸オクチル等)であってよい。酸素吸収物質含有層11aは、一形態において、酸素吸収物質として、没食子酸及び没食子酸エステル(以下において、「没食子酸類」ともいう。)から選択される少なくとも一種を含有してよく、没食子酸及び没食子酸プロピルの少なくとも一方を含有してよい。これらは食品添加物で、比較的コストも安いため、安全かつ安価で、優れた酸素吸収性能を持つ包装材料を提供することができる。
アルカリ物質含有層11bは、少なくともアルカリ物質とバインダ樹脂を含有する。アルカリ物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウムカリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。安全面の観点からは、食品添加物であることが好ましく、積層体1の作製工程及び環境や保管環境における、耐熱性や耐温湿性があるものが好ましい。
酸素吸収層11の酸素吸収物質含有層11a及びアルカリ物質含有層11bに使用するバインダ樹脂の主成分は、側鎖にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂であり、さらに、酸素吸収物質含有層11aとアルカリ物質含有層11bに使用する有機化合物の添加剤は、分子内にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が20℃以下であることが好ましい。酸素吸収物質含有層11aのバインダ樹脂とアルカリ物質含有層11bに使用するバインダ樹脂は同一であっても良いし、異なっても良い。
バインダ樹脂の主成分の側鎖及び添加剤の分子内にヒドロキシル基を有することによって、酸素吸収剤、酸素吸収時に生成される没食子酸の酸化物、アルカリ物質及び水分を含む水溶液、反応助剤のアルカリ性材料など親水性の高い材料との親和性を得ることができる。親和性を有することにより、これら親水性の高い材料を酸素吸収層11中に安定的に保持し、酸素吸収前後でのフィルムの形態を安定的に維持することが可能になる。
また、ガラス転移温度を上記範囲内に規定することによって、バインダ樹脂に柔軟性を与え、摺動や屈曲によっても破壊されない十分な密着強度を得ることができる。
バインダ樹脂の主成分の一例として、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル/メタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂等が挙げられ、複数のモノマーを含む共重合体や変性体でも構わない。また、添加剤は一例として、グリセリン、ソルビトール、スクロース、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール、エチレングリコールなどのアルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、前述したアルコール類とエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを重合したエーテル系ポリオール、前述したアルコール類などとカルボン酸が重合したポリエステル系ポリオール等、ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基を側鎖に持つアクリル/メタアクリル系モノマーを利用した単量体もしくは共重合体のアクリル系ポリオール、さらに、これらと類似する分子構造を有する可塑剤、界面活性剤、乳化剤、消泡剤として利用される各種化合物が挙げられ、前述したバインダ樹脂を使用したり、添加剤用に改良して使用したりしてもよい。本発明においては、バインダ樹脂、溶剤との相溶性や柔軟性等の物性改良が比較的容易であることから、特にポリエステルポリオールを用いることが好ましい。また、添加剤は非水溶性であることが好ましい。非水溶性とすることで、バインダ樹脂との相溶性が高まり添加剤の流動が抑制され酸素吸収層中に安定的に保持されること、及び酸素吸収に伴い生成される酸素吸収物質、アルカリ物質、水を含む水溶液体により添加剤が溶解されこれらの溶解物の流動による染み出しや密着性低下等の不具合を抑制する。
バインダ樹脂のガラス転移温度は50℃以上、添加剤のガラス転移温度は20℃以下が好ましい。バインダ樹脂のガラス転移温度が50℃未満になると、酸素吸収物質の酸化反応物やアルカリ水を含む水溶性液体の流動性が高くなり、水溶性液体をフィルム中に保持することが難しくなり、密着性の低下が起こりやすくなる。添加剤のガラス転移温度が20℃を超えると摺動や屈曲等のフィルムの変形に対する酸素吸収層11の追従性が低下し、密着性が低下する。そのため、酸素吸収層11に柔軟性を付与するという観点から、添加剤は20℃~30℃において液性を有していることが好ましい。
酸素吸収層11には、層の強度や他層との密着性向上、及び耐候性を得るための添加剤を使用してもよく、イソシアネートなどの架橋剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を使用してもよい。また、バインダ樹脂や添加剤において、ポリイソシアネート化合物を硬化剤として用いることで添加剤のブリードアウトを抑制することができる。
酸素吸収物質の含有量は、酸素吸収物質含有層11aの全質量に対して、5~60質量%であることが好ましく、酸素吸収性やフィルムとしての強度に応じて含有量を調整すればよい。酸素吸収物質の含有量が5質量%未満の場合、酸素吸収性を得るために酸素吸収物質層を厚くする必要があり汎用的な成膜手段では困難となる。一方、酸素吸収物質の含有量が60質量%を超える場合、バインダ樹脂を主成分とした樹脂組成物が少なくなり、酸素吸収物質含有層の強度や他層との密着性の調整が困難となったりする。
酸素吸収物質含有層11aの厚みは、酸素吸収性に応じて調整すればよく、特に限定されないが、汎用的な成膜手段により形成することが可能な2~50μmにすることが好ましい。
アルカリ物質は、酸素吸収物質100質量部に対し20質量%~100質量%の割合でアルカリ物質含有層11b中に含有されることが好ましく、アルカリ層の全重量に対して5質量%~50質量%であることが好ましい。アルカリ物質の含有量が酸素吸収物質の20質量%未満では、十分な酸素吸収性が得られず、100質量%を超えても、酸素吸収性の著しい増加は見込めない。アルカリ層の全重量に対して5質量%未満では、十分な酸素吸収性が得られず、50質量%を超えると酸素吸収時のアルカリ物質の水溶によるアルカリ層の凝集力低下が顕著となり、密着性が得られなくなる。
アルカリ物質含有層11bの厚みは、酸素吸収性が得られれば限定されないが、汎用的な成膜手段により形成することが可能な0.1~50μmとすることが好ましい。
酸素吸収物質含有層11a及びアルカリ物質含有層11bの塗工の際に用いられるコーター及び印刷機の種類、並びにそれらの塗工方式としては特に限定されない。代表的なものとしては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバースグラビア方式、オフセットグラビア方式等のグラビアコーター、リバースロールコーター、マイクログラビアコーター、チャンバードクター併用コーター、エアナイフコーター、ディップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を挙げることができる。
(最内層)
図1に示す実施形態に係る積層体1は、最内層12を備える。最内層12は、積層体1において、基材としての最外層10とは反対側の表面を構成する層である。
図1に示す実施形態に係る積層体1は、最内層12を備える。最内層12は、積層体1において、基材としての最外層10とは反対側の表面を構成する層である。
積層体1の用途が包装材であり、袋状体等にして使用される場合には、最内層12はシーラント層を含むことが好ましい。シーラント層は積層体1にヒートシール性を付与する。この場合、例えば積層体1を、最内層12であるシーラント層を内側にして重ね合わせ、周縁部等をヒートシールすることによって容易に袋状に加工することができる。
シーラント層としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
<包装体>
本実施形態に係る包装体は、上記の積層体1を含む。具体的には、包装体の少なくとも一部が、上記の積層体で形成される。なお本実施形態に係る包装体には、印刷層、バリア層、表面保護層などの機能層を更に設けてもよい。
本実施形態に係る包装体は、上記の積層体1を含む。具体的には、包装体の少なくとも一部が、上記の積層体で形成される。なお本実施形態に係る包装体には、印刷層、バリア層、表面保護層などの機能層を更に設けてもよい。
本実施形態の包装体の応用例は、たとえば袋、MA包材、蓋材(トップ材)、シート、チャック付き袋、カバーフィルムを含む。また、袋状体の包装体は、2枚の上述した積層体1を、最内層12のシーラント層が内側となるよう配置した状態で周縁部を加熱して貼り合わせることによって形成してもよい。さらに、貼り合わせを行う周縁部に第3のフィルムを介在させて、いわゆる「マチ」付きの袋を形成してもよい。
袋状体の包装体は、矩形、円形、三角形を含む任意の形状を有してもよい。またチャック付き袋として、機械加工によって、袋状体の包装体の開口部に開閉自在の嵌合部を設けたものでもよい。
<包装物品>
本実施形態に係る包装物品は、上記の包装体と、これに収容された内容物とを含む。上記の包装体に収容される内容物の例は、特に限定しないが、例えば食品、飲料、化粧品、医薬品、産業資材、医療器具、電子機器、文化財を含む。本実施形態に係る包装物品において、包装体に収容された内容物が食品であるとき、当該食品は、水分活性が高い食品であってよい。水分活性が高い食品として、例えば、水分活性0.80~0.87の小麦粉、米、豆類、フルーツケーキ等、水分活性0.87~0.91のシラス干し、塩鮭、スポンジケーキ等、水分活性0.91~0.95のチーズ、果汁等、水分活性0.95~1.0の肉、ハム、ベーコン、ソーセージ、鮮魚、卵、果実等が挙げられる。
本実施形態に係る包装物品は、上記の包装体と、これに収容された内容物とを含む。上記の包装体に収容される内容物の例は、特に限定しないが、例えば食品、飲料、化粧品、医薬品、産業資材、医療器具、電子機器、文化財を含む。本実施形態に係る包装物品において、包装体に収容された内容物が食品であるとき、当該食品は、水分活性が高い食品であってよい。水分活性が高い食品として、例えば、水分活性0.80~0.87の小麦粉、米、豆類、フルーツケーキ等、水分活性0.87~0.91のシラス干し、塩鮭、スポンジケーキ等、水分活性0.91~0.95のチーズ、果汁等、水分活性0.95~1.0の肉、ハム、ベーコン、ソーセージ、鮮魚、卵、果実等が挙げられる。
<実施例1>
酸素バリア性と水蒸気バリア性を有するバリア層を形成したバリアフィルムGL-AE(凸版印刷製 厚み12μm)のバリア層側に、接着層を介して厚み12μmのポリエステルフィルムを貼り合わせたフィルムを、最外層10の基材として使用した。後述する酸素吸収物質含有層11aとの密着性を得るために、ウレタン系樹脂を主成分としたアンカー層を貼り合わせたポリエステルフィルムの表面に3μmの厚みで酸素吸収物質含有層11aを形成した。酸素吸収物質含有層11aの形成には、バインダ樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)、添加剤として分子末端にヒドロキシル基を有するジオールのポリエステルポリオール(ガラス転移温度-66.6℃)を使用した。前述のバインダ樹脂を主剤として、主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は5wt%(主剤と添加剤の質量比が主剤/添加剤95/5)となるように配合した。酸素吸収物質として没食子酸、溶剤として酢酸エチルを使用し、これらを配合した塗液を最外層10のアンカー層上にワイヤーバーにより塗布し、乾燥を行った。酸素吸収物質含有層11aの厚み(乾燥後)は10μmとした。没食子酸の含有率は酸素吸収物質含有層11aの全質量(固形分)の30質量%とした。
酸素バリア性と水蒸気バリア性を有するバリア層を形成したバリアフィルムGL-AE(凸版印刷製 厚み12μm)のバリア層側に、接着層を介して厚み12μmのポリエステルフィルムを貼り合わせたフィルムを、最外層10の基材として使用した。後述する酸素吸収物質含有層11aとの密着性を得るために、ウレタン系樹脂を主成分としたアンカー層を貼り合わせたポリエステルフィルムの表面に3μmの厚みで酸素吸収物質含有層11aを形成した。酸素吸収物質含有層11aの形成には、バインダ樹脂としてポリビニルブチラール樹脂(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)、添加剤として分子末端にヒドロキシル基を有するジオールのポリエステルポリオール(ガラス転移温度-66.6℃)を使用した。前述のバインダ樹脂を主剤として、主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は5wt%(主剤と添加剤の質量比が主剤/添加剤95/5)となるように配合した。酸素吸収物質として没食子酸、溶剤として酢酸エチルを使用し、これらを配合した塗液を最外層10のアンカー層上にワイヤーバーにより塗布し、乾燥を行った。酸素吸収物質含有層11aの厚み(乾燥後)は10μmとした。没食子酸の含有率は酸素吸収物質含有層11aの全質量(固形分)の30質量%とした。
次に、アルカリ物質含有層11bを形成した。バインダ樹脂としてアクリルポリオール(ガラス転移温度65℃、水酸基価50~60mgKOH/g)を使用し、添加剤として分子末端にヒドロキシ基を有するジオールのポリエステルポリオール(ガラス転移温度-66.6℃)を使用した。バインダ樹脂を主剤として、主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は10wt%(主剤と添加剤の質量比が主剤/添加剤90/10)となるように配合した。前述した主剤と添加剤、アルカリ物質である炭酸ナトリウム、及び酢酸エチルを混合してコーティング組成物を作製し、上記酸素吸収物質含有層11a上にワイヤーバーにより塗布を行い、乾燥後の厚み6μmのアルカリ物質含有層11bを形成した。炭酸ナトリウムは酸素吸収物質100質量部に対して60%質量とし、アルカリ物質含有層11bの全質量の30質量%とした。
上記アルカリ物質含有層上11bに、ウレタン系接着剤を乾燥後の厚み3μmとなるようにワイヤーバーで塗工し、これにシーラント層としてLLDPEフィルム(膜厚30μm)を貼り合わせ、積層体1を作製した。
<実施例2>
酸素吸収物質含有層11aのバインダ樹脂にポリビニルアセトアセタール(ガラス転移温度105℃、水酸基含有量25mol%)を使用しバインダ樹脂を主剤としたときに主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は10wt%(主剤と添加剤の質量比を主剤/添加剤90/10)とし、且つアルカリ物質含有層11bに使用するバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用し主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は6wt%(主剤と添加剤の質量比が主剤/添加剤92/8)に変更した以外は実施例1と同様の積層体1を作製した。
酸素吸収物質含有層11aのバインダ樹脂にポリビニルアセトアセタール(ガラス転移温度105℃、水酸基含有量25mol%)を使用しバインダ樹脂を主剤としたときに主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は10wt%(主剤と添加剤の質量比を主剤/添加剤90/10)とし、且つアルカリ物質含有層11bに使用するバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用し主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は6wt%(主剤と添加剤の質量比が主剤/添加剤92/8)に変更した以外は実施例1と同様の積層体1を作製した。
<実施例3>
酸素吸収物質含有層11aのバインダ樹脂にポリビニルアセトアセタール(ガラス転移温度105℃、水酸基含有量25mol%)及びポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用した。ポリビニルアセトアセタールとポリビニルブチラールを質量比で50/50としたバインダ樹脂を主剤としたときに主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は7wt%(主剤と添加剤の質量比を主剤/添加剤93/7)とし、且つアルカリ物質含有層11bに使用するバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)として添加剤は使用しなかった以外は実施例1と同様の積層体1を作製した。
酸素吸収物質含有層11aのバインダ樹脂にポリビニルアセトアセタール(ガラス転移温度105℃、水酸基含有量25mol%)及びポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用した。ポリビニルアセトアセタールとポリビニルブチラールを質量比で50/50としたバインダ樹脂を主剤としたときに主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は7wt%(主剤と添加剤の質量比を主剤/添加剤93/7)とし、且つアルカリ物質含有層11bに使用するバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)として添加剤は使用しなかった以外は実施例1と同様の積層体1を作製した。
<比較例1>
酸素吸収物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用し、アルカリ物質含有層のバインダ樹脂にアクリルポリオール(ガラス転移温度65℃ 水酸基価50~60mgKOH/g)を使用して、酸素吸収物質含有層及びアルカリ物質含有層に添加剤を使用しなかった以外は実施例1と同様の積層体を作製した。
酸素吸収物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用し、アルカリ物質含有層のバインダ樹脂にアクリルポリオール(ガラス転移温度65℃ 水酸基価50~60mgKOH/g)を使用して、酸素吸収物質含有層及びアルカリ物質含有層に添加剤を使用しなかった以外は実施例1と同様の積層体を作製した。
<比較例2>
酸素吸収物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルアセトアセタール(ガラス転移温度105℃、水酸基含有量25mol%)を使用し、アルカリ物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用した。添加剤に水溶性のポリエーテルポリオール(ガラス転移温度 -69℃)を使用し、バインダ樹脂を主剤として主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は酸素吸収物質含有層では5wt%(主剤と添加剤の質量比が95/5)、アルカリ物質含有層では8wt%(主剤と添加剤の質量比が92/8)とし、それ以外は実施例1と同様の積層体を作製した。
酸素吸収物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルアセトアセタール(ガラス転移温度105℃、水酸基含有量25mol%)を使用し、アルカリ物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用した。添加剤に水溶性のポリエーテルポリオール(ガラス転移温度 -69℃)を使用し、バインダ樹脂を主剤として主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は酸素吸収物質含有層では5wt%(主剤と添加剤の質量比が95/5)、アルカリ物質含有層では8wt%(主剤と添加剤の質量比が92/8)とし、それ以外は実施例1と同様の積層体を作製した。
<比較例3>
酸素吸収物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用し、添加剤は使用しなかった。アルカリ物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用した。添加剤にアクリルポリオール(ガラス転移温度95℃、水酸基価60~70mgKOH/g)を使用し、バインダ樹脂を主剤として主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は10wt%(主剤と添加剤の質量比主剤/添加剤90/10)とした。それ以外は実施例1と同様の積層体を作製した。
酸素吸収物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用し、添加剤は使用しなかった。アルカリ物質含有層のバインダ樹脂にポリビニルブチラール(ガラス転移温度67℃、水酸基含有量21mol%)を使用した。添加剤にアクリルポリオール(ガラス転移温度95℃、水酸基価60~70mgKOH/g)を使用し、バインダ樹脂を主剤として主剤と添加剤の質量合計に占める添加剤の割合は10wt%(主剤と添加剤の質量比主剤/添加剤90/10)とした。それ以外は実施例1と同様の積層体を作製した。
<評価方法>
上記で作製した積層体について、ヒートシールにより積層体を貼り合わせた袋を作製した。袋の寸法はシール部分を除いて横15cm×縦15cmの面積とした。袋内には水道水1.5gを含んだ布を内包させ且つ400ccの空気を注入して密封した。作製したサンプルを40℃の恒温槽で一定期間保管を行い酸素吸収性能及び密着性の評価を行った。
上記で作製した積層体について、ヒートシールにより積層体を貼り合わせた袋を作製した。袋の寸法はシール部分を除いて横15cm×縦15cmの面積とした。袋内には水道水1.5gを含んだ布を内包させ且つ400ccの空気を注入して密封した。作製したサンプルを40℃の恒温槽で一定期間保管を行い酸素吸収性能及び密着性の評価を行った。
(酸素吸収性能)
袋内の酸素濃度を測定し、初期酸素濃度との差から、それぞれの酸素吸収量を確認した。残存酸素量が10%未満の場合に「良」、10%以上の場合に「悪」と評価した。
袋内の酸素濃度を測定し、初期酸素濃度との差から、それぞれの酸素吸収量を確認した。残存酸素量が10%未満の場合に「良」、10%以上の場合に「悪」と評価した。
(密着性)
保存後の袋を短冊状のフィルム片に加工しフィルムの剥離強度を測定した。フィルム片は幅15mm、長さ60mmの寸法とした。フィルムの短辺部分の端部の一方に対して溶剤等を使用して15mm程度剥離を行った後に剥離強度を測定した。剥離強度の測定にはテンシロンを使用し、前述のフィルム片の剥離した部分から剥離を開始した。引張速度300mm/minにおいて90度剥離を行った。保存する前の剥離強度に対して、70%以上の強度を有している場合に「〇」とし、10以上70%未満の場合に「△」とし、10%を下回っている場合に「×」とした。
保存後の袋を短冊状のフィルム片に加工しフィルムの剥離強度を測定した。フィルム片は幅15mm、長さ60mmの寸法とした。フィルムの短辺部分の端部の一方に対して溶剤等を使用して15mm程度剥離を行った後に剥離強度を測定した。剥離強度の測定にはテンシロンを使用し、前述のフィルム片の剥離した部分から剥離を開始した。引張速度300mm/minにおいて90度剥離を行った。保存する前の剥離強度に対して、70%以上の強度を有している場合に「〇」とし、10以上70%未満の場合に「△」とし、10%を下回っている場合に「×」とした。
<評価結果>
表1に実施例1~3及び比較例1~3の評価結果を示す。
表1に実施例1~3及び比較例1~3の評価結果を示す。
実施例及び比較例に示した積層体を評価した結果、実施例の積層体1は保存後においても高い剥離強度を有しており、酸素吸収後も密着性を維持していた。これらの結果から、酸素吸収時に生成される酸素吸収物質の酸化物や、アルカリ水を含んだ水溶液体による密着性の低下を抑制でき、包装材等各種用途への実用が可能となった。
本発明は、食品、薬剤、医薬品、化粧品、電子部品等の包装材として利用できる。
1 積層体
10 最外層
11 酸素吸収層
11a 酸素吸収物質含有層
11b アルカリ物質含有層
12 最内層
10 最外層
11 酸素吸収層
11a 酸素吸収物質含有層
11b アルカリ物質含有層
12 最内層
Claims (16)
- 少なくとも最外層と、酸素吸収層と、最内層とをこの順序で備える積層体であって、
前記酸素吸収層は、酸素吸収物質とバインダ樹脂を少なくとも含む酸素吸収物質含有層と、アルカリ物質とバインダ樹脂を少なくとも含むアルカリ物質含有層を備え、前記酸素吸収物質含有層及び前記アルカリ物質含有層に含まれるバインダ樹脂は、側鎖にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂を主成分としており、更に前記酸素吸収物質含有層及び前記アルカリ物質含有層は、分子内にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が20℃以下である有機化合物を添加剤として含むことを特徴とする積層体。 - 少なくとも最外層と、酸素吸収層と、最内層とをこの順序で備える積層体であって、
前記酸素吸収層は、酸素吸収物質とバインダ樹脂を少なくとも含む酸素吸収物質含有層と、アルカリ物質とバインダ樹脂を少なくとも含むアルカリ物質含有層を備え、前記酸素吸収物質含有層及び前記アルカリ物質含有層に含まれるバインダ樹脂は、側鎖にヒドロキシル基を持ちガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂を主成分としており、更に前記酸素吸収物質含有層及び前記アルカリ物質含有層は、分子内にヒドロキシル基を持ち20℃~30℃の環境下において化合物単体では液状である有機化合物を添加剤として含むことを特徴とする積層体。 - 前記添加剤が分子内にヒドロキシル基を2つ以上含むポリオール化合物である事を特徴とする請求項1及び2のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記添加剤が非水溶性である事を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記バインダ樹脂もしくは前記添加剤が硬化剤としてポリイソシアネート化合物を混合して硬化した事を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記酸素吸収物質を、前記酸素吸収物質含有層の全質量に対し5質量%~60質量%の割合で含有する請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記アルカリ物質を、前記酸素吸収物質の全質量に対し40質量%~100質量%の割合で含有する請求項1から5のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記最外層は、基材と無機物の蒸着層からなる無機蒸着層と水溶性高分子含有層とを備える請求項1から7のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記最外層は、酸素バリア性を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記最外層と、前記酸素吸収層との間に水蒸気バリア層を更に備える請求項1から9のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記酸素吸収物質としてフェノール化合物を少なくとも含有する請求項1から10のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記酸素吸収物質としてピロガロール基を有するフェノール化合物を少なくとも含有する請求項1から11のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記酸素吸収物質として没食子酸及び没食子酸エステルから選択される少なくとも一種を含有する請求項1から12のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記最内層はシーラント層を含む請求項1から12のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1から14のいずれか1項に記載の積層体を含む包装体。
- 請求項15に記載の包装体と、これに収容された内容物とを含んだ包装物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020137499A JP2022033543A (ja) | 2020-08-17 | 2020-08-17 | 積層体、包装体及び包装物品 |
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Publications (1)
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JP2022033543A true JP2022033543A (ja) | 2022-03-02 |
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JP2020137499A Pending JP2022033543A (ja) | 2020-08-17 | 2020-08-17 | 積層体、包装体及び包装物品 |
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Country | Link |
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2020
- 2020-08-17 JP JP2020137499A patent/JP2022033543A/ja active Pending
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